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明細書 :多環式芳香族化合物の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4804712号 (P4804712)
公開番号 特開2005-170823 (P2005-170823A)
登録日 平成23年8月19日(2011.8.19)
発行日 平成23年11月2日(2011.11.2)
公開日 平成17年6月30日(2005.6.30)
発明の名称または考案の名称 多環式芳香族化合物の製造方法
国際特許分類 C07C   1/32        (2006.01)
C07C  15/24        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07C 1/32
C07C 15/24
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 6
全頁数 15
出願番号 特願2003-411616 (P2003-411616)
出願日 平成15年12月10日(2003.12.10)
審査請求日 平成18年10月2日(2006.10.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】高橋 保
個別代理人の代理人 【識別番号】100092783、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 浩
【識別番号】100095360、【弁理士】、【氏名又は名称】片山 英二
【識別番号】100093676、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 純子
【識別番号】100112726、【弁理士】、【氏名又は名称】黒田 薫
審査官 【審査官】藤原 浩子
参考文献・文献 特開2002-020329(JP,A)
特開平09-301899(JP,A)
特開2002-003522(JP,A)
調査した分野 C07C 1/32
C07C 15/24
CA/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(1)で示される多環式芳香族化合物の製造方法であって、
【化1】
JP0004804712B2_000011t.gif
[式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;又は置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基であり、
P環は、置換基を有していてもよい芳香環を示す。]
NiP12(式中、P1及びP2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ホスフィン、ホスファイト又はアミンを示す。)で示されるニッケル化合物及び下記式(2)で示されるスチレン誘導体の存在下、
【化2】
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[式中、A1、A2、A3、A4及びA5は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基である。]
下記式(3)で示される芳香族化合物と、
【化3】
JP0004804712B2_000013t.gif
[式中、P環は上記の意味を有する。X1及びX2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ハロゲン原子である。]
下記式(4)で示される有機金属化合物と
【化4】
JP0004804712B2_000014t.gif
[式中、R1、R2、R3及びR4は、上記の意味を有する。
Mは、チタン、ジルコニウム又はハフニウムを示し、
1及びL2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基及びアズレニル基から選ばれる非局在化環状η5-配位系配位子を示す。但し、L1及びL2は、架橋されていてもよい。]
を反応させることを特徴とする、多環式芳香族化合物の製造方法。
【請求項2】
前記ニッケル化合物を、前記有機金属化合物1モルに対し、0.0001モル~0.5モル使用することを特徴とする、請求項1に記載の多環式芳香族化合物の製造方法。
【請求項3】
P環が、ベンゼン環である、請求項1又は2に記載の多環式芳香族化合物の製造方法。
【請求項4】
1、A2、A3、A4及びA5が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子又は置換基を有していてもよいC1~C20アルキル基である、請求項1~3のいずれかに記載の多環式芳香族化合物の製造方法。
【請求項5】
Mがジルコニウムである、請求項1~4から選ばれるいずれか1項に記載の多環式芳香族化合物の製造方法。
【請求項6】
置換されていてもよいシクロペンタジエニル基が、メチルシクロペンタジエニル、エチルシクロペンタジエニル、イソプロピルシクロペンタジエニル、n-ブチルシクロペンタジエニル、t-ブチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、ジエチルシクロペンタジエニル、ジイソプロピルシクロペンタジエニル、ジ-t-ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、インデニル基、2-メチルインデニル基、2-メチル-4-フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、オクタヒドロフルオレニル基及びアズレニル基からなる群から選ばれる、請求項1~5のいずれかに記載の多環式芳香族化合物の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、多環式芳香族化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナフタレン等の多環式芳香族化合物は、機能性材料として有用であり、置換基を導入することにより、その機能、物性を制御することができる。このため、所望の置換基を導入した多環式芳香族化合物の製造法が所望されていた。
