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明細書 :α-アミノオキシケトン化合物及びα-ヒドロキシケトン化合物の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4362388号 (P4362388)
公開番号 特開2005-232100 (P2005-232100A)
登録日 平成21年8月21日(2009.8.21)
発行日 平成21年11月11日(2009.11.11)
公開日 平成17年9月2日(2005.9.2)
発明の名称または考案の名称 α-アミノオキシケトン化合物及びα-ヒドロキシケトン化合物の製造方法
国際特許分類 C07C 239/20        (2006.01)
B01J  31/02        (2006.01)
C07D 211/74        (2006.01)
C07D 309/30        (2006.01)
C07D 317/72        (2006.01)
C07B  53/00        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
C07D 403/04        (2006.01)
FI C07C 239/20
B01J 31/02 Z
C07D 211/74
C07D 309/30 C
C07D 317/72
C07B 53/00 B
C07B 61/00 300
C07D 403/04
請求項の数または発明の数 17
全頁数 19
出願番号 特願2004-044540 (P2004-044540)
出願日 平成16年2月20日(2004.2.20)
審査請求日 平成18年1月10日(2006.1.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】斎藤 進
個別代理人の代理人 【識別番号】100107984、【弁理士】、【氏名又は名称】廣田 雅紀
審査官 【審査官】本堂 裕司
参考文献・文献 特許第3883972(JP,B2)
MOMIYAMA, Norie et al.,O-nitroso aldol synthesis: catalytic enantioselective route to α-aminooxy carbonyl compounds via enamine intermediate,Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,2004年 4月13日,101(15),5374-5378
調査した分野 C07C 239/20
B01J 31/02
C07D 211/74
C07D 309/30
C07D 317/72
C07D 403/04
CA/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(I)
【化1】
JP0004362388B2_000014t.gif
(式中、X1~X3は、独立して、窒素原子、炭素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Zは、未置換又は置換基を有する5~10員環を表す。)で示される複素環化合物を含有する触媒を用い、カルボニル化合物とニトロソ化合物とを反応させることを特徴とするα-アミノオキシケトン化合物の製造方法。
【請求項2】
複素環化合物が、一般式(II)
【化2】
JP0004362388B2_000015t.gif
(式中、Zは、未置換又は置換基を有する5~10員環を表す。)で示されるテトラゾール誘導体であることを特徴とする請求項1記載のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法。
【請求項3】
テトラゾール誘導体が、式(III)
【化3】
JP0004362388B2_000016t.gif
で表される化合物であることを特徴とする請求項2記載のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法。
【請求項4】
ニトロソ化合物が、ニトロソベンゼンであることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法。
【請求項5】
カルボニル化合物が、一般式(IV)
【化4】
JP0004362388B2_000017t.gif
(式中、R1、R2は、独立して、水素原子、あるいは、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、未置換若しくは置換基を有するアルケニル基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシ基、未置換若しくは置換基を有するアミド基、又は未置換若しくは置換基を有するアリール基を表し、R1、R2は相互に結合して環を形成していてもよい。)で示される化合物であることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法。
【請求項6】
一般式(IV)中、R1が水素原子を表すとき、α-アミノオキシケトン化合物が、R不斉炭素を有することを特徴とする請求項5記載のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法。
【請求項7】
一般式(IV)中、R1が、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、未置換若しくは置換基を有するアルケニル基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシ基、未置換若しくは置換基を有するアミド基又は未置換若しくは置換基を有するアリール基を表し、又はこれらの基がR2と相互に結合して環を形成しているとき、α-アミノオキシケトン化合物が、S不斉炭素を有することを特徴とする請求項5記載のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法。
【請求項8】
ジメチルスルホキシド若しくはメチルニトリル、又はこれらを含有する溶媒を用いることを特徴とする請求項1~7のいずれか記載のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法。
【請求項9】
室温(20~30℃)で反応させることを特徴とする請求項1~のいずれか記載のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか記載の方法により得られたα-アミノオキシケトン化合物を、触媒として硫酸銅を用い、溶媒中で反応させることを特徴とするα-ヒドロキシケトン化合物の製造方法。
