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明細書 :デンドリマー分子ワイヤー、その合成方法およびそれよりなる蛍光剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3878614号 (P3878614)
公開番号 特開2005-255699 (P2005-255699A)
登録日 平成18年11月10日(2006.11.10)
発行日 平成19年2月7日(2007.2.7)
公開日 平成17年9月22日(2005.9.22)
発明の名称または考案の名称 デンドリマー分子ワイヤー、その合成方法およびそれよりなる蛍光剤
国際特許分類 C08G  61/02        (2006.01)
C07C  67/31        (2006.01)
C07C  69/76        (2006.01)
C09K  11/06        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C08G 61/02
C07C 67/31
C07C 69/76 Z
C09K 11/06
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 11
全頁数 24
出願番号 特願2004-064930 (P2004-064930)
出願日 平成16年3月9日(2004.3.9)
審査請求日 平成16年4月20日(2004.4.20)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】江 東林
【氏名】李 維実
【氏名】相田 卓三
個別代理人の代理人 【識別番号】100087675、【弁理士】、【氏名又は名称】筒井 知
審査官 【審査官】辰己 雅夫
参考文献・文献 特開2005-246188(JP,A)
特開2005-232293(JP,A)
特開2002-322348(JP,A)
特開2002-293890(JP,A)
特開2002-212272(JP,A)
特開2000-239360(JP,A)
調査した分野 C08G61/00-61/12
特許請求の範囲 【請求項1】
下記の一般式(1)で表されることを特徴とするデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレン。
〔但し、一般式(1)中、2つのGnは、それぞれ独立して、芳香環を含む繰り返し単位から成り親水性の置換基を有するデンドロン残基であり、下記の一般式(2)で表され、2つのGnは相互に同一であっても異なっていてもよく、mは重合度を示す自然数を表す。〕
【化1】
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【化2】
JP0003878614B2_000018t.gif
〔但し、一般式(2)中、Aroは芳香環を表し、Xは親水性置換基を表し、nは1~6の整数を表す。〕
【請求項2】
Gnが芳香族ポリエーテル構造を有し芳香環上に親水性置換基を有するデンドロン残基であり、下記の一般式(3)〔但し、一般式(3)中、Xは親水性置換基を表し、nは1~6の整数を表す。〕で表されることを特徴とする請求項1に記載のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレン。
【化3】
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【請求項3】
Gnが下記の一般式(4)、一般式(5)および一般式(6)から成る群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレン。
【化4】
JP0003878614B2_000020t.gif
【化5】
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【化6】
JP0003878614B2_000022t.gif
〔但し、一般式(4)、一般式(5)及び一般式(6)中、Xは-COR、-CO、-CONH(CH)R’より成る群から選ばれる少なくとも1種であって相互に異なっていてもよく、また、RおよびR’はそれぞれ炭素数1から4のアルキル基を表す。〕
【請求項4】
mが1~128の自然数であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレン。
【請求項5】
請求項1のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンの合成方法であって、
(I)下記の一般式(7)で表される臭素置換デンドロン側鎖前駆体化合物(一般式(7)中、Aro、Xおよびnは一般式(2)中のAro、Xおよびnと同義である)、2,5-ビス(トリメチルシリルエチニル)-1,4-ヒドロキノン、炭酸カリウムおよび18-クラウン-6-エーテルを含有する溶液を撹拌下に反応させて下記の一般式(8)で表されるデンドロン側鎖含有ジエチニルベンゼン(一般式(8)中、Gnは一般式(1)中のGnと同義である)を得る工程、
(II)得られたデンドロン側鎖含有ジエチニルベンゼンを酸化触媒、助触媒およびアミン系塩基の存在下に1-アイオド-4-トリメチルシリルエチニルベンゼンと不活性ガス雰囲気下で反応させて下記の一般式(9)で表されるデンドロン側鎖含有ジ(エチニルフェニルエチニル)ベンゼン(一般式(9)中、Gnは一般式(1)中のGnと同義である)を得る工程、
(III)得られたデンドロン側鎖含有ジ(エチニルフェニルエチニル)ベンゼンを酸化触媒およびアミン系塩基の存在下に不活性ガス雰囲気下で逐次的に酸化二量化反応を繰り返して重合させる工程、
を含むことを特徴とする方法。
【化7】
JP0003878614B2_000023t.gif
【化8】
JP0003878614B2_000024t.gif
【化9】
JP0003878614B2_000025t.gif

【請求項6】
工程(III)において、所望の2×a量体生成物(aは1から64の自然数)でない成分を分離した後、次の酸化二量化反応の工程に供することを特徴とする請求項5に従う方法。
【請求項7】
請求項2のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンの合成方法であって、臭素置換デンドロン側鎖前駆体化合物が下記の一般式(10)で表されるものであることを特徴とする請求項5または6のいずれかに従う方法。
(一般式(10)中、Xおよびnは一般式(3)中のXおよびnと同義である)
【化10】
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【請求項8】
請求項3のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンの合成方法であって、臭素置換デンドロン側鎖前駆体化合物が下記の一般式(11)、一般式(12)または一般式(13)(一般式(11)、一般式(12)および一般式(13)中、Xは一般式(4)、一般式(5)および一般式(6)中のXと同義である)で表されるものであることを特徴とする請求項5または6のいずれかに従う方法。
