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明細書 :保護された水酸基を有する化合物、その製造法およびその用途

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4102263号 (P4102263)
公開番号 特開2005-075729 (P2005-075729A)
登録日 平成20年3月28日(2008.3.28)
発行日 平成20年6月18日(2008.6.18)
公開日 平成17年3月24日(2005.3.24)
発明の名称または考案の名称 保護された水酸基を有する化合物、その製造法およびその用途
国際特許分類 C07H  13/04        (2006.01)
C07K   1/107       (2006.01)
C07K   5/04        (2006.01)
C07K   5/06        (2006.01)
C07K   5/08        (2006.01)
C07K   5/10        (2006.01)
C07K   7/04        (2006.01)
C07K   7/06        (2006.01)
FI C07H 13/04
C07K 1/107
C07K 5/04
C07K 5/06
C07K 5/08
C07K 5/10
C07K 7/04
C07K 7/06
請求項の数または発明の数 3
全頁数 84
出願番号 特願2003-209560 (P2003-209560)
出願日 平成15年8月29日(2003.8.29)
審査請求日 平成15年8月29日(2003.8.29)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
【識別番号】503315034
【氏名又は名称】今場 司朗
発明者または考案者 【氏名】春見 隆文
【氏名】今場 司朗
個別代理人の代理人 【識別番号】100086221、【弁理士】、【氏名又は名称】矢野 裕也
審査官 【審査官】原田 隆興
参考文献・文献 米国特許出願公開第2002/0146684(US,A1)
特開平07-309894(JP,A)
国際公開第02/036551(WO,A1)
特許請求の範囲 【請求項1】
1個または複数個の水酸基を有する糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体であって、当該水酸基のうちの一部または全部が、下記の式(I)で表される水酸基の保護基としてのUCP基により保護されてなり、下記の式(II)で表される保護された水酸基を有する化合物から、UCP基中の酸アミド結合N末端側から1残基分のアミノ酸誘導体を逐次切り離す方法により、当該化合物の水酸基を保護するUCP基のうち、式(I)中のRが同一の基である全てのUCP基を、重合度の最も少ないUCP基で保護されていた箇所から順に脱保護させて水酸基を遊離せしめ、当該遊離水酸基へ縮合反応により特定の化合物を結合させることを特徴とする糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体の合成方法。
【化1】
JP0004102263B2_000047t.gif
(式中、nが1もしくは3~10である場合、RはFmoc基またはBoc基、nが2である場合、RはBoc基;Rは低級アルキル基または水素原子;RおよびRは同一もしくは異なる基で、水素原子または低級アルキル基またはアリール基を示す。nは1~10の整数を示し、nが2~10の整数の場合、各単位中のR、R、Rは、相互に同一であっても良く、異なっても良い。)
【化2】
JP0004102263B2_000048t.gif
(式中、ZはUCP基;mは1以上であって、水酸基を有する化合物Rの水酸基の数以下の整数;Rは水酸基を有する化合物を示し、mが2以上の場合、各Zは、同一であっても良く、異なっても良い。)
【請求項2】
糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体である保護された水酸基を有する化合物が、複数の水酸基を有する化合物であって、前記複数の水酸基のうちの一部または全部が重合度の同一もしくは異なるUCP基により保護されている場合に、UCP基中の酸アミド結合のN末端側から1残基分のアミノ酸誘導体を逐次切り離す方法により、当該化合物の水酸基を保護するUCP基のうち、式(I)中のRが同一の基である全てのUCP基の重合度を1つ減少させ、重合度の最も少ないUCP基で保護されていた箇所から順に脱保護させて水酸基を遊離せしめ、当該遊離水酸基へ縮合反応により特定の化合物を結合させ、次いで重合度の少ないUCP基から順に水酸基を遊離する反応と、縮合反応による特定の化合物の結合反応を順次繰り返すことを特徴とする、請求項1記載の糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体の合成方法。
【請求項3】
糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体である保護された水酸基を有する化合物が、複数の水酸基を有する化合物であって、前記複数の水酸基のうちの一部または全部が重合度の同一もしくは異なるUCP基により保護されている場合に、UCP基中の酸アミド結合のN末端側から1残基分のアミノ酸誘導体を逐次切り離す方法により、当該化合物の水酸基を保護するUCP基のうち、式(I)中のRが同一の基である全てのUCP基の重合度を1つ減少させ、重合度の最も少ないUCP基で保護されていた箇所から順に脱保護させて水酸基を遊離せしめ、当該遊離水酸基へ縮合反応により、上記化合物と同一または異なる構造を有する糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体である保護された水酸基を有する化合物を結合させ、次いで重合度の少ないUCP基から順に水酸基を遊離する反応と、縮合反応による糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体である保護された水酸基を有する化合物の結合反応を順次繰り返すことを特徴とする、請求項または記載の糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体の合成方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保護された水酸基を有する化合物、その製造法およびその用途に関し、詳しくは水酸基の保護基としてのUCP基で保護された水酸基を有する化合物であって、糖鎖の自動合成機および糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体のコンビナトリアルライブラリーの調製に応用できる新規化合物、その製造法および当該化合物の水酸基の保護基としての用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体もしくは類縁体の水酸基の保護剤としては、従来様々な種類の保護基が適宜用いられていた。ある特定の水酸基を遊離にするには、他の水酸基の保護基とは違った特殊な保護基を用いる必要があった。つまり、目的の保護基だけを選択的に脱保護する試薬が必要であり、その条件では他の保護基が脱離しないという条件でなくてはならなかった(非特許文献1)。
このような従来の方法では、多くの水酸基を持つ糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体もしくは類縁体の、それぞれの水酸基にそれぞれ違った糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体もしくは類縁体を導入するためには、水酸基の数だけ上記のような特殊な保護基が必要であり、合成できる糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体もしくは類縁体には限度があった。
【0003】
このような従来の方法を用いる合成法では、糖鎖の自動合成化は装置が巨大になりすぎて不可能である。さらに、コンビナトリアルライブラリーを調製しようとしても、操作があまりに複雑すぎて不可能である。
糖鎖の合成に限定して言えば、現在ではほとんどすべての天然の糖鎖を有機化学的に合成できる技術は確立している。それは様々な保護基を駆使して実現できたものであるが、これとこれを用いれば糖鎖を合成できるという一般的合成法は確立していない。
何故ならば、糖鎖の合成に恒常的に用いることができる保護基が存在していないためである(非特許文献1)。
【0004】
もしも、ある1種類の保護基によりすべての糖鎖を合成することが可能であるなら、糖鎖合成のための一般論が確立でき、さらに糖鎖の自動合成機に発展させることが可能である。すでに糖鎖の自動合成機に向けた取り組みは世界中で行われている(非特許文献2、3)が、これらの方法では、いずれも今までの保護基を用いているために、ある同じ繰り返し構造の糖鎖しか得られておらず、あまり複雑な糖鎖、つまり高度に分岐している糖鎖が得られていない。
さらに、糖鎖ライブラリーは、糖鎖の機能を知る上で欠かすことのできないものであるが、未だにそれが有機化学的に作られていない。それもひとえに水酸基の保護基の問題である。
【0005】
ところで、Morten MeldalおよびLeslie Mirandaは、有機合成で用いることのできる一次元的保護基を提案した(特許文献1および2参照)。この提案によれば、ある同一の官能基に反応順序をつけるために、それぞれの官能基に重合度の異なる保護基を導入し、それぞれの保護基の重合度を一つずつ減らす操作を行うことにより、重合度の一番小さいものから順番に官能基を選択的に遊離することができる。この保護基は、単に重合度の相違だけでそれぞれの官能基を特徴づけることができるので、同一の官能基の種類だけ様々な種類の保護基が必要であったという問題を解決できるものであった。
しかしながら、この一次元的保護基は、実質的にアミノ基の保護基としての用途が示されているに過ぎない。すなわち、この保護基が水酸基の保護基となりうるのか、仮に水酸基を保護できたとして、アミノ基を保護した場合と同様に重合度を一つずつ減らすことができるのか、例えば糖と糖との縮合反応のときにも安定に存在しうるか、縮合反応の進行を妨害する可能性はないか等について実験に基づくデータが示されていないことから、糖鎖合成等における水酸基の保護基としての用途について、特許文献1および2には全く記載がなく、示唆もされていない。
【0006】
【非特許文献1】
P. Sears and C-H. Wong, Science 291, 2344 (2001)
【非特許文献2】
K. C. Nicolaou, N. Watanabe, J. Li, J. Pastor, N. Winssinger, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 37, 1559 (1998)
【非特許文献3】
O. J. Plante, E. R. Palmacci, P. H. Seeberger, Science 291, 1523 (2001)
【特許文献1】
国際公開公報第02/081413号パンフレット
【特許文献2】
米国出願公開第2002/0146684号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、水酸基を有する化合物の水酸基の保護基として利用できる、新たな化合物を開発することである。さらに、糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体もしくは類縁体の水酸基の保護剤として、1種類の当該化合物を用いて、有用な糖鎖ライブラリーの調製および糖鎖の自動合成機に応用できる糖鎖をはじめとする有機化合物を合成する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その過程で、上記特許文献1および2に記載の一次元的保護基に関し、請求の範囲上では広範囲な化学構造のものを含む状態となっているにも拘らず、実際に実施例等で用いられているのは、保護基中のアミノ基が遊離状態である場合のみに過ぎない点に注目した。
本発明者らは、このようなアミノ基が遊離状態の保護基を、水酸基の保護基として糖鎖合成を試みたところ、保護基中のアミノ基が遊離状態の場合には安定性が非常に悪く、冷蔵保存をしても24時間で2割ほど切れて水酸基が遊離してしまうこと(実施例4参照)や、糖と糖との縮合反応を行うと、目的の縮合生成物が全く得られないこと(実施例5参照)が分かった。
そこで、保護基中のアミノ基をFmoc基やBoc基で保護したところ、このような問題は解消し、保護基の安定性が向上し、1ヶ月冷蔵庫に保存しても全く切れないことを見出した。さらに、縮合収率も飛躍的に向上し、従来糖鎖合成にて用いられていた保護基と同じ程度の縮合収率にて糖と糖の縮合反応を行い、目的の縮合生成物を得ることができることを見出した(実施例1参照)。
【0009】
このような結果を踏まえて、本発明者らは、1個または複数個の水酸基を有する化合物であって、他の化合物を結合させたい水酸基について重合度を適宜調整したアミノ酸誘導体またはアミノ酸誘導体の重合体からなる保護基(UCP基)で保護されてなる化合物が、有機化合物の合成に有用であることを見出した。
また、1個または複数個の水酸基を有する化合物において、水酸基に順位をつけ、その順位に見合う重合度の保護基を導入しておくことにより、重合度の低い保護基から順に脱保護して水酸基を遊離させることができ、順次これに特定の化合物を結合して所望の有機化合物を合成することが可能であることを見出した。
さらに、順次水酸基に結合させる特定の化合物として、重合度の同一もしくは異なる保護基により保護された化合物を使用し、上記と同様にして反応を行うことによって、一層複雑な有機化合物を合成できることを見出した。
【0010】
このようにすれば、僅か1種類の操作で遊離状態となる水酸基に順位をつけ、遊離した水酸基に順に他の化合物を縮合させることができる。
すなわち、水酸基の保護基としてのUCP基の重合度を調節するだけで、遊離する水酸基に順位を付けられるので、脱保護のための試薬も操作も単純化される。特に、多くの水酸基を有する糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体でも、単に保護基の重合度を変えるだけで選択性を持たせて脱保護することが可能であり、理論上無限の水酸基に対応できる。
しかも、この方法は脱保護の試薬も操作も単純なため、糖鎖ライブラリーを調製することも可能であると共に、自動合成機に即座に応用できる。
本発明は、係る知見に基づくものである。
【0011】
請求項1記載の本発明は、1個または複数個の水酸基を有する糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体であって、当該水酸基のうちの一部または全部が、下記の式(I)で表される水酸基の保護基としてのUCP基により保護されてなり、下記の式(II)で表される保護された水酸基を有する化合物から、UCP基中の酸アミド結合N末端側から1残基分のアミノ酸誘導体を逐次切り離す方法により、当該化合物の水酸基を保護するUCP基のうち、式(I)中のRが同一の基である全てのUCP基を、重合度の最も少ないUCP基で保護されていた箇所から順に脱保護させて水酸基を遊離せしめ、当該遊離水酸基へ縮合反応により特定の化合物を結合させることを特徴とする糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体の合成方法を提供するものである。
【化3】
JP0004102263B2_000002t.gif(式中、nが1もしくは3~10である場合、RはFmoc基またはBoc基、nが2である場合、RはBoc基;Rは低級アルキル基または水素原子;RおよびRは同一もしくは異なる基で、水素原子または低級アルキル基またはアリール基を示す。nは1~10の整数を示し、nが2~10の整数の場合、各単位中のR、R、Rは、相互に同一であっても良く、異なっても良い。)
【化4】
JP0004102263B2_000003t.gif(式中、ZはUCP基;mは1以上であって、水酸基を有する化合物Rの水酸基の数以下の整数;Rは水酸基を有する化合物を示し、mが2以上の場合、各Zは、同一であっても良く、異なっても良い。)
【0012】
請求項記載の本発明は、糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体である保護された水酸基を有する化合物が、複数の水酸基を有する化合物であって、前記複数の水酸基のうちの一部または全部が重合度の同一もしくは異なるUCP基により保護されている場合に、UCP基中の酸アミド結合のN末端側から1残基分のアミノ酸誘導体を逐次切り離す方法により、当該化合物の水酸基を保護するUCP基のうち、式(I)中のRが同一の基である全てのUCP基の重合度を1つ減少させ、重合度の最も少ないUCP基で保護されていた箇所から順に脱保護させて水酸基を遊離せしめ、当該遊離水酸基へ縮合反応により特定の化合物を結合させ、次いで重合度の少ないUCP基から順に水酸基を遊離する反応と、縮合反応による特定の化合物の結合反応を順次繰り返すことを特徴とする、請求項記載の糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体の合成方法を提供するものである。
請求項記載の本発明は、糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体である保護された水酸基を有する化合物が、複数の水酸基を有する化合物であって、前記複数の水酸基のうちの一部または全部が重合度の同一もしくは異なるUCP基により保護されている場合に、UCP基中の酸アミド結合のN末端側から1残基分のアミノ酸誘導体を逐次切り離す方法により、当該化合物の水酸基を保護するUCP基のうち、式(I)中のRが同一の基である全てのUCP基の重合度を1つ減少させ、重合度の最も少ないUCP基で保護されていた箇所から順に脱保護させて水酸基を遊離せしめ、当該遊離水酸基へ縮合反応により、上記化合物と同一または異なる構造を有する糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体である保護された水酸基を有する化合物を結合させ、次いで重合度の少ないUCP基から順に水酸基を遊離する反応と、縮合反応による糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体である保護された水酸基を有する化合物の結合反応を順次繰り返すことを特徴とする、請求項または記載の糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体の合成方法を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の保護された水酸基を有する化合物は、1個または複数個の水酸基を有する化合物であって、当該水酸基のうちの一部または全部が、上記式(I)で表される水酸基の保護基としてのUCP(Unichemo protection)基により保護されてなり、上記式(II)で表されることを特徴とする。
【0014】
上記式(I)中、RはFmoc(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル(9H-fluoren-9-ylmethoxycarbonyl))基またはBoc(ターシャリー-ブトキシカルボニル(tert-butoxycarbonyl))基を示す。
また、上記式(I)中、Rは低級アルキル基または水素原子を示す。ここで、低級アルキル基としては、炭素数1~6のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、3-ペンチル基、ターシャリー(tert)-ブチル基などがある。
【0015】
上記式(I)中、RおよびRは同一もしくは異なる基で、水素原子または低級アルキル基またはアリール基を示す。ここで、低級アルキル基としては、上記R等と同様に炭素数1~6のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、3-ペンチル基、ターシャリー(tert)-ブチル基などがあり、アリール基の例としては、例えばフェニル基、トリル基などがある。
【0016】
上記式(I)中、nは1~10、好ましくは1~6、より好ましくは1~3の整数である。
ここで、RがFmoc基である場合、nは1、もしくは3~10、好ましくは1、もしくは3~6であることが好ましい。nが2(2量体のアミノ酸重合体)であると、後述する有機化合物の合成の際、UCP基中の酸アミド結合をN末端側から切断しようとすると、UCP基全体が環を巻き根こそぎ脱落してしまうという問題がある(実施例6参照)。しかし、一方でFmoc基を有するUCP基とBoc基を有するUCP基とを混在させることにより、重合度を減らしたいものと減らしたくないものとをコントロールすることができるという利点もある(実施例2参照)。
【0017】
このように、UCP基は、アミノ酸誘導体(式(I)中nが1の場合)としての形態を取ることもあり、アミノ酸誘導体の重合体(式(I)中nが2~10の場合)としての形態を取ることもある。
尚、上記式(I)において、nが2~10の整数の場合、各単位中のR、R、Rは、相互に同一であっても良く、異なっても良い。すなわち、アミノ酸誘導体の重合体は、同一の種類のアミノ酸誘導体が酸アミド結合により所定の重合度で重合してなるものでも良いし、異なる種類のアミノ酸誘導体が酸アミド結合により所定の重合度で重合してなるものでも良い。
【0018】
本発明の保護された水酸基を有する化合物は、1個または複数個の水酸基を有する化合物であって、当該水酸基のうちの一部または全部が、上述のUCP基により保護されてなるものであり、その構造は、上記式(II)で表される。
上記式(II)中、Zは上述のUCP基を示す。
また、mは1以上であって、1個または複数個の水酸基を有する化合物、即ち下記Rの水酸基の数以下の整数である。例えば、水酸基を有する化合物Rがガラクトースの場合、mは、1以上、特に1~5であることが好ましい。
また、Rは1個または複数個の水酸基を有する化合物を示す。水酸基を一または複数個有する化合物としては、糖質、ガングリオシド等の複合糖質、またはそれらの誘導体、ヒドロキシベンジルアルコール、テトロドトキシン等の抗生物質、ビタミンC、アルカロイド類を意味するが、中でも、糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体であることが好ましい。
糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体中の糖の構造は特に限定されず、D体でもL体でも良く、また、単糖でも良いし、複数の単糖がα結合或いはβ結合してなる糖鎖であっても良い。糖質としては、ガラクトース、グルコース、ラクトース、グルコサミン、ガラクトサミン、シアル酸等が挙げられる。複合糖質としては、ガングリオシド、糖タンパク質等が挙げられる。糖質や複合糖質の誘導体としては、上述の如く例示した糖質や複合糖質の誘導体を挙げることができる。具体的には、ターシャリー(tert)-ブチルジメチルシリル 2-アジド-4,6-O-ベンジリデン-2-デオキシ-β-D-ガラクトピラノシド(後述の実施例1の化合物10)、化合物16、化合物33等を挙げることができる。
【0019】
ここで、式(II)中、mが2以上の場合、各Zは、同一であっても良く、異なっても良い。すなわち、本発明の保護された水酸基を有する化合物は、水酸基を複数個有する化合物の場合、重合度の同一または異なる複数のUCP基により複数の水酸基のそれぞれが保護されてなる化合物であっても良い。このように、1個または複数個の水酸基を有する化合物において、水酸基に順位をつけ、その順位に見合う重合度のUCP基を導入しておくことにより、後述するように、所望の有機化合物を合成することが可能である。
【0020】
このような本発明の保護された水酸基を有する化合物としては,具体的には例えば、後述の実施例1の化合物11~15、化合物17~22、化合物26、化合物28~29、実施例2の化合物34、化合物36~37、化合物39、化合物41~44、化合物46~50、化合物52~53、化合物55~58、化合物61および化合物65を挙げることができる。
【0021】
このような本発明の保護された水酸基を有する化合物は、以下に示す製造法により効率良く製造することができる。
すなわち、本発明の保護された水酸基を有する化合物の製造法は、下記の式(III)、(IV)または(V)で表されるアミノ酸誘導体またはアミノ酸誘導体の重合体を、1個または複数個の水酸基を有する化合物の水酸基もしくは本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するUCP基のN末端とカップリングさせることを特徴とする。
下記式(III)、(IV)および(V)中のnが1の場合はアミノ酸誘導体となり、nが2以上の場合はアミノ酸誘導体の重合体となる。
【化5】
JP0004102263B2_000004t.gif【化6】
JP0004102263B2_000005t.gif【化7】
JP0004102263B2_000006t.gif(式中、RはFmoc基またはBoc基;Rは低級アルキル基または水素原子;RおよびRは同一もしくは異なる基で、水素原子または低級アルキル基またはアリール基;Xはハロゲン原子を示す。nは1~10の整数を示し、nが2~10の整数の場合、各単位中のR、R、Rは、相互に同一であっても良く、異なっても良い。)
【0022】
式(III)で表されるアミノ酸誘導体の具体例を示すと、後述の実施例1の化合物5、化合物7、化合物9等のアミノ酢酸誘導体;後述の実施例2で用いられるN-α-Boc-サルコシン、N-α-Boc-α-アミノイソブチル酸等のグリシン誘導体;後述の実施例2で用いられるN-α-Boc-N-α-メチル-L-アラニン等のアラニン誘導体;後述の実施例2で用いられるN-α-Boc-L-フェニルグリシン等のフェニルグリシン誘導体等が挙げられる。
【0023】
また、式(IV)で表されるアミノ酸誘導体の具体例を示すと、後述の実施例2の化合物35、化合物40、化合物45、化合物51、化合物54等の酸無水物が挙げられる。
【0024】
また、式(V)で表されるアミノ酸誘導体の具体例を示すと、後述の実施例1の化合物17を調製する際、中間体として合成される化合物5のクロロ体等が挙げられる。
【0025】
本発明の保護された水酸基を有する化合物の製造法においては、上記の式(III)、(IV)または(V)で表されるアミノ酸誘導体またはアミノ酸誘導体の重合体を、1個または複数個の水酸基を有する化合物の水酸基もしくは本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するUCP基のN末端とカップリングさせる。
【0026】
ここで、1個または複数個の水酸基を有する化合物としては、上記の式(II)のRの説明中において述べたものを用いることができる。つまり、1個または複数個の水酸基を有する化合物の水酸基にカップリングさせることにより、上記アミノ酸誘導体またはアミノ酸誘導体の重合体がUCP基として上記化合物の水酸基を保護する形の化合物が製造される。
