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明細書 :溝形成装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4442724号 (P4442724)
公開番号 特開2005-194828 (P2005-194828A)
登録日 平成22年1月22日(2010.1.22)
発行日 平成22年3月31日(2010.3.31)
公開日 平成17年7月21日(2005.7.21)
発明の名称または考案の名称 溝形成装置
国際特許分類 E02F   5/02        (2006.01)
E02B  11/00        (2006.01)
FI E02F 5/02 B
E02B 11/00 Z
請求項の数または発明の数 2
全頁数 8
出願番号 特願2004-004420 (P2004-004420)
出願日 平成16年1月9日(2004.1.9)
審査請求日 平成18年10月23日(2006.10.23)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
【識別番号】596029085
【氏名又は名称】株式会社パディ研究所
発明者または考案者 【氏名】小野寺 恒雄
【氏名】藤森 新作
個別代理人の代理人 【識別番号】100086210、【弁理士】、【氏名又は名称】木戸 一彦
審査官 【審査官】加藤 範久
参考文献・文献 特開昭53-061102(JP,A)
実開昭59-014831(JP,U)
特開2003-306929(JP,A)
特開平10-252097(JP,A)
調査した分野 E02F 5/02
E02F 3/36
E02B 11/00
特許請求の範囲 【請求項1】
暗渠管を埋設するための溝を形成する溝形成装置であって、走行可能な作業機に水平方向の回動軸を介して装着される作業機装着部と、該作業機装着部の下方に連設された溝形成部と、該溝形成部が地中に挿入された状態の作業位置に対して溝形成部が作業機側の地上及び反作業機側の地上に位置する両待機位置に前記回動軸を中心として溝形成部を回動させる駆動手段とを備え、前記溝形成部は、溝形成方向前方側が先鋭化するとともに溝底部側が後退したラッセル部と、該ラッセル部の後方に連設されたバケット部とを、板材の溶接により一体化したものであって、前記ラッセル部は、1枚の中央板と該中央板両側に配置された2枚の拡幅板とにより形成されて、前記中央板の先端で地中を切り裂き、両側の前記拡幅板で土砂を左右両側に押し拡げることにより溝を形成するものであり、前記バケット部は、前記両側の拡幅板にそれぞれ連接された両側の側面板と、前記ラッセル部との間を仕切るとともにラッセル部後端を補強する仕切板と、ラッセル部を含めた底部を覆う底板とにより後端のみが開口して形成されていることを特徴とする溝形成装置。
【請求項2】
前記作業機装着部は、上部に溝型鋼を、下部に該溝型鋼の幅寸法に比べて幅狭に形成され箱状補強部とを有し、前記溝型鋼は、溝形成方向前方側に前記回動軸を挿通する一対の回動軸挿通孔と、該回動軸挿通孔の後方側に前記作業機と連結する連結軸を挿通する一対の連結軸挿通孔とをそれぞれ設け、前記箱状補強部は、形成する溝幅に対応した幅寸法を有し、該箱状補強部の側面と前記溝型鋼と間には、三角形の板状部材からなる補強部材と、四角形の板状部材を横断面が三角形状になるように組み合わせた立体的補強部材とが設けられ、前記バケット部の上部には、溝上部を広幅に形成するための拡幅部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の溝形成装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、溝形成装置に関し、詳しくは、圃場等の地中に暗渠排水パイプ等を埋設するための幅狭の溝を形成する際に使用する溝形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、水はけの悪い土地に排水暗渠を形成するための暗渠管(暗渠排水パイプ)を埋設施工する際には、パイプ外径に対応した幅狭の溝をトレンチャーにて掘削形成することが行われている。このトレンチャーは、上部の駆動用鎖車と下部の案内用ローラーとに、複数の切削刃を備えたチェーンを掛け渡し、チェーンを回転させることにより、切削刃で土砂を切削して溝を掘削形成し、切削した土砂を溝外部に排出する構造を有している(例えば、特許文献1参照。)。

【特許文献1】特開平10-252097号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、地中に石が多く存在する場合は、切削刃での切削が困難となることがあり、作業効率を低下させることがあった。また、土砂とともに石が浮き上がって溝外部の地表面に排出されて表面土と混合してしまうため、田畑ではその後の耕作作業に大きな影響を与えることになってしまう。
【0004】