【化11】
JP0003878614B2_000027t.gif
【化12】
JP0003878614B2_000028t.gif
【化13】
JP0003878614B2_000029t.gif

【請求項9】
工程(II)における酸化触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、助触媒としてヨウ化第一銅、およびアミン系塩基としてジイソプロピルアミンを用いることを特徴とする請求項5~8のいずれかに従う方法。
【請求項10】
工程(III)における酸化触媒として酢酸第二銅、およびアミン系塩基としてテトラメチレンジアミンを用いることを特徴とする請求項5~9のいずれかに従う方法。
【請求項11】
請求項1~4のいずれかのデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレン含むことを特徴とする蛍光剤。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、共役系高分子に関し、特に、可溶性で単分散性のポリフェニレンエチニレン化合物類に関する。
【背景技術】
【0002】
分子長の揃った単分散性のπ電子共役系高分子は分子エレクトロニクスおよび分子光学用の分子ワイヤー材料として注目されている。例えば、いろいろな分子長について分子長の揃った分子ワイヤーを調製することができれば、分子・ナノデバイスに必要な分子レベルの配線が可能となる。従来、このような分子ワイヤー材料としてポリフェニレン、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレンエチニレン(以下、PPhEと略記することがある)、ポリチオフェン、およびポリポルフィリンなどの誘導体が報告されているが、これらのオリゴマーは溶媒に対する溶解性が低いうえ、強い凝集性を有するために、N.Arataniら;Angew.Chem.112巻1517頁(2000)(非特許文献1)に記載されたポリポルフィリンを唯一の例外として、その分子長が数十nmに限られていた。また、光化学の観点からは、これらの分子の持つ強い凝集性は光励起状態での分子同士の衝突による失活を招くため、その特性が十分に発揮できないという致命的な欠陥を有していた。
【0003】
一方、PPhEは、長い非屈曲性のπ電子共役系高分子主鎖構造を有するため、光の吸収と発光、導電性等の性質を有するので産業上の利用が期待される材料である。例えば、Devadoss,C.ら;J.Am.Chem.Soc.,118巻、9635頁(1996)(非特許文献2)、あるいは池田剛ら;Polym.Prepr.,Japan、47巻3号、403頁(1998)(非特許文献3)には、この構造の光物性の利用についての記述がある。しかしながらポリフェニレンエチニレンは、π電子共役系、導電性や発光性を有する高分子として、同様の目的で盛んに検討されてきたポリフェニレンビニレン、ポリフェニレン、あるいはポリチオフェン等に比べて必ずしも基礎研究が十分に行われていないのが現状である。これは、PPhEが溶媒に極めて溶解しにくく、高分子量のものの合成が容易でないことが一因と考えられる。
【0004】
かかるPPhEの応用に関する最近の新しい技術として、芳香環を含む繰り返し単位から成るデンドロン側鎖がそのフォーカルポイントでPPhEに結合されてなる構造、すなわち、デンドリマーを分子ワイヤーとする構造のポリフェニレンエチニレンが案出されている。例えば、ポリベンジルエーテル構造を有するデンドロン側鎖を有するPPhEが、特開2000-239360号公報(特許文献1)に開示されている。この技術により、かかるPPhEは、該デンドロンの導入に起因して有機溶媒溶解性を獲得し、さらに特開2002-212272号公報(特許文献2)には該PPhEよりなる薄膜成形体が開示されているが、該PPhEの単分散性は必ずしも十分なものではなく、その応用に限界があった。また、特開2002-293890号公報(特許文献3)には、芳香族ポリエーテルケトン構造を有するデンドロン側鎖を有する改善された有機溶媒溶解性を有するPPhEが開示されており、さらに該PPhEの有機溶媒溶液からのスピンコートによる薄膜が開示されているが、この技術によっても重合度の揃ったPPhEは得られておらず、産業上の利用に限界があった。従来の技術には分子エレクトロニクスおよび分子光学用の分子ワイヤー材料として重合度の揃った長い非屈曲性のπ電子共役系高分子主鎖構造を有するPPhEを提供しようという発想がなく、もちろん上記特開2000-239360号公報、特開2002-212272号公報および特開2002-293890号公報にもこのような概念は開示されていない。また、上記従来技術のPPhEの溶解性は有機溶媒溶解性に限られており、水系媒質への溶解性に言及したものはなく、水への溶解性を獲得することにより、産業上の利用分野を広げようという発想はなかった。

【非特許文献1】N.Arataniら;Angew.Chem.112巻1517頁(2000)
【非特許文献2】Devadoss,C.ら;J.Am.Chem.Soc.,118巻、9635頁(1996)
【非特許文献3】池田剛ら;Polym.Prepr.,Japan、47巻3号、403頁(1998)
【特許文献1】特開2000-239360号公報
【特許文献2】特開2002-212272号公報
【特許文献3】特開2002-293890号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記の従来技術に鑑み、本発明は有機溶媒および水への優れた溶解性を有しそれらの溶液中で蛍光を発するなど可溶性の機能材料として有用な重合度の揃った新しいタイプのポリフェニレンエチニレン類を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために、紫外線吸収能と媒質への溶解性を有する芳香族デンドロンの合成方法とその物性、および、かかるデンドロンのPPhE主鎖への結合可能性ならびにPPhE主鎖の重合度制御法につき鋭意検討を重ねた結果、芳香環を含む繰り返し単位の末端に種々の置換基を有するデンドロン構造体の合成に成功し、このデンドロンを使用することにより、デンドロン側鎖含有ジ(エチニルフェニルエチニル)ベンゼンが得られることを見出した。更に該デンドロン側鎖含有ジ(エチニルフェニルエチニル)ベンゼンが酸化触媒の存在下で容易に酸化二量化して両末端に更なる酸化二量化可能なエチニル基を有する二量体を生成することを見出し、この二量化を繰り返すことにより、所望の長さの重合度の揃った、種々の媒質に対する従来にない優れた溶解性や相溶性を呈するとともに、π電子共役系に基づくPPhE主鎖が嵩高いデンドロン側鎖に覆われているため衝突による失活のない安定な励起状態を生成する可視光吸収能が発揮可能なポリフェニレンエチニレン化合物が得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0007】
