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明細書 :立体映像呈示装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4549661号 (P4549661)
公開番号 特開2005-165032 (P2005-165032A)
登録日 平成22年7月16日(2010.7.16)
発行日 平成22年9月22日(2010.9.22)
公開日 平成17年6月23日(2005.6.23)
発明の名称または考案の名称 立体映像呈示装置
国際特許分類 G02B  27/22        (2006.01)
G02B  13/22        (2006.01)
G02F   1/13        (2006.01)
G02F   1/1335      (2006.01)
H04N  13/04        (2006.01)
FI G02B 27/22
G02B 13/22
G02F 1/13 505
G02F 1/1335
H04N 13/04
請求項の数または発明の数 4
全頁数 20
出願番号 特願2003-404784 (P2003-404784)
出願日 平成15年12月3日(2003.12.3)
審査請求日 平成18年11月13日(2006.11.13)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】899000068
【氏名又は名称】学校法人早稲田大学
【識別番号】000155698
【氏名又は名称】株式会社有沢製作所
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
【識別番号】300053553
【氏名又は名称】スカラ株式会社
発明者または考案者 【氏名】河合 隆史
【氏名】柴田 隆史
【氏名】葭原 義弘
【氏名】三宅 信行
【氏名】山本 正男
個別代理人の代理人 【識別番号】100114638、【弁理士】、【氏名又は名称】中野 寛也
審査官 【審査官】野田 定文
参考文献・文献 特開平10-239634(JP,A)
特開平07-030928(JP,A)
特開平08-005955(JP,A)
特開2002-196280(JP,A)
特開平01-284091(JP,A)
調査した分野 G02B 27/22
G02B 13/22
G02F 1/13
G02F 1/1335
H04N 13/04
特許請求の範囲 【請求項1】
観察者に対して立体映像を呈示する立体映像呈示装置であって、
左眼用画像および右眼用画像が画面表示されるディスプレイと、
このディスプレイの画面上に注視点を含む近景画像を構成する左眼用近景画像および右眼用近景画像を表示する処理を行う近景画像表示処理手段と、
前記ディスプレイの画面上に前記注視点よりも遠方に位置する背景となる遠景画像を構成する左眼用遠景画像および右眼用遠景画像を表示する処理を行う遠景画像表示処理手段と、
前記観察者と前記ディスプレイとの間に配置されたテレセントリック光学系と、
前記ディスプレイを前記テレセントリック光学系に対して近接離隔する方向に移動させる駆動手段と、
前記近景画像表示処理手段による前記左眼用近景画像および前記右眼用近景画像の表示処理と同期させて前記駆動手段の動作制御を行うための制御信号を前記駆動手段に送ることにより、前記近景画像を構成する前記左眼用近景画像内および前記右眼用近景画像内に対応点としてそれぞれ設定された前記注視点を再生させる位置の奥行き方向の変化に応じて前記ディスプレイを移動させる制御手段とを備え
前記近景画像表示処理手段は、前記左眼用近景画像内の前記注視点とこれに対応する前記右眼用近景画像内の前記注視点とが前記ディスプレイの画面上の左右方向の中央位置で重なる状態でこれらの左眼用近景画像および右眼用近景画像を表示する処理を行う構成とされ、
前記遠景画像表示処理手段は、前記ディスプレイの前方または後方への移動に伴って前記遠景画像の再生位置を一定の位置に保つように前記左眼用遠景画像および前記右眼用遠景画像をそれぞれ交差方向または同側方向にシフトさせる処理を行う構成とされている
ことを特徴とする立体映像呈示装置。
【請求項2】
請求項に記載の立体映像呈示装置において、
前記近景画像表示処理手段は、前記ディスプレイの前方または後方への移動に伴って前記左眼用近景画像および前記右眼用近景画像をそれぞれ縮小または拡大する処理を行う構成とされている
ことを特徴とする立体映像呈示装置。
【請求項3】
請求項またはに記載の立体映像呈示装置において、
前記観察者の左眼および/または右眼の水晶体の屈折値を測定する水晶体屈折値測定手段を備え、
この水晶体屈折値測定手段による測定結果が、前記近景画像表示処理手段による前記近景画像の表示処理、前記遠景画像表示処理手段による前記遠景画像の表示処理、または前記ディスプレイを移動させるために行われる前記制御手段による前記駆動手段の動作制御処理のうちの少なくとも一つの処理にフィードバックされる構成とされている
ことを特徴とする立体映像呈示装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の立体映像呈示装置において、
前記遠景画像表示処理手段は、左右の眼の位置から前記遠景画像の再生位置までの距離をDとし、左右の眼の位置から見かけの画面までの仮想距離をdとし、瞳孔間隔の半分の長さをLとしたとき、中心からのシフト量として示された前記遠景画像の見かけのシフト量sを、
s=d×tan{tan-1(L/d)-tan-1(L/D)}
という式により算出するか、
または、仮想距離dの位置に表示された見かけの画面のサイズの横幅がwとなる場合に、横方向の画素数をxとしたとき、前記遠景画像を中心からシフトする画素数Δxを、
Δx={(x×d)/w}×tan{tan-1(L/d)-tan-1(L/D)}
という式により算出する処理を行う構成とされている
ことを特徴とする立体映像呈示装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、観察者に対して立体映像を呈示する立体映像呈示装置に係り、例えば、注視点(視標)を含む近景画像と、その背景となる遠景画像とを用いて立体映像を呈示する場合等に利用できる。
【背景技術】
【0002】
従来より、観察者に対して立体映像を呈示する際には、左眼用画像と右眼用画像との対応点を左右にずらして画面上に表示し、その両眼視差を利用して画像の各点を画面の手前側に飛び出させ、あるいは画面の奥側に引っ込ませることにより、立体感を作り出す手法が採られている。
【0003】
図14は、このような両眼視差を利用した従来の立体映像呈示方法の原理説明図である。図14において、図示されない偏光フィルタや液晶シャッタ等を用いることにより、観察者の左眼と右眼とで観察される画像を分離し、左眼により、画像呈示面90に表示された左眼用画像のみが観察され、右眼により、画像呈示面90に表示された右眼用画像のみが観察されるようにする。例えば、観察者が、左眼により、P1点の対象を観察し、右眼により、これに対応するP2点の対象を観察したとすると、左眼と右眼との視線方向の交差点である画面手前のP3点で、それらの対象が融像され、立体像として再生される。
