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明細書 :IgA腎症の治療薬のスクリーニング方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3811803号 (P3811803)
公開番号 特開2004-305111 (P2004-305111A)
登録日 平成18年6月9日(2006.6.9)
発行日 平成18年8月23日(2006.8.23)
公開日 平成16年11月4日(2004.11.4)
発明の名称または考案の名称 IgA腎症の治療薬のスクリーニング方法
国際特許分類 A01K  67/027       (2006.01)
C12Q   1/02        (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
G01N  33/15        (2006.01)
G01N  33/50        (2006.01)
FI A01K 67/027 ZNA
C12Q 1/02
C12N 15/00 ZNAA
G01N 33/15 Z
G01N 33/50 Z
請求項の数または発明の数 8
全頁数 18
出願番号 特願2003-103921 (P2003-103921)
出願日 平成15年4月8日(2003.4.8)
審査請求日 平成17年2月22日(2005.2.22)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】803000023
【氏名又は名称】有限会社金沢大学ティ・エル・オー
発明者または考案者 【氏名】浅野 雅秀
【氏名】宮石 理
【氏名】西江 敏和
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100105809、【弁理士】、【氏名又は名称】木森 有平
審査官 【審査官】斎藤 真由美
参考文献・文献 Current Opinion in Rhumatology,1999年,Vol.11,p.265-272
J.Immunol.,2000年,Vol.165,p.1387-1394
Mol.Immunol.,1993年,Vol.30, No.3,p.265-275
The ENBO J.,1997年,Vol.16, No.8,1850-1857
Developmental Biol.,1997年,Vol.181,257-267
J.Nephrol.,1999年,Vol.12,59-65
FEBS Lett.,1999年,Vol.450,52-56
調査した分野 A01K 67/027
C12Q 1/00
C12N 15/00-15/90
G01N 33/00-33/98
特許請求の範囲 【請求項1】
ゲノム中のβ-1,4-ガラクトース転移酵素-I遺伝子を欠損し、IgA腎症の症状を呈するIgA腎症発症モデル非ヒト動物に被検物質を投与し、IgA腎症の症状を改善するか否かを判別することを特徴とするIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法。
【請求項2】
上記β-1,4-ガラクトース転移酵素-I遺伝子が、配列番号1記載の塩基配列であることを特徴とする請求項1記載のIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法。
【請求項3】
上記非ヒト動物が、げっ歯目動物であることを特徴とする請求項1又は2記載のIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法。
【請求項4】
上記げっ歯目動物が、マウスであることを特徴とする請求項3記載のIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法。
【請求項5】
ゲノム中のβ-1,4-ガラクトース転移酵素-I遺伝子を欠損し、IgA腎症の症状を呈するIgA腎症発症モデル非ヒト動物由来の細胞を培養し、当該細胞に被検物質を投与することを特徴とするIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法。
【請求項6】
上記β-1,4-ガラクトース転移酵素-I遺伝子が、配列番号1記載の塩基配列であることを特徴とする請求項5記載のIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法。
【請求項7】
上記非ヒト動物が、げっ歯目動物であることを特徴とする請求項5又は6記載のIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法。
【請求項8】
上記げっ歯目動物が、マウスであることを特徴とする請求項7記載のIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IgA腎症の治療薬のスクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
