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明細書 :ホスホロアミダイトを含む3’末端ヌクレオシドユニット

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4628686号 (P4628686)
公開番号 特開2005-239605 (P2005-239605A)
登録日 平成22年11月19日(2010.11.19)
発行日 平成23年2月9日(2011.2.9)
公開日 平成17年9月8日(2005.9.8)
発明の名称または考案の名称 ホスホロアミダイトを含む3’末端ヌクレオシドユニット
国際特許分類 C07H  21/04        (2006.01)
C07F   9/6558      (2006.01)
C07F   9/6561      (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
FI C07H 21/04 A
C07F 9/6558
C07F 9/6561
C12N 15/00 A
請求項の数または発明の数 15
全頁数 11
出願番号 特願2004-049312 (P2004-049312)
出願日 平成16年2月25日(2004.2.25)
審査請求日 平成19年2月19日(2007.2.19)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】関根 光雄
【氏名】清尾 康志
【氏名】大窪 章寛
個別代理人の代理人 【識別番号】100100181、【弁理士】、【氏名又は名称】阿部 正博
審査官 【審査官】瀬下 浩一
参考文献・文献 国際公開第02/20543(WO,A2)
調査した分野 C07H 21/04
C07F 9/6558
C07F 9/6561
C12N 15/09
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
以下の一般式(I)で示される化合物である、ホスホロアミダイトを含む3’末端ヌクレオシドユニット:
(N)-O-(R1)Si(R2)-(C)-(CH)n-O-P(OR3)N(R4)(R5) (I)
(式中、(N)は任意のヌクレオシド又はその誘導体であり、R1、R2、R4及びR5は、アルキル基、又はアリール基であり、R3は2-シアノエチル基、4-ニトロフェニルエチル基、N-(トリフロオロアセチル)アミノブチル基、又は、4-[N-メチルーN-(2,2,2、-トリフルオロアセチル)アミノ]ブチル基からなるリン酸基の保護基であり、nは1~5の整数である)
【請求項2】
R1及びR2が炭素原子数が1~5を有するアルキル基である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1及びR2のアリール基が、アルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲノ基、又はメトキシ基で置換されている、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
リン酸基の保護基が2-シアノエチル基である、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
R4及びR5は炭素数1~4のアルキル基、ベンジル基、フェニル基、又はナフチル基である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
R4及びR5はイソプロピル基である、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
ベンゼン環骨格が置換基を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
ベンゼン環骨格の置換基が炭素原子数が1~4を有するアルキル基、ハロゲノ基、ニトロ基、シアノ基、又はメトキシ基から成る群から選択される、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
5’-[O-(4,4’-ジメトキシトリチル)], 3’-O-[4-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト)ベンジル-ジイソプロピルシリル] チミジンである請求項1記載の化合物。
【請求項10】
5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル), 3’-O-[4-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト)ベンジル-ジイソプロピルシリル] 2’-デオキシアデノシンである請求項1記載の化合物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載された化合物である3’末端ヌクレオシドユニットが導入されている固相担体。
【請求項12】
3’末端ヌクレオシドユニットが20-30μmol/gの割合で導入されている、請求項11記載の固相担体。
【請求項13】
HCP固相担体である、請求項11又は12記載の固相担体。
【請求項14】
請求項11、12又は13に記載の固相担体を用いる、核酸オリゴマーの合成方法。
【請求項15】
アルコール型化合物、又はアルコール型化合物及び酸触媒の混合物を活性化剤として使用するホスホロアミダイト法である、請求項14記載の合成方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明者が開発した塩基部無保護ホスホロアミダイト法で有利に使用することが出来る、ホスホロアミダイトを含む3’末端ヌクレオシドユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のDNA合成では、3’末端ヌクレオシドの固相への導入は3’末端ヌクレオシドにサクシネートリンカーやシリル系のリンカーを使って、固相上のアミノ基とアミド結合を構築することによってなされていた。
【0003】