そこで本発明は、暗渠管を埋設するための溝を切削(掘削)によって形成する際の不都合を解消し、土中に多くの石が存在する場合でも容易に溝を形成することができ、土中の石を溝外部の地表面に排出することもない溝形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の溝形成装置は、暗渠管を埋設するための溝を形成する溝形成装置であって、走行可能な作業機に水平方向の回動軸を介して装着される作業機装着部と、該作業機装着部の下方に連設された溝形成部と、該溝形成部が地中に挿入された状態の作業位置に対して溝形成部が作業機側の地上及び反作業機側の地上に位置する両待機位置に前記回動軸を中心として溝形成部を回動させる駆動手段とを備え、前記溝形成部は、溝形成方向前方側が先鋭化するとともに溝底部側が後退したラッセル部と、該ラッセル部の後方に連設されたバケット部とを、板材の溶接により一体化したものであって、前記ラッセル部は、1枚の中央板と該中央板両側に配置された2枚の拡幅板とにより形成されて、前記中央板の先端で地中を切り裂き、両側の前記拡幅板で土砂を左右両側に押し拡げることにより溝を形成するものであり、前記バケット部は、前記両側の拡幅板にそれぞれ連接された両側の側面板と、前記ラッセル部との間を仕切るとともにラッセル部後端を補強する仕切板と、ラッセル部を含めた底部を覆う底板とにより後端のみが開口して形成されていることを特徴とし、さらに、前記作業機装着部は、上部に溝型鋼を、下部に該溝型鋼の幅寸法に比べて幅狭に形成され箱状補強部とを有し、前記溝型鋼は、溝形成方向前方側に前記回動軸を挿通する一対の回動軸挿通孔と、該回動軸挿通孔の後方側に前記作業機と連結する連結軸を挿通する一対の連結軸挿通孔とをそれぞれ設け、前記箱状補強部は、形成する溝幅に対応した幅寸法を有し、該箱状補強部の側面と前記溝型鋼と間には、三角形の板状部材からなる補強部材と、四角形の板状部材を横断面が三角形状になるように組み合わせた立体的補強部材とが設けられ、前記バケット部の上部には、溝上部を広幅に形成するための拡幅部が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の溝形成装置によれば、溝形成部前端のラッセル部で土を切り開くようにして溝を形成し、土中に含まれる石もラッセル部によって左右いずれかに移動させる状態となるので、溝の形成を容易に行えるとともに、土中の石を地表面に排出することがなく、耕作作業に影響を与えることもない。特に、水平方向の回動軸によって回動可能な状態となっているので、溝形成部を適当に回動させることによって溝の始点や終点を最適な形状に形成でき、溝形成中に溝形成部の角度を適当に設定することによって土中の石が浮き上がることをより確実に防止できる。また、トレンチャーのような複雑な機構を有していないため、保守点検も極めて容易で、作業終了後は、作業機から取り外して簡単な清掃作業を行うだけでよく、作業コストだけでなく、管理コストの大幅な削減が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1乃至図6は、本発明の溝形成装置の一形態例を示すもので、図1は側面図、図2は正面図、図3は背面図、図4は底面図、図5は図1のV-V線断面図、図6は図1のVI-VI線断面図である。さらに、図7乃至図11は、溝形成装置を作業機であるバックホーの作業アームに装着して溝を形成する状態を示すもので、図7は溝形成作業開始前の状態を示す側面図、図8は溝形成作業開始時の状態を示す要部側面図、図9は溝形成作業中の状態を示す要部側面図、図10は溝形成作業終了時の状態を示す要部側面図、図11は溝形成作業終了後の状態を示す要部側面図である。また、図12は溝形成装置で形成した溝の断面正面図、図13は溝の施工例を示す平面図である。
【0008】
本形態例に示す溝形成装置11は、走行可能な作業機、例えばバックホー12の作業アーム13の先端に水平方向の回動軸14を介して装着される作業機装着部15と、該作業機装着部15の下方に連設された溝形成部16と、前記回動軸14を中心として溝形成部16を回動させる駆動手段、本形態例ではバックホー12の作業アーム13に設けられているショベル駆動用のシリンダー17とで形成されている。駆動手段であるシリンダー17は、リンク機構18及び連結軸19を介して作業機装着部15に連結されている。
【0009】
作業機装着部15は、その上部で、溝形成方向前方側に前記回動軸14を挿通する一対の回動軸挿通孔21が、該回動軸挿通孔21の後方側に前記連結軸19を挿通する一対の連結軸挿通孔22がそれぞれ設けられており、各挿通孔21,22の間隔や径は、作業アーム13やリンク機構18の形状(寸法)に対応させて設定されている。
【0010】
作業機装着部15の下部は、形成する溝幅に対応した幅寸法を有する箱状補強部23が設けられており、この箱状補強部23の下部に前記溝形成部16が一体的に形成されている。また、箱状補強部23は、前記挿通孔21,22を設ける溝型鋼(コ字状部材)24の幅寸法に比べて幅狭に形成されるため、箱状補強部23の側面とコ字状部材24と間には、三角形の板状部材からなる補強部材25と、四角形の板状部材を横断面が三角形状になるように組み合わせた立体的補強部材26とが設けられている。
【0011】
前記溝形成部16は、溝形成方向前方側が先鋭化するとともに溝底部側が後退したラッセル部31と、該ラッセル部31の後方に連設されて後端のみが開口したバケット部32とを有しており、さらに、バケット部32の上部には、溝上部を広幅に形成するための拡幅部33が設けられている。
【0012】
