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明細書 :ホスファフェロセン誘導体及びその製造方法。

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4448349号 (P4448349)
公開番号 特開2005-255576 (P2005-255576A)
登録日 平成22年1月29日(2010.1.29)
発行日 平成22年4月7日(2010.4.7)
公開日 平成17年9月22日(2005.9.22)
発明の名称または考案の名称 ホスファフェロセン誘導体及びその製造方法。
国際特許分類 C07F  19/00        (2006.01)
C07F   9/6568      (2006.01)
C07F  17/02        (2006.01)
FI C07F 19/00
C07F 9/6568
C07F 17/02
請求項の数または発明の数 20
全頁数 26
出願番号 特願2004-067008 (P2004-067008)
出願日 平成16年3月10日(2004.3.10)
審査請求日 平成18年10月2日(2006.10.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】高橋 保
【氏名】小笠原 正道
個別代理人の代理人 【識別番号】100092783、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 浩
【識別番号】100095360、【弁理士】、【氏名又は名称】片山 英二
【識別番号】100093676、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 純子
【識別番号】100112726、【弁理士】、【氏名又は名称】黒田 薫
審査官 【審査官】小川 由美
参考文献・文献 特開昭57-122094(JP,A)
特開2003-026780(JP,A)
特表2004-528291(JP,A)
特表2002-527444(JP,A)
第84会日本化学会講演予稿集,2004年,p.220,演題番号1B7-53
Organometallics,2003年,22(6),1174-1176
FAGAN P J,JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,1994年 3月 9日,V116 N5,P1880-1889
調査した分野 C07F 19/00
C07F 9/6568
C07F 17/02
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(1a)で示されるホスファフェロセン誘導体。
【化1】
JP0004448349B2_000025t.gif
[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、1~C20アルキル基である。
【請求項2】
1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、C1~C10アルキル基である、請求項1に記載のホスファフェロセン誘導体。
【請求項3】
下記式(1a)で示されるホスファフェロセン誘導体の製造方法であって、
【化2】
JP0004448349B2_000026t.gif
[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、1~C20アルキル基である。
下記式(2a)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体と、
【化3】
JP0004448349B2_000027t.gif
[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、上記の意味を有する。
Mは、遷移金属を示し、
1及びL2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、アニオン性配位子を示す。但し、L1及びL2は、架橋されていてもよい。]
下記式(3)で示されるホスフィンと
【化4】
JP0004448349B2_000028t.gif
[式中、Aは、ハロゲン原子又はC6~C12アリール基であり、
1及びX2は、脱離基を示す。]
を反応させ、下記式(4a)で示される中間体を得る工程と、
【化5】
JP0004448349B2_000029t.gif
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びAは、上記の意味を有する。]
前記式(4a)で示される中間体と還元剤とを反応させ、反応混合物を得る工程と、
前記反応混合物と鉄塩を反応させる工程とを含むことを特徴とするホスファフェロセン誘導体の製造方法。
【請求項4】
前記鉄塩が、塩化鉄である、請求項4に記載のホスファフェロセン誘導体の製造方法。
【請求項5】
Mが、周期表第4族から第6族の遷移金属である、請求項又はに記載のホスファフェロセン誘導体の製造方法。
【請求項6】
Mが、ジルコニウムである、請求項のいずれかに記載のホスファフェロセン誘導体の製造方法。
【請求項7】
前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5-配位系配位子であって、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、イソプロピルシクロペンタジエニル基、n-ブチルシクロペンタジエニル基、t-ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、ジエチルシクロペンタジエニル基、ジイソプロピルシクロペンタジエニル基、ジ-t-ブチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、2-メチルインデニル基、2-メチル-4-フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、オクタヒドロフルオレニル基及びアズレニル基からなる群から選ばれるものである、請求項のいずれかに記載のホスファフェロセン誘導体の製造方法。
【請求項8】
1及びX2が、ハロゲン原子である、請求項のいずれかに記載のホスファフェロセン誘導体の製造方法。
【請求項9】
1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、C1~C10アルキル基である、請求項のいずれかに記載のホスファフェロセン誘導体の製造方法。
【請求項10】
前記還元剤が、リチウム、マグネシウム、カリウム又はナトリウムである、請求項のいずれかに記載のホスファフェロセン誘導体の製造方法。
【請求項11】
下記式(1b)で示されるホスファフェロセン誘導体。
【化6】
JP0004448349B2_000030t.gif
[式中、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b及びR6は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、1~C20アルキル基であり、nは1以上の整数である。]
【請求項12】
1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b及びR6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、C1~C10アルキル基である、請求項11に記載のホスファフェロセン誘導体。
【請求項13】
下記式(1b)で示されるホスファフェロセン誘導体の製造方法であって、
【化7】
JP0004448349B2_000031t.gif
[式中、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b及びR6は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、1~C20アルキル基であり、nは1以上の整数を示す。]
