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明細書 :AFI構造を有する新規アルカリ土類金属アルミノホスフェート及びその前駆体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3837561号 (P3837561)
公開番号 特開2005-112656 (P2005-112656A)
登録日 平成18年8月11日(2006.8.11)
発行日 平成18年10月25日(2006.10.25)
公開日 平成17年4月28日(2005.4.28)
発明の名称または考案の名称 AFI構造を有する新規アルカリ土類金属アルミノホスフェート及びその前駆体
国際特許分類 C01B  37/06        (2006.01)
C01B  39/54        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
C07C   2/70        (2006.01)
C07C  15/14        (2006.01)
FI C01B 37/06
C01B 39/54
C07B 61/00 300
C07C 2/70
C07C 15/14
請求項の数または発明の数 2
全頁数 10
出願番号 特願2003-347537 (P2003-347537)
出願日 平成15年10月6日(2003.10.6)
審査請求日 平成15年10月6日(2003.10.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304019399
【氏名又は名称】国立大学法人岐阜大学
発明者または考案者 【氏名】杉 義弘
【氏名】窪田 好浩
【氏名】シャマール クマール サハ
【氏名】スレッシュ ビー ワグモーデ
審査官 【審査官】大工原 大二
参考文献・文献 特開昭62-144753(JP,A)
特開昭49-005172(JP,A)
特開平07-133107(JP,A)
調査した分野 C01B 37/06
C01B 39/54
特許請求の範囲 【請求項1】
下記組成式(1)
(MO)・Al・(PO (1)
(式中、Mはストロンチウム又はバリウムを示し、aは0.025~0.1の数、bは0.6~1.0の数を示す)
で表され、AFI構造を有することを特徴とするアルカリ土類金属アルミノホスフェート。
【請求項2】
下記組成式(2)
(MO)・Al・(PO (2)
(式中、Mはストロンチウム又はバリウムを示し、Rはトリエチルアミンを示し、aは0.025~0.1の数を示し、bは0.6~1.0の数を示し、cは0.1~1の数を示す)
で表されることを特徴とするAFI構造を有するアルカリ土類金属アルミノホスフェート前駆体。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、AFI構造を有する新規アルカリ土類金属アルミノホスフェート(以下、MAPO-5とも略記する。Mは、ストロンチウムまたはバリウムを表す。)及びその前駆体に関するものである。
なお、AFIとは、国際ゼオライト協会においてMAPO-5の構造に与えられた登録コードを意味する。
【背景技術】
【0002】
従来、AFI構造を有するアルカリ土類金属アルミノホスフェートとしては、マグネシウムアルカリ土類金属アルミノホスフェートが知られているが、ストロンチウム(又はバリウム)アルミノホスフェートは知られていない。
そして、マグネシウムアルミノシリケートの場合、触媒または吸着剤として用いる際に固体酸性を有するが、固体塩基性が期待できないので、適用出来る反応及び化合物が限定される等の問題点(欠点)を有するものであった。また、ゼオライト等にアルカリ金属を担持するなどが検討されているが、シリケート本体の分解が起こるなど、安定性及び塩基触媒としての機能が低い等の問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明では、ストロンチウム(又はバリウム)を骨格に含有するAFI構造のアルカリ土類金属アルミノホスフェート及びその前駆体を提供することをその課題とする。