かくして、本発明は、下記の一般式(1)で表されることを特徴とする親水性デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンとその合成方法を提供するものである。
〔但し、一般式(1)中、2つのGnは、それぞれ独立して、芳香環を含む繰り返し単位から成り親水性の置換基を有するデンドロン残基であり、下記の一般式(2)で表され、2つのGnは相互に同一であっても異なっていてもよく、mは重合度を示す自然数を表す。〕
【0008】
【化1】
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【0009】
【化2】
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【0010】
〔但し、一般式(2)中、Aroは芳香環を表し、Xは置換基を表し、nは1~6の整数を表す。〕
【発明の効果】
【0011】
本発明に従えば、有機溶媒(極性有機溶媒)のみならず、水系媒質にも優れた溶解性を有する重合度の揃ったポリフェニレンエチニレン化合物が得られ、本発明のポリフェニレンエチニレンは、π電子共役系に基づく可溶性高分子として蛍光剤をはじめ、発光性や導電性を利用する分子エレクトロニクスおよび分子光学用の分子ワイヤーなどの新しい機能材料の開発に資することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[ポリフェニレンエチニレン] 本発明のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレン(PPhE)は、具体的には、下記一般式(1)で表される化学構造を有する。
【0013】
【化3】
JP0003878614B2_000004t.gif
JP0003878614B2_000005t.gifJP0003878614B2_000006t.gifJP0003878614B2_000007t.gif
【0014】
上記一般式(1)にも表わされているように、本発明の親水性デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンは、後述する芳香環を含む繰り返し単位から成り芳香環上に親水性置換基を有するデンドロン残基Rをそのフォーカルポイント末端においてPPhE主鎖に1つの酸素原子を介して結合したものである。上記一般式(1)におけるPPhE主鎖の重合度を表す自然数mには特に制限はないが、重量平均重合度として、通常1~1000、合成の容易さ、溶解性および光学特性の観点から好ましくは1~128程度とする。この時の分子量分布にも特に制限はないが、均質性の観点からは分子量分布は小さい方が好ましいので、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnとして、通常1~20程度とする。合成方法に関する後の記述からも明らかなように、本発明に従えば、最も好ましい態様として、実質的に重合度分布を持たず単分散を呈する、すなわち、Mw/Mnが1のデンドロン側鎖ポリフェニレンエチニレンを得ることもできる。
【0015】
[デンドロン] 本発明のポリフェニレンエチニレンの側鎖を構成するデンドロン(Dendron)とは、近年非常に盛んに行なわれているデンドリマー(Dendrimer:樹枝状規則分岐を有する高分子構造の総称)の研究において、かかる構造単位を持つ分子構築部品という意味で広く用いられる術語であり、例えば、G.R.Newkomeらの成書「Dendritic Molecules, Concepts-Synthesis Perspectives (VCH
Verlagagesellec haft mbH; Weinheim, Germany: 1996, ISBN: 3-527-29326-6)」等を参照することができる。そして、該分岐構造の開始点(デンドロンを模式的に扇型と見なした場合の扇の要に相当)をフォーカルポイントと称し、分岐の次数を「世代(Generation)」と称する(図1および図2を参照)。なお、本発明においては、分岐点が1つの構造(即ち第1世代)もデンドロンと見なす。
【0016】
本発明に用いられるデンドロンは、その化学構造の繰り返し単位に芳香環を有する必要がある。すなわち、本発明に従うポリフェニレンエチニレンは、一般式(1)においてRとして芳香環を含む繰り返し単位から成り末端に親水性の置換基を含むデンドロン残基を有し、このRは下記の一般式(2)で表すことができる。
【0017】
【化4】
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【0018】
但し、一般式(2)中、Aroは芳香環を表し、Xは置換基を表し、nは1~6の整数を表す。図1には、nが1~3、すなわち、第1世代から第3世代のデンドロン残基の構造が示されている。
【0019】
ここで芳香環とは、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の炭化水素芳香環、ピリジン環、キノリン環等の含窒素芳香環等を意味する。これらのうち、本発明に好適なデンドロンの構造例として、具体的には、ポリベンジルエーテル等の芳香族ポリエーテル、ポリヒドロキシ安息香酸等の芳香族ポリエステル、芳香族又は半芳香族ポリアミド、芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリエステルカーボネート、ポリフェニレンスルフィド等の芳香族ポリスルフィド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド等の炭素以外の元素を高分子主鎖に含む芳香族系高分子構造、ポリフェニレン、ポリフェニレンエチニレン、ポリフェニレンエチレン等の炭素-炭素結合で主鎖が構成されている芳香族系共役高分子構造等が挙げられ、このうちポリベンジルエーテル等の芳香族ポリエーテル、ポリヒドロキシ安息香酸等の芳香族ポリエステル等が好ましく、中でもポリベンジルエーテル等の芳香族ポリエーテルがより好ましく、特に、下記一般式(3)で表される3,5-ジオキシベンジル基を繰り返し単位とし、末端に親水基を有する構造が最適である。なお、これらの複数種の構造が1つのデンドロン残基中に共存していても差し支えなく、また、複数種のデンドロン残基が1つのポリフェニレンエチニレン鎖に結合していても差し支えない。
【0020】
【化5】
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【0021】
但し、一般式(3)中、Xは置換基を表し、nは1~6の整数を表す。図2には、nが1~3、すなわち、第1世代から第3世代のデンドロン残基の構造〔一般式(4)~(6)〕が示されている。
【0022】
本発明に用いられるデンドロンの世代に特に制限はないが、通常1~6、合成の容易性から好ましくは1~4、発光効果および溶解性の点でより好ましくは2~3とする。本発明に用いられるデンドロンは、そのフォーカルポイントにおいてポリフェニレンエチニレンに結合する必要がある。ポリフェニレンエチニレン主鎖へ結合するデンドロンの数に特に制限はなく、所望の発光挙動により変動するが、該主鎖の1つの繰り返し単位中のデンドロン数とフェニレン環数の比は、通常2:1~2:3、発光効率と溶解性の点で好ましくは2:3である。
