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明細書 :電極バンプ及びその製造並びにその接続方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4480417号 (P4480417)
公開番号 特開2005-243714 (P2005-243714A)
登録日 平成22年3月26日(2010.3.26)
発行日 平成22年6月16日(2010.6.16)
公開日 平成17年9月8日(2005.9.8)
発明の名称または考案の名称 電極バンプ及びその製造並びにその接続方法
国際特許分類 H01L  21/60        (2006.01)
FI H01L 21/92 604F
H01L 21/92 602G
H01L 21/60 311Q
請求項の数または発明の数 9
全頁数 13
出願番号 特願2004-048252 (P2004-048252)
出願日 平成16年2月24日(2004.2.24)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 2003年8月30日 (社)応用物理学会発行の「2003年(平成15年)秋季 第64回応用物理学会学術講演会講演予稿集 第2分冊」に発表
審査請求日 平成19年1月9日(2007.1.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】浅野 種正
【氏名】渡辺 直也
個別代理人の代理人 【識別番号】100099634、【弁理士】、【氏名又は名称】平井 安雄
審査官 【審査官】市川 裕司
参考文献・文献 特開2002-093842(JP,A)
特開平11-097471(JP,A)
特開2000-243785(JP,A)
特開2003-068778(JP,A)
調査した分野 H01L 21/60
特許請求の範囲 【請求項1】
半導体チップの電極パッド上に配設され、他の半導体チップ又は回路基板の電極パッドに当接して接続する電極バンプを基部から先端部に向かって先細状の錐形状にて形成する電極バンプの製造方法において、
前記電極バンプの錐形状に対応する凹形状の凹部を複雑連設される鋳型に金属バンプ材を堆積させ、当該堆積した金属バンプ材を前記各凹部相互間の境界部分が露出するまで切削し、
当該切削された金属バンプ材の底面を含む前記錐形状の斜め側面の下部を各々露出させる頭出しを行うことを
特徴とする電極バンプの製造方法。
【請求項2】
前記請求項に記載の電極バンプの製造方法において、
前記鋳型の凹部に導電性のシード層を形成し、当該シード層に電解鍍金を施して各凹部に金属バンプ材を充填することを
特徴とする電極バンプの製造方法。
【請求項3】
前記請求項に記載の電極バンプの製造方法において、
前記鋳型の表面に導電性のシード層を形成し、当該シード層上の前記凹部以外の境界部分に非導電性のレジスト層を積層形成し、前記シード層が露出部分の各凹部に電解鍍金を施して各凹部に金属バンプ材を充填することを
特徴とする電極バンプの製造方法。
【請求項4】
前記請求項1ないし3のいずれかに記載の電極バンプの製造方法において、
前記鋳型がシリコンの結晶面間による化学的蝕刻性の違いにより凹部を形成されることを
特徴とする電極バンプの製造方法。
【請求項5】
前記請求項1ないし3のいずれかに記載の電極バンプの製造方法において、
前記鋳型が、樹脂平面の部分加圧により凹部を形成されることを
特徴とする電極バンプの製造方法。
【請求項6】
前記請求項1ないし5のいずれかに記載の電極バンプの製造方法により製造された電極バンプが、先端部を他の半導体チップ間又は回路基板の電極パッドに当接座屈して接続することを
特徴とする電極バンプ接続方法。
【請求項7】
前記請求項に記載の電極バンプの接続方法において、
前記半導体チップと他の半導体チップ又は回路基板との間に非導電性樹脂を介在させた状態で前記先端部を押圧して座屈させることを
特徴とする電極バンプの接続方法。
【請求項8】
前記請求項に記載の電極バンプの接続方法において、
前記半導体チップと他の半導体チップ又は回路基板との間に異方性導電膜を介在させた状態で前記先端部を押圧して座屈させることを
特徴とする電極バンプの接続方法。
【請求項9】
前記請求項6ないし8のいずれかに記載の電極バンプの接続方法において、
前記電極バンプにハロゲン元素を付着させ、当該ハロゲン元素が付着した電極バンプを座屈して接続することを
