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明細書 :α-ヒドロキシアルデヒドの製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4454298号 (P4454298)
公開番号 特開2005-170825 (P2005-170825A)
登録日 平成22年2月12日(2010.2.12)
発行日 平成22年4月21日(2010.4.21)
公開日 平成17年6月30日(2005.6.30)
発明の名称または考案の名称 α-ヒドロキシアルデヒドの製造方法
国際特許分類 C07C  45/49        (2006.01)
C07C  47/19        (2006.01)
FI C07C 45/49
C07C 47/19
請求項の数または発明の数 4
全頁数 16
出願番号 特願2003-411664 (P2003-411664)
出願日 平成15年12月10日(2003.12.10)
審査請求日 平成18年10月2日(2006.10.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】高橋 保
個別代理人の代理人 【識別番号】100092783、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 浩
【識別番号】100095360、【弁理士】、【氏名又は名称】片山 英二
【識別番号】100093676、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 純子
【識別番号】100112726、【弁理士】、【氏名又は名称】黒田 薫
審査官 【審査官】野口 勝彦
参考文献・文献 特開昭51-095009(JP,A)
特開昭55-162729(JP,A)
特開昭61-018437(JP,A)
特開平11-263743(JP,A)
特開2001-247506(JP,A)
調査した分野 C07C 45/49
C07C 47/19
特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(1)で示されるα-ヒドロキシアルデヒドの製造方法であって、
【化1】
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[式中、R1及びR2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、1~C20アルキル基、C2~C20アルケニル基、C2~C20アルキニル基、C4~C20アルキルジエニル基、C6~C18アリール基、C6~C20アルキルアリール基、C6~C20アリールアルキル基、C4~C20シクロアルキル基、C4~C20シクロアルケニル基及び(C3~C10シクロアルキル)C1~C10アルキル基からなる群から選ばれる炭化水素基である。
下記式(2)で示されるケトン誘導体と、
【化2】
JP0004454298B2_000015t.gif
[式中、R1及びR2は、上記の意味を有する。]
下記式(3)で示される遷移金属錯体と、
M(L)n (3)
[式中、Mは、チタン、ジルコニウム又はハフニウムを示し、
nは1~6の整数を示す。
Lは、メチルシクロペンタジエニル、エチルシクロペンタジエニル、イソプロピルシクロペンタジエニル、n-ブチルシクロペンタジエニル、t-ブチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、ジエチルシクロペンタジエニル、ジイソプロピルシクロペンタジエニル、ジ-t-ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、インデニル基、2-メチルインデニル基、2-メチル-4-フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、オクタヒドロフルオレニル基及びアズレニル基からなる群から選択される非局在化環状η5-配位系配位子を示す。]
一酸化炭素とを反応させ、反応混合物を得る工程と、前記反応混合物を酸により加水分解する工程とを含むことを特徴とするα-ヒドロキシアルデヒドの製造方法。
【請求項2】
下記式(1)で示されるα-ヒドロキシアルデヒドの製造方法であって、
【化3】
JP0004454298B2_000016t.gif
[式中、R1及びR2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、1~C20アルキル基、C2~C20アルケニル基、C2~C20アルキニル基、C4~C20アルキルジエニル基、C6~C18アリール基、C6~C20アルキルアリール基、C6~C20アリールアルキル基、C4~C20シクロアルキル基、C4~C20シクロアルケニル基及び(C3~C10シクロアルキル)C1~C10アルキル基からなる群から選ばれる炭化水素基である。
下記式(4)で示される有機金属化合物と一酸化炭素とを反応させ、第1の反応混合物を得る工程と、
【化4】
JP0004454298B2_000017t.gif
[式中、R1及びR2は、上記の意味を有する。
Mは、チタン、ジルコニウム又はハフニウムを示し、
nは1~6の整数を示す。
Lは、メチルシクロペンタジエニル、エチルシクロペンタジエニル、イソプロピルシクロペンタジエニル、n-ブチルシクロペンタジエニル、t-ブチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、ジエチルシクロペンタジエニル、ジイソプロピルシクロペンタジエニル、ジ-t-ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、インデニル基、2-メチルインデニル基、2-メチル-4-フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、オクタヒドロフルオレニル基及びアズレニル基からなる群から選択される非局在化環状η5-配位系配位子を示す。