ここで、1個または複数個の水酸基を有する化合物の中でも特に、1個または複数個の水酸基を有する糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体を用いることにより、1個または複数個の水酸基を有する化合物が糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体であって、当該水酸基のうちの一部または全部が、上記の式(I)で表される水酸基の保護基としてのUCP基により保護されてなり、上記の式(II)で表される保護された水酸基を有する化合物を得ることができる。1個または複数個の水酸基を有する糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体については、先に述べたものを用いることができる。
【0027】
また、本発明の保護された水酸基を有する化合物についても、先に説明したものを用いることができる。つまり、本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するUCP基のN末端にカップリングさせる場合は、本来のUCP基に上記アミノ酸誘導体またはアミノ酸誘導体の重合体が結合し、その分重合度の増加したものがUCP基として、上記化合物の水酸基を保護する形の化合物が製造される。
ここで、本発明の保護された水酸基を有する化合物として、1個または複数個の水酸基を有する化合物が糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体である化合物、具体的には例えば、糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体を用いて同様の操作を行うことにより、1個または複数個の水酸基を有する化合物が糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体である本発明の保護された水酸基を有する化合物を得ることができる。
【0028】
カップリングの回数は限定されず、保護したい水酸基の数やUCP基の重合度により、何度も繰り返すことができる。
【0029】
カップリングには、3種類の方法があり、第1の方法として式(III)で表されるアミノ酸誘導体またはアミノ酸誘導体の重合体を用い、アミノ酸誘導体またはアミノ酸誘導体の重合体のカルボン酸が遊離のまま用い反応系内で活性化して、水酸基またはUCP基のN末端と結合させる方法、第2の方法として式(IV)で表されるアミノ酸誘導体またはアミノ酸誘導体の重合体を用い、アミノ酸誘導体またはアミノ酸誘導体の重合体のカルボン酸を無水物としてから水酸基またはUCP基のN末端と結合させる方法、第3の方法として式(V)で表されるアミノ酸誘導体またはアミノ酸誘導体の重合体を用い、アミノ酸誘導体又はアミノ酸誘導体の重合体のカルボン酸をハロゲン化してから水酸基またはUCP基と結合させる方法がある。
【0030】
例えば第1の方法の場合、糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体をピリジン等の溶媒に溶かし、これに式(III)で表されるアミノ酸誘導体またはアミノ酸誘導体の重合体を加える。次いで、過剰の塩化シアヌルを加え、0~80℃にて攪拌する。反応終了を確認した後、減圧濃縮し、得られたシラップはクロマトグラフィーに供し、目的とする化合物を単離する。
また、別の例を挙げると、まず、糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体をジクロロメタン等の溶媒に溶かし、これに式(III)で表されるアミノ酸誘導体またはアミノ酸誘導体の重合体を加える。次いで、0.1~5倍当量の4-ジメチルアミノピリジン(4-(dimethylamino)pyridine(DMAP))と過剰の1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(1,3-diisopropylcarbodiimide(DIC))を加え、0~40℃にて攪拌する。反応終了を確認した後、減圧濃縮し、得られたシラップはクロマトグラフィーに供し、目的とする化合物を単離する。
【0031】
例えば第2の方法の場合、糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体をN,N-ジメチルホルムアミド(N,N-dimethylformamide(DMF))等の溶媒に溶かし、これに式(IV)で表されるアミノ酸誘導体またはアミノ酸誘導体の重合体を加える。次いで、4-ジメチルアミノピリジンを加え、0~80℃にて攪拌する。反応終了を確認した後、減圧濃縮し、得られたシラップはカラムクロマトグラフィーに供し、目的とする化合物を単離する。
【0032】
例えば第3の方法の場合、式(III)で表されるアミノ酸誘導体またはアミノ酸誘導体の重合体を、ピリジン等の溶媒に溶かし、次いで、過剰の塩化シアヌルを加え、0~80℃にて攪拌することにより、式(V)で表されるアミノ酸誘導体またはアミノ酸誘導体の重合体を生成する。生成した式(V)で表されるアミノ酸誘導体またはアミノ酸誘導体の重合体を、単離せずにそのまま、ピリジン等の溶媒に溶かした糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体に、-40~40℃にて加え、そのまま撹拌する。反応終了を確認した後、減圧濃縮し、得られたシラップはクロマトグラフィーに供し、目的とする化合物を単離する。
【0033】
本発明の保護された水酸基を有する化合物において、UCP基により保護された水酸基には、UCP基の重合度に伴ない他の化合物を導入することができるので、有機化合物の合成に用いることが可能である。
【0034】
本発明は、1個または複数個の水酸基を有する化合物であって、当該水酸基のうちの一部または全部が、上記の式(I)で表される水酸基の保護基としてのUCP基により保護されてなり、上記の式(II)で表される保護された水酸基を有する化合物から、UCP基中の酸アミド結合をN末端側から逐次切り離す方法により、当該化合物の水酸基を保護するUCP基を脱保護させて水酸基を遊離せしめ、当該遊離水酸基へ縮合反応により特定の化合物を結合させることを特徴とする有機化合物の合成方法を提供するものである。
【0035】
請求項1に係る本発明の合成方法においては、まず、UCP基中の酸アミド結合をN末端側から逐次切り離す方法により、本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するUCP基を脱保護させて水酸基を遊離せしめる。
【0036】
ここで、UCP基の酸アミド結合をN末端側から逐次切り離す方法としては、例えばエドマン分解法を挙げることができる。エドマン分解法とは、遊離のN末端アミノ基に、弱アルカリ性でフェニルイソチオシアネートを結合させた後、酸、例えばトリフルオロ酢酸等により、N末端のフェニルチオカルバモイルアミノ酸を2-アニリノ-5-チアゾリノン誘導体とすることにより選択的に、最末端の1残基のアミノ酸誘導体を切り離す方法である。
【0037】
このようにUCP基中の酸アミド結合をN末端側から逐次切り離す方法を利用して、本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するUCP基のN末端側の1残基のアミノ酸誘導体を切断することにより、UCP基の重合度が一つずつ減少して、結果的にUCP基の保護が外れて水酸基が遊離せしめられることになる。
従って、請求項2に記載するように、本発明の保護された水酸基を有する化合物が、複数の水酸基を有する化合物であり、前記複数の水酸基のうちの一部または全部が重合度の同一もしくは異なるUCP基により保護されている場合には、上記のようなUCP基中の酸アミド結合をN末端側から逐次切り離す方法により、当該化合物の水酸基を保護するUCP基中、重合度の最も少ないUCP基を脱保護させることができる。
【0038】
請求項1に係る本発明の合成方法においては、続いて、当該遊離水酸基へ縮合反応により特定の化合物を結合させる。
特定の化合物としては、水酸基に結合することができる化合物であれば何れでも良い。この中には、上記の式(II)のRの説明中において述べたような1個または複数個の水酸基を有する化合物や、本発明の保護された水酸基を有する化合物も含まれる。
【0039】
このようにして、請求項1に係る本発明の合成方法によれば、UCP基で保護されていた水酸基部分に特定の化合物が結合してなる有機化合物を製造することができる。
ここで、請求項2に記載するように、本発明の保護された水酸基を有する化合物が、複数の水酸基を有する化合物であって、前記複数の水酸基のうちの一部または全部が重合度の同一もしくは異なるUCP基により保護されている場合に、UCP基中の酸アミド結合をN末端側から逐次切り離す方法により、当該化合物の水酸基を保護するUCP基中、重合度の最も少ないUCP基を脱保護させて水酸基を遊離せしめた場合には、当該遊離水酸基へ縮合反応により特定の化合物を結合させた後も残りのUCP基で保護された水酸基が残っているはずなので、次いで重合度の少ないUCP基から順に水酸基を遊離する反応と、縮合反応による特定の化合物の結合反応を順次繰り返すことにより、UCP基で保護されていた水酸基部分に特定の化合物が結合した構造の有機化合物を製造することができる。
この場合、請求項3に記載するように、特定の化合物として、出発物質の化合物と同一または異なる構造を有する本発明の保護された水酸基を有する化合物を用いることにより、更に複雑な有機化合物を製造することが可能である。
【0040】
ここで、本発明の保護された水酸基を有する化合物として、1個または複数個の水酸基を有する化合物が糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体である化合物を用いることにより、糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体を合成することができる
【0041】
すなわち、本発明は、1個または複数個の水酸基を有する糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体であって、当該水酸基のうちの一部または全部が、上記の式(I)で表される水酸基の保護基としてのUCP基により保護されてなり、上記の式(II)で表される保護された水酸基を有する化合物から、UCP基中の酸アミド結合をN末端側から逐次切り離す方法により、当該化合物の水酸基を保護するUCP基を脱保護させて水酸基を遊離せしめ、当該遊離水酸基へ縮合反応により特定の化合物を結合させることを特徴とする糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体の合成方法を提供するものである。
本発明の合成方法は、1個または複数個の水酸基を有する化合物が糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体である本発明の保護された水酸基を有する化合物を用いる他は、基本的には上記と同様にして行うことができる。
【0042】
ここで、1個または複数個の水酸基を有する化合物が糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体である本発明の保護された水酸基を有する化合物が、複数の水酸基を有する化合物であって、前記複数の水酸基のうちの一部または全部が重合度の同一もしくは異なるUCP基により保護されている場合に、UCP基中の酸アミド結合をN末端側から逐次切り離す方法により、当該化合物の水酸基を保護するUCP基中、重合度の最も少ないUCP基を脱保護させて水酸基を遊離せしめ、当該遊離水酸基へ縮合反応により特定の化合物を結合させ、次いで重合度の少ないUCP基から順に水酸基を遊離する反応と、縮合反応による特定の化合物の結合反応を順次繰り返すことにより、糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体を製造することができる。
【0043】
また、1個または複数個の水酸基を有する化合物が糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体である本発明の保護された水酸基を有する化合物が、複数の水酸基を有する化合物であって、前記複数の水酸基のうちの一部または全部が重合度の同一もしくは異なるUCP基により保護されている場合に、UCP基中の酸アミド結合をN末端側から逐次切り離す方法により、当該化合物の水酸基を保護するUCP基中、重合度の最も少ないUCP基を脱保護させて水酸基を遊離せしめ、当該遊離水酸基へ縮合反応により、上記化合物と同一または異なる構造を有する、1個または複数個の水酸基を有する化合物が糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体である本発明の保護された水酸基を有する化合物を結合させ、次いで重合度の少ないUCP基から順に水酸基を遊離する反応と、縮合反応による1個または複数個の水酸基を有する化合物が糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体である本発明の保護された水酸基を有する化合物の結合反応を順次繰り返すことにより、より複雑な構造の糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体を製造することができる。
【0044】
次に、請求項1および2に係る本発明の有機化合物の合成方法の概念を、以下の模式図を参照しながら説明する。
【0045】
【数1】
JP0004102263B2_000007t.gif【0046】
上記の模式図においては、まず、3つの水酸基を有する化合物(1)のそれぞれの水酸基を、重合度3(XXX)のUCP基、重合度1(X)のUCP基、および重合度2(XX)のUCP基で保護し、化合物(2)を得る。
次に、エドマン分解を1回行って化合物(2)の3つの水酸基を保護する各UCP基のうち、最末端の1残基のアミノ酸誘導体Xを切断する。このとき、3重合していたものが2重合になり、2重合していたものが1重合になり、1重合していたものが水酸基遊離となり、化合物(3)を得る。
このように、1回のエドマン分解で、各水酸基を保護するUCP基の重合度を、すべてにおいて、1つ減少させる。
【0047】
その結果、ある1つの水酸基が選択的に遊離となった後に、該水酸基に特定の化合物(A)を選択的に結合させる。他の水酸基は、UCP基によって保護されているために、特定の化合物(A)が結合することはなく、目的とする水酸基にのみ結合できる(化合物(4))。
【0048】
その後、前回と同様にエドマン分解を行い、各UCP基のうち、最末端の1残基のアミノ酸誘導体Xを切断する。このとき、2重合していたものが1重合になり、1重合のものが水酸基遊離となった化合物(5)を得る。ここで遊離となった水酸基に、今度は特定の化合物(B)を選択的に結合させて化合物(6)を得る。最後に、もう一度同様のエドマン分解を行い、最後の水酸基を遊離とし、化合物(7)を得る。次に、遊離となった水酸基に選択的に特定の化合物(C)を結合させて化合物(8)を合成することができる。
【0049】
次の例では、請求項3に係る本発明の有機化合物の合成方法の概念を、以下の模式図を参照しながら説明する。つまり水酸基に導入する化合物自身が本発明の保護された水酸基を有する化合物(UCP基で保護されてなる化合物)である場合を示す。この例では、5種類の化合物からなる分岐した構造をとる化合物の合成方法を示す。
【0050】
【数2】
JP0004102263B2_000008t.gif【0051】
この例では、水酸基を2個ずつ持った5種類の化合物(9~13:A~E)を出発原料として、これらのうち3種類の化合物が直鎖状につながっており、これに他の2種類の化合物が分岐状につながった有機化合物(26)の合成例を示す。
まず、5種類の化合物(9~13)のそれぞれの水酸基にそれぞれ適切な重合度のUCP基を導入し、化合物(14~18)を得る。次に、化合物(14)の最末端の1残基のアミノ酸誘導体Xをエドマン分解法により切断し、化合物(19)を得る。遊離となった水酸基に化合物(15)を選択的に導入して化合物(20)を得る。すなわち、化合物(19)の水酸基は1つしか遊離となっていないため、これに化合物(15)を選択的に導入することができる。
【0052】
先の例と同様に、エドマン分解を行い、最末端の1残基のアミノ酸誘導体Xを切断することにより、化合物(B)のある特定の水酸基のみを選択的に遊離とすることができ、化合物(21)を得る。該遊離となった1つの水酸基に縮合反応により化合物(16)を導入して化合物(22)を得る。その後、エドマン分解にて同様に最末端の1残基のアミノ酸誘導体Xを切断し、化合物(A)の残りの水酸基を選択的に遊離として化合物(23)を得る。この化合物の水酸基に化合物(17)を選択的に導入し、分岐を有する化合物(24)を得る。
【0053】
また、上記と同様にエドマン分解を行い、最末端の1残基のアミノ酸誘導体Xを切断して、化合物(B)の残りの水酸基を遊離とし、化合物(25)を得る。次いで、該水酸基に化合物(18)を選択的に導入して新たな分岐を有する化合物(26)を得る。
このようにして調製した化合物(26)は、それぞれの水酸基がそれぞれ異なる重合度のUCP基により保護されているため、選択的にある水酸基に特定の化合物を導入することができ、それにより、更に複雑な有機化合物を合成するための出発原料とすることが可能である。
【0054】
請求項1~3記載の方法によれば、複雑な構造を有する有機化合物はもちろん、あらゆる構造の有機化合物を、単純な操作で合成することが可能となる。
特に、複雑な構造を有する糖鎖はもちろん、あらゆる構造の糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体を、単純な操作で合成することが可能となるので、糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体のコンビナトリアルライブラリーの作成に有用である。
【0055】
すなわち、本発明は、請求項1~3のいずれかに記載の合成方法により得られる糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体からなるコンビナトリアルライブラリーを提供するものである。
本発明のコンビナトリアルライブラリーは、請求項1~3のいずれかに記載の合成方法を用いて製造されてなる種々の構造の糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体を、適宜組み合わせることにより得ることができる。
【0056】
一方、請求項1~3のいずれかに記載の合成方法を利用して糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体を自動的に合成すれば、複雑な構造を有する糖鎖はもちろん、あらゆる構造の糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体を、単純な操作でしかも速やかに合成することも可能である
すなわち、本発明は、請求項1~3のいずれかに記載の合成方法を用いて糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体を自動的に合成することを特徴とする糖鎖自動合成機を提供するものである。
【0057】
本発明の糖鎖自動合成機は、例えば、以下の手順で糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体を自動的に合成するものである。
UCP基により水酸基を適切に保護した糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体を、リンカーを介して固相担体または液相担体に結合させ、反応槽に入れる。その糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体を核として、UCP基により水酸基が適切に保護されてなる糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体を、各々カートリッジに入れて結合させたい順番に並べる。
【0058】
その後、スタートボタンを押すことにより、まず反応槽中の目的のUCP基の重合度を1つずつ下げ、目的の水酸基を遊離とする。そこに最初のカートリッジに入っている糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体が反応槽に送りこまれ、縮合反応が行われる。その後、再度UCP基が反応槽中で切られ、目的の水酸基を遊離とする。そこに2番目のカートリッジに入っている化合物が反応槽に送りこまれ、縮合反応が行われる。この操作を繰り返すことにより、目的とする糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体を自動的に調製できる。
【0059】
【実施例】
以下において、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
【0060】
以下の実施例において、NMRは、Bruker社製DRX-600を用い、室温にて測定した。内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)=0ppmを用いた。質量分析装置(ESI-FT-MS)は、Bruker社製APEX II 70eを用いた。旋光度計は、日本分光社製のP-1020-GTを用いた。
また、HPLCは、SHIMADZU社製LC-9Aを用い、逆相HPLCカラムは関東化学(株)Mightysil RP-18 GP 250-20(5μm)を用いた。HPLCの溶出溶媒は、溶媒Aとして100%水、溶媒Bとして90% アセトニトリル、10%水を用い、AからBへのグラジェントをかけ254nmにてピークを検出した。オープンカラムクロマトグラフィーの充填剤として、ナカライテスク(株)silica gel 60(230~400mesh)を用いた。
さらに、溶媒および試薬は市販の試薬グレードを用いた。
【0061】
尚、略号として以下のものを使用した。
THF:テトラヒドロフラン、tBu:tert(ターシャリー)-ブチル基、Fmoc:9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル基、Ac:アセチル基、Bz:ベンゾイル基、t:ターシャリー、Boc:ターシャリー-ブトキシカルボニル基、DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン、PyBroPTM:ブロモ-トリス-ピロリジノ-フォスフォニウムヘキサフルオロリン酸、DMF:N,N-ジメチルホルムアミド、TBDMS:tert(ターシャリー)-ブチルジメチルシリル基、Pyr.:ピリジン、AcO:無水酢酸、PITC:フェニルイソチオシアネート、TFA:トリフルオロ酢酸、BocO:ジ-tert(ターシャリー)-ブチル ジカルボネート、SPh:チオフェニル基、NIS:N-イオドスクシンイミド、TfOH:トリフルオロメタンスルホン酸、MS:モレキュラーシーブス、DMAP:4-(ジメチルアミノ)ピリジン、DIC:1,3-ジイソプロピルカルボジイミド、TMSOTf:トリメチルシリル トリフルオロメタンスルホネート、Piv:ピバロイル基、Ar:アリール基、r.t.:室温、GalN:ガラクトサミン、Gal:ガラクトース、SA:シアル酸。
【0062】
実施例1
T抗原(化合物22)、シアリルα2→3T抗原(化合物28)およびシアリルα2→6T抗原(化合物32)を以下の手順により合成した。
【0063】
(1)化合物3の製造
3-アミノペンタン(化合物1:8.7ml,74.7mmol)をTHF(20ml)に溶かして、0℃にてTHF(20ml)に溶かしたtert(ターシャリー)-ブチル ブロモアセテート(化合物2:5ml,33.9mmol)を5分かけて滴下した。室温にて4時間攪拌した後、減圧濃縮し、得られた残渣にジエチルエーテルを加えて結晶化を行った。結晶を濾紙で濾過し濾液を得、次いで減圧濃縮して目的とする(1-エチルプロピルアミノ)-酢酸 ターシャリー-ブチルエステル(化合物3,6.7g,98%)を得た。
化合物3をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0064】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.89(t,6H,JCH3CH=JCH3CH7.5Hz,2CH3CH2),
1.42(m,4H,2CH3CH2),
1.47(s,9H,tBu),
1.67(s,1H,NH),
2.35(quintet,1H,JCHCHa=JCHCHa=JCHCHb=JCHCHb5.9Hz,(CH3CH22CH),
3.30(s,2H,NHCH2CO).
【0065】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);9.74(2CH3CH2),
25.73(2CH3CH2),
28.10(Me3CO),
49.46(NHCH2CO),
59.70((CH3CH22CH),
81.00(Me3CO),
172.08(C=O).
【0066】
ESI-FT-MS,
C11H24NO2+(M+H+)の計算値:202.18016,
実測値:202.18082.
[α]D -0.2°(c 1.2,CHCl3).
【0067】
(2)化合物4の製造
化合物3(7.37g,36.6mmol)を飽和NaHCO水(100ml)に溶かし、0℃にて1,4-ジオキサン(100ml)に溶かした9-フルオレニルメチル クロロギ酸エステル(9.4g,36.3mmol)を滴下した。室温にて2時間攪拌した後、酢酸エチルを加え水で洗浄し、NaSOにて乾燥後濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)より[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-酢酸 ターシャリー-ブチルエステル(化合物4,13.34g,86%)を得た。
化合物4をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0068】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.77,0.90(2t,6H,JCH3CH=JCH3CH7.4,7.4Hz,2CH3CH2),
1.25-1.50(m,4H,2CH3CH2),
1.42,1.45(2s,9H,tBu),
3.62,4.00(2ttt,1H,JCHCHa=JCHCHb6.0,5.6Hz,JCHCHa´=JCHCHb´8.9,9.1Hz,(CH3CH22CH),
3.66,3.67(2s,2H,NCH2CO),
4.22,4.25(2t,1H,JH-9CH=JH-9CH7.0,6.3Hz,H-9 Fmoc),
4.42,4.51(2d,2H,JCH2H-97.0,6.2Hz,CH2 Fmoc),
7.29-7.77(m,8H,Ar Fmoc).