本発明が提供するストロンチウム(又はバリウム)アルミノホスフェートは固体塩基性が期待出来るので、固体塩基触媒反応等、新たな有機合成方法を拓くことが可能となり、また、吸着に適用すると従来困難であった塩基性化合物に適用が可能となる等、広い範囲の応用が期待できる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明によれば、下記組成式(1)
(MO)・Al・(PO (1)
(式中、Mはストロンチウム又はバリウムを示し、aは0.025~0.1の数、bは0.6~1.0の数を示す)
で表され、AFI構造を有することを特徴とするアルカリ土類金属アルミノホスフェートが提供される。
また、本発明によれば、下記組成式(2)
(MO)・Al・(PO (2)
(式中、Mはストロンチウム又はバリウムを示し、Rはトリエチルアミンを示し、aは0.025~0.1の数を示し、bは0.6~1.0の数を示し、cは0.1~1の数を示す)
で表されることを特徴とするAFI構造を有するアルカリ土類金属アルミノホスフェート前駆体が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明のアルカリ土類金属アルミノホスフェートであるAFI構造を有するストロンチウムアルミノホスフェート及びバリウムアルミノホスフェートの細孔径は、7.3×7.3Åであり、このものは、従来のアルカリ土類金属アルミノホスフェートと同様に各種の用途に用いられる。この場合の用途には、触媒や吸着剤等が包含される。特に芳香族炭化水素のアルキル化反応、n-パラフィンのイソパラフィンへの異性化、低級オレフィンへのクラッキング、及びその他多くの固体酸触媒反応を行う触媒として有利に用いられる。
【0007】
本発明のアルカリ土類金属アルミノホスフェートは、従来から知られているマグネシウムアルミノホスフェート等に期待できない固体塩基性が期待できるので、有機合成上重要なアルドール縮合、クライゼン-シュミット反応、マイケル反応などを円滑に行うことが行う塩基触媒反応を円滑に行うことが出来る。また、吸着に適用すると従来困難であった塩基性化合物に適用が可能となる等、広い範囲の応用が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明においては、MAPO-5(SrAPO-5及びBaAPO-5)は、(i)ストロンチウム源又はバリウム源、(ii)アルミニウム源、(iii)リン源、(iv)トリエチルアミン及び(v)水を用いることによって合成することができる。
【0009】
ストロンチウム源又はバリウム源としては、それら金属の有機酸塩や無機酸塩等が用いられる。この場合、該有機酸は、水溶性のストロンチウム塩又はバリウム塩を与えるものであればよく、各種のものが用いられる。このようなものには、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等が包含される。なお、該無機酸には、塩酸、硫酸、硝酸等が包含される。
【0010】
アルミニウム源としては、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミニウムイソプロポキシド、アルミナ等が用いられる。
リン源としては、オルトリン酸(リン酸)、メタリン酸、ピロリン酸等の各種のリン酸及びそれらの水溶性塩が挙げられる。
【0011】
本発明においては、構造誘導物質(SDA)としては、トリエチルアミンが用いられる。トリエチルアミンは高結晶性MAPO-5を容易に生成させる。
【0012】
本発明のMAPO-5を合成するための第1の態様は、(i)ストロンチウム源又はバリウム源と、(ii)アルミニウム源と、(iii)リン源の混合物からなるドライゲルを、粉末状態において、構造誘導物質であるトリエチルアミン蒸気及び水蒸気の存在下で90~200℃の温度に保持することにより高結晶性MAPO-5(SrAPO-5及び、BaAPO-5)を製造する方法である。本方法をVPT法と称する。
【0013】
VPT法におけるSrAPO-5の合成に用いる合成原料の組成モル比は、以下の通りである。
/Al:0.6~1.0、好ましくは0.8~0.98
SrO/Al:0.01~0.4、好ましくは0.025~0.1
O/Al:30~100、好ましくは40~50
R/Al:0.1~3、好ましくは0.19~0.76
【0014】