IgA腎症は、糸球体メサンギウム細胞及び基質の増殖性変化と、メサンギウム領域へのIgAを主体とする沈着物とを認めるものをいい、我が国の慢性糸球体腎炎のうち約半数を占める代表的な腎炎である。10代から40代までの幅広い年齢層で発症し、一般に腎機能が徐々に低下するといった緩慢な経過をたどるが、発症後約20年で3割から4割の患者が末期腎不全に移行し、人工透析治療や腎移植を余儀なくされるといわれる。IgA腎症発症の原因は不明であり、血中のIgAを主体とする免疫複合体の糸球体への沈着によって引き起こされるという説が有力であるが、免疫複合体を構成する原因抗原や、免疫複合体の形成の機構等も不明である。自己抗原、食物抗原、ウイルス抗原、細菌抗原等が原因抗原の候補として例示されているが、確定的な証拠は得られていない。IgA腎症患者の血清及び糸球体沈着性IgAにおいて多量体IgAが形成される原因としては、高IgA血症やIgA1ヒンジ部の糖鎖不全等が考えられている。
【0003】
IgA腎症は、患者に対する精神的・経済的負担が極めて大きく、日本では特定疾患の指定を受ける重要な腎疾患であるが、発症機構が不明であることから根本的な治療方法や治療薬が得られていないのが現状である。したがって、IgA腎症の治療薬の研究者らから、発症機構を解明するための適切なモデル動物の開発が渇望されている。
【0004】
IgA腎症のモデル動物としては、例えばクローズド・コロニーの動物として市販されているDDY系マウスを素材として、IgA腎症の早期発症と高率発症を目標に掲げ血清IgA値を指標とした選抜育種を実施し、早期かつ高率に当該病態を発現するヒトIgA腎症様病態発現マウスが、IgA腎症の病態研究のためのモデル動物として提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、血清中のIgA値が高値であることがIgA腎症の発症原因であるとはいえないため、単に高IgA血症のマウスを選抜育種し、さらに近交系化して作製された上述のモデルマウスでは、IgA腎症の根本的な発症原因を突き止めるには不十分である。また、このモデルマウスのIgA腎症の発症原因は全くわかっていない。
【0006】
ところで、β-1,4-ガラクトース転移酵素(以下、β-1,4-GalT又はGalTと称することがある。)(EC 2.4.1.38)は、2型基幹構造(Galβ1→4GlcNAc)の生合成に必須な糖転移酵素であり、この構造は糖タンパク質のN型糖鎖やO型糖鎖並びに糖脂質に広く見られる。特に、2型基幹構造は、免疫系で重要な役割を担っているシアリルルイスxや初期発生に重要なSSEA-1に必須である。β-1,4-GalT遺伝子は最近までひとつと思われてきたが、1997年から1998年に次々と新しい遺伝子が単離され、現在、7つからなる遺伝子ファミリーを形成していることが明らかとなった。
【0007】
これらの遺伝子ファミリーのうち、最初に単離されたβ-1,4GalT-Iについて、本発明者や他のグループがノックアウトマウスを作製している(非特許文献1,2参照。)。特に非特許文献1においては、β-1,4GalT-Iノックアウトマウスに関して、若干のβ-1,4-GalT残存活性や2型基幹構造に対応する薄いバンドが検出されたが、これらは他のβ-1,4-GalT遺伝子によるものと考えられること等が記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002-360118号公報
【非特許文献1】
Asano, M. et al.: Growth retardation and early death of β-1,4-galactosyltransferase knockout mice with augmented proliferation and abnormal differentiation of epithelial cells. EMBO J. 16: 1850-1857 (1997).
【非特許文献2】
Lu, Q. et al.: Targeted mutation in β-1,4-galactosyltransferase leads to pituitary insufficiency and neonatal lethality. Dev. Biol. 181: 257-267 (1997).
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、特許文献1に記載のモデル動物だけではIgA腎症の解明に不十分であるため、より適切なモデル動物の開発が望まれている。また、非特許文献1,2には、GalT-I遺伝子ノックアウトマウスの作製方法等が記載されているが、当該マウスが腎臓に病変を示すことについては全く記載されていない。
【0010】
そこで本発明は、IgA腎症の発症機構の解明や根本的な治療薬の開発に有効なIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、β-1,4-ガラクトース転移酵素-I遺伝子ノックアウトマウスについて鋭意研究を進めたところ、当該マウスが典型的なIgA腎症を発症しており、係るノックアウトマウスをIgA腎症の発症機構の解明に必要不可欠なIgA腎症のモデル動物として利用可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