下記式(2b)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体と、
【化8】
JP0004448349B2_000032t.gif
[式中、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b、R6及びnは、上記の意味を有する。
Mは、遷移金属を示し、
1及びL2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、アニオン性配位子を示す。但し、L1及びL2は、架橋されていてもよい。]
下記式(3)で示されるホスフィンと
【化9】
JP0004448349B2_000033t.gif
[式中、Aは、ハロゲン原子又はC6~C12アリール基であり、
1及びX2は、脱離基を示す。]
を反応させ、下記式(4b)で示される中間体を得る工程と、
【化10】
JP0004448349B2_000034t.gif
[式中、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b、R6、A及びnは、上記の意味を有する。]
前記式(4b)で示される中間体と還元剤とを反応させ、反応混合物を得る工程と、前記反応混合物と鉄塩を反応させる工程とを含むことを特徴とするホスファフェロセン誘導体の製造方法。
【請求項14】
前記鉄塩が、塩化鉄である、請求項13に記載のホスファフェロセン誘導体の製造方法。
【請求項15】
Mが、周期表第4族から第6族の遷移金属である、請求項13又は14に記載のホスファフェロセン誘導体の製造方法。
【請求項16】
Mが、ジルコニウムである、請求項1315のいずれかに記載のホスファフェロセン誘導体の製造方法。
【請求項17】
前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5-配位系配位子であって、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、イソプロピルシクロペンタジエニル基、n-ブチルシクロペンタジエニル基、t-ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、ジエチルシクロペンタジエニル基、ジイソプロピルシクロペンタジエニル基、ジ-t-ブチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、2-メチルインデニル基、2-メチル-4-フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、オクタヒドロフルオレニル基及びアズレニル基からなる群から選ばれるものである、請求項1316のいずれかに記載のホスファフェロセン誘導体の製造方法。
【請求項18】
1及びX2が、ハロゲン原子である、請求項1317のいずれかに記載のホスファフェロセン誘導体の製造方法。
【請求項19】
1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b及びR6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、C1~C10アルキル基である、請求項1318のいずれかに記載のホスファフェロセン誘導体の製造方法。
【請求項20】
前記還元剤が、リチウム、マグネシウム、カリウム又はナトリウムである、請求項1319のいずれかに記載のホスファフェロセン誘導体の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスファフェロセン誘導体及びその製造方法に関し、より詳しくはアセン部分を含むホスファフェロセン誘導体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フェロセン誘導体は有機機能性材料として有用であり、また、2つのアセンがコミュニケーションする新しい機能を持つ材料となる可能性が期待されている。一方、ナフタレン、アントラセン、ナフタセン等のポリアセンも共役系高分子であるため、有機機能性材料として有用であることが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これまでアセン類を持つフェロセン誘導体は知られていなかった。このような材料は、フェロセンとポリアセンの両方の特質を兼ね備えていることが期待され、その有用性は甚大である。しかも、所望の置換基を導入することができる手法があれば、その機能、物性を制御することが可能となるため、より望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、アセン類を持つフェロセン誘導体の提供、及び所望の置換基を導入することができる手法の提供を目的とする。
【0005】
本発明の第1態様では、下記式(1a)で示されるホスファフェロセン誘導体が提供される。
【化11】
JP0004448349B2_000002t.gif
[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;水酸基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシカルボニル基;又は置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシカルボニル基であり、ただし、R2及びR3、R3及びR4、並びに、R4及びR5は、ぞれぞれ、互いに架橋してC4~C20飽和環又は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子又は式-N(B)-で示される基(式中、Bは水素原子又はC1~C20炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。]
【0006】
本発明の第1態様において、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基、又はハロゲン原子であることが好ましく、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、C1~C10アルキル基であることが更に好ましい。
【0007】
本発明の第2態様では、下記式(1b)で示されるホスファフェロセン誘導体が提供される。
【化12】
JP0004448349B2_000003t.gif
[式中、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b及びR6は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;水酸基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシカルボニル基;又は置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシカルボニル基であり、ただし、R3及びR4は、互いに架橋してC4~C20飽和環又は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子又は式-N(B)-で示される基(式中、Bは水素原子又はC1~C20炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよく、
nは1以上の整数である。]
【0008】
本発明の第2態様において、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b及びR6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基、又はハロゲン原子であることが好ましく、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b及びR6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、C1~C10アルキル基であることが更に好ましい。
