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明細書 :着火方法、及び着火装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3829199号 (P3829199)
公開番号 特開2005-171812 (P2005-171812A)
登録日 平成18年7月21日(2006.7.21)
発行日 平成18年10月4日(2006.10.4)
公開日 平成17年6月30日(2005.6.30)
発明の名称または考案の名称 着火方法、及び着火装置
国際特許分類 F02C   7/264       (2006.01)
F02K   7/10        (2006.01)
H05H   1/32        (2006.01)
FI F02C 7/264
F02K 7/10
H05H 1/32
請求項の数または発明の数 20
全頁数 9
出願番号 特願2003-410488 (P2003-410488)
出願日 平成15年12月9日(2003.12.9)
審査請求日 平成15年12月9日(2003.12.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
発明者または考案者 【氏名】滝田 謙一
【氏名】升谷 五郎
審査官 【審査官】植村 貴昭
参考文献・文献 特開平02-211333(JP,A)
実開昭63-024331(JP,U)
特開昭59-018239(JP,A)
特開平04-206399(JP,A)
特開平07-034215(JP,A)
特開平04-124445(JP,A)
特開平09-250361(JP,A)
調査した分野 F02C 7/264
F02K 7/10
H05H 1/32
特許請求の範囲 【請求項1】
先端部にアーク発生電極を有し、このアーク発生電極によって所定の作動流体をプラズマ化し、プラズマ化した前記作動流体を前記先端部に設けられたノズルよりプラズマジェットトーチとして吹き出すように構成された、複数のプラズマ点火器を準備する工程と、
前記複数のプラズマ点火器を、被燃焼流体の流れ方向と直交するようにして配列し、前記プラズマジェットトーチで前記被燃焼流体を燃焼させる工程と、
前記被燃焼流体の上流側に位置する前記プラズマ点火器と、前記被燃焼流体の下流側に位置する前記プラズマ点火器との間に、前記被燃焼流体の低速領域を形成する工程と、
を具えることを特徴とする、着火方法。
【請求項2】
前記被燃焼流体の前記低速領域を形成すべき、前記被燃焼流体の前記上流側に位置する前記プラズマ点火器と、前記被燃焼流体の前記下流側に位置する前記プラズマ点火器との距離が1cm~5cmであることを特徴とする、請求項1に記載の着火方法。
【請求項3】
先端部にアーク発生電極を有し、このアーク発生電極によって所定の作動流体をプラズマ化し、プラズマ化した前記作動流体を前記先端部に設けられたノズルよりプラズマジェットトーチとして吹き出すように構成された、複数のプラズマ点火器を準備する工程と、
前記複数のプラズマ点火器を、被燃焼流体の流れ方向と直交するようにして配列し、前記プラズマジェットトーチで前記被燃焼流体を燃焼させる工程と、
前記被燃焼流体の上流側に位置する前記プラズマ点火器の前記プラズマジェットトーチによる前記被燃焼流体の燃焼操作を、前記被燃焼流体の下流側に位置する前記プラズマ点火器の前記プラズマジェットトーチによって補償する工程と、
を具えることを特徴とする、着火方法。
【請求項4】
前記被燃焼流体の前記上流側に位置する前記プラズマ点火器の作動流体は、水素、メタン、エチレン及びプロパンの少なくとも一つの燃料ガスを含むことを特徴とする、請求項3に記載の着火方法。
【請求項5】
前記被燃焼流体の前記下流側に位置する前記プラズマ点火器の作動流体は、補助燃焼ガスとして酸素ガスを含むことを特徴とする、請求項3又は4に記載の着火方法。
【請求項6】
前記被燃焼流体の前記上流側に位置する前記プラズマ点火器に対して、前記被燃焼流体の前記下流側に位置する前記プラズマ点火器は、1cm~10cm離隔して配置することを特徴とする、請求項3~5のいずれか一に記載の着火方法。
【請求項7】
先端部にアーク発生電極を有し、このアーク発生電極によって所定の作動流体をプラズマ化し、プラズマ化した前記作動流体を前記先端部に設けられたノズルよりプラズマジェットトーチとして吹き出すように構成された、複数のプラズマ点火器を準備する工程と、
前記複数のプラズマ点火器を、被燃焼流体の流れ方向と直交するようにして配列し、前記プラズマジェットトーチで前記被燃焼流体を燃焼させる工程と、