本発明に係るIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法は、ゲノム中のβ-1,4-ガラクトース転移酵素-I遺伝子を欠損し、IgA腎症の症状を呈するIgA腎症発症モデル非ヒト動物に被検物質を投与し、IgA腎症の症状を改善するか否かを判別することを特徴とする。また、本発明に係るIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法は、ゲノム中のβ-1,4-ガラクトース転移酵素-I遺伝子を欠損し、IgA腎症の症状を呈するIgA腎症発症モデル非ヒト動物由来の細胞を培養し、当該細胞に被検物質を投与することを特徴とする。
【0013】
以上のようなIgA腎症発症モデル非ヒト動物は、メサンギウム増殖性変化(光顕所見)、メサンギウム領域を主体とするIgAの沈着(免疫組織所見)、及びメサンギウム基質内、特にパラメサンギウム領域を主体とする高電子密度の物質沈着(電顕所見)の他、血尿、タンパク尿、血中IgA濃度の上昇、血中におけるIgA多量体の優位性といったヒトIgA腎症に特有の症状を発症し、また、ゲノム中のβ-1,4-ガラクトース転移酵素-I遺伝子を欠損するという遺伝的に明確な特徴を有するので、IgA腎症のモデル動物として極めて有用である。前記IgA腎症発症モデル非ヒト動物を用いることによって、IgA腎症の治療薬をスクリーニングすることが可能となる。また、前記IgA腎症発症モデル非ヒト動物に由来する細胞を利用してIgA腎症の治療薬をスクリーニングすることによって、IgA腎症の治療薬をスクリーニングすることが可能となる。
【0014】
β-1,4-ガラクトース転移酵素-Iは糖タンパク質の2型基幹構造(Galβ1→4GlcNAc)の生合成で重要な役割を担うことから、IgA腎症を発症する一因として、β-1,4-ガラクトース転移酵素-I遺伝子を欠損した非ヒト動物ではIgA分子を構成する糖鎖構造に異常を生じ、IgA分子が多量体を形成しやすい性質に変化したことが挙げられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法について、詳細に説明する。
【0016】
本発明のIgA腎症発症モデル非ヒト動物は、ゲノム中のβ-1,4-ガラクトース転移酵素-I(以下、単にGalT-Iと称することがある。)遺伝子が欠損し、IgA腎症の症状を呈することを特徴とし、ヒトIgA腎症のモデルとして利用される動物のことである。ここで非ヒト動物とは、例えばマウス、ラット等のげっ歯目動物等のヒト以外の動物を指し、中でも繁殖が容易である等の利点を有することからマウスを用いることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0017】
ヒトのIgA腎症とは、臨床症状として糸球体メサンギウム細胞と基質の増殖性変化と、メサンギウム領域へのIgAを主体とする沈着物とを認める症状を呈する疾患をいう。IgA腎症の診断基準は統一されていないが、下記表1に示す症状のうち、腎生検による3項目の症状、すなわち、巣状分節性からびまん性全節性までのメサンギウム増殖性変化(光顕所見)、びまん性にメサンギウム領域を主体とするIgAの沈着(免疫組織所見)、及びメサンギウム基質内、特にパラメサンギウム領域を主体とする高電子密度物質沈着(電顕所見)を呈する状態を基準として確定診断がなされることが一般的であり、その他に血液検査や尿検査によって下記表1のような症状が現れることがある。
【0018】
【表1】
JP0003811803B2_000002t.gif
【0019】
本明細書中で、非ヒト動物がIgA腎症の症状を呈するとは、非ヒト動物が、上述したヒトのIgA腎症の診断基準のうち、確定診断となる3項目の症状、すなわち、巣状分節性からびまん性全節性までのメサンギウム増殖性変化(光顕所見)、びまん性にメサンギウム領域を主体とするIgAの沈着(免疫組織所見)、及びメサンギウム基質内、特にパラメサンギウム領域を主体とする高電子密度物質沈着(電顕所見)を呈する状態のことと定義する。
【0020】
なお、非ヒト動物がIgA腎症の症状を呈するか否かの判断は、非ヒト動物がマウスである場合、16週齢の時点とする。
【0021】
ゲノム中のGalT-I遺伝子が欠損した状態とは、ゲノム中でGalT-I遺伝子に人為的に置換、欠失、付加、挿入等の変異を加えることにより、GalT-I遺伝子の発現能が抑制又は喪失した状態等を含む。ゲノム中のGalT-I遺伝子が欠損した状態か否かは、動物の組織等から抽出したDNAについてサザンブロット分析を行うこと等によって容易に判別できる。
【0022】
β-1,4-ガラクトース転移酵素-I(GalT-I)遺伝子とは、GalT(EC 2.4.1.38)をコードするヒト以外の動物の遺伝子であり、例えばマウスGalTをコードする遺伝子等が挙げられる。具体的には、配列番号1で示されるマウスGalT-I遺伝子等が挙げられる。コドンの縮重に鑑みれば、GalT-I遺伝子は、かかる特定の塩基配列を有する遺伝子に限らず、各アミノ酸残基に対して任意のコドンを組合せ、選択した塩基配列を有することも可能である。コドンの選択は、常法に従うことができ、例えば利用する宿主のコドン使用頻度などを考慮することができる。