【0004】
ところで、2眼式立体映像は、新しい映像情報メディアとして、その社会的・経済的な波及効果が期待されるため、これまで様々な研究がなされてきたが、応用領域が不明瞭であること、観察により眼精疲労が生じること等の原因により、未だ普及していないのが現状である。とりわけ、立体映像観察により生じる眼精疲労は、視覚系の不整合が主な原因と考えられており、これまでにも様々な検討が行われている。この視覚系の不整合は、図14に示すように両眼視差を利用した立体映像の観察を行う場合に、輻輳は、再生される立体像の位置に働くのに対し、左眼および右眼の各水晶体の調節は、画像呈示面90に固定されているために生じる、輻輳と調節との奥行き情報の矛盾のことである。なお、自然視の状態では、輻輳と調節との奥行き情報は一致しているので、眼精疲労は生じない。
【0005】
そこで、このような眼精疲労の問題を解決するために、本願出願人により、立体映像観察において単焦点レンズを観察メガネに付加することで調節距離のシフト効果を誘起し、さらには、輻輳性調節といった人間の視覚特性を踏まえた立体像の再生位置の制御を行うことで視覚性の不整合を軽減することができる立体映像観察装置が既に提案されている(特許文献1参照)。この立体映像観察装置によれば、立体映像観察中の水晶体の屈折値を立体像の再生位置に近似させることができるとともに、補正レンズを用いることで眼精疲労の自覚症状も軽減できるという効果が得られる。
【0006】

【特許文献1】特開2002-341289号公報(段落[0012]、図1、要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述した特許文献1に記載された立体映像観察装置では、視覚系の不整合は解消または軽減できるものの、単焦点レンズを用いていることから、補正が可能な範囲が限定され、多様な立体像の再生位置への対応が困難であるという課題が残る。
【0008】
また、補正が可能な範囲を拡大するため、オートフォーカスレンズのような焦点距離の可変調整が可能なレンズ系を眼前に配置する方法も考えられるが、大掛かりな装置を観察者の頭に装着することになり、現実的ではないという問題がある。さらに、そのようなレンズ系を用いた場合には、焦点距離も変わるが、レンズの度が変わるので画角も変わってしまうという問題がある。例えば、近くの対象を観察する際には、視野角が広くなる等、再生位置によって対象が大きくなったり、小さくなったり変化し、要するに、ズームの機構が同時に入ってきてしまうという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、視覚系の不整合を解消または軽減して眼精疲労を抑えることができ、かつ、多様な立体像の再生位置に対応することができる立体映像呈示装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、観察者に対して立体映像を呈示する立体映像呈示装置であって、左眼用画像および右眼用画像が画面表示されるディスプレイと、このディスプレイの画面上に左眼用画像および右眼用画像を表示する処理を行う画像表示処理手段と、観察者とディスプレイとの間に配置されたテレセントリック光学系と、ディスプレイをテレセントリック光学系に対して近接離隔する方向に移動させる駆動手段と、画像表示処理手段による左眼用画像および右眼用画像の表示処理と同期させて駆動手段の動作制御を行うための制御信号を駆動手段に送ることにより、左眼用画像内および右眼用画像内に対応点としてそれぞれ設定された注視点を再生させる位置の奥行き方向の変化に応じてディスプレイを移動させる制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
ここで、「左眼用画像」および「右眼用画像」は、実写画像でもよく、3Dのコンピュータ・グラフィクスをレンダリング処理により2次元化して得られた画像等でもよい。
【0012】
また、「注視点を再生させる位置の奥行き方向の変化に応じてディスプレイを移動させる」とは、注視点の再生位置が観察者に近づく場合には、ディスプレイも観察者に近づく方向に移動させ、注視点の再生位置が観察者から遠ざかる場合には、ディスプレイも観察者から遠ざかる方向に移動させるという意味である。
【0013】
さらに、注視点の再生位置の制御は、ディスプレイの移動のみにより行ってもよく、あるいは、ディスプレイの移動と、左眼用画像内の注視点とこれに対応する右眼用画像内の注視点とを左右方向にずらす両眼視差との組合せにより行ってもよい。但し、視覚系の不整合を、より軽減するという観点等から、ディスプレイの移動のみにより行うことが好ましい。
【0014】
このような本発明においては、注視点の再生位置の奥行き方向の変化に応じてディスプレイを前後に移動させるので、水晶体の調節が、移動するディスプレイの位置に追従して働くようになり、調節距離の動的な光学補正が実現される。そして、注視点の再生位置の制御は、ディスプレイの移動を伴う形で行われるので、注視点の再生位置にディスプレイの位置を一致させるか、または近づけることができるため、輻輳がディスプレイの画像呈示面の位置またはその近傍位置に働くようになる。従って、観察中、輻輳距離と調節距離とを一致させるか、または近づけることが可能となる。このため、左眼用画像と右眼用画像との視差量を変化させることのみにより注視点の再生位置を制御する従来の方法の場合に比べ、視覚系の不整合に基づく眼精疲労を抑えることができるようになる。
【0015】
また、注視点の再生位置の制御は、ディスプレイの移動を伴う形で行われるので、前述した特許文献1に記載された単焦点レンズを用いて光学補正を行う方法の場合に比べ、補正範囲が広範になり、多様な立体像の再生位置への対応が可能となる。
【0016】
さらに、観察者とディスプレイとの間にテレセントリック光学系が配置されているので、ディスプレイが前後に移動しても、視野角(画角)を一定または略一定に保つことができるため、ズームの機構を伴わない光学補正が実現される。
【0017】
また、ディスプレイを移動させると、上記の如く視野角は一定または略一定に保たれるが、視線方向は変化するので、従来の方法による観察の場合と同様に、立体映像の奥行き感(飛び出し感)の制御を容易に行うことが可能となる。
【0018】
そして、以上のように、ディスプレイの物理的な位置移動と、テレセントリック光学系の屈折を利用することで、立体映像観察における輻輳開散運動が誘発され、これらにより前記目的が達成される。
【0019】
また、前述した立体映像呈示装置において、画像表示処理手段は、左眼用画像内の注視点とこれに対応する右眼用画像内の注視点とがディスプレイの画面上の左右方向の中央位置で重なる状態でこれらの左眼用画像および右眼用画像を表示する処理を行う構成とされていることが望ましい。
【0020】
このように左眼用画像内の注視点と右眼用画像内の注視点とを重ねる処理を行う構成とした場合には、注視点の再生位置とディスプレイの位置とを一致させることができるため、輻輳がディスプレイの画像呈示面の位置に働くようになる。従って、輻輳と調節とが共にディスプレイの画像呈示面の位置に働くので、観察中、輻輳距離と調節距離とを常に一致させることが可能となる。このため、視覚系の不整合に基づく眼精疲労を、より一層抑えることができるようになる。