例えば、中性条件で切り出しができるシリルリンカーとして、本発明者の一人である関根が開発した安息香酸型化合物であるiP2Si-C6H4-C(O)- 型のものが知られていた(非特許文献1)。しかし、このようなシリルリンカーを用いる場合にはアシル化反応によって固相担体のアミノ基に導入されるために、3’末端ヌクレオシドがdA,dC及びdGの場合にはそれら塩基に含まれるアミノ基をDMTr等の適切な保護基で予め保護する必要があった。
【0004】
又、dCの塩基部にあるDMTr保護基は比較的安定なために、5%トリフルオロ酢酸—CH2Cl2溶液で30分間処理しないと完全に脱保護することが出来なかった。ところが、このような強い酸性条件においては、シリルリンカーとシリルリンカーと合成されたDNAオリゴマー間のSiO結合が開裂してしまう可能性がある。
【0005】

【非特許文献1】Wada, T.; Mochizuki, A.; Sato, T.; Seike, M., Tetrahedron Letters, 1998, 39, 5593-5596
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は、DNAの鎖長伸長反応と全く同一の条件で、任意の塩基を含む3’末端ヌクレオシドを固相上の水酸基に結合する方法を提供することを目的とする。即ち、発明者は、DNA鎖長伸長反応は100%近い反応効率で行えることから、この3’末端ヌクレオシドの固相への導入反応も同じ条件で行えるように鋭意研究の結果、従来の3’末端ヌクレオシド成分にシリルリンカー及びホスホロアミダイト基を導入することによってこの課題を解決し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち、本発明は、以下の一般式(I)で示される化合物である、ホスホロアミダイトを含む3’末端ヌクレオシドユニット:
(N)-O-(R1)Si(R2)-(C)-(CH)n-O-P(OR3)N(R4)(R5) (I)
(式中、(N)は任意のヌクレオシド又はその誘導体であり、R1、R2R、4及びR5はアルキル基又はアリール基であり、R3はリン酸基の保護基であり、nは1~5の整数である)に係る。
【0008】
更に本発明は、この3’末端ヌクレオシドユニットが、例えば、20-30μmol/gの割合で導入されている固相担体、及び、この固相担体を用いる核酸オリゴマーの合成方法、特に、アルコール型化合物、又はアルコール型化合物及び酸触媒の混合物を活性化剤として使用するホスホロアミダイト法にも係る。
【発明の効果】
【0009】
本発明のホスホロアミダイトを含む3’末端ヌクレオシドユニットを用いることによって、水酸基を表面にもつ固相担体も利用できるようになった。このホスホロアミダイトユニットを用いてDNAが固相上で合成した場合には従来型のものと比べアンモニアなどの塩基性でもDNAは切り出されない。更に、本発明者が開発した塩基部無保護ホスホロアミダイト法でこのシリルリンカーを含むホスホロアミダイトユニットを使用すれば、ヌクレオシドを固相担体に導入する際の核酸塩基部の保護基は一切必要とされない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
シリル基上には当業者に公知の任意の置換基であるR1及びR2があってもよく、例えば、炭素原子数が1~5を有するアルキル基、又は、任意の位置で該アルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲノ基、又はアルコキシ基で置換されていても良い、ベンジル基、フェニル基、及びナフチル基のようなアリール基を挙げることが出来る。
【0011】
又、リン酸基の保護基としては当業者に公知の任意の置換基を使用することが出来、例えば、2-シアノエチル基、4-ニトロフェニルエチル基、N-(トリフロオロアセチル)アミノブチル基、又は、4-[N-メチルーN-(2,2,2、-トリフルオロアセチル)アミノ]ブチル基が好適である。
【0012】
R4及びR5はアルキル基、特に炭素数1~4のアルキル基、ベンジル基、フェニル基、及びナフチル基のようなアリール基であり、イソプロピル基が好ましい。
【0013】
更に、本発明化合物のベンゼン環骨格は当業者に公知の任意の置換基を有するものであっても良い。かかる置換基の例として、炭素原子数が1~4を有するアルキル基、ハロゲノ基、ニトロ基、シアノ基、又はメトキシ基を挙げることが出来る。尚、-(CH)n-とSiはベンゼン環骨格にパラの位置で結合している。
【0014】
本発明の化合物は、本明細書、特に以下の実施例の記載等を参照することによって、当業者であれば容易に合成することが出来る。また、本明細書に記載されていない諸条件は当業者が適宜選択することができる。
【実施例】
【0015】
以下、実施例に則して本発明を更に詳しく説明する。尚、本発明の技術的範囲は以下の実施例によって何ら制限されるものではない。
【0016】
4-ジイソプロピルシラニル安息香酸メチルエステル(2)
4-ジイソプロピルシラニル安息香酸1 (9 g, 38 mmol)をメタノール300 mLに溶かし、氷冷下conc.H2SO4 15 mLを滴下した。2時間の加熱還流のち、反応溶液を500 mLのクロロホルムに溶解した。水 300 mLで二回、5wt%-炭酸水素ナトリウム水溶液300 mLで3回抽出操作を行った。さらに、有機層を回収し無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンに0-5%酢酸エチルのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的物を得た(8.8 g, 93%)。
【0017】
1H NMR (CDCl3): 0.93-1.06 (m, 12H), 1.18-1.27 (m, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.96 (t, 1H, J = 3.2 Hz), 7.58 (d, 2H, J = 8.1 Hz), 7.98 (d, 2H, J = 8.1 Hz).