【0023】
つぎに、IgA腎症発症モデル非ヒト動物の作製方法の一例として、IgA腎症の症状を呈するGalT-Iノックアウトマウスの作製方法を例に挙げて説明する。GalT-Iノックアウトマウス(以下GalT-Iノックアウトマウス(-/-)と称することがある。)は、例えば以下のように作製することができる。
【0024】
GalT-I染色体遺伝子は、その塩基配列情報に基づいて、一般的な遺伝子工学的手法により容易に製造・取得することができる。具体的には、ES細胞がマウス129系統由来であるので、129/SvJマウスの染色体DNAライブラリー(例えば、StrataGene社製)からGalT-I遺伝子に特有の適当なプローブを用いて所望クローンを選択することにより実施できる。染色体DNAの起源としては、129/SvJマウスの組織やこれらに由来する培養細胞等が例示される。GalT-I染色体遺伝子を染色体DNAライブラリーからスクリーニングする方法も特に制限されず、プラークハイブリダイゼーション、コロニーハイブリダイゼーション、PCR、これらの組合せ等、通常の方法に従うことができる。
【0025】
上述の方法等により得たGalT-I遺伝子の配列のうち、エキソン部分、特に本発明ではエキソン1に、例えばネオマイシン耐性遺伝子やハイグロマイシン耐性遺伝子等の薬剤耐性マーカー遺伝子等を挿入してエキソンの機能を破壊してターゲティングベクターを作製する。また、エキソン間のイントロン部分に遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、ポリA付加シグナルなど)を挿入し、完全なmRNAを合成できなくすることによって結果的にGalT-I遺伝子を破壊するようにターゲティングベクターを作製することもできる。さらに、ポジティブ-ネガティブ選択が可能となるように、GalT-I遺伝子の端部に例えばMC1プロモーター支配のジフテリア毒素Aフラグメント遺伝子を付加することが好ましく、これによってランダム組換え体を除去して相同組換え体を効率よく取得できる。
【0026】
このターゲティングベクターをマウス等のES細胞に導入し、細胞ゲノムDNAの同遺伝子がターゲティングベクター中の変異配列に相同組換えされた細胞を選択する。このような相同組換えを生じた細胞の選択は、例えばG418を細胞培地に添加してマーカー遺伝子を持たない非組換え細胞を除去することにより実現できる。ジフテリア毒素Aフラグメント遺伝子を付加した場合、ランダムな組換え細胞はジフテリア毒素Aフラグメントが発現することによって除去される。選択された相同組換えを生じた細胞の遺伝子は、例えばそのコード配列中にマーカー遺伝子が挿入された変異配列を有し、GalT-Iを発現することはできない。
【0027】
ターゲティングベクターのES細胞への導入は、常法に従って行うことができ、具体的にはエレクトロポレーション法、マイクロインジェクション法、DEAE-デキストラン法、リン酸カルシウム法等が挙げられる。ES細胞としては、例えば胚盤胞の内部細胞塊由来のものを用いることができる。
【0028】
次いで、相同組換えの生じた細胞を選択する。選択は、例えば、選択マーカーの表現型や、サザンブロット法による標的配列とのハイブリダイゼーションの検出、またはPCRによる増幅断片長の解析などにより行うことができる。選択マーカーの使用は、この選択を容易にする点で好ましい。
【0029】
次いで、選択された細胞をマウスの初期胚に注入し、この初期胚を偽妊娠雌マウスの胎内に移植し、個体へと発生させ、キメラマウスを産出させる。キメラマウスの生殖細胞が相同組換え体に由来すれば、このキメラマウスを野生型マウスと交雑することによって、対立遺伝子の一方でGalT-I遺伝子を欠損したヘテロ接合体のマウスを得ることができる。そして、ヘテロ接合体のマウス同士を交雑することによって、対立遺伝子の両方でGalT-I遺伝子が欠損したホモ接合体のノックアウトマウスを得ることができる。
【0030】
本発明のIgA腎症発症モデル非ヒト動物は、ゲノム中のGalT-I遺伝子の欠損という遺伝的に明確な特長を有するため、従来のIgA腎症発症モデル非ヒト動物と比較して、発症要因の遺伝的解析をより効率的に進めることができ、IgA腎症の発症機構解明の研究開発への貢献が極めて大きい。また、本発明のIgA腎症発症モデル非ヒト動物は、ヒトIgA腎症の症状と酷似した症状を呈するため、IgA腎症治療薬のスクリーニングや、IgA腎症治療薬の候補化合物等の効果を評価する用途においても極めて有用である。
【0031】
また、本発明のIgA腎症発症モデル非ヒト動物に新薬候補化合物等の被検物質を投与し、IgA腎症の症状を改善しうるか否かを判別することによって、IgA腎症の治療薬をスクリーニングすることができる。また、IgA腎症発症モデル非ヒト動物由来の細胞を培養し、当該細胞に被検物質を投与することによっても、上述の動物個体と同様にIgA腎症の治療薬のスクリーニングが可能である。特にこの方法は、多数の動物を飼育する必要がないので、一度に大量の被検物質を扱う場合や、一次スクリーニングを行う場合等に有効である。