【0021】
さらに、前述した立体映像呈示装置において、画像表示処理手段は、ディスプレイの画面上に注視点を含む近景画像を構成する左眼用近景画像および右眼用近景画像を表示する処理を行う近景画像表示処理手段と、ディスプレイの画面上に注視点よりも遠方に位置する背景となる遠景画像を構成する左眼用遠景画像および右眼用遠景画像を表示する処理を行う遠景画像表示処理手段とを含んで構成され、制御手段は、制御信号を駆動手段に送ることにより、近景画像内に設定された注視点を再生させる位置の奥行き方向の変化に応じてディスプレイを移動させる構成とされ、近景画像表示処理手段は、左眼用近景画像内の注視点とこれに対応する右眼用近景画像内の注視点とがディスプレイの画面上の左右方向の中央位置で重なる状態でこれらの左眼用近景画像および右眼用近景画像を表示する処理を行う構成とされ、遠景画像表示処理手段は、ディスプレイの前方または後方への移動に伴って左眼用遠景画像および右眼用遠景画像をそれぞれ交差方向または同側方向にシフトさせる処理を行う構成とされていることが望ましい。
【0022】
このように近景画像についてディスプレイの移動により注視点の再生位置の制御を行い、かつ、遠景画像についてディスプレイの移動に伴って左右の画像をシフトさせる処理を行う構成とした場合には、注視点を含む近景画像については、輻輳距離と調節距離とを常に一致させることにより、視覚系の不整合に基づく眼精疲労を抑えることが可能となり、遠景画像については、ディスプレイの移動に伴って生じた視差変化をキャンセルし、遠景画像を一定の奥行き距離に保つことが可能となる。
【0023】
そして、前述した立体映像呈示装置において、近景画像表示処理手段は、ディスプレイの前方または後方への移動に伴って左眼用近景画像および右眼用近景画像をそれぞれ縮小または拡大する処理を行う構成としてもよい。
【0024】
このように近景画像をディスプレイの移動に伴って縮小または拡大する処理を行う構成とした場合には、注視点を含む対象(被写体)の再生位置がディスプレイの移動により前方または後方に移動した際に、その対象についての視野角を変化させることが可能となる。すなわち、自然視の状態では、物理的な大きさが変化しない対象(同一物)が前方または後方に移動すると、その対象が観察者から遠ざかったときには視野角が小さくなり、観察者に近づいたときには視野角が大きくなるのに対し、テレセントリック光学系を配置した場合には、ディスプレイを移動させて注視点を含む対象を前方または後方に移動させても、視野角は一定または略一定に保たれるので、自然視の状態とは異なる見え方になり、その対象の見かけ上の大きさが変化してしまう。従って、ディスプレイが前方に移動して観察者から遠ざかったときには近景画像を縮小して視野角を小さくし、一方、ディスプレイが後方に移動して観察者に近づいたときには近景画像を拡大して視野角を大きくすることにより、自然視の状態と同じ見え方にすることが可能となる。
【0025】
また、前述した立体映像呈示装置において、観察者の左眼および/または右眼の水晶体の屈折値を測定する水晶体屈折値測定手段を備え、この水晶体屈折値測定手段による測定結果が、近景画像表示処理手段による近景画像の表示処理、遠景画像表示処理手段による遠景画像の表示処理、またはディスプレイを移動させるために行われる制御手段による駆動手段の動作制御処理のうちの少なくとも一つの処理にフィードバックされる構成とされていることが望ましい。
【0026】
このように水晶体屈折値測定手段による測定結果を立体映像の呈示処理にフィードバックさせる構成とした場合には、観察者の実際の観察状況に即して適切な立体映像の呈示を行うことが可能となる。例えば、時間情報をフィードバックし、観察者による調節の追従速度に応じて、注視点の再生位置の制御の速度を変化させたり、距離情報をフィードバックし、近視の観察者に対してボケのない立体映像を呈示したりすること等が可能となる。
【発明の効果】
【0027】
以上に述べたように本発明によれば、ディスプレイを前後に移動させて注視点の再生位置の制御を行うので、視覚系の不整合を解消または軽減して眼精疲労を抑えることができ、かつ、多様な立体像の再生位置に対応することができるうえ、観察者とディスプレイとの間にテレセントリック光学系を配置したので、ディスプレイが移動しても視野角を一定または略一定に保つことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の立体映像呈示装置10の全体構成が示されている。図2は、装置本体20の縦断面図である。図3には、立体映像呈示装置10の構成が信号や光の流れとともに示されている。図4は、マイクロポールを実装した液晶ディスプレイ21の構造の説明図である。また、図5は、テレセントリック光学系22により形成される光路の説明図であり、図6は、物理的な画面とテレセントリック光学系22を通した見かけの画面との関係の説明図であり、図7~図10は、遠景画像の表示処理の説明図である。さらに、図11は、水晶体の屈折値の測定方法の説明図であり、図12および図13には、水晶体の屈折値の実測を行った比較実験結果が示されている。
【0029】
図1および図3において、立体映像呈示装置10は、立体映像を再生する装置本体20と、装置本体20に画像信号を供給するコンピュータ40と、装置本体20に制御信号を供給するコントローラ70と、立体映像観察者の水晶体の屈折値を測定する水晶体屈折値測定手段である赤外線オプトメータ80とを備えている。
【0030】
図2および図3において、装置本体20は、左眼用画像および右眼用画像が画面表示される液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)21と、観察者と液晶ディスプレイ21との間に配置されたテレセントリック光学系22と、液晶ディスプレイ21をテレセントリック光学系22に対して近接離隔する方向に移動させる駆動手段であるステッピングモータ23と、装置本体20の筐体に形成された覗き窓24(図1参照)の近傍に配置された左眼用および右眼用の偏光フィルタ25,26(図7参照)と、覗き窓24の近傍であって偏光フィルタ25,26よりも手前側(観察者側)の位置に配置されたダイクロックミラー27とを含んで構成されている。
【0031】
図1および図3において、コンピュータ40は、マウスやキーボード等の入力手段41と、作業や監視等のために左眼用画像および右眼用画像が重ねられた状態で画面表示される作業用ディスプレイ42と、立体映像の呈示に必要な各種処理を行う処理手段50と、処理手段50による処理で用いられるデータを記憶する記憶手段60とを含んで構成されている。
【0032】
図3において、処理手段50は、装置本体20を構成する液晶ディスプレイ21の画面上に左眼用画像および右眼用画像を表示する処理を行う画像表示処理手段51と、画像表示処理手段51による左眼用画像および右眼用画像の表示処理と同期させてステッピングモータ23の動作制御を行うための制御信号をコントローラ70に送信する制御信号送信手段52とを含んで構成されている。
【0033】