【0009】
本発明の第3態様では、本発明の第1態様にかかるホスファフェロセン誘導体の製造方法の一態様が提供される。具体的には、本発明の第3態様では、下記式(1a)で示されるホスファフェロセン誘導体の製造方法であって、
【化13】
JP0004448349B2_000004t.gif
[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;水酸基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシカルボニル基;又は置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシカルボニル基であり、ただし、R2及びR3、R3及びR4、並びに、R4及びR5は、ぞれぞれ、互いに架橋してC4~C20飽和環又は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子又は式-N(B)-で示される基(式中、Bは水素原子又はC1~C20炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。]
下記式(2a)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体と、
【化14】
JP0004448349B2_000005t.gif
[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、上記の意味を有する。Mは、遷移金属を示し、L1及びL2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、アニオン性配位子を示す。但し、L1及びL2は、架橋されていてもよい。]
下記式(3)で示されるホスフィンと
【化15】
JP0004448349B2_000006t.gif
[式中、Aは、水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;水酸基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシカルボニル基;又は置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシカルボニル基であり、X1及びX2は、脱離基を示す。]
を反応させ、下記式(4a)で示される中間体を得る工程と、
【化16】
JP0004448349B2_000007t.gif
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びAは、上記の意味を有する。]
前記式(4a)で示される中間体と還元剤とを反応させ、反応混合物を得る工程と、前記反応混合物と鉄塩を反応させる工程とを含むことを特徴とするホスファフェロセン誘導体の製造方法が提供される。
【0010】
本発明の第4態様では、本発明の第2態様にかかるホスファフェロセン誘導体の製造方法の一態様が提供される。具体的には、本発明の第4態様では、下記式(1b)で示されるホスファフェロセン誘導体の製造方法であって、
【化17】
JP0004448349B2_000008t.gif
[式中、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b及びR6は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;水酸基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシカルボニル基;又は置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシカルボニル基であり、ただし、R3及びR4は、互いに架橋してC4~C20飽和環又は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子又は式-N(B)-で示される基(式中、Bは水素原子又はC1~C20炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよく、nは1以上の整数を示す。]
下記式(2b)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体と、
【化18】
JP0004448349B2_000009t.gif
[式中、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b、R6及びnは、上記の意味を有する。Mは、遷移金属を示し、L1及びL2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、アニオン性配位子を示す。但し、L1及びL2は、架橋されていてもよい。]
下記式(3)で示されるホスフィンと
【化19】
JP0004448349B2_000010t.gif
[式中、Aは、水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;水酸基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシカルボニル基;又は置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシカルボニル基であり、X1及びX2は、脱離基を示す。]
を反応させ、下記式(4b)で示される中間体を得る工程と、
【化20】
JP0004448349B2_000011t.gif
[式中、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b、R6、A及びnは、上記の意味を有する。]
前記式(4b)で示される中間体と還元剤とを反応させ、反応混合物を得る工程と、前記反応混合物と鉄塩を反応させる工程とを含むことを特徴とするホスファフェロセン誘導体の製造方法が提供される。
【0011】
本発明の第3態様及び第4態様において、前記鉄塩が、塩化鉄であることが好ましい。
【0012】
本発明の第3態様及び第4態様において、Mが、周期表第4族から第6族の遷移金属であることが好ましく、Mが、ジルコニウムであることが特に好ましい。
【0013】
本発明の第3態様及び第4態様において、前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5-配位系配位子であって、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基であることが好ましい。
【0014】
本発明の第3態様及び第4態様において、X1及びX2が、ハロゲン原子であることが好ましい。
【0015】
本発明の第3態様及び第4態様において、前記還元剤が、リチウム、マグネシウム、カリウム又はナトリウムであることが好ましい。
【0016】
本発明の第3態様において、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基、又はハロゲン原子であることが好ましく、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、C1~C10アルキル基であることが更に好ましい。
【0017】