【0032】
【実施例】
次に、本発明を適用した具体的な実施例について、実験結果に基づいて説明する。
【0033】
1.GalT-Iノックアウトマウスの作製
IgA腎症発症を発症するGalT-Iノックアウトマウスは、具体的には以下に述べるような方法(非特許文献1参照)で作製することができる。
【0034】
〈実験1 ターゲティングベクターの構築〉
ターゲティングベクターの構築には、129/SvJゲノムライブラリー(StrataGene社製)から単離したGalT-I遺伝子を用いた。先ず、ホスホグリセリン酸キナーゼIプロモーター支配で発現するようにネオマイシン耐性遺伝子が結合され、ネオマイシン耐性遺伝子の下流にウシ成長ホルモン由来のポリA化付加部位が結合されたPGKneobpAカセット(Soriano et al., 1991)を、ポジティブ選択用にGalT-Iのエキソン1のSacIIサイトとNotIサイトとの間に挿入した。MC1プロモーター支配で発現するようにジフテリア毒素Aフラグメント遺伝子が結合されたDT-Aカセット(Yagi et al., 1993)を、ネガティブ選択用にターゲティングベクターの5’末端に結合した。その結果、得られたターゲティングベクターにおいてはエキソン1のほとんど(SacIIからNotIまでの420bp)が欠失され、5’及び3’末端でそれぞれ5.7kb及び1.7kbの相同領域を有していた。
【0035】
〈実験2 GalT-Iノックアウトマウスの作製〉
先ず、線状化したターゲティングベクター(20μg)をエレクトロポレーション法(250V、500μF)によって107個のR1 ES細胞(Nagy et al., 1993)に導入し、導入後のES細胞を180μg(活性型)/mlのG418(Gibco/BRL社製)添加培地で7~10日間培養し、G418抵抗性のコロニーを選択した。R1 ES細胞は、カナダトロントのMount Sinai Hospital, Samuel Lunenfeld Research Institute のAndras Nagy博士より分与された。培地としては、ダルベッコ変法イーグル培地(Gibco/BRL社製)に15%ウシ胎仔血清、非必須アミノ酸(Gibco/BRL社製)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco/BRL社製)、0.1mM 2-メルカプトエタノール(Gibco/BRL社製)、1000u/ml Leukemia Inhibitory
Factor(Gibco/BRL社製)を加えたものを用いた。
【0036】
次に、選択したコロニーからPCRによって相同組換え体をスクリーニングし、サザンブロットハイブリダイゼーションによって相同組換えを起こしたことを確認した。PCRのPGKneobpAカセットのフォワードプライマー(P1)としては、CTCTATGGCTTCTGAGGCGGAAAG(配列番号2)を用い、ターゲティングベクターの外側のリバースプライマー(P2)としては、CACAGTCCCTCATATTTCAGCAGG(配列番号3)を用いた。PCR条件は、50μl溶液〔10mM トリス塩酸緩衝液(pH9.0)、50mM KCl、0.1% Triton X-100、1.5mM MgCl2、0.2mM dNTPs、1μM P1及びP2プライマー、2.5U TaqDNAポリメラーゼ〕について、(94℃で1分間、60℃で2分間、72℃で3分間)×40サイクルとした。
【0037】
次に、改変した凝集法 (Nagy et al., 1993)によりキメラマウスを作製した。キメラマウスをC57BL/6Jの雌と交配し、得られたヘテロ接合体同士の交雑によりホモ接合体の変異体マウスを作製した。マウスの尾部からDNAを抽出し、GalT-I遺伝子のエキソン1を野生型対立遺伝子-特異的プローブとして、及びneo遺伝子を変異型対立遺伝子-特異的プローブとして用い、DNAドットブロットハイブリダイゼーションによって遺伝子型を決定した。作製されたマウスは、金沢大学大学院医学系研究科の動物実験施設内のクリーンルームで、SPF(specific pathogen-free)環境で維持されている。
【0038】
〈実験3 サザンブロット分析及びノーザンブロット分析〉
サザンブロット分析は、ES細胞から調製したゲノムDNAを制限酵素で消化し、0.7%アガロースゲルにて電気泳動し、ナイロンメンブレンに転写することにより行った。ノーザンブロット分析は、acid guanidinium thiocyanate-phenol-chloroform(AGPC)法によって全RNAを肝臓から調製し、QuickPrep Micro mRNA Purificaion Kit(Pharmacia Biotech社製)を用いてポリ(A)+RNAを精製し、0.8%変性アガロースゲルにてポリ(A)+RNAを電気泳動し、ナイロンメンブレンに転写することにより行った。Multiprimed DNA labeling system(Amersham社製)による32P標識DNAプローブを用いた一般的な方法(Sambrook et al., 1989)によってハイブリダイゼーションを行った。
