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明細書 :発酵食品素材を含有する食品の製造法及び本製造法によって得られる食品

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3742880号 (P3742880)
公開番号 特開2005-087055 (P2005-087055A)
登録日 平成17年11月25日(2005.11.25)
発行日 平成18年2月8日(2006.2.8)
公開日 平成17年4月7日(2005.4.7)
発明の名称または考案の名称 発酵食品素材を含有する食品の製造法及び本製造法によって得られる食品
国際特許分類 A21D   2/36        (2006.01)
A21D  13/00        (2006.01)
A23L   1/16        (2006.01)
FI A21D 2/36
A21D 13/00
A23L 1/16 A
請求項の数または発明の数 6
全頁数 15
出願番号 特願2003-323003 (P2003-323003)
出願日 平成15年9月16日(2003.9.16)
審査請求日 平成15年9月16日(2003.9.16)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構
発明者または考案者 【氏名】山内 宏昭
【氏名】野田 高弘
【氏名】遠藤 千絵
【氏名】瀧川 重信
【氏名】斎藤 勝一
【氏名】小田 有二
個別代理人の代理人 【識別番号】100063565、【弁理士】、【氏名又は名称】小橋 信淳
【識別番号】100118898、【弁理士】、【氏名又は名称】小橋 立昌
審査官 【審査官】村上 騎見高
参考文献・文献 特開2003-024000(JP,A)
特開昭62-179359(JP,A)
特開昭62-096057(JP,A)
特開昭63-273447(JP,A)
特開昭60-164451(JP,A)
調査した分野 A21D 2/00 - 17/00
A23L 1/16 - 1/162
特許請求の範囲 【請求項1】
芋類、豆類、根菜類からデンプン、糖類、タンパク質及び脂質を抽出した残渣を糸状菌により発酵した素材を含有するパン類及び麺類であることを特徴とする発酵食品素材を含有する食品の製造法。
【請求項2】
発酵する残渣が馬鈴薯、甘藷、大豆、小豆、ビート由来の残渣であることを特徴とする請求項1記載の発酵食品素材を含有する食品の製造法。
【請求項3】
発酵する残渣が大豆、小豆由来の残渣であることを特徴とする請求項1又は2記載の発酵食品素材を含有する食品の製造法。
【請求項4】
残渣の発酵に用いる糸状菌がリゾプス・オリゼ及びアミロマイセス・ルキシであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の発酵食品素材を含有する食品の製造法。
【請求項5】
残渣の発酵に用いる糸状菌がアミロマイセス・ルキシであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の発酵食品素材を含有する食品の製造法。
【請求項6】
請求項1、2、3、4又は5記載の製造法によって製造されるパン類及び麺類であることを特徴とする発酵食品素材を含有する食品の製造法によって得られる食品。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、芋類、豆類、根菜類からデンプン、糖類、タンパク質及び脂質等を抽出した残渣を糸状菌により発酵した素材を含有するパン類及び麺類の製造法と本製造法によって得られるパン類及び麺類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