【0003】
従来、置換基を導入した多置換アセン類を合成する方法として、アセチレン類をジルコニウム等の遷移金属上に導入したメタラシクロペンタジエンを予め合成し、このメタラシクロペンタジエンと、オルト位に2つのハロゲン原子を有するベンゼン誘導体とをニッケル化合物存在下で反応させる方法が知られていた(特開平9-301899号公報:特許文献1)。しかしながら、この方法によると、ニッケル化合物は量論量消費されるため、高価なニッケル化合物を量論量準備する必要があった。
【0004】

【特許文献1】特開平9-301899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、より簡便に多環式芳香族化合物が得られ、しかも、使用するニッケル化合物の量が少なくて済む多環式芳香族化合物の製造方法が所望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、本発明では、下記式(1)で示される多環式芳香族化合物の製造方法であって、
【化5】
JP0004804712B2_000002t.gif
[式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;又は水酸基であり、ただし、R1及びR2、並びに、R3及びR4は、それぞれ、互いに架橋してC4~C20飽和環又は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子又は式-N(B)-で示される基(式中、Bは水素原子又はC1~C20炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよく、P環は、置換基を有していてもよい芳香環を示す。] ニッケル化合物及び下記式(2)で示されるスチレン誘導体の存在下、
【化6】
JP0004804712B2_000003t.gif
[式中、A1、A2、A3、A4及びA5は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;水酸基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシカルボニル基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシカルボニル基;シアノ基(-CN);カルバモイル基(-C(=O)NH2);ハロホルミル基(-C(=O)-X、式中、Xはハロゲン原子を示す。);ホルミル基(-C(=O)-H);イソシアノ基;イソシアナト基;チオシアナト基;又はチオイソシアナト基である。] 下記式(3)で示される芳香族化合物と、
【化7】
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[式中、P環は上記の意味を有する。X1及びX2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ハロゲン原子である。] 下記式(4)で示される有機金属化合物と
【化8】
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[式中、R1、R2、R3及びR4は、上記の意味を有する。Mは、遷移金属を示し、L1及びL2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、アニオン性配位子を示す。但し、L1及びL2は、架橋されていてもよい。] を反応させることを特徴とする、多環式芳香族化合物の製造方法が提供される。
【0007】
本発明において、前記ニッケル化合物を、前記有機金属化合物1モルに対し、0.0001モル~0.5モル使用することが好ましい。
【0008】
また、本発明において、P環が、置換基を有していてもよい5~7員芳香環であることが好ましい。
【0009】
また、本発明において、A1、A2、A3、A4及びA5が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基であることが好ましい。
【0010】
また、本発明において、Mが周期表第4族から第6族の遷移金属であることが好ましく、ジルコニウムであることが更に好ましい。
【0011】
また、本発明において、前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5-配位系配位子であって、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の方法により、ニッケル化合物の使用量が少なくしながら、より簡便に多環式芳香族化合物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明では、ニッケル化合物及び下記式(2)で示されるスチレン誘導体の存在下、下記式(3)で示される芳香族化合物と、下記式(4)で示される有機金属化合物とを反応させることを特徴とする、下記式(1)で示される多環式芳香族化合物の製造方法が提供される。
【0014】
【化9】
JP0004804712B2_000006t.gif
[式中、R1、R2、R3、R4、A1、A2、A3、A4、A5、X1、X2、P環、M、L1及びL2は、上記の意味を有する。]
【0015】
本発明では、上記式(3)で示される芳香族化合物と上記式(4)で示される有機金属化合物との反応を、上記式(2)で示されるスチレン誘導体存在下にて行うため、触媒量のニッケル化合物を使用することで反応が進行し、上記式(1)で示される多環式芳香族化合物を得ることができる。
【0016】
本発明において、下記式(3)で示される芳香族化合物が用いられる。
【化10】
JP0004804712B2_000007t.gif

【0017】
上記式中、P環は、置換基を有していてもよい芳香環を示す。
【0018】
本明細書において、「芳香環」とは、単環式芳香環、多環式芳香環等を挙げることができる。
【0019】
「単環式芳香環」としては、ベンゼン環、5員~7員複素芳香環を挙げることができる。
【0020】