画像表示処理手段51は、液晶ディスプレイ21の画面上に注視点を含む近景画像を構成する左眼用近景画像および右眼用近景画像を表示する処理を行う近景画像表示処理手段51Aと、液晶ディスプレイ21の画面上に注視点よりも遠方に位置する背景となる遠景画像を構成する左眼用遠景画像および右眼用遠景画像を表示する処理を行う遠景画像表示処理手段51Bとを含んで構成されている。また、画像表示処理手段51は、作業用ディスプレイ42にも、液晶ディスプレイ21と同じ画面を表示する処理を行う。
【0034】
近景画像表示処理手段51Aは、本実施形態では、左眼用近景画像内の注視点とこれに対応する右眼用近景画像内の注視点とが液晶ディスプレイ21の画面上の左右方向の中央位置で重なる状態で、これらの左眼用近景画像および右眼用近景画像を表示する処理を行うものである。また、近景画像表示処理手段51Aは、ユーザの選択があった場合には、液晶ディスプレイ21の前方または後方への移動に伴って左眼用近景画像および右眼用近景画像をそれぞれ縮小または拡大する処理も行う。すなわち、液晶ディスプレイ21が基準位置(例えば、2.0D=仮想距離50cm相当)よりも前方(観察者から遠ざかる方向)に移動した場合には、左眼用近景画像および右眼用近景画像は、それぞれ縮小され、一方、液晶ディスプレイ21が基準位置よりも後方(観察者に近づく方向)に移動した場合には、左眼用近景画像および右眼用近景画像は、それぞれ拡大される。
【0035】
遠景画像表示処理手段51Bは、液晶ディスプレイ21の前方または後方への移動に伴って左眼用遠景画像および右眼用遠景画像をそれぞれ交差方向または同側方向にシフトさせる処理を行うものである。すなわち、液晶ディスプレイ21が基準位置(例えば、2.0D=仮想距離50cm相当)よりも前方(観察者から遠ざかる方向)に移動した場合には、左眼用遠景画像および右眼用遠景画像は、それぞれ交差方向にシフトされ、一方、液晶ディスプレイ21が基準位置よりも後方(観察者に近づく方向)に移動した場合には、左眼用遠景画像および右眼用遠景画像は、それぞれ同側方向にシフトされる(図7、図8参照)。
【0036】
記憶手段60は、立体映像コンテンツとしての画像を記憶する画像記憶手段61と、近景画像および遠景画像の再生情報を記憶する再生情報記憶手段62と、各観察者の情報を個別に記憶するユーザ情報記憶手段63とを含んで構成されている。
【0037】
画像記憶手段61には、立体映像コンテンツとして、近景画像および遠景画像が記憶されている。
【0038】
近景画像は、例えば蝶1等の画像(図1参照)であり、複数枚の一連の画像群(時系列で描画内容が変化する画像群、例えば蝶が羽を動かしている場合等のように動作を表現する時系列の画像群)により構成され、左右の眼で異なる映像を呈示する場合には、左右それぞれについて一連の画像群により構成される。従って、左右の眼に同じ映像を呈示する場合には、一枚の画像を左眼用近景画像および右眼用近景画像の両方として用いるので、複数枚の一連の画像群は、一組用意すればよく、この場合には、近景画像自体(例えば蝶そのもの)は、立体像ではなく平面的に見え、近景画像の前後の移動や、遠景画像との相対的な位置関係で奥行き感が生じることになる。一方、左右の眼で異なる映像を呈示する場合には、同じ瞬間に液晶ディスプレイ21に画面表示される一対の左眼用近景画像および右眼用近景画像は、異なる画像であるため、近景画像自体(例えば蝶そのもの)にも凹凸感が生じ、立体像として再生される。
【0039】
遠景画像は、例えば背景の山2等の画像(図1参照)であり、1枚(左右の眼に同じ映像を呈示する場合)または2枚(左右の眼に異なる映像を呈示する場合)の画像により構成される。遠景画像についても、近景画像の場合と同様であり、左眼用遠景画像と右眼用遠景画像とに同じ画像を用いれば、遠景画像自体(例えば山そのもの)は平面的に見え、一方、左眼用遠景画像と右眼用遠景画像とに異なる画像を用いれば、遠景画像自体(例えば山そのもの)にも凹凸感が生じ、立体像として再生される。
【0040】
再生情報記憶手段62には、近景画像の動きのシーケンス(時系列の奥行き方向の再生位置であり、時間とディオプタ(D)単位の位置とを対にして幾つか指定して設定する。ユーザが自在に編集することができ、再生位置は、例えば、2.5D(40cm)から無限遠までの範囲で設定できる。)、近景画像の切替間隔(例えば、デフォルト値は1.0秒で、0.1秒~30.0秒の間で設定可能)、近景画像透過色、オペレーティングシステム標準の色選択、近景画像の再生位置の変化に伴って液晶ディスプレイ21の実際の画面上での近景画像サイズを縮小・拡大するか否かの選択、近景画像の画像呈示面上での視野角(例えば、デフォルト値は4度)、遠景画像の再生位置までの距離(例えばデフォルト値が100mで、1m~1000mの間で設定可能)、近景画像が指定された2点間を移動するときにメートル(m)の次元でリニアに動くかディオプタ(D)の次元でリニアに動くかの選択等の各種情報が記憶される。なお、ディオプタ(D)単位の数値は、メートル距離の逆数である。
【0041】
ユーザ情報記憶手段63には、ユーザ名、左右の眼の間隔、屈折値(左S値、左C値、右S値、右C値)、補正値の計算方法(左眼のS+C/2とするか、右眼のS+C/2とするか、それらの平均とするか、手動編集とするかの別)、補正値等の各種情報が記憶される。なお、補正値は、赤外線オプトメータ80により観察中に測定した屈折値を用いてリアルタイムで計算してもよい。
【0042】
そして、処理手段50に含まれる各手段51,52は、コンピュータ40の本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する一つまたは複数のプログラムにより実現される。
【0043】
また、記憶手段60に含まれる各手段61~63は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD-ROM、CD-R、CD-RW、DVD-ROM、DVD-RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
【0044】
図2および図3において、制御信号送信手段52から、画像表示処理手段51による左眼用近景画像および右眼用近景画像の表示処理と同期させてコントローラ70に制御信号が送信されると、コントローラ70では、この信号をステッピングモータ23の動作制御を行うための信号に変換してステッピングモータ23に供給する。そして、ステッピングモータ23は、コントローラ70から供給される制御信号に基づき動作し、図示されないベルト等を介して液晶ディスプレイ21を前後に移動させる。これにより、左眼用近景画像内および右眼用近景画像内に対応点としてそれぞれ設定された注視点の再生位置の奥行き方向の変化に応じ、液晶ディスプレイ21が前後に移動するようになっている。従って、制御信号送信手段52およびコントローラ70により、ステッピングモータ23の動作制御を行って液晶ディスプレイ21を前後に移動させる制御手段71が構成されている。本実施形態では、近景画像表示処理手段51Aにより、左眼用近景画像内の注視点とこれに対応する右眼用近景画像内の注視点とが液晶ディスプレイ21の画面上の左右方向の中央位置で重なる状態で表示されるので、制御手段71は、制御信号をステッピングモータ23に送ることにより、近景画像内に設定された注視点の再生位置に液晶ディスプレイ21を移動させる制御を行う。