特徴とする電極バンプの接続方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップを他の半導体チップ又は回路基板も電気的に接続する電極バンプに関し、特に微細化又は積層化する半導体チップに対応した電極バンプ及びこの電極バンプの製造方法並び接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報機器の高機能化、小型化が将来たりとも進むと見込まれ、またディジタル情報家電の普及が台頭するなか、半導体装置の小型化、信号処理速度の向上、他機能化の実現を目的とした技術開発に対する要望が高まっている。それを実現する概念の一つに、システム・イン・パッケージ(省略、SiP)がある。このSiPは、一つのパッケージの中に複数の半導体チップを内蔵させて小型化を図る、或いはシステムとしての機能を持たせるものである。一つの半導体チップの中に、複数の機能を設計して作りこむ、いわゆるシステム・オン・チップも有力な手法的概念であるが、SiPの方が内蔵する半導体チップとその機能の多様性に富み、かつ低価格で製造できると見込まれている。
【0003】
複数の半導体チップを一つのパッケージに内蔵させる形態の一つに、半導体チップを積層化する方法が考えられる。この半導体チップの積層化は、小型化のみならず、配線の長さを短くできるため、配線での信号伝播の遅延を最小化にできることから、高速の信号処理を要する半導体装置、高周波信号を扱う半導体装置或いはシステムの集積化技術として大きな期待が寄せられている。システムの高機能化に伴い、積層する半導体チップ間の電気的な接続を行う電極の数が多くなり、電極間の距離も小さくなる。
【0004】
また、半導体チップ間の接続に用いられる電極バンプ及びこの製造方法並びこの接続方法の応用製品としては、半導体装置を利用する全ての電子機器に適用できるが、具体的には第1に高速に撮像と画像処理のできる撮像装置(いわゆるビジョンチップ等)とその応用製品であるロボット、第2に携帯情報端末(携帯電話を含む)、コンピュータ機器、第3に高周波(RF)IDタグ、第4に通信用電子機器、第5に 自動車の自動走行用電子機器(例えば物体認識用レーダ等)、第6にディジタル情報家電製品のような製品に有効であり、その工業的価値は高いと見込まれる。
【0005】
従来、この種の電極バンプ、その製造方法及びその接続方法は、特開平6-224258号公報(第1の従来技術)、特開平11-251356号公報(第2の従来技術)、特開平11-330682号公報(第3の従来技術)及び特開平13-196414号公報(第4の従来技術)に開示されるものがあり、その他に特開平5-136201号、特開平6-163634号公報に示されるものがある。
【0006】
前記第1の従来技術に係る半導体装置の製造方法は、金属突起用基板上に形成された金属突起(電極バンプに相当)と半導体素子Al電極とを接触させた状態で押圧,加熱し、金属突起とAl電極とを合金化して接合した後、金属突起をAl電極に転写し、この後に金属突起と配線電極とを接触させた状態で、前工程よりも高押圧力,高温又は長時間の押圧,加熱により、金属突起と配線電極とを再度合金化させ、その後、金属突起と配線電極とを光硬化性絶縁樹脂で固着して接続し、これにより、配線電極との接続前の金属突起の大変形を防ぎながら、Al電極・金属突起間の接合強度を強固にするという構成である。
【0007】
このように構成することにより半導体素子の電極上に金属突起を容易でかつ低コストで形成する転写方式をフリップチップ方式やMBB方式に適用する際にきわめて接続信頼性を高くできることとなる。
【0008】
前記第2の従来技術に係るワイヤバンプの形成方法は、ワイヤを溶解させその先端に球状体を形成すると共に、ベアチップの電極と前記球状体の少なくとも一方の表面をハロゲン化し、前記電極と前記球状体とをハロゲン化面を介して相互に接合させ個体接合をなした後は、前記球状体と前記ワイヤとを切断分離し、前記電極上に前記球状体を残留させる構成である。
【0009】
この構成に基づく第2の従来技術は、接続を行う際に超音波振動を用いる必要がなくなるので、隣合う部材との接触するのを防止でき、ベアチップの狭ピッチ化を促進させることができると共に、接続条件を緩和させることができる。
【0010】
前記第3の従来技術に係る突起電極(電極バンプに相当)の形成方法及び形成装置並びに突起電極の形成部品は、接合対象となるICと半田ボールとが、フッ化処理部においてHFガス供給部からのHFガスと、水蒸気発生部からの水蒸気との混合ガスにさらされ、前記IC及び半田ボールの表面がフッ化されたのち、接合処理部に配置され、その後、チャンバ内をArガス雰囲気にし、接続用導通部と半田ボールとをシリンダによって加圧するとともに、ヒータによって両者の融点以下に加熱して接合する構成である。