13C NMR (CDCl3): 10.6, 18.5, 18.6, 52.2, 128.1, 128.2, 128.3, 130.5, 140.6, 167.1.
【0018】
4-(ヒドロキシメチル)フェニル-ジイソプロピルシラン(3)
LiAlH4 (1.2 g, 32 mmol)を無水THF 80 mLに溶解し、4-ジイソプロピルシラニル安息香酸メチルエステル2 (8 g, 32 mmol)の 無水THF溶液 80 mLをゆっくり滴下した。滴下後、10分間撹拌をおこない、酢酸エチル20 mLをゆっくり加えた。反応系をジクロロメタン500 mLで希釈した後、0.2 N の塩酸水溶液400mLを用いて3回抽出を行った。さらに、有機層を回収し無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、溶媒を減圧留去させて目的化合物を得た(7.2 g, quant)。
【0019】
1H NMR (CDCl3): 1.02 (2d, 12H, J = 7.3 Hz), 1.17-1.23 (m, 2H), 3.09 (brs. 1H), 3.94 (t, 1H, J = 3.2 Hz), 4.58 (s, 2H), 7.29 (d, 2H, J = 7.6 Hz), 7.48 (d, 2H, J = 7.6 Hz).
13C NMR (CDCl3): 10.7, 18.4, 18.6, 64.8, 126.0, 132.9, 135.4, 141.6.
【0020】
4-(アセトキシメチル)フェニル-ジイソプロピルシラン(4)
4-(ヒドロキシメチル)フェニル-ジイソプロピルシラン3 (4.9 g, 22 mmol)を溶解したピリジン100 mLに、アルゴン下、無水酢酸 (3.1 mL, 33 mmol) と4-N,N-ジメチルアミノピリジン (7.3 mg, 6 mmol) を加えた。室温で2時間撹拌後、メタノール20 mLを加えた。その後、反応系を400 mLの酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水300 mLを用いて三回洗浄した。続いて、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、溶媒を減圧留去させた。最後に、目的物を液体として得た(5.4 g, 93%)。
【0021】
1H NMR (CDCl3): 1.03 (2d, 12H, J = 7.0 Hz), 1.20-1.24 (m, 2H), 2.09 (s. 3H), 3.96 (t, 1H, J = 3.1 Hz), 5.10 (s, 2H), 7.32 (d, 2H, J = 8.1 Hz), 7.51 (d, 2H, J = 8.1 Hz).
13C NMR (CDCl3): 10.7, 18.4, 18.6, 20.9, 66.1, 127.1, 134.0, 135.5, 136.5, 170.4.
【0022】
5’-[O-(4,4’-ジメトキシトリチル)], 3’-[O-4-(アセトキシメチル)フェニル-ジイソプロピルシリル] チミジン(5t)
4-(アセトキシメチル)フェニル-ジイソプロピルシラン4 (508 mg, 1.9 mmol)を無水CH2Cl2 10mLに溶解し、1,3-ジクロロ-4,4-ジメチルヒダントイン (761 mg, 3.9 mmol)を加える。室温30分の撹拌の後、この反応溶液を5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)チミジン (954 mg, 1.8 mmol)とイミダゾール (595 mg, 8.8 mmol)を溶解させた無水CH2Cl2 10mLに加える。室温で30分撹拌後、水 (5 mL) を加えた。5分後、クロロホルム(100 mL)で希釈後、5wt%-炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで3回抽出操作を行った。さらに、有機層を回収し無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (1%ピリジン) により精製し、ヘキサンに50-100%クロロホルム、クロロホルムに0-3%メタノールのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的物を得た(1.1 g, 75%)。
【0023】
1H NMR (CDCl3): 0.95-1.07 (m, 12H), 1.18-1.26 (m, 2H), 1.53 (s, 3H), 2.09 (s, 3H), 2.27-2.31 (m, 1H), 2.48-2.56 (m, 1H), 3.39 (d, 1H, J = 8.1 Hz), 3.50 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 3.75 (s, 6H), 4.16 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 4.67 (d, 1H, J = 5.7 Hz), 5.11 (s, 2H), 6.51 (t, 1H, J = 4.1 Hz), 6.82 (dd, 4H, J = 2.4 Hz, J = 8.9 Hz), 7.18-7.67 (m, 14H), 10.3 (brs, 1H).
