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明細書 :プラズマ制御方法、及びプラズマ制御装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3793816号 (P3793816)
公開番号 特開2005-116217 (P2005-116217A)
登録日 平成18年4月21日(2006.4.21)
発行日 平成18年7月5日(2006.7.5)
公開日 平成17年4月28日(2005.4.28)
発明の名称または考案の名称 プラズマ制御方法、及びプラズマ制御装置
国際特許分類 H05H   1/40        (2006.01)
H05H   1/00        (2006.01)
FI H05H 1/40
H05H 1/00 A
請求項の数または発明の数 16
全頁数 7
出願番号 特願2003-345672 (P2003-345672)
出願日 平成15年10月3日(2003.10.3)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 特許法第30条第1項適用、ADVANCES IN APPLIED PLASMA SCIENCE vol.4,2003(平成15年8月25日)第79-84頁に発表
審査請求日 平成15年10月3日(2003.10.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
発明者または考案者 【氏名】西山 秀哉
【氏名】佐藤 岳彦
【氏名】片桐 一成
個別代理人の代理人 【識別番号】100072051、【弁理士】、【氏名又は名称】杉村 興作
【識別番号】100100125、【弁理士】、【氏名又は名称】高見 和明
【識別番号】100101096、【弁理士】、【氏名又は名称】徳永 博
【識別番号】100086645、【弁理士】、【氏名又は名称】岩佐 義幸
【識別番号】100107227、【弁理士】、【氏名又は名称】藤谷 史朗
【識別番号】100114292、【弁理士】、【氏名又は名称】来間 清志
【識別番号】100119530、【弁理士】、【氏名又は名称】冨田 和幸
【識別番号】100110180、【弁理士】、【氏名又は名称】阿相 順一
審査官 【審査官】岡▲崎▼ 輝雄
参考文献・文献 特開平06-325895(JP,A)
特開平10-102228(JP,A)
特開平08-111298(JP,A)
特開平07-085991(JP,A)
特開平03-108241(JP,A)
特開平02-185967(JP,A)
特開昭62-161079(JP,A)
特表平07-505247(JP,A)
Hideya Nishiyama,Takehiko Sato,Yuichi Shiozaki,Performance of Intelligent Control Systems for an Oscillating Plasma Jet,ADVANCES IN APPLIED PLASMA SCIENCE,日本,Institute of Applied Plasma Science ,2003年 8月25日,vol.4,2003,79-84
調査した分野 H05H 1/40
H05H 1/00
特許請求の範囲 【請求項1】
プラズマジェット発生装置の発射口前方において、磁場発生手段を設ける工程と、
前記プラズマジェット発生装置からプラズマジェットを発射させる工程と、
前記プラズマジェットの物理特性をモニタリングし、このモニタリング情報に基づいて前記磁場発生手段を制御し、前記プラズマジェットに所定の磁場を直接印加することにより、前記プラズマジェットの、非定常場での変動幅を抑制する工程と、
を具えることを特徴とする、プラズマ制御方法。
【請求項2】
前記物理特性は、前記プラズマジェットの電子温度、電子密度、ガス温度、及び放射光強度から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ制御方法。
【請求項3】
前記プラズマジェット発生装置の発射口側に撮像手段を設け、前記プラズマジェットの状態を画像観察し、この画像情報に基づいて前記磁場発生手段を制御し、前記プラズマジェットに所定の磁場を直接印加することにより、前記プラズマジェットの、前記非定常場での変動幅を抑制する工程を具えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプラズマ制御方法。
【請求項4】