【0069】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);11.00,11.05(2CH3CH2),
25.75,25.99(2CH3CH2),
28.00,28.03(Me3CO),
44.48,44.78(NCH2CO),
47.35,47.50(C-9 Fmoc),
59.58,59.88((CH3CH22CH),
67.18,67.47(CH2 Fmoc),
81.24,81.47(Me3CO),
119.87,119.89,124.88,125.16,126.98,127.05,127.56,127.62,141.28,141.38,144.11,144.16(Ar Fmoc),
156.71,156.89(C=O Fmoc),
168.86,169.03(NCH2CO).
【0070】
ESI-FT-MS,
C26H33NO4Na+(M+Na+)の計算値:446.23018,
実測値:446.22838.
[α]D -1.0°(c 1.1,CHCl3).
【0071】
(3)化合物5の製造
次に、化合物4(13.058g,30.8mmol)を90% ギ酸水溶液(100ml)に溶かして40℃にて7時間攪拌した。反応終了確認後、減圧濃縮して得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:5)より[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-酢酸(化合物5,10.159g,90%)を得た。
化合物5をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0072】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.71,0.85(2t,6H,JCH3CH=JCH3CH' 7.4Hz,2CH3CH2),
1.24-1.44(m,4H,2CH3CH2),
3.56,3.97(2m,1H,(CH3CH2)2CH),
3.66,3.77(2s,2H,NCH2CO),
4.17,4.24(2m,1H,H-9 Fmoc),
4.49,4.58(2d,2H,JCH2H-9 6.2,5.8Hz,CH2 Fmoc),
7.27-7.76(m,8H,Ar Fmoc).
【0073】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);10.84,10.93(2CH3CH2),
25.71,25.88(2CH3CH2),
43.09,44.22(NCH2CO),
47.32,47.38(C-9 Fmoc),
59.55,60.24((CH3CH22CH),
67.32,67.53(CH2 Fmoc),
119.89,119.95,124.76,124.82,127.02,127.07,127.57,127.70,141.34,141.43,143.84,143.97(Ar Fmoc),
156.50,157.82(C=O Fmoc),
173.78,174.91(NCH2CO).
【0074】
ESI-FT-MS,
C22H26NO4+(M+H+)の計算値:368.18563,
実測値:368.18691.
[α]D -0.4°(c 0.8, CHCl3).
【0075】
【数3】
JP0004102263B2_000009t.gif【0076】
(4)化合物6の製造
前記の化合物3(1g,4.97mmol)と化合物5(1g,2.72mmol)をDMF(5ml)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(948μl,5.44mmol)と、PyBroP(1.9g,4.08mmol)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、クロロホルムを加え、2規定塩酸水溶液、水の順にクロロホルムで洗浄し、NaSOにて乾燥後、濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)より(1-エチル-プロピル)-{2-[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-アミノ)-酢酸 ターシャリー-ブチルエステル(化合物6:1.364g,91%)を得た。
化合物6をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0077】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.77-1.00(m,12H,4CH3CH2),
1.24-1.53(m,8H,4CH3CH2),
1.43,1.43,1.47,1.49(4s,9H,tBu),
3.39,3.45,3.65,3.91,4.03(5m,2H,2(CH3CH22CH),
3.42,3.56,3.70,3.75,3.89,3.94,3.95(7s,4H,2NCH2CO),4.25(m,1H,H-9 Fmoc),
4.40,4.47,4.49(3d,2H,JCH2,H-9 6.9,6.3,6.3Hz,CH2 Fmoc),
7.28-7.76(m,8H,Ar Fmoc).
【0078】
13H-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);10.93,10.95,11.08,11.18,11.21,11.25,11.31,11.35(4CH3CH2),
25.17,25.30,25.62,25.65,25.87,25.96,26.46,26.49(4CH3CH2),
27.92,27.95(Me3CO),
43.25,43.50,43.81,43.87(2NCH2CO),47.34,47.42,47.87(C-9 Fmoc),
59.62,59.95,60.11,60.23,60.26(2(CH3CH22CH),
67.17,67.35(CH2 Fmoc),
81.11,81.18(Me3CO),
119.70,119.74,119.81,119.83,124.94,125.21,126.89,126.96,127.02,127.39,127.48,127.81,141.19,141.29,141.35,144.21,144.28,144.41(Ar Fmoc),
156.57,156.89,156.98,157.02(C=O Fmoc),
168.22,168.50,168.64,168.76,169.34,169.81,170.03(2NCH2CO).
【0079】
ESI-FT-MS,
C33H46N2O5Na+(M+Na+)の計算値:573.32989,
実測値:573.33263.
[α]D -0.2°(c 1.2,CHCl3).
【0080】
(5)化合物7の製造
化合物6(500mg,907.8μmol)を90% ギ酸水溶液(5ml)に溶かし、50℃にて3時間攪拌した。反応終了確認後、減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)より((1-エチル-プロピル)-{2-[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-アミノ)-酢酸(化合物7,403mg,93%)を得た。
化合物7をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0081】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.75,0.87,0.88,0.94(4t,12H,4CH3CH2),
1.25-1.59(m,8H,4CH3CH2),
3.37,3.49,3.62,4.01(4m,2H,2(CH3CH22CH),
3.80,3.88,3.88,3.93(4s,4H,2NCH2CO),
4.23(m,1H,H-9 Fmoc),
4.46,4.52(2d,2H,JCH2H-9 6.5,6.1Hz,CH2 Fmoc),
7.27-7.76(m,8H,Ar Fmoc).
【0082】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);10.90,11.11,11.15,11.18(4CH3CH2),
25.59,25.84,25.90,26.18,26.20(4CH3CH2),
43.40,43.67,43.74,43.90,43.99(2NCH2CO),
47.30,47.47(C-9 Fmoc),
59.61,60.18,60.44,60.86,61.09(2(CH3CH22CH),
67.13,67.35,67.46(CH2 Fmoc),
119.78,119.88,124.57,124.88,124.95,125.07,125.19,126.93,127.02,127.48,127.58,141.24,141.40,144.10,144.22(Ar Fmoc),
156.80,157.13,157.35(C=O Fmoc),
170.73,171.16,172.00,172.28,173.51(2NCH2CO).
【0083】
ESI-FT-MS,
C29H39N2O5+(M+H+)の計算値:495.28535,
実測値:495.28670.
[α]D-0.3°(c 1.0,CHCl3).
【0084】
【数4】
JP0004102263B2_000010t.gif【0085】
(6)化合物8の製造
前記の化合物3(522mg,2.59mmol)と化合物7(829mg,1.73mmol)をDMF(4ml)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(603μl,3.46mmol)と、PyBroP(1.2g,2.57mmol)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、クロロホルムを加えたのち、2規定塩酸水溶液、水の順にクロロホルムで洗浄し、NaSOにて乾燥後濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)より{(1-エチル-プロピル)-[2-((1-エチル-プロピル)-{2-[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-アミノ)-アセチル]-アミノ}-酢酸 ターシャリー-ブチルエステル(化合物8,975mg,85%)を得た。
化合物8をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0086】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.74-0.96(m,18H,6CH3CH2),
1.26-1.52(m,12H,6CH3CH2),
1.43,1.44,1.46,1.47,1.47,1.48(6s,9H,tBu),
3.38,3.46,3.68,3.95(4m,3H,3(CH3CH22CH),
3.60-3.96(m,6H,3NCH2CO),
4.18-4.28(m,1H,H-9 Fmoc),
4.37-4.50(m,2H,CH2 Fmoc),
7.28-7.76(m,8H,Ar Fmoc).
【0087】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);10.78,10.82,10.87,10.93,10.97,11.02,11.10,11.24,11.32,11.56(6CH3CH2),
25.16,25.24,25.32,25.44,25.48,25.67,25.73,26.44,26.51(6CH3CH2),
27.90,27.94,27.99(Me3CO),
43.42,43.50,43.96(3NCH2CO),
47.33,47.49,47.71(C-9 Fmoc),
60.05,60.12,60.40,60.46,60.57,60.77(3(CH3CH22CH),
66.43,67.19(CH2 Fmoc),
81.28,81.41,81.75,81.93,82.52,82.85(Me3CO),
119.59,119.68,119.78,119.85,125.02,125.06,125.26,125.36,126.86,126.96,127.36,127.42,127.53,141.22,141.26,141.35,141.37,144.25,144.44,144.47(Ar Fmoc),
156.92,157.15(C=O Fmoc),
168.50,168.95,169.34,169.88,169.91,170.00(3NCH2CO).
【0088】
ESI-FT-MS,
C40H60N3O6+(M+H+)の計算値:678.44766
実測値:678.44615.
[α]D-0.2°(c 1.2,CHCl3).
【0089】
(7)化合物9の製造
化合物8(171mg,258.3μmol)を90% ギ酸水溶液(2ml)に溶かし、50℃にて2時間攪拌した。反応終了確認後、減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)より{(1-エチル-プロピル)-[2-((1-エチル-プロピル)-{2-[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-アミノ)-アセチル]-アミノ}-酢酸(化合物9,154mg,98%)を得た。
化合物9をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0090】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.74-0.99(m,18H,6CH3CH2),
1.21-1.63(m,12H,6CH3CH2),
3.36,3.44,3.51,3.65,3.95,4.01(6m,3H,3(CH3CH22CH),
3.59-4.16(m,6H,3NCH2CO),
4.23(m,1H,H-9 Fmoc),
4.39-4.53(m,2H,CH2 Fmoc),
7.27-7.77(m,8H,Ar Fmoc).
【0091】
13C-NMR(150MHz, CDCl
δ(ppm);10.79,10.83,10.89,10.98,11.05,11.11,11.16,11.19,11.21,11.40,11.50(6CH3CH2),
25.18,25.26,25.43,25.53,25.70,25.81,25.85,26.07,26.36(6CH3CH2),
42.02,42.79,44.03,44.10(3NCH2CO),
47.22,47.26,47.45,47.75(C-9 Fmoc),
60.55,60.66,60.70(3(CH3CH22CH),
67.36,67.44,67.74(CH2 Fmoc),
119.66,119.78,119.86,119.88,124.88,124.96,124.99,125.04,125.24,125.34,126.92,126.99,127.01,127.38,127.43,127.56,127.59,141.22,141.36,141.38,144.12,144.18(Ar Fmoc),
157.29,157.34(C=O Fmoc),
170.81,171.57,172.79(3NCH2CO).
【0092】
ESI-FT-MS,
C36H52N3O6+(M+H+)の計算値:622.38506,
実測値:622.38370.
[α]D-0.2°(c 1.2,CHCl3).
【0093】
【数5】
JP0004102263B2_000011t.gif【0094】
(8)化合物11の製造
トリ-O-アセチル-D-ガラクタールから5段階で得られるターシャリー-ブチルジメチルシリル 2-アジド-4,6-O-ベンジリデン-2-デオキシ-β-D-ガラクトピラノシド[非特許文献 G.Grundler and R.R.Schmidt,Liebigs Ann.Chem.1826-1847,1984](化合物10,496mg,1.22mmol)をピリジン(9ml)に溶かし、これに前記の化合物5(671mg,1.83mmol)と、塩化シアヌル(1.12g,6.07mmol)を加え、40℃にて2時間攪拌した。反応終了確認後、減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)よりターシャリー-ブチルジメチルシリル 2-アジド-4,6-O-ベンジリデン-2-デオキシ-3-O-{[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-β-D-ガラクトピラノシド(化合物11,830mg,90%)を得た。
化合物11をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0095】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.16,0.17,0.17,0.18(4s,6H,Me2Si),
0.74,0.89(2m,6H,2CH3CH2),
0.94,0.95(2s,9H,Me3CSi),
1.24-1.50(m,4H,2CH3CH2),
3.35,3.41(2s,1H,H-5),
3.62,4.03(2m,1H,(CH3CH22CH),
3.78,3.79(2dd,1H,J12 7.6,7.5Hz,J23 11.1,11.0Hz,H-2),
3.79,3.88(2m,2H,NCH2CO),
3.88,4.02,4.18,4.25(4dd,2H,Jgem 12.3Hz,J65 1.4Hz,H-6),
4.06,4.31(2d,1H,J34 3.2,3.7Hz,H-4),
4.06,4.36,4.44,4.49(4dd,2H,Jgem 10.7,10.7,10.7,10.7Hz,JCH2H-9 7.5,6.3,6.8,6.1Hz,CH2 Fmoc),
4.19(m,1H,H-9 Fmoc),
4.60,4.62(2d,1H,J1,2 7.6,7.6Hz,H-1),
4.66,4.76(2dd,1H,J2,3 10.9,10.9Hz,J3,4 3.6,3.5Hz,H-3),
5.08,5.50(2s,1H,PhCH),
7.23-7.77(m,13H,Ar Fmoc and PhCH).
【0096】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);-4.93,-4.16(Me2Si),
10.88,10.92,10.95,11.03(2CH3CH2),
17.99,18.01(Me3CSi),
25.58,25.69,25.76,25.90,26.00(2CH3CH2),
25.64,25.65(Me3CSi),
43.66,43.86(NCH2CO),
47.20,47.25(C-9 Fmoc),
59.57,59.94((CH3CH22CH),
62.60,62.70(C-2),
66.18,66.28(C-5),
67.21,67.83(CH2 Fmoc),
68.95,69.04(C-6),
72.12,72.34(C-3),
72.47,72.70(C-4),
97.33,97.40(C-1),
100.85(PhCH),
119.71,119.86,119.90,119.96,120.97,124.79,124.82,124.98,125.40,126.15,126.26,126.96,127.03,127.55,127.57,128.08,128.11,129.01,129.03(Ar Fmoc and PhCH),
156.50,156.88(C=O Fmoc),
169.39,169.68(NCH2CO).
【0097】
ESI-FT-MS,
C41H53N4O8Si+(M+H+)の計算値:757.36272,
実測値:757.36288.
[α]D19.8°(c 0.9,CHCl3).
【0098】
(9)化合物12の製造
化合物11(780mg,1.03mmol)を、80% 酢酸水溶液(50ml)に溶かし、60℃にて2時間攪拌した。反応終了確認後、減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりターシャリー-ブチルジメチルシリル 2-アジド-2-デオキシ-3-O-{[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-β-D-ガラクトピラノシド(化合物12,542mg,79%)を得た。
化合物12をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0099】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.17,0.17(2s,6H,Me2Si),
0.69,0.72(2t,6H,JCH3CH=JCH3CH 7.4,7.4Hz,2CH3CH2),
0.95(s,9H,Me3CSi),
1.18-1.41(m,4H,2CH3CH2),
3.49(m,1H,(CH3CH22CH),
3.51(m,1H,H-5),
3.64,3.78(2d,2H,Jgem 17.0,17.0Hz,NCH2CO),
3.66(dd,1H,J12 7.7Hz,J23 10.7Hz,H-2),
3.78,3.94(2m,2H,H-6),
4.19(d,1H,J34 2.3Hz,H-4),
4.21(t,1H,JH-9CH=JH-9CH´ 5.5Hz,H-9 Fmoc),
4.47(dd,1H,J23 10.7Hz,J34 3.1Hz, H-3),
4.55(d,1H,J12 8.2Hz,H-1),
4.57(d,2H,JCH2H-9 5.5Hz,CH2 Fmoc),
7.30-7.77(m,8H,Ar Fmoc).
【0100】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);-5.18,-4.13(Me2Si),
10.74,10.76(2CH3CH2),
17.93(Me3CSi),
25.61(Me3CSi),
25.87,25.98(2CH3CH2),
44.48,44.51,44.54(NCH2CO),
47.17(C-9 Fmoc),
60.35((CH3CH22CH),
62.45(C-6),
62.78(C-2),
65.61(C-4),
67.49(CH2 Fmoc),
74.22(C-5),
74.97(C-3),
97.65(C-1),
119.98,124.58,124.69,127.07,127.28,127.74,127.82,141.44,141.50,143.67(Ar Fmoc),
158.12(C=O Fmoc),
168.52(NCH2CO).
【0101】
ESI-FT-MS,
C34H49N4O8Si+(M+H+)の計算値:669.33142,
実測値:669.33028.
[α]D 14.9°(c 1.3,CHCl3).
【0102】
(10)化合物13の製造
化合物12(100mg,149.5μmol)をピリジン(2ml)に溶かし、前記の化合物9(100mg,165μmol)と塩化シアヌル(138mg,748.3μmol)を加え、40℃にて2時間30分攪拌した。反応終了確認後、減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりターシャリー-ブチルジメチルシリル 2-アジド-2-デオキシ-6-O-({(1-エチル-プロピル)-[2-((1-エチル-プロピル)-{2-[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-アミノ)-アセチル]-アミノ}-アセチル)-3-O-{[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-β-D-ガラクトピラノシド(化合物13,122mg,65%)を得た。
化合物13をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0103】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.16,0.17,0.17,0.18(4s,6H,Me2Si),
0.67-1.01(m,24H,8CH3CH2),
0.95(s,9H,Me3CSi),
1.18-1.63(m,16H,8CH3CH2),
3.49,3.70(2m,4H,4(CH3CH22CH),
3.61,3.63,3.81(3m,8H,4NCH2CO),
3.63(m,1H,H-5),
3.66(m,1H,H-2),
4.15(m,1H,H-4),
4.23(m,2H,H-9 2Fmoc),
4.33(m,2H,H-6),
4.42,4.47,4.58(3m,4H,CH2 2Fmoc),
4.45(m,1H,H-3),
4.53(d,1H,J12 7.7Hz,H-1),
7.27-7.77(m,16H,Ar 2Fmoc).
【0104】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);-5.26,-4.22(Me2Si),
10.74,11.14,11.19,11.31(8CH3CH2),
17.94(Me3CSi),
25.48,25.58,25.85,26.00(8CH3CH2),
25.63(Me3CSi),
42.50,43.36,43.92,44.57(4NCH2CO),
47.17,47.33(C-9 2Fmoc),
59.79,60.02,60.34,60.48,60.56(4(CH3CH22CH),
62.63(C-2),
63.27(C-6),
64.56(C-4),
67.21,67.43(CH2 2Fmoc),
71.87,71.92(C-5),
74.74,74.83(C-3),
97.57(C-1),
119.69,119.85,119.98,124.56,124.71,125.05,125.34,126.97,127.07,127.31,127.37,127.53,127.74,127.82,141.25,141.34,141.44,141.51,143.65,144.24(Ar 2Fmoc),
157.18,158.16(C=O 2Fmoc),
168.38,168.44,168.46,169.57,170.61(4NCH2CO).
【0105】
ESI-FT-MS,
C70H98N7O13Si+(M+H+)の計算値:1272.69864,
実測値:1272.69712.
[α]D 7.9°(c 1.5,CHCl3).
【0106】
(11)化合物14の製造
化合物13(287mg,228.3μmol)をピリジン(3ml)に溶かし、無水酢酸(3ml)を加え40℃にて2時間攪拌した。反応終了確認後、クロロホルムを加え、2規定塩酸水溶液、水の順にクロロホルムで洗浄し、NaSOにて乾燥後、濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)よりターシャリー-ブチルジメチルシリル 4-O-アセチル-2-アジド-2-デオキシ-6-O-({(1-エチル-プロピル)-[2-((1-エチル-プロピル)-{2-[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-アミノ)-アセチル]-アミノ}-アセチル)-3-O-{[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-β-D-ガラクトピラノシド(化合物14,269mg,91%)を得た。
化合物14をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0107】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.15,0.15,0.16,0.17(4s,6H,Me2Si),
0.72-0.97(m,24H,8CH3CH2),
0.93(s,9H,Me3CSi),
1.33-1.51(m,16H,8CH3CH2),
2.04(s,3H,OAc),
3.58(m,1H,H-2),
3.60,3.66(2m,4H,4(CH3CH22CH),
3.61,3.70,3.83(3m,8H,4NCH2CO),
3.83(m,1H,H-5),
4.02-4.19(m,2H,H-6),
4.24(m,2H,H-9 2Fmoc),
4.32-4.54(m,4H,CH2 2Fmoc),
4.57,4.58(2d,1H,J12 7.6,7.6Hz,H-1),
4.75,4.80(2dd,1H,J23 11.1,11.1Hz,J3,4 3.4,3.4Hz,H-3),
5.14-5.36(m,1H,H-4),
7.28-7.76(m,16H,Ar 2Fmoc).
【0108】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);-5.15,-5.09,-4.41,-4.39(Me2Si),
10.81,10.89,10.90,10.98,11.01,11.08,11.14,11.18,11.22,11.33,11.50(8CH3CH2),
18.00(Me3CSi),
20.57,20.66,21.05(CH3COO),
25.23,25.42,25.46,25.69,25.74,25.89,26.00,26.30,26.34,26.38,26.45(8CH3CH2),
25.58(Me3CSi),
42.44,42.51,43.32,43.58,43.88,44.00(4NCH2CO),
47.31(C-9 2Fmoc),
59.69,59.94,60.06,60.39,60.48,60.53,60.59(4(CH3CH22CH),
61.25,61.37(C-6),
63.16,63.22(C-2),
66.22,66.29,66.42,66.57(C-4),
67.21,67.32(CH2 2Fmoc),
70.56,70.65,70.76(C-5),
71.33,71.39(C-3),
97.38,97.42,97.49(C-1),
119.69,119.85,119.91,124.79,124.83,125.02,125.13,125.33,126.96,127.01,127.36,127.53,127.61,128.22,129.03,141.24,141.27,141.32,141.34,141.37,141.40,143.99,144.05,144.11,144.23,144.38(Ar 2Fmoc),
156.50,156.87,157.15(C=O 2Fmoc),
168.19,168.22,168.78,168.89,169.06,169.62(4NCH2CO),
170.07,170.14(C=O Ac).