【0011】
この構成に基づく従来技術は、突起電極の形成時においてフラックスを必要とせず、また突起電極の形成のために共通電極を設けるなどの制約がなくなることとなる。
【0012】
前記第4の従来技術に係る半導体装置は、半導体チップに形成された銅からなる外部接続端子と、基板に形成されてなる外部接続端子とが接続されてなり、前記外部接続端子部と前記接続端子との少なくともいずれか一方がハロゲン化処理されてなり、両者が固着接合して構成される。
【0013】
この構成に基づく第4の従来技術は、ハロゲン処理により半導体チップの外部接続端子部又は基板の接続端子の表面に金属と結合しやすいハロゲンを存在させたことにより、導電性に優れた銅の配線に、金ワイヤやTAB(Tape Automated Bonding)のインナーリード等基板の接続端子を直接接続することが可能で、配線抵抗を小さくすることができ、応答性に優れると共に発熱量を小さくすることができる。

【特許文献1】特開平6-224258号公報(第1の従来技術)
【特許文献2】特開平11-251356号公報(第2の従来技術)
【特許文献3】特開平11-330682号公報(第3の従来技術)
【特許文献4】特開平13-196414号公報(第4の従来技術)
【特許文献5】特開平5-136201号
【特許文献6】特開平6-163634号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
前記各従来の技術において、電極バンプを用いて半導体チップに対する電気的接続を実現する方法として、ハンダを球状にした電極バンプを用いる方法、金を半球状にした電極バンプ(スタッドバンプと呼ばれる)を用いて接続する方法等があり、プリント基板等の回路基板への半導体チップの直接接続、或いはパッケージ内に半導体チップを内蔵して接続する方法等が実用化されている。しかし、このような球状の電極バンプの大きさは現状、小さくても100ミクロン程度であり、半導体チップを積層化する場合に要求される、10ミクロン程度の電極バンプの大きさには対応できないという課題を有する。これは予め球状に形成したボールを半導体チップの上に配置して電極バンプを形成する方法においては、ハンダボールの微細化に限界があること、クリーム状のハンダをスクリーン印刷した後にリフローして球状にする場合には印刷における解像度の向上に多くの技術的困難が存在するという理由からである。
【0015】
このような理由のため、高密度の電気的接続を実現するためには、鍍金技術等の成膜技術によって電極バンプを形成する必要があるが、高密度の電極バンプを持つ半導体チップの接続を、メッキ法で電極バンプを形成して半導体チップの積層接続を行う場合には以下の課題を有する。
【0016】
まず、第1に電極バンプの高さが不揃いとなるために、電極バンプ間の距離が小さくなる(即ち高密化する)と、高さの高い電極バンプのみが接続されやすくなり、多数の電極バンプに対して一様な接続が困難となるという課題を有する。これを接続するためには、電極バンプを変形させればよいが、鍍金等の成膜技術で通常形成される平板状の構造を持つ電極バンプでは、変形させるには大きな荷重を加える必要があり、接合装置の設計、製造に技術的障壁が発生するという課題を有する。
【0017】
次に、第2に、仮に大きな荷重を加えて接合が可能になったとしても、高密度に電極バンプを配置する場合には、電極バンプ間の距離が小さくなるために半導体チップに大きな応力が発生していまい、半導体チップ内のトランジスタ等の特性が変化してしまい、回動動作に支障を与えるという課題を有する。
【0018】
また、第3に半導体チップを積層する場合に、電極バンプによる電気的接点が半導体チップ動作中の温度上昇に伴う熱変形で破壊されるのを防ぐために、機械的補強のための樹脂を半導体チップ間に挿入する必要があるが、メッキ法で形成する電極バンプの高さが小さくなるために、積層接続した半導体チップ間の間隙は小さくなり接合後に半導体チップ間に樹脂(アンダーファイルとよがれる)を流し込みのが困難になるという課題を有する。
【0019】