【0023】
既述の一般式(2)や(3)で表されるような本発明におけるデンドロン残基の分岐末端の構造には、溶解性を著しく低下させない限りにおいて制限はないが、有機媒質や水系溶剤への溶解性や相溶性、化学的安定性、及び化学合成容易性のバランスの点でp-位に親水性(水溶性)の置換基を持つフェニル基が最も好適である。親水性の置換基の例としては-COH、-COCH、-CO、-CO、-CO、-COLi、-CONa、-COK、-CONH(CH)CH、-CONH(CH)などが挙げられる。1つのデンドロン残基がこれら任意の分岐末端の構造の複数種を有していてもよい。これらの置換基の数には特に制限はなく、所望の溶解性を発現するように選定すればよいが、置換基の数と末端の芳香環の数の比率が通常は、好ましくは2:1~1:1、最も好ましくは水溶性と合成の容易性から1:1である。
なお、本発明においては、異なる分岐末端の構造や異なる世代数を有する複数種のデンドロン残基が1つの高分子主鎖に結合していても差し支えない。
【0024】
[合成方法] 次に、本発明のポリフェニレンエチニレンの具体的な合成方法(製造方法)について説明する。本発明に従う親水性デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンは、図3にも示すように、大略、下記の3つの工程(I)、(II)および(III))を経て合成することができる。
工程(I):先ず、一般式Gn-Br、詳細には下記の一般式(7)で表される臭素置換デンドロン側鎖前駆体化合物、2,5-ビス(トリメチルシリルエチニル)-1,4-ヒドロキノン〔図3中、式(A)で示す〕;炭酸カリウム、および18-クラウン-6-エーテルを含有する溶液を攪拌下に反応させて、下記一般式(8)で表されるデンドロン側鎖含有ジエチニルベンゼンを得る。ここで、炭酸カリウムは塩基として機能し、また、18-クラウン-6-エーテルは触媒として機能する。
【0025】
【化6】
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【0026】
一般式(7)中、Aro、Xおよびnは、既述の一般式(2)中のAro、Xおよびnと同義である。
【0027】
【化7】
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【0028】
一般式(8)中、Gnは、既述の一般式(1)中のGnと同義である。
一般式(7)で表される臭素置換デンドロン側鎖前駆体化合物として特に好ましいのは、繰り返し単位に含まれる芳香環として既述の一般式(3)で表されるポリベンジルエーテル構造を有するデンドロン側鎖を合成するために用いられる下記の一般式(10)で表されるものである。
【0029】
【化8】
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【0030】
一般式(10)中、Xおよびnは、既述の一般式(3)中のXおよびnと同義である。
式(10)で表される芳香族ポリエーテル構造を有し芳香環上に親水性の置換基を有するデンドロン残基から成る側鎖を得るのに用いられる特に好適な前駆体化合物は、下記の一般式(11)、一般式(12)または一般式(13)の化合物である。
【0031】
【化9】
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【0032】
【化10】
JP0003878614B2_000014t.gif

【0033】
【化11】
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【0034】
一般式(11)、一般式(12)および一般式(13)中、Xは、一般式(4)、一般式(5)および一般式(6)中のXと同義である。なお、原料となる臭素置換デンドロン側鎖前駆体化合物(一般式Gn-Br)は、例えば、対応するヒドロキシ化合物をトリフェニルホスフィンの存在下に、四臭化炭素と不活性ガス雰囲気下で反応させることによって得ることができる。
【0035】
工程(II):以上のようにして得られたデンドロン側鎖含有ジエチニルベンゼンを酸化触媒、助触媒およびアミン系塩基の存在下に1-アイオド-4-トリメチルシリルエチニルベンゼン〔図3中、式(B)で示す〕と不活性ガス雰囲気下で反応させ精製することによって、下記の一般式(9)で表されるデンドロン側鎖含有ジ(エチニルフェニルエチニル)ベンゼン(一般式(9)中、Gnは一般式(1)中のGnと同義である)が得られる。
【0036】
【化12】
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【0037】
工程(II)における酸化触媒としては、従来から知られた貴金属から成る各種の酸化触媒が適用可能であるが、好適な酸化触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)が挙げられる。また、助触媒として特に好ましいのはヨウ化銅(CuI)である。アミン系塩基として特に好ましい例は、ジイソプロピルアミンであり、この他に、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなども使用可能である。
【0038】
工程(III):以上のようにして得られたデンドロン側鎖含有ジ(エチニルフェニルエチニル)ベンゼンを酸化触媒およびアミン系塩基の存在下に不活性ガス雰囲気下で逐次的に酸化二量化を繰り返して重合させ、精製することにより、本発明に従う所望のポリフェニレンエチニレンが得られる。
【0039】
工程(III)における酸化触媒としては2価の銅のカルボン酸塩が好適に用いられるが、酢酸第二銅が好ましい。また、アミン系塩基としては反応の結果副生する触媒の銅塩の酸残基を効率よく捕捉できるものであれば特に制限はないが、テトラエチレンジアミンが好適に用いられる。
【0040】
本発明に従えば、以上の酸化二量化反応を繰り返して重合させることにより、所望の長さの重合度の揃ったデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンを得ることができる。このためには、本発明の特に好ましい態様として、工程(III)において、所望の2×a量体生成物(aは自然数であり、一般的には1から64である)でない成分を分離した後、次の酸化二量化反応の工程に供する。この点に関し、工程(III)を更に詳しく説明すると、反応原料としてデンドロン側鎖含有ジ(エチニルフェニルエチニル)ベンゼン単量体を用いた場合、酸化二量化により主反応生成物として2量体が生成するが同時に2量体同士の二量化反応による4量体、二量体と原料単量体のクロスカップリングによる3量体および2量体と3量体または原料単量体と4量体のクロスカップリングによる5量体が副生する。同様に2量体を原料とした場合には主生成物の4量体の他に6量体、8量体、および10量体が、4量体を原料とした場合には主生成物の8量体の他に12量体と16量体が、また8量体を原料とした場合には主生成物の16量体の他に24量体がそれぞれ副生するが、これらのオリゴマーは相互に分子量の差が大きいために、分取GPC等の公知の分別手段を用いて容易に相互に分離できる。