【0109】
ESI-FT-MS,
C72H100N7O14Si+(M+H+)の計算値:1314.70920,
実測値:1314.70920.
[α]D 0.5°(c 1.0,CHCl3).
【0110】
【数6】
JP0004102263B2_000012t.gif【0111】
(12)化合物15の製造
化合物14(300mg,230.9μmol)をDMF(1.6ml)に溶かし、ピペリジン(400μl,4.04mmol)を加え室温で20分攪拌した。その後、0℃に冷やしたのち、フェニルイソチオシアネート(1ml,8.36mmol)と、N-メチルモルフォリン(200μl)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、酢酸エチルを加え、水で洗浄し、NaSOにて乾燥後、濃縮した。
得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニルチオカルバモイル化された化合物を大まかに分け、真空ポンプで乾燥させた。それをジクロロメタン(2ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(400μl)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、減圧濃縮し、得られたシラップをDMF(2ml)に溶かした。ジ-ターシャリー-ブチル ジカルボネート(605mg,2.77mmol)と飽和NaHCO水溶液(2ml)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、酢酸エチルを加え、水で洗浄し、NaSOにて乾燥後、濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)よりターシャリー-ブチルジメチルシリル 4-O-アセチル-2-アジド-2-デオキシ-6-O-{[{2-[ターシャリー-ブトキシカルボニル-(1-エチル-プロピル)-アミノ]-アセチル}-(1-エチル-プロピル)-アミノ]-アセチル}-β-D-ガラクトピラノシド(化合物15,114mg,4段階で69%)を得た。
化合物15をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0112】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.16,0.17,0.17(3s,6H,Me2Si),
0.83-1.00(m,12H,4CH3CH2),
0.94,0.94(2s,9H,Me3CSi),
1.33-1.53(m,8H,4CH3CH2),
1.41,1.46(2s,9H,Boc),
2.15,2.16(2s,3H,OAc),
3.41,3.53,3.63,3.96(4m,2H,2(CH3CH22CH),
3.46(m,1H,H-2),
3.60(m,1H,H-3),
4.52,4.52(2d,1H,J12 7.6,7.7Hz,H-1),
5.29,5.30(2d,1H,J34 3.5,3.6Hz,H-4).
【0113】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);-5.12,-4.31,-4.29(Me2Si),
10.82,11.21,11.22,11.25,11.32,11.33,11.39,11.60(4CH3CH2),
18.03(Me3CSi),
20.82,20.84(CH3COO),
25.61,25.67,25.69,25.92,25.97,26.26,26.52,26.59(4CH3CH2),
25.64,25.65(Me3CSi),
28.25,28.54(Me3CO),
42.55,43.33,43.65(2NCH2CO),
60.07,60.24(2(CH3CH22CH),
61.04,61.82(C-6),
65.75,66.21(C-2),
68.50,68.74(C-4),
70.20,70.61(C-5),
70.71,70.78(C-3),
79.52,79.79(Me3CO),
97.36(C-1),
156.14,156.49(C=O Boc),
168.76,168.91,169.41,169.79(2NCH2CO),
170.98,171.17(C=O Ac).
【0114】
ESI-FT-MS,
C33H62N5O10Si+(M+H+)の計算値:716.42605
実測値:716.42647.
[α]D -2.0°(c 2.1,CHCl3).
【0115】
【数7】
JP0004102263B2_000013t.gif【0116】
(13)化合物17の製造
D-ガラクトース ペンタアセテートより3段階で得られるフェニル 4,6-O-ベンジリデン-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド[非特許文献 U.Ellervik and G.Magnusson,J.Org.Chem.63,9314-9322,1998](化合物16,1g,2.77mmol)をピリジン(20ml)に溶かした(A液)。前記の化合物5(1.12g,3.05mmol)をピリジン(20ml)に溶かし、これに塩化シアヌル(2.56g,13.88mmol)を加え、40℃にて30分間攪拌した(B液)。
0℃に冷やしたA液に、同じく0℃に冷やしたB液を5分間かけて滴下し、その0℃のまま1時間攪拌した。反応終了確認後、氷および酢酸エチルを加え、水で洗浄し、NaSOにて乾燥後、濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 4,6-O-ベンジリデン-3-O-{[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物17,1.439g,73%)を得た。
化合物17をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0117】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.55,0.66,0.81,0.82(4t,6H,JCH3CH=JCH3CH 7.3,7.3,7.3,7.3Hz,2CH3CH2),
1.14-1.43(m,4H,2CH3CH2),
3.49,3.54(broad 2s,1H,H-5),
3.51,3.96(2m,1H,(CH3CH22CH),
3.66,3.79(2d,2H,Jgem 17.2,17.1Hz,NCH2CO),
3.85,3.97,4.27,4.33(4dd,2H,J56 1.4,1.5,1.4,1.5Hz,Jgem 12.3,12.3,12.5,12.3Hz,H-6),
3.90,3.90(2t,1H,J12=J23 9.7,9.5Hz,H-2),
4.05,4.37,4.44,4.47(4dd,2H,JCH2H-9 7.6,6.1,6.7,6.0Hz,Jgem 10.6,10.7,10.6,10.7Hz,CH2 Fmoc),
4.13,4.18(2t,1H,JH-9CH=JH-9CH 7.0,7.3Hz,H-9 Fmoc),
4.17,4.28(2d,1H,J34 2.4,2.7Hz,H-4),
4.53,4.61(2d,1H,J12 9.5,9.5Hz,H-1),
4.90,5.03(2dd,1H,J23 9.8,9.6Hz,J34 3.4,3.4Hz,H-3),
5.06,5.44(2s,1H,PhCH),
7.12-7.76(m,18H,Ar Fmoc,PhCH and SPh).
【0118】
13C-NMR(150 MHz,CDCl
δ(ppm);11.21,11.22,11.41(2CH3CH2),
26.18,26.25,26.40(2CH3CH2),
44.21,44.64(NCH2CO),
47.64(C-9 Fmoc),
60.03,60.50((CH3CH22CH),
66.03,66.26(C-2),
67.88,68.20(CH2 Fmoc),
69.48,69.62(C-6),
70.10,70.14(C-5),
73.89,74.30(C-4),
75.83,76.35(C-3),
87.33,87.85(C-1),
101.29,101.37(PhCH),
120.35,120.42,125.21,125.24,125.47,125.91,126.74,126.88,127.49,127.50,127.53,127.56,128.02,128.09,128.11,128.13,128.37,128.43,128.49,128.73,129.18,129.43,129.48,131.45,134.02,134.16,138.17,141.80,141.82,144.32,144.36(Ar Fmoc,PhCH and SPh),
157.04,157.82(C=O Fmoc),
169.90,170.45(NCH2CO).
【0119】
ESI-FT-MS,
C41H44NO8S+(M+H+)の計算値:710.27821,
実測値:710.27645.
[α]D 11.4°(c 1.0,CHCl3).
【0120】
(14)化合物18の製造
化合物17(521mg,733.9μmol)をピリジン(3ml)に溶かし、塩化ベンゾイル(128μl,1.103mmol)を加えて室温にて2時間攪拌した。反応終了確認後、氷およびクロロホルムを加え、2規定塩酸水溶液、水の順にクロロホルムで洗浄し、NaSOにて乾燥後、濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-3-O-{[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物18,582mg,97%)を得た。
化合物18をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0121】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.46,0.60,0.64,0.72(4t,6H,JCH3CH=JCH3CH 7.4,7.4,7.4,7.4Hz,2CH3CH2),
0.85-1.31(m,4H,2CH3CH2),
3.45,3.55,3.80,3.82(4d,2H,Jgem 17.7,18.3,18.3,17.7Hz,NCH2CO),
3.48,3.85(2m,1H,(CH3CH22CH),
3.59,3.61(2d,1H,J56 1.1,1.1Hz,H-5),
3.92,4.04(2dd,2H,J56 1.5,1.6Hz,Jgem 12.2,12.3Hz,H-6),
3.94,4.24,4.27,4.33(4dd,2H,JCH2H-9 7.8,6.7,6.3,6.4Hz,Jgem 10.6,10.6,10.7,10.6Hz,CH2 Fmoc),
4.04,4.12(2t,1H,JH-9CH=JH-9CH 7.2,6.2Hz,H-9 Fmoc),
4.21,4.40(2dd,1H,J34 3.4,3.3Hz,J45 0.8,0.7Hz,H-4),
4.85,4.85(2d,1H,J12 9.8,9.8Hz,H-1),
5.21,5.49(2s,1H,PhCH),
5.23,5.31(2dd,1H,J23 9.9,9.9Hz,J34 3.4,3.4Hz,H-3),
5.55,5.57(2dd,1H,J12 7.6, 7.6Hz,J23 9.8,9.8Hz,H-2),
7.18-8.01(m,23H,Ar Fmoc,PhCH,OBz and SPh).
【0122】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);10.63,10.71,10.73,10.76(2CH3CH2),
25.34,25.47,25.82(2CH3CH2),
43.25,43.44(NCH2CO),
47.06,47.17(C-9 Fmoc),
59.26,59.56((CH3CH22CH),
67.12,67.39,67.48,67.59(CH2 Fmoc and C-2),
68.93,69.01(C-6),
69.70,69.78(C-5),
73.17,73.51(C-3),
73.53,73.68(C-4),
85.07,85.22(C-1),
101.01,101.03(PhCH),
119.81,119.83,124.78,124.94,125.21,126.43,126.47,126.89,126.91,126.94,126.98,127.51,127.53,127.61,128.04,128.11,128.24,128.32,128.34,128.70,128.72,129.06,129.12,129.73,129.85,133.13,133.23,133.77,134.00,137.19,141.15,141.19,141.26,143.70,143.95(Ar Fmoc,PhCH,PhCOO and SPh),
156.34,156.73(C=O Fmoc),
164.72,164.83(C=O Bz),
169.31,169.66(NCH2CO).
【0123】
ESI-FT-MS,
C48H47NO9SNa+(M+Na+)の計算値:836.28637,
実測値:836.28760.
[α]D -16.9°(c 1.1,CHCl3).
【0124】
(15)化合物19の製造
化合物18(432mg,530.7μmol)を80% 酢酸水溶液(5ml)に溶かし、60℃にて8時間攪拌した。反応終了確認後、減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 2-O-ベンゾイル-3-O-{[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物19,250mg,65%)を得た。
化合物19をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0125】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.57,0.61(2t,6H,JCH3CH=JCH3CH' 7.4,7.4Hz,2CH3CH2),
0.94-1.31(m,4H,2CH3CH2),
3.48,3.61,3.65,3.71(4d,2H,Jgem 18.4,17.1,17.1,17.8Hz,NCH2CO),
3.51,3.82(2m,1H,(CH3CH22CH),
3.70(m,1H,H-5),
3.84,3.87,3.96,4.02(4dd,2H,J56 4.4,4.6,5.7,6.4Hz,Jgem 11.9,11.9,11.8,11.9Hz,H-6),
4.04,4.20(2t,1H,JH-9CH=JH-9CH´ 4.5,5.9Hz,H-9 Fmoc),
4.36(dd,1H,J34 3.1Hz,J45 1.1Hz,H-4),
4.45,4.50(2dd,2H,JCH2H-9 6.2,5.9Hz,Jgem 10.6,10.6Hz,CH2 Fmoc),
4.85,4.86(2d,1H,J12 10.0,10.0Hz,H-1),
5.09,5.18(2dd,1H,J23 9.8,9.7Hz,J34 3.1,3.1Hz,H-3),
5.53,5.64(2t,1H,J12=J23 9.9,9.9Hz,H-2),
7.21-8.02(m,18H,Ar Fmoc,OBz and SPh).
【0126】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);10.67,10.71(2CH3CH2),
25.44,25.79(2CH3CH2),
43.11,44.26(NCH2CO),
47.15,47.34(C-9 Fmoc),
59.30,59.88((CH3CH22CH),
62.62(C-6),
66.96,67.15(C-4),
67.68(CH2 Fmoc),
67.96,68.26(C-2),
74.81,76.09(C-3),
78.00,78.28(C-5),
86.52,86.92(C-1),
124.76,124.90,124.93,127.04,127.08,127.17,127.65,127.71,127.79,128.35,128.40,128.89,128.98,129.56,129.77,129.86,132.08,132.59,133.14,133.27,141.34,141.42,143.66,143.86(Ar Fmoc,PhCOO and SPh),
157.69(C=O Fmoc),
165.02,165.12(C=O Bz),
168.97,169.12(NCH2CO).
【0127】
ESI-FT-MS,
C41H43NO9SNa+(M+Na+)の計算値:748.25507,
実測値:748.25643.
[α]D 15.0°(c 1.3,CHCl3).
【0128】
(16)化合物20の製造
化合物19(197mg,271.4μmol)をピリジン(3ml)に溶かし、無水酢酸(3ml)を加え、室温にて2時間攪拌した。反応終了確認後、クロロホルムを加え、2規定塩酸水溶液、水の順にクロロホルムで洗浄し、NaSOにて乾燥後、濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)よりフェニル 4,6-ジ-O-アセチル-2-O-ベンゾイル-3-O-{[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物20,168mg,76%)を得た。
化合物20をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0129】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.57,0.69,0.69,0.88(4t,6H,JCH3CH=JCH3CH 7.3,7.4,7.3,7.3Hz,2CH3CH2),
0.99-1.42(m,4H,2CH3CH2),
2.04,2.06,2.13,2.14(4s,6H,2OAc),
3.51,3.89(2m,1H,(CH3CH22CH),
3.56,3.61,3.63,3.67(4d,2H,Jgem 17.4,17.4,18.1,18.1Hz,NCH2CO),
3.89,4.11(2t,1H,JH-9CH=JH-9CH 7.3,6.5Hz,H-9 Fmoc),
3.99(m,1H,H-5),
4.01,4.09,4.19,4.27(4dd,2H,JCH2H-9 7.4,6.9,6.2,6.2Hz,Jgem 10.6,10.6,10.5,10.6Hz,CH2 Fmoc),
4.16,4.23(2dd,2H,J56 6.2,6.9Hz,Jgem 11.5,11.4Hz,H-6),
4.85,4.86(2d,1H,J12 9.9,10.0Hz,H-1),
5.32,5.34(2dd,1H,J23 10.0,10.0Hz,J34 3.3,3.3Hz,H-3),
5.42,5.49(2dd,1H,J34 3.3,3.4Hz,J45 1.0,0.9Hz,H-4),
5.49,5.50(2t,1H,J12=J23 10.0,10.0Hz,H-2),
7.10-7.99(m,18H,Ar Fmoc,OBz and SPh).
【0130】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);10.79,10.87,11.07(2CH3CH2),
20.68,20.70(2CH3COO),
25.54,25.79,25.82(2CH3CH2),
43.22,43.67(NCH2CO),
46.96,47.19(C-9 Fmoc),
59.49,59.77((CH3CH22CH),
61.65,61.68(C-6),
67.12,67.84(CH2 Fmoc),
67.41,67.49(C-4),
67.71,67.82(C-2),
72.50,72.69(C-3),
74.59,74.63(C-5),
86.76,86.89(C-1),
119.80,119.85,124.85,124.87,125.01,125.12,126.85,126.93,126.95,127.48,127.51,127.56,127.58,128.17,128.22,128.29,128.36,128.63,128.83,128.85,129.32,129.56,129.98,132.19,132.46,132.77,132.95,133.26,141.19,141.24,141.34,143.96,144.00,144.10,144.22(Ar Fmoc,PhCOO and SPh),
156.38,156.66(C=O Fmoc),
164.97,165.29(C=O Bz),
169.08,169.34(NCH2CO),
170.07,170.21,170.39(C=O 2Ac).
【0131】
ESI-FT-MS,
C45H48NO11S+(M+H+)の計算値:810.29426,
実測値:810.29461.
[α]D 22.8°(c 1.0,CHCl3).
【0132】
(17)化合物21の製造
化合物20(500mg,617.3μmol)をDMF(2.4ml)に溶かし、ピペリジン(600μl,6.06mmol)を加え室温にて20分間攪拌した。反応終了確認後、0℃に冷やし、ジ-ターシャリー-ブチル ジカルボネート(1.72g,7.88mmol)と飽和NaHCO水溶液(3ml)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応終了確認後、酢酸エチルを加え、水で洗浄し、NaSOにて乾燥後、濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)よりフェニル 4,6-ジ-O-アセチル-2-O-ベンゾイル-3-O-{[ターシャリー-ブトキシカルボニル-(1-エチル-プロピル)-アミノ]-アセチル}-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物21,351mg,2段階で83%)を得た。
化合物21をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0133】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.65,0.66,0.78,0.85(4t,6H,JCH3CH=JCH3CH 7.2,7.3,7.4,7.4Hz,2CH3CH2),
0.88-1.33(m,4H,2CH3CH2),
1.19,1.34(2s,9H,Boc),
2.06,2.06,2.15,2.15(4s,6H,2OAc),
3.50,3.59(2s,2H,NCH2CO),
3.58,3.83(2m,1H,(CH3CH22CH),
3.98,4.01(2t,1H,J56=J56 6.2,6.2Hz,H-5),
4.14,4.17,4.21,4.24,(4dd,2H,J56 6.1,5.9,6.8,7.0Hz,Jgem 11.4,11.4,11.3,11.5Hz,H-6),
4.86,4.89(2d,1H,J12 10.0,10.0Hz,H-1),
5.29,5.33(2dd,1H,J23 9.9,9.9Hz,J34 3.2,3.3Hz,H-3),
5.42,5.51(2d,1H,J34 3.3,3.3Hz,H-4),
5.50,5.52(2t,1H,J12=J23 9.9,10.0Hz,H-2),
7.28-8.04(m,10H,OBz and SPh).
【0134】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);10.76,10.96,10.99,11.06(2CH3CH2),
20.69(2CH3COO),
25.60,26.09,26.10(2CH3CH2),
27.97,28.27(Me3CO),
43.09,43.34(NCH2CO),
58.15,59.82((CH3CH22CH),
61.74,61.79(C-6),
67.40,67.52(C-4),
67.80,67.95(C-2),
72.39,72.50(C-3),
74.63,74.74(C-5),
79.71,79.84(Me3CO),
86.75,86.84(C-1),
128.19,128.32,128.41,128.49,128.83,128.88,129.10,129.93,130.06,132.19,132.88,132.99,133.30,133.57(PhCOO and SPh),
155.57,156.00(C=O Boc),
165.11,165.30(C=O Bz),
169.51,169.63(NCH2CO),
170.01,170.10,170.40(C=O 2Ac).
【0135】
ESI-FT-MS,
C35H46NO11S+(M+H+)の計算値:688.27861,
実測値:688.27911.
[α]D 17.1°(c 1.0,CHCl3).
【0136】
【数8】
JP0004102263B2_000014t.gif【0137】
(18)化合物22の製造
前記の化合物15(90mg,125.7μmol)と、化合物21(130mg,189μmol)をジクロロメタン(2ml)に溶かし、モレキュラーシーブス 4Å(250mg)を加え、-40℃に冷やした。その後、N-イオドスクシンイミド(85mg,377.7μmol)と、トリフルオロメタンスルホン酸(5μl,56.5μmol)を加え、-40℃にて2時間攪拌した。反応終了確認後、反応液をセライト濾過し、クロロホルムにて洗浄した。濾液と洗液を合わせ飽和Na水溶液、飽和NaHCO水溶液の順にクロロホルムにて洗浄し、NaSOにて乾燥後、濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)よりターシャリー-ブチルジメチルシリル O-{4,6-ジ-O-アセチル-2-O-ベンゾイル-3-O-{[ターシャリー-ブトキシカルボニル-(1-エチル-プロピル)-アミノ]-アセチル}-β-D-ガラクトピラノシル}-(1→3)-4-O-アセチル-2-アジド-2-デオキシ-6-O-{[{2-[ターシャリー-ブトキシカルボニル-(1-エチル-プロピル)-アミノ]-アセチル}-(1-エチル-プロピル)-アミノ]-アセチル}-β-D-ガラクトピラノシド(化合物22,145mg,89%)を得た。
化合物22をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0138】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.09,0.10,0.10(3s,6H,Me2Si),
0.67,0.69,0.79,0.97(4t,18H,6CH3CH2),
0.88,0.88(2s,9H,Me3CSi),
1.03-1.56(m,12H,6CH3CH2),
1.18,1.33,1.41,1.46(4s,18H,2Boc),
2.07,2.09,2.10,2.19,2.19,2.20(6s,9H,3OAc),
3.37,3.39(2t,1H,J12=J23 7.7,7.7Hz,H-2 GalN),
3.39-3.97(m,3H,3(CH3CH22CH),
3.45-3.95(m,6H,3NCH2CO),
3.50(m,1H,H-3 GalN),
3.74(m,1H,H-5 GalN),
3.92(m,1H,H-5 Gal),
3.98,4.16(2m,4H,H-6 GalN and H-6 Gal),
4.44,4.45(2d,1H,J12 7.7,7.7Hz,H-1 GalN),
4.87,4.88,4.91,4.92(4d,1H,J12 7.9,8.1,7.9,7.8Hz,H-1Gal),
5.26(dd,1H,J23 10.5Hz,J34 3.5Hz,H-3 Gal),
5.28,5.30,5.31(3d,1H,J34 3.4,3.4,3.4Hz,H-4 GalN),
5.37,5.46(broad 2s,1H,H-4 Gal),
5.40(dd,1H,J12 7.9Hz,J23 10.4Hz,H-2 Gal),
7.41-8.05(m,5H,OBz).