そのため、接合前に非導電性の樹脂を一方の半導体チップ面上に半導体チップ面全体に滴下或いは塗布しておき、その上に別の半導体チップを積層して接合する方法が有力な方法となる。この場合、電極バンプの電気的な接合は、電極バンプが非導電性樹脂を押しのけて金属間接合が図れることになる。メッキ法等の成膜法で形成した電極バンプでは、形状が平板状であることに加えて電極バンプ上面が平坦ではないことから、電極バンプと相手側金属膜との間に非導電性樹脂を噛み込むとう問題を生じ、これは接合不良や接合の信頼性の低下につながるという課題を有する。
【0020】
更に、第4に異方性導電膜(Anisotropic Conductive Film, ACF)を介在させて電気的接続を図る図る場合に、鍍金により形成した電極バンプのように平板状の電極バンプでは、微細化すると大きさの2乗に反比例して接続面積が小さくなるために、高密度に配置する微細に電極バンプでは接合不良や接合部の抵抗が大きくなるという課題を有する。
【0021】
本発明は、半導体チップを積層してチップ間の電気的な接続を行う際に、多数の電極を確実に接続でき、また接続点及びその周辺に位置するトランジスタ等の半導体素子の動作に対し高い信頼性を保証できる電極バンプ及びその製造方法並びに接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明に係る電極バンプは、半導体チップの電極パッド上に配設され、他の半導体チップ又は回路基板の電極パッドに当接して接続する電極バンプを基部から先端部に向かって先細状の錐形状にて形成する電極バンプの製造方法において、前記電極バンプの錐形状に対応する凹形状の凹部を複雑連設される鋳型に金属バンプ材を堆積させ、当該堆積した金属バンプ材を前記各凹部相互間の境界部分が露出するまで切削し、当該切削された金属バンプ材の底面を含む前記錐形状の斜め側面の下部を各々露出させる頭出しを行うものである。
【0026】
本発明に係る電極バンプの製造方法は必要に応じて、前記鋳型の凹部に導電性のシード層を形成し、当該シード層に電解鍍金を施して各凹部に金属バンプ材を充填するものである。
【0027】
本発明に係る電極バンプの製造方法は必要に応じて、前記鋳型の表面に導電性のシード層を形成し、当該シード層上の前記凹部以外の境界部分に非導電性のレジスト層を積層形成し、前記シード層が露出部分の各凹部に電解鍍金を施して各凹部に金属バンプ材を充填するものである。
【0028】
本発明に係る電極バンプの製造方法は必要に応じて、鋳型がシリコンの結晶面間による化学的蝕刻性の違いにより凹部を形成されるものである。
【0029】
本発明に係る電極バンプの製造方法は必要に応じて、鋳型が、樹脂表面の部分加圧により凹部を形成されるものである。
【0030】
本発明に係る電極バンプ接続方法は、電極バンプの製造方法により製造された電極バンプが、先端部を他の半導体チップ間又は回路基板の電極パッドに当接座屈して接続するものである。
【0031】
本発明に係る電極バンプの接続方法は必要に応じて、半導体チップと他の半導体チップ又は回路基板との間に非導電性樹脂を介在させた状態で前記先端部を押圧して座屈させるものである。
【0032】
本発明に係る電極バンプの接続方法は必要に応じて、半導体チップと他の半導体チップ又は回路基板との間に異方性導電膜を介在させた状態で前記先端部を押圧して座屈させるものである。
【0033】
本発明の電極バンプの接続方法は必要に応じて、電極バンプにハロゲン元素を付着させ、当該ハロゲン元素が付着した電極バンプを座屈して接続するものである。
【発明の効果】
【0036】
発明に係る電極バンプの製造方法は、基部から先端部に向かって先細となる凹形状の凹部が複数連設される鋳型に金属バンプ材を堆積させて、この堆積した金属バンプ材を各凹部相互間の境界部分が露出するまで切削し、当該切削された金属バンプ材の底面を含む前記錐形状の斜め側面の下部を各々露出させる頭出しを行うことにより、電極バンプの底面を均一な平滑面とする電極バンプを形成し、この形成された微細な多数の電極バンプを正確・確実に鋳型から離型できることから、微細な同一形状の多数の電極バンプを高精度に高さを一致させて均一且つ正確に形成できる。このように電極バンプを均一且つ正確な寸法精度で製作することにより、各半導体チップを押圧して電極バンプを座屈変形させる場合に、最小限の押圧力で多数の電極バンプを確実に変形させて接続することができる。
【0038】
また、本発明に係る電極バンプの製造方法は、鋳型の各凹部に導電性のシード層を形成してこのシード層の電解鍍金を施して各凹部に金属バンプ材を充填するようにしているので、より微細に電極バンプを形成できると共に、正確な高さに形成できる。
【0039】