前記第1の反応混合物を更に一酸化炭素と反応させ、第2の反応混合物を得る工程と、
前記第2の反応混合物を酸により加水分解する工程とを含むことを特徴とする、α-ヒドロキシアルデヒドの製造方法。
【請求項3】
1及びR2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、1~C20アルキル基またはC6~C20アルキルアリール基である、請求項1又は2に記載のα-ヒドロキシアルデヒドの製造方法。
【請求項4】
Mがジルコニウムである、請求項1~3のいずれかに記載のα-ヒドロキシアルデヒドの製造方法。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、α-ヒドロキシアルデヒドの製造方法に関し、より詳しくはケトンのカルボニレーションを利用したα-ヒドロキシアルデヒドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルデヒド類は、香料や医薬品の中間体として使用することができ、その価値は高い。しかも、カルボニル基のみならず水酸基を有するα-ヒドロキシアルデヒドは、さらにその応用範囲が広くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、カルボニル基と水酸基を有するα-ヒドロキシアルデヒドを、安価な一酸化炭素から提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
即ち、本発明の第1態様では、下記式(1)で示されるα-ヒドロキシアルデヒドの製造方法であって、
【化5】
JP0004454298B2_000002t.gif
[式中、R1及びR2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;又は置換基を有していてもよいシリル基であり、ただし、R1及びR2は、それぞれ、互いに架橋してC4~C20飽和環又は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子又は式-N(B)-で示される基(式中、Bは水素原子又はC1~C20炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。] 下記式(2)で示されるケトン誘導体と、
【化6】
JP0004454298B2_000003t.gif
[式中、R1及びR2は、上記の意味を有する。] 下記式(3)で示される遷移金属錯体と、
M(L)n (3)
[式中、Mは、遷移金属を示し、nは1~6の整数を示す。Lは、中性又はアニオン性配位子を示す。ただし、nが2以上である場合には、Lは、それぞれ、互いに独立し、同一または異なっていてもよく、また、互いに架橋されていてもよい。] 一酸化炭素とを反応させ、反応混合物を得る工程と、前記反応混合物を酸により加水分解する工程とを含むことを特徴とするα-ヒドロキシアルデヒドの製造方法が提供される。
【0005】
本発明の第2態様では、下記式(1)で示されるα-ヒドロキシアルデヒドの製造方法であって、
【化7】
JP0004454298B2_000004t.gif
[式中、R1及びR2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;又は置換基を有していてもよいシリル基であり、ただし、R1及びR2は、それぞれ、互いに架橋してC4~C20飽和環又は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子又は式-N(B)-で示される基(式中、Bは水素原子又はC1~C20炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。] 下記式(4)で示される有機金属化合物と一酸化炭素とを反応させ、第1の反応混合物を得る工程と、
【化8】
JP0004454298B2_000005t.gif
[式中、R1及びR2は、上記の意味を有する。Mは、遷移金属を示し、nは1~6の整数を示す。Lは、中性又はアニオン性配位子を示す。ただし、nが2以上である場合には、Lは、それぞれ、互いに独立し、同一または異なっていてもよく、また、互いに架橋されていてもよい。] 前記第2の反応混合物を更に一酸化炭素と反応させ、第2の反応混合物を得る工程と、前記第2の反応混合物を酸により加水分解する工程とを含むことを特徴とする、α-ヒドロキシアルデヒドの製造方法が提供される。
【0006】
本発明の第1態様及び第2態様において、R1及びR2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基であることが好ましい。
【0007】
また、本発明の第1態様及び第2態様において、Mが周期表第4族から第6族の遷移金属であることが好ましく、ジルコニウムであることが更に好ましい。
【0008】
また、本発明の第1態様及び第2態様において、前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5-配位系配位子であって、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基であることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の方法により、カルボニル基と水酸基を有するα-ヒドロキシアルデヒドを、安価な一酸化炭素から提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の第1態様では、下記式(2)で示されるケトン誘導体と、下記式(3)で示される遷移金属錯体と、一酸化炭素とを反応させて反応混合物を得る工程(第1工程)と、前記反応混合物を酸により加水分解する工程(第2工程)とを含むことを特徴とする、下記式(1)で示されるα-ヒドロキシアルデヒドの製造方法が提供される。
【0011】
【化9】
JP0004454298B2_000006t.gif
[式中、R1、R2、M、Lおよびnは、上記の意味を有する。]
【0012】