本発明の第4態様において、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b及びR6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基、又はハロゲン原子であることが好ましく、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b、R6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、C1~C10アルキル基であることが更に好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、所望の置換基を有するアセン類を持つフェロセン誘導体が提供され、る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の第1態様では、下記式(1a)で示されるホスファフェロセン誘導体が提供される。
【化21】
JP0004448349B2_000012t.gif

【0020】
本発明の第1態様にかかる上記式(1a)で示されるホスファフェロセン誘導体は、共役系5員環のほかにベンゼン環を有しているため、2つのアセンが相互作用することが期待される。このため、例えば導電性材料や発光素子材料として特異的な性質を発現することが期待され、フェロセンとポリアセンの両方の特質を生かした新しい材料への利用が拓けると考えられる。
【0021】
上記式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;水酸基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシカルボニル基;又は置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシカルボニル基である。
【0022】
本明細書において、「C1~C20炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C1~C20炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。「C1~C20炭化水素基」には、C1~C20アルキル基、C2~C20アルケニル基、C2~C20アルキニル基、C4~C20アルキルジエニル基、C6~C18アリール基、C7~C20アルキルアリール基、C7~C20アリールアルキル基、C4~C20シクロアルキル基、C4~C20シクロアルケニル基、(C3~C10シクロアルキル)C1~C10アルキル基などが含まれる。
【0023】
本明細書において、「C1~C20アルキル基」は、C1~C10アルキル基であることが好ましく、C1~C6アルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
【0024】
本明細書において、「C2~C20アルケニル基」は、C2~C10アルケニル基であることが好ましく、C2~C6アルケニル基であることが更に好ましい。アルケニル基の例としては、制限するわけではないが、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2-メチル-1-プロペニル、2-メチルアリル、2-ブテニル等を挙げることができる。
【0025】
本明細書において、「C2~C20アルキニル基」は、C2~C10アルキニル基であることが好ましく、C2~C6アルキニル基であることが更に好ましい。アルキニル基の例としては、制限するわけではないが、エチニル、プロピニル、ブチニル等を挙げることができる。
【0026】
本明細書において、「C4~C20アルキルジエニル基」は、C4~C10アルキルジエニル基であることが好ましく、C4~C6アルキルジエニル基であることが更に好ましい。アルキルジエニル基の例としては、制限するわけではないが、1,3-ブタジエニル等を挙げることができる。
【0027】
本明細書において、「C6~C18アリール基」は、C6~C12アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
【0028】
本明細書において、「C7~C20アルキルアリール基」は、C7~C12アルキルアリール基であることが好ましい。アルキルアリール基の例としては、制限するわけではないが、o-トリル、m-トリル、p-トリル、2,3-キシリル、2,4-キシリル、2,5-キシリル、o-クメニル、m-クメニル、p-クメニル、メシチル等を挙げることができる。
【0029】
本明細書において、「C7~C20アリールアルキル基」は、C7~C12アリールアルキル基であることが好ましい。アリールアルキル基の例としては、制限するわけではないが、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、2,2-ジフェニルエチル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチル等を挙げることができる。
【0030】
本明細書において、「C4~C20シクロアルキル基」は、C4~C10シクロアルキル基であることが好ましい。シクロアルキル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
【0031】
本明細書において、「C4~C20シクロアルケニル基」は、C4~C10シクロアルケニル基であることが好ましい。シクロアルケニル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等を挙げることができる。
【0032】
本明細書において、「C1~C20アルコキシ基」は、C1~C10アルコキシ基であることが好ましく、C1~C6アルコキシ基であることが更に好ましい。アルコキシ基の例としては、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ等がある。
【0033】
本明細書において、「C6~C20アリールオキシ基」は、C6~C12アリールオキシ基であることが好ましい。アリールオキシ基の例としては、制限するわけではないが、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等を挙げることができる。
【0034】
本明細書において、「C1~C20アルコキシカルボニル基」は、C1~C10アルコキシカルボニル基であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の例としては、制限するわけではないが、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2-メトキシエトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル等を挙げることができる。
【0035】
本明細書において、「C6~C20アリールオキシカルボニル基」は、C6~C12アリールオキシカルボニル基であることが好ましい。アリールオキシカルボニル基の例としては、制限するわけではないが、フェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニル、フェニルフェノキシカルボニル等を挙げることができる。
【0036】
1、R2、R3、R4、R5及びR6で示される「C1~C20炭化水素基」、「C1~C20アルコキシ基」、「C6~C20アリールオキシ基」、「アミノ基」、「シリル基」、「C1~C20アルコキシカルボニル基」、「C6~C20アリールオキシカルボニル基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C12アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0037】
本明細書において、「置換基を有していてもよいアミノ基」の例としては、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
【0038】
本明細書において、「置換基を有していてもよいシリル基」の例としては、制限するわけではないが、ジメチルシリル、ジエチルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、トリフェノキシシリル、ジメチルメトキシシリル、ジメチルフェノキシシリル、メチルメトキシフェニル等がある。