【請求項11】
カルボニル化合物とニトロソ化合物とを反応させるα-アミノオキシケトン化合物製造用触媒であって、一般式(I)
【化5】
JP0004362388B2_000018t.gif
(式中、X1~X3は、独立して、窒素原子、炭素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Zは、未置換又は置換基を有する5~10員環を表す。)で示される複素環化合物を含有することを特徴とするα-アミノオキシケトン化合物製造用触媒。
【請求項12】
複素環化合物が、一般式(II)
【化6】
JP0004362388B2_000019t.gif
(式中、Zは、未置換又は置換基を有する5~10員環を表す。)で示されるテトラゾール誘導体であることを特徴とする請求項11記載のα-アミノオキシケトン化合物製造用触媒。
【請求項13】
テトラゾール誘導体が、式(III)
【化7】
JP0004362388B2_000020t.gif
で表される化合物であることを特徴とする請求項12記載のα-アミノオキシケトン化合物製造用触媒。
【請求項14】
ニトロソ化合物が、ニトロソベンゼンであることを特徴とする請求項11~13のいずれか記載のα-アミノオキシケトン化合物製造用触媒。
【請求項15】
カルボニル化合物が、一般式(IV)
【化8】
JP0004362388B2_000021t.gif
(式中、R1、R2は、独立して、水素原子、あるいは、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、未置換若しくは置換基を有するアルケニル基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシ基、未置換若しくは置換基を有するアミド基又は未置換若しくは置換基を有するアリール基を表し、R1、R2は相互に結合して環を形成していてもよい。)で示される化合物であることを特徴とする請求項11~14のいずれか記載のα-アミノオキシケトン化合物製造用触媒。
【請求項16】
一般式(IV)中、R1が水素原子を表すとき、α-アミノオキシケトン化合物が、R不斉炭素を有することを特徴とする請求項15記載のα-アミノオキシケトン化合物製造用触媒。
【請求項17】
一般式(IV)中、R1が、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、未置換若しくは置換基を有するアルケニル基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシ基、未置換若しくは置換基を有するアミド基又は未置換若しくは置換基を有するアリール基を表し、又はこれらの基がR2と相互に結合して環を形成しているとき、α-アミノオキシケトン化合物が、S不斉炭素を有することを特徴とする請求項15記載のα-アミノオキシケトン化合物製造用触媒。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬、生理活性を有する有機材料や、液晶等の原料となるα-アミノオキシケトン化合物やこれから誘導されるα-ヒドロキシケトン化合物の製造方法や、α-アミノオキシケトン化合物の製造に使用する触媒に関し、詳しくは、光学異性体を高純度で得ることができるα-アミノオキシケトン化合物やこれから誘導されるα-ヒドロキシケトン化合物の製造方法や、α-アミノオキシケトン化合物の製造に使用する触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
α-ヒドロキシカルボニル化合物は天然有機化合物や医薬の分子骨格に頻繁に見られ、単糖やペントースの合成等価体であり、種々の生理活性物質や、医薬、液晶材料の合成の中間体となり得る極めて重要な合成ビルディングブロックである。かかるα-ヒドロキシカルボニル化合物はカルボニル化合物の不斉酸素化によって、高純度で光学異性体を簡便に合成することができる。しかしながら、従来の方法によるカルボニル基のα-位の不斉酸素化は、カルボニル化合物からエノラート中間体を合成・単離したのち、比較的高価な酸素導入試薬を用いて行うため、2段階の工程を要し、原子効率が低い等の問題点がある。
【0003】
一方、ケトンの不斉酸素化方法として、エノラート中間体を合成・単離せずに直接ケトンの不斉酸素化物を得る方法が報告されている。かかる不斉酸素化は、アミノ酸であるプロリンを触媒とし、ニトロソベンゼンを酸素化剤として用い、α-オキシアミノケトンを得るものである(例えば、非特許文献1~3参照)。しかしながら、これらの系では、触媒効率が悪い(10~20mol%必要)、再現性に乏しいなど解決すべき課題が多く残されている。そのうえ、ニトロソベンゼンによる二重酸素化によって、副反応が進行することも知られている。
【0004】
一方、アルキルシリルエノールエーテルとニトロソベンゼンから、ルイス酸としてアルキルシリルトリフレートを触媒として用いると、高収率でα-オキシアミノケトンを得ることができ(例えば、非特許文献4参照)、更に、アルキルスズエノレートとニトロソベンゼンから、BINAP銀錯体を触媒として用いると、高収率でα-オキシアミノケトンを得ることができること(例えば、非特許文献5参照)が報告されている。その他、カルボニル化合物の縮合によりアルドール化合物を製造する方法として、液体二酸化炭素または超臨界二酸化炭素中、特定の一分子内にエーテルユニット及びアルコールユニットを有する化合物と酸触媒下でアルドール化合物を製造する方法(例えば、特許文献1参照。)や、ホウ素酸、界面活性剤、ブレーンステッド酸の存在下、水媒体中で反応を行う方法(例えば、特許文献2参照。)や、トリフルオロメタンスルホン酸ランタニドとキラルなクラウンエーテル触媒を使用する方法(例えば、特許文献3参照。)等が提案されている。

【特許文献1】特開2002-284729号公報
【特許文献2】特開2002-275120号公報
【特許文献3】特開2002-200428号公報
【非特許文献1】Brown, S. P., Brochu, M. P., Sinz, C. J., & MacMillan, D. W. C. (2003) J. Am. Chem. Soc. 125, 10808-10809.
【非特許文献2】Zhong, G. (2003) Angew. Chem. Int. Ed. 42, 4247-4250.
【非特許文献3】Hayashi, Y., Yamaguchi, J., Hibino, K., & Shoji, M. (2003) Tetrahedron Lett. 44, 8293-8296.