芋類、豆類、根菜類の処理過程で出る残渣は、日本国内においても多量に発生しており、例えば、デンプン原料用の馬鈴薯の処理過程で発生するポテトパルプが約10万トン、大豆おからが約7万トン、甘藷デンプンの製造過程からの甘藷粕が約2万トン、ビートファイバー約3万トン等、まとまって発生するものだけでも優に20万トン以上が発生している。これらの残渣はその種類によって含まれる栄養成分は異なるが、通常、粗繊維(セルロース、ヘミセルロース、ペクチン等)、デンプン、粗タンパク質、ミネラル等の豊富な栄養源を含んでいる。これらの残渣については、おからドーナツ、おからコロッケ、ビートファイバーコロッケ等の開発など種々の試みや検討が、例えば特許文献1及び特許文献2に見られるように行われ、多くの技術が開示されると共に、一部では利用されている。しかしながら、その大部分が堆肥化や焼却処理されており、ほとんどは有効利用されていないのが現状である。その理由としては、これらの残渣の嗜好性が低く、また、一度に多量に発生し、保存中に腐敗等により品質が劣化すること、消費量の莫大なパン類、麺類等の小麦粉食品にこれらの残渣を添加した場合、著しく製パン性、製麺性、風味・食感の低下が起こり、その利用が非常に制限されること等が挙げられる。
【0003】

【特許文献1】特開昭60-164451号公報
【特許文献2】特開昭62-285771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況から、上記の残渣を多量に有効利用法する方法として、消費量の莫大なパン類、麺類への利用法の開発が強く求められており、それを実現する方法として、これらをパン類、麺類に添加した場合の製パン性、製麺性、風味・食感の低下を最小にする技術の開発が強く求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の問題を解決するため上記の作物残渣の微生物発酵によって残渣中の多糖類を適度に分解することによって、これらの残渣の製パン性、製麺性が向上するのではないかと考え、鋭意研究した結果、本発明を完成した。一般的に、残渣中に残存する澱粉質、粗繊維質等の多糖類を適度に分解し、乳酸発酵させれば保存性及び嗜好性が向上すると共に、製パン性、製麺性に悪い影響を与えると考えられる多糖類が減少し、これらの特性が改善することが期待される。乳酸発酵は、ラクトバチルス属あるいはストレプトコッカス属などの乳酸菌で行うのが一般的である。しかし、上記の作物残渣には乳酸菌の生育に必須のアミノ酸やビタミン類が少ないために増殖が限られて、乳酸はわずかしか生成しない。ここで注目されるのが、乏しい栄養源でも旺盛に増殖する糸状菌である。中国のコウリャン酒やインドネシアの大豆発酵食品テンペ、米発酵食品タペに利用されているリゾプス属糸状菌、アミロマイセス糸状菌にはフマール酸や乳酸等の有機酸を生成する菌株があり、そのうちのリゾプス・オリゼ、アミロマイセス・ルキシには好気的条件下で大量の有機酸をつくるものが多い。
【0006】
そこで、本発明者らは、鋭意研究した結果、各種作物残渣をリゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)、アミロマイセス・ルキシ(Amylomyces rouxii)のような有機酸生成能の高い糸状菌によって有機酸発酵することにより、旺盛な発酵が速やかに起こり、好ましい風味と食感を備えた食品素材へと加工できることを明らかにした。また、これらの発酵生産物をパン類、麺類に添加した結果、未発酵残渣に比べ製パン性、製麺性の低下が少なく、多量に残渣をパン類、麺類に添加できることを発見し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0007】
本発明の発酵食品素材を含有する食品製造技術により、これまでほとんど有効利用されていなかった各種農作物残渣のパン類、麺類への有効利用が可能になる。これにより、農作物残渣に多量の食物繊維が含まれていることから、現代人に不足がちな食物繊維をパン類、麺類から簡単、効率的に摂取することが可能になる。また、これまでほとんど廃棄処分になっていた残渣の有効利用により循環型社会への多大な寄与も期待できる。
【0008】
以上のように、本発明により、現代人の健康維持に寄与できる高品質の食品を安価に提供できる共に、残渣の廃棄コストの低下、環境汚染の低減等食品産業の振興、環境保全に多大な寄与が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明でいう糸状菌とは、菌体外のデンプン類、粗繊維類等を分解し、これを有機酸に変換する能力を備えた菌であれば特に限定はしない。好ましくは、有機酸生成能の高いリゾプス・オリゼ、アミロマイセス・ルキシであり、特に好ましくは、残渣発酵物がマイルドで爽やかな風味を呈するアミロマイセス・ルキシである。また、本発明でいう芋類とは、馬鈴薯、甘藷、里芋、山芋、長芋等であり、好ましくは馬鈴薯、甘藷である。豆類としては、大豆、小豆、緑豆、黒目豆、レンズ豆、ひよこ豆、空豆、隠元豆、虎豆、金時豆、うずら豆、なた豆、四角豆、藤豆等であり、好ましくは大豆、小豆である。根菜類としては、ビート、大根、人参、ごぼう、かぶ、ニンニク、玉葱等であり、好ましくはビートである。