【0039】
本発明において、R2及びR3、R3及びR4、並びに、R4及びR5は、互いに架橋してC4~C20飽和環又は不飽和環を形成してもよい。これらの置換基が形成する環は、4員環~16員環であることが好ましく、4員環~12員環であることが更に好ましい。この環は、ベンゼン環等の芳香族環あってもよいし、脂肪族環であってもよい。また、これらの置換基が形成する環に、更に単数又は複数の環が形成されていてもよい。
【0040】
前記飽和環または不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子または式—N(B)—で示される基(式中、Bは水素原子またはC1~C20炭化水素基である。)で中断されていてもよい。即ち、前記飽和環または不飽和環はヘテロ環であってもよい。かつ、置換基を有していてもよい。不飽和環は、ベンゼン環等の芳香族環であってもよい。
【0041】
Bは,水素原子またはC1~C10炭化水素基であることが好ましく、水素原子またはC1~C7炭化水素基であることが更に好ましく、Bは水素原子、C1~C3アルキル基、フェニル基またはベンジル基であることが更になお好ましい。
【0042】
この飽和環又は不飽和環は、置換基を有していてもよく、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C12アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などの置換基が導入されていてもよい。
【0043】
本発明の第1態様において、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基、又はハロゲン原子であることが好ましく、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、C1~C10アルキル基であることがより好ましく、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、メチル基、エチル基又はプロピル基であることが更に好ましい。
【0044】
本発明の第2態様では、下記式(1b)で示されるホスファフェロセン誘導体が提供される。
【化22】
JP0004448349B2_000013t.gif

【0045】
本発明の第2態様にかかる上記式(1b)で示されるホスファフェロセン誘導体は、本発明の第1態様にかかる上記式(1a)で示されるホスファフェロセン誘導体に比べて縮合しているベンゼン環の数が多いため、特異的な性質を示すと考えられる。
【0046】
上記式中、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b及びR6は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;水酸基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシカルボニル基;又は置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシカルボニル基である。
【0047】
1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b及びR6で示される「C1~C20炭化水素基」、「C1~C20アルコキシ基」、「C6~C20アリールオキシ基」、「アミノ基」、「シリル基」、「C1~C20アルコキシカルボニル基」、「C6~C20アリールオキシカルボニル基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C12アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0048】
本発明において、R3及びR4は、互いに架橋してC4~C20飽和環又は不飽和環を形成してもよい。これらの置換基が形成する環は、4員環~16員環であることが好ましく、4員環~12員環であることが更に好ましい。この環は、ベンゼン環等の芳香族環あってもよいし、脂肪族環であってもよい。また、これらの置換基が形成する環に、更に単数又は複数の環が形成されていてもよい。
【0049】
前記飽和環または不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子または式—N(B)—で示される基(式中、Bは水素原子またはC1~C20炭化水素基である。)で中断されていてもよい。即ち、前記飽和環または不飽和環はヘテロ環であってもよい。かつ、置換基を有していてもよい。不飽和環は、ベンゼン環等の芳香族環であってもよい。
【0050】
Bは,水素原子またはC1~C10炭化水素基であることが好ましく、水素原子またはC1~C7炭化水素基であることが更に好ましく、Bは水素原子、C1~C3アルキル基、フェニル基またはベンジル基であることが更になお好ましい。
【0051】
この飽和環又は不飽和環は、置換基を有していてもよく、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C12アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などの置換基が導入されていてもよい。
【0052】
本発明の第2態様において、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b及びR6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基、又はハロゲン原子であることが好ましく、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b及びR6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、C1~C10アルキル基であることがより好ましく、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b、R6が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、メチル基、エチル基、又はプロピル基であることが更に好ましい。
【0053】
本発明の第2態様において、nは1以上の整数であり、1~10であることが好ましく、1~8であることがより好ましく、1~4であることが更に好ましい。
【0054】
本発明の第3態様では、本発明の第1態様にかかるホスファフェロセン誘導体の製造方法の一態様が提供される。具体的には、本発明の第3態様では、下記式(2a)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体と、下記式(3)で示されるホスフィンとを反応させ、下記式(4a)で示される中間体を得る工程と、前記式(4a)で示される中間体と還元剤とを反応させ、反応混合物を得る工程と、前記反応混合物と鉄塩を反応させる工程とを含むことを特徴とする、下記式(1a)で示されるホスファフェロセン誘導体の製造方法が提供される。
【化23】
JP0004448349B2_000014t.gif
[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、上記の意味を有する。]
【0055】
本発明の第3態様において、下記式(2a)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体が用いられる。
【化24】
JP0004448349B2_000015t.gif
[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、上記の意味を有する。]
【0056】
上記式中、Mは、遷移金属を示す。Mとしては、周期表第4族~第6族の遷移金属であることが好ましく、周期表第4族の金属、即ち、チタン、ジルコニウム及びハフニウムであることが更に好ましく、ジルコニウムであることが特に好ましい。