VPT法におけるBaAPO-5の合成に用いる合成原料の組成モル比は、以下の通りである。
/Al:0.6~1.0、好ましくは0.8~0.98
BaO/Al:0.01~0.4、好ましくは0.025~0.2
O/Al:30~100、好ましくは40~50
R/Al:0.1~3、好ましくは0.19~0.76
【0015】
VPT法によりSrAPO-5を合成するには、アルミニウム源、ストロンチウム源、リン源、及び水からなる反応混合物を作り、これを撹拌してゲル化物とし、これを撹拌しながら80~90℃に加熱して乾燥し、固形物(ドライゲル)を得る。この固形物を粉砕して粉体とする。この粉体の平均粒径は10~1000μm、好ましくは100~500μmである。
【0016】
本発明においては、この粉体を、構造誘導物質であるトリエチルアミン蒸気および水蒸気の存在下、90~200℃、好ましくは100~150℃の温度に保持して結晶化させる。
この結晶化物(アルカリ土類金属アルミノホスフェート前駆体)を450~700℃、好ましくは500~600℃にて空気中で焼成して、トリエチルアミンを焼失させることより、SrAPO-5を得る。このSrAPO-5の粒子径は、0.5~2μm程度である。
【0017】
本発明のアルカリ土類金属アルミノホスフェートを合成する第2の態様は、(i)ストロンチウム源又はバリウム源と、(ii)アルミニウム源と、(iii)リン源と、(iv)構造誘導物質としてのトリエチルアミンとの混合物からなるドライゲルを、粉末状態において、水蒸気の存在下で90~200℃の温度に保持することより、高結晶性MAPO-5を製造する方法である。本方法をSAC法と称する。
【0018】
SAC法におけるSrAPO-5の合成に用いる合成原料の組成モル比は、以下の通りである。
/Al:0.6~1.0、好ましくは0.8~0.98
SrO/Al:0.01~0.4、好ましくは0.025~0.2
O/Al:30~100、好ましくは40~50
R/Al:0.1~3、好ましくは0.19~0.76
【0019】
SAC法におけるBaAPO-5の合成に用いる合成原料の組成モル比は、以下の通りである。
/Al:0.6~1.0、好ましくは0.8~0.98
BaO/Al:0.01~0.4、好ましくは0.025~0.2
O/Al:30~100、好ましくは40~50
R/Al:0.1~2、好ましくは0.76~1.52
【0020】
SAC法によりBaAPO-5を合成するには、アルミニウム源、バリウム源、リン源、構造誘導物質としてのトリエチルアミン及び水からなる反応混合物を作り、これを撹拌してゲル化物とし、これを撹拌しながら80~90℃に加熱して乾燥し、固形物(ドライゲル)を得る。この固形物を粉砕して粉体とする。この粉体の平均粒径は10~1000μm、好ましくは100~500μmである。
【0021】
本発明においては、この粉体を、水蒸気の存在下、90~200℃、好ましくは100~150℃の温度に保持して結晶化させる。
この結晶化物を450~700℃、好ましくは500~600℃にて空気中で焼成して、トリエチルアミンを焼失させることにより、BaAPO-5を得る。このBaAPO-5の粒子径は、0.5~2μm程度である。
【0022】
図1にSAC法によりMAPO-5を製造する場合の実施説明図を示す。
VPT法では、構造誘電物質であるトリエチルアミンは、ゲルに直接添加せずに、オートクレーブの底部に充填された水に含有させる。
【0023】
本発明のMAPO-5を合成するための第3の態様は、(i)ストロンチウム源又はバリウム源と、(ii)アルミニウム源と、(iii)リン源と、(iv)構造誘導物質としてのトリエチルアミンと、(vi)水からなる混合物を加熱する方法である。この方法を水熱合成法と称する。
【0024】
水熱合成法におけるSrAPO-5の合成に用いる合成原料の組成モル比は、以下の通りである。
/Al:0.6~1.0、好ましくは0.8~0.98
SrO/Al:0.01~0.4、好ましくは0.025~0.2
O/Al:30~100、好ましくは40~50
R/Al:0.1~3、好ましくは0.19~0.76
【0025】
水熱合成法におけるBaAPO-5の合成に用いる合成原料の組成モル比は、以下の通りである。
/Al:0.6~1.0、好ましくは0.8~0.98