本発明の第1態様によれば、ケトン誘導体を一酸化炭素によってカルボニル化することにより容易にα-ヒドロキシアルデヒドを得ることができる。
【0013】
上記式中、R1及びR2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;又は置換基を有していてもよいシリル基である。
【0014】
本明細書において、「C1~C20炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C1~C20炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。「C1~C20炭化水素基」には、C1~C20アルキル基、C2~C20アルケニル基、C2~C20アルキニル基、C4~C20アルキルジエニル基、C6~C18アリール基、C6~C20アルキルアリール基、C6~C20アリールアルキル基、C4~C20シクロアルキル基、C4~C20シクロアルケニル基、(C3~C10シクロアルキル)C1~C10アルキル基などが含まれる。
【0015】
本明細書において、「C1~C20アルキル基」は、C1~C10アルキル基であることが好ましく、C1~C6アルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
【0016】
本明細書において、「C2~C20アルケニル基」は、C2~C10アルケニル基であることが好ましく、C2~C6アルケニル基であることが更に好ましい。アルケニル基の例としては、制限するわけではないが、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2-メチル-1-プロペニル、2-メチルアリル、2-ブテニル等を挙げることができる。
【0017】
本明細書において、「C2~C20アルキニル基」は、C2~C10アルキニル基であることが好ましく、C2~C6アルキニル基であることが更に好ましい。アルキニル基の例としては、制限するわけではないが、エチニル、2-プロピニル、2-ブチニル等を挙げることができる。
【0018】
本明細書において、「C4~C20アルキルジエニル基」は、C4~C10アルキルジエニル基であることが好ましく、C4~C6アルキルジエニル基であることが更に好ましい。アルキルジエニル基の例としては、制限するわけではないが、1,3-ブタジエニル等を挙げることができる。
【0019】
本明細書において、「C6~C18アリール基」は、C6~C10アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
【0020】
本明細書において、「C6~C20アルキルアリール基」は、C6~C12アルキルアリール基であることが好ましい。アルキルアリール基の例としては、制限するわけではないが、o-トリル、m-トリル、p-トリル、2,3-キシリル、2,4-キシリル、2,5-キシリル、o-クメニル、m-クメニル、p-クメニル、メシチル等を挙げることができる。
【0021】
本明細書において、「C6~C20アリールアルキル基」は、C6~C12アリールアルキル基であることが好ましい。アリールアルキル基の例としては、制限するわけではないが、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、2,2-ジフェニルエチル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチル等を挙げることができる。
【0022】
本明細書において、「C4~C20シクロアルキル基」は、C4~C10シクロアルキル基であることが好ましい。シクロアルキル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
【0023】
本明細書において、「C4~C20シクロアルケニル基」は、C4~C10シクロアルケニル基であることが好ましい。シクロアルケニル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、2-シクロペンテン-1-イル、2-シクロヘキセン-1-イル、3-シクロヘキセン-1-イル等を挙げることができる。
【0024】
本明細書において、「C1~C20アルコキシ基」は、C1~C10アルコキシ基であることが好ましく、C1~C6アルコキシ基であることが更に好ましい。アルコキシ基の例としては、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ等がある。
【0025】
本明細書において、「C6~C20アリールオキシ基」は、C6~C10アリールオキシ基であることが好ましい。アリールオキシ基の例としては、制限するわけではないが、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等を挙げることができる。
【0026】
1及びR2で示される「C1~C20炭化水素基」、「C1~C20アルコキシ基」、「C6~C20アリールオキシ基」、「アミノ基」、「シリル基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0027】
本明細書において、「置換基を有していてもよいアミノ基」の例としては、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
【0028】
本明細書において、「置換基を有していてもよいシリル基」の例としては、制限するわけではないが、ジメチルシリル、ジエチルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、トリフェノキシシリル、ジメチルメトキシシリル、ジメチルフェノキシシリル、メチルメトキシフェニル等がある。
【0029】
本発明において、R1及びR2は、互いに架橋してC4~C20飽和環又は不飽和環を形成してもよい。これらの置換基が形成する環は、4員環~16員環であることが好ましく、4員環~12員環であることが更に好ましい。この環は、ベンゼン環等の芳香族環あってもよいし、脂肪族環であってもよい。また、これらの置換基が形成する環に、更に単数又は複数の環が形成されていてもよい。