【0045】
図4において、液晶ディスプレイ21は、LCDパネル21Aと、このLCDパネル21Aの表示画面の手前側(観察者側)に装着されたマイクロポール(μPol)21Bとを含んで構成されている。図4に示す如く、マイクロポール21Bは、微細な偏光素子で構成された光学系であり、LCDパネル21Aの画素のラインに合わせ、1ライン(横方向に走る各ライン)毎に交互に直交した偏光素子を配置して形成されている。例えば、N行目のライン21B(N)と、(N+2)行目のライン21B(N+2)とが、同じα度の偏光方向であり、(N+1)行目のライン21B(N+1)と、(N+3)行目のライン21B(N+3)とが、同じβ度の偏光方向であり、α度とβ度との差が90度である。観察にあたっては、それらに対応して互いに偏光方向を直交させた偏光フィルタ25,26(図7参照)を用いることで、左眼用画像と右眼用画像との分離を行っている。なお、左眼用画像を偶数ラインとし、右眼用画像を奇数ラインとするか、あるいはその逆とするかは、選択できるようになっている。
【0046】
図2および図5において、テレセントリック光学系22は、観察者に近い方から、第1レンズ22A、第2レンズ22B、第3レンズ22C、および第4レンズ22Dをこの順に配置して構成されている。表1には、これらの4つの各レンズ22A,22B,22C,22Dの仕様が示されている。
【0047】
【表1】
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【0048】
表1において、表面または裏面の別については、観察者の側を向いた面を表面としている。また、間隔については、表1中の一番上側の間隔が、左右の眼の位置と第1レンズ22Aの表面の中心位置との間隔であり、上から2番目の間隔が、第1レンズ22Aの表面の中心位置と裏面の中心位置との間隔(第1レンズ22Aの中心部分の厚み)であり、上から3番目の間隔が、第1レンズ22Aの裏面の中心位置と第2レンズ22Bの表面の中心位置との間隔であり、上から4番目の間隔が、第2レンズ22Bの表面の中心位置と裏面の中心位置との間隔(第2レンズ22Bの中心部分の厚み)であり、以下同様で、一番下側の間隔が、第4レンズ22Dの裏面の中心位置と液晶ディスプレイ21の基準位置(2.0D=仮想距離50cm相当の位置)との間隔である。
【0049】
図5に示すように、テレセントリック光学系22を通過して形成される光路を考慮した場合には、液晶ディスプレイ21の位置がテレセントリック光学系22から遠ざかっていくと、すなわち観察者から遠ざかっていくと、左眼の視線方向(画面の中心を視る方向)は、矢印E1,E2,E3の如く、また、右眼の視線方向(画面の中心を視る方向)は、矢印F1,F2,F3の如く、いずれも外向きに広がって輻輳角が小さくなっていき、徐々に遠くを見ている状態に変化していく。これに対し、左右の眼の視線方向は変化するものの、視線方向が矢印E1,E2,E3または矢印F1,F2,F3のときの画面全体を視る視野角φ1,φ2,φ3は、一定または略一定に保たれる。
【0050】
図6において、左右の眼から物理的な距離Zの位置にある液晶ディスプレイ21の実際の画面(物理的な画面)を、テレセントリック光学系22を通して右眼で見た場合には、第1レンズ22Aの表面と右眼との間に形成された光路KL,KRにより、画面全体を視る視野角φが形成される。左眼で見た場合も左右方向に反転するだけで同様である。このとき、左眼および右眼の視線方向(液晶ディスプレイ21の実際の画面の中心を視る方向)を矢印Eおよび矢印Fの方向とすると、矢印Eおよび矢印Fの方向の延長線(図中二点鎖線)どうしの交差する位置が見かけの画面Gの位置となり、左右の眼からこの見かけの画面Gの位置までの距離dを仮想距離と呼ぶものとする。そして、仮想距離dの位置にある見かけの画面Gのサイズは、光路KL,KRの各延長線(図中二点鎖線)と見かけの画面Gとが交差する点どうしの間隔として定まる。また、液晶ディスプレイ21の実際の画面(物理的な画面)上の任意の位置の点TZは、仮想距離dの位置にある見かけの画面G上では、光路KTの延長線(図中二点鎖線)と見かけの画面Gとが交差する位置にある点Tdとして見える。例えば、液晶ディスプレイ21の実際の画面サイズが6インチである場合に、見かけの画面Gが仮想距離d=50cm(0.5m)の位置になるように液晶ディスプレイ21を移動させたとすると、見かけの画面Gのサイズは15インチとなり、この際の視野角φは約34度となる。なお、本実施形態では、見かけの画面Gが仮想距離d=d1=50cm(0.5m)となる位置(ディオプタ単位では、1/0.5=2.0D)を基準位置とする。
【0051】
図11において、偏光フィルタ25,26と左右の眼との間には、赤外線の波長だけを反射するダイクロックミラー27が、偏光フィルタ25,26に対して45度傾いた状態で配置されている。赤外線オプトメータ80は、水晶体の厚みの変化に基づいて屈折値を測定する機器であり、立体映像を観察中の観察者の水晶体の屈折値をリアルタイムで測定するために設けられている。この赤外線オプトメータ80から発せられた赤外線は、図中点線の如く、ダイクロックミラー27で反射されて直角に曲がって水晶体に至る。そして、水晶体から出た赤外線は、再び、ダイクロックミラー27で反射されて直角に曲がり、赤外線オプトメータ80に戻る。一方、液晶ディスプレイ21から発せられた画像の光は、図中実線の如く、ダイクロックミラー27を通過し、水晶体に至る。
【0052】
また、図3に示すように、赤外線オプトメータ80による屈折値の測定結果は、フィードバック情報として処理手段50に送信され、近景画像表示処理手段51Aによる近景画像の表示処理、遠景画像表示処理手段51Bによる遠景画像の表示処理、または液晶ディスプレイ21を移動させるために行われる制御手段71によるステッピングモータ23の動作制御処理を行う際の補正情報として用いられる。
【0053】
このような本実施形態においては、以下のようにして立体映像呈示装置10により観察者への立体映像の呈示が行われる。
【0054】
先ず、入力手段41を操作し、近景画像内の注視点の再生位置等の再生情報を設定し、再生情報記憶手段62に記憶させておくとともに、左右の眼の間隔等のユーザ情報を設定し、ユーザ情報記憶手段63に記憶させておく。なお、近景画像の注視点は、必ずしも蝶1等のような動作を表現したい対象の輪郭内(つまり、蝶1の胴体部分や羽部分や足部分等)に収まっている必要はなく、動作を表現したい対象の輪郭の外側に設定されていてもよい。
【0055】
次に、観察者が覗き窓24から装置本体20の内部を覗いている状態で、近景画像表示処理手段51Aにより、画像記憶手段61に記憶された左眼用近景画像および右眼用近景画像を液晶ディスプレイ21の画面上に表示する。この際、近景画像表示処理手段51Aは、図7に示すように、左眼用近景画像内の注視点(例えば、蝶1の胴体部分等)と、これに対応する右眼用近景画像内の注視点とが、画面の左右方向の中央位置で重なるように表示する。
【0056】