【0139】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);-5.20,-5.13,-4.39,-4.35(Me2Si),
10.75,10.97,11.06,11.09,11.21,11.24,11.31,11.35,11.45,11.47,11.53(6CH3CH2),
17.95(Me3CSi),
20.66,20.74,20.76(3CH3COO),
25.54,25.58,25.68(Me3CSi),
26.11,26.16,26.41,26.46,26.56,26.60(6CH3CH2),
27.98,28.26,28.34,28.44,28.55(2Me3CO),
42.48,42.70,43.12,43.40,43.70(3NCH2CO),
58.21,58.26,59.87,60.09,60.29,60.43(3(CH3CH22CH),
61.15,61.19,62.37,62.51(C-6 Gal),
65.12,65.23(C-2 GalN),
67.01,67.13(C-4 Gal),
68.20(C-4 GalN),
69.33,69.41(C-2 Gal),
70.91,70.98,71.06(C-5 Gal and C-3 Gal),
71.42(C-5 GalN),
76.13,76.30(C-3 GalN),
79.48,79.57,79.72,79.86(2Me3CO),
97.42(C-1 GalN),
101.41,101.54(C-1 Gal),
128.44,128.51,129.17,129.70,129.80,133.41(PhCOO),
155.61,156.05,156.12(C=O 2Boc),
165.13,165.25(C=O Bz),
168.75,169.41,169.62,169.77,169.99,170.17,170.30,170.44(3NCH2CO and C=O 3Ac).
【0140】
ESI-FT-MS,
C62H101N6O21Si+(M+H+)の計算値:1293.67836,
実測値:1293.67847.
[α]D 6.1°(c 1.0,CHCl3).
【0141】
【数9】
JP0004102263B2_000015t.gif【0142】
(19)化合物26の製造
化合物22(163mg,126μmol)を、ジクロロメタン(1ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(200μl)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、減圧濃縮し、得られたシラップをDMF(1ml)に溶かし、フェニルイソチオシアネート(500μl,4.18mmol)とN-メチルモルフォリン(120μl)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、酢酸エチルを加え、水で洗浄し、NaSOにて乾燥後、濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニルチオカルバモイル化された化合物を大まかに分け、真空ポンプで乾燥させた。それをジクロロメタン(1ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(200μl)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、減圧濃縮し、得られたシラップをDMF(1ml)に溶かした。ジ-ターシャリー-ブチル ジカルボネート(400mg,1.83mmol)と、飽和NaHCO水溶液(1ml)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応終了確認後、酢酸エチルを加え、水で洗浄し、NaSOにて乾燥後、濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりターシャリー-ブチルジメチルシリル O-(4,6-ジ-O-アセチル-2-O-ベンゾイル-β-D-ガラクトピラノシル)-(1→3)-4-O-アセチル-2-アジド-6-O-{[ターシャリー-ブトキシカルボニル-(1-エチル-プロピル)-アミノ]-アセチル}-2-デオキシ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物26,83mg,4段階で70%)を得た。
化合物26をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0143】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.12,0.12(2s,6H,Me2Si),
0.90(m,6H,2CH3CH2),
0.90,0.90(2s,9H,Me3CSi),
1.28-1.46(m,4H,2CH3CH2),
1.40,1.46(2s,9H,Boc),
2.07,2.08,2.09,2.09,2.21,2.21(6s,9H,3OAc),
3.44,3.45(2dd,1H,J12 7.5,7.5Hz,J23 10.5,10.4Hz,H-2 GalN),
3.51,3.51(2dd,1H,J23 10.5,10.4Hz,J34 3.3,3.3Hz,H-3 GalN),
3.62,3.66,3.71(d,d,s,2H,Jgem 17.6,17.7Hz,NCH2CO),
3.73,3.95(2m,1H,(CH3CH22CH),
3.74(m,1H,H-5 GalN),
3.87(broad t,1H,H-5 Gal),
3.99(m,1H,H-3 Gal),
4.03,4.20(2m,2H,H-6 GalN),
4.15(m,2H,H-6 Gal),
4.46,4.46(2d,1H,J12 7.6,7.5Hz,H-1 GalN),
4.84,4.85(2d,1H,J12 7.8,7.9Hz, H-1 Gal),
5.15(dd,1H,J12 7.9Hz,J23 10.0Hz,H-2 Gal),
5.31,5.32(broad 2d,1H,J34 3.8,4.1Hz,H-4 GalN),
5.36,5.37(broad 2d,1H,J34 4.0,3.6Hz,H-4 Gal),
7.45-8.09(m,5H,OBz).
【0144】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);-5.18,-5.15,-4.33(Me2Si),
10.99,11.00,11.19(2CH3CH2),
17.97(Me3CSi),
20.64,20.65,20.74,20.78,20.83(3CH3COO),
25.57,25.58(Me3CSi),
25.91,25.95,26.39(2CH3CH2),
28.25,28.40(Me3CO),
43.54(NCH2CO),
58.32,59.99((CH3CH22CH),
61.52,61.65(C-6 Gal),
62.68,62.90(C-6 GalN),
65.20,65.24(C-2 GalN),
68.28,68.37(C-4 GalN),
69.38,69.45(C-4 Gal),
71.05,71.10,71.17,71.23(C-3 Gal and C-5 Gal),
71.58(C-5 GalN),
73.26,73.35(C-2 Gal),
76.22,76.43(C-3 GalN),
79.95,80.05(Me3CO),
97.42,97.48(C-1 GalN),
101.16,101.20(C-1 Gal),
128.55,129.40,129.42,129.76,133.43,133.46(PhCOO),
155.66,156.31(C=O Boc),
166.61,166.66(C=O Bz),
169.79,169.86,169.94,170.08,170.51,170.55,170.98,170.99(NCH2CO and C=O 3Ac).
【0145】
ESI-FT-MS,
C43H66N4O17SiNa+(M+Na+)の計算値:961.40844,
実測値:961.40827.
[α]D 2.7°(c 1.3,CHCl3).
【0146】
【数10】
JP0004102263B2_000016t.gif【0147】
(20)化合物28の製造
化合物26(10mg,10.6μmol)とN-アセチルノイラミン酸より3段階で得られる化合物27[非特許文献 A.Marra and P.Sinay,Carbohydr.Res.,187,35-42,1989](12.6mg,21.6μmol)をアセトニトリル(150μl)に溶かし、モレキュラーシーブス 3Å(30mg)を加え、-30℃に冷やした。その後、N-イオドスクシンイミド(9.6mg,42.6μmol)と、トリフルオロメタンスルホン酸(0.6μl,6.7μmol)を加え、-30℃にて2日間攪拌した。反応終了確認後、反応液をセライト濾過し、クロロホルムにて洗浄した。濾液と洗液を合わせ、飽和Na水溶液、飽和NaHCO水溶液の順にクロロホルムにて洗浄し、NaSOにて乾燥後、濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=3:1)よりα選択的にターシャリー-ブチルジメチルシリル O-(メチル 5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロネート)-(2→3)-O-(4,6-ジ-O-アセチル-2-O-ベンゾイル-β-D-ガラクトピラノシル)-(1→3)-4-O-アセチル-2-アジド-6-O-{[ターシャリー-ブトキシカルボニル-(1-エチル-プロピル)-アミノ]-アセチル}-2-デオキシ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物28,2mg,13%)を得た。
化合物28をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0148】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.07,0.11,0.11,0.12(4s,6H,Me2Si),
0.89(m,6H,2CH3CH2),
0.89,0.89(2s,9H,Me3CSi),
1.28-1.44(m,4H,2CH3CH2),
1.39,1.45(2s,9H,Boc),
1.72(broad t,1H,H-3ax.SA),
1.90,1.90(2s,3H,NAc),
1.98,1.99,2.02,2.04,2.05,2.06,2.07,2.08,2.09,2.09,2.12(11s,21H,7OAc),
2.43(dd,1H,J3eq.,4 4.6Hz,Jgem 13.3Hz,H-3eq.SA),
3.11,3.12(2s,3H,COOMe),
3.32,3.33(2dd,1H,J12 7.8,7.8Hz,J23 10.5,10.4Hz,H-2 GalN),
3.50,3.51(2dd,1H,J23 10.7,10.2Hz,J34 3.5,3.7Hz,H-3 GalN),
3.62,3.65,3.70(d,d,s,2H, Jgem 17.2,17.4Hz,NCH2CO),
3.72,3.95(2m,1H,(CH3CH22CH),
3.73(m,1H,H-5 GalN),
3.83(m,2H,H-9 SA),
3.97(m,1H,H-5 SA),
3.99,4.17(2m,2H,H-6 GalN),
4.06,4.23(m,2H,H-6 Gal),
4.21(m,1H,H-5 Gal),
4.47,4.47(2d,1H,J12 7.7,7.8Hz,H-1 GalN),
4.65(dd,1H,J56 10.5Hz,J67 1.5Hz,H-6 SA),
4.89,4.89(2d,1H,J12 7.9,8.0Hz,H-1 Gal),
4.94,4.95(2dd,1H,J23 10.1,9.7Hz,J34 3.5,3.1Hz,H-3 Gal),
5.04(ddd,1H,J3ax.,4=J45 11.0Hz,J3eq.,4 4.5Hz,H-4 SA),
5.27(m,1H,H-8 SA),
5.28(broad d,1H,J34 2.8Hz,H-4 GalN),
5.31(dd,1H,J12 8.0Hz,J23 10.3Hz,H-2 Gal),
5.37(m,1H,H-7 SA),
5.34(m,1H,H-4 Gal),
5.53,5.53(2d,1H,JNH5 10.2,10.1Hz,NH),
7.45-8.05(m,5H,OBz).
【0149】
13C-NMR (150MHz,CDCl
δ(ppm);-5.18,-4.35(Me2Si),
10.99,11.01,11.19(2CH3CH2),
17.97(Me3CSi),
20.52,20.53,20.66,20.69,20.83,20.96,20.99,21.04,21.06(7CH3COO),
23.26(CH3CON),
25.58,25.59(Me3CSi),
25.91,25.96,26.39(2CH3CH2),
28.25,28.40(Me3CO),
37.26,37.34(C-3 SA),
43.54(NCH2CO),
48.57(C-5 SA),
52.40(COOMe),
58.31,59.99((CH3CH22CH),
60.95,61.10(C-6 Gal),
62.76(C-6 GalN),
62.96,63.01(C-7 SA and C-9 SA),
64.95,65.00(C-2 GalN),
67.70(C-4 SA),
68.41,68.47(C-4 GalN),
69.03,69.06,69.51,70.01,70.07,70.12,70.19,70.34,70.38(C-4 Gal,C-5 Gal and C-3 Gal),
71.60,71.62 (C-5 GalN),
71.71(C-2 Gal),
72.54 (C-8 SA),
73.16(C-6 SA),
75.08,75.24(C-3 GalN),
79.95,80.04(Me3CO),
97.55,97.61(C-1 GalN),
98.93(C-2 SA),
100.90,100.93(C-1 Gal),
128.61,129.81,130.14,130.17,133.28,133.31(PhCOO),
155.66,156.30(C=O Boc),
165.71(C=O Bz),
166.51(C-1 SA),
169.77,169.84,169.86,169.93,170.08,170.27,170.67,170.71,171.17,171.25,171.27,172.35,172.38(NCH2CO and C=O 8Ac).
【0150】
ESI-FT-MS,
C63H93N5O29SiNa+(M+Na+)の計算値:1434.56177,
実測値:1434.56135.
[α]D 17.6°(c 0.5,CHCl3).
【0151】
【数11】
JP0004102263B2_000017t.gif【0152】
(21)化合物29の製造
前記の化合物26(53mg,56.4μmol)をピリジン(1ml)に溶かし、無水酢酸(1ml)を加え、室温にて2時間攪拌した。反応終了確認後、氷を加え反応を停止し、クロロホルムを加え、2規定塩酸水溶液、水の順にクロロホルムで洗浄し、NaSOにて乾燥後濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)よりターシャリー-ブチルジメチルシリル O-(3,4,6-トリ-O-アセチル-2-O-ベンゾイル-β-D-ガラクトピラノシル)-(1→3)-4-O-アセチル-2-アジド-6-O-{[ターシャリー-ブトキシカルボニル-(1-エチル-プロピル)-アミノ]-アセチル}-2-デオキシ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物29,55mg,99%)を得た。
化合物29をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0153】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.10,0.10(2s,6H,Me2Si),
0.88,0.89(2s,9H,Me3CSi),
0.90(m,6H,2CH3CH2),
1.25-1.44(m,4H,2CH3CH2),
1.40,1.45(2s,9H,Boc),
1.92,1.92,2.07,2.07,2.10,2.12,2.19,2.20(8s,12H,4OAc),
3.34,3.40(2dd,1H,J12 7.5,7.5Hz,J23 10.4,10.3Hz,H-2 GalN),
3.48,3.49(2dd,1H,J23 10.5,10.5Hz,J34 3.5,3.5Hz,H-3 GalN),
3.62,3.66,3.71(d,d,s,2H,Jgem 17.8,17.8Hz,NCH2CO),
3.72,3.95(2m,1H,(CH3CH22CH),
3.73(m,1H,H-5 GalN),
3.94(m,1H,H-5 Gal),
3.99-4.21(m,4H,H-6 Gal and H-6 GalN),
4.43,4.44(2d,1H,J12 7.6,7.6Hz,H-1 GalN),
4.89,4.89(2d,1H,J12 8.0,7.9Hz,H-1 Gal),
5.20,5.21(2dd,1H,J23 10.6,10.6Hz,J34 3.2,3.3Hz,H-3 Gal),
5.30,5.31(2d,1H,J34 3.8,4.3Hz,H-4 GalN),
5.40(dd,1H,J12 7.9Hz,J23 10.6Hz,H-2 Gal),
5.42,5.42(2d,1H,J34 3.3,3.2Hz,H-4 Gal),
7.44-8.04(m,5H,OBz).
【0154】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);-5.20,-5.18,-4.36(Me2Si),
10.99,11.01,11.19(2CH3CH2),
17.96(Me3CSi),
20.56,20.65,20.72(4CH3COO),
25.56,25.57(Me3CSi),
25.92,25.96,26.41(2CH3CH2),
28.25,28.41(Me3CO),
43.55(NCH2CO),
58.32,59.99((CH3CH22CH),
60.94,61.07(C-6 Gal),
62.60,62.82(C-6 GalN),
65.21,65.26(C-2 GalN),
66.88,66.96(C-4Gal),
68.15,68.22(C-4 GalN),
69.31,69.35(C-2 Gal),
70.51,70.56(C-3 Gal),
70.83,70.87(C-5 Gal),
71.51(C-5 GalN),
75.98,76.15(C-3 GalN),
79.95,80.06(Me3CO),
97.40,97.45(C-1 GalN),
101.49,101.52(C-1 Gal),
128.58,129.31,129.35,129.66,133.35,133.39(PhCOO),
155.65,156.31(C=O Boc),
165.11(C=O Bz),
169.86,170.04,170.07,170.20,170.33,170.37,170.42,170.44(NCH2CO and C=O 4Ac).
【0155】
ESI-FT-MS,
C45H68N4O18SiNa+(M+Na+)の計算値:1003.41901,
実測値:1003.42041.
[α]D 2.5°(c 0.5,CHCl3).
【0156】
(22)化合物31の製造
化合物29(44mg,44.8μmol)を、ジクロロメタン(500μl)に溶かし、トリフルオロ酢酸(100μl)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、減圧濃縮し、得られたシラップをDMF(500μl)に溶かし、フェニルイソチオシアネート(250μl,2.09mmol)とN-メチルモルフォリン(60μl)を加え、室温にて50分間攪拌した。反応終了確認後、酢酸エチルを加え、水で洗浄し、NaSOにて乾燥後、濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりターシャリー-ブチルジメチルシリル O-(3,4,6-トリ-O-アセチル-2-O-ベンゾイル-β-D-ガラクトピラノシル)-(1→3)-4-O-アセチル-2-アジド-2-デオキシ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物31,33mg,2段階で98%)を得た。
化合物31をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0157】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.09(s,6H,Me2Si),
0.87(s,9H,Me3CSi),
1.92,2.07,2.19,2.19(4s,12H,4OAc),
3.40(dd,1H,J5,6 8.4Hz,Jgem 11.0Hz,H-6 GalN),
3.44(dd,1H,J12 6.6Hz,J23 10.5Hz,H-2 GalN),
3.47(dd,1H,J23 10.4Hz,J34 3.2Hz,H-3 GalN),
3.52(t,1H,J56=J56' 7.9Hz,H-5 GalN),
3.57(m,1H,H-6’GalN),
3.96(ddd,1H,J45 1.2Hz,J5,6=J56'6.6Hz,H-5 Gal),
4.09,4.13(2dd,2H,J56 6.7,6.5Hz,Jgem 11.3,11.3Hz,H-6 Gal),
4.44(d,1H,J12 6.4Hz,H-1 GalN),
4.82(d,1H,J12 7.9Hz,H-1 Gal),
5.21(dd,1H,J23 10.6Hz, J34 3.4Hz, H-3 Gal),
5.23(d,1H,J34 2.3Hz,H-4 GalN),
5.42(dd,1H,J34 3.4Hz,J45 1.1Hz,H-4 Gal),
5.45(dd,1H,J12 7.9Hz,J23 10.6Hz,H-2 Gal),
7.44-8.05(m,5H,OBz).
【0158】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);-5.17,-4.33(Me2Si),
17.91(Me3CSi),
20.56,20.69,20.84(4CH3COO),
25.53(Me3CSi),
59.91(C-6 GalN),
61.17(C-6 Gal),
65.18(C-2 GalN),
66.98(C-4Gal),
69.18,69.21(C-4 GalN and C-2 Gal),
70.53(C-3 Gal),
70.92(C-5 Gal),
73.47(C-5 GalN),
77.70(C-3 GalN),
97.50(C-1 GalN),
102.13(C-1 Gal),
128.52,129.33,129.68,133.37(PhCOO),
165.20(C=O Bz),170.19,170.23,170.45,172.62(C=O 4Ac).
【0159】
ESI-FT-MS,
C33H47N3O15SiNa+(M+Na+)の計算値:776.26687,
実測値:776.26714.
[α]D 1.8°(c 0.5,CHCl3).
【0160】
【数12】
JP0004102263B2_000018t.gif【0161】
(23)化合物32の製造
化合物31(23mg,30.5μmol)と、前記の化合物27(27mg,46.2μmol)をアセトニトリル(400μl)に溶かし、モレキュラーシーブス 3Å(40mg)を加え、-30℃に冷やした。その後、N-イオドスクシンイミド(21mg,93.3μmol)と、トリフルオロメタンスルホン酸(1.2μl,13.5μmol)を加え、-30℃にて10時間攪拌した。反応終了確認後、反応液をセライト濾過し、クロロホルムにて洗浄した。濾液と洗液をあわせ飽和Na水溶液、飽和NaHCO水溶液の順にクロロホルムにて洗浄し、NaSOにて乾燥後、濃縮した。得られたシラップをsephadex LH-20ゲル濾過オープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(クロロホルム:メタノール=1:1)より大まかに分離させた後、オープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=4:1)よりターシャリー-ブチルジメチルシリル O-(3,4,6-トリ-O-アセチル-2-O-ベンゾイル-β-D-ガラクトピラノシル)-(1→3)-O-[(メチル 5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロネート)-(2→6)]-4-O-アセチル-2-アジド-2-デオキシ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物32,25mg,67%,α:β=71:29)を得た。
化合物32をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0162】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.09,0.13,0.15(3s,Me2Si),
0.87,0.90(2s,Me3CSi),
1.87,1.92,1.93,1.94,1.97,2.01,2.02,2.03,2.03,2.06,2.06,2.10,2.11,2.14,2.16,2.18,2.19,2.29(18s,8OAc and NAc),
3.78,3.79(2s,COOMe),7.44-8.05(m,OBz).
【0163】
【表1】
JP0004102263B2_000019t.gif【0164】
【表2】
JP0004102263B2_000020t.gif【0165】
【表3】
JP0004102263B2_000021t.gif【0166】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);-5.28,-4.18(Me2Si),
17.89,17.99(Me3CSi),
20.57,20.65,20.69,20.72,20.77,20.81,20.85,20.93,21.08,21.37(8CH3COO),
23.11,23.20(CH3CON),
25.49,25.65(Me3CSi),
37.20(C-3 SA β),
37.63(C-3 SA α),
47.89(C-5 SA β),
49.33(C-5 SA α),
52.60(COOMe β),
52.85(COOMe α),
60.15(C-6 GalN β),
60.62(C-6 Gal β),
60.92(C-6 Gal α),
61.91(C-9 SA β),
62.28(C-6 SA α and C-9 SA α),
63.57(C-6 GalN α),
65.29(C-2 GalN),
66.82(C-4 Gal β),
66.92(C-4 Gal α),
67.11(C-7 SA α),
67.63(C-8 SA α),
67.76(C-8 SA β),
67.97(C-7 SA β),
68.42(C-4 GalN α),
68.53(C-4 GalN β),
68.93(C-4 SA β),
69.04(C-4 SA α),
69.40(C-2 Gal α),
69.54(C-2 Gal β),
70.58(C-3 Gal),
70.70(C-5 Gal β),
70.74(C-5 Gal α),
71.40(C-5 GalN β),
71.98(C-6 SA β),
72.86(C-5 GalN α),
75.90(C-3 GalN α),
77.58(C-3 GalN β),
97.36(C-1 GalN α),
97.53(C-1 GalN β),
98.45(C-2 SA α),
98.75(C-2 SA β),
101.32(C-1 Gal α),
101.71(C-1 Gal β),
128.53,128.57,129.33,129.37,129.65,129.69,133.35,133.39(PhCOO),
165.11(C=O Bz α),
165.25(C=O Bz β),
167.28(C-1 SA β),
167.75(C-1 SA α),
169.49,170.09,170.19,170.23,170.27,170.29,170.38,170.40,170.46,170.62,170.72,170.95,171.79(C=O 9Ac).
【0167】
ESI-FT-MS,
C53H75N4O27Si+(M+H+)の計算値:1227.43825,
実測値:1227.43891.