【非特許文献4】Momiyama,N.,Yamamoto,H.(2002) Angew. Chem. Int. Ed. 41,2986-2987
【非特許文献5】Momiyama,N.,Yamamoto,H.(2003) J. Am. Chem. Soc. 125, 6038-6039.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、単糖やペントースの合成等価体であり、様々な生理活性物質の合成中間体となりうるα-ヒドロキシケトン化合物の等価体であるα-オキシアミノケトン化合物を、簡単に高収率で得ることができる方法を提供し、得られるα-オキシアミノケトン化合物から誘導されるα-ヒドロキシケトン化合物から、単糖、更にオリゴ糖への合成の道を拓き、抗ガン剤、抗血栓症剤、抗HIV薬剤、コレステロール合成阻害剤、ベロ毒素中和剤等の多様な糖医薬の合成の可能性を開くことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、下記式に示すように、ジメチルスルフォキシド(DMSO)中、プロリンから誘導したピロリジン-テトラゾール型触媒(1)(5mol%)を用いて、シクロヘキサノン(2a)3.0当量とニトロソベンゼン(3)1.0当量との不斉ニトロソアルドール反応を室温25~30℃で試みたところ、わずか1時間で反応はほぼ完結し、化学収率94%、光学純度>99%ee で、目的の生成物(4a)が得られた。
【0007】
【化9】
JP0004362388B2_000002t.gif
全く同様の反応条件下で、プロリンを触媒として用いた場合、化学収率は35%に留まると同時に、2%ほどのダブル付加体(5a)の生成が認められた。使用する触媒(1)の量を5mol%から3mol%、2mol%へと変化させても反応は進行し、それぞれ、72%、50%と化学収率の若干の減少が観察されたが、>99%eeと高い光学純度が得られた。更に、様々なカルボニル化合物に対して反応を行ない、アルデヒドに対してはわずかな反応条件を調整する必要があるものの、いずれの例でも、高い光学純度が実現できることの知見を得て、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち本発明は、一般式(I)
【0009】
【化10】
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(式中、X1~X3は、独立して、窒素原子、炭素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Zは、未置換又は置換基を有する5~10員環を表す。)で示される複素環化合物を含有する触媒を用い、カルボニル化合物とニトロソ化合物とを反応させることを特徴とするα-アミノオキシケトン化合物の製造方法に関し、好ましくは、複素環化合物が、一般式(II)
【0010】
【化11】
JP0004362388B2_000004t.gif
(式中、Zは、未置換又は置換基を有する5~10員環を表す。)で示されるテトラゾール誘導体であることを特徴とする請求項1記載のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法(請求項2)や、テトラゾール誘導体が、式(III)
【0011】
【化12】
JP0004362388B2_000005t.gif
で表される化合物であることを特徴とする請求項2記載のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法(請求項3)や、ニトロソ化合物が、ニトロソベンゼンであることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法(請求項4)や、カルボニル化合物が、一般式(IV)
【0012】
【化13】
JP0004362388B2_000006t.gif
(式中、R1、R2は、独立して、水素原子、あるいは、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、未置換若しくは置換基を有するアルケニル基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシ基、未置換若しくは置換基を有するアミド基、又は未置換若しくは置換基を有するアリール基を表し、R1、R2は相互に結合して環を形成していてもよい。)で示される化合物であることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法(請求項5)や、一般式(IV)中、R1が水素原子を表すとき、α-アミノオキシケトン化合物が、R不斉炭素を有することを特徴とする請求項5記載のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法(請求項6)や、一般式(IV)中、R1が、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、未置換若しくは置換基を有するアルケニル基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシ基、未置換若しくは置換基を有するアミド基又は未置換若しくは置換基を有するアリール基を表し、又はこれらの基がR2と相互に結合して環を形成しているとき、α-アミノオキシケトン化合物が、S不斉炭素を有することを特徴とする請求項5記載のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法(請求項7)や、ジメチルスルホキシド若しくはメチルニトリル、又はこれらを含有する溶媒を用いることを特徴とする請求項1~7のいずれか記載のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法(請求項8)や、室温(20~30℃)で反応させることを特徴とする請求項1~のいずれか記載のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法(請求項9)や、請求項1~9のいずれか記載の方法により得られたα-アミノオキシケトン化合物を、触媒として硫酸銅を用い、溶媒中で反応させることを特徴とするα-ヒドロキシケトン化合物の製造方法(請求項10)に関する。
【0013】
また、本発明は、カルボニル化合物とニトロソ化合物とを反応させるα-アミノオキシケトン化合物製造用触媒であって、一般式(I)
【0014】
【化14】
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(式中、X1~X3は、独立して、窒素原子、炭素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Zは、未置換又は置換基を有する5~10員環を表す。)で示される複素環化合物を含有することを特徴とするα-アミノオキシケトン化合物製造用触媒(請求項13)に関し、好ましくは、複素環化合物が、一般式(II)
【0015】
【化15】
JP0004362388B2_000008t.gif
(式中、Zは、未置換又は置換基を有する5~10員環を表す。)で示されるテトラゾール誘導体であることを特徴とする請求項11記載のα-アミノオキシケトン化合物製造用触媒(請求項12)や、テトラゾール誘導体が、式(III)
【0016】
【化16】
JP0004362388B2_000009t.gif
で表される化合物であることを特徴とする請求項12記載のα-アミノオキシケトン化合物製造用触媒(請求項13)や、ニトロソ化合物が、ニトロソベンゼンであることを特徴とする請求項11~13のいずれか記載のα-アミノオキシケトン化合物製造用触媒(請求項14)や、カルボニル化合物が、一般式(IV)
【0017】
【化17】
JP0004362388B2_000010t.gif