【0041】
なお、16量体以上のオリゴマーの二量化反応では目的の二量化物が実質的に選択的に生成する。即ち、16量体からは32量体が、32量体からは64量体が、また64量体からは128量体が選択的に生成し、他のオリゴマーは実質的に副生しない。
【0042】
また、一般式(7)、さらには、一般式(9)~(12)で表される臭素置換デンドロン側鎖前駆体化合物におけるXとしては、一般に、-COR’(例えば、COMe)から成るものが用いられる。これから、末端の親水性置換基として-COから成るものを得るには、一般に、末端に親水性置換基として-COR’を有するPPhEをKOHやNaOHのようなアルカリで処理すればよい。また、末端の親水性置換基としてCONH(CH)R”のようなカチオン性基(例えば、CONH(CH)Me)から成るものを得るには、一般に、以上のようにして得られた末端に親水性置換基として-COを有するPPhEをアルキルアミノ化処理すればよい。
【0043】
以上のようにして得られる本発明の親水性デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンは、優れた蛍光剤となる。例えば、既述の式(3)で表される親水性デンドロン側鎖を含有するポリフェニレンエチニレンは、デンドロン側鎖に基づく231.0nmと276.0nmの紫外部の吸収帯と共役鎖に基づく可視部の吸収帯を有し、青色の蛍光を発する優れた蛍光剤となる。可視部の吸収帯の極大吸収波長はポリフェニレンエチニレンの鎖長が長くなるにつれ単量体の379.8nmから64量体の428.7nmまで長波長側にシフトするが、この変化は8量体で飽和する。このように、本発明のポリフェニレンエチニレンは有機溶媒溶液中または水溶液中で、350~450nmの光を吸収し400~550nmの波長域の蛍光を発し、発光効率が高く濃度消光の少ない安定な可溶性蛍光剤として機能する。
【0044】
次に実施例により本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
なお、本特許請求の範囲、明細書および図面に示す化学構造式においては、慣用的な表現法に従い炭素原子や水素原子を省略していることがある。なお、Meはメチル基を表す。また、化学構造式における括弧はその内側の構造が繰り返し単位であることを表している。
【0045】
以下の実施例で用いた測定装置と条件等は、次のとおりである。
(1)NMRスペクトルは日本電子(株)製NM-EXCALIBUR500(500MHz)を使用し、クロロホルムを内部標準(δ7.24ppm)として重水素化クロロホルム中23℃で測定した。NMRのデータ中、Arはベンゼン環を表す。
(2)MALDI-TOF-MSスペクトルはApplied Biosystems model BioSpectrometry
WorkstationTM Voyager-DETM STRを使用し、ジスラノールをマトリックスとして測定した。
(3)電子吸光スペクトルは日本分光(株)製の温度制御機構付きの紫外可視分光光度計JASCO model V-560を使用し、光路長1cmの石英セルを用いて測定した。
(4)蛍光スペクトルは日本分光(株)製の温度制御機構付き分光蛍光光度計JASCO model FP-6500を使用し、光路長1cmの石英セルを用いて測定した。
(5)赤外吸収スペクトルは日本分光製のフーリエ変換赤外分光光度計システムFT/IR660Vを使用し、KBr錠剤法で測定した。
【実施例1】
【0046】
デンドロン側鎖前駆体化合物の合成:
臭素置換デンドロン側鎖前駆体化合物(Gn-Br)として、図4に示すG-Br、G-BrおよびG-Brを、対応するヒドロキシ化合物である、G-OH、G-OHおよびG-OHから合成した。G、GおよびGが親水性デンドロン側鎖(Gn)に相当することになる。それぞれの合成法を以下に詳述する。
【0047】
<G-OH> 4-(ブロモメチル)-安息香酸メチル(24.8g)、3,5-ジヒドロキシベンジルアルコール(6.90g)、炭酸カリウム(17.01g)および18-c-6クラウンエーテル(18-クラウン-6-エーテル)(1.62g)をテトラヒドロフラン(100ml)に溶解し、68時間加熱還流した。反応液から溶媒を留去した後、水(50ml)に投入し、50mlの塩化メチレンで3回抽出した。抽出液から塩化メチレンを留去して得られる残査をシリカゲルクロマトグラフィー(流出溶媒:塩化メチレン)で精製し、G-OHを白色固体として得た(20.5g、収率95%)。
【0048】
<G-Br> L2OH(10.0g)、四臭化炭素(9.12 g)をテトラヒドロフラン(150 ml)に溶かした溶液を氷-水冷却し、窒素下で撹拌しながら、トリフェニルホスフィン(7.21 g)を少しずつ加えた。4時間後、反応液に水(10ml)を加えて反応を中止し、テトラヒドロフランを留去した後、50mlの塩化メチレンで3回抽出した。抽出液から塩化メチレンを留去して得られる残査をシリカゲルクロマトグラフィー(流出溶媒:塩化メチレン)で精製し、G-Brを白色固体として得た(9.12g、収率80%)。
【0049】
<G-OH> G-Br(5.00g)、3,5-ジヒドロキシベンジルアルコール(0.64g)、炭酸カリウム(1.58g)および18-c-6クラウンエーテル(1.62g)をテトラヒドロフラン(40ml)に溶解し、88時間加熱還流した。反応液から溶媒を留去した後、水(50ml)に投入し、50mlの塩化メチレンで3回抽出した。抽出液から塩化メチレンを留去して得られる残査をシリカゲルクロマトグラフィー(流出溶媒:塩化メチレン)で精製し、G-OHを白色固体として得た(3.87g、収率87%)。
【0050】
<G-Br> G-OH(3.87g)、四臭化炭素(1.97 g)をテトラヒドロフラン(150ml)に溶かした溶液を氷-水冷却し、窒素下で撹拌しながら、トリフェニルホスフィン(1.56 g)を少しずつ加えた。7時間後、反応液に水(10ml)を加えて反応を中止し、テトラヒドロフランを留去した後、50mlの塩化メチレンで3回抽出した。抽出液から塩化メチレンを留去して得られる残査をシリカゲルクロマトグラフィー(流出溶媒:塩化メチレン/ヘキサン(体積比4/1))で精製し、G-Brを白色固体として得た(3.10g、収率75.2%)。
【0051】
<G-OH> G-Br(2.50g)、3,5-ジヒドロキシベンジルアルコール(0.16g)、炭酸カリウム(0.41g)および18-c-6クラウンエーテル(0.06g)をテトラヒドロフラン(25ml)に溶解し、72時間加熱還流した。反応液から溶媒を留去した後、水(50ml)に投入し、50mlの塩化メチレンで3回抽出した。抽出液から塩化メチレンを留去して得られる残査をシリカゲルクロマトグラフィー(流出溶媒:塩化メチレン/エチルエーテル(体積比9/1))で精製し、G-OHを白色固体として得た(1.70g、収率56%)。
【0052】