【0030】
前記飽和環または不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子または式—N(B)—で示される基(式中、Bは水素原子またはC1~C20炭化水素基である。)で中断されていてもよい。即ち、前記飽和環または不飽和環はヘテロ環であってもよい。かつ、置換基を有していてもよい。不飽和環は、ベンゼン環等の芳香族環であってもよい。
【0031】
Bは,水素原子またはC1~C10炭化水素基であることが好ましく、水素原子またはC1~C7炭化水素基であることが更に好ましく、Bは水素原子、C1~C3アルキル基、フェニル基またはベンジル基であることが更になお好ましい。
【0032】
この飽和環又は不飽和環は、置換基を有していてもよく、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などの置換基が導入されていてもよい。
【0033】
本発明の第1態様において、R1及びR2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基であることが好ましく、C1~C10アルキル基であることが更に好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、フェニル、フェニルメチル、又はフェニルエチルであることがより好ましい。
【0034】
本発明の第1態様にかかるα-ヒドロキシアルデヒドの製造方法では、下記式(2)で示されるケトン誘導体が用いられる。
【0035】
【化10】
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[式中、R1及びR2は、上記の意味を有する。]
【0036】
また、本発明の第1にかかるα-ヒドロキシアルデヒドの製造方法では、下記式(3)で示される遷移金属錯体が用いられる。
M(L)n (3)
【0037】
上記式中、Mは、遷移金属を示す。Mとしては、周期表第4族~第6族の遷移金属であることが好ましく、周期表第4族の金属、即ち、チタン、ジルコニウム及びハフニウムであることが更に好ましく、ジルコニウムであることが特に好ましい。
【0038】
nは1~6の整数であり、1~4であることが好ましく、1~2であることが更に好ましい。
【0039】
Lは、中性又はアニオン性配位子を示す。nが2以上である場合には、Lは、それぞれ、互いに独立し、同一または異なっていてもよく、また、互いに架橋されていてもよい。
【0040】
前記中性配位子としては、ホスフィン、アルキンやオレフィンなどの不飽和化合物、アミンやニトリル等の含窒素化合物を挙げることができる。
オレフィンであることが更に好ましい。
【0041】
本明細書において、「ホスフィン」は、ジフェニルホスフィンのようなジアリールホスフィン、トリフェニルホスフィンのようなトリアリールホスフィン、トリエチルホスフィンのようなトリアルキルホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンのようなα,ω-ビス(ジアリールホスフィノ)アルカン、P,P,P’,P’,P”,P”-ヘキサフェニル-トリスエチレンテトラホスフィンのようなP,P,P’,P’,P”,P”-六置換-トリスアルキレンテトラホスフィン等を挙げることができる。
【0042】
本明細書において、「アルキン」は、C2~C10アルキンであることが好ましく、C2~C6アルキンであることが更に好ましい。アルキンの例としては、制限するわけではないが、アセチレン、1-プロピン、2-プロピン、1-ブチン、2-ブチン、1-ペンチン、2-ペンチン、3-ペンチン等を挙げることができる。
【0043】
本明細書において、配位子としてのアミンは、ピリジン、ビピリジン、キノリン等の芳香族アミンであってもよいし、エチレンジアミンのようなアルキレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラアルキルエチレンジアミンのようなN,N,N’,N’-四置換アルキレンジアミン、トリスエチレンジアミンのようなトリスアルキレンジアミン等の脂肪族アミンであってもよい。
【0044】
Lが中性配位子である場合には、オレフィンであることが好ましい。
【0045】
アニオン性配位子としては、非局在化環状η5-配位系配位子、C1~C20アルコキシ基、C6~C20アリールオキシ基又はジアルキルアミド基であることが好ましく、非局在化環状η5-配位系配位子であることが更に好ましい。非局在化環状η5-配位系配位子としては、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基を挙げることができ、無置換のシクロペンタジエニル基、及び置換されたシクロペンタジエニル基であることが好ましい。
【0046】
この置換シクロペンタジエニル基は、例えば、メチルシクロペンタジエニル、エチルシクロペンタジエニル、イソプロピルシクロペンタジエニル、n-ブチルシクロペンタジエニル、t-ブチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、ジエチルシクロペンタジエニル、ジイソプロピルシクロペンタジエニル、ジ-t-ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、インデニル基、2-メチルインデニル基、2-メチル-4-フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、オクタヒドロフルオレニル基及びアズレニル基である。
【0047】
非局在化環状η5-配位系配位子は、非局在化環状π系の1個以上の原子がヘテロ原子に置換されていてもよい。水素の他に、周期表第14族の元素及び/又は周期表第15、16及び17族の元素のような1個以上のヘテロ原子を含むことができる。
【0048】
