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明細書 :廃水処理システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4023715号 (P4023715)
公開番号 特開2003-170190 (P2003-170190A)
登録日 平成19年10月12日(2007.10.12)
発行日 平成19年12月19日(2007.12.19)
公開日 平成15年6月17日(2003.6.17)
発明の名称または考案の名称 廃水処理システム
国際特許分類 C02F   3/34        (2006.01)
C02F   3/08        (2006.01)
C12M   1/00        (2006.01)
C12R   1/80        (2006.01)
FI C02F 3/34 ZABZ
C02F 3/34 101D
C02F 3/08 B
C12M 1/00 H
C12M 1/00 H
C12R 1:80
請求項の数または発明の数 1
微生物の受託番号 FERM P-18166
全頁数 5
出願番号 特願2001-375636 (P2001-375636)
出願日 平成13年12月10日(2001.12.10)
審査請求日 平成16年4月8日(2004.4.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】591270556
【氏名又は名称】名古屋市
発明者または考案者 【氏名】片桐 誠之
【氏名】梶田 勉
【氏名】伊藤 清治
【氏名】丹羽 淳
【氏名】富田 美穂
【氏名】野口 基治
個別代理人の代理人 【識別番号】100078101、【弁理士】、【氏名又は名称】綿貫 達雄
【識別番号】100085523、【弁理士】、【氏名又は名称】山本 文夫
【識別番号】100078101、【弁理士】、【氏名又は名称】綿貫 達雄
【識別番号】100085523、【弁理士】、【氏名又は名称】山本 文夫
【識別番号】100078101、【弁理士】、【氏名又は名称】綿貫 達雄
【識別番号】100085523、【弁理士】、【氏名又は名称】山本 文夫
審査官 【審査官】伊藤 紀史
参考文献・文献 特開平07-313991(JP,A)
特開昭59-046194(JP,A)
特開昭62-282696(JP,A)
特開昭64-018498(JP,A)
特開平06-091290(JP,A)
特開2002-223746(JP,A)
特開2002-238547(JP,A)
調査した分野 C02F 3/34
C02F 3/08
C12M 1/00
C12R 1/80
特許請求の範囲 【請求項1】
硝化液循環が行なわれる脱窒槽と硝化槽との間に、ポリフェノール分解菌であるペニシリウム-ゲアストリボルス(Penicillium geastrivorus)NM10b株(寄託番号FERM P-18166)を固定した流動担体が投入されたポリフェノール類処理槽を設け、このポリフェノール類処理槽で脱窒槽からの流出水中に含有されるBODの高度除去を行なわせることを特徴とする廃水処理システム。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生活廃水、食品加工廃水、ディスポーザー廃水等の、窒素分の他に着色原因物質であるポリフェノール類を含む有機性廃水の処理に適した廃水処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のような窒素分を含む廃水の処理方法としては、従来から活性汚泥法が広く用いられている。この方法は、曝気槽内に空気または酸素を吹き込み、好気性微生物の働きにより廃水中の有機分を酸化分解させる処理方法である。この方法において活性汚泥は溶解性有機物の吸着、分解、凝集沈殿などの機能を果たす。しかしこの活性汚泥法は長い処理時間を必要とするうえ、その内部で進行する食物連鎖が短いために大量の活性汚泥が発生し、その沈降分離や汚泥処理に多くの時間と手数を要するという問題があった。しかもこの方法に用いられる好気性微生物は易分解性有機物のみを硝化し、難分解性有機物でありまた着色原因物質でもあるポリフェノール類を分解することができないため、処理水が着色しているという問題があった。
【0003】
このほか、硝化液循環が行なわれる脱窒槽と硝化槽とを用いて廃水中の窒素を除去する生物学的窒素除去法も広く実用化されている。この方法は、廃水中のアンモニア態窒素を後段の硝化槽で硝酸態窒素とし、この硝化液を前段の脱窒槽に循環させて脱窒する方法である。この生物学的窒素除去法では、脱窒槽で処理された廃水が硝化槽に流入することとなる。しかし上記のようなポリフェノール類を含む有機性廃水を処理すると、脱窒槽からの流出水(硝化槽への流入水)中にBODが多く残留し、硝化槽での硝化効率が悪化して脱窒効率も低下するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の問題点を解決し、窒素分の他に着色原因物質であるポリフェノール類を含む有機性廃水をも高度に処理し、脱色された処理水とすることができる脱窒効率の高い新規な廃水処理システムを提供するためになされたものである。また本発明の他の目的は、処理時間が短く、活性汚泥法のように大量の汚泥を発生させることもない廃水処理システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の廃水処理システムは、硝化液循環が行なわれる脱窒槽と硝化槽との間に、ポリフェノール分解菌であるペニシリウム-ゲアストリボルス(Penicillium geastrivorus)NM10b株(寄託番号FERM P-18166)を固定した流動担体が投入されたポリフェノール類処理槽を設け、このポリフェノール類処理槽で脱窒槽からの流出水中に含有されるBODの高度除去を行なわせることを特徴とするものである。