前記画像情報は、前記プラズマジェットの中心軸位置、巾、及び長さの少なくとも一つであることを特徴とする、請求項3に記載のプラズマ制御方法。
【請求項5】
前記モニタリング情報と前記画像情報とを相関させ、この相関情報に基づいて前記磁場発生手段を制御し、前記プラズマジェットに所定の磁場を直接印加することにより、前記プラズマジェットの、前記非定常幅での変動幅を抑制することを特徴とする、請求項3又は4に記載のプラズマ制御方法。
【請求項6】
前記磁場発生手段の制御はPID制御によって行うことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一に記載のプラズマ制御方法。
【請求項7】
プラズマジェット発生装置の発射口前方に磁場発生手段を設ける工程と、
前記プラズマジェット発生装置からプラズマジェットを発射させる工程と、
前記プラズマジェット発生装置の発射口側に撮像手段を設け、前記プラズマジェットの状態を画像観察し、この画像情報に基づいて前記磁場発生手段を制御し、前記プラズマジェットに所定の磁場を直接印加することにより、前記プラズマジェットの、非定常場での変動幅を抑制する工程と、
を具えることを特徴とする、プラズマ制御方法。
【請求項8】
前記画像情報は、前記プラズマジェットの中心軸位置、巾、及び長さの少なくとも一つであることを特徴とする、請求項7に記載のプラズマ制御方法。
【請求項9】
プラズマジェット発生装置の発射口前方に設けられ、前記プラズマジェット発生装置から発射されたプラズマジェットに直接所定の磁場を印加するための磁場発生手段と、
前記プラズマジェット発生装置から発射されたプラズマジェットの物理特性をモニタリングするための測定手段と、
前記物理特性に関するモニタリング情報に基づいて前記磁場発生手段を制御するための制御手段とを具え、
前記プラズマジェットの、非定常場での変動幅を抑制するようにしたことを特徴とする、プラズマ制御装置。
【請求項10】
前記測定手段は、前記プラズマジェットの電子温度、電子密度、ガス温度、及び放射光強度から選ばれる少なくとも一種の物理特性をモニタリングすることを特徴とする、請求項9に記載のプラズマ制御装置。
【請求項11】
前記プラズマジェット発生装置の発射口側に設けられた撮像手段を具え、前記プラズマジェットの状態を画像観察して、所定の画像情報を得ることを特徴とする、請求項9又は10に記載のプラズマジェット制御装置。
【請求項12】
前記撮像手段は、前記プラズマジェットの中心軸位置、巾、及び長さの少なくとも一つの画像情報を同定することを特徴とする、請求項11に記載のプラズマ制御装置。
【請求項13】
前記制御手段は、前記モニタリング情報と前記画像情報とを相関させ、この相関情報に基づいて前記磁場発生手段を制御することを特徴とする、請求項11又は12に記載のプラズマ制御装置。
【請求項14】
前記制御手段はPID制御手段を含むことを特徴とする、請求項9~13のいずれか一に記載のプラズマ制御装置。
【請求項15】
プラズマジェット発生装置の発射口前方に設けられ、前記プラズマジェット発生装置から発射されたプラズマジェットに直接所定の磁場を印加するための磁場発生手段と、
前記プラズマジェット発生装置の発射口側に設けられ、前記プラズマジェット発生装置から発射されたプラズマジェットの画像観察を行うための撮像手段と、
前記画像観察に基づく画像情報に基づいて前記磁場発生手段を制御するための制御手段とを具え、
前記プラズマジェットの、非定常場での変動幅を抑制するようにしたことを特徴とする、プラズマ制御装置。
【請求項16】
前記撮像手段は、前記プラズマジェットの中心軸位置、巾、及び長さの少なくとも一つの画像情報を同定することを特徴とする、請求項15に記載のプラズマ制御装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ制御方法、及びプラズマ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプラズマ流計測は、PIV法や飛行時間法による分散微粒子の粒子速度計測、ピトー管によるガス測度計測、熱電対や分光法によるプラズマ温度、静電探針による電子温度や電子密度計測などが主であった。これらの計測は、個別時間平均値として計測され、互いの計測結果の相関やプラズマジェットの長さ及び巾との関連を総合的に評価するシステムは未だ存在しない。このため、不安定挙動を示すプラズマジェットの非定常場において前記プラズマジェットを制御することは困難である。
【0003】