【0010】
通常は、滅菌した農作物残渣に糸状菌の菌体、胞子懸濁液を添加し、ポリエチレン袋に入れて25℃で3日間発酵させる。発酵物は、もとの残渣よりも色が少し濃くなっており、わずかに酸味のきいた好ましい香りになる。添加する菌体量、胞子量は、菌体の場合、残渣に対して0.1%~5%が好ましく、さらに好ましくは0.5%~2%である。胞子の場合、残渣1g当たり10から10個が好ましく、さらに好ましくは10個である。発酵温度は20~30℃が好ましく、この範囲以下では乳酸生成量が低く、これ以上では糸状菌の菌糸が発酵物表面を覆い、香味が悪化する場合がある。いずれにしろ、発酵温度、時間などの条件は使用する残渣や糸状菌の添加量などを勘案し、適当に決定すればよい。
【0011】
本発明のパン類とは、小麦粉に、その他の穀粉、油脂、糖類、粉乳、膨張剤、食塩、調味料、香料、乳化剤、イースト、イーストフード、酸化剤、還元剤、及び各種酵素類等の原料の全部または一部に、水、その他の物を加えて混合し製造された生地を蒸す、焼く、揚げる、煮る等の加熱調理をすることによってできるパン類のことである。例えば、食パン、バターロール、菓子パン、フランスパン、デニッシュペーストリー、ハードロール、発酵ドーナッツ等を挙げることができる。
【0012】
本発明でいう麺類とは、穀物粉より練りドウを作り製造される麺類の全てが包含される。例えば、かん水を使用した中華麺、うどん、そば等の和風麺、ラザニア、スパゲッティ、マカロニ等のパスタ類、ワンタンの皮、餃子の皮等を挙げることができる。
【実施例1】
【0013】
次に、以下に示す実施例(比較例を含む)に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【実施例2】
【0014】
有機酸生成能の高い糸状菌リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)、アミロマイセス・ルキシ(Amylomyces rouxii)、比較としてテンペ製造用糸状菌リゾプス・ミクロスポルス(Rhizopus microsporus)、米麹製造用糸状菌アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)をポテトデキストロース寒天培地プレート上で、25℃、3日間培養した。得られた菌体、胞子全量を、121℃、15分間高圧滅菌しておいた水分含量約75%の大豆おから1kgに接種し、ポリエチレン袋に入れて25℃、4日間培養した。得られた発酵物は過度の発酵を停止させるため121℃、1分間高圧加熱を行った。得られた発酵物の発酵状態を評価するため発酵物の硬さ、pH、有機酸量(クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸の合計)、エタノール量、風味の官能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、硬さは発酵物を直径3cm、高さ1cmの円柱状に成形し、それに直径8mmのプランジャーを3mmまで1mm/sのスピードで突き刺した時の最大荷重(gf)により評価した。pHはpH計により直接測定した。また、有機酸とエタノールの量は、発酵物1gに蒸留水5mlを十分混和させ、遠心分離後の上澄みを用い高速液体クロマトグラフで定量した。
【0015】
表1より、試験例1、2の発酵物は、比較例に比べ発酵物の硬さが低下し、低いpHを示し良好な発酵状態を示した。結果として比較例に比べ、総量で多くの有機酸、エタノールが生成された。風味も比較例に比べ好ましい甘い発酵臭がしており、官能的には高い評価であった。特に試験例2のアミロマイセス・ルキシを用いた発酵物は、pH低下が大きく、有機酸とエタノールの総生成量も多く、風味もマイルド、爽やかで、非常に良好であった。これに対し比較例では発酵不足のため硬さ、pHが十分低下せず、風味も不十分であり、有機酸とエタノールの総生成量も少なかった。特に、この傾向は未発酵区で顕著であった。以上の結果から、大豆おからを発酵させる糸状菌としてリゾプス・オリゼ、アミロマイセス・ルキシ、特に後者が優れていることが判る。