(式中、R1、R2は、独立して、水素原子、あるいは、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、未置換若しくは置換基を有するアルケニル基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシ基、未置換若しくは置換基を有するアミド基又は未置換若しくは置換基を有するアリール基を表し、R1、R2は相互に結合して環を形成していてもよい。)で示される化合物であることを特徴とする請求項11~14のいずれか記載のα-アミノオキシケトン化合物製造用触媒(請求項15)や、一般式(IV)中、R1が水素原子を表すとき、α-アミノオキシケトン化合物が、R不斉炭素を有することを特徴とする請求項15記載のα-アミノオキシケトン化合物製造用触媒(請求項16)や、一般式(IV)中、R1が、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、未置換若しくは置換基を有するアルケニル基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシ基、未置換若しくは置換基を有するアミド基又は未置換若しくは置換基を有するアリール基を表し、又はこれらの基がR2と相互に結合して環を形成しているとき、α-アミノオキシケトン化合物が、S不斉炭素を有することを特徴とする請求項15記載のα-アミノオキシケトン化合物製造用触媒(請求項17)に関する。
【発明の効果】
【0018】
触媒として一般式(I)で示される複素環化合物を用いることで、中間体を単離することなく、カルボニル化合物の不斉酸素化による一段階で、使用する触媒量を減少させ触媒効率や原子効率の向上を図り、高い化学収率、高い光学純度でα-アミノオキシケトン化合物を得ることができる。本発明はオリゴ糖やDNA、RNAの単位構造に見られるヘキトースやペントース骨格を人工的に自由自在に作ることができる道を拓き、抗ガン剤、抗血栓症剤、抗HIV薬剤、コレステロール合成阻害剤、ベロ毒素中和剤等、多様な糖医薬へと展開できる可能性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法は、カルボニル化合物とニトロソ化合物との不斉酸素化反応によりα-アミノオキシケトン化合物を生成する、いわゆるニトロソアルドール反応を利用した方法であり、本発明のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法としては、一般式(I)
【0020】
【化18】
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(式中、X1~X3は、独立して、窒素原子、炭素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Zは、未置換又は置換基を有する4~10員環を表す。)で示される複素環化合物を含有する触媒を用い、カルボニル化合物とニトロソ化合物とを反応させる方法であれば、特に制限されるものではない。
【0021】
本発明のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法において用いられるカルボニル化合物としては、カルボニル基を有するものであれば特に限定されるものではなく、水溶性のものや、水和物を容易に形成するものであってもよい。具体的にはアルデヒド化合物やケトン化合物を挙げることができ、好ましくは、一般式(IV)で表されるカルボニル化合物を例示することができる。
【0022】
【化19】
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一般式(IV)中、R1、R2は、独立して水素原子、あるいは、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、未置換若しくは置換基を有するアルケニル基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシ基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基又は未置換若しくは置換基を有するアリール基を表し、R1、R2は相互に結合して環を形成していてもよい。一般式(IV)中、R1、R2が表すアルキル基としては、直鎖状又は環状であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等や、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等の炭素数1~30のアルキル基を挙げることができる。一般式(IV)中、R1、R2が表すアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、アリル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、1-ペンテニル基、1-ヘキシニル等の炭素数1~30のアルケニル基を挙げることができる。
【0023】
また、一般式(IV)中、R1、R2が表すアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、フェノキシ基等の炭素数1~30のアルコキシ基を挙げることができ、アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基等の炭素数1~30のアルコキシカルボニル基を挙げることができ、アリール基としては、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントリル基、2-アントリル基、9-アントリル基、1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数1~30のアリール基を挙げることができる。
【0024】
かかる一般式(IV)中、R1、R2が示すアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のアルキル基や、ビニル基、1-プロペニル基、アリル基、1-ブテニル基等のアルケニル基や、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントリル基、2-アントリル基、9-アントリル基、1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、ベンジル基等のアリール基や、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基や、その他、水酸基、カルボキシ基、アシル基、アミノ基、チオ基、ニトロ基等を挙げることができる。また、R1、R2が結合して形成する環としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン等の環状アルキル基や、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族環や、ピリジン、ピロリジン、ピペリジン、フラン、ピラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等複素環を例示することができる。
【0025】
かかる一般式(IV)で示されるカルボニル化合物としては、具体的に、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、カプロンアルデヒド、ヘプトアルデヒド、カプリルアルデヒド、ペラルゴンアルデヒド、カプリンアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、ラウリンアルデヒド、トリデシルアルデヒド、ミリスチンアルデヒド、ペンタデシルアルデヒド、パルミチンアルデヒド、マルガリンアルデヒド、ステアリンアルデヒド、スクシンジアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、o-トルアルデヒド、m-トルアルデヒド、p-トルアルデヒド、サリチルアルデヒド、シンアムアルデヒド、1-ナフトアルデヒド、2-ナフトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類を挙げることができる。