前記被燃焼流体の上流側に位置する前記プラズマ点火器と、前記被燃焼流体の下流側に位置する前記プラズマ点火器との間に、前記被燃焼流体の低速領域を形成する工程と、
前記被燃焼流体の前記上流側に位置する前記プラズマ点火器の前記プラズマジェットトーチによる前記被燃焼流体の燃焼操作を、前記被燃焼流体の前記下流側に位置する前記プラズマ点火器の前記プラズマジェットトーチによって補償する工程と、
を具えることを特徴とする、着火方法。
【請求項8】
前記被燃焼流体の前記上流側に位置する前記プラズマ点火器の作動流体は、水素、メタン、エチレン及びプロパンの少なくとも一つの燃料ガスを含むことを特徴とする、請求項7に記載の着火方法。
【請求項9】
前記被燃焼流体の前記下流側に位置する前記プラズマ点火器の作動流体は、補助燃焼ガスとして酸素ガスを含むことを特徴とする、請求項7又は8に記載の着火方法。
【請求項10】
前記被燃焼流体の前記上流側に位置する前記プラズマ点火器に対して、前記被燃焼流体の前記下流側に位置する前記プラズマ点火器は、1cm~12cm離隔して配置することを特徴とする、請求項7~9のいずれか一に記載の着火方法。
【請求項11】
先端部にアーク発生電極を有し、このアーク発生電極によって所定の作動流体をプラズマ化し、プラズマ化した前記作動流体を前記先端部に設けられたノズルよりプラズマジェットトーチとして吹き出すように構成された、複数のプラズマ点火器を具え、
前記複数のプラズマ点火器は、被燃焼流体の上流側に位置する前記プラズマ点火器と、前記被燃焼流体の下流側に位置する前記プラズマ点火器との間に、前記被燃焼流体の低速領域を形成するようにして、前記被燃焼流体の流れ方向と直交するようにして配列したことを特徴とする、着火装置。
【請求項12】
前記被燃焼流体の前記低速領域を形成すべき、前記被燃焼流体の前記上流側に位置する前記プラズマ点火器と、前記被燃焼流体の前記下流側に位置する前記プラズマ点火器との距離が1cm~5cmであることを特徴とする、請求項11に記載の着火装置。
【請求項13】
先端部にアーク発生電極を有し、このアーク発生電極によって所定の作動流体をプラズマ化し、プラズマ化した前記作動流体を前記先端部に設けられたノズルよりプラズマジェットトーチとして吹き出すように構成された、複数のプラズマ点火器を具え、
前記複数のプラズマ点火器は、被燃焼流体の上流側に位置する前記プラズマ点火器の前記プラズマジェットトーチによる前記被燃焼流体の燃焼操作を、前記被燃焼流体の下流側に位置する前記プラズマ点火器の前記プラズマジェットトーチによって補償するようにして、前記被燃焼流体の流れ方向と直交するようにして配列したことを特徴とする、着火装置。
【請求項14】
前記被燃焼流体の前記上流側に位置する前記プラズマ点火器の作動流体は、水素、メタン、エチレン及びプロパンの少なくとも一つの燃料ガスを含むことを特徴とする、請求項13に記載の着火装置。
【請求項15】
前記被燃焼流体の前記下流側に位置する前記プラズマ点火器の作動流体は、補助燃焼ガスとして酸素ガスを含むことを特徴とする、請求項13又は14に記載の着火装置。
【請求項16】
前記被燃焼流体の前記上流側に位置する前記プラズマ点火器に対して、前記被燃焼流体の前記下流側に位置する前記プラズマ点火器は、1cm~10cm離隔して配置することを特徴とする、請求項13~15のいずれか一に記載の着火装置。
【請求項17】
先端部にアーク発生電極を有し、このアーク発生電極によって所定の作動流体をプラズマ化し、プラズマ化した前記作動流体を前記先端部に設けられたノズルよりプラズマジェットトーチとして吹き出すように構成された、複数のプラズマ点火器を具え、
前記複数のプラズマ点火器は、被燃焼流体の上流側に位置する前記プラズマ点火器と、前記被燃焼流体の下流側に位置する前記プラズマ点火器との間に、前記被燃焼流体の低速領域を形成し、前記被燃焼流体の前記上流側に位置する前記プラズマ点火器の前記プラズマジェットトーチによる前記被燃焼流体の燃焼操作を、前記被燃焼流体の前記下流側に位置する前記プラズマ点火器の前記プラズマジェットトーチによって補償するようにして、前記被燃焼流体の流れ方向と直交するようにして配列したことを特徴とする、着火装置。
【請求項18】
前記被燃焼流体の前記上流側に位置する前記プラズマ点火器の作動流体は、水素、メタン、エチレン及びプロパンの少なくとも一つの燃料ガスを含むことを特徴とする、請求項17に記載の着火装置。
【請求項19】
前記被燃焼流体の前記下流側に位置する前記プラズマ点火器の作動流体は、補助燃焼ガスとして酸素ガスを含むことを特徴とする、請求項17又は18に記載の着火装置。
【請求項20】