【0057】
また、上記式中、L1及びL2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、アニオン性配位子を示す。ただし、L1及びL2は、架橋されていてもよい。
前記アニオン性配位子は、非局在化環状η5-配位系配位子、C1~C20アルコキシ基、C6~C20アリールオキシ基又はジアルキルアミド基であることが好ましく、非局在化環状η5-配位系配位子であることが更に好ましい。非局在化環状η5-配位系配位子としては、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基を挙げることができ、無置換のシクロペンタジエニル基、及び置換されたシクロペンタジエニル基であることが好ましい。
【0058】
この置換シクロペンタジエニル基は、例えば、メチルシクロペンタジエニル、エチルシクロペンタジエニル、イソプロピルシクロペンタジエニル、n-ブチルシクロペンタジエニル、t-ブチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、ジエチルシクロペンタジエニル、ジイソプロピルシクロペンタジエニル、ジ-t-ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、インデニル基、2-メチルインデニル基、2-メチル-4-フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、オクタヒドロフルオレニル基及びアズレニル基である。
【0059】
非局在化環状η5-配位系配位子は、非局在化環状π系の1個以上の原子がヘテロ原子に置換されていてもよい。水素の他に、周期表第14族の元素及び/又は周期表第15、16及び17族の元素のような1個以上のヘテロ原子を含むことができる。
【0060】
非局在化環状η5-配位系配位子、例えば、シクロペンタジエニル基は、中心金属と、環状であってもよい、一つの又は複数の架橋配位子により架橋されていてもよい。架橋配位子としては、例えば、CH2、CH2CH2、CH(CH3)CH2、CH(C49)C(CH32、C(CH32、(CH32Si、(CH32Ge、(CH32Sn、(C652Si、(C65)(CH3)Si、(C652Ge、(C652Sn、(CH24Si、CH2Si(CH32、o-C64又は2、2'-(C642が挙げられる。
【0061】
上記式(2a)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体は、例えば下記式で示されるスキームに従って、ビスシクロペンタジエニル金属ジハロゲンのようなメタロセン1モルに約1モルのジインを作用させることにより得ることができる。
【化25】
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[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、M、L1及びL2は、上記の意味を有し、Z1及びZ2は、Cl等のハロゲン原子を示す。]
【0062】
例えば、上記式(2a)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体としてジルコナシクロペンタジエン誘導体を用いる場合には、例えば、下記のビスシクロペンタジエニル金属ジハロゲンを用いて合成することができる。
ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジエチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジ-t-ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム。
【0063】
また、本発明の第3態様において、上記式(2a)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体と下記式(3)で示されるホスフィンとを反応させ、中間体を得る(第1工程)。
【化26】
JP0004448349B2_000017t.gif

【0064】
上記式中、Aは、水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;水酸基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシカルボニル基;又は置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシカルボニル基である。
【0065】
Aで示される「C1~C20炭化水素基」、「C1~C20アルコキシ基」、「C6~C20アリールオキシ基」、「アミノ基」、「シリル基」、「C1~C20アルコキシカルボニル基」、「C6~C20アリールオキシカルボニル基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C12アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0066】
本発明の第3態様において、Aは、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基、又はハロゲン原子であることが好ましく、C6~C12アリール基又はハロゲン原子であることがより好ましく、フェニル基又は塩素原子であることが更に好ましい。
【0067】
上記式中、X1及びX2は、脱離基を示す。
本明細書において、脱離基としては、例えば、F、Cl、Br、Iのようなハロゲン原子、トシラート基(—O-S(=O)2-C64-CH3)、トリフルオロメタンスルホン酸エステル(トリフラート)、C1~C20アルコキシ基(好ましくは、C1~C10アルコキシ基であり、更に好ましくは、C1~C6アルコキシ基)、C6~C20アリールオキシ基、トリ低級アルキルシリルオキシ基が挙げられる。
【0068】
本発明の第3態様において、X1及びX2は、ハロゲン原子であることが好ましく、Clであることが特に好ましい。
【0069】
本発明の第3態様において、上記式(3)で示されるホスフィンの量は、上記式(2a)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体1モルに対して、0.1モル~10モルであることが好ましく、0.5モル~5モルであることがより好ましく、1モル~2モルであることが更に好ましい。
【0070】
本発明の第3態様の第1工程において、典型的には、上記式(2a)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体の溶液に、上記式(3)で示されるホスフィンを添加し、攪拌することにより、下記式(4a)で示される中間体を得る。
【化27】
JP0004448349B2_000018t.gif
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びAは、上記の意味を有する。]
【0071】
本発明の第3態様の第1工程において、反応は、好ましくは-50℃~80℃の温度範囲で行われ、より好ましくは-10℃~40℃の温度範囲、更に好ましくは0℃~30℃の温度範囲で行われる。
本発明の第3態様の第1工程において、圧力は、常圧であることが好ましい。
【0072】
本発明の第3態様の第1工程において、溶媒としては、上記式(2a)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素;o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【0073】
本発明の第3態様において、第1工程で得られた上記式(4a)で示される中間体と還元剤とを反応させ、反応混合物を得る(第2工程)。