【0026】
更に、一般式(IV)で示されるカルボニル化合物として、具体的に、アセトン、エチルメチルケトン、プロピルメチルケトン、イソプロピルメチルケトン、ブチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、2-ウンデカノン、メチルビニルケトン、メシチルオキシド、フルオロアセトン、クロロアセトン、2,4-ペンタンジオン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2-メチルシクロヘキサノン、シクロデカノン、2-ノルボルナノン、2-アダマンタノン、テトラヒドロピラン-4-オン、スピロ[4.5]-1,4-ジオキシ-デカン-8-オン、1-ベンジルカルボニルピペリジン-4-オン、ベンジルアセトン、1-インダノン、2-インダノン、α-テトラロン、β-テトラロン、7-メトキシ-2-テトラロン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンジルフェノン、ジベンジルケトン、3,4-ジメチルアセトフェノン、2-アセトナフトン、2-クロロアセトフェノン等のケトン類等を挙げることができる。
【0027】
本発明のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法において用いられるニトロソ化合物としては、ニトロソ基を有する化合物であれば、脂肪族ニトロソ化合物 、芳香族ニトロソ化合物 のいずれであってもよい。脂肪族ニトロソ化合物 としては、置換基を有していてもよいアルキルニトロソ化合物 が挙げられ、ニトロソ基が第三級炭素原子に結合しているものが好ましく、具体的には、2-ニトロソイソブタン、2-ニトロソ-2-メチルペンタン等を例示することができる。また、芳香族ニトロソ化合物 としては、置換基を有していてもよいニトロソベンゼン、置換基を有していてもよい1-ニトロソナフタレン、2-ニトロソナフタレン等を例示することができる。芳香族ニトロソ化合物の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基等のアルキル基の他、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、イソブトキシ基、t-ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアルコキシ基や、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子などを例示することができる。置換基を有するニトロゾベンゼンとしては、具体的には、o-ニトロソトルエン、m-ニトロソトルエン、p-ニトロソトルエン、3,5-ジメチルニトロソベンゼン、o-ニトロソエチルベンゼン、o-ニトロソスチレン、o-ニトロソアニソール、m-ニトロソアニソール、p-ニトロソアニソール、o-ニトロソフェネトール、m-ニトロソフェネトール、p-ニトロソフェネトール、o-フルオロニトロソベンゼン、m-フルオロニトロソベンゼン、p-フルオロニトロソベンゼン、o-クロロニトロソベンゼン、m-クロロニトロソベンゼン、p-クロロニトロソベンゼン、0-ブロモニトロソベンゼン、m-ブロモニトロソベンゼン、p-ブロモニトロソベンゼン等を例示することができる。
【0028】
本発明のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法において用いられる複素環化合物は、一般式(I)で示され、式中、X1~X3は、独立して、窒素原子、炭素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Zは、未置換又は置換基を有する5~10員環を表し、それぞれα位に窒素原子を有する5員の複素環と5~10員環の複素環とが、複素環構成炭素によって相互に結合した化合物である。この複素環化合物は、複素環のα位のNH官能基が酸として作用すると共に、シクロアルキル系複素環のα位のNH官能基が塩基として作用する、N-H酸-N-H塩基複合型触媒といえるものである。かかる複素環化合物の5員の複素環(酸環)としては、テトラゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ピラゾール、ピラゾリン、イミダゾール、インダゾリン、チアトリアゾリン、オキサトリアゾリン等を挙げることができ、このうち好ましい複素環化合物として、一般式(II)で表されるように、1H-テトラゾールが特に好ましい。5~10員の複素環(塩基環)としては、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、オキサゾリン、オキサゾール等を挙げることができ、これら複素環の置換基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェニル基や、複素環に縮合した縮合環等のアリール基等を挙げることができるが、置換基を含めた複素環部分が嵩高いものは、収率を下げるため、置換基として嵩高くないものが好ましい。
【0029】
かかる複素環化合物としては、具体的には、5-(2´-ピロリジニル)-1H-1,2,3,4-テトラゾール、5-(4H,5H-2´-オキサゾリル)-1H-1,2,3,4-テトラゾール、5-(2´-ピペリジニル)-1H-1,2,3,4-テトラゾール、5-(ベンゾ[c]-2´-ピペリジニル)-1H-1,2,3,4-テトラゾール、5-2′-ピロリジニル-1H-1,2,3-トリアゾール、5-2′-ピロリジニル-1H-1,2,4-トリアゾール、2-2′-ピロリジニル-1H-イミダゾール、5-2′-ピロリジニル-1H-イミダゾール、5-2′-ピロリジニル-1H,4H,5H-1,2,3,4-チアトリアゾリン、5-2′-ピロリジニル-4H,5H-1,2,3,4-オキサトリアゾリン、5-2′-ピロリジニル-4H,5H-ピラゾリン等を具体的に例示することができ、特に、式(III)で示される5-(2´-ピロリジニル)-1H-1,2,3,4-テトラゾールを好適に例示することができる。
【0030】
かかる複素環化合物は、天然又は合成品のプロリンから調製することができる。式(III)で示されるテトラゾール誘導体は、文献(Roczniki Chemii Ann.Soc.Chim.Polpnorum,1971,45,967、J.Med.Chm.1985,28,1067)に記載の方法により調製することができる。即ち、ベンジルオキシカルボニル基で窒素原子が保護されたプロリンのカルボン酸として市販されているN-(ベンジルオキシカルボニル)-L-プロリンを、アンモニアと反応させアミドに変換した後、塩化ホスホリルで脱水してニトリルを合成し、このニトリルとナトリウムアジトを反応させテトラゾールを得、最後に、N-ベンジルオキシカルボニル基を臭化水素/酢酸又はPd/C,H2で脱保護し、式(III)で示されるテトラゾール誘導体を生成することができる。その他、テトラゾール誘導体は、Organic Letters,2001,Vol.3,No.25,4091-4094、Organic Letters,2002,Vol.4,No.15,2525-2527等の文献記載の方法に準ずる方法により製造することができる。
【0031】