この溝形成部16は、所定形状の板材を溶接により一体化したものであって、ラッセル部31は、1枚の中央板34と2枚の拡幅板35とにより形成され、バケット部32は両側の側面板36と、ラッセル部31との間を仕切るとともにラッセル部後端を補強する仕切板37と、ラッセル部31を含めた底部を覆う底板38とにより形成され、拡幅部33は2枚の三角形状材39を三角錐状に組み合わせて形成されている。すなわち、溝形成部16は、ラッセル部31の中央板34の先端で地中を切り裂き、両側の拡幅板35で土砂を左右両側に押し拡げることにより、所定幅で所定深さの溝を形成するようにしている。
【0013】
次に、このように形成した溝形成装置11を使用して溝を形成する手順を説明する。まず、図5に示すように、溝形成装置11の駆動手段となるシリンダー17及びアーム操作用シリンダー41,42を作動させ、溝形成装置11をバックホー12から遠い位置の反作業機側の待機位置に回動させるとともに、溝を形成する土地43の端部に位置させる。この状態でシリンダー17を伸長方向に操作し、溝形成部16を回動軸14を中心として回動させ、図8に示すように、溝形成部16を地中に進入させて溝形成部16の上端や挿通孔21,22が略水平方向を向く状態とする。
【0014】
この状態で、各シリンダー17,41,42を作動させ、図9に示すように、溝形成部16をバックホー12側に向けて地中を進行させると、ラッセル部31によって土砂が切り開かれ、溝形成部16が通過した後に、所定幅で所定深さの溝44が形成される。同時に、拡幅部33によって溝44の上部壁面が両側に押し拡げられることにより、上部開口側に拡開部45が形成される。この溝形成時において、ラッセル部31の溝底部側が後退した形状にとなっているので、地中に存在する石は、形成される溝44の側方及び下方に向けて押しつけられることになり、地表面に上昇することはない。
【0015】
なお、溝形成部16及び作業アーム13の位置を固定した状態で、バックホー12を溝形成方向に走行させることによっても溝44を形成することができ、バックホー12の走行と各シリンダーの操作とを併用することもできる。
【0016】
そして、図10に示すように、溝形成部16が所定位置に到達したら、溝形成装置11を作業機側の待機位置に回動させて溝形成部16を地中から引き抜く。そして、図11に示すように、溝形成装置11を上方に吊り上げた状態で、バックホー12を次の溝形成位置に移動させ、前記同様の手順で溝44を順次形成することにより、図12及び図13に示すように、暗渠管46を埋設するための所定形状の溝44を所定間隔で形成することができる。
【0017】
形成する溝44の深さは、地中への溝形成部16の挿入量によって調整することができ、各シリンダー17,41,42を適当に作動させることにより、溝44に水勾配を形成することも可能である。さらに、溝形成部16の挿入角度を調整することにより、土中の石の浮き上がりをより確実に防止することができる。このようにしてラッセル部31で形成された溝44は、これに続く側面板36及び底板38で均されることにより形状が安定化する。
【0018】
このように、溝形成装置11を移動させるだけで所定形状の溝44を形成することができ、単純な構成であるから溝形成時に大きな力を加えても溝形成装置11が破損することはほとんどないので、地中に石が多い場合でも、トレンチャーに比べて容易に溝44を形成することができる。また、溝44の始点及び終点で溝形成装置11を回動軸14を中心として作業機側あるいは反作業機側の任意の方向に回動させることにより、溝44の両端を好適な形状とすることができる。さらに、溝44の端部を垂直に形成したり、溝形成後に溝内に落下した土砂等を排除するときには、溝形成部16を逆方向に移動させることにより、バケット部32で溝内の土砂等をすくい取ることができ、また、バケット部32のみを利用して溝を形成することも可能である。
【0019】
お、作業機としては、バックホーに限らず、回動軸と駆動手段とを備えていれば、トラクター等も使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の溝形成装置の一形態例を示す側面図である。
【図2】同じく正面図である。
【図3】同じく背面図である。
【図4】同じく底面図である。
【図5】図1のV-V線断面図である。
【図6】図1のVI-VI線断面図である。
【図7】溝形成作業開始前の状態を示す側面図である。
【図8】溝形成作業開始時の状態を示す要部側面図である。
【図9】溝形成作業中の状態を示す要部側面図である。
【図10】溝形成作業終了時の状態を示す要部側面図である。
【図11】溝形成作業終了後の状態を示す要部側面図である。
【図12】溝形成装置で形成した溝の断面正面図である。
【図13】溝の施工例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0021】
11…溝形成装置、12…バックホー、13…作業アーム、14…回動軸、15…作業機装着部、16…溝形成部、17…シリンダー、18…リンク機構、19…連結軸、21…回動軸挿通孔、22…連結軸挿通孔、23…箱状補強部、24…コ字状部材、25…補強部材、26…立体的補強部材、31…ラッセル部、32…バケット部、33…拡幅部、34…中央板、35…拡幅板、36…側面板、37…仕切板、38…底板、39…三角形状材、41,42…アーム操作用シリンダー、43…土地、44…溝、45…拡開部、46…暗渠管
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
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【図13】
12