【0006】
本発明で用いられる上記したペニシリウム-ゲアストリボルス(Penicillium geastrivorus)NM10b株は、出願人により特許生物寄託センターにFERM P-18166として寄託済みである。
【0007】
本発明は硝化工程と脱窒工程とからなる生物学的窒素除去を基本とするものであるが、脱窒槽と硝化槽との間にポリフェノール分解菌を固定した流動担体が投入されたポリフェノール類処理槽を設け、このポリフェノール類処理槽で脱窒槽からの流出水中に含有されるBODの高度除去を行なわせるため、硝化槽において硝化菌がBODにより阻害されることがなく、高い硝化効率を達成することができる。このため従来よりも脱窒効率を向上させることができ、また着色原因物質であるポリフェノール類が分解されるため、脱色された処理水を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
図1は本発明の実施形態を示すもので、1は生活廃水、食品加工廃水、ディスポーザー廃水等の窒素分の他に着色原因物質であるポリフェノール類を含む原水が流入する最初沈殿池である。この最初沈殿池1において、原水中のSS等が初沈汚泥として分離される。
【0009】
2は最初沈殿池1からの流出水が入る脱窒槽、3はその後段に設置された硝化槽であり、本発明ではそれらの間にポリフェノール類処理槽4が設置されている。これらの脱窒槽2と硝化槽3は従来から用いられていたものと特に変わるところはなく、従来と同様に循環経路8を介して硝化槽3から脱窒槽2への硝化液循環が行なわれている。脱窒槽2には攪拌機9が設けられており、硝化槽3とポリフェノール類処理槽4には散気手段10が設けられている。
【0010】
図示のように脱窒槽2には脱窒菌が固定された流動担体5を,また硝化槽3には硝化菌が固定された流動担体6をそれぞれ投入しておくことが好ましい。なお各槽における担体充填率は、槽容量に対して5~20容積%とし、脱窒槽2と硝化槽3の処理時間は1~3時間程度とすることが好ましい。またポリフェノール類処理槽4の処理時間は2~6時間程度とし、全体の処理時間を4~12時間とすることが好ましい。
【0011】
ポリフェノール類処理槽4には、ポリフェノール分解菌を固定した流動担体7が投入されている。ポリフェノール分解菌としては、ペニシリウム-ゲアストリボルス(Penicillium geastrivorus)NM10b株を用いるものとする。この線菌目ペニシリウム属に属する菌株は、従来の好気性微生物が分解できなかったポリフェノール類を水中において特異的に分解する能力を有するものであり、既に特許生物寄託センターにFERM P-18166として寄託済みである。
【0012】
このように構成された本発明の廃水処理システムにおいては、従来と同様に硝化液循環による生物学的窒素除去が行なわれるのであるが、脱窒槽2からの流出水に含まれる難分解性有機物であるポリフェノール類は、ポリフェノール類処理槽4内のポリフェノール分解菌によって分解除去される。このため、その後段の硝化槽3にはポリフェノール類を主体とするBODが流入することがなく、高い硝化効率が達成され、従ってまた高い脱窒効率が達成されることとなる。
【0013】
このように本発明の廃水処理システムでは活性汚泥を使用しないため、汚泥発生量を大幅に削減することができる。特に流動担体を用いることにより食物連鎖を長くし、上位の菌体が下位の菌体を分解させるようにすることによって、汚泥発生量をより少なくすることができる。また流動担体を用いることにより槽内の菌体濃度を高め、処理時間を短縮することができる。
次に本発明の実施例を示す。
【0014】
【実施例】
槽容量0.6m3の脱窒槽と、槽容量0.4m3のポリフェノール類処理槽と、槽容量0.6m3の硝化槽とを図1の通り配置し、表1に示した原水の処理を行った。各槽には流動担体が5容積%ずつ投入されており、ポリフェノール類処理槽の流動担体にはポリフェノール分解菌であるペニシリウム-ゲアストリボルスNM10b株を担持させた。処理水量は4.8m3/dayであり、全体の処理時間は8時間、硝化液循環率は原水の150%とした。その結果を、表1に示した。また比較のために、同一の原水を標準活性汚泥法により処理した結果も示した。
【0015】
【表1】
JP0004023715B2_000002t.gif【0016】
表1のデータに示されるように、本発明の廃水処理システムによれば、窒素除去率が60%(標準活性汚泥法では30%)、TOC除去率が93%(標準活性汚泥法では86%)、BOD除去率が97%(標準活性汚泥法では95%)となり、いずれも従来よりも優れた結果を示した。また標準活性汚泥法では30までしか低下させることができなかった色度を10にまで低下させることができ、ほぼ無色の処理水とすることができた。
【0017】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の廃水処理システムによれば、着色原因物質であるポリフェノール類を含む有機性廃水を高度に処理し、脱色された処理水とすることができる。しかも本発明の廃水処理システムは、脱窒効率が高く、処理時間が短く、活性汚泥法のように大量の汚泥を発生させることもない等の多くの利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の説明図である。
【符号の説明】
1 最初沈殿池、2 脱窒槽、3 硝化槽、4 ポリフェノール類処理槽、5脱窒菌が固定された流動担体、6 硝化菌が固定された流動担体、7 ポリフェノール分解菌を固定した流動担体、8 循環経路、9 攪拌機、10 散気手段
図面
【図1】
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