「5員~7員複素芳香環」としては、たとえば、窒素原子、硫黄原子又は酸素原子を含む芳香環を挙げることができ、たとえば、フラン、チオフェン、ピロール、ピラン、チオピラン、ピリジン、チアゾール、イミダゾール、ピリミジン、1,3,5-トリアジン等を挙げることができる。
【0021】
「多環式芳香環」としては、多環式芳香族炭化水素、多環式複素芳香環を挙げることができる。
【0022】
「多環式芳香族炭化水素」としては、ビフェニル、トリフェニル、ナフタレン、インデン、アントラセン、フェナントレン等を挙げることができる。
【0023】
「多環式複素芳香環」としては、インドール、キノリン、プリン等を挙げることができる。
【0024】
本発明において、P環で示される「芳香環」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0025】
本発明において、P環は、無置換ベンゼン、メチル基等の置換基を有するベンゼン、チオフェン、ピリジン、ピロール、又はシクロペンタジエンであることが好ましい。
【0026】
上記式(3)中、X1及びX2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ハロゲン原子である。例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができ、塩素、臭素、又はヨウ素であることが好ましい。
本発明において、X1及びX2の少なくとも一方がヨウ素であり、他方が塩素、臭素又はヨウ素であることがより好ましい。
【0027】
本発明において、上記式(3)で示される芳香族化合物の用いられる量は、上記式(4)で示される有機金属化合物1モルに対して、1モル~10モルであり、好ましくは1モル~5モルであり、更に好ましくは1モル~3モルである。
【0028】
本発明では、下記式(4)で示される有機金属化合物が用いられる。
【化11】
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[式中、R1、R2、R3及びR4は、上記の意味を有する。]
【0029】
上記式中、Mは、遷移金属を示す。Mとしては、周期表第4族~第6族の遷移金属であることが好ましく、周期表第4族の金属、即ち、チタン、ジルコニウム及びハフニウムであることが更に好ましく、ジルコニウムであることが特に好ましい。
【0030】
また、上記式中、L1及びL2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、アニオン性配位子を示す。ただし、L1及びL2は、架橋されていてもよい。
前記アニオン性配位子は、非局在化環状η5-配位系配位子、C1~C20アルコキシ基、C6~C20アリールオキシ基又はジアルキルアミド基であることが好ましく、非局在化環状η5-配位系配位子であることが更に好ましい。非局在化環状η5-配位系配位子としては、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基を挙げることができ、無置換のシクロペンタジエニル基、及び置換されたシクロペンタジエニル基であることが好ましい。
【0031】
この置換シクロペンタジエニル基は、例えば、メチルシクロペンタジエニル、エチルシクロペンタジエニル、イソプロピルシクロペンタジエニル、n-ブチルシクロペンタジエニル、t-ブチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、ジエチルシクロペンタジエニル、ジイソプロピルシクロペンタジエニル、ジ-t-ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、インデニル基、2-メチルインデニル基、2-メチル-4-フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、オクタヒドロフルオレニル基及びアズレニル基である。
【0032】
非局在化環状η5-配位系配位子は、非局在化環状π系の1個以上の原子がヘテロ原子に置換されていてもよい。水素の他に、周期表第14族の元素及び/又は周期表第15、16及び17族の元素のような1個以上のヘテロ原子を含むことができる。
【0033】
非局在化環状η5-配位系配位子、例えば、シクロペンタジエニル基は、中心金属と、環状であってもよい、一つの又は複数の架橋配位子により架橋されていてもよい。架橋配位子としては、例えば、CH2、CH2CH2、CH(CH3)CH2、CH(C49)C(CH32、C(CH32、(CH32Si、(CH32Ge、(CH32Sn、(C652Si、(C65)(CH3)Si、(C652Ge、(C652Sn、(CH24Si、CH2Si(CH32、o-C64又は2、2'-(C642が挙げられる。
【0034】
上記式(4)で示される有機金属化合物は、二つ以上のメタロセン部分 (moiety)を有する化合物も含む。このような化合物は多核メタロセンとして知られている。前記多核メタロセンは、いかなる置換様式及びいかなる架橋形態を有していてもよい。前記多核メタロセンの独立したメタロセン部分は、各々が同一種でも、異種でもよい。前記多核メタロセンの例は、例えばEP-A-632063、特開平4-80214号、特開平4-85310、EP-A-654476に記載されている。
【0035】
上記式(4)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;又は水酸基である。
【0036】
本明細書において、「C1~C20炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C1~C20炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。「C1~C20炭化水素基」には、C1~C20アルキル基、C2~C20アルケニル基、C2~C20アルキニル基、C4~C20アルキルジエニル基、C6~C18アリール基、C7~C20アルキルアリール基、C7~C20アリールアルキル基、C4~C20シクロアルキル基、C4~C20シクロアルケニル基、(C3~C10シクロアルキル)C1~C10アルキル基などが含まれる。
【0037】