【0039】
〈結果〉
GalT-I遺伝子の長鎖型及び短鎖型両者の発現を阻害するよう、GalT-I遺伝子のエキソン1をPGKneobpAカセットで置換したターゲティングベクターを構築した。このコンストラクトでは、両型の翻訳開始部位と、エキソン1のゴルジ体貯留シグナルが欠失している(図1A)。なお、図1A中、スクリーニングのために用いたPCRプライマー(P1及びP2)を矢頭で表しHindIII断片を矢印で示す。また、BHはBamHIを、HdはHindIIIを、RIはEcoRIを、SaはSacIIを、NoはNotIの制限サイトをそれぞれ表す。
【0040】
次に、構築されたターゲティングベクターをエレクトロポレーション法によってES細胞に導入し、G418抵抗性のコロニーを選択した。180のNeorクローンからPCRによって12のポジティブクローンを得、外側3’-プローブ及び5’-プローブを用いたサザンブロット分析によって相同組換えを確認した(図1B)。
【0041】
3つのターゲティングされたES細胞クローンを用いてキメラマウスが作製され、2つの独立したES細胞クローンでターゲティングされた対立遺伝子座が生殖系列を通して伝達された。そして、GalT-I+/-マウス間で交配を行いGalT-Iノックアウトマウス(-/-)を作製した。その結果、2つのマウスの系列で同じ表現型を示した。ノーザンブロット分析を行った結果、GalT-Iノックアウトマウス(-/-)からGalT-IのmRNAは検出されず、GalT-I遺伝子が欠損したことがわかった(図1C)。
【0042】
2.GalT-Iノックアウトマウス(-/-)がIgA腎症を発症するか否かの確認
【0043】
〈実験4〉
つぎに、以上のように作製したGalT-Iノックアウトマウスについて、ヒトIgA腎症の確定診断である以下の3つの所見が見出されるか否かを確認すべく、実証実験を行った。
(1)巣状分節性からびまん性全節性までのメサンギウム増殖性変化(光顕所見)
(2)びまん性にメサンギウム領域を主体とするIgAの沈着(免疫組織所見)
(3)メサンギウム基質内、特にパラメサンギウム領域を主体とする高電子密度物質沈着(電顕所見)
【0044】
なお、GalT-Iノックアウトマウスの作製過程で生じるヘテロ接合体(GalT-I+/-)マウス(+/-)は、対立遺伝子の両方でGalT-I遺伝子が維持されている野生型(GalT-I+/+)マウス(+/+)に比べてGalT-Iの発現強度が半分であるが、これらGalT-I+/-マウスとGalT-I+/+マウスとで合成される糖鎖の構造及び量に変化がないことを確認したため、以下の実験ではGalT-I+/-マウスをGalT-Iノックアウトマウス(-/-)(GalT-I-/-マウス)のコントロールとして用いることとした。
【0045】
先ず、メサンギウム細胞の増殖性の変化を確認するために、常法に従って糸球体をヘマトキシリン及びエオジン(Hematoxylin-Eosin:HE)で染色し、光学顕微鏡で観察した。結果を図2に示す。GalT-I+/-マウスにおいては、赤色に染色された赤血球が観察されたが、一方、Gal-I-/-においては、赤血球がほとんど観察されず、メサンギウム細胞の異常増殖、メサンギウム基質の増加、及び係蹄の消失が観察され、ヒトIgA腎症と同様の病変を表していた。したがって、実験4の結果から、GalT-I-/-マウスは、IgA腎症の確定診断の1つである、(1)巣状分節性からびまん性全節性までのメサンギウム増殖性変化(光顕所見)を示すことが明らかとなった。
【0046】
〈実験5〉
次に、メサンギウムの増生及び免疫複合体の沈着を確認するために、様々な染色を行った。GalT-I-/-マウスの腎組織を採取し、常法に従ってPAS(p-aminosalicylate)染色、PAM(Periodic acid methenamine silver)染色、及びマッソントリクローム(Masson Trichrome)染色を行い、光学顕微鏡で糸球体を観察した。結果を図3に示す。メサンギウムの増生は、PAS染色した場合には濃いピンク色、PAM染色した場合には黒褐色、マッソントリクローム染色した場合には青色として観察され、免疫複合体の沈着物は、マッソントリクローム染色した場合には赤色として観察される。特にマッソントリクローム染色した場合において、GalT-/-マウスの糸球体に免疫複合体が沈着しているのが容易に判別された。
【0047】
〈実験6〉
次に、実験5で確認された免疫複合体がIgAを含むものであるかどうかを判別するために、抗IgA抗体による免疫組織化学染色を行った。具体的には、腎臓を還流固定した後、凍結ブロックを作製し、クリオスタットを用いて3μmの薄さの切片を作製した。次に、一次抗体としてヤギ抗マウスIgA抗体(Southern Biotechnology Associates社製)をその切片上のIgAと反応させた後、さらに二次抗体としてFITC(fluoroscein isothiocyanate:蛍光色素)結合ラビット抗IgG抗体(SIGMA-ALDRICH社製)を一次抗体に結合させた。その切片を蛍光顕微鏡で観察した。結果を図4に示す。その結果、GalT-I-/-マウスの糸球体にIgAの特異的な沈着が観察された。このことから、実験5で確認された免疫複合体はIgAを含むことが確認された。