本発明のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法は、カルボニル化合物とニトロソ化合物とを、一般式(I)で示される複素環化合物の存在下、好ましくは式(III)で示されるテトラゾール誘導体存在下、通常溶媒中で反応を行なう方法である。ニトロソ化合物の使用量としては、カルボニル化合物に対して2~4モル量、好ましくは2.5~3.5モル量とすることができ、一般式(I)で表される複素環化合物を含有する触媒の使用量としては、カルボニル基質に対して、1~30モル%、好ましくは2~20モル%とすることができる。使用する溶媒としては、水、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系、シクロヘキサン、n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、酢酸エチル等のエステル系、アセトニトリル等のニトリル系、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、このうち、ジメチルスルホキシドやアセトニトリルが好ましい。溶媒の使用量としては、15~30当量とすることができるが、無溶媒で反応を行なうこともできる。
【0032】
反応温度は0~50℃、好ましくは20~30℃であり、室温で行なうことができる。反応時間は30分~3時間等、例えば1時間前後とすることができ、空気中で攪拌する方法を挙げることができる。過酷な条件を必要とせず、しかも水の存在によっても反応の進行が抑制されないため、原料や触媒の脱水処理を不要とし、容易に反応を制御することができる。反応終了後、酢酸エチル等で生成物を抽出し、公知の方法により乾燥、精製することができる。
【0033】
本発明のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法は、従来の方法においては原料として使用できなかったメチルイソプロピルケトンや、アセトフェノン等のカルボニル化合物や、水溶性アルデヒドや水和物を容易に形成するアルデヒドも原料とすることができ、原料として用いるカルボニル化合物についての制限が少ないため、生成物のα-アミノオキシケトン化合物は広い範囲に亘り、化学収率、光学純度共に高い。生成物のα-アミノオキシケトン化合物の不斉炭素の絶対配置としては、アルデヒドを原料としたときはR配置のものが得られ、ケトンを原料としたときはS配置のものが得られる。
【0034】
本発明の方法により得られるα-アミノオキシケトンとしては、具体的には、(N-イソブチルアミノオキシ)アセトアルデヒド、[N-(1,1-ジメチルブチル)]アミノオキシアセトアルデヒド、(N-フェニルアミノオキシ)アセトアルデヒド、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)プロパナール、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]プロパナール、2-N-フェニルアミノオキシプロパナール、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)ブタナール、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]ブタナール、2-(N-フェニルアミノオキシ)ブタナール、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)-2-メチルプロパナール、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-2-メチルプロパナール、2-(N-フェニルアミノオキシ)-2-メチルプロパナール、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)-4-メチルブタナール、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-4-メチルブタナール、2-(N-フェニルアミノオキシ)-4-メチルブタナール、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)ヘキサナール、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]ヘキサナール、2-(N-フェニルアミノオキシ)ヘキサナール、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)ヘプタナール、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]ヘプタナール、2-(N-フェニルアミノオキシ)ヘプタナール、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)オクタナール、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]オクタナール、2-(N-フェニルアミノオキシ)オクタナール、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)ノナナール、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]ノナナール、2-(N-フェニルアミノオキシ)ノナナール、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)デカナール、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]デカナール、2-(N-フェニルアミノオキシ)デカナール、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)ウンデカナール、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]ウンデカナール、2-(N-フェニルアミノオキシ)プロパナール、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)ドデカナール、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]ドデカナール、2-(N-フェニルアミノオキシ)ドデカナール、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)トリデカナール、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]トリデカナール、2-(N-フェニルアミノオキシ)トリデカナール等を挙げることができる。
【0035】
更に、得られるα-アミノオキシケトン化合物として、2,3-ビス(N-イソブチルアミノオキシ)ブタンジアール、2,3-ビス[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]ブタンジアール、2,3-ビス[N-フェニルアミノオキシ]ブタンジアール、
2-N-イソブチルアミノオキシ-2-プロペナール、2-N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ-2-プロペナール、2-N-フェニルアミノオキシ-2-プロペナール、
2-N-イソブチルアミノオキシ-2-ブテナール、2-N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ-2-ブテナール、2-N-フェニルアミノオキシ-2-ブテナール、
3-フェニル-2-N-イソブチルアミノオキシ-2-プロペナール、3-フェニル-2-N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ-2-プロペナール、3-フェニル-2-N-フェニルアミノオキシ-2-プロペナール等を挙げることができる。
【0036】
更に、本発明の方法により得られるα-アミノオキシケトンとして、(N-イソブチルアミノオキシ)アセトン、[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]アセトン、(N-フェニルアミノオキシ)アセトン、