本明細書において、「C1~C20アルキル基」は、C1~C10アルキル基であることが好ましく、C1~C6アルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
【0038】
本明細書において、「C2~C20アルケニル基」は、C2~C10アルケニル基であることが好ましく、C2~C6アルケニル基であることが更に好ましい。アルケニル基の例としては、制限するわけではないが、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2-メチル-1-プロペニル、2-メチルアリル、2-ブテニル等を挙げることができる。
【0039】
本明細書において、「C2~C20アルキニル基」は、C2~C10アルキニル基であることが好ましく、C2~C6アルキニル基であることが更に好ましい。アルキニル基の例としては、制限するわけではないが、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル等を挙げることができる。
【0040】
本明細書において、「C4~C20アルキルジエニル基」は、C4~C10アルキルジエニル基であることが好ましく、C4~C6アルキルジエニル基であることが更に好ましい。アルキルジエニル基の例としては、制限するわけではないが、1,3-ブタジエニル等を挙げることができる。
【0041】
本明細書において、「C6~C18アリール基」は、C6~C10アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
【0042】
本明細書において、「C7~C20アルキルアリール基」は、C7~C12アルキルアリール基であることが好ましい。アルキルアリール基の例としては、制限するわけではないが、o-トリル、m-トリル、p-トリル、2,3-キシリル、2,4-キシリル、2,5-キシリル、o-クメニル、m-クメニル、p-クメニル、メシチル等を挙げることができる。
【0043】
本明細書において、「C7~C20アリールアルキル基」は、C7~C12アリールアルキル基であることが好ましい。アリールアルキル基の例としては、制限するわけではないが、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、2,2-ジフェニルエチル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチル等を挙げることができる。
【0044】
本明細書において、「C4~C20シクロアルキル基」は、C4~C10シクロアルキル基であることが好ましい。シクロアルキル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
【0045】
本明細書において、「C4~C20シクロアルケニル基」は、C4~C10シクロアルケニル基であることが好ましい。シクロアルケニル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、2-シクロペンテン-1-イル、2-シクロヘキセン-1-イル、3-シクロヘキセン-1-イル等を挙げることができる。
【0046】
本明細書において、「C1~C20アルコキシ基」は、C1~C10アルコキシ基であることが好ましく、C1~C6アルコキシ基であることが更に好ましい。アルコキシ基の例としては、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ等がある。
【0047】
本明細書において、「C6~C20アリールオキシ基」は、C6~C10アリールオキシ基であることが好ましい。アリールオキシ基の例としては、制限するわけではないが、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等を挙げることができる。
【0048】
本発明の第1態様において、R1、R2、R3及びR4で示される「C1~C20炭化水素基」、「C1~C20アルコキシ基」、「C6~C20アリールオキシ基」、「アミノ基」、「シリル基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0049】
本明細書において、「置換基を有していてもよいアミノ基」の例としては、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
【0050】
本明細書において、「置換基を有していてもよいシリル基」の例としては、制限するわけではないが、ジメチルシリル、ジエチルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、トリフェノキシシリル、ジメチルメトキシシリル、ジメチルフェノキシシリル、メチルメトキシフェニル等がある。
【0051】
本発明において、R1及びR2、並びに、R3及びR4は、それぞれ、互いに架橋してC4~C20飽和環又は不飽和環を形成してもよい。これらの置換基が形成する環は、4員環~16員環であることが好ましく、4員環~12員環であることが更に好ましい。この環は、ベンゼン環等の芳香族環あってもよいし、脂肪族環であってもよい。また、これらの置換基が形成する環に、更に単数又は複数の環が形成されていてもよい。
【0052】
前記飽和環または不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子または式—N(B)—で示される基(式中、Bは水素原子またはC1~C20炭化水素基である。)で中断されていてもよい。即ち、前記飽和環または不飽和環はヘテロ環であってもよい。かつ、置換基を有していてもよい。不飽和環は、ベンゼン環等の芳香族環であってもよい。
【0053】
Bは,水素原子またはC1~C10炭化水素基であることが好ましく、水素原子またはC1~C7炭化水素基であることが更に好ましく、Bは水素原子、C1~C3アルキル基、フェニル基またはベンジル基であることが更になお好ましい。
【0054】
この飽和環又は不飽和環は、置換基を有していてもよく、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などの置換基が導入されていてもよい。