【実施例3】
【0016】
表1に示したおから発酵物を用いて表2に示す配合でノータイム製パン法を用い山型食パンを製造し、製パン評価を行った。なお、本発明のすべての実施例においてすべての配合は小麦粉+残渣固形分100に対する重量部で示した。製パン評価は、5人のパネラーによる製パン時の生地の状態、パンの内相、食感・風味、外観の評価と菜種置換法による比容積により行った。
【0017】
(製パン工程)
以下に、製パン工程を示す。
・ミキシング:全原料をミキサーに入れ、ミキシングピーク時間後10秒程度後までミキシングする
・分割、丸目:生地量100gずつ手分割、丸目
・べンチ :30℃、20分
・成型 :モルダー、シーターにて成型
・ホイロ :温度38℃、湿度85%、70分
・焼成 :200℃、25分
【0018】
【表1】
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【0019】
【表2】
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【0020】
その結果を表2に示す。これより、発酵状態の良かったリゾプス・オリゼ、アミロマイセス・ルキシで発酵させた発酵おからを添加した試験例3、試験例4では発酵物添加による比容積の低下も少なく、生地状態、内相も小麦粉だけから製造した比較例7と遜色なかった。また、試験例3、試験例4のパンは食感・風味についても、食感がソフトで発酵おから独特の風味が付与され比較例7のパン以上の評価であった。特に、試験例4のアミロマイセス・ルキシ発酵物添加のパンはマイルドで爽やかな風味を呈し良好であった。これに対し比較例4~6ではおからの添加により生地がぶつぶつ切れやすくなり内相、食感・風味が劣っており、比容積も小さくなった。この傾向は、未発酵おから添加の比較例6において特に顕著であった。
【0021】
以上の結果から、本発明の効果は明らかであり、大豆残渣である大豆おからを上記2種の糸状菌、特にアミロマイセス・ルキシにより発酵させることによりおからを多量に添加しても食感・風味の良好なボリュームのあるパンが得られ、おからのパンへの利用性が飛躍的に向上することが判る。
【実施例4】
【0022】
試験例2のおから発酵物と同条件で大豆おから、小豆残渣、甘藷残渣、ポテトパルプ、ビートファイバーからアミロマイセス・ルキシを用い2日間発酵させ、発酵物を得た。これらの発酵物を用い表3の配合で実施例2と同条件で山型食パンを製造し、実施例2と同様に評価を行った。
【0023】
その結果を表3に示す。これより、各種農作物の加工残渣の発酵物を添加した試験例では、各残渣の未発酵物を添加した比較例に比べいずれの場合も比容積が大きく内相、食感・風味、外観の良好なパンが得られた。特に、大豆おから、小豆残渣発酵物添加区の試験例5、試験例6の結果が良好であった。また、生地状態も比較例では残渣添加により生地のつながりが悪くなり発酵後の分割・丸目・成型時に生地の表面が極端に荒れるのに対し、試験例では残渣が入っているとは思えないなめらかな生地であった。
【0024】
以上の結果から、本発明の効果は各種農作物の加工残渣にも応用可能で、本発明の技術を用いることによって、これまでパン等に添加することが困難であった各種残渣を製パン性をほとんど劣化させることなく多量にパンに添加できることが判る。
【実施例5】
【0025】
試験例2の大豆おから発酵物と小豆残渣から同条件で調製した小豆残渣発酵物を用いて表4の配合でストレート法で山型食パンを製造し、実施例2と同様に評価した。なお、製パン条件はミキシングと分割・丸目の間に30℃、80分(発酵50分でパンチ)の発酵工程が入る以外実施例2と同様である。
【0026】
その結果を表4に示す。これより、大豆おから、小豆残渣未発酵物を添加した比較例と比べ、それらの発酵物添加の試験例からは比容積が大きく、内相、食感・風味、外観良好なパンが得られ、小麦粉のみのパン(比較例15)と内相、外観的に遜色ないパンであり、風味的にはそれ以上であった。また、生地状態でも未発酵残渣添加生地では生地のつながりが悪くなり発酵後の分割、丸目、成型時に生地の表面が極端に荒れるのに対し、試験例では残渣が入っているとは思えないなめらかな生地であった。
【0027】