<G-Br> G-OH(0.35g)、四臭化炭素(0.13g)をテトラヒドロフラン(6ml)に溶かした溶液を氷-水冷却し、窒素下で撹拌しながら、トリフェニルホスフィン(0.10g)を少しずつ加えた。9時間後、反応液に水(10ml)を加えて反応を中止し、テトラヒドロフランを留去した後、50mlの塩化メチレンで3回抽出した。抽出液から塩化メチレンを留去して得られる残査をシリカゲルクロマトグラフィー(流出溶媒:塩化メチレン/ヘキサン(体積比4/1))で精製し、G-Brを白色固体として得た(0.19g、収率53.0%)。
【実施例2】
【0053】
デンドロン側鎖含有DEBの合成:
実施例1で合成したデンドロン側鎖含有前駆体化合物(Gn-Br)を用いて、図3に示すように、工程(I)に従い、デンドロン側鎖を含有するDEB(ジエチニルベンゼン)として、G-DEB、G[sBu]-DEBおよびG-DEBを合成した。それぞれのデンドロン側鎖の化学構造式は図5に示している。
<G3-DEB>G3-Br(0.65mmol)、2,5-トリメチルシリルエチニル-1,4-ハイドロキノン(0.26mmol)、炭酸カリウム(2.72mmol)および18-クラウン-6 エーテル(0.26mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(20ml)を遮光して、アルゴン雰囲気下で一夜、還流して反応させた後、溶媒を留去して乾涸した。残査を水(100ml)に投入して50mlの塩化メチレンで3回抽出した。抽出液は混合して無水硫酸マグネシウムで乾燥し、クロロホルムを展開液として分取GPCにかけ、最初の留分を蒸発乾涸してG3-DEB(0.22mmol)を白色固体として得た(収率84%)。
MALDI-TOF-MS:(C252H218O62として)(計算値4238.39)、m/z=4259.81[M+Na+]、4276.49[M+K+]。
1H NMR(500MHz、CDCl3):δ(ppm) 7.97(d,32H;m-H in C6H4(CO2Me))、7.40(d,32H;o-H in C6H4(CO2Me))、6.89(s,2H,o-H in C6H2(C≡CH)2)、6.64(d,4H;o-H in inner C6H3)、6.61(d,16H;o-H in outer C6H3)、6.59(d,8H;o-H in mid C6H3)、6.47(b,10H,p-H in inner and outer C6H3)、6.45(t, 4 H, p-H in mid C6H3)、5.01(s, 32 H, OCH2C6H4(CO2Me))、4.92(s, 4 H; inner ArOCH2Ar’)、4.90(b, 24 H; mid ArOCH2Ar’)、3.86(s, 48 H; CO2CH3)、3.29(s, 2 H; C≡CH)。
UV-Vis(THF;λmax):276.0、335.0nm。
【0054】
<G1-DEB>G1-Br(2.49mmol)、2,5-トリメチルシリルエチニル-1,4-ハイドロキノン(1.00mmol)、炭酸カリウム(10.0mmol)および18-クラウン-6 エーテル(1.00mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(20ml)を遮光して、アルゴン雰囲気下で一夜、還流して反応させた後、反応液をG3-DEBの例と同様に処理してG1-DEB(0.78mmol)を白色固体として得た(収率78%)。
MALDI-TOF-MS:(C60H50O14として)(計算値995.03)、m/z=1017.58[M+Na+]、1033.56[M+K+]。
1H NMR(500MHz、CDCl3):δ(ppm) 8.02(d,8H;m-H in C6H4(CO2Me))、7.45(d,8H;o-H in C6H4(CO2Me))、6.95(s,2H,o-H
in C6H2(C≡CH)2)、6.68(d,4H;o-H in C6H3)、6.50(t,2H;p-H in C6H3)、5.08(s,8H,OCH2C6H4(CO2Me))、5.03(s,4H;inner ArOCH2Ar’)、3.90(s,12H;CO2CH3)、3.32(s,2H;C≡CH)。
UV-Vis(THF;λmax):276.0、335.0nm。
【0055】
<G1[sBu]-DEB>G1-Br(0.20mmol)およびテトラエトキシチタン(0.10ml)のトルエン/2-ブタノール(15ml/15ml)混合溶媒溶液(30ml)を5ml容量のバラッテ型の蒸留受器を備えた二口フラスコに仕込み、揮発分を留去しながらアルゴン下で2時間還流した。その後、トルエン/2-ブタノール(5ml/5ml)混合溶媒(10ml)をフラスコに加え、更に2時間還流を継続した。この操作を6回繰り返した後、反応混合液を希塩酸(1M、200ml)に投入し200mlのクロロホルムで3回抽出した。抽出液は混合して無水硫酸マグネシウムで乾燥し、クロロホルムを展開液としてシリカゲルのクロマトグラフにかけ、最初の留分を蒸発乾涸してG1[sBu]-DEB(0.16mmol)を白色固体として得た(収率80%)。
MALDI-TOF-MS:(C72H74O14として)(計算値1163.35)、m/z=1185.92[M+Na+]。
1H NMR(500MHz、CDCl3):δ(ppm) 8.03(d,8H;m-H in C6H4(CO2sBu))、7.45(d,8H;o-H in C6H4(CO2sBu))、6.97(s,2H,o-H
in C6H2(C≡CH)2)、6.68(d,4H;o-H in C6H3)、6.51(t,2H;p-H in C6H3)、5.08(m,12H;ArOCH2C6H4(CO2CH(Me)Et))、5.02(s,4H;inner ArOCH2Ar’)、3.34(s,2H;C≡CH)、1.69(m,8H;CO2CH(CH3)CH2CH3)、1.32(d,12H;CO2CH(CH3)CH2CH3)、0.95(t,12H;CO2CH(CH3)CH2CH3)。
UV-Vis(THF;λmax):276.0、335.0nm。
【実施例3】
【0056】
ジ(エチニルフェニルエチニル)ベンゼンの合成:
実施例2で合成したデンドロン側鎖含有DEBを用いて、図3に示すように、工程(II)に従い、デンドロン側鎖含有ジ(エチニルフェニルエチニル)ベンゼンとして、G-1、G[sBu]-1、およびG-1を合成した。
<G3-1>G3-DEB(0.32mmol)、1-アイオド-4-トリメチルシリルエチニルベンゼン(0.85mmol)、テトラキストリフェニルホスヒンパラジウム(0.09mmol)およびヨウ化第一銅(0.19mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液にジイソプルピルアミン(2ml)を加え、凍結真空脱気を4回繰り返した後、アルゴンで置換し遮光して55℃で一晩、撹拌しながら反応させた。