【0055】
本発明において、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;又は置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基であることが好ましく、水素原子:又は置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基であることがより好ましく、水素原子;C1~C10アルキル基;又はC6~C10アリール基であることが更に好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、又はフェニルであることがより好ましい。
【0056】
また、本発明において、上記式(1)で示される多置換アセン類の製造を容易にし、収率を向上させる観点から、R1とR2が同一の基であり、また、R3とR4が同一の基であることが好ましい。
【0057】
上記式(4)で示される有機金属化合物は、ビスシクロペンタジエニル金属ジアルキルのようなメタロセン1モルに、約2モルのアルキン、又は、約1モルのジインを作用させることにより得ることができる。本発明において、上記式(4)で示される有機金属化合物としてジルコナシクロペンタジエンを用いる場合には、例えば、下記のジルコノセンを用いて合成することができる。
【0058】
ビス(シクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(ジエチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(ジ-t-ブチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム。
【0059】
なお、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジエチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジ-t-ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウムなどのジクロロ体については、ナトリウム等のアルカリ金属、マグネシウム等のアルカリ土類金属のような強塩基で還元するか、又は、ジアルキル体に変換してから、ジルコナシクロペンタジエンを生成させることができる。
【0060】
本発明では、下記式(2)で示されるスチレン誘導体が用いられる。
【化12】
JP0004804712B2_000009t.gif

【0061】
上記式中、A1、A2、A3、A4及びA5は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;水酸基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシカルボニル基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシカルボニル基;シアノ基(-CN);カルバモイル基(-C(=O)NH2);ハロホルミル基(-C(=O)-X、式中、Xはハロゲン原子を示す。);ホルミル基(-C(=O)-H);イソシアノ基;イソシアナト基;チオシアナト基;又はチオイソシアナト基である。
【0062】
本明細書において、「C1~C20アルコキシカルボニル基」は、C1~C10アルコキシカルボニル基であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の例としては、制限するわけではないが、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2-メトキシエトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル等を挙げることができる。
【0063】
本明細書において、「C6~C20アリールオキシカルボニル基」は、C6~C12アリールオキシカルボニル基であることが好ましい。アリールオキシカルボニル基の例としては、制限するわけではないが、フェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニル、フェニルフェノキシカルボニル等を挙げることができる。
【0064】
本発明において、A1、A2、A3、A4及びA5で示される「C1~C20炭化水素基」、「C1~C20アルコキシ基」、「C6~C20アリールオキシ基」、「アミノ基」、「シリル基」、「C1~C20アルコキシカルボニル基」、「C6~C20アリールオキシカルボニル基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0065】
本発明において、A1、A2、A3、A4及びA5は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基であることが好ましく、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基であることがより好ましく、水素原子;ハロゲン原子;C1~C10アルキル基;ペルフルオロC1~C10アルキル基;C6~C10アリール基;ペルフルオロC6~C10アリール基であることが更に好ましく、水素原子、トリフルオロメチル、フッ素原子であることがより好ましい。
【0066】
本発明において、上記式(2)で示されるスチレン誘導体としては、トリフルオロメチルスチレン、2-トリフルオロメチルスチレン、3-トリフルオロメチルスチレン、又は4-トリフルオロスチレンを好ましく挙げることができる。
【0067】
本発明において、上記式(2)で示されるスチレン誘導体の量は、上記式(4)で示される有機金属化合物1モルに対して、1モル~10モルであり、好ましくは1モル~5モルであり、更に好ましくは1.5モル~3モルである。
【0068】
本発明では、ニッケル化合物を用いる。ニッケル化合物は、金属塩であってもよく、金属錯体であってもよい。
【0069】
金属塩の場合には、ニッケルと、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸又はカルボン酸のような有機酸の塩であってもよい。例えば、ハロゲン化ニッケル(II)のような金属塩であってもよい。