また、本発明に係る電極バンプの製造方法は、鋳型の表面全面に導電性のシード層上の凹部以外の境界部分に非導電性のレジスト層を積層形成し、前記露出しているシード層に対して電解鍍金を施すことにより各凹部に金属バンプ材を充填して電極バンプを形成するようにしているので、より微細に電極バンプを形成できると共に、正確な高さに形成できる。
【0040】
また、本発明に係る電極バンプの接続方法は、シリコン結晶面による化学的蝕刻性により各凹部を有する鋳型を形成するようにしているので、均一且つ正確な鋳型が形成できる。
【0041】
また、本発明に係る電極バンプの接続方法は、樹脂を部分加圧して鋳型とすることにより、簡易に均一な鋳型が形成できる。
【0042】
また、本発明に係る電極バンプの接続方法は、前記電極バンプの製造方法により製造された電極バンプが、先端部を他の半導体チップ間又は回路基板の電極パッドに当接座屈して接続していることにより、半導体チップの電極パッドに配設された電極バンプを他の半導体チップ又は回路基板に押圧して先端部を座屈変形させ、押圧応力を先端部の座屈変形で吸収して各半導体チップ又は回路基板へ直接印加されることがなくなり、電気的接続を確実且つ容易に実行できると共に、半導体チップ及び回路基板への接続動作時のストレスを防止できる
また、本発明に係る電極バンプの接続方法は、半導体チップと他の半導体チップ又は回路基板との間に非導電性樹脂を介在させた状態で前記先端部を押圧して座屈させるようにしているので、接合界面に存在する非導電樹脂を押しのけながら接合が進行することとなり、強い接合強度で低い接触抵抗を確保できると共に、高い信頼性をもつ結合が実現できる。
【0043】
また、本発明に係る電極バンプの接続方法は、半導体チップと他の半導体チップ又は回路基板との間に異方性導電膜を介在させた状態で前記先端部を押圧して座屈させるようにしているので、電極バンプが微細化した場合にも、従来の鍍金形バンプの典型的な形状である円柱或いは四角柱状の電極バンプに比べて、実効的な接合面積を増やすことができることとなり、異方性導電膜中野金属粒子のばらつきに伴う接合性、接触抵抗のばらつきを低減でき、信頼性の高い接合性を実現できる。
【0044】
また、本発明に係る電極バンプの接続方法は、電極バンプにハロゲン元素を付着させ、当該ハロゲン元素が付着した電極バンプを座屈して接続するようにしているので、接続抵抗を小さくすることができることとなり、半導体チップ及び回路基板の発熱量を小さくでき且つ応答性を向上させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る電極バンプ接続方法を、この電極バンプ接続方法に用いられる電極バンプの製造方法と共に図1に基づいて説明する。この図1は本実施形態に係る電極バンプ接続方法を説明する動作態様図を示す。
【0046】
同図において本実施形態に係る電極バンプ接続方法は、基部1aから先端部1bに向かって先細状の四角錐にて形成される電極バンプ1が半導体チップ10、~、12の電極パッド2上に載置され、この配設された複数の電極バンプ1に対向して前記半導体チップ10、~、12及び他の半導体チップ13の電極パッド3を配置し(同図(A)を参照)、前記各電極バンプ1の先端部1bを所定押圧力で押圧して座屈させた状態で前記半導体チップ10、~、13の各電極パッド2、3に当接させて接続する(同図(B)を参照)構成である。
【0047】
次に、前記構成に基づく本実施形態に係る電極バンプの接続方法に用いられる電極バンプを製造する電極バンプの製造方法について図2及び図3に基づいて説明する。この図2は本実施形態に係る電極バンプの接続方法に用いられる電極バンプを製造する電極バンプの製造方法の動作説明図を示す。
【0048】
同図において本実施形態における電極バンプ製造方法は、同図(A)に示すように鋳型100の基台となる結晶面を有する単結晶シリコン101の表面に酸化膜102を形成し、この酸化膜102をフォトリソグラフィーで開口した後、アルカリ溶液で異方性エッチングすることで、逆四角錐状の凹部103を形成して製作する。この鋳型100の製造方法としては、樹脂基板或いはシートを予め所望の形状に加工した別の鋳型を用いて加圧、加熱して形成する方法も用いることもできる。
【0049】
次に同図(B)に示すように凹部103が形成された単結晶シリコン101の表面に導電性膜の酸化シリコン(SiO2)層104を形成し、この酸化シリコン層104上に以後の電界メッキの際に電流を流すための薄い導電性金属(AuCr)膜からなるシード層105を形成する。さらに、同図(C)に示すように、前記シード層105上に金を電解鍍金して金鍍金層106を形成する。この電極バンプ用の金属バンプ材は金に限定されない。例えば、金以外に、銅、すず、すずと銀の合金、銀、ニッケル、アルミニウム等を用いることができる。