非局在化環状η5-配位系配位子、例えば、シクロペンタジエニル基は、中心金属と、環状であってもよい、一つの又は複数の架橋配位子により架橋されていてもよい。架橋配位子としては、例えば、CH2、CH2CH2、CH(CH3)CH2、CH(C49)C(CH32、C(CH32、(CH32Si、(CH32Ge、(CH32Sn、(C652Si、(C65)(CH3)Si、(C652Ge、(C652Sn、(CH24Si、CH2Si(CH32、o-C64又は2、2'-(C642が挙げられる。
【0049】
上記式(3)で示される遷移金属錯体は、二つ以上のメタロセン部分 (moiety)を有する化合物も含む。このような化合物は多核メタロセンとして知られている。前記多核メタロセンは、いかなる置換様式及びいかなる架橋形態を有していてもよい。前記多核メタロセンの独立したメタロセン部分は、各々が同一種でも、異種でもよい。前記多核メタロセンの例は、例えばEP-A-632063、特開平4-80214号、特開平4-85310、EP-A-654476に記載されている。
【0050】
本発明の第1態様において、上記式(2)で示されるケトン誘導体の用いられる量は、上記式(3)で示される遷移金属錯体1モルに対して、1モル~10モルであり、好ましくは1モル~5モルであり、更に好ましくは1モル~3モルである。
【0051】
本発明の第1態様において、上記式(2)で示されるケトン誘導体と上記(3)で示される遷移金属錯体と一酸化炭素を反応させ、反応混合物を得る(第1工程)。典型的には、上記式(2)で示されるケトン誘導体と上記式(3)で示される遷移金属錯体は溶液中に溶存しているが、この雰囲気中に一酸化炭素を導入してもよい。たとえば、上記式(2)で示されるケトン誘導体と上記式(3)で示される遷移金属錯体を、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下、溶液中に溶存させておき、この不活性雰囲気を一酸化炭素に置換してもよい。あるいは、不活性雰囲気に一部、一酸化炭素を導入してもよい。一酸化炭素の圧力は、0.01バール~100バールが好ましく、0.05~10バールが更に好ましく、0.1~5バールが更になお好ましい。なお、1バールは約1気圧である。
あるいは、上記式(2)で示されるケトン誘導体と上記式(3)で示される遷移金属錯体が溶存している溶液中に、一酸化炭素を導入して、バブリングさせてもよい。
【0052】
本発明の第1態様において、第1工程の反応温度は、-80℃~100℃の温度範囲で行われ、特に好ましくは-80℃~50℃の温度範囲、更に好ましくは、-80~30℃の温度範囲で行われる。
【0053】
本発明の第1態様において、第1工程の溶媒としては、上記式(2)で示されるケトン誘導体と上記式(3)で示される遷移金属錯体を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。エーテル系溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル;塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素;o-ジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【0054】
本発明の第1態様において、上記のようにして得られた反応混合物を、酸により加水分解する(第2工程)。典型的には、前記反応混合物を単離することなく、そのまま酸によって加水分解させる。例えば、前記反応混合物は典型的には溶液中に溶存しているが、この溶液中に酸を添加する。
【0055】
本明細書において、「酸」としては、広く有機酸、無機酸を挙げることができる。
【0056】
本明細書において、「有機酸」としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、乳酸、グルコン酸等を挙げることができる。また、「無機酸」としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、炭酸、リン酸、アルミン酸、ジルコン酸等を挙げることができる。
【0057】
本発明の第1態様において、上記加水分解温度は、-80℃~100℃の温度範囲で行われ、特に好ましくは-50℃~50℃の温度範囲、更に好ましくは、0~30℃の温度範囲で行われる。
【0058】
本発明の第1態様において、第2工程の溶媒としては、上記式(2)で示されるケトン誘導体と上記式(3)で示される遷移金属錯体と一酸化炭素とを反応させて得られた反応混合物を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。エーテル系溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル;塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素;o-ジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【0059】
本発明の第2態様では、下記式(4)で示される有機金属化合物と一酸化炭素とを反応させ、第1の反応混合物を得る工程(第1工程)と、前記第1の反応混合物を更に一酸化炭素と反応させ、第2の反応混合物を得る工程(第2工程)と、前記第2の反応混合物を酸により加水分解する工程(第3工程)とを含むことを特徴とする、下記式(1)で示されるα-ヒドロキシアルデヒドの製造方法が提供される。
【化11】
JP0004454298B2_000008t.gif
[式中、R1、R2、M、L及びnは、上記の意味を有する。]
【0060】
本発明の第2態様によれば、有機金属化合物を一酸化炭素によってダブルカルボニル化することにより容易にα-ヒドロキシアルデヒドを得ることができる。
即ち、有機金属化合物を一酸化炭素によってカルボニル化することにより、まずケトン誘導体が発生し、更に系中に一酸化炭素を導入することによって、ケトン誘導体がカルボニル化反応を起こしてα-ヒドロキシアルデヒドが得られると考えられる。
【0061】