本発明の第3態様において、還元剤としては、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム等を好ましく挙げることができ、リチウムを用いることが特に好ましい。
【0074】
本発明の第3態様において、還元剤の量は、上記式(4a)で示される中間体のアニオンを生成させるため、上記式(4a)で示される中間体に対して過剰量用いることが好ましい。例えば、上記式(4a)で示される中間体1モルに対して1モル以上用いることが好ましく、2モル~20モル用いることが更に好ましい。
【0075】
本発明の第3態様の第2工程において、典型的には、第1工程で得られた上記式(4a)で示される中間体から溶媒を除去し、これを新たな溶媒に溶解させ、この溶液に還元剤を添加して攪拌する。
【0076】
本発明の第3態様の第2工程において、反応は、好ましくは-50℃~80℃の温度範囲で行われ、より好ましくは-0℃~40℃の温度範囲、更に好ましくは10℃~30℃の温度範囲で行われる。
本発明の第3態様の第2工程において、圧力は、常圧であることが好ましい。
【0077】
本発明の第3態様の第2工程において、溶媒としては、第1工程で得られた上記式(4a)で示される中間体を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素;o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【0078】
本発明の第3態様において、第2工程で得られた反応混合物と鉄塩とを反応させる(第3工程)。
【0079】
本発明の第3態様において、鉄塩としては、鉄についての塩酸、硫酸等の無機酸の塩を用いることができる。たとえば、ハロゲン化鉄(II)が好ましく、特に、FeCl2が好ましく用いられる。
【0080】
本発明の第3態様において、鉄塩の量は、上記式(4a)で示される中間体のアニオン1モルに対して、0.01モル~10モルであることが好ましく、0.1モル~3モルであることがより好ましく、0.3モル~0.8モルであることが更に好ましい。
【0081】
本発明の第3態様の第3工程において、典型的には、第2工程で得られた反応混合物の溶液に、鉄塩を添加して攪拌する。
【0082】
本発明の第3態様の第3工程において、反応は、好ましくは-50℃~80℃の温度範囲で行われ、より好ましくは-0℃~40℃の温度範囲、更に好ましくは10℃~30℃の温度範囲で行われる。
本発明の第3態様の第3工程において、圧力は、常圧であることが好ましい。
【0083】
本発明の第3態様の第3工程において、溶媒としては、第2工程で得られた反応混合物を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素;o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【0084】
本発明の第4態様では、本発明の第2態様にかかるホスファフェロセン誘導体の製造方法の一態様が提供される。具体的には、本発明の第4態様では、下記式(2b)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体と、下記式(3)で示されるホスフィンとを反応させ、下記式(4b)で示される中間体を得る工程と、前記式(4b)で示される中間体と還元剤とを反応させ、反応混合物を得る工程と、前記反応混合物と鉄塩を反応させる工程とを含むことを特徴とする、下記式(1b)で示されるホスファフェロセン誘導体の製造方法が提供される。
【化28】
JP0004448349B2_000019t.gif
[式中、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b、R6、M、L1、L2及びnは、上記の意味を有する。]
【0085】
本発明の第4態様において、下記式(2b)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体が用いられる。
【化29】
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[式中、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b、R6、M、L1及びL2は、上記の意味を有する。]
【0086】
本発明の第4態様において、Mは、周期表第4族~第6族の遷移金属であることが好ましく、周期表第4族の金属、即ち、チタン、ジルコニウム及びハフニウムであることが更に好ましく、ジルコニウムであることが特に好ましい。
【0087】
本発明の第4態様において、L1及びL2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、非局在化環状η5-配位系配位子、C1~C20アルコキシ基、C6~C20アリールオキシ基又はジアルキルアミド基であることが好ましく、非局在化環状η5-配位系配位子であることが更に好ましい。非局在化環状η5-配位系配位子としては、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基を挙げることができ、無置換のシクロペンタジエニル基、及び置換されたシクロペンタジエニル基であることが好ましい。
【0088】
本発明の第4態様において、上記式(2b)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体は、例えば下記式で示されるスキームに従って、ビスシクロペンタジエニル金属ジハロゲンのようなメタロセン1モルに約1モルのジインを作用させることにより得ることができる。
【化30】
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[式中、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b、R6、n、M、L1及びL2は、上記の意味を有し、Z1及びZ2は、Cl等のハロゲン原子を示す。]
【0089】
例えば、上記式(2b)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体としてジルコナシクロペンタジエン誘導体を用いる場合には、例えば、下記のビスシクロペンタジエニル金属ジハロゲンを用いて合成することができる。
ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジエチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジ-t-ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム。
【0090】
また、本発明の第4態様において、上記式(2b)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体と下記式(3)で示されるホスフィンとを反応させ、中間体を得る(第1工程)。
【化31】
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【0091】
上記式中、Aは、水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;水酸基;置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシカルボニル基;又は置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシカルボニル基である。
【0092】
Aで示される「C1~C20炭化水素基」、「C1~C20アルコキシ基」、「C6~C20アリールオキシ基」、「アミノ基」、「シリル基」、「C1~C20アルコキシカルボニル基」、「C6~C20アリールオキシカルボニル基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C12アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0093】