【0050】
また、同図(D)に示すように電解鍍金した金鍍金層106を鋳型100の単結晶シリコン101表面が露出するまで研磨して平坦にして電極バンプ1を形成し、この電極バンプ1が電極パッド2に転写される際の接合性を良好なものとしている。
【0051】
さらに、同図(E)に示すように逆四角錐状の凹部103で形取られた金鍍金層106の四角錐状の電極バンプ1の底面である接合面を含む底部が露出される頭出しするため、単結晶シリコン101をエッチングできるガスを含むプラズマを用いて単結晶シリコン101の表面をエッチングする。
【0052】
さらに、前記単結晶シリコン101の鋳型100上に形成された電極バンプ1を半導体チップ10、~、12の各電極パッド2に配設する動作は、まず同図(F)に示すように配設対象となる半導体チップ10、~、12を単結晶シリコン101に対向配置し、図示矢印方向に加熱状態で押圧して複数の電極バンプ1を電極パッド2に移設転写する。この電極パッド2上への電極バンプ1の配設により、電極パッド2と電極バンプ1とが接着する。このように電極バンプ1が電極パッド2に接着された後は、同図(G)に示すように電極バンプ1から鋳型100を離型する。
【0053】
また、前記電極バンプ1の電極パッド2上への移設転写は、大きさ2.5mm角の半導体チップ10、~、 12の表面に合わせて加圧し、同時に鋳型100と半導体チップ10、~、12を個別に加圧する実験をおこなった。この実験における押圧の圧力は5kgf~25kgfの範囲で調査し、半導体チップ側温度は200℃一定、鋳型側温度は150℃~400℃の範囲でパルス状に加熱して調査した。この実験の動作状態を図3に示し、1つの電極バンプ当たり2.5gの押圧力が印加されたこととなる。
【0054】
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る電極バンプ接続方法を、この電極バンプ接続方法に用いられる電極バンプの製造方法と共に図4に基づいて説明する。この図4は本実施形態に係る電極バンプ接続方法に用いられる電極バンプを製造する電極バンプの製造方法の動作説明図を示す。
【0055】
同図において本実施形態に係る電極バンプ接続方法は、前記図1に示す第1の実施形態の電極バンプ製造方法と同様に構成され、この電極バンプを製造する電極バンプ製造方法を異にする。
【0056】
まず、図4(A)に示すように前記第1の実施形態と同様にフォトリソグラフィー技術及び異方性エッチング技術により逆四角錐状の凹部103を複数形成した鋳型100の基台となる単結晶シリコン101を作成する。また、同図(B)で示すように前記第1の実施形態と同様に凹部103が形成された単結晶シリコン101の表面に酸化シリコン(SiO2)層104及びシード層105を積層して形成する。
【0057】
次に、同図(C)に示すように酸化シリコン層104及びシード層105が形成された単結晶シリコン101に対して、前記凹部103以外の領域にフォトレジストパターン107をフォトリソグラフィーにて形成し、電極バンプ1を形成する領域を決定する。また、同図(D)に示すように前記フォトレジストパターン107が形成されない凹部103の領域に電解鍍金により金鍍金層106を形成する。
【0058】
また、同図(E)に示すように、電解鍍金により金鍍金層106が形成された単結晶シリコン101のフォトレジストパターン107及びシード層105を除去することにより電極バンプ1が形成される。
【0059】
さらに、前記単結晶シリコン101の鋳型100上に形成された電極バンプ1を半導体チップ10、~、12の各電極パッド2に配設する動作は、まず同図(F)に示すように配設対象となる半導体チップ10、~、12を単結晶シリコン101に対向配置し、図示矢印方向に加熱状態で押圧して複数の電極バンプ1を電極パッド2に移設転写する。この電極パッド2上への電極バンプ1の配設により電極パッド2と電極バンプ1が接着する。このように電極バンプ1が電極パッド2に接着された後は、同図(G)に示すように電極バンプ1から鋳型100を離型する。
【0060】
(本発明の第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る電極バンプ接続方法を、図5に基づいて説明する。この図5は本実施形態に係る電極バンプ接続方法に非導電性樹脂を介在させた場合の接続態様図を示す。