【0048】
〈実験7〉
ヒトIgA腎症では、IgA以外の他の免疫グロブリンも糸球体へ沈着することが知られている。そこで、GalT-I-/-マウスにおいても、ヒトIgA腎症と同様に他の免疫グロブリンが糸球体に沈着するか否かを調べた。具体的には、実験6の手法と同様であるが、一次抗体としてIgGを検出する際にはヤギ抗マウスIgG抗体(Cappel社製)、IgMを検出する際にはヤギ抗マウスIgM抗体(Cappel社製)を使用し、二次抗体として実験6と同じものを使用して、蛍光顕微鏡で観察した。結果を図5に示す。GalT-I-/-マウスは、GalT-I+/-マウスと比べてIgG及びIgMともに良好に染色され、特にIgMの沈着が顕著であった。
【0049】
以上の実験5~7の結果から、GalT-Iノックアウトマウス(-/-)は、IgA腎症の確定診断の1つである、(2)びまん性にメサンギウム領域を主体とするIgAの沈着(免疫組織所見)を示すことが明らかとなった。
【0050】
〈実験8〉
次にGalT-I-/-マウスの糸球体を電子顕微鏡で観察し、ヒトIgA腎症の診断根拠となるメサンギウム基質内、特にパラメサンギウム領域を主体とする高電子密度物質の沈着が認められるかどうかの確認を行った。結果を図6に示す。写真中、MES又はMはメサンギウム細胞、EPは上皮細胞、RBC又はRは赤血球、END又はNは内皮細胞をそれぞれ表す。その結果、写真より、パラメサンギウム領域に電子密度の高い部位(図中、点線内)が観察された。したがって、実験8の結果から、GalT-Iノックアウトマウス(-/-)は、IgA腎症の確定診断の1つである、(3)メサンギウム基質内、特にパラメサンギウム領域を主体とする高電子密度物質沈着(電顕所見)を示すことが明らかとなった。
【0051】
以上の実験4~8の結果から、ヒトIgA腎症の診断を確定する3つの所見がいずれもGalT-Iノックアウトマウスにおいて観察されることが明らかとなった。したがって、GalT-IノックアウトマウスはヒトIgA腎症と類似の症状を発症しており、IgA腎症の発症機構の解明や、IgA腎症の治療薬の開発に用いられるためのIgA腎症発症モデル動物として利用可能であることが確認された。
【0052】
つぎに、GalT-I-/-マウスのIgA腎症のモデル動物としての有用性を明らかとするために、さらに以下の実験9及び10の実験を行った。
【0053】
〈実験9〉
ヒトIgA腎症では、確定診断の根拠ではないが、持続的な顕微鏡的血尿が必見所見として、また、持続的又は間欠的タンパク尿が頻発所見としてみられる。そこで、GalT-I-/-マウスもこれらの症状を呈するか確認した。
【0054】
先ず、血尿について検討した。具体的にはマウスから採尿後、尿試験紙(ウロペーパーII、栄研化学社製)を用いて潜血を検出した。結果を表2に示す。GalT-I-/-マウスにおいては26匹中7匹(27%)に血尿が観察されたが、GalT-I+/-マウスにおいては血尿は全く観察されなかった。
【0055】
【表2】
JP0003811803B2_000003t.gif
【0056】
次に、タンパク尿について検討した。具体的には、上記の尿試験紙を用いて尿中のタンパク質量を4段階で判定した。結果を図7に示す。GalT-I-/-マウスでは4段階評価で2.1程度、GalT-I+/-マウスでは1.6程度と、統計学的に有意差が認められた。
【0057】
以上の実験9の結果からGalT-Iノックアウトマウス(-/-)においても、一部の個体ではあるが、ヒトIgA腎症と同様に血尿及びタンパク尿が見られることが明らかとなった。
【0058】
〈実験10〉
ヒトIgA腎症では、確定診断の根拠ではないが、血清IgA値が高値であることが頻発所見として見られ、また、「血中にIgAを含む免疫複合体の存在」及び「血清及び糸球体沈着性IgAにおける多量体IgAの優位性」といった特徴が見られる。そこで、GalT-I-/-マウスもこれらの特徴を示すかどうか確認した。
【0059】
先ず、GalT-I-/-マウス及びGalT-I+/-マウスから血液を採取し、ELISAによって、血清中IgA値の測定を行った。具体的には、抗マウスIg(G+M+A)抗体(Coppel社製)を96ウェルプレートに固層化させた後、バックグラウンドを抑えるためにBlock Ace(雪印乳業社製)でブロッキングしたプレートに、50倍希釈から順次3倍ずつ希釈したサンプル血清を加えて抗体と反応させた。5回の洗浄の後、HRP(horseradish peroxidase)を結合させた抗マウスIgA抗体(SIGMA社製)を反応させ、5回の洗浄の後、HRPの基質であるABTS(2,2'-AZINO-bis(3-ETHYLBENZ-THIAZOLINE-6-SULFONIC-ACID)を加えて発色させた。吸光度はOD405nmで測定した。結果を図8に示す。図8より、GalT-I-/-マウスはGalT-I+/-マウスに比べて血清中のIgA濃度が高い値を示すことが明らかとなった。また、血清の希釈率を下げるとGalT-I-/-マウスの吸光度がGalT-I+/-マウスの約2倍となることから、1つの分子に2つの抗IgA抗体認識部位があること、すなわち、GalT-Iノックアウトマウス(-/-)においては、血清中でIgAが2量体の状態で存在することが示唆された。