前記被燃焼流体の前記上流側に位置する前記プラズマ点火器に対して、前記被燃焼流体の前記下流側に位置する前記プラズマ点火器は、1cm~12cm離隔して配置することを特徴とする、請求項17~19のいずれか一に記載の着火装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、着火方法、及び着火装置に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代宇宙往還機の開発には、超高速流状態の被燃焼流体に対しても安定的に着火することが可能な着火装置の開発が不可欠とされている。このような着火装置の一つとして、以前より、プラズマ点火器の研究開発がなされてきた。しかしながら、このようなプラズマ点火器でも、超音速流状態の被燃焼流体に対しては、前記プラズマ点火器の先端ノズルから噴出させたプラズマジェットトーチが吹き消えてしまい、十分な着火性能を発揮することができないでいた。
【0003】
このような観点より、特許第2873013号公報には、プラズマ点火器内に旋回リングを設け、被燃焼流体中にプラズマジェットトーチを旋回流の状態で噴出させたり、前記プラズマジェットトーチを噴出させるノズルをラバルノズルから構成させたりすることによって、前記プラズマジェットトーチを前記被燃焼流体中に十分深く侵入するようにし、前記被燃焼流体の燃焼効果を促進する試みなどがなされている。
【0004】
しかしながら、このような方法においても、種々の環境条件によっては、超高速流状態の被燃焼流体に対して安定的な着火を実現することができないでいた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、超高速流状態の被燃焼流体に対する安定的な着火を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明は、
先端部にアーク発生電極を有し、このアーク発生電極によって所定の作動流体をプラズマ化し、プラズマ化した前記作動流体を前記先端部に設けられたノズルよりプラズマジェットトーチとして吹き出すように構成された、複数のプラズマ点火器を準備する工程と、
前記複数のプラズマ点火器を、被燃焼流体の流れ方向と直交するようにして配列し、前記プラズマジェットトーチで前記被燃焼流体を燃焼させる工程と、
前記被燃焼流体の上流側に位置する前記プラズマ点火器と、前記被燃焼流体の下流側に位置する前記プラズマ点火器との間に、前記被燃焼流体の低速領域を形成する工程と、
を具えることを特徴とする、着火方法(第1の着火方法)に関する。
【0007】
また、本発明は、
先端部にアーク発生電極を有し、このアーク発生電極によって所定の作動流体をプラズマ化し、プラズマ化した前記作動流体を前記先端部に設けられたノズルよりプラズマジェットトーチとして吹き出すように構成された、複数のプラズマ点火器を準備する工程と、
前記複数のプラズマ点火器を、被燃焼流体の流れ方向に対して直交するように配列し、前記プラズマジェットトーチで前記被燃焼流体を燃焼させる工程と、
前記被燃焼流体の上流側に位置する前記プラズマ点火器の前記プラズマジェットトーチによる前記被燃焼流体の燃焼操作を、前記被燃焼流体の下流側に位置する前記プラズマ点火器の前記プラズマジェットトーチによって補償する工程と、
を具えることを特徴とする、着火方法(第2の着火方法)に関する。
【0008】
本発明の第1の着火方法によれば、複数のプラズマ着火器を準備し、被燃焼流体の上流側及び下流側に位置するプラズマ点火器間に、前記被燃焼流体の低速領域を形成するようにしている。したがって、前記低速領域が前記被燃焼流体に対する保炎効果を発揮するようになり、前記被燃焼流体が超高速状態にあっても十分安定的な着火を実現することができる。
【0009】
また、本発明の第2の着火方法によれば、複数のプラズマ着火器を準備し、被燃焼流体の上流側に位置するプラズマ点火器による前記被燃焼流体の燃焼操作を、前記被燃焼流体の下流側に位置するプラズマ点火器で補償するようにしている。例えば、前記上流側のプラズマ点火器の、プラズマジェットトーチの形成に寄与せずに、そのまま放出された作動流体を、前記下流側に位置するプラズマ点火器のプラズマジェットトーチで燃焼するようにしている。
【0010】
この結果、装置全体における作動流体の燃焼効率(使用効率)が増大し、より高密度のプラズマジェットトーチが形成されるようになるので、前記被燃焼流体が超高速状態にあっても十分安定的な着火を実現することができる。
【0011】