3-(N-イソブチルアミノオキシ)ブタン-2-オン、3-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]ブタン-2-オン、3-(N-フェニルアミノオキシ)ブタン-2-オン、
3-(N-イソブチルアミノオキシ)ペンタン-2-オン、3-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]ペンタン-2-オン、3-(N-フェニルアミノオキシ)ペンタン-2-オン、
3-(N-イソブチルアミノオキシ)-4-メチルブタン-2-オン、3-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-4-メチルブタン-2-オン、3-(N-フェニルアミノオキシ)-4-メチルブタン-2-オン、
3-(N-イソブチルアミノオキシ)ヘキサン-2-オン、3-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]ヘキサン-2-オン、3-(N-フェニルアミノオキシ)ヘキサン-2-オン、
3-(N-イソブチルアミノオキシ)-4-メチルペンタン-2-オン、3-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-4-メチルペンタン-2-オン、3-(N-フェニルアミノオキシ)-4-メチルペンタン-2-オン、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)ペンタン-3-オン、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]ペンタン-3-オン、2-(N-フェニルアミノオキシ)ペンタン-3-オン、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)-2,4-ジメチルペンタン-3-オン、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-2,4-ジメチルペンタン-3-オン、2-(N-フェニルアミノオキシ)-2,4-ジメチルペンタン-3-オン、
3-(N-イソブチルアミノオキシ)ウンデカン-2-オン、3-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]ウンデカン-2-オン、3-(N-フェニルアミノオキシ)ウンデカン-2-オン等を挙げることができる。
【0037】
更に、得られるα-アミノオキシケトン化合物として、3-N-イソブチルアミノオキシ-3-ブテン-2-オン、3-N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ-3-ブテン-2-オン、3-N-フェニルアミノオキシ-3-ブテン-2-オン、
3-N-イソブチルアミノオキシ-4-メチル-3-ペンテン-2-オン、3-N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ-4-メチル-3-ペンテン-2-オン、3-N-フェニルアミノオキシ-4-メチル-3-ペンテン-2-オン、
1-フルオロ-1-(N-イソブチルアミノオキシ)アセトン、1-フルオロ-1-{N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ}アセトン、1-フルオロ-1-(N-フェニルアミノオキシ)アセトン、
1-クロロ-1-(N-イソブチルアミノオキシ)アセトン、1-クロロ-1-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]アセトン、1-クロロ-1-(N-フェニルアミノオキシ)アセトン、
3-(N-イソブチルアミノオキシ)-2,4-ペンタンジオン、3-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-2,4-ペンタンジオン、3-(N-フェニルアミノオキシ)-2,4-ペンタンジオン、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)シクロブタノン、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]シクロブタノン、2-(N-フェニルアミノオキシ)シクロブタノン、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)シクロペンタノン、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]シクロペンタノン、2-(N-フェニルアミノオキシ)シクロペンタノン、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)シクロヘキサノン、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]シクロヘキサノン、2-(N-フェニルアミノオキシ)シクロヘキサノン、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)-2-メチルシクロヘキサノン、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-2-メチルシクロヘキサノン、2-(N-フェニルアミノオキシ)-2-メチルシクロヘキサノン、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)シクロデカノン、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]シクロデカノン、2-(N-フェニルアミノオキシ)シクロデカノン、
1-(N-イソブチルアミノオキシ)-2-ノルボルナノン、1-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-2-ノルボルナノン、1-(N-フェニルアミノオキシ)-2-ノルボルナノン、
1-(N-イソブチルアミノオキシ)-2-アダマンタノン、1-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-2-アダマンタノン、1-(N-フェニルアミノオキシ)-2-アダマンタノン等を挙げることができる。
【0038】
更に、2-(N-イソブチルアミノオキシ)-4-テトラヒドロピラノン、2-{N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ}-4-テトラヒドロピラノン、2-(N-フェニルアミノオキシ)-4-テトラヒドロピラノン、
7-(N-イソブチルアミノオキシ)-スピロ[4.5]-1,4-ジオキシ-デカン-8-オン、7-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-スピロ[4.5]-1,4-ジオキシ-デカン-8-オン、7-(N-フェニルアミノオキシ)-スピロ[4.5]-1,4-ジオキシ-デカン-8-オン、
3-(N-イソブチルアミノオキシ)-1-ベンジルカルボニルピペリジン-4-オン、3-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-1-ベンジルカルボニルピペリジン-4-オン、3-(N-フェニルアミノオキシ)-1-ベンジルカルボニルピペリジン-4-オン、
3-(N-イソブチルアミノオキシ)-4-フェニルブタン-2-オン、3-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-4-フェニルブタン-2-オン、3-(N-フェニルアミノオキシ)-4-フェニルブタン-2-オン、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)-1-インダノン、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-1-インダノン、2-(N-フェニルアミノオキシ)-1-インダノン、