一方、上述した不安定挙動を示すプラズマジェットの非定常場での挙動を制御するシステムも開発されているが、前記システムの操作は困難であるとともに、高価であるという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、プラズマジェットの非定常場での不安定挙動を簡易に制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成すべく、本発明は、
プラズマジェット発生装置の発射口前方において、磁場発生手段を設ける工程と、
前記プラズマジェット発生装置からプラズマジェットを発射させる工程と、
前記プラズマジェットの物理特性をモニタリングし、このモニタリング情報に基づいて前記磁場発生手段を制御し、前記プラズマジェットに所定の磁場を直接印加することにより、前記プラズマジェットの、非定常場での変動幅を抑制する工程と、
を具えることを特徴とする、プラズマ制御方法に関する。
【0006】
また、本発明は、
プラズマジェット発生装置の発射口前方に設けられ、前記プラズマジェット発生装置から発射されたプラズマジェットに直接所定の磁場を印加するための磁場発生手段と、
前記プラズマジェット発生装置から発射されたプラズマジェットの物理特性をモニタリングするための測定手段と、
前記物理特性に関するモニタリング情報に基づいて前記磁場発生手段を制御するための制御手段とを具え、
前記プラズマジェットの、非定常場での変動幅を抑制するようにしたことを特徴とする、プラズマ制御装置に関する。
【0007】
本発明によれば、所定の測定手段を用い、プラズマジェット発生装置から発射されたプラズマジェットの物理特性をモニタリングし、このモニタリング情報に基づいて前記プラズマジェット発生装置の外周部に設けた磁場発生手段を制御し、前記プラズマジェットに所定の磁場を直接印加するようにしている。
【0008】
したがって、前記プラズマジェットが非定常場におかれ、その特性が経時的に変動するような場合でも、前記特性の変動は前記測定手段によって常にモニタリングされているため、このモニタリング情報に基づいて前記磁場発生手段を制御し、前記プラズマジェットに対して所定の磁場を直接印加し、前記プラズマジェットの特性変動を相殺することができる。この結果、前記プラズマジェットの継時的な変動をリアルタイムで抑制して、長期間安定させることができるようになる。
【0009】
また、本発明の好ましい態様においては、前記プラズマジェット発生装置の発射口側に撮像手段を設け、前記プラズマジェットの状態を画像観察し、この画像情報に基づいて前記磁場発生手段を制御し、前記プラズマジェットに所定の磁場を直接印加することにより、前記プラズマジェットの特性変動幅を抑制する。この場合は、前記プラズマジェットの前記物理特性の変動に加えて、前記プラズマジェットの状態変動を視覚的に捕えた画像情報をも利用し、前記プラズマジェットの継時的な特性変動をモニタリングするようにしている。
【0010】
したがって、前記プラズマジェットの経時的な特性変動を正確にモニタリングできるようになり、上述した磁場発生手段の制御を通じて前記プラズマジェットをリアルタイムで制御し、長期間より安定させることができるようになる。
【0011】
なお、前記物理特性及び前記画像情報はそれぞれ独立的に用いるよりも互いに相関させて用いることが好ましく、得られた相関情報に基づいて前記磁場発生手段を制御することが好ましい。これによって、前記プラズマジェットの特性変動を抑制すべくより正確な磁場を印加することができ、前記プラズマジェットの特性変動をより正確にリアルタイムで抑制することができ、前記プラズマジェットを長期間安定させることができるようになる。
【0012】
また、「プラズマジェットの特性」とは、前記プラズマジェットの電子温度、電子密度、ガス温度及び放射光強度などの物理特性の他に、前記プラズマジェットの中心軸位置、長さ及び巾などの状態特性を意味するものである。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明のプラズマ制御方法及びプラズマ制御装置によれば、プラズマジェットの非定常場での不安定挙動を簡易に制御することができるようになる。
本発明のその他の特徴及び利点については以下に詳述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のプラズマ制御装置を含むプラズマ生成装置の一例を示す構成図である。図1に示すプラズマ生成装置においては、プラズマジェット発生装置11の前方において磁場発生手段12が設けられている。さらに、プラズマジェット発生装置11から発射されたプラズマジェットPの特性(物理特性及び状態特性)をモニタリングするための測定部13、及びこのモニタリング情報に基づいて磁場発生手段12を制御するためのPID制御部14が設けられている。また、プラズマジェット発生装置11における放電電流及びガス流量を制御するための操作部15及びガス流量変動バルブ16が設けられている。