なお、上記第1の着火方法及び第2の着火方法は互いに組み合わせることもできる(第3の着火方法)。この場合は、上述した作用効果の相乗効果によって、超高速状態の被燃焼流体のより安定的な着火を実現することができるようになる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、超高速流状態の被燃焼流体に対する安定的な着火を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の詳細、並びにその他の特徴及び利点について、最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の着火装置の一例を概略的に示す構成図である。図1に示すように、所定の流路10内には、被燃焼流体Gが左方(上流)から右方(下流)に向かって流れており、流路10に対して先端部が突出した第1のプラズマ点火器20及び第2のプラズマ点火器30が、被燃焼流体Gの流れ方向に直交するようにして配列されている。第1のプラズマ点火器20のノズル21からは第1のプラズマジェットトーチP1が噴出し、第2のプラズマ点火器30のノズル31からは第2のプラズマジェットトーチP2が噴出している。
【0015】
(第1の着火方法)
本発明の第1の着火方法においては、第1のプラズマ点火器20及び第2のプラズマ点火器30を所定の距離D1だけ離隔して配置することによって、これらの間に被燃焼流体Gの低速領域LAを形成する。この場合、被燃焼流体Gが超高速流状態にある場合においても、低速領域LAにおいては比較的低速の状態になるので、この領域にある被燃焼流体Gに対しては第1のプラズマジェットトーチP1及び第2のプラズマジェットトーチP2による着火を十分に行うことができるようになる。
【0016】
すなわち、低速領域LAは、被燃焼流体Gに対して保炎効果を発揮するようになるので、結果として、第1のプラズマジェットトーチP1及び第2のプラズマジェットトーチP2による安定的な着火を行うことができるようになる。
【0017】
なお、第1の着火方法において、実用的な第1のプラズマ点火器20及び第2のプラズマ点火器30の大きさは、1cmのオーダであるので、これらの間の距離D1は1
cm~5cmとすることが好ましい。これによって、被燃焼流体Gに対して十分な保炎効果を発揮すべき、低速領域LAを簡易に形成することができる。
【0018】
(第2の着火方法)
本発明の第2の着火方法においては、第1のプラズマ点火器20及び第2のプラズマ点火器30を所定の距離D2だけ離隔して配置し、第1のプラズマ点火器20の第1のプラズマジェットトーチP1による被燃焼流体Gの燃焼操作を、第2のプラズマ点火器30の第2のプラズマジェットトーチP2で補償するようにする。
【0019】
具体的には、上流側に位置する第1のプラズマ点火器20の、第1のプラズマジェットトーチP1の形成に寄与せずに、そのまま放出された作動流体を、下流側に位置する第2のプラズマ点火器30のプラズマジェットトーチで燃焼するようにしている。この結果、図1に示す着火装置全体における作動流体の燃焼効率(使用効率)が増大し、特に下流側に位置する第2のプラズマ点火器30の、第2のプラズマジェットトーチP2の密度が増大するようになり、前記被燃焼流体が超高速状態にあっても十分安定的な着火を実現することができる。
【0020】
なお、第1のプラズマ点火器20は、被燃焼流体Gに対して通常の燃焼操作を施すものであるので、その作動流体としては、水素、メタン、エチレン及びプロパンの少なくとも一つを用いることができる。
【0021】
また、第2のプラズマ点火器30は、第1のプラズマ点火器20の燃焼操作を補償するためのものであるので、その作動流体としては補助燃焼ガスとしての酸素を含むことができる。
【0022】
図1に示す着火装置を第2の着火方法として使用する場合、実用的な第1のプラズマ点火器20及び第2のプラズマ点火器30の大きさは、1cmのオーダであるので、これらの間の距離D2は1cm~10cmとすることが好ましい。これによって、第1のプラズマ点火器20に対する第2のプラズマ点火器30の補償操作をより効果的に行うことができるようになる。
【0023】
(第3の着火方法)
本発明の第3の着火方法においては、第1のプラズマ点火器20及び第2のプラズマ点火器30を所定の距離D3だけ離隔して配置することによって、これらの間に被燃焼流体Gの低速領域LAを形成するとともに、第1のプラズマ点火器20の第1のプラズマジェットトーチP1による被燃焼流体Gの燃焼操作を、第2のプラズマ点火器30の第2のプラズマジェットトーチP2で補償するようにする。
【0024】
この場合、第1の着火方法における低速領域LAによる保炎効果と、第2の着火方法における、第2のプラズマ点火器30による第1のプラズマ点火器20の燃焼操作の補償効果との相乗効果によって、超高速状態にある被燃焼流体に対して十分安定的な着火を実現することができるようになる。
【0025】