本発明の第2態様では、下記式(4)で示される有機金属化合物が用いられる。
【化12】
JP0004454298B2_000009t.gif

【0062】
上記式中、R1、R2、M、L及びnは、本発明の第1態様において説明したのと同様である。
【0063】
本発明の第2態様において、R1及びR2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基であることが好ましく、C1~C10アルキル基であることが更に好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、フェニル、フェニルメチル、フェニルエチルであることがより好ましい。
【0064】
また、本発明の第2態様において、Mは、チタン、ジルコニウム及びハフニウムであることが更に好ましく、ジルコニウムであることが特に好ましい。
また、Lは、アニオン性配位子であることが好ましく、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基であることが好ましい。
また、nは、1~4であることが好ましく、1~2であることが更に好ましい。
【0065】
上記式(4)で示される有機金属化合物としては、たとえば、下記のジルコノセンを用いることができる。
【0066】
ビス(シクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(ジエチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(ジ-t-ブチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム。
【0067】
ビス(シクロペンタジエニル)ジヘキシルジルコニウム;
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジヘキシルジルコニウム;
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジヘキシルジルコニウム;
ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジヘキシルジルコニウム;
ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジヘキシルジルコニウム;
ビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジヘキシルジルコニウム;
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジヘキシルジルコニウム;
ビス(ジエチルシクロペンタジエニル)ジヘキシルジルコニウム;
ビス(ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジヘキシルジルコニウム;
ビス(ジ-t-ブチルシクロペンタジエニル)ジヘキシルジルコニウム;
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジヘキシルジルコニウム。
【0068】
ビス(シクロペンタジエニル)ジフェネチルジルコニウム;
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジフェネチルジルコニウム;
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジフェネチルジルコニウム;
ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジフェネチルジルコニウム;
ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジフェネチルジルコニウム;
ビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジフェネチルジルコニウム;
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジフェネチルジルコニウム;
ビス(ジエチルシクロペンタジエニル)ジフェネチルジルコニウム;
ビス(ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジフェネチルジルコニウム;
ビス(ジ-t-ブチルシクロペンタジエニル)ジフェネチルジルコニウム;
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジフェネチルジルコニウム。
【0069】
これらのジルコノセンは、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジエチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジ-t-ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウムなどのジクロロ体をリチウム試薬やグリニャール試薬を用いてジアルキル体あるいはジアリールアルキル体に変換して得ることができる。
【0070】
本発明の第2態様において、上記式(4)で示される有機金属化合物と一酸化炭素を反応させ、第1の反応混合物を得る(第1工程)。典型的には、上記式(4)で示される有機金属化合物は溶液中に溶存しているが、この雰囲気中に一酸化炭素を導入してもよい。たとえば、上記式(4)で示される有機金属化合物を、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下、溶液中に溶存させておき、この不活性雰囲気を一酸化炭素に置換してもよい。あるいは、不活性雰囲気に一部、一酸化炭素を導入してもよい。一酸化炭素の圧力は、0.01バール~100バールが好ましく、0.05~10バールが更に好ましく、0.1~5バールが更になお好ましい。なお、1バールは約1気圧である。
あるいは、上記式(4)で示される有機金属化合物が溶存している溶液中に、一酸化炭素を導入して、バブリングさせてもよい。