BaO/Al:0.01~0.4、好ましくは0.025~0.2
O/Al:30~100、好ましくは40~50
R/Al:0.1~2、好ましくは0.76~1.52
【0026】
水熱合成法によりSrAPO-5を合成するには、アルミニウム源、ストロンチウム源、構造誘導物質であるトリエチルアミン及び水からなる混合物を作り、これを撹拌しながら100~200℃に加熱する。この場合の加熱時間は1~10日である。
この水熱反応により、結晶性粉体であるアルカリ土類金属アルミノホスフェート前駆体が得られる。
次に、この結晶性粉体を450~700℃、好ましくは500~600℃にて空気中で焼成して、トリエチルアミンを消失させることにより、SrAPO-5を得る。
このSrAPO-5の粒子径は、10~30μm程度である。
【0027】
水熱合成法によりBaAPO-5を合成するには、アルミニウム源、バリウム源、構造誘導物質としてのトリエチルアミン及び水からなる混合物を作り、これを撹拌しながら100~150℃に加熱する。この場合の加熱時間は1~10日である。
この水熱反応により、結晶性粉体であるアルカリ土類金属アルミノホスフェート前駆体が得られる。
次に、この結晶性粉体を450~700℃、好ましくは500~600℃にて空気中で焼成して、トリエチルアミンを消失させることにより、BaAPO-5を得る。
このBaAPO-5の粒子径は、10~30μmである。
【0028】
前記のようにして得られるMAPO-5は、そのまま触媒として使用することも可能であるが、通常は、加圧成形し、成形物の形態で使用される。この場合の形態は、粒状、球状、円柱状、円筒状、ペレット状等の各種の形態であることができる。
また、MAPO-5を成形して成形物とする場合、成形助剤バインダーを併用することができる。バインダーとしては、α-アルミナのような表面積が小さく、不活性な無機物質が挙げられる。
【0029】
本発明のMAPO-5からなる触媒を用いてビフェニルのイソプロピル化を行うことができる。この場合、反応温度は200~350℃、より好ましくは250~300℃である。また、プロピレン圧は1~20atm、より好ましくは5~10atmである。この際、プロピレンは、予め反応器中に必要量を導入しても良く、反応中一定圧に保っても良い。
【実施例】
【0030】
次に本発明を実施例によりさらに詳述する。
【0031】
実施例1
(VPT法によるSrAPO-5の合成)
(1)アルミニウムイソプロポキシド2.05g(5mmol)を、脱イオン水1.85g(103mmol)中において、室温で20分間撹拌した。
(2)次いで、酢酸ストロンチウム0.107g(0.5mmol)を脱イオン水1.5g(83mmol)中に溶解した。
(3)1.5gの脱イオン水2.0g(111mmol)をオルトリン酸(含量:85%)1.15g(0.5mmol)に加えた。
(4)前記酢酸ストロンチウム水溶液を、前記アルミニウムイソプロポキシドスラリーに、30分間連続撹拌しながら、滴下した。
【0032】
(5)前記リン酸水溶液を、前記(4)のスラリーに滴下し、30分間撹拌した。撹拌をさらに1時間続けて均一混合物を得た。次いで、該ゲルを、連続撹拌しながら、油浴上80℃で乾燥して、水を蒸発させた。ゲルが濃厚になり、粘性を生じた時点で、テフロン(商標)製ロッドにより均質化した。この操作を該ゲルが乾燥するまで続けた。この場合の乾燥時間は、その合成条件により変化した(約0.45~1時間)。このようにして、白色固体(ドライゲル)が生成したが、このものは粉砕して微粉末とした。
【0033】
(6)この微粉末を小さなテフロン(商標)製カップ(高さ20mm、内径20mm)に入れた。このカップをテフロン(商標)ライニングしたオートクレーブ(23ml)に入れた。SDAとしてトリエチルアミン0.38g(3.8mmol)および少量(ドライゲル1g当り約0.3g)のスチーム源としての水を、オートクレーブの底部に充填した。この場合、その外部水が該ドライゲルに直接接触しないようにした。
次いで、該ゲルを、オーブン中105℃で2日、140℃で自己発生スチーム圧下で、1日間加熱した。
得られた結晶化生成物は、脱イオン水を用いる遠心法で洗浄し、100℃で一夜乾燥した。
【0034】