反応液を水(50ml)に注ぎ、50mlの塩化メチレンで3回抽出し、抽出液は混合して無水硫酸マグネシウムで乾燥し、クロロホルムを展開液として分取GPCにかけ、最初の留分を蒸発乾涸してトリメチルシリル基で保護されたG3-1(0.26mmol)を黄色固体として得た(収率81%)。この黄色固体(0.26mmol)をテトラブチルアンモニウムフロリド(0.52mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液に投入して25℃で1時間処理した。反応液を蒸発乾涸して残査を、クロロホルムを展開液として分取GPCにかけ、最初の留分を蒸発乾涸してG3-1(0.23mmol)を黄色固体として得た(収率87%)。
MALDI-TOF-MS:(C268H226O62として)(計算値4438.62)、m/z=4461.65 [M+Na+]、4478.27[M+K+]。
1H NMR(500MHz、CDCl3):δ(ppm)7.97(d,32H;m-H in C6H4(CO2Me))、7.40(d,36H;o-H in C6H4(CO2Me) and o-H in outer (C≡C)C6H4(C≡C))、7.19(d,4H;m-H in outer (C≡C)C6H4(C≡C))、6.98(s,2H,o-H in inner C6H2(C≡CH)2)、6.77(b,4H;o-H in inner C6H3)、6.61(b,16H;o-H in outer C6H3)、6.58(b,8H;o-H in mid C6H3)、6.52(b,2H,p-H in inner C6H3)、6.47(b,12H,p-H in mid and outer C6H3)、5.00(s,36H, outer and inner ArOCH2Ar’)、4.89(s,24H;mid ArOCH2Ar’)、3.85(s,48H;CO2CH3)、3.04(s,2H;C≡CH)。
UV-Vis(THF;λmax):276.0、379.8 nm。
【0057】
<G1[sBu]-1>G1[sBu]-DEB(0.16mmol)、1-アイオド-4-トリメチルシリルエチニルベンゼン(040mmol)、テトラトリフェニルホスヒンパラジウム(0.04mmol)およびヨウ化第一銅(0.08mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(30ml)にジイソプルピルアミン(2ml)を加え、凍結真空脱気を4回繰り返した後、アルゴンで置換し遮光して55℃で一晩、撹拌しながら反応させた。
反応液を水(50ml)に注ぎ、50mlの塩化メチレンで3回抽出し、抽出液は混合して無水硫酸マグネシウムで乾燥し、クロロホルムを展開液として分取GPCにかけ、最初の留分を蒸発乾涸してトリメチルシリル基で保護されたG1[sBu]-1(0.12mmol)を黄色固体として得た(収率72%)。この黄色固体(0.12mmol)をテトラブチルアンモニウムフロリド(0.52mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液に投入して25℃で1時間処理した。反応液を蒸発乾涸して残査を、クロロホルムを展開液として分取GPCにかけ、最初の留分を蒸発乾涸してG1[sBu]-1(0.08mmol)を黄色固体として得た(収率70%)。
MALDI-TOF-MS:(C88H82O14として)(計算値1363.58)、m/z=1364.52[M+H+]、1385.45[M+Na+]、1402.47[M+K+]。
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ(ppm) 8.02(d,8H;m-H in C6H4(CO2sBu))、7.45(d,4H:o-H in outer(C≡C)C6H4(C≡C))、7.39(d,8H;o-H in C6H4(CO2sBu))、7.30(d,4H;m-H in outer (C≡C)C6H4(C≡C))、7.08(s,2H,o-H in C6H2(C≡CH)2)、6.78(d,4H;o-H
in C6H3)、6.52(t,2H;p-H in C6H3)、5.08(m,8H; inner ArOCH2Ar’ and CO2CH(CH3)CH2CH3))、5.02(s,8H;outer ArOCH2Ar’)、3.13(s,2H;C≡CH)、1.69(m,8H;CO2CH(CH3)CH2CH3)、1.32(d,12H;CO2CH(CH3)CH2CH3)、0.95(t,12H;CO2CH(CH3)CH2CH3)。
UV-Vis(THF;λmax):276.0、376.0nm。
【実施例4】
【0058】
デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンの合成
実施例3で合成したデンドロン側鎖含有ジ(エチニルフェニルエチニル)ベンゼンを用いて、図3に示すように、逐次的に酸化二量化反応を繰り返して重合(オリゴメリゼーション)させることにより、所望のデンドロン側鎖ポリフェニレンエチニレンG-mおよびG[sBu]-mを合成した。ここで、GおよびG[sBu]は、既述のように、図5に示すデンドロン側鎖であり、mは一般式(1)の場合と同義であり重合度を示す自然数を表す。理解を容易にするため、逐次的に行なう酸化二量化反応のそれぞれの段階における生成物は、図3の下方に示している。また、以下の実施例においてMGPCはGPCによる分子量を示す。
<G3-1のオリゴメリゼーション>G3-1(0.06mmol)、酢酸第二銅(3.97mmol)およびテトラメチレンジアミン(1.99mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(180ml)をアルゴン雰囲気下、55℃で10分間撹拌し反応させた。反応液を希硫酸(0.1M、200ml)に投入し200mlの塩化メチレンで3回抽出した。抽出液を混合して200mlの水で3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、クロロホルムを展開液として分種リサイクルGPCにかけた。3回のGPCサイクルでG3-2、G3-3、G3-4およびG3-5が分離され、G3-2(6.53μmol、23%)、G3-3(2.85μmol、15%)、 G3-4(1.40μmol、10%)およびG3-5(0.76μmol、7%)を、それぞれを黄色の粉末として得た。
G3-2:MALDI-TOF-MS:(C536H450O124
として)(計算値8874.91)、m/z=8914[M+K+]。MGPC=8865。UV-Vis(THF;λmax):276.0、404.7nm。
G3-3:MALDI-TOF-MS:(C804H674O186として)(計算値13310.36)、m/z=13332[M+Na+]。MGPC=12513。UV-Vis(THF;λmax):276.0、416.0nm。
G3-4:MALDI-TOF-MS:(C1072H898O248として)(計算値17746.80)、m/z=17785[M+K+]。MGPC=16519。UV-Vis(THF;λmax):276.0、418.6nm。
G3-5:MALDI-TOF-MS:(C1340H1122O310として)(計算値22183.25)、m/z=22237。MGPC=20513。UV-Vis(THF;λmax):276.0、422.0nm。
【0059】