また、近景画像表示処理手段51Aは、ユーザの選択があった場合には、図7に示すように、基準位置(仮想距離d=d1)に再現される蝶1Aを含む近景画像に対し、基準位置よりも遠方位置(仮想距離d>d1)に再現される蝶1Bを含む近景画像を縮小して表示し、一方、基準位置よりも近方位置(仮想距離d<d1)に再現される蝶1Cを含む近景画像を拡大して表示してもよい。この際の縮小・拡大の比率は、例えば仮想距離dに反比例させる。従って、何ら近景画像の縮小・拡大を行わない場合には、蝶1A、蝶1B、蝶1Cの視野角は、テレセントリック光学系22の性質により一定または略一定に保たれるので、その結果、基準位置にいる蝶1Aよりも遠方位置にいる蝶1Bの方が、見かけのサイズが大きくなり、一方、基準位置にいる蝶1Aよりも近方位置にいる蝶1Cの方が、見かけのサイズが小さくなるが、縮小・拡大を行うことにより、基準位置の蝶1Aの視野角よりも遠方の蝶1Bの視野角が小さくなり、基準位置の蝶1Aの視野角よりも近方の蝶1Cの視野角が大きくなるので、その結果、基準位置にいる蝶1Aと、遠方位置にいる蝶1Bと、近方位置にいる蝶1Cとで、見かけのサイズが同じになる。
【0057】
そして、上記のような近景画像表示処理手段51Aによる表示処理と同期させて、制御信号送信手段52は、再生情報記憶手段62に記憶された近景画像の注視点の再生位置の情報に基づきコントローラ70に制御信号を送信し、コントローラ70は、この制御信号を変換してステッピングモータ23に供給する。すると、ステッピングモータ23が動作し、液晶ディスプレイ21が近景画像内の注視点の再生位置まで移動する。例えば、近景画像内の注視点の再生位置が左右の眼の位置から見かけ上100cmの位置であれば、液晶ディスプレイ21は、見かけの画面G(図6参照)が仮想距離d=100cm(1.0D)になる位置まで移動する。なお、左眼用近景画像と右眼用近景画像とを異なる画像として近景画像自体(例えば、蝶1そのもの)に凹凸感を持たせる立体映像呈示を行う場合には、近景画像の注視点(例えば、蝶1の胴体部分)のみが仮想距離d=100cmの見かけの画面G上に再生されればよく、注視点以外の点(例えば、蝶1の羽部分や足部分)については仮想距離d=100cmの見かけの画面Gの前後に再生されてもよい。
【0058】
さらに、以上のような近景画像表示処理手段51Aによる近景画像の表示処理と併せて、遠景画像表示処理手段51Bにより、画像記憶手段61に記憶された左眼用遠景画像および右眼用遠景画像を液晶ディスプレイ21の画面上に表示する。この際、遠景画像表示処理手段51Bは、再生情報記憶手段62に記憶された遠景画像の再生位置の情報(図9の距離D)およびユーザ情報記憶手段63に記憶された左右の眼の間隔の情報(図9の距離L)等に基づき、図7に示すように、液晶ディスプレイ21が基準位置(仮想距離d=d1相当)よりも遠方(d>d1)に移動した場合には、左眼用遠景画像および右眼用遠景画像を、それぞれ交差方向にシフトし、一方、液晶ディスプレイ21が基準位置よりも近方(d<d1)に移動した場合には、左眼用遠景画像および右眼用遠景画像を、それぞれ同側方向にシフトする。
【0059】
例えば、背景となる山2(図1参照)等の遠景画像を常に左右の眼の位置から見かけ上の距離D(例えばD=100m等)の位置に再生したい場合には、液晶ディスプレイ21が近景画像内の注視点の再生位置の変化に伴って移動しても、左眼で左眼用遠景画像内の特定点(例えば、山2の稜線部分等)を視る視線方向が矢印EDの方向で固定され、かつ、右眼で対応する右眼用遠景画像内の特定点を視る視線方向が矢印FDの方向で固定され、輻輳角θDが一定に保たれるようにする必要がある。しかし、液晶ディスプレイ21を前後に移動させると、視線方向が変化し(図5参照)、見かけの画面G(図6参照)も遠方または近方に移動するとともに、見かけの画面Gのサイズも変化するので、遠景画像内の特定点の見かけ上の位置が左右方向に移動してしまうため、このような移動をキャンセルするシフト処理を行う必要がある。
【0060】
具体的には、図7において、見かけの画面Gが基準位置(仮想距離d=d1)にある場合に、左眼用遠景画像内の山2Aが、矢印EDの方向の延長線上にあったとすると、何らシフト処理を行うことなく、見かけの画面Gが基準位置よりも遠方位置(d>d1)に移動したときには、図示の如く、矢印EDの方向の延長線上よりも左側の位置に左眼用遠景画像内の山2Bが見えることになるので、これを図中点線で示された山2Cのように矢印EDの方向の延長線上に持ってくる必要があるため、左眼用遠景画像を交差方向(右方向)にシフトする処理を行う。一方、何らシフト処理を行うことなく、見かけの画面Gが基準位置よりも近方位置(d<d1)に移動したときには、図示の如く、矢印EDの方向の延長線上よりも右側の位置に左眼用遠景画像内の山2Dが見えることになるので、これを図中点線で示された山2Eのように矢印EDの方向の延長線上に持ってくる必要があるため、左眼用遠景画像を同側方向(左方向)にシフトする処理を行う。
【0061】
また、右眼と右眼用遠景画像との関係も、上記の左眼と左眼用遠景画像との関係を左右方向に反転させれば同様であり、見かけの画面Gが基準位置(仮想距離d=d1)にある場合に、右眼用遠景画像内の山2Fが、矢印FDの方向の延長線上にあったとすると、遠方位置(d>d1)にある見かけの画面Gでは、山2Gを図中点線で示された山2Hに移動させるように、右眼用遠景画像を交差方向(左方向)にシフトし、一方、近方位置(d<d1)にある見かけの画面Gでは、山2Jを図中点線で示された山2Kに移動させるように、右眼用遠景画像を同側方向(右方向)にシフトする処理を行う。
【0062】
なお、図7では、左眼用遠景画像内の山2Dと、山2Aと、山2Bは、一直線上に記載されているが、実際には、見かけの画面G上における山の見える位置は、前述した図6における物理的な画面上の点TZと、見かけの画面G上の点Tdとの関係で定まるので、厳密には一直線上には並ばず、山は、見かけの画面Gが遠方に行くに従って、中心から、より離れる位置に見えるようになり、山2Dと、山2Aと、山2Bとは、図中の左上方向に向かって曲がるカーブ上に記載されることになる。また、右眼用遠景画像内の山2Jと、山2Fと、山2Gも同様であり、図7では一直線上に記載されているが、厳密には、図中の右上方向に向かって曲がるカーブ上に記載されることになる。
【0063】
そして、以上のような遠景画像のシフト処理を液晶ディスプレイ21の物理的な画面上で考えると、図8のように説明することができる。すなわち、図8において、背景となる山2(図1参照)等の遠景画像を常に左右の眼の位置から見かけ上の距離D(例えばD=100m等)の位置に再生したい場合には、矢印EDの方向と矢印FDの方向との延長線(図中二点鎖線)どうしの交差する位置が左右の眼の位置から距離Dの位置であるとすると、左眼および右眼の視線方向は、矢印EDおよび矢印FDの方向でそれぞれ固定される必要がある。従って、液晶ディスプレイ21の画面から発せられてテレセントリック光学系22を構成する第4レンズ22Dの裏面に入射される遠景画像の光は、常に一定方向から来なければならないので、結局、左眼用遠景画像内の特定点は、液晶ディスプレイ21の物理的な画面上で、光路K1上に位置しなければならず、右眼用遠景画像内の特定点は、光路K2上に位置しなければならない。
【0064】