【0168】
【数13】
JP0004102263B2_000022t.gif【0169】
以上の如くして、本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するUCP基を用いることにより、同一の出発物質から最小の合成段階により3種類の目的とする糖鎖、つまりT抗原(化合物22)、シアリルα2→3T抗原(化合物28)およびシアリルα2→6T抗原(化合物32)を得ることができた。また、縮合収率も現在糖鎖合成に一般的に用いられている保護基を用いて行った場合と何ら変わらない収率であったことから、本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するUCP基を、糖鎖合成に用いることができることが証明された。
【0170】
さらに、シアリルα2→3T抗原(化合物28)、およびシアリルα2→6T抗原(化合物32)は、シアル酸の結合位置が違うだけの糖鎖であり、シアル酸、ガラクトース、ガラクトサミンの3糖からなるいわゆる糖鎖ライブラリーであることから、本発明は、糖鎖ライブラリーの製造にも有用であることが証明された。
【0171】
実施例2
本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するアミノ酸誘導体として、N-α-Boc-サルコシン、N-α-Boc-N-α-メチル-L-アラニン、N-α-Boc-L-フェニルグリシンを用いて糖鎖を合成した。
また、本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するアミノ酸誘導体の重合体として、N-α-Boc-サルコシンをα-アミノイソブチル酸のN末端とカップリングして得られる、アミノ酸誘導体の種類が異なる重合体を用いて糖質誘導体を合成した。
さらに、N末端の保護基が違うUCP基、つまり、Fmoc基とBoc基とを混在させたUCP基を用いて糖質誘導体を合成した。
【0172】
(1)化合物34の製造
実施例1の化合物16より2段階で得られる化合物33(100mg,208μmol)をピリジン(3ml)に溶かし、N-α-Boc-サルコシン(43mg,227μmol)と、塩化シアヌル(115mg,624μmol)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)よりフェニル 2,3-ジ-O-ベンゾイル-6-O-[(ターシャリー-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-アセチル]-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物34,131mg,97%)を得た。
化合物34をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0173】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);1.40,1.43(2s,9H,Me3CO),
2.90(s,3H,MeN),
3.91,3.93,3.94,4.05(4d,2H,Jgem 17.7,17.4,17.7,17.7Hz,NCH2CO),
3.99(broad d,1H,H-5),
4.33,4.35(2 broad s,1H,H-4),
4.47(m,2H,H-6),
4.96(d,1H,J12 10.0Hz,H-1),
5.36(broad d,1H,J23 10.0Hz, H-3),
5.79(t,1H,J1,2=J2,3 9.9Hz,H-2),
7.29-7.97(m,15H,2PhCOO and SPh).
【0174】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);28.19(Me3CO),
35.45,35.61(MeN),
50.17,50.71(NCH2CO),
63.02,63.38(C-6),
67.08,67.27(C-4),
67.72,67.83(C-2),
75.13(C-3),
75.97(C-5),
80.29(Me3CO),
86.54(C-1),
127.92,128.04,128.31,128.36,128.78,128.83,128.90,129.31,129.69,129.76,132.40,132.61,133.14,133.20,133.31,133.42(2PhCOO and SPh),
155.28,156.07(C=O Boc),
165.24,165.66(2PhCOO),
169.70(NCH2CO).
【0175】
ESI-FT-MS,
C34H37NO10SNa+(M+Na+)の計算値:674.20304,
実測値:674.20387.
[α]D 52.0°(c 1.3,CHCl3).
【0176】
(2)化合物36の製造
化合物34(249mg,382μmol)をジクロロメタン(5ml)に溶かしトリフルオロ酢酸(1ml)加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮した(A液)。一方、N-α-Boc-サルコシン(578mg,3.05mmol)をジクロロメタン(2ml)に溶かし、0℃にて1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(240μl,1.53mmol)を加え0℃にて40分間攪拌した。その後減圧濃縮し、得られたシラップ(化合物35)と、先に調製したA液を混ぜDMF(3.2ml)に溶かし、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(5mg,41μmol)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 2,3-ジ-O-ベンゾイル-6-O-({[2-(ターシャリー-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-アセチル]-メチル-アミノ}-アセチル)-4-O-[(ターシャリー-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-アセチル]-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物36,248mg,73%)を得た。
化合物36をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0177】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);1.35,1.43,1.47(3s,18H,2Me3CO),
2.71,2.72,2.75,2.87,2.87,2.92,2.93,3.00,3.02(9s,9H,3MeN),
3.89-4.27(m,6H,3NCH2CO),
4.20-4.40(m,2H,H-6),
4.21(m,1H,H-5),
5.01,5.04,5.07(3d,1H,J12 9.3,10.3,9.9Hz,H-1),
5.44-5.54(m,1H,H-3),
5.65,5.67(2t,1H,J12=J23 10.0,10.2Hz,H-2),
5.71,5.74(2d,1H,J34 2.5,2.4Hz,H-4),
7.32-7.98(m,15H,2PhCOO and SPh).
【0178】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);27.99,28.08,28.13,28.22(2Me3CO),
34.79,35.17,35.42(3MeN),
49.31,49.56,49.80,49.85,50.12,50.37(3CH2CO),
61.43,61.57(C-6),
67.59,67.75(C-2),
67.87,68.03(C-4),
72.37,72.69(C-3),
74.04,74.14(C-5),
79.76,80.03,80.15(2MeCO),
86.51(C-1),
128.30,128.48,128.62,128.82,128.85,128.99,129.43,129.58,129.62,132.73,133.05,133.23(2PhCOO and SPh),
154.94,155.55,155.65,156.10(C=O 2Boc),
165.02,165.14,165.18(2PhCOO),
168.30,168.37,168.94,169.03,169.18,169.33(3NCH2CO).
【0179】
ESI-FT-MS,
C45H55N3O14SNa+(M+Na+)の計算値:916.32970,
実測値:916.32999.
[α]D 29.9°(c 1.2,CHCl3).
【0180】
【数14】
JP0004102263B2_000023t.gif【0181】
【数15】
JP0004102263B2_000024t.gif【0182】
(3)化合物37の製造
化合物36(117mg,131μmol)を、ジクロロメタン(3ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(600μl)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップをDMF(1ml)に溶かし、フェニルイソチオシアネート(500μl,4.18mmol)と、N-メチルモルフォリン(120μl)を加え室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、酢酸エチルを加え、水で洗浄し、NaSOにて乾燥後濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=2:1)よりフェニルチオカルバモイル化された化合物を大まかに分け、真空ポンプで乾燥させた。それをジクロロメタン(2ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(400μl)を加え室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、減圧濃縮し、得られたシラップをDMF(1ml)に溶かした。ジ-ターシャリー-ブチル ジカルボネート(400mg,1.83mmol)と、飽和NaHCO水溶液(1ml)を加え室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後酢酸エチルを加え、水で洗浄し、NaSOにて乾燥後濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 2,3-ジ-O-ベンゾイル-6-O-[(ターシャリー-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-アセチル]-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物37,40mg,4段階で47%)を得た。
化合物37をNMRで測定した結果、前記の化合物34と同じNMRシグナルが得られた。
化合物37を質量分析装置で測定した結果を、以下に示す。
【0183】
ESI-FT-MS,
C34H37NO10SNa+(M+Na+)の計算値:674.20304,
実測値:674.20350.
【0184】
【数16】
JP0004102263B2_000025t.gif【0185】
(4)化合物39の製造
化合物37(50mg,77μmol)と、D-ガラクトース ペンタアセテートより2段階で調製できる化合物38[非特許文献 T.Ren and D.Liu,Tetrahedron Lett.40,7621-7625,1999](76mg,154μmol)をジクロロメタン(200μl)に溶かし、モレキュラーシーブス 4Å AW-300(60mg)を加え、-30℃に冷やした。その後、トリメチルシリル トリフルオロメタンスルホネート(TMSOTf)(2.8μl,15μmol)を加え、-30℃にて2時間攪拌し、その後室温まで自然昇温した。6時間後、反応終了を確認し、トリエチルアミンにて中和後、反応液をセライト濾過し、クロロホルムにて洗浄後、濾液と洗液とを合わせて濃縮した。得られたシラップを逆相HPLCに供し、溶出溶媒(溶媒Aから、溶媒Bへのグラジェント)よりフェニル O-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノシル)-(1→4)-2,3-ジ-O-ベンゾイル-6-O-[(ターシャリー-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-アセチル]-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物39,9.8mg,13%)を得た。
化合物39をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0186】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);1.44,1.48(2s,9H,Me3CO),
2.00,2.01,2.18,2.21(4s,12H,4Ac),
2.92,2.93(2s,3H,MeN),
3.71(t,1H,J56=J56' 6.6Hz,H-5b),
3.94-4.13(m,2H,NCH2CO),
3.95(m,1H,H-5a),
4.08(m,2H,H-6b),
4.34(broad s,1H,H-4a),
4.40-4.50(m,2H,H-6a),
4.57(d,1H,J12 8.0Hz,H-1b),
4.85(dd,1H,J23 10.4Hz,J34 2.9Hz,H-3b),
4.89,4.90(2d,1H,J12 10.0,9.7Hz,H-1a),
5.30(dd,1H,J12 8.1Hz,J23 10.5Hz,H-2b),
5.30(d,1H,J34 2.4Hz,H-4b),
5.43(broad dd,1H,J23 9.5Hz,J34 2.8Hz,H-3a),
5.58(t,1H,J12 =J23 9.9Hz,H-2a),
7.30-8.03(m,15H,2PhCOO and SPh).
【0187】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);20.62,20.64,20.68(4CH3COO),
28.34(Me3CO),
35.48,35.62(MeN),
50.16,50.82(NCH2CO),
61.13(C-6b),
64.43,64.78(C-6a),
66.93(C-4b),
67.77,67.90(C-2a),
68.59(C-2b),
70.77(C-5b),
70.87(C-3b),
73.86(C-4a),
74.61(C-3a),
76.21(C-5a),
86.36(C-1a),
101.20(C-1b),
128.38,128.43,128.48,128.52,128.66,128.98,129.75,129.87,132.35,132.42,132.71,133.21,133.89,133.94(2PhCOO and SPh),
155.37,156.09(C=O Boc),
165.00,165.42,165.61,165.65(2PhCOO),
169.49,169.72(NCH2CO),
170.10,170.21,170.29,170.33,170.38(4CH3COO)
【0188】
ESI-FT-MS,
C48H55NO19SNa+(M+Na+)の計算値:1004.29812,
実測値:1004.29733.
[α]D 34.4°(c 0.1,CHCl3).
【0189】
【数17】
JP0004102263B2_000026t.gif【0190】
(5)化合物41の製造
N-α-Boc-N-α-メチル-L-アラニン(127mg,625μmol)をジクロロメタン(500μl)に溶かし、0℃にて1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(49μl,313μmol)を加え0℃にて40分間攪拌した。その後減圧濃縮し、得られたシラップ(化合物40)をDMF(500μl)に溶かし、前記の化合物33(100mg,208μmol)と、4-(ジメチルアミノ)ピリジン (DMAP)(3mg,25μmol)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 2,3-ジ-O-ベンゾイル-6-O-[2-(ターシャリー-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-プロピオニル]-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物41,108mg,78%)を得た。
化合物41をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0191】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);1.40(d,3H,JCH3CH 7.3Hz,NCH(Me)CO),
1.42,1.46(2s,9H,Me3CO),
2.81,2.85(2s,3H,MeN),
4.00(broad s,1H,H-5),
4.34(broad d,1H,H-4),
4.36-4.54(m,2H,H-6),
4.43,4.76,4.82(3m,1H,NCH(Me)CO),
4.96(d,1H,J12 10.0Hz,H-1),
5.37,5.40(2dd,1H,J23 9.9,10.0Hz,J34 3.1,3.2Hz,H-3),
5.79 (t,1H,J12=J23 10.0Hz,H-2),
7.28-7.97(m,15H,2PhCOO and SPh).
【0192】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);14.49,14.65,14.97,15.17(NCH(Me)CO),
28.23(Me3CO),
30.51,30.66,31.09,31.28(MeN),
53.44,53.68,54.86,55.10(NCH(Me)CO),
63.08,63.47(C-6),
67.09,67.30(C-4),
67.83(C-2),
73.03,75.02(C-3),
76.02(C-5),
80.30(Me3CO),
86.64(C-1),
127.88,128.28,128.84,129.31,129.69,129.77,132.24,132.55,133.14,133.30(2PhCOO and SPh),
155.17,156.02(C=O Boc),
165.24,165.65(2PhCOO),
171.97,172.17(NCH(Me)CO).
【0193】
ESI-FT-MS,
C35H39NO10SNa+(M+Na+)の計算値:688.21869,
実測値:688.21912.
[α]D 38.8°(c 1.2,CHCl3).
【0194】
(6)化合物42の製造
化合物41(217mg,326μmol)をジクロロメタン(5ml)に溶かしトリフルオロ酢酸(1ml)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮した(A液)。一方、N-α-Boc-N-α-メチル-L-アラニン(530mg,2.61mmol)をジクロロメタン(4ml)に溶かし、0℃にて1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(204μl,1.30mmol)を加え0℃にて40分間攪拌した。その後減圧濃縮し、得られたシラップ(化合物40)と、先に調製したA液を混ぜDMF(6ml)に溶かし、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(4mg,33μmol)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-[2-(ターシャリー-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-プロピオニル]-6-O-(2-{[2-(ターシャリー-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-プロピオニル]-メチル-アミノ}-プロピオニル)-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物42,228mg,75%)を得た。
化合物42をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0195】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);1.25-1.39(m,9H,3NCH(Me)CO),
1.42,1.47(2s,18H,2Boc),
2.49-2.93(m,9H,3MeN),
4.12-4.39(m,2H,H-6),
4.17(m,1H,H-5),
4.71-5.17(m,3H,3NCH(Me)CO),
4.96(broad d,1H,J12 10.0Hz,H-1),
5.36(broad d,1H,J2,3 9.5Hz,H-3),
5.55(broad t,1H,J1,2=J2,3 9.6Hz,H-2),
5.66(broad s,1H,H-4),
7.32-7.99(m,15H,2OBz and SPh).
【0196】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);14.13,14.39,14.60,14.67,15.09,15.59,16.26(3NCH(Me)CO),
28.33,28.39(2Me3CO),
29.16,29.33,29.49,29.66,29.71,30.00,31.08(3MeN),
50.87,52.48,52.51,52.77,53.11,53.19,53.41,53.55(3NCH(Me)CO),62.04,62.35(C-6),
67.25,67.32,67.40(C-2),
67.79,67.96(C-4),
73.11,73.17(C-3),
74.30,74.46(C-5),
80.06,80.33,80.45(Me3CO),
85.64,86.07(C-1),
128.37,128.49,128.92,129.66,129.81,133.41,133.54,133.79(2PhCO and SPh),
155.40,155.77(C=O 2Boc),
165.23(2PhCOO),
171.07,171.38,172.19(3NCH(Me)CO).
【0197】
ESI-FT-MS,
C48H61N3O14SNa+(M+Na+)の計算値:958.37665,
実測値:958.37740.
[α]D -19.1°(c 0.5,CHCl3).
【0198】
【数18】
JP0004102263B2_000027t.gif【0199】
【数19】
JP0004102263B2_000028t.gif【0200】
(7)化合物43の製造
化合物42(50mg,53μmol)を、ジクロロメタン(2ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(400μl)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップをDMF(1ml)に溶かし、フェニルイソチオシアネート(500μl,4.18mmol)と、N-メチルモルフォリン(120μl)を加え室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、酢酸エチルを加え、水で洗浄し、NaSOにて乾燥後濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=2:1)よりフェニルチオカルバモイル化された化合物を大まかに分け、真空ポンプで乾燥させた。それをジクロロメタン(2ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(400μl)を加え室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、減圧濃縮し、得られたシラップをDMF(1ml)に溶かした。ジ-ターシャリー-ブチル ジカルボネート(300mg,1.37mmol)と、飽和NaHCO水溶液(1ml)を加え室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、酢酸エチルを加え、水で洗浄し、NaSOにて乾燥後濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 2,3-ジ-O-ベンゾイル-6-O-[2-(ターシャリー-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-プロピオニル]-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物43,22mg,4段階で62%)を得た。
化合物43をNMRで測定した結果、前記の化合物41と同じNMRシグナルが得られた。
化合物43を質量分析装置で測定した結果を、以下に示す。
【0201】
ESI-FT-MS,
C35H39NO10SNa+(M+Na+)の計算値:688.21869,
実測値:688.21898.
【0202】
【数20】
JP0004102263B2_000029t.gif【0203】
(8)化合物44の製造
化合物43(41mg,62μmol)と,前記の化合物38(61mg,124μmol)をジクロロメタン(200μl)に溶かし、モレキュラーシーブス 4Å AW-300(60mg)を加え、-30℃に冷やした。その後、トリメチルシリル トリフルオロメタンスルホネート(TMSOTf)(2.2μl,12μmol)を加え、-30℃にて2時間攪拌し、その後室温まで自然昇温した。6時間後、反応終了を確認し、トリエチルアミンにて中和後、反応液をセライト濾過し、クロロホルムにて洗浄後、濾液と洗液とを合わせて濃縮した。得られたシラップを逆相HPLCに供し、溶出溶媒(溶媒Aから、溶媒Bへのグラジェント)よりフェニル O-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノシル)-(1→4)-2,3-ジ-O-ベンゾイル-6-O-[2-(ターシャリー-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-プロピオニル]-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物44,10.9mg,18%)を得た。
化合物44をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0204】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);1.42(broad d,3H,JCH3CH 6.6Hz,NCH(Me)CO),
1.48(s,9H,Me3CO),
1.99,2.01,2.18,2.22(4s,12H,4Ac),
2.81,2.86(2s,3H,MeN),
3.71(broad t,1H,J56=J56 6.4Hz,H-5b),
3.98(m,1H,H-5a),
4.09(m,2H,H-6b),
4.33(broad d,1H,J34 2.6Hz,H-4a),
4.42(m,2H,H-6a),
4.49(m,1H,NCH(Me)CO),
4.58(d,1H,J12 8.0Hz,H-1b),
4.86(dd,1H,J23 10.5Hz,J34 3.4Hz, H-3b),
4.90(broad d,1H,J12 9.8Hz,H-1a),
5.29(m,1H,H-4b),
5.30(dd,1H,J12 8.1Hz,J23 10.6Hz,H-2b),
5.43(broad dd,1H,J23 10.3Hz,J34 2.8Hz,H-3a),
5.53(t,1H,J12=J2,3 9.9Hz,H-2a),
7.29-8.03(m,15H,2PhCOO and SPh)
【0205】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm); 14.94(NCH(Me)CO),
20.62,20.69,20.71(4 CH3COO),
28.41(Me3CO),
29.71(MeN),
61.16(C-6b),
66.92(C-4b),
67.90(C-2a),
68.54(C-2b),
70.77,70.83(C-5b and C-3b),
74.04(C-4a),
74.61(C-3a),
76.34(C-5a),
86.45(C-1a),
101.19(C-1b),
128.38,128.66,128.99,129.42,129.75,129.86,132.11,133.21,133.90(2PhCOO and SPh),
169.49(NCH2CO),
170.20,170.30(4CH3COO).
【0206】
ESI-FT-MS,
C49H57NO19SNa+(M+Na+)の計算値:1018.31377,
実測値:1018.31486.
[α]D 3.2°(c 0.2,CHCl3).
【0207】
【数21】
JP0004102263B2_000030t.gif【0208】
(9)化合物46の製造
N-α-Boc-L-フェニルグリシン(345mg,1.37mmol)をジクロロメタン(2ml)に溶かし、0℃にて1,3-ジイソプロピルカルボジイミド (DIC)(108μl,690μmol)を加え0℃にて40分間攪拌した。その後減圧濃縮し、得られたシラップ(化合物45)をDMF(3ml)に溶かし、前記の化合物33(300mg,624μmol)と、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(7.6mg,62μmol)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 2,3-ジ-O-ベンゾイル-6-O-(ターシャリー-ブトキシカルボニルアミノ-フェニル-アセチル)-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物46,420mg,94%)を得た。
化合物46をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0209】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);1.43,1.45(2s,9H,Me3CO),
3.89,3.95(2t,1H,J56=J56' 6.2,6.2Hz,H-5),
4.13,4.26(2 broad s,1H,H-4),
4.41-4.57(m,2H,H-6),
4.94(d,1H,J12 10.0Hz,H-1),
5.33,5.36(2dd,1H,J23 9.9,10.0Hz,J34 3.0,3.1Hz,H-3),
5.39,5.42(2d,1H,Jgem 7.2,7.2Hz,NCH(Ph)CO),
5.83,5.84(2t,1H,J12=J23 10.0,9.9Hz,H-2),
7.29-8.00(m,20H,2PhCOO,NCH(Ph)CO and SPh).
【0210】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);28.00,28.05(Me3CO),
57.22,57.56(NCH(Ph)CO),
63.54,63.76(C-6),
66.74,66.88(C-4),
67.77(C-2),
74.90(C-3),
75.69,75.73(C-5),
79.90,80.20(Me3CO),
86.28(C-1),
126.89,126.99,127.76,127.84,128.13,128.27,128.41,128.57,128.66,128.78,129.15,129.17,129.52,129.60,129.84,132.30,132.48,133.00,133.11,133.16,133.19(2PhCOO,NCH(Ph)CO and SPh),
154.77,156.36(C=O Boc),
165.13,165.52(2PhCOO),
170.00,171.26(NCH(Ph)CO).
【0211】
ESI-FT-MS,
C39H39NO10SNa+(M+Na+)の計算値:736.21869,
実測値:736.21754.
[α]D 55.5°(c 1.9,CHCl3).