13C NMR (CDCl3): 11.7, 11.8, 11.9, 12.4, 16.8, 17.1, 17.16, 17.19, 17.21, 20.7, 41.6, 54.9, 63.1, 65.8, 73.1, 77.2, 84.7, 86.6, 86.8, 110.8, 112.9, 123.4, 124.9, 126.7, 126.9, 127.1, 127.6, 127.7, 127.8, 129.7, 133.3, 134.1, 134.4, 134.97, 135.01, 135.2, 135.7, 136.5, 143.9, 149.1, 150.3, 158.3, 163.9, 170.4.
MS m/z calcd for M+Na; 829.3496. Found; 829.3452
【0024】
5’-[O-(4,4’-ジメトキシトリチル)], 3’-[O-4-(アセトキシメチル)フェニル-ジイソプロピルシリル], 2-デオキシアデノシン(5a)
4-(アセトキシメチル)フェニル-ジイソプロピルシラン4 (420 mg, 1.6 mmol)を無水CH2Cl2 8 mLに溶解し、1,3-ジクロロ-4,4-ジメチルヒダントイン (629 mg, 3.2 mmol)を加える。室温30分の撹拌の後、この反応溶液を5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-2’-デオキシアデノシン (796 mg, 1.4 mmol)とイミダゾール (489 mg, 7.2 mmol)を溶解させた無水CH2Cl2 8 mLに加える。室温で30分撹拌後、水 (5 mL) を加えた。5分後、クロロホルム(100 mL)で希釈後、5wt%-炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで3回抽出操作を行った。さらに、有機層を回収し無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (1%ピリジン) により精製し、ヘキサンに50-100%クロロホルム、クロロホルムに0-3%メタノールのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的物を得た(850 mg, 72%)。
【0025】
1H NMR (CDCl3): 0.98-1.07 (m, 12H), 1.22-1.31 (m, 2H), 2.11 (s, 3H), 2.48-2.55 (m, 1H), 2.75-2.89 (m, 1H), 3.31 (d, 1H, J = 4.6 Hz), 3.38 (d, 1H, J = 4.6 Hz), 3.76 (s, 6H), 4.28 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 4.67 (t, 1H, J = 2.6 Hz), 5.10 (s, 2H), 6.09 (s,1H), 6.50 (dd, 1H, J = 5.9 Hz, J = 7.3 Hz), 6.76 (d, 4H, J = 8.6 Hz), 7.17-7.38 (m, 11H), 7.50 (d, 2H, J = 7.3 Hz), 7.99 (s, 1H), 8.28 (s, 1H).
13C NMR (CDCl3): 12.1, 12.2, 17.4, 21.0, 40.9, 55.2, 63.5, 66.1, 73.5, 84.5, 86.4, 87.1, 112.9, 113.0, 119.9, 126.7, 127.2, 127.7, 128.0, 129.9, 133.7, 134.6, 135.48, 135.51, 137.0, 138.8, 144.3, 149.4, 152.6, 155.3, 158.3, 170.6
MS m/z calcd for M+H; 816.3793. Found; 816.3711.