このため、液晶ディスプレイ21が基準位置(仮想距離d=d1相当:例えば仮想距離50cm相当=2.0D)にある場合に、左眼用遠景画像内の特定点がPA点の位置(図7の山2Aの位置に対応する位置)にあったとすると、液晶ディスプレイ21が基準位置よりも遠方位置(d>d1相当)にあるときには、特定点がPB点(図7の山2Bに対応)からPC点(図7の山2Cに対応)に移動するように、左眼用遠景画像を交差方向(右方向)にシフトし、一方、液晶ディスプレイ21が基準位置よりも近方位置(d<d1相当)にあるときには、特定点がPD点(図7の山2Dに対応)からPE点(図7の山2Eに対応)に移動するように、左眼用遠景画像を同側方向(左方向)にシフトする。
【0065】
また、右眼用遠景画像の場合も同様であり、液晶ディスプレイ21が基準位置(仮想距離d=d1相当)にある場合に、右眼用遠景画像内の特定点がPF点の位置(図7の山2Fの位置に対応する位置)にあったとすると、液晶ディスプレイ21が基準位置よりも遠方位置(d>d1相当)にあるときには、特定点がPG点(図7の山2Gに対応)からPH点(図7の山2Hに対応)に移動するように、右眼用遠景画像を交差方向(左方向)にシフトし、一方、液晶ディスプレイ21が基準位置よりも近方位置(d<d1相当)にあるときには、特定点がPJ点(図7の山2Jに対応)からPK点(図7の山2Kに対応)に移動するように、右眼用遠景画像を同側方向(右方向)にシフトする。
【0066】
図9には、遠景画像表示処理手段51Bによる遠景画像のシフト量の算出方法が示されている。図9において、左右の眼の位置から遠景画像を再生したい位置までの距離をDとし、左右の眼の位置から見かけの画面G(図6参照)までの距離(仮想距離)をdとし、瞳孔間隔の半分の長さをLとし、求めたい遠景画像の見かけのシフト量(中心からのシフト量)をsとする。このとき、遠景画像を正しく距離Dの位置に表示したいときの輻輳角θDは、次の式(1)で求まる。
【0067】
θD=tan-1(L/D) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
【0068】
また、液晶ディスプレイ21を仮想距離dに相当する位置に配置することにより発生する輻輳角θd(仮想距離dにある見かけの画面G上の中央位置に表示された近景画像内の注視点を見る際に生じる輻輳角)は、次の式(2)で求まる。
【0069】
θd=tan-1(L/d) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
【0070】
従って、液晶ディスプレイ21の位置によらず、つまり見かけの画面Gまでの仮想距離dによらず遠景画像を常に輻輳角θDで表示させるために必要なシフト角Δθは、次の式(3)で求まる。
【0071】
Δθ=θd-θD=tan-1(L/d)-tan-1(L/D) ・・・・(3)
【0072】
通常、輻輳角θdおよびシフト角Δθは、微小であるから、見かけのシフト量sは、次の式(4)で求まる。
【0073】
s≒d×tan(Δθ)=d×tan{tan-1(L/d)-tan-1(L/D)}
・・・・・・・・(4)
【0074】
ここで、テレセントリック光学系22を通して形成される見かけの画面Gまでの仮想距離dと、見かけの画面Gのサイズとは、比例する。このことは、一画面を構成する画素数は一定であることを考慮すると、見かけの画素サイズが、仮想距離dと比例することを意味する。従って、ある仮想距離d1の位置に表示した場合に、見かけの画面Gのサイズの横幅がwとなることがわかっている光学系および表示デバイスの場合、横方向の画素数をxとすると、画素サイズはw/xとなり、任意の仮想距離dにおける見かけの画素サイズpxは、次の式(5)で求まる。
【0075】
x=(w×d)/(x×d1) ・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
【0076】
従って、シフトしなければならない画素数Δxは、見かけのシフト量sを見かけの画素サイズpxで除して、次の式(6)で求まる。
【0077】
Δx=s/px
≒{(x×d1)/w}×tan{tan-1(L/d)-tan-1(L/D)}
・・・・・・・・(6)
【0078】
例えば、遠景画像をD=100m遠方に設定した場合、近景画像(画面の中心)に対する遠景画像のシフト量は、ピクセル単位で示すと、図10のようになる。なお、計算には、w=15インチ×(4/5)×2.54=30.48cm、d1=50cm、L=65/2mm=3.25cm、x=1024ピクセルを用いた。図10において、横軸は、近景画像内の注視点(例えば、蝶1の胴体部分等)の再生位置までの距離(仮想距離d)であり、縦軸は、遠景画像を中心からシフトする画素数Δx(ピクセル単位)である。
【0079】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、立体映像呈示装置10は、近景画像表示処理手段51Aによる表示処理と同期させて、制御手段71により、近景画像内の注視点の再生位置の奥行き方向の変化に応じて液晶ディスプレイ21を前後に移動させるので、観察者の水晶体の調節が、移動する液晶ディスプレイ21に追従して働くようになり、調節距離の動的な光学補正を実現できる。
【0080】
そして、近景画像表示処理手段51Aは、左眼用近景画像内の注視点とこれに対応する右眼用近景画像内の注視点とが液晶ディスプレイ21の画面上の左右方向の中央位置で重なる状態で、これらの左眼用近景画像および右眼用近景画像を表示する処理を行うので、制御手段71による近景画像内の注視点の再生位置(見かけの位置)の制御は、近景画像内の注視点の再生位置と液晶ディスプレイ21の位置(見かけの画面Gの位置)とを一致させることにより実現できる。従って、輻輳が液晶ディスプレイ21の画像呈示面の位置に働くようになるので、輻輳と調節とが共に液晶ディスプレイ21の画像呈示面の位置に働き、観察中、輻輳距離と調節距離とを常に一致させることができる。このため、左眼用画像と右眼用画像との視差量を変化させることにより注視点の再生位置を制御する従来の方法の場合に比べ、視覚系の不整合に基づく眼精疲労を抑えることができる。
【0081】
また、近景画像内の注視点の再生位置の制御は、液晶ディスプレイ21の移動を伴う形で行われるので、前述した特許文献1に記載された単焦点レンズを用いて光学補正を行う方法の場合に比べ、補正範囲が広範になり、多様な立体像の再生位置に対応することができる。
【0082】
さらに、観察者と液晶ディスプレイ21との間にテレセントリック光学系22が配置されているので、液晶ディスプレイ21が前後に移動しても、視野角(画角)を一定または略一定に保つことができるため、ズームの機構を伴わない光学補正を実現できる。
【0083】
そして、立体映像呈示装置10は、遠景画像表示処理手段51Bにより、液晶ディスプレイ21の前方または後方への移動に伴って左眼用遠景画像および右眼用遠景画像をそれぞれ交差方向または同側方向にシフトさせる処理を行うので、液晶ディスプレイ21の移動に伴って生じた視差変化をキャンセルし、遠景画像を一定の奥行き距離に保つことができる。
【0084】