1-(N-イソブチルアミノオキシ)-2-インダノン、1-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-2-インダノン、1-(N-フェニルアミノオキシ)-2-インダノン、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)-1-ケトテトラヒドロナフタリン、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-1-ケトテトラヒドロナフタリン、2-(N-フェニルアミノオキシ)-1-ケトテトラヒドロナフタリン、
1-(N-イソブチルアミノオキシ)-2-ケトテトラヒドロナフタリン、1-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-2-ケトテトラヒドロナフタリン、1-(N-フェニルアミノオキシ)-2-ケトテトラヒドロナフタリン、
1-(N-イソブチルアミノオキシ)-7-メトキシ-2-ケトテトラヒドロナフタリン、1-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-7-メトキシ-2-ケトテトラヒドロナフタリン、1-(N-フェニルアミノオキシ)-7-メトキシ-2-ケトテトラヒドロナフタリン、
2′-(N-イソブチルアミノオキシ)-1′-アセトフェノン、2′-{N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ}-1′-アセトフェノン、2′-(N-フェニルアミノオキシ)-1′-アセトフェノン、
2′-(N-イソブチルアミノオキシ)-1′-プロピオフェノン、2′-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-1′-プロピオフェノン、2′-(N-フェニルアミノオキシ)-1′-プロピオフェノン、
2-(N-イソブチルアミノオキシ)-1,2-ビスフェニルエタン-1-オン、2-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-1,2-ビスフェニルエタン-1-オン、2-(N-フェニルアミノオキシ)-1,2-ビスフェニルエタン-1-オン、
1-(N-イソブチルアミノオキシ)-1,3-ビスフェニルプロパン-2-オン、1-[N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ]-1,3-ビスフェニルプロパン-2-オン、1-(N-フェニルアミノオキシ)-1,3-ビスフェニルプロパン-2-オン、
6-(N-イソブチルアミノオキシ)-3,4-ジメチルアセトフェノン、6-{N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ}-3,4-ジメチルアセトフェノン、6-(N-フェニルアミノオキシ)-3,4-ジメチルアセトフェノン、
3′-(N-イソブチルアミノオキシ)-2′-アセトナフトン、3′-{N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ}-2′-アセトナフトン、3′-(N-フェニルアミノオキシ)-2′-アセトナフトン、
3′-(N-イソブチルアミノオキシ)-2′-クロロアセトナフトン、3′-{N-(1,1-ジメチルブチル)アミノオキシ}-2′-アセトナフトン、3′-(N-フェニルアミノオキシ)-2′-アセトナフトン等を挙げることができる。
【0039】
また、本発明のα-ヒドロキシケトン化合物の製造方法は、上記本発明のα-アミノオキシケトン化合物の製造方法により得られたα-アミノオキシケトン化合物を溶媒中で触媒として硫酸銅を用いる方法であり、アミノオキシケトン化合物をヒドロキシケトン化合物とする公知の方法を適用することができる。使用する溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコールを挙げることができる。反応温度は、0~25℃、反応時間は、3~10時間等とすることができる。
【0040】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0041】
プロリンからピロリジン-2-テトラゾール1を調製した。ピロリジン-2-テトラゾール5mol%とシクロヘキサノン1.5mmol(3当量)を溶解したジメチルスルフォキシド(DMSO)1mLの室温(25~30℃)の溶液に、ニトロソベンゼン0.5mmol(1当量)のジメチルスルフォキシド(DMSO)1mL溶液を1時間で滴下し、室温で攪拌し1時間反応を行なった。ニトロソベンゼンが完全に消費されたことはTLC(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で確定した。目的物(4)の2-(N-フェニルアミノオキシ)-1-シクロヘキサノンを得た。化学収率94%、光学収率>99%eeであった。結果を表1に示す。表中、化学収率比(4/6)は分離した異性体の収率比を示し、目的物の光学収率(ee%)はHPLCの測定値を示し、目的物の不斉炭素の絶対配置(R/S)は目的物から変換したジオールの収率を示す。使用する触媒1の量を3mol%、2mol%としても反応は進行し、目的物の化学収率はそれぞれ72%、50%であったが、光学収率は>99%eeであった。
【0042】
(比較例1)
触媒としてプロリンを用いた他は、実施例1と同様にして反応を行なった。得られた目的物の化学収率は35%に留まり、2,6-ビス(N-フェニルアミノオキシ)-1-シクロヘキサノン約2%の二重付加体(5a)の生成が認められた。
【実施例2】
【0043】
カルボニル化合物として、テトラヒドロピラン-4-オンを用いた他は、実施例1と同様にして反応を行なった。目的物の化学収率と光学収率を表1に示す。
【実施例3】
【0044】
カルボニル化合物として、スピロ[4.5]-1,4-ジオキシ-デカン-8-オンを用いた他は、実施例1と同様にして反応を行なった。目的物の化学収率と光学収率を表1に示す。
【実施例4】
【0045】
カルボニル化合物として、1-ベンジルカルボニルピペリジン-4-オンを用いた他は、実施例1と同様にして反応を行なった。目的物の化学収率と光学収率を表1に示す。
【実施例5】
【0046】
カルボニル化合物として、メチルエチルケトンを用い、触媒の使用量を20mol%とした他は、実施例1と同様にして反応を行なった。目的物の化学収率と光学収率を表1に示す。
【実施例6】
【0047】
カルボニル化合物として、フェニルプロピオンアルデヒドを用い、溶媒としてアセトニトリルを用い、触媒の使用量を10mol%とした他は、実施例1と同様に反応を行なった。目的物の化学収率と光学収率を表1に示す。表中、目的物の化学収率は目的物の還元により得られた第一級アルコールの収率を示す。
【実施例7】
【0048】
カルボニル化合物として、イソブチルアルデヒドを用い、触媒の使用量を20mol%とした他は、実施例6と同様に反応を行なった。目的物の化学収率と光学収率を表1に示す。
【実施例8】
【0049】
カルボニル化合物として、カプロンアルデヒドを用いた他は、実施例6と同様に反応を行なった。目的物の化学収率と光学収率を表1に示す。
【0050】
【表1】
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【実施例9】
【0051】
実施例1で得られた生成物~1mmolを含むDMSO溶液をそのまま0℃に冷やし、CuSO447.9mg(0.3mmol)とメタノール3.0mLを加え、0℃で10時間攪拌した。この反応溶液に後処理として冷やした食塩水20mLを加え、酢酸エチル10mLで3回抽出した。抽出した有機相をすべて集め食塩水で洗い、Na2SO4で乾燥後濾過し、濾液をエバポレータで減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン)で精製した後、相当するα-ヒドロキシケトンを得た。収率は90%、光学収率は99%以上であった。