【0212】
(10)化合物47の製造
化合物46(321mg,450μmol)をジクロロメタン(5ml)に溶かしトリフルオロ酢酸(1ml)加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮した(A液)。一方N-α-Boc-L-フェニルグリシン(904mg,3.60mmol)をジクロロメタン(9ml)に溶かし、0℃にて1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(282μl,1.80mmol)を加え0℃にて40分間攪拌した。その後減圧濃縮し、得られたシラップ(化合物45)と、先に調製したA液を混ぜDMF(10ml)に溶かし、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(5.5mg,45μmol)を加え、室温にて6時間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 2,3-ジ-O-ベンゾイル-6-O-[(2-ターシャリー-ブトキシカルボニルアミノ-2-フェニル-アセチルアミノ)-フェニル-アセチル]-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物47,349mg,92%)を得た。
化合物47をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0213】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);1.30,1.31(2s,9H,Me3CO),
3.81(broad t,1H,J56=J56' 6.1Hz,H-5),
4.13(broad s,1H,H-4),
4.31-4.40(m,2H,H-6),
4.85,4.87(2d,1H,J12 10.1,10.6Hz,H-1),
5.21,5.24(2dd,1H,J23 9.9,9.9Hz,J34 3.0,3.1Hz,H-3),
5.34-5.56(m,2H,2NCH(Ph)CO),
5.71,5.73(2t,1H,J12=J23 10.0,9.8Hz,H-2),
7.14-7.95(m,25H,2PhCOO,2NCH(Ph)CO and SPh).
【0214】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);28.09(Me3CO),
56.58,56.92,58.05(NCH(Ph)CO),
63.69(C-6),
66.79(C-4),
67.77(C-2),
74.94,75.07(C-3),
75.53,75.67(C-5),
80.48(Me3CO),
86.38,86.52(C-1),
127.07,127.13,127.14,127.18,127.96,128.29,128.32,128.41,128.79,128.82,128.84,128.85,128.90,128.93,129.05,129.16,129.45,129.68,129.73,132.43,132.67,133.17,133.32,133.36(2PhCOO,2NCH(Ph)CO and SPh),
152.38,152.40,155.29,155.34(C=O Boc),
165.25,165.27,165.67(2PhCOO),
168.02,170.08,171.33,172.30(NCH(Ph)CO).
【0215】
ESI-FT-MS,
C47H46N2O11SNa+(M+Na+)の計算値:869.27145,
実測値:869.27256.
[α]D 69.7°(c 1.0,CHCl3).
【0216】
【数22】
JP0004102263B2_000031t.gif【0217】
(11)化合物48の製造
N-α-Boc-L-フェニルグリシン(119mg,474μmol)をジクロロメタン(1ml)に溶かし、0℃にて1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(37μl,236μmol)を加え0℃にて40分間攪拌した。その後減圧濃縮し、得られたシラップ(化合物45)をピリジン(1ml)に溶かし、化合物47(100mg,118μmol)と、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(43mg,354μmol)を加え、50℃にて5時間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)よりフェニル 2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-(ターシャリー-ブトキシカルボニルアミノ-フェニル-アセチル)-6-O-[(2-ターシャリー-ブトキシカルボニルアミノ-2-フェニル-アセチルアミノ)-フェニル-アセチル]-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物48,87mg,68%)を得た。
化合物48をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0218】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);1.37,1.40,1.41(3s,18H,2Me3CO),
3.47,4.03,4.21,4.38,4.42(5m,2H,H-6),
3.82-3.99(m,1H,H-5),
4.78,4.80,4.85(3d,1H,J12 9.9,9.9,10.1Hz,H-1),
5.22,5.28,5.50(3m,3H,3NCH(Ph)CO),
5.27,5.35,5.42(3m,1H,H-3),
5.36,5.58(2t,1H,J12=J23 9.9,10.1Hz,H-2),
5.41,5.44(2 broad s,1H,H-4),
7.17-7.97(m,30H,2PhCOO,3NCH(Ph)CO and SPh).
【0219】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);28.04,28.28(2Me3CO),
56.91,58.46(3NCH(Ph)CO),
62.07,62.81(C-6),
67.35,67.45(C-2),
68.52,68.80(C-4),
72.45(C-3),
74.20,74.55(C-5),
80.15,80.30(Me3CO),
85.33,85.55(C-1),
126.55,127.14,127.27,127.37,127.45,128.21,128.29,128.35,128.39,128.52,128.59,128.86,128.91,129.08,129.15,129.20,129.70,129.80,133.13,133.27,134.35(2PhCOO,3NCH(Ph)CO and SPh),
154.67,155.13(C=O Boc),
164.54,165.24(2PhCOO),
169.63(3NCH(Ph)CO).
【0220】
ESI-FT-MS,
C60H61N3O14SNa+(M+Na+)の計算値:1102.37665,
実測値:1102.37514.
[α]D 32.7°(c 0.9,CHCl3).
【0221】
【数23】
JP0004102263B2_000032t.gif【0222】
(12)化合物49の製造
化合物48(44mg,41μmol)を、ジクロロメタン(2ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(400μl)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップをDMF(1ml)に溶かし、フェニルイソチオシアネート(500μl,4.18mmol)と、N-メチルモルフォリン(120μl)を加え室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、酢酸エチルを加え、水で洗浄し、NaSOにて乾燥後濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニルチオカルバモイル化された化合物を大まかに分け、真空ポンプで乾燥させた。それをジクロロメタン(2ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸 (400μl)を加え室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、減圧濃縮し、得られたシラップをDMF(2ml)に溶かした。ジ-ターシャリー-ブチル ジカルボネート(300mg,1.37mmol)と、飽和NaHCO水溶液(1ml)を加え室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、酢酸エチルを加え、水で洗浄し、NaSOにて乾燥後濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 2,3-ジ-O-ベンゾイル-6-O-(ターシャリー-ブトキシカルボニルアミノ-フェニル-アセチル)-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物49,20mg,4段階で69%)を得た。
化合物49をNMRで測定した結果、前記の化合物46と同じNMRシグナルが得られた。
化合物49を質量分析装置で測定した結果を、以下に示す。
【0223】
ESI-FT-MS,
C39H39NO10SNa+(M+Na+)の計算値:736.21869,
実測値:736.21800.
【0224】
【数24】
JP0004102263B2_000033t.gif【0225】
(13)化合物50の製造
化合物49(50mg,70μmol)と、前記の化合物38(69mg,140μmol)をジクロロメタン(200μl)に溶かし、モレキュラーシーブス 4Å AW-300(60mg)を加え、-30℃に冷やした。その後、トリメチルシリル トリフルオロメタンスルホネート(TMSOTf)(2.5μl,14μmol)を加え、-30℃にて2時間攪拌し、その後室温まで自然昇温した。6時間後、反応終了を確認し、トリエチルアミンにて中和後、反応液をセライト濾過し、クロロホルムにて洗浄後、濾液と洗液とを合わせて濃縮した。得られたシラップを逆相HPLCに供し、溶出溶媒(溶媒Aから、溶媒Bへのグラジェント)よりフェニル O-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノシル)-(1→4)-2,3-ジ-O-ベンゾイル-6-O-(ターシャリー-ブトキシカルボニルアミノ-フェニル-アセチル)-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物50,7.3mg,10%)を得た。
化合物50をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0226】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);1.44(s,9H,Me3CO),
2.00,2.00,2.11,2.16(4s,12H,4Ac),
3.83(t,1H,J56=J56' 6.1Hz,H-5a),
4.01(d,1H,J34 2.4Hz,H-4a),
4.84,4.85(2d,1H,J1,2 9.8,9.8Hz,H-1a),
5.05,5.08(2dd,1H,J2,3 10.4,10.4Hz,J34 3.4,3.4Hz,H-3b),
5.13,5.15(2dd,1H,J23 10.2,10.2Hz,J34 2.6,2.6Hz,H-3a),
5.32,5.35(broad 2dd,1H,J12 8.2Hz,J23 11.3Hz,H-2b),
5.34(broad d,1H,JCHNH 7.3Hz,NCH(Ph)CO),
5.42(d,1H,J34 3.2Hz,H-4b),
5.63,5.66(2d,1H,J12 8.3,8.4Hz,H-1b),
5.75,5.76(2t,1H,J1,2=J2,3 9.9Hz,H-2a),
7.28-7.91(m,20H,2PhCOO,NCH(Ph)CO and SPh).
【0227】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);20.54,20.61,20.67,20.77(4CH3COO),
28.31(Me3CO),
57.90,58.16(NCH(Ph)CO),
60.84(C-6b),
66.74(C-4b),
67.56(C-2b),
67.72(C-2a),
70.84,71.46(C-3b and C-5b),
75.17(C-4a),
75.38(C-3a),
76.14(C-5a),
86.01,86.12(C-1a),
93.55,93.58(C-1b),
127.12,127.28,128.32,128.45,128.71,128,75,129.10,129.32,129.65,129.78,129.79,132.64,132.83,133.10,133.34(2PhCOO,NCH(Ph)CO and SPh),
154.83(C=O Boc),
165.18,166.06(2PhCOO),
169.69,169.96,170.08,170.12,170.14,170.30,170.33(NCH(Ph)CO and 4CH3COO).
【0228】
ESI-FT-MS,
C53H57NO19SNa+(M+Na+)の計算値:1066.31377,
実測値:1066.30973.
[α]D 21.7°(c 0.2,CHCl3).
【0229】
【数25】
JP0004102263B2_000034t.gif【0230】
(14)化合物52の製造
N-α-Boc-α-アミノイソブチル酸(338mg,1.66mmol)をジクロロメタン(3ml)に溶かし、0℃にて1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(130μl,830μmol)を加え0℃にて40分間攪拌した。その後減圧濃縮し、得られたシラップ(化合物51)をDMF(3ml)に溶かし、前記の化合物33(110mg,229μmol)と、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(76mg,622μmol)を加え、40℃にて6時間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 2,3-ジ-O-ベンゾイル-6-O-(2-ターシャリー-ブトキシカルボニルアミノ-2-メチル-プロピオニル)-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物52,146mg,96%)を得た。
化合物52をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0231】
H-NMR(600 MHz,CDCl
δ(ppm);1.44(s,9H,Me3CO),
1.52(s,6H,NC(Me2)CO),
4.02(broad t,1H,J56=J56' 6.4Hz,H-5),
4.10(q,2H,J56=J56'=Jgem 7.1Hz,H-6),
4.38(d,1H,J34 2.5Hz,H-4),
4.99,5.03(2d,1H,J12 10.0,10.1Hz,H-1),
5.39,5.42(2dd,1H,J23 10.0,10.0Hz,J34 3.2,3.2Hz,H-3),
5.82,5.87(2t,1H,J12=J23 10.0,10.0Hz,H-2),
7.27-7.97(m,15H,2PhCOO and SPh).
【0232】
13C-NMR(150 MHz,CDCl
δ(ppm);25.35,26.00(NC(Me2)CO),
28.10(Me3CO),
55.92(NC(Me2)CO),
60.33(C-6),
66.98(C-4),
67.89(C-2),
74.96(C-3),
76.05(C-5),
80.91(Me3CO),
86.66(C-1),
127.73,128.20,128.25,128.29,128.69,128.77,128.95,129.29,129.61,129.63,129.72,132.08,132.80,133.06,133.19(2PhCOO and SPh),
154.76(C=O Boc),
165.20,165.67(2PhCOO),
171.28(NC(Me2CO).
【0233】
ESI-FT-MS,
C53H39NO10SNa+(M+Na+)の計算値:688.21869,
実測値:688.21830.
[α]D 27.8°(c 1.2,CHCl3).
【0234】
【数26】
JP0004102263B2_000035t.gif【0235】
(15)化合物53の製造
化合物52(146mg,219μmol)をジクロロメタン(3ml)に溶かしトリフルオロ酢酸(1.8ml)加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮した(A液)。一方N-α-Boc-サルコシン(166mg,877μmol)をジクロロメタン(3ml)に溶かし、0℃にて1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(69μl,441μmol)を加え0℃にて40分間攪拌した。その後減圧濃縮し、得られたシラップ(化合物35)と、先に調製したA液を混ぜDMF(3ml)に溶かし、飽和NaHCO水溶液(3ml)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 2,3-ジ-O-ベンゾイル-6-O-{2-[2-(ターシャリー-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-アセチルアミノ]-2-メチル-プロピオニル}-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物53,39mg,82%)を得た。
化合物53をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0236】
H-NMR(600MHz, CDCl
δ(ppm);1.43(s,9H,Me3CO),
1.53(s,6H,NC(Me2)CO),
2.90(broad s,3H,MeN),
3.78(m,2H,NCH2CO),
3.99(t,1H,J56=J56' 6.5Hz,H-5),
4.33(broad s,1H,H-4),
4.38,4.50(dd and broad s,2H,J56 6.3Hz,Jgem 11.1Hz,H-6),
4.95(d,1H,J12 10.0Hz,H-1),
5.31(dd,1H,J23 9.9Hz,J34 3.2Hz,H-3),
5.77(broad t,1H,J12=J23 9.8Hz,H-2),
7.28-8.10(m,15H,2PhCOO and SPh).
【0237】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);24.93,25.00(NC(Me2)CO),
28.27(Me3CO),
35.84(MeN),
52.96(NCH2CO),
56.15(NC(Me2)CO),
62.95(C-6),
66.86(C-4),
67.90(C-2),
75.33(C-3),
75.88(C-5),
80.85(Me3CO),
86.68(C-1),
128.08,128.37,128.42,128.92,129.52,129.80,129.88,132.69,133.20,133.37(2PhCOO and SPh),
156.91(C=O Boc),
165.25,165.83(2PhCOO),
169.08,173.68(NCH2CO and NC(Me2CO).
【0238】
ESI-FT-MS,
C38H44N2O11SNa+(M+Na+)の計算値:759.25580,
実測値:759.25455.
[α]D 54.5°(c 1.3,CHCl3).
【0239】
(16)化合物55の製造
実施例1の化合物5(129mg,351μmol)をジクロロメタン (1ml)に溶かし、0℃にて1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(27μl,172μmol)を加え0℃にて40分間攪拌した。その後減圧濃縮し、得られたシラップ(化合物54)をDMF(1ml)に溶かし、化合物53(86mg,117μmol)と、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(43mg,352μmol)を加え、室温にて1時間半攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)よりフェニル 2,3-ジ-O-ベンゾイル-4-O-{[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-6-O-{2-[2-(ターシャリー-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-アセチルアミノ]-2-メチル-プロピオニル}-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物55,90mg,71%)を得た。
化合物55をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0240】
H-NMR(600 MHz,CDCl
δ(ppm);0.53,0.62,0.76,0.80(4t,6H,JCH3CH=JCH3CH' 7.1,7.4,7.4,7.4Hz,2CH3CH2),
1.02-1.38(m,4H,2CH3CH2),
1.35,1.45,1.48,1.50(4s,6H,NC(Me2)CO),
1.46(s,9H,Me3CO),
2.92(s,3H,MeN),
3.57,3.88(2m,1H,(CH3CH22CH),
3.67,3.84,3.91(broad d,broad d and d,2H,Jgem 17.5Hz,NCH2CO),
4.06,4.22(broad 2t,1H,JH-9 FmocCH=JH-9 FmocCH' 6.6,6.3Hz,H-9 Fmoc),
4.13(m,1H,H-5),
4.19(m,2H,H-6),
4.27,4.33(2m,1H,H-2),
4.43,4.46(2dd,2H,JCHH-9 Fmoc 7.3Hz,JCH'H-9 Fmoc 6.4Hz,Jgem 10.6Hz,CH2-Fmoc),
5.00,5.01(2d,1H,J12 10.1,9.8Hz,H-1),
5.46(m,1H,H-3),
5.70(m,1H,H-4),
7.14-7.96(m,23H,Ar Fmoc,2PhCOO and SPh).
【0241】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);10.80,10.83,10.87,10.93(2CH3CH2),
24.56,24.61,24.89,24.96(NC(Me2)CO),
25.62,25.66,26.00(2CH3CH2),
28.31(Me3CO),
35.74(MeN),
42.97,43.56(NCH2CO),
47.25,47.40(H-9 Fmoc),
55.90,56.12(NC(Me2)CO),
59.43,59.82((CH3CH22CH),
62.06(C-6),
67.23(C-2),
67.35(CH2 Fmoc),
67.87,68.02(C-4),
72.72,72.90(C-3),
74.33(C-5),
80.66(Me3CO),
86.76,86.84(C-1),
119.88,124.88,127.03,127.61,127.66,128.12,128.29,128.33,128.43,128.46,128.95,128.97,129.47,129.78,129.83,132.59,132.69,133.25,133.36,141.22,141.36,143.74,144.05(Ar Fmoc,2PhCOO and SPh),
156.30,156.71(C=O Fmoc, C=O Boc),
165.22,165.31(PhCOO),
168.86,169.15(2NCH2CO and NC(Me2CO).
【0242】
ESI-FT-MS,
C60H67N3O14SNa+(M+Na+)の計算値:1108.42360,
実測値:1108.42218.
[α]D 27.6°(c 1.2,CHCl3).
【0243】
【数27】
JP0004102263B2_000036t.gif【0244】
【数28】
JP0004102263B2_000037t.gif【0245】
(17)化合物56の製造
化合物55(77mg,71μmol)をDMF(800μl)に溶かし、ピペリジン (200μl,2.02mmol)を加え室温で5分攪拌した。反応終了確認後フェニルイソチオシアネート(500μl,4.18mmol)を加え室温にて5分間攪拌した。反応終了確認後、濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 2,3-ジ-O-ベンゾイル-6-O-{2-[2-(ターシャリー-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-アセチルアミノ]-2-メチル-プロピオニル}-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物56,44mg,85%)を得た。
化合物56をNMRで測定した結果、化合物53と同じNMRシグナルが得られた。
化合物56を質量分析装置で測定した結果を、以下に示す。
【0246】
ESI-FT-MS,
C38H44N2O11SNa+(M+Na+)の計算値:759.25580,
実測値:759.25539.
【0247】
(18)化合物57の製造
化合物56(27mg,37μmol)をピリジン(1ml)に溶かし、無水酢酸(1ml)を加え、室温にて2時間攪拌した。反応終了確認後、濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 4-O-アセチル-2,3-ジ-O-ベンゾイル-6-O-{2-[2-(ターシャリー-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-アセチルアミノ]-2-メチル-プロピオニル}-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物57,26mg,91%)を得た。
化合物57をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0248】
H-NMR(600 MHz,CDCl
δ(ppm);1.47(s,9H,Me3CO),
1.50,1.52(2s,6H,NC(Me2)CO),
2.10(s,3H,Ac),
2.95(s,3H,MeN),
3.84(dd,2H,NCH2CO),
4.12(t,1H,J56=J56' 7.2Hz,H-5),
4.17(m,2H,H-6),
5.01(d,1H,J12 10.0Hz,H-1),
5.46(broad d,1H,H-3),
5.65(broad d,1H,H-4),
5.68(t,1H,J12=J23 10.0Hz,H-2),
7.30-7.98(m,15H,2PhCOO and SPh).
【0249】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);20.51(CH3COO),
24.69,25.00(NC(Me2)CO),
28.31(Me3CO),
35.77(MeN),
62.30(C-6),
67.52(C-4),
67.87(C-2),
72.81(C-3),
74.35(C-5),
80.71(Me3CO),
86.77(C-1),
128.24,128.43,128.53,128.61,128.85,128.92,128.94,129.63,129.83,132.74,133.37(2PhCOO and SPh),
165.26,165.36(2 PhCOO),
169.82(CH3COO),
170.08,173.61(NCH2CO and NC(Me2CO).
【0250】
ESI-FT-MS,
C40H46N2O12SNa+(M+Na+)の計算値:801.26637,
実測値:801.26560.
[α]D 58.2°(c 0.1,CHCl3).
【0251】
【数29】
JP0004102263B2_000038t.gif【0252】
(19)化合物58の製造
化合物57(24mg,31μmol)を、ジクロロメタン(1ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(200μl)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップをDMF(500μl)に溶かし、フェニルイソチオシアネート(250μl,2.09mmol)と、N-メチルモルフォリン(60μl)を加え室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、酢酸エチルを加え、水で洗浄し、NaSOにて乾燥後濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニルチオカルバモイル化された化合物を大まかに分け、真空ポンプで乾燥させた。それをジクロロメタン(3ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(600μl)を加え室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、減圧濃縮し、得られたシラップをDMF(3ml)に溶かした。ジ-ターシャリー-ブチル ジカルボネート(200mg,1.06mmol)と、飽和NaHCO水溶液(2ml)を加え室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、酢酸エチルを加え、水で洗浄し、NaSOにて乾燥後濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 4-O-アセチル-2,3-ジ-O-ベンゾイル-6-O-(2-ターシャリー-ブトキシカルボニルアミノ-2-メチル-プロピオニル)-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物58,17.2mg,4段階で79%)を得た。
化合物58をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0253】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);1.44(s,9H,Me3CO),
1.46,1.47(2s,6H,NC(Me2)CO),
2.12(s,3H,Ac),
4.13(t,1H,J56=J56' 6.3Hz,H-5),
4.22(dd,1H,J56 6.3Hz,Jgem 11.4Hz,H-6),
4.34(dd,1H,J56' 6.9Hz,Jgem 11.2Hz,H-6’),
4.96 (d,1H,J12 10.0Hz,H-1),
5.46(dd,1H,J23 10.0Hz,J34 3.3Hz,H-3),
5.67(broad d,1H,J34 2.8Hz,H-4),
5.69(t,1H,J12=J23 10.0Hz,H-2),
7.30-7.98(m,15H,2PhCOO and SPh).