以上の結果から、本発明の効果は発酵を十分に取るストレート法におけるパン製造においても発揮され、本発明の技術により発酵を十分に取ったいたみやすい生地からパンを製造する製法においても多量の残渣を添加したパンが容易に製造できることが判る。
【0028】
【表3】
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【0029】
【表4】
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【実施例6】
【0030】
実施例4と同様の発酵物を用い表5に示すバターロール配合でバターロールを作成し、表5の項目について実施例2と同様に評価した。製パン条件は、配合、分割量40g、焼成時間12分以外実施例2と同条件で行った。
【0031】
その結果を表5に示す。これよりバターロールのようなリッチな配合においてもアミロマイセス・ルキシ発酵物添加のパンは、比較例の未発酵物添加のパンに比べ品質が顕著に改善され、生地状態、内相、食感・風味、パンの外観共に顕著に改善された。
【0032】
以上の結果から、本発明の効果はバターロールの様なリッチな配合のパンでも十分発揮されることが判る。
【実施例7】
【0033】
実施例4と同様の発酵物を用い表6の中華麺配合で中華麺を製造し、5人のパネラーによって官能評価を行った。中華麺の製造工程を以下に示す。
【0034】
(中華麺の製造工程)
以下に中華麺の製造工程を示す。
・ミキシング:縦型ミキサー、低速1分、中低速7分
・ロール操作:荒延1回、ロール間隙 3.0mm
複合2回、ロール間隙 3.0mm
圧延1回目、ロール間隙 2.2mm
圧延2回目、ロール間隙 1.8mm
圧延3回目、ロール間隙 最終麺厚が1.4mmになるように調節
・切り出し :切刃20番、麺の長さ25cm前後
・ゆで :沸騰水中で約4分
なお、麺の評価は、生麺の場合切り出し直後、ゆで麺の場合ゆで直後にそれぞれ行った。
【0035】
その結果を表6に示す。これより未発酵残渣添加の比較例に比べ試験例ではいずれの場合も残渣添加によっても製麺性が良好であり品質の良い中華麺が得られた。特に、試験例13の小豆残渣発酵物を添加した中華麺は総合的評価が良好であり、良好な発酵風味で食味も良好であった。これに対し比較例では麺帯のつながりが悪くぶつぶつ切れ表面も荒れかなり品質の悪い麺であった。
【0036】
以上の結果から、代表的なアルカリ性麺である中華麺においても、本発明の効果が発揮され、残渣を添加しても風味に特徴のある良好な中華麺得られることが判る。
【0037】
【表5】
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【0038】
【表6】
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【0039】
【表7】
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【実施例8】
【0040】
実施例3と同様の発酵物を用い表7の冷麺配合で冷麺を製造し、5人のパネラーによって官能評価を行った。
【0041】
(冷麺の製造工程)
冷麺の製造工程を以下に示す。
・ミキシング:縦型ミキサー、低速3分、中低速7分
・ 製麺:冷麺製造機(生粉打ち名人)を用いて
ノズル(直径2mm)からの押し出し式で製麺
・切り出し :麺の長さ25cm前後
・ゆで :沸騰水中で約4分
なお、麺の評価は、生麺の場合製麺直後、ゆで麺の場合ゆで直後にそれぞれ行った。
【0042】
その結果を表7に示す。これより未発酵残渣添加の比較例に比べ試験例ではいずれの場合も残渣添加によっても製麺性が良好であり品質の良い冷麺が得られた。特に官能評価では発酵小豆残渣を添加した試験例17の冷麺が総合的に良好であった。これに対し比較例では麺帯のつながりが悪くぶつぶつ切れ表面も荒れ品質の悪い麺であった。
【0043】
以上の結果から、冷麺のような馬鈴薯澱粉を多量に使用する特殊配合のアルカリ性麺においても本発明の効果が十分に発揮されることが判る。
【産業上の利用可能性】
【0044】
これまでほとんど有効利用されていなかった各種農作物残渣のパン類、麺類への有効利用が可能になる。これにより、農作物残渣に多量の食物繊維が含まれていることから、現代人に不足がちな食物繊維をパン類、麺類から簡単、効率的に摂取することができる。