【0026】
5’-[O-(4,4’-ジメトキシトリチル)], 3’-[O-4-(ヒドキシメチル)フェニル-ジイソプロピルシリル] チミジン(6t)
5’-[O-(4,4’-ジメトキシトリチル)], 3’-[O-4-(アセトキシメチル)フェニル-ジイソプロピルシリル] チミジン5t (925 mg, 1.2 mmol)をtBuNH2-MeOH (1:4, v/v, 20 mL) で室温、三時間処理した。その後、クロロホルム100 mLで希釈し、飽和食塩水100mlで3回抽出操作をおこなった。さらに、有機層を回収し無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (1%ピリジン) により精製し、ヘキサンに50-100%クロロホルム、クロロホルムに0-3%メタノールのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的物を得た(781 mg, 89%)。
【0027】
1H NMR (CDCl3): 0.92-1.00 (m, 12H), 1.17-1.25 (m, 2H), 1.56 (s, 3H), 2.15-2.38 (m, 1H), 2.53-2.68 (m, 1H), 3.31 (dd, 1H, J = 2.7 Hz, J = 10.5 Hz), 3.43 (dd, 1H, J = 2.7 Hz, J = 10.5 Hz), 3.77 (s, 6H), 4.12 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 4.63 (t, 1H, J = 2.7 Hz), 4.67 (d, 1H, J = 5.7 Hz), 6.44 (dd, 1H, J = 5.9 Hz, J = 7.3 Hz), 6.77 (dd, 4H, J = 2.4 Hz, J = 8.9 Hz), 7.19-7.35 (m, 11H), 7.44 (d, 2H, J = 7.8 Hz), 7.61 (s, 1H), 8.15 (brs, 1H).
13C NMR (CDCl3): 12.0, 17.4, 41.8, 55.2, 63.3, 64.9, 73.3, 84.8, 86.8, 87.1, 111.0, 113.1, 126.1, 126.9, 127.8, 129.8, 129.9, 132.4, 134.5, 135.0, 135.2, 135.5, 142.2, 144.1, 150.3, 158.4, 163.9.
MS m/z calcd for M+H; 787.3391. Found; 787.3413.
【0028】
5’-[O-(4,4’-ジメトキシトリチル)], 3’-[O-4-(ヒドキシメチル)フェニル-ジイソプロピルシリル] ?2’デオキシアデノシン(6a)
5’-[O-(4,4’-ジメトキシトリチル)], 3’-[O-4-(アセトキシメチル)フェニル-ジイソプロピルシリル] 2’-デオキシアデノシン5a (610 mg, 0.75 mmol)をtBuNH2-MeOH (1:4, v/v, 15 mL) で室温、三時間処理した。その後、クロロホルム100 mLで希釈し、飽和食塩水100mlで3回抽出操作をおこなった。さらに、有機層を回収し無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (1%ピリジン) により精製し、ヘキサンに50-100%クロロホルム、クロロホルムに0-3%メタノールのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的物を得た(530 mg, 92%)。
【0029】
1H NMR (CDCl3): 0.93-1.03 (m, 12H), 1.20-1.29 (m, 2H), 2.48-2.55 (m, 1H), 2.75-2.89 (m, 1H), 3.22 (dd, 1H, J = 4.1 Hz, J = 10.3 Hz), 3.39 (dd, 1H, J = 4.1 Hz, J = 10.3 Hz), 3.73 (s, 6H), 4.21 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 4.69 (s, 3H), 6.01 (s, 2H), 6.50 (t, 1H, J = 6.2 Hz), 6.74 (d, 4H, J = 8.9 Hz), 7.13-7.33 (m, 11H), 7.50 (d, 2H, J = 8.1 Hz), 7.81 (s, 1H), 8.26 (s, 1H).
13C NMR (CDCl3): 12.2, 12.3, 17.46, 17.51, 17.55, 17.6, 40.8, 55.2, 63.2, 64.9, 73.0, 77.2, 84.2, 86.4, 86.7, 113.0, 119.8, 123.6, 126.3, 126.7, 127.7, 128.0, 128.1, 128.9, 129.87, 129.9, 132.6, 134.7, 135.5, 135.6, 135.8, 138.7, 142.5, 144.4, 149.5, 149.6, 152.8, 155.3, 158.3.
MS m/z calcd for M+H; 774.3687. Found; 774.3747.