【0060】
次に、GalT-I-/-マウスの血清中でIgAが2量体の状態で存在するかどうかを確認するために、血清中IgAについてSDS-PAGE及びウェスタンブロット分析を行った。具体的には、非還元条件下に、SDS-ポリアクリルアミドゲルでサンプルを電気泳動した後、メンブレンにゲル上のタンパク質を転写した。ヤギ抗マウスIgA抗体(Southern Biotechnology Associates社製)をメンブレンと反応させ、次にビオチン化抗ヤギIgG抗体(Vector社製)、アビジン-HRP複合体(VECTASTAIN社製)を順次反応させ、ECL(Amersham社製)で化学発光させてX線フィルムに感光し、IgAを検出した。ところでIgA分子を熱変性させると凝集を起こすことが知られていることから、IgA分子の標品を65℃、30分間の条件で熱変性させ、これをIgA分子の2量体のマーカーとして用いた。結果を図9に示す。
【0061】
図9から明らかなように、GalT-I+/-マウスでは、通常のマウスIgA単量体の理論上の分子量である約170kDにバンドが検出され、GalT-I-/-マウスでは、IgAの2量体(熱変性IgA)に対応した約300kDにバンドが検出された。このことから、GalT-I-/-マウスの血清中においては、2量体IgAが単量体IgAに比べて優位に存在することが確認された。この傾向は、IgAを40ngとした場合においても同様であった。IgA分子が血清中で2量体等の多量体として存在する理由としては、GalT-Iの欠損によってIgA分子の糖鎖構造に異常が生じ、IgA分子自体が多量体を形成しやすい性質に変化したことが挙げられる。
【0062】
以上の実験9及び実験10の結果から、IgA腎症の確定診断の症状以外の点でもGalT-Iノックアウトマウス(-/-)は、ヒトIgA腎症と酷似した症状を示すことが明らかとなった。このことから、本発明のIgA腎症発症モデル非ヒト動物は、既存のIgA腎症発症モデル動物に比べてIgA腎症の発症機構の解明に非常に有利であり、有効な治療方法及び治療薬の研究開発に大いに貢献することができるといえる。
【0063】
【発明の効果】
本発明のIgA腎症発症モデル非ヒト動物は、ヒトIgA腎症に特有の症状を発症し、また、ゲノム中のβ-1,4-ガラクトース転移酵素-I遺伝子を欠損するという遺伝的に明確な特徴を有するので、IgA腎症のモデル動物として極めて有用である。したがって、本発明のIgA腎症発症モデル非ヒト動物をヒトIgA腎症のモデルとして利用することで、IgA腎症の発症機構の解明、根本的な治療法及び新規な治療薬の開発に大きく貢献することができる。
【0064】
【配列表】
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【0065】
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、Gal-Tノックアウトマウス及び野生型マウスの遺伝子地図である。(B)は、親ES細胞(R1)由来のゲノムDNA(10μg)及びターゲティングされたES細胞クローンを、HindIIIによって消化し、3’プローブでハイブリダイズしたES細胞クローンのサザンブロット分析の結果を示す図であり、レーン1-D2、レーン5-A3及びレーン1-A2は相同組換えを生じたES細胞、レーンR1は相同組換えを生じなかった細胞である。突然変異対立遺伝子座(Mt)及び野生型対立遺伝子座(Wt)で、予期されたDNA断片のバンドが示された。(C)は、肝臓から調製したポリ(A)+RNA(1μg)をGalTのエキソン1及びエキソン2プローブとハイブリダイズし、β-アクチンプローブでリハイブリダイズした、野生型(+/+)、コントロール(+/-)及びGalT-Iノックアウトマウス(-/-)のノーザンブロット分析の結果を示す図である。
【図2】GalT-Iノックアウトマウス(-/-)及びコントロール(+/-)の糸球体をヘマトキシリンエオジン(HE)染色した写真である。
【図3】GalT-Iノックアウトマウス(-/-)及びコントロール(+/-)の糸球体をその他の染色法で染色した写真である。
【図4】GalT-Iノックアウトマウス(-/-)及びコントロール(+/-)の糸球体を抗IgA抗体で免疫組織化学染色した写真である。
【図5】GalT-Iノックアウトマウス(-/-)及びコントロール(+/-)の糸球体を抗IgG抗体又は抗IgM抗体で免疫組織化学染色した写真である。
【図6】GalT-Iノックアウトマウス(-/-)の糸球体を電子顕微鏡により観察した写真であり、左が低倍率、右が高倍率である。
【図7】GalT-Iノックアウトマウス(-/-)及びコントロール(+/-)の尿中タンパク質の量を分析した結果を示すグラフである。
【図8】ELISAにより血清中のIgA分子の量を測定したグラフである。
【図9】血清中IgAをウェスタンブロット法により分析した結果を示す。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8