次に、該生成物(アルカリ土類金属アルミノホスフェート前駆体)をマッフル炉に入れ、空気流通下(流速50ml/分)で加熱した。この場合、加熱温度は、1.5時間で室温から200℃に上昇させ、この温度に2時間保持した。該温度を再び3時間かけて550℃に上昇させた。この温度にさらに6時間保持し、最後に、該製品を室温(大気条件)に冷却した。
【0035】
このようにして得た製品(I)の純度及び結晶度を、XRDにより測定した。その純度は99%以上であり、その結晶度は99%以上であり、高純度、高結晶性のアルカリ土類金属アルミノホスフェートであることが確認された。その平均粒径は0.5~2.0μmであった。
得られたSrAPO-5のSrO/Alモル比は0.168である。
【0036】
実施例2
(SAC法によるSrAPO-5の合成)
(1)アルミニウムイソプロポキシド2.05g(5mmol)を、脱イオン水1.85g(103mol)中において、室温で20分間撹拌した。
(2)次いで、酢酸ストロンチウム0.107g(0.05mmol)を脱イオン水1.5g(83mmol)に溶解した。
(3)脱イオン水2.0g(111mmol)をオルトリン酸(含量85%)1.15g(5mmol)に加えた。
(4)前記酢酸ストロンチウム水溶液を、前記アルミニウムイソプロポキシドスラリーに、30分間連続撹拌しながら、滴下した。
【0037】
(5)前記リン酸水溶液を、前記(4)のスラリーに滴下し、30分間撹拌した。次いで、トリエチルアミン0.38g(3.8mmol)をSDAとして、アルカリ土類金属アルミノホスフェートベースゲルに対し、室温で約30分間連続撹拌しながら、滴下し、撹拌をさらに1時間続けて均一混合物を得た。次いで、該ゲルを、連続撹拌しながら、油浴上80℃で乾燥して、水を蒸発させた。ゲルが濃厚になり、粘性を生じた時点で、テフロン(商標)製ロッドにより均質化した。この操作を該ゲルが乾燥するまで続けた。この場合の乾燥時間は、その合成条件により変化した(約0.45~1時間)。このようにして、白色固体(ドライゲル)が生成したが、このものは粉砕して微粉末とした。
【0038】
(6)この微粉末を小さなテフロン(商標)製カップ(高さ20mm、内径20mm)に入れた。このカップをテフロン(商標)ライニングしたオートクレーブ(23ml)に入れた。少量(ドライゲル1g当り約0.3g)のスチーム源としての水を、オートクレーブの底部に充填した。この場合、その外部水が該ドライゲルに直接接触しないようにした。
次いで、該ゲルを、オーブン中105℃で2日、140℃で自己発生スチーム圧下で、1日間加熱した。
得られた結晶化生成物は、脱イオン水を用いる遠心法で洗浄し、100℃で一夜乾燥した。
【0039】
次に、該生成物(アルカリ土類金属アルミノホスフェート前駆体)をマッフル炉に入れ、空気流通下(流速50ml/分)で加熱した。この場合、加熱温度は、1.5時間で室温から200℃に上昇させ、この温度に2時間保持した。該温度を再び3時間かけて550℃に上昇させた。この温度にさらに6時間保持し、最後に、該製品を室温(大気条件)に冷却した。
【0040】
このようにして得た製品(II)の純度及び結晶度を、粉末X線回折法(XRD)により測定した。その純度は99%以上であり、その結晶度は99%以上であり、高純度、高結晶性のアルカリ土類金属アルミノホスフェートであることが確認された。その平均粒径は0.5~2.0μmであった。
得られたSrAPO-5のSrO/Alモル比は0.168である。
【0041】
実施例3
(水熱法によるSrAPO-5の合成)
実施例1と同様の組成で水熱合成法によりSrAPO-5の合成を行った。
(1)アルミニウムイソプロポキシド2.05g(5mmol)を、脱イオン水3.83g中において、室温で20分間撹拌した。
(2)次いで、酢酸ストロンチウム0.107g(0.05mmol)を脱イオン水1.5g(83mmol)中に溶解した。
(3)脱イオン水2.0g(111mmol)をオルトリン酸(含量85%)1.15g(5mmol)に加えた。
(4)前記酢酸ストロンチウム水溶液を、前記アルミニウムイソプロポキシドスラリーに、30分間連続撹拌しながら、滴下した。
(5)前記酢酸ストロンチウム水溶液を、前記アルミニウムイソプロポキシドスラリーに、30分間連続撹拌しながら、滴下した。
【0042】