【0061】
同図において、本実施形態に係る電極バンプ接続方法は、四角錐形状の電極バンプ1が電極パッド2上に載置された半導体チップ10と、この半導体チップ10に電気的に接続される他の半導体チップ11との間に非導電性樹脂4を介在させ、前記半導体チップ10の電極バンプ1の先端部1bを半導体チップ11の電極パッド3に押圧して座屈させることにより接続する構成である。
【0062】
このように、接続しようとする半導体チップ10、11の間に非導電性樹脂4を介在させて強い接合強度を確保させる場合においても、電極バンプ1の四角錐形状が非導電性樹脂4を押しのけながら対向する半導体チップ11の電極パッド3に接触し、さらに電極バンプ1の先端部1bを座屈しつつ非導電性樹脂4を側方へ排除し、座屈面に非導電性樹脂4が噛み込まれて接合することがなくなり、強い接合強度と共に低い接触抵抗及び高い接合の信頼性を実現できることとなる。
【0063】
(本発明の第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る電極バンプ接続方法を、図6に基づいて説明する。この図6は本実施形態に係る電極バンプ接続方法に異方性導電膜を介在させた場合の接続態様図を示す。
【0064】
同図において、本実施形態に係る電極バンプ接続方法は、四角錐形状の電極バンプ1が電極パッド2上に載置された半導体チップ10と、この半導体チップ10に電気的に接続される他の半導体チップ11との間に異方性導電膜5を介在させ、前記半導体チップ10の電極バンプ1の先端部1bを半導体チップ11の電極パッド3に押圧して座屈させることにより接続する構成である。
【0065】
このように、接続しようとする半導体チップ10、11の間に異方性導電膜5を介在させて強い電気的接合状態を確保させる場合においても、電極バンプ1の四角錐形状が異方性導電膜5を噛み込みながら対向する半導体チップ11の電極パッド3に接触し、さらに電極バンプ1の先端部1bを座屈しつつ異方性導電膜5の銀粒子(Ag)51を押しつぶして接合することとなり、電極バンプ1が高密度化して電極バンプ1相互間の間隔が接近した場合においても、電極バンプ1相互の干渉がなくなり、電気的接続の確実性を向上させると共に誤接続を確認できる。
【0066】
なお、前記電極バンプ1には、ハロゲン元素を付着させ、このはハロゲン元素が付着した電極バンプ1を座屈して半導体チップ10と他の半導体チップ11を接続することもできる。
【0067】
また、鋳型100の単結晶シリコン101上に形成されるシード層105としては、鋳型100に対して適度な密着性をもち、且つ転写の際の離型のい容易性を有する金属が望ましい。
【0068】
さらにまた、前記複数の電極バンプ1の先端部1bの座屈は、電極バンプ1の高さの少なくとも約5%以上変形させる構成とすることができる。この先端部1bの座屈の程度は、電極バンプ1の素材又は異方性導電膜の種類により、電気的接続状態が十分確保できる範囲で任意に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電極バンプ接続方法の動作説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る電極バンプの接続方法に用いられる電極バンプを製造する電極バンプの製造方法の動作説明図である。
【図3】図2の動作説明における鋳型で形成された電極バンプ転写動作説明図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る電極バンプ接続方法に用いられる電極バンプを製造する電極バンプの製造方法の動作説明図
【図5】本発明の第3の実施形態に係る電極バンプ接続方法に非導電性樹脂を介在させた場合の接続態様図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る電極バンプ接続方法に異方性導電膜を介在させた場合の接続態様図である。
【符号の説明】
【0070】
1 電極バンプ
1a 基部
1b 先端部
2、3 電極パッド
4 非導電性樹脂
5 異方性導電膜
10、~、13 半導体チップ
51 銀粒子(Ag)
100 鋳型
101 単結晶シリコン
102 酸化膜
103 凹部
104 酸化シリコン(SiO2)層
105 シード層
106 金鍍金層
107 フォトレジストパターン
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5