【0030】
5’-[O-(4,4’-ジメトキシトリチル)], 3’-O-[4-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト)ベンジル-ジイソプロピルシリル] チミジン(7t)
5’-[O-(4,4’-ジメトキシトリチル)], 3’-[O-4-(ヒドキシメチル)フェニル-ジイソプロピルシリル] チミジン6t (770 mg, 1.0 mmol)をピリジン、トルエン、ジクロロメタンの順で共沸して脱水後、無水THF(10 mL)に溶解させたのち、ジイソプロピルエチルアミン(242 μL, 1.1 mmol)と(2-シアノエチル)(N,N-ジイソプロピルアミノ)クロロホスフィン(242 μL, 1.5mmol)を加えた。30分間撹拌した後、反応溶液を水 (20 mL) にあけてから、クロロホルム200mlで希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液200mlで3回抽出操作を行った。有機層を回収し無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(1% トリエチルアミン)により精製し、ヘキサンに50-100%クロロホルム、続いてクロロホルムに0-3%メタノールのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的の白色個体を得た(850 mg, 88%)。
【0031】
1H NMR (CDCl3): 0.94-1.06 (m, 12H), 1.17-1.29 (m, 15H), 1.50 (s, 3H), 2.13-2.30 (m, 1H), 2.35-2.48 (m, 1H), 2.60 (t, 2H, J = 6.3 Hz), 3.27 (dd, 1H, J = 2.7 Hz, J = 10.5 Hz), 3.45 (dd, 1H, J = 2.7 Hz, J = 10.5 Hz), 3.61-3.87 (m, 10H), 4.14 (d, 1H, J = 2.1 Hz), 4.65-4.76 (m, 3H), 6.48 (dd, 1H, J = 5.7 Hz, J = 7.8 Hz), 6.80 (dd, 4H, J = 2.4 Hz, J = 8.9 Hz), 7.21-7.37 (m, 11H), 7.46 (d, 2H, J = 7.6 Hz), 7.63 (s, 1H), 9.45 (brs, 1H).
13C NMR (CDCl3):11.8, 11.9, 12.0, 12.4, 16.9, 17.1, 17.27, 17.32, 17.4, 20.3, 20.4, 22.8, 22.90, 22.94, 24.47, 24.55, 24.57, 24.7, 41.7, 43.0, 43.2, 45.2, 45.3, 55.1, 58.3, 58.5, 63.3, 65.0, 65.3, 67.8, 73.2, 77.2, 84.8, 86.7, 87.0, 110.9, 113.01, 113.04, 117.4, 126.0, 126.1, 126.8, 127.7, 127.8, 129.76, 129.80, 132.3, 134.0, 134.3, 135.0, 135.2, 135.4, 140.2, 140.3, 144.0, 150.2, 158.4, 163.8.
31P NMR (CDCl3): 149.3
【0032】
5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル), 3’-O-[4-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト)ベンジル-ジイソプロピルシリル] 2’-デオキシアデノシン (7a)
5’-[O-(4,4’-ジメトキシトリチル)], 3’-[O-4-(ヒドキシメチル)フェニル-ジイソプロピルシリル] ?2’デオキシアデノシン6a (450 mg, 0.58 mmol)をピリジン、トルエン、ジクロロメタンの順で共沸して脱水後、無水THF (6 mL) に溶解させたのち、ジイソプロピルエチルアミン(141 μl, 0.64 mmol)を加えた。この溶液を-78℃まで冷却し、(2-シアノエチル)(N,N-ジイソプロピルアミノ)クロロホスフィン(141 μl, 0.87 mmol)を加えてから、徐々に室温までもどした。30分間撹拌した後、反応溶液を水(20ml)にあけてから、クロロホルム200mlで希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液200mlで3回抽出操作を行った。有機層を回収し無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(1% トリエチルアミン)により精製し、ヘキサンに50-100%クロロホルム、続いてクロロホルムに0-3%メタノールのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的の白色個体を得た(500 mg, 87%)。
【0033】
1H NMR (CDCl3): 0.98-1.05 (m, 12H), 1.16-1.29 (m, 15H), 2.48-2.69 (m, 3H), 2.72-2.87 (m, 1H), 3.31 (dd, 1H, J = 4.1 Hz, J = 10.3 Hz), 3.39 (dd, 1H, J = 4.1 Hz, J = 10.3 Hz), 3.60-3.86 (m, 10H), 4.28 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 4.67-4.78 (m, 3H), 6.06 (s, 2H), 6.51 (t, 1H, J = 6.4 Hz), 6.77 (d, 4H, J = 8.6 Hz), 7.18-7.38 (m, 11H), 7.49 (d, 2H, J = 7.0 Hz), 7.98 (s, 1H), 8.28 (s, 1H).