【0071】
本発明の第2態様において、第1工程の反応温度は、-80℃~100℃の温度範囲で行われ、特に好ましくは-80℃~50℃の温度範囲、更に好ましくは、-80~30℃の温度範囲で行われる。
【0072】
本発明の第2態様において、第1工程の溶媒としては、上記式(4)で示される有機金属化合物を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。エーテル系溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル;塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素;o-ジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【0073】
本発明の第2態様において、上記のようにして得られた第1の反応混合物を、更に一酸化炭素と反応させ、第2の反応混合物を得る(第2工程)。典型的には、第1の反応混合物上記式は溶液中に溶存しているが、この雰囲気中に一酸化炭素を導入してもよい。たとえば、第1の反応混合物を、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下、溶液中に溶存させておき、この不活性雰囲気を一酸化炭素に置換してもよい。あるいは、不活性雰囲気に一部、一酸化炭素を導入してもよい。一酸化炭素の圧力は、0.01バール~100バールが好ましく、0.05~10バールが更に好ましく、0.1~5バールが更になお好ましい。なお、1バールは約1気圧である。
あるいは、第1の反応混合物が溶存している溶液中に、一酸化炭素を導入して、バブリングさせてもよい。
【0074】
本発明の第2態様において、第2工程の反応温度は、-80℃~100℃の温度範囲で行われ、特に好ましくは-80℃~50℃の温度範囲、更に好ましくは、-80~30℃の温度範囲で行われる。
【0075】
本発明の第2態様において、第2工程の溶媒としては、第1の反応混合物を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。エーテル系溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル;塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素;o-ジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【0076】
本発明の第2態様において、上記のようにして得られた第2の反応混合物を、酸により加水分解する(第3工程)。典型的には、前記第2の反応混合物を単離することなく、そのまま酸によって加水分解させる。例えば、前記第2の反応混合物は典型的には溶液中に溶存しているが、この溶液中に酸を添加する。
【0077】
本発明の第2態様において、上記加水分解温度は、-80℃~100℃の温度範囲で行われ、特に好ましくは-50℃~50℃の温度範囲、更に好ましくは、0~30℃の温度範囲で行われる。
【0078】
本発明の第2態様において、第3工程の溶媒としては、上記第2の反応混合物を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。エーテル系溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル;塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素;o-ジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【0079】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に制限されるものではない。
【0080】
すべての反応は、特に言及しない限り、乾燥した窒素雰囲気下のもとで行われた。溶媒として用いたテトラヒドロフラン(THF)は窒素気流下、ナトリウム金属、ベンゾフェノンで蒸留して無水とした。試薬は市販品を購入し、そのまま用いた。
【実施例1】
【0081】
【化13】
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窒素雰囲気下、ビスシクロペンタジエニルジクロロジルコニウム(Cp2ZrCl2)(584mg, 2.0mmol)のTHF (10 mL)溶液をドライアイス-アセトン浴で-78℃に冷却した。この溶液に、n-ブチルリチウム(n-BuLi)(4.0 mmol)をゆっくり滴下し、引き続いて-78℃で1時間攪拌した。この溶液に対し、一酸化炭素を穏やかにシリンジ用針を用いて導入し、バブリングさせながら、室温に戻して3時間攪拌した。この溶液を3N塩酸で処理し、ジエチルエーテルを用い、3回抽出した。有機層を一つにして飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下で溶媒を留去した後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=3:1)による精製を行い、表題化合物を得た。単離収率 35%。
【実施例2】
【0082】
【化14】
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実施例1と同様の手順で行った。ただし、n-ブチルリチウムの代わりに、n-ヘキシルリチウムを用いた。単離収率 35%。
【実施例3】
【0083】
【化15】
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実施例1と同様の手順で行った。ただし、n-ブチルリチウムの代わりに、グリニャール試薬(PhCh2CH2MgCl)を用いた。単離収率 19%。
【0084】
実施例1~3の反応スキーム及び収率を下記に示す。
【化16】
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