【0015】
測定部13は、プラズマジェットPの物理特性をモニタリングするためのセンサ131と、プラズマジェットPの状態特性をモニタリングするための撮像手段であるCCDカメラ132とを有している。センサ131はプラズマジェットP中に配置され、CCDカメラ132はプラズマジェット発生装置11の発射口の前方において、磁場発生手段12の下方に配置されている。
【0016】
センサ131は、電子温度、電子密度、ガス温度及び放射光強度の少なくとも一つをモニタリングするように構成されている。センサ131は、電子温度及び電子密度を計測する場合は、例えば、タングステン製の平板電極から構成されるトリプルプローブから構成することができる。また、ガス温度を計測する場合は、例えば所定のプローブの先端に装着したクロメルーコンスタンタンから構成することができる。さらに、放射光強度を計測する場合は、例えば先端に専用アンプを取り付けたフォトダイオードから構成することができる。
【0017】
CCDカメラ132は、プラズマジェットPを直接的に撮像し、プラズマジェットPの中心軸位置、巾及び長さなどの前記状態特性を画像情報として得るようにしている。
【0018】
なお、磁場発生手段12、センサ131及びCCDカメラ132を含む測定部13、及びPID制御部14が本発明のプラズマ制御装置を構成する。
【0019】
図2は、前記画像情報を得るための画像解析法の一例を示す図である。図2に示すように、CCDカメラ132で撮像したプラズマジェットPの画像において、半径方向座標を50分割し、分割点で256階調に離散化した相対放射強度分布を求める。このとき、前記相対放射強度が最大値を示す半径方向座標をプラズマジェットPの中心軸位置とし、最大放射強度の半値を示す半径方向の2点間の距離をプラズマジェットPの巾と定義する。さらに、中心軸上における(z1,z2)での放射光強度を計測し、最小自乗近似曲線と前記中心軸との交点L1を求め、座標z1と交点L1との距離をジェット長と定義する。
【0020】
上述のようにモニタリングした物理特性に関するモニタリング情報及び画像情報は互いに相関させ、得られた相関情報がPID制御部14に送られる。その後、PID制御部14から磁場発生手段12に対して所定の制御信号が送られ、所定の磁場がプラズマジェットPに印加される。
【0021】
このように、測定部13によってプラズマジェットPの経時的な特性変動を正確にモニタリングでき、上述した磁場発生手段の制御を通じて前記磁場の強度などを適宜に調節し、プラズマジェットPをリアルタイムで制御し、長期間より安定させることができるようになる。したがって、プラズマジェットPが非定常場におかれたような場合においても、プラズマジェットPの特性変動をリアルタイムでモニタリングできるため、その不安定挙動を抑制して、安定化させることができるようになる。
【0022】
なお、操作部15及び流量変動バルブ16は、プラズマジェットPを発生させるともに、直接的に制御するものである。プラズマジェットPの変動は操作部15などにおけるガス流量の変動や放電電流の変動にもある程度起因する。
【0023】
以上、具体例を挙げながら発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
【産業上の利用分野】
【0024】
本発明のプラズマ制御方法及びプラズマ制御装置は、プラズマ流や燃焼流などの発光流体の同時多元計測と不安定制御に利用することができる。具体的には、プラズマ溶射や微粒子創製などのプラズマジェットを用いたプラズマプロセスの計測及び制御、あるいはアークを用いた溶接及び溶断プロセスの計測及び制御、燃焼ガスなどの計測及び制御などに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のプラズマ制御装置を含むプラズマ生成装置の一例を示す構成図である。
【図2】プラズマジェットの画像情報を得るための画像解析法の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0026】
11 プラズマジェット発生装置
12 磁場発生手段
13 測定部
14 PID制御部
15 操作部
16 流量変動バルブ
131 センサ
132 CCDカメラ
P プラズマジェット
図面
【図1】
0
【図2】
1