また、近景画像表示処理手段51Aは、ユーザの選択があった場合には、液晶ディスプレイ21の前方または後方への移動に伴って左眼用近景画像および右眼用近景画像をそれぞれ縮小または拡大する処理を行うので、近景画像内の注視点を含む対象(例えば、蝶1等)の再生位置が液晶ディスプレイ21の移動により前方または後方に移動した際に、その対象(例えば蝶1等)についての視野角を変化させることができる。従って、液晶ディスプレイ21が前方に移動して観察者から遠ざかったときには近景画像を縮小してその対象(例えば蝶1等)についての視野角を小さくし、一方、液晶ディスプレイ21が後方に移動して観察者に近づいたときには近景画像を拡大してその対象(例えば蝶1等)についての視野角を大きくすることにより、その対象(例えば蝶1等)の動きを、自然視の状態と同じ見え方で観察することができる。
【0085】
さらに、立体映像呈示装置10は、赤外線オプトメータ80を備えているので、立体映像観察中の観察者の左眼および/または右眼の水晶体の屈折値(つまり、観察中の人間のピント調節)をリアルタイムで測定し、この測定結果を近景画像表示処理手段51Aによる近景画像の表示処理、遠景画像表示処理手段51Bによる遠景画像の表示処理、または液晶ディスプレイ21を移動させるために行われる制御手段71によるステッピングモータ23の動作制御処理にフィードバックさせることができる。このため、観察者の実際の観察状況に即して適切な立体映像の呈示を行うことができる。
【0086】
そして、立体映像呈示装置10は、再生情報記憶手段62を備えているので、近景画像の動きのシーケンス(再生位置および再生速度の情報を含む。)を含む近景画像の再生に必要な各種情報、あるいは遠景画像の再生位置の情報を自在に設定して記憶させることができる。このため、近景画像の再生位置および再生速度を自在に制御でき、あるいは遠景画像の再生位置を自在に設定でき、多様な立体映像の呈示を行うことができる。
【0087】
また、立体映像呈示装置10は、ユーザ情報記憶手段63を備えているので、観察者の屈折値や瞳孔間隔といった個人情報を記憶させることができ、個人差にも対応することができる。
【0088】
さらに、立体映像呈示装置10は、近景画像の再生位置を、調節距離の単位であるディオプタ(D:メートル距離の逆数)で制御し、かつ、光学補正もディオプタ単位でリニアに行うことができる。
【0089】
なお、本発明の効果を確かめるために、従来の方法により立体映像を観察した場合と、本発明の立体映像呈示装置10を用いて立体映像を観察した場合とで、赤外線オプトメータ80を用いて近景画像内の注視点の再生位置を変化させたときの観察者の水晶体の屈折値の変化を測定する比較実験を行った。図12には、光学補正を行わない従来の立体映像観察の場合の測定結果が示されている。この場合は、液晶ディスプレイの位置を固定し、左右の画像をずらしてその視差量を変化させることにより近景画像内の注視点の再生位置の制御を行っている。一方、図13には、光学補正を行った本発明の立体映像呈示装置10による観察の場合の測定結果が示されている。この場合は、液晶ディスプレイ21の位置を前後に移動させ、左右の画像は、ずらさずに固定している。図12および図13のいずれも、横軸が時間(秒単位)であり、縦軸が、白丸の点については、測定した水晶体の屈折値(ディオプタ単位)であり、黒四角の点については、設定した近景画像内の注視点の再生位置(ディオプタ単位)である。
【0090】
図12によれば、従来の方法では、測定した水晶体の屈折値(白丸の点)と、近景画像内の注視点の再生位置(黒四角の点)とが一致していないのに対し、図13によれば、本発明の立体映像呈示装置10では、測定した水晶体の屈折値(白丸の点)と、近景画像内の注視点の再生位置(黒四角の点)とが一致し、調節距離と輻輳距離とが一致していることがわかり、これにより本発明の効果が顕著に示された。
【0091】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
【0092】
すなわち、前記実施形態では、マイクロポール21Bおよび偏光フィルタ25,26を用いた左右映像の分離方式を採用していたが、本発明の立体映像呈示装置に適用する分離方式は、これに限定されるものではなく、例えば、ディスプレイでの左眼用画像と右眼用画像との交互切換表示処理およびこれと同期して左眼と右眼との透光/遮光を切り換える液晶シャッタメガネによる分離方式等でもよい。
【0093】
また、前記実施形態では、液晶ディスプレイ21が用いられていたが、本発明の立体映像呈示装置に適用するディスプレイは、これに限定されるものではなく、例えば、CRTディスプレイ等であってもよい。
【0094】
さらに、前記実施形態では、第1、第2、第3、第4レンズ22A,22B,22C,22Dにより構成されるテレセントリック光学系22を用いていたが、本発明の立体映像呈示装置に適用するテレセントリック光学系は、これに限定されるものではなく、要するに、ディスプレイの前後の移動に対し、視線方向(画面の中心を見る方向)を変化させつつ、視野角(画角)を一定または略一定に保つことができる光学系であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0095】
以上のように、本発明の立体映像呈示装置は、例えば、注視点(視標)を含む近景画像と、その背景となる遠景画像とを用いて立体映像を呈示する場合等に用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の一実施形態の立体映像呈示装置の全体構成図。
【図2】前記実施形態の装置本体の縦断面図。
【図3】前記実施形態の立体映像呈示装置の構成を信号や光の流れとともに説明する図。
【図4】前記実施形態のマイクロポールを実装した液晶ディスプレイの構造の説明図。
【図5】前記実施形態のテレセントリック光学系により形成される光路の説明図。
【図6】前記実施形態の液晶ディスプレイの物理的な画面とテレセントリック光学系を通した見かけの画面との関係の説明図。
【図7】前記実施形態の遠景画像表示処理手段による遠景画像の表示処理の説明図。
【図8】前記実施形態の遠景画像表示処理手段による遠景画像の表示処理の別の説明図。
【図9】前記実施形態の遠景画像表示処理手段による遠景画像のシフト量の算出方法の説明図。
【図10】前記実施形態の遠景画像表示処理手段による遠景画像のシフト量の算出結果を示す図。
【図11】前記実施形態の水晶体の屈折値の測定方法の説明図。
【図12】水晶体の屈折値の実測を行った比較実験結果(従来の方法による場合)を示す図。
【図13】水晶体の屈折値の実測を行った比較実験結果(本発明の方法による場合)を示す図。
【図14】従来の方法による立体映像観察中の視覚系の不整合の説明図。
【符号の説明】
【0097】
10 立体映像呈示装置
21 液晶ディスプレイ
22 テレセントリック光学系
23 駆動手段であるステッピングモータ
51 画像表示処理手段
51A 近景画像表示処理手段
51B 遠景画像表示処理手段
71 制御手段
80 水晶体屈折値測定手段である赤外線オプトメータ
図面
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【図14】
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