【0254】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);20.53(CH3COO),
25.19,25.41(NC(Me2)CO),
28.34(Me3CO),
56.08(NC(Me2)CO),
62.52(C-6),
67.56(C-4),
67.88(C-2),
72.69(C-3),
74.61(C-5),
86.92(C-1),
128.21,128.44,128.54,128.61,128.87,128.96,129.23,129.65,129.84,129.88,129.98,132.61,133,39(2PhCOO and SPh),
154.55(C=O Boc),
165.29,165.40(2PhCOO),
169.80(CH3COO),
174.31(NC(Me2CO)
【0255】
ESI-FT-MS,
C37H41NO11SNa+(M+Na+)の計算値:730.22925,
実測値:730.22911.
[α]D 67.1°(c 0.2,CHCl3).
【0256】
【数30】
JP0004102263B2_000039t.gif【0257】
(20)化合物59の製造
化合物58(12mg,17μmol)を、ジクロロメタン(1ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(200μl)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップをDMF(500μl)に溶かし、フェニルイソチオシアネート(250μl,2.09mmol)と、N-メチルモルフォリン(60μl)を加え室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、酢酸エチルを加え、水で洗浄し、NaSOにて乾燥後濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニルチオカルバモイル化された化合物を大まかに分け、真空ポンプで乾燥させた。それをジクロロメタン(1ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(200μl)を加え室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、減圧濃縮した。得られたシラップをオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 4-O-アセチル-2,3-ジ-O-ベンゾイル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物59,3.9mg,3段階で44%)を得た。
化合物59をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0258】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);2.10(s,3H,Ac),
3.97(t,1H,J5,6=J5,6' 6.5Hz,H-5),
4.40(d,2H,J5,6 7.0Hz,H-6),
4.93(d,1H,J1,2 10.0Hz,H-1),
5.34(dd,1H,J2,3 9.9Hz,J3,4 3.1Hz,H-3),
5.75(t,1H,J1,2=J2,3 10.0Hz,H-2),
7.30-7.98(m,15H,2Bz and SPh).
【0259】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);20.85(2CH3CO),
62.58(C-6),
67.40(C-4),
67.73(C-2),
75.23(C-3),
76.02(C-5),
86.62(C-1),
128.19,128.41,128.51,128.66,128.91,129.37,129.70,129.82, 129.88,132.34,132.82,133.30,133.57(2PhCO and SPh),
165.28,165.77(C=O Bz),
170.86(C=O Ac).
【0260】
ESI-FT-MS,
C28H26O8SNa+(M+Na+)の計算値:545.12406,
実測値:545.12460.
[α]D 147.1°(c 0.2,CHCl3).
【0261】
【数31】
JP0004102263B2_000040t.gif【0262】
以上の如くして、本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するアミノ酸誘導体として、N-α-Boc-サルコシン、N-α-Boc-N-α-メチル-L-アラニン、N-α-Boc-L-フェニルグリシンを用いても、目的とする糖質誘導体の水酸基を選択的に保護し、糖鎖を合成することができた。
また、本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するアミノ酸誘導体の重合体として、N-α-Boc-サルコシンをα-アミノイソブチル酸のN末端にカップリングして得られる、アミノ酸誘導体の種類が異なる重合体を用いても、目的とする糖質誘導体の水酸基を選択的に保護し、所望の糖質誘導体を合成することが可能であると共に、N末端の保護基が異なるUCP基、つまりFmoc基とBoc基とを混在させたUCP基を用いた場合にも、同様に、アミノ酸保護基を認識し1つずつ脱保護することが可能であることが証明された。
注目されるべきことは、化合物55から化合物57の製造の結果から分かるように、UCP基の重合度が一つずつ一律に減っていくのではなく、Fmoc基を有するUCP基とBoc基を有するUCP基とを混在させることにより、重合度を減らしたいものと減らしたくないものとをコントロールすることができる点である。
【0263】
実施例3
本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するUCP基中のアミノ基のアルキル化が及ぼす、糖質誘導体の水酸基の保護基としての安定性を検証した。
【0264】
(1)化合物61の製造
実施例1の化合物16より2段階で得られる化合物60(1g,2.27mmol)をジクロロメタン(20ml)に溶かし、N-α-Fmoc-グリシン(2.3g,7.74mmol)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(475mg,3.89mmol)、1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(913μl,5.83mmol)を順次加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 4,6-ジ-O-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-2,3-ジ-O-ピバロイル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物61,1.923g,85%)を得た。
化合物61をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0265】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);1.09,1.22(2s,18H,2Piv),
3.93,4.03(2t,4H,Jgem=JNH,CH2 6.2Hz,2NCH2CO),
4.01(m,1H,H-5),
4.20(m,2H,H-9 2Fmoc),
4.24(m,2H,H-6),
4.38(m,4H,CH2 2Fmoc),
4.74(d,1H,J1,2 10.0Hz,H-1),
5.13(dd,1H,J2,3 9.9Hz,J3,4 3.3Hz,H-3),
5.26(t,1H,J1,2=J2,3 10.0Hz,H-2),
5.39(broad d,2H,2NH),
5.55(d,1H,J3,4 2.7Hz,H-4),
7.26-7.74(m,21H,Ar 2Fmoc and SPh).
【0266】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);26.93,27.10(2Me3CO),
38.73,38.77(2Me3CO),
42.46,42.54(2NCH2CO),
47.03(C-9 2Fmoc),
61.76(C-6),
66.59(C-2),
67.23,67.28(CH2 2Fmoc),
68.17(C-4),
71.40(C-3),
73.83(C-5),
87.01(C-1),
119.93,125.07,127.04,127.68,128.42,128.97,132.21,132.83,141.25,143.75(Ar 2Fmoc and SPh),
156.33,156.40(C=O 2Fmoc),
169.55(2NCH2CO),
176.39,177.18(C=O 2Piv).
【0267】
ESI-FT-MS,
C56H59N2O13S+(M+H+)の計算値:999.37324,
実測値:999.37383.
[α]D-5.5°(c 0.9,CHCl3).
【0268】
(2)化合物62,63および64の製造
化合物61(2mg,2.0μmol)をDMF(24μl)に溶かし、ピペリジン(6μl)を加えた。50分、2時間、2時間半、3時間半、5時間、11時間半、23時間後にそれぞれ反応液を少し取り、薄層クロマトグラフィー(TLC)(展開溶媒;クロロホルム:メタノール=3:1)にて、反応の進行具合をチェックし、デンシトメーターによりスポットの相対濃度を測定し、グラフ化した。
図1に、化合物61、62および63の相対濃度の経時的変化のグラフを示す。
【0269】
【数32】
JP0004102263B2_000041t.gif【0270】
(3)化合物65の製造
前記の化合物60(1g,2.27mmol)をジクロロメタン(13ml)に溶かし、実施例1の化合物5(2.5g,6.80mmol)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(555mg,4.54mmol)、1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(889μl,5.68mmol)を順次加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)よりフェニル 4,6-ジ-O-{[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-2,3-ジ-O-ピバロイル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物65,2.43g,94%)を得た。
化合物65をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0271】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.67-0.89(m,12H,4CH3CH2),
1.04,1.05,1.10,1.10,1.20,1.21,1.21(7s,18H,2Piv),
1.23-1.50(m,8H,4CH3CH2),
3.51-3.87(m,4H,NCH2CO),
3.63(m,2H,2(CH3CH22CH),
3.92(m,2H,H-6),
3.78,3.99(2m,1H,H-5),
4.20(m,1H,H-9 2Fmoc),
4.33-4.53(m,2H,CH2 2Fmoc),
4.58,4.74(2d,1H,J1,2 10.1,10.0Hz,H-1),
5.04,5.12(2dd,1H,J2,3 10.0,9.9Hz,J3,4 3.3,3.4Hz,H-3),
5.22,5.26(2t,1H,J1,2=J2,3 10.0,10.0Hz,H-2),
5.43,5.50(2d,1H,J3,4 2.4,2.8Hz,H-4),
7.26-7.76(m,21H,Ar 2Fmoc and SPh).
【0272】
13C-NMR (150 MHz,CDCl3
δ(ppm);10.90,10.95,11.06(4CH3CH2),
25.86,25.94,26.02,26.27(4CH3CH2),
26.94,27.10(2Me3CO),
38.73 (2Me3CO),
42.17(2NCH2CO),
47.25,47.30,47.38,47.51(C-9 2Fmoc),
59.48,59.68(2(CH3CH22CH),
59.95(C-6),
66.75,66.88(C-2),
67.13,67.21(CH2 2Fmoc),
67.39(C-4),
71.50(C-3),
74.39(C-5),
87.08(C-1),
119.83,119.87,124.86,124.91,124.96,126.99,127.55,128.86,128.90,132.15,132.59,141.27,141.36,144.01,144.05(Ar 2Fmoc and SPh),
156.54,156.69,156.79(C=O 2Fmoc).
【0273】
ESI-FT-MS,
C66H78N2O13SNa+(M+Na+)の計算値:1161.51168,
実測値:1161.51117.
[α]D 0.2°(c 1.2,CHCl3).
【0274】
(4)化合物66,67および68の製造
化合物65(2mg,2.0μmol)をDMF(24μl)に溶かし、ピペリジン(6μl)を加えた。5時間半、11時間半、23時間後にそれぞれ反応液を少し取り、薄層クロマトグラフィー(TLC)(展開溶媒;酢酸エチル:トルエン=3:1)にて、反応の進行具合をチェックし、デンシトメーターによりスポットの相対濃度を測定し、グラフ化した。
図2に、化合物66および67の相対濃度の経時的変化のグラフを示す。尚、化合物68については、23時間後においても観測されなかった。
【0275】
【数33】
JP0004102263B2_000042t.gif【0276】
図1および図2から明らかなように、本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するUCP基中のアミノ基に1-エチル-プロピル基が導入されたもの(化合物65)の方が、何も導入しないもの(化合物61)よりも20% ピペリジン/DMF中で、18倍も安定性が増加し、水酸基を遊離させにくかった。
以上の結果から、本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するUCP基中のアミノ基には、アルキル基がある方が水酸基の保護基としての安定性が増すことが証明された。
【0277】
実施例4
本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するUCP基中のアミノ基がアルキル化されているが、N末端のアミノ基がFmoc基またはBoc基により保護されていない場合の、糖質誘導体の水酸基の保護基としての安定性を検証した。
【0278】
(1)化合物69の製造
実施例3の化合物65(500mg,439μmol)をDMF(1.2ml)に溶かし、ピペリジン(300μl)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=3:1)よりフェニル 4,6-ジ-O-[(1-エチル-プロピルアミノ)-アセチル]-2,3-ジ-O-ピバロイル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物69,289mg,95%)を得た。
化合物69をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0279】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.88(m,12H,4CH3CH2),
1.10,1.21(2s,18H,2Piv),
1.40(m,8H,4CH3CH2),
2.36(m,2H,2(CH3CH22CH),
3.39,3.42,3.43,3.51(4d,4H,Jgem 16.8,16.8,18.1,18.1Hz,2NCH2CO),
3.98(t,1H,J56 =J56' 6.7Hz,H-5),
4.13(dd,1H,J56 6.2Hz,Jgem 11.3Hz,H-6),
4.26(dd,1H,J56' 7.0Hz,Jgem 11.4Hz,H-6’),
4.74(d,1H,J12 10.0Hz,H-1),
5.11(dd,1H,J23 9.9Hz,J34 3.4Hz,H-3),
5.28(t,1H,J12=J23 10.0Hz,H-2),
5.51(broad d,1H,J34 3.3Hz,H-4),
7.32-7.50(m,5H,SPh).
【0280】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);9.70(4CH3CH2),
25.65(4CH3CH2),
26.96,27.11(2Me3CCOO),
38.75,38.77(2Me3CCOO),
48.03,48.24(2NCH2CO),
59.57,59.60(2(CH3CH22CH),
61.81(C-6),
66.80(C-2),
67.60(C-4),
71.71(C-3),
74.40(C-5),
87.06(C-1),
128.28,128.92,132.70(SPh),
172.23,172.36(2NCH2CO),
176.53,177.13(2Me3CCOO).
【0281】
ESI-FT-MS,
C36H59N2O9S+(M+H+)の計算値:695.39358,
実測値:695.39281.
[α]D -1.1°(c 0.7,CHCl3).
【0282】
【数34】
JP0004102263B2_000043t.gif【0283】
(2)化合物70および71の製造
実験1;乾燥状態の化合物69(各2mg,2.8μmol)を室温および、3℃にて放置し、1日後、薄層クロマトグラフィー(TLC)(展開溶媒;酢酸エチル:トルエン=3:1)にて、反応の進行具合をチェックし、デンシトメーターによりスポットの相対濃度を測定し、グラフ化した。
図3に各温度における化合物69、70および71の成分比を示す。
【0284】
実験2;乾燥状態の化合物69(2mg,2.8μmol)をメタノール(50μl)に溶かし、室温にて放置し、5時間、および17時間後、薄層クロマトグラフィー(TLC)(展開溶媒;酢酸エチル:トルエン=3:1)にて、反応の進行具合をチェックし、デンシトメーターによりスポットの相対濃度を測定し、グラフ化した。
図4に各時間における化合物69、70および71の成分比を示す。
【0285】
【数35】
JP0004102263B2_000044t.gif【0286】
図3から明らかなように、アミノ基がFmoc基またはBoc基により保護されていない場合は、乾燥状態において24時間後、一級水酸基で20%、二級水酸基でも~5%ほど脱離してしまうことが判明した。
また、図4から明らかなように、メタノールに溶かして保存すると、5時間で、一級水酸基で75%、二級水酸基でも40%ほど脱離し、17時間後にはすべての水酸基の保護基が脱離していた。
しかし、いずれにおいてもFmoc基またはBoc基により保護されている場合は、1ヶ月たっても何も変化がみられず、安定に存在していた。
これにより、本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するUCP基中のN末端アミノ基がFmoc基またはBoc基により保護されている必要性が安定性の上から証明できた。
【0287】
実施例5
糖質誘導体の水酸基の保護基として、UCP基のアミノ基がアルキル化されており、Fmoc基、またはBoc基により保護されていない時における、糖質誘導体の縮合反応への使用可能性を検証した.
【0288】
(1)化合物73の製造
D-ガラクトース ペンタアセテートより6段階で得られる化合物72(30mg,60μmol)と,実施例4の化合物69(62mg,89μmol)をジクロロメタン(500μl)に溶かし、モレキュラーシーブス 4Å(100mg)を加え、-40℃に冷やした。その後、N-イオドスクシンイミド(40mg,178μmol)と、トリフルオロメタンスルホン酸(2.4μl,27μmol)を加え、-40℃にて3時間攪拌した。反応液を少し取り、薄層クロマトグラフィー(TLC)(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:1)にて、反応の進行具合をチェックし、さらにESI-FT-MSにより目的産物の有無を測定した。しかし、いずれにおいても化合物73を検出できなかった。
【0289】
すなわち、NIS,TfOHを縮合プロモーターに用いる反応において、全く目的とする2糖が得られず、アクセプター(化合物72)もそのままの状態で回収された。
このことから、アミノ基がFmoc基またはBoc基により保護されていないUCP基は、糖鎖合成の際の縮合反応に使用することができないことが証明された。言い換えると、本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するUCP基のN末端アミノ基が、Fmoc基またはBoc基により保護されているために、糖鎖合成の際の水酸基の保護基として有用であることが証明された。(実施例1および2参照)。
【0290】
【数36】
JP0004102263B2_000045t.gif【0291】
実施例6
糖質誘導体の水酸基の保護基として、本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するUCP基のN末端アミノ酸がFmoc基により保護されている時の、糖鎖合成における使用限界を検証した。
【0292】
(1)化合物74の製造
実施例1の化合物16(20mg,55μmol)をジクロロメタン(500μl)に溶かし、実施例1の化合物7(32mg,67μmol)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(14mg,115μmol)、1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(17μl,109μmol)を順次加え、室温にて1時間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)よりフェニル 4,6-O-ベンジリデン-3-O-[((1-エチル-プロピル)-{2-[(1-エチル-プロピル)-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-アミノ]-アセチル}-アミノ)-アセチル]-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物74,20mg,43%)を得た。
化合物74をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0293】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);0.65-0.92(m,12H,4CH3CH2),
1.19-1.52(m,8H,4CH3CH2),
3.34(m,2H,2(CH3CH22CH),
3.54(m,1H,H-5),
3.56,3.56,3.98,4.06(4d,4H,Jgem 16.6,16.4,16.8,16.4Hz,2NCH2CO),
3.97,4.34(2d,2H,Jgem 11.3,11.1Hz,H-6),
4.00(t,1H,J1,2=J2,3 9.5Hz,H-2),
4.27(t,2H,JH-9,CH=JH-9,CH' 6.5Hz,H-9 Fmoc),
4.34(d,1H,J3,4 3.7Hz,H-4),
4.46(dd,1H,Jgem 10.8Hz,JCH,H-9 6.5Hz,CH2-Fmoc),
4.56(dd,1H,Jgem 10.7Hz,JCH'H-9 6.1Hz,CH2’-Fmoc),
4.59,4.67(2d,1H,J1,2 9.4,9.6Hz,H-1),
4.91,4.99(2dd,1H,J2,3 9.4,9.6Hz,J3,4 3.6,3.5Hz,H-3),
5.42,5.47(2s,1H,PhCH),
7.22-7.75(m,18H,Ar Fmoc,PhCH and SPh).
【0294】
13C-NMR(150MHz,CDCl
δ(ppm);10.98,11.00,11.17,11.34(4CH3CH2),
25.64,26.10,26.50(4CH3CH2),
43.61,43.80(2NCH2CO),
47.30,47.37(C-9 Fmoc),
59.95,60.52,60.61(2(CH3CH22CH),
65.63(C-2),
67.44,67.55(CH2 Fmoc),
69.15,69.26(C-6),
69.44(C-5),
73.50(C-4),
87.34(C-1),
101.09,101.16(PhCH),
119.76,125.13,125.27,126.52,126.97,127.04,127.49,127.96,128.62,128.98,132.42,133.33,133.57,137.85,141.28,141.39,144.05,144.28(Ar Fmoc,PhCH and SPh),
157.35(C=O Fmoc),
169.04,169.18(NCH2CO).
【0295】
ESI-FT-MS,
C48H56N2O9SNa+(M+Na+)の計算値:859.35987,
実測値:859.35933.
[α]D -0.2°(c 0.7,CHCl3).
【0296】
(2)化合物75および76の製造
化合物74(10mg,12μmol)をDMF(160μl)に溶かし、ピペリジン(40μl)を加え、室温にて10分間攪拌した。反応終了確認後減圧濃縮し、得られたシラップはオープンカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=3:1)よりフェニル 4,6-O-ベンジリデン-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(化合物76,4.2mg,98%)を得た。化合物75は得られなかった。
化合物76をNMR、質量分析装置および旋光度計で測定した結果を、以下に示す。
【0297】
H-NMR(600MHz,CDCl
δ(ppm);3.54(d,1H,J5,6 1.2Hz,H-5),
3.68(m,2H,H-2 and H-3),
4.02(dd,1H,J5,6 1.8Hz,Jgem 12.4Hz,H-6),
4.20(d,1H,J3,4 1.9Hz,H-4),
4.37(dd,1H,J5,6' 1.5Hz,Jgem 12.4Hz,H-6’),
4.50(broad d,1H,J1,2 9.2Hz,H-1),
5.51(s,1H,PhCH),
7.26-7.99(m,10H,PhCH and SPh).
【0298】
13C-NMR(150MHz,CDCl3
δ(ppm);68.76,73.79 (C-2 and C-3),
69.27(C-6),
70.04(C-5),
75.37(C-4),
86.98(C-1),
101.38(PhCH),
126.52,128.17,128.23,128.37,128.93,129.34,130.81,133.68,137.60(PhCH and SPh).
【0299】
ESI-FT-MS,
C19H21O5S+(M+Na+)の計算値:361.11042,
実測値:361.10966.
[α]D -32.1°(c 1.2,CHCl3).
【0300】
【数37】
JP0004102263B2_000046t.gif【0301】
以上より、本発明の保護された水酸基を有する化合物の水酸基を保護するUCP基のN末端アミノ基がFmoc基により保護されており、かつ2量体である場合は、糖質誘導体の水酸基に結合させた後にFmoc基を除去するために20% ピペリジン/DMFを作用させたところ、Fmoc基だけが切れる代わりに、2量体のUCP基が根こそぎ除去されてしまった。つまり、2量体のUCP基が自ら環を巻き切れたものと思われる。つまり、糖質誘導体の水酸基の保護基としての、2量体のUCP基のN末端の保護基として、Fmoc基を用いることができないことを証明した。
しかし一方、UCP基のN末端アミノ基をBoc基にて保護した際は何ら使用制限がなく、すべての重合度のUCP基に用いることができた。
【0302】
【発明の効果】
本発明により、水酸基の保護基としてのUCP基で保護された水酸基を有する化合物、その製造法およびその用途が提供される。
上記化合物として、例えば、他の化合物を結合させたい水酸基について重合度を適宜調整したUCP基が導入された化合物について、重合度の低いものから順に水酸基からUCP基を脱保護して水酸基を遊離させることによって、遊離する水酸基に順位をつけ、順次これに他の化合物を縮合させることによって極めて複雑な構造の有機化合物を得ることができる。
このように、水酸基の保護基としてのUCP基の重合度を調節するだけで、遊離させたい水酸基に順位をつけることができるため、脱保護の試薬も操作も単純化される。特に、多くの水酸基を有する糖質、複合糖質、またはそれらの誘導体でも、単にUCP基の重合度を変えるだけで選択性を持たせて脱保護することが可能であり、理論上無限の水酸基に対応できる。
したがって、本発明の化合物を用いた有機化合物の合成方法は、糖鎖ライブラリーの調製や自動合成機に応用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 化合物62、63および64の相対濃度の経時的変化のグラフである。
【図2】 化合物66および67の相対濃度の経時的変化のグラフある。
【図3】 室温および3℃下における化合物69、70および71の成分比を示す。
【図4】 反応時間5時間および17時間における化合物69、70および71の成分比を示す。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3