(6)前記リン酸水溶液を、前記(4)のスラリーに滴下し、30分間撹拌した。次いで、トリエチルアミン0.38g(3.8mmol)を、アルカリ土類金属アルミノホスフェートベースゲルに対し、室温で約30分間連続撹拌しながら、滴下し、撹拌をさらに1時間続けて均一混合物を得た。この溶液をオートクレーブに入れ、105℃で2日加熱し、その後140℃で1日加熱した。
次に、該生成物(アルカリ土類金属アルミノホスフェート前駆体)をマッフル炉に入れ、空気流通下(流速50ml/分)で加熱した。この場合、加熱温度は、1.5時間で室温から200℃に上昇させ、この温度に2時間保持した。該温度を再び3時間かけて550℃に上昇させた。この温度にさらに6時間保持し、最後に、該製品を室温(大気条件)に冷却した。
【0043】
このようにして得た製品IIIの純度及び結晶度を、粉末X線回折法(XRD)により測定した。この場合には、いくつかの微量不純物に基づく回折ピークが認められた。
その純度は90%以上、その結晶度は90%以上であり、その平均粒径は20μmであった。
【0044】
実施例4
(VPT法によるBaAPO-5の合成)
実施例1において、酢酸ストロンチウムの代りに、同モル量の酢酸バリウムを用いた以外は同様にして実験を行った。
この場合にも、純度90%以上、結晶度90%以上のBaAPO-5が得られたことが確認された。その平均粒径は0.5~2.0μmであった。
得られたBaAPO-5のBaO/Alモル比は0.083である。
【0045】
実施例5
(SAC法によるBaAPO-5の合成)
実施例2において、酢酸ストロンチウムの代りに、同モル量の酢酸バリウムを用いた以外は同様にして実験を行った。
この場合にも、純度90%以上、結晶度90%以上のBaAPO-5が得られたことが確認された。その平均粒径は0.5~2.0μmであった。
得られたBaAPO-5のBaO/Al比は0.089である。
【0046】
実施例6
(水熱法によるBaAPO-5の合成)
実施例3において、酢酸ストロンチウムの代りに、同モル量の酢酸バリウムを用いた以外は同様にして実験を行った。
この場合にも、純度90%以上、結晶度90%以上のBaAPO-5が得られたことが確認された。その平均粒径は10~30μmであった。
得られたBaAPO-5のBaO/Al比は0.090である。
【0047】
応用例1
(ビフェニルのイソプロピル化)
実施例1で得たSrAPO-5(0.25g)をビフェニル(7.7g、50mmol)とともにオートクレーブに入れ、内部を窒素で洗浄した。オートクレーブを300℃まで加熱し、プロピレン8atmを導入した。その後、撹拌を行うことによりイソプロピル化を行った。反応終了後、オートクレーブを冷却し、過剰のプロピレンをパージした後、反応生成物をガスクロマトグラフにより分析した。
生成物中にはイソプロピルビフェニル(IPBP)及びジイソプロピルビフェニル(DIPB)の生成が確認された。この際、ビフェニルの反応率10%であり、ジイソプロピルビフェニル中の4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択率は60%であった。
【0048】
応用例2
(ビフェニルのイソプロピル化)
実施例4で得たBaAPO-5(0.25g)をビフェニル(7.7g、50mmol)とともにオートクレーブに入れ、内部を窒素で洗浄した。オートクレーブを300℃まで加熱し、プロピレン8atmを導入した。その後、撹拌を行うことによりイソプロピル化を行った。反応終了後、オートクレーブを冷却し、過剰のプロピレンをパージした後、反応生成物をガスクロマトグラフにより分析した。
生成物中にはイソプロピルビフェニル(IPBP)及びジイソプロピルビフェニル(DIPB)の生成が確認された。この際、ビフェニルの反応率7%であり、ジイソプロピルビフェニル中の4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択率は50%であった。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明を実施する場合の説明図の1例を示す。
図面
【図1】
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