なお、第1のプラズマ点火器20で使用する作動流体の種類は第2の着火方法で例示したものと同じものを使用することができ、第2のプラズマ点火器30では補償燃焼ガスとしての酸素を作動流体として使用することができる。
【0026】
第3の着火方法において、第1のプラズマ点火器20及び第2のプラズマ点火器30の実用的な大きさを考慮することにより、距離D3は1cm~12cmに設定する。
【0027】
(プラズマ点火器の具体的態様)
図2は、上述した第1のプラズマ点火器20及び第2のプラズマ点火器30の、具体的な態様を説明するための図である。
【0028】
図2に示すように、第1のプラズマ点火器20及び第2のプラズマ点火器30は、着火ノズル本体41と、この着火ノズル本体41内に作動流体を供給する作動流体供給手段42と、着火ノズル本体41内に設けられた、前記作動流体をプラズマ化するためのアーク発生電極43と、このアーク発生電極43によりプラズマ化される前記作動流体に旋回流を与えるための旋回リング44とを有している。
【0029】
着火ノズル本体41の先端部にはノズル46が設けられており、このノズル46に設けられた噴出口46Aから所定のプラズマジェットトーチが噴出するように構成されている。
【0030】
着火ノズル本体41内には、アーク発生電極43の陰極43Aを支持する円柱形状の陰極ロッド45が設けられている。陰極ロッド45の先端部には、その表面部に高融点酸化膜を促進形成する金属で成形された陰極43Aが設けられている。なお、陰極43Aは、ハフニウム、ジルコニウム、レニウム、イットリウムなどの金属、あるいはこれらの金属を含む複合材から構成することができる。陰極43Aの外方には、陰極43Aを漏斗状に囲繞するように形成されたアーク発生電極43の陽極43Bが設けられている。
【0031】
さらに、着火ノズル本体41内には、作動流体供給手段42と連続した作動流体供給管47と、一端が開放されることによって供給管47と連続した冷却管48と、この冷却管48と連結した(図面では明示されていない)冷却管49と、この冷却管49と連続した作動流体噴出管50とが設けられている。
【0032】
作動流体供給手段42から供給された作動流体は、供給管47を通じて陰極ロッド45に至り、冷却管49を通過することによって陰極ロッド45(陰極43A)を冷却する。その後、前記作動流体は冷却管49を通過することによって陽極43Bを冷却した後、噴出管50を通り、旋回リング44で旋回流とした後に、アーク発生電極43の陰極43A及び陽極43B間に噴出され、プラズマ化された後、ノズル46の噴出口46Aから噴出され、上述したようなプラズマジェットトーチが形成されるようになる。
【0033】
このような態様によれば、被燃焼流体中にプラズマジェットトーチを旋回流の状態で噴出させることができるので、前記プラズマジェットトーチを前記被燃焼流体中に十分深く侵入するようにし、前記被燃焼流体の燃焼効果を促進することができるようになる。
【0034】
さらに、ノズル46をラバルノズルから構成すれば、この場合においても前記プラズマジェットトーチを前記被燃焼流体中に十分深く侵入するようにすることができ、前記被燃焼流体の燃焼効果を促進することができる。
【0035】
なお、図2に示すプラズマ点火器を、図1の第1のプラズマ点火器20として使用する場合は、前記作動流体として水素やメタンなどの燃料ガスを用いる。また、図2に示すプラズマ点火器を、図1の第2のプラズマ点火器30として使用する場合は、前記作動流体として補助燃焼ガスである酸素を用いる。
【0036】
以上、具体例を挙げながら発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。例えば、上記具体例では、第1のプラズマ点火器20及び第2のプラズマ点火器30のみを用いているが、3以上のプラズマ点火器を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、航空機や将来型宇宙往還機の強制点火器、及び各種エンジンの点火器などとして用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の着火装置の一例を概略的に示す構成図である。
【図2】図1に示す着火装置の、プラズマ点火器の具体的な態様を説明するための図である。
【符号の説明】
【0039】
10 (被燃焼流体の)流路
20 第1のプラズマ点火器
30 第2のプラズマ点火器
21 第1のプラズマ点火器のノズル
31 第2のプラズマ点火器のノズル
G 被燃焼流体
P1 第1のプラズマジェットトーチ
P2 第2のプラズマジェットトーチ
LA (被燃焼流体の)低速領域
図面
【図1】
0
【図2】
1