【0070】
金属錯体の場合には、2配位、4配位又は6配位であることが好ましい。配位子としては、ホスフィン、ホスファイト、アミン、ニトリル、又は、ハロゲン原子等が好ましい。配位子は、1座(unidentate)であってもよいし、2座(bidentate)、3座(tridentate)、又は、4座(tetradentate)であってもよい。
【0071】
ホスフィンは、ジフェニルホスフィンのようなジアリールホスフィン、トリフェニルホスフィンのようなトリアリールホスフィン、トリエチルホスフィンのようなトリアルキルホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンのようなα,ω-ビス(ジアリールホスフィノ)アルカン、P,P,P’,P’,P”,P”-ヘキサフェニル-トリスエチレンテトラホスフィンのようなP,P,P’,P’,P”,P”-六置換-トリスアルキレンテトラホスフィン等であってもよい。ホスファイトは、ホスフィンと同様である。
【0072】
アミンは、配位子としては、ピリジン、ビピリジン、キノリン等の芳香族アミンであってもよいし、エチレンジアミンのようなアルキレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラアルキルエチレンジアミンのようなN,N,N’,N’-四置換アルキレンジアミン、トリスエチレンジアミンのようなトリスアルキレンジアミン等の脂肪族アミンであってもよい。
【0073】
ニッケル錯体は、2配位又は4配位であることが好ましい。ニッケル錯体は、たとえば、NiP12あるいはNiX212(式中、Xは、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を示し、P1及びP2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ホスフィン、ホスファイト又はアミンを示し、好ましくは、ホスフィン又はアミンを示し、更に好ましくはホスフィンを示す。ただし、P1及びP2は、互いに架橋していてもよい。)であってもよい。ホスフィン、ホスファイト又はアミンについては、上述の通りである。
【0074】
ニッケル錯体としては、たとえば、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロニッケル、ジクロロ(2,2’-ビピリジン)ニッケルが挙げられる。NiX212で示されるニッケル錯体は、NiX2で示されるニッケル塩と比べて、有機溶媒中での溶解度が向上するので、用途によっては、好ましい。たとえば、NiX2で示されるニッケル塩を反応系が含まれている溶媒に添加し、所望により、更にホスフィンを溶媒に添加して in situで、ニッケルホスフィン錯体を形成してもよい。
【0075】
本発明において、ニッケル化合物の量は、上記式(4)で示される有機金属化合物1モルに対して、0.0001モル~0.5モルであり、好ましくは0.001モル~0.5モルであり、更に好ましくは、0.01モル~0.4モルである。
【0076】
本発明において、典型的には、ニッケル化合物の溶液に、上記式(2)で示されるスチレン誘導体と上記式(3)で示される芳香族化合物とを添加し、更に、上記式(4)で示される有機金属化合物を添加して昇温させて上記式(1)を得る。
【0077】
本発明において、反応は、好ましくは-100℃~300℃の温度範囲で行われ、特に好ましくは-80℃~200℃の温度範囲、更に好ましくは-80℃~150℃の温度範囲で行われる。圧力は、例えば、0.1バール~2500バールの範囲内で、好ましくは0.5バール~10バールの範囲内である。
【0078】
本発明において、溶媒としては、ニッケル化合物、上記式(2)で示されるスチレン誘導体、上記式(3)で示される芳香族化合物、及び上記式(4)で示される有機金属化合物を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。エーテル系溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル;塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素;o-ジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【実施例】
【0079】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に制限されるものではない。
【0080】
全ての他の試薬は、市販のものを更なる精製をすることなく用いた。トルエンはナトリウム金属及びベンゾフェノンで乾燥させ、蒸留させた。Ni(cod)2は、グローブボックス中で秤量し、有機金属化合物を含む全ての反応は窒素雰囲気下のもとで標準的なシュレンク手法を用いて行われた。
【0081】
トルエン中のジシクロオクタジエンニッケル Ni(cod)2 (13.8mg, 0.05mmol)及びPPh3(26.3mg, 0.1mmol)の赤色溶液中に、ヨードクロロベンゼン(30.5μl, 0.25mmol)及び3-トリフルオロメチルスチレン(74.1μl, 0.5mmol)を加えた。ビスシクロペンタジエニルジクロロジルコニウム(Cp2ZrCl2)(80.4mg, 0.28mmol)、n-BuLi(0.35mL, 0.55mmol)及び3-ヘキシン(56.8μl, 0.5mmol)からその場で調製したジルコナシクロペンタジエンを、窒素雰囲気下で、上記溶液中に針を通して移した。得られた混合物を100℃で3時間熱した。通常の処理の後、カラムクロマトグラフィーで精製し、1,2,3,4-テトラエチルナフタレンを得た。
【0082】
上記例で用いたスチレン誘導体や芳香族化合物の種類、及びニッケル化合物の量を変えて、同様の手順で多環式芳香族化合物を得た。用いた化合物と使用量、生成物の収率および反応スキームを下記表に示す。
【0083】
【表1】
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