本発明の第4態様において、Aは、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基、又はハロゲン原子であることが好ましく、C6~C12アリール基又はハロゲン原子であることがより好ましく、フェニル基又は塩素原子であることが更に好ましい。
【0094】
上記式中、X1及びX2は、脱離基を示す。
本発明の第4態様において、X1及びX2は、ハロゲン原子であることが好ましく、Clであることが特に好ましい。
【0095】
本発明の第4態様において、上記式(3)で示されるホスフィンの量は、上記式(2b)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体1モルに対して、0.1モル~10モルであることが好ましく、0.5モル~5モルであることがより好ましく、0.7モル~2モルであることが更に好ましい。
【0096】
本発明の第4態様の第1工程において、典型的には、上記式(2b)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体の溶液に、上記式(3)で示されるホスフィンを添加し、攪拌することにより、下記式(4b)で示される中間体を得る。
【化32】
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[式中、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5a、R5b、R6、A及びnは、上記の意味を有する。]
【0097】
本発明の第4態様の第1工程において、反応は、好ましくは-50℃~80℃の温度範囲で行われ、より好ましくは-10℃~40℃の温度範囲、更に好ましくは0℃~30℃の温度範囲で行われる。
本発明の第4態様の第1工程において、圧力は、常圧であることが好ましい。
【0098】
本発明の第4態様の第1工程において、溶媒としては、上記式(2b)で示されるメタラシクロペンタジエン誘導体を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素;o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【0099】
本発明の第4態様において、第1工程で得られた上記式(4b)で示される中間体と還元剤とを反応させ、反応混合物を得る(第2工程)。
本発明の第4態様において、還元剤としては、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム等を好ましく挙げることができ、リチウムを用いることが特に好ましい。
【0100】
本発明の第4態様において、還元剤の量は、上記式(4b)で示される中間体のアニオンを生成させるため、上記式(4b)で示される中間体に対して過剰量用いることが好ましい。例えば、上記式(4b)で示される中間体1モルに対して1モル以上用いることが好ましく、2モル~20モル用いることが更に好ましい。
【0101】
本発明の第4態様の第2工程において、典型的には、第1工程で得られた上記式(4b)で示される中間体から溶媒を除去し、これを新たな溶媒に溶解させ、この溶液に還元剤を添加して攪拌する。
【0102】
本発明の第4態様の第2工程において、反応は、好ましくは-50℃~80℃の温度範囲で行われ、より好ましくは-0℃~40℃の温度範囲、更に好ましくは10℃~30℃の温度範囲で行われる。
本発明の第4態様の第2工程において、圧力は、常圧であることが好ましい。
【0103】
本発明の第4態様の第2工程において、溶媒としては、第1工程で得られた上記式(4b)で示される中間体を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素;o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【0104】
本発明の第4態様において、第2工程で得られた反応混合物と鉄塩とを反応させる(第3工程)。
【0105】
本発明の第4態様において、鉄塩としては、鉄についての塩酸、硫酸等の無機酸の塩を用いることができる。たとえば、ハロゲン化鉄(II)が好ましく、特に、FeCl2が好ましく用いられる。
【0106】
本発明の第4態様において、鉄塩の量は、上記式(4b)で示される中間体のアニオン1モルに対して、0.01モル~10モルであることが好ましく、0.1モル~3モルであることがより好ましく、0.3モル~0.8モルであることが更に好ましい。
【0107】
本発明の第4態様の第3工程において、典型的には、第2工程で得られた反応混合物の溶液に、鉄塩を添加して攪拌する。
【0108】
本発明の第4態様の第3工程において、反応は、好ましくは-50℃~80℃の温度範囲で行われ、より好ましくは-0℃~40℃の温度範囲、更に好ましくは10℃~30℃の温度範囲で行われる。
本発明の第4態様の第3工程において、圧力は、常圧であることが好ましい。
【0109】
本発明の第4態様の第3工程において、溶媒としては、第2工程で得られた反応混合物を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素;o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【0110】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に制限されるものではない。
【0111】
溶媒として用いたテトラヒドロフラン(THF)は、ベンゾフェノン/ナトリウム金属で蒸留して無水とし、他の試薬は、市販のものを更なる精製をすることなく用いた。
【実施例】
【0112】
窒素雰囲気下で、マグネシウム(217 mg, 8.93 mmol)にTHF (5 mL)を加え、1,2-ジブロモエタン(360 mg, 1.92 mmol)で活性化する。エチレンの発生が止まった後、Cp2ZrCl2(2.00 g, 6.84 mmol)および 1,2,3,4-テトラプロピル-5,6-ジ(2-ヘキシニル)ベンゼン(2.77 g, 6.81 mmol)のTHF(20 mL)溶液をニードルを用いて加える。この混合物を室温で終夜撹拌すると濃赤色の溶液が得られる。減圧下で溶媒を留去した後、残渣をジクロロメタン(20 mL)に溶解し、0℃に冷却する。この溶液に三塩化リン(1.00 g, 7.28 mmol)を加え、室温で2時間撹拌する。減圧下で溶媒を留去し、残渣をヘキサンで抽出する。ヘキサン溶液をセライトを用いて濾過した後、ヘキサンを留去し、残渣をTHF (15 mL)に溶解し、それに過剰量の金属リチウム(240 mg, 34.6 mmol)を加える。混合物を室温で1時間撹拌した後、赤色溶液に無水塩化鉄(II) (420 mg, 3.31 mmol)を加え、室温で終夜撹拌する。溶媒を減圧下で留去した後、残渣をヘキサンで抽出し、溶媒を留去する。ここで得られた残渣を、窒素雰囲気下でシリカゲル・カラムクロマトグラフィ(溶媒、ヘキサン:ベンゼン=4:1)で精製すると、ジホスファフェロセンが1.33g(43%)得られる。熱ヘキサンから再結晶することにより良好な結晶が得られる。
【0113】
1H NMR (CDCl3): δ0.79 (t, J = 7.3 Hz, 12H), 1.07 (t, J = 7.3 Hz, 24H), 1.15-1.38 (m, 8H), 1.46-1.74 (m, 20H), 1.93-2.08 (m, 4H), 2.05-2.60 (m, 16H), 3.47 (d, J = 18.2 Hz, 4H), 3.81 (d, J = 18.2 Hz, 4H). 31P[1H] NMR (CDCl3): δ-55.3 (s).
【0114】
上記実施例の反応スキームを下記に示す。
【化33】
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