13C NMR (CDCl3): 12.2, 12.3, 17.46, 17.51, 17.55, 17.6, 40.8, 55.2, 63.2, 64.9, 73.0, 77.2, 84.2, 86.4, 86.7, 113.0, 119.8, 123.6, 126.3, 126.7, 127.7, 128.0, 128.1, 128.9, 129.87, 129.9, 132.6, 134.7, 135.5, 135.6, 135.8, 138.7, 142.5, 144.4, 149.5, 149.6, 152.8, 155.3, 158.3.
31P NMR (CDCl3): 149.3.
【0034】
【化1】
JP0004628686B2_000002t.gif

【0035】
トリエチルアンモニウム, O-(4,4’-ジメトキシトリチル)酢酸(9)
ヒドロキシ酢酸 (760 mg, 10 mmol)とトリエチルアミン (1.45 mL, 11 mmol)を溶解させたピリジン溶液 100 mLに4, 4’-ジメトキシトリチルクロライドを加えた。室温、24時間撹拌し、20 mLのメタノールを加えた。クロロホルム500 mLで希釈し、0.5 Mの炭酸トリエチルアンモニウムバッファー300 mLを用いて3回抽出をおこなった。さらに、有機層を回収し無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、クロロホルムに0-3%メタノールのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的物を得た(3.5 g, 73%)。
【0036】
1H NMR (CDCl3): 1.15 (t, 9H, J = 7.3 Hz), 2.97 (dd, 6H, J = 7.0 Hz, J = 14.9 Hz), 3.55 (s, 2H), 3.64 (s, 6H), 6.77 (dd, 4H, J = 2.4 Hz, J = 7.0 Hz), 7.06-7.17 (m, 3 H), 7.39 (dd, 4H, J = 2.0 Hz, J = 7.4 Hz), 7.43 (d, 2H, J = 1.4 Hz).
【0037】
固相担体(10)の調製
十分乾燥させたハイリークロスリンクポリスチレン固相担体 (500mg 17μmol)、トリエチルアンモニウム,O-(4,4’-ジメトキシトリチル)酢酸3-18 (260 μmol) そしてDCC (268 1.3mmol) をジクロロメタン (5 mL)に溶かし、室温12時間撹拌した。反応後、固相担体をろ過し、アセトニトリルでの洗浄・乾燥を行った後、無水酢酸 (0.5ml)とDMAP (5 mg) をピリジン (4.5 mL) に溶かした溶液に加える。3時間撹拌を行った後、固相担体を再度ろ過し、アセトニトリルで洗浄した。固相担体への導入量は、トリチル基の比色定量より求めた(24 μmol/g)。
【0038】
【化2】
JP0004628686B2_000003t.gif

【0039】
シリルリンカーを用いたDNA合成
d[TTTTTTTTTTT]およびd[TTTTTTTTTTA]の合成には、Applied Biosystem Inc.(ABI) のDNA/RNA Synthesizer 392を使用した。DNAオリゴマーの自動合成機による合成は、HCP固相担体3-19 (1 μmol, 24 μmo/g)とシリルリンカーを含むホスホロアミダイトユニット7tもしくは7a、チミジン3’ホスホロアミダイトユニットを用いて行った。合成各鎖伸長サイクルは、以下の表1に示すとおりである。
【0040】
【表1】
JP0004628686B2_000004t.gif

【0041】
続いて、DMTr基を1分間の3% trichloroacetic acid in CH2Cl2 (2 mL)で除去し、CH2Cl2 (1 mL x 3), CH3CN (1 mL x 3)で固相担体を洗浄した。その後、10% DBU in CH3CN (500 μL) でシアノエチル基を除去した。CH3CN (1 mL x 3)で固相担体を洗浄した後に、TBAF (131 mg, 0.5 mmol) と酢酸 (24 μL, 0.5mmol) を無水THF μに溶かした反応溶液で固相担体を1時間処理し、DNAオリゴマーの切り出しを行った。得られた混合溶液をSep-Pak C18カートリッジを用いて脱塩をおこない目的物を得た。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のホスホロアミダイトを含む3’末端ヌクレオシドユニットを用いることによって、様々な固相素材を選択できるようになり、固相を直接チップとして用いたりするハイスループットDNAチップ合成も可能になるものと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】DNAオリゴマーの陰イオン交換HPLCチャートを示す。
図面
【図1】
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