<G3-2のオリゴメリゼーション>G3-2(3.52μmol)、酢酸第二銅(2.63mmol)およびテトラメチレンジアミン(1.32mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(120ml)をアルゴン雰囲気下、55℃で15分間撹拌し反応させた。反応液をG3-1のオリゴメリゼーションと同様に処理してG3-4(3.90μmol、22%)、G3-6(1.57μmol、13%)、G3-8(1.00μmol、11%)、およびG3-10(0.34μmol、5%)をそれぞれ分離して黄色の粉末として得た。
G3-6:MALDI-TOF-MS:(C1608H1346O372として)(計算値26619.7)、m/z=26643[M+Na+]。MGPC=23920。UV-Vis(THF;λmax):276.0、423.8nm。
G3-8:MALDI-TOF-MS:(C2144H1794O496として)(計算値35493.60)、m/z=35429。MGPC=31881。UV-Vis(THF;λmax):276.0、426.8nm。
G3-10:MALDI-TOF-MS:(C2680H2242O620として)(計算値44367.49)、m/z=44474。MGPC=44075。UV-Vis(THF;λmax):276.0、427.0nm。
【0060】
<G3-4のオリゴメリゼーション>G3-4(11.10μmol)、酢酸第二銅(0.78mmol)およびテトラメチレンジアミン(0.38mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(35ml)をアルゴン雰囲気下、55℃で15分間撹拌し反応させた。反応液をG3-1のオリゴメリゼーションと同様に処理してG3-8(1.13μmol、20%)、G3-12(0.41μmol、11%)およびG3-16(0.24μmol、9%)、をそれぞれ分離して黄色の粉末として得た。
G3-12:MALDI-TOF-MS:(C3216H2688O744として)(計算値53239.38)、m/z=53120。MGPC=50331。UV-Vis(THF;λmax):276.0、427.5nm。
G3-16:MALDI-TOF-MS:(C4288H3586O992として)(計算値70987.76)、m/z=70045。MGPC=67746。UV-Vis(THF;λmax):276.0、428.7nm。
【0061】
<G3-8のオリゴメリゼーション>G3-8(4.58μmol)、酢酸第二銅(2.10mmol)およびテトラメチレンジアミン(1.06mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(15ml)をアルゴン雰囲気下、55℃で15分間撹拌し反応させた。反応液をG3-1のオリゴメリゼーションと同様に処理してG3-16(0.62μmol、27%)およびG3-24(0.26μmol、17%)をそれぞれ分離して黄色の粉末として得た。
G3-24:MALDI-TOF-MS:(C6432H5378O1488として)(計算値106480.83)、m/z=104966。MGPC=99619。UV-Vis(THF;λmax):276.0、428.7nm。
【0062】
<G3-16のオリゴメリゼーション>G3-16(0.50μmol)、酢酸第二銅(0.50mmol)およびテトラメチレンジアミン(0.25mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(3.5ml)をアルゴン雰囲気下、55℃で30分間撹拌し反応させた。反応液をG3-1のオリゴメリゼーションと同様に処理してG3-32(0.07μmol、26%)を黄色の粉末として得た。
G3-32:MALDI-TOF-MS:(C8576H7170O1984として)(計算値141973.50)、m/z=140004。MGPC=137687。UV-Vis(THF;λmax):276.0、428.7nm。
【0063】
<G3-32のオリゴメリゼーション>G3-32(0.10μmol)、酢酸第二銅(0.38mmol)およびテトラメチレンジアミン(0.19mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(2.5ml)をアルゴン雰囲気下、55℃で2時間撹拌し反応させた。反応液をG3-1のオリゴメリゼーションと同様に処理してG3-64(0.01μmol、15%)を黄色の粉末として得た。
G3-64:GPC:(C17152H14338O3968として)(計算値283944.99)、MGPC=264714。UV-Vis(THF;λmax):276.0、428.7nm。
【0064】
<G3[sBu]-10>G3-10(0.03μmol)およびテトラエトキシチタン(0.15ml)のトルエン/2-ブタノール(10ml/5ml)混合溶媒溶液(15ml)を容量5mlのバラッテ型の蒸留受器を備えた容量50mlの二口フラスコに仕込み、揮発分を留去しながらアルゴン下で2時間還流した。その後、トルエン/2-ブタノール(5ml/5ml)混合溶媒(10ml)をフラスコに加え、更に2時間還流を継続した。この操作を6回繰り返した後、反応混合液を希塩酸(1M、20ml)に投入し20mlのクロロホルムで3回抽出した。抽出液は混合して無水硫酸マグネシウムで乾燥し、クロロホルムを展開液として分取リサイクルGPCにかけ、最初の留分を蒸発乾涸してG3[sBu]-10(0.027μmol)を黄色固体として得た(収率87%)。
MALDI-TOF-MS:(C3160H3202O620として)(計算値51101.03)、m/z=50852。UV-Vis(THF;λmax):276.0、427.0nm。
【0065】
<G1[sBu]-1のオリゴメリゼーション>G1[sBu]-1(0.08mmol)、酢酸第二銅(6.12mmol)およびテトラメチレンジアミン(3.05mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(275ml)をアルゴン雰囲気下、55℃で15分間撹拌し反応させた。反応液をG3-1のオリゴメリゼーションと同様に処理してG1[sBu]-2(13.21μmol、32%)、G1[sBu]-3(4.40μmol、16%)、G1[sBu]-4(2.20μmol、11%)およびG1[sBu]-5(1.32μmol、8%)をそれぞれ分離して黄色の粉末として得た。
G1[sBu]-2:MALDI-TOF-MS:(C176H162O28として)(計算値2725.13)、m/z=2764[M+K+]。MGPC=4422。UV-Vis(THF;λmax):276.0、399.0nm。
G1[sBu]-3:MALDI-TOF-MS:(C264H242O42として)(計算値4086.69)、m/z=4126[M+K+]。MGPC=6847。UV-Vis(THF;λmax):276.0、408.0nm。
G1[sBu]-4:MALDI-TOF-MS:(C352H322O56として)(計算値5448.29)、m/z=5473[M+Na+]。MGPC=9467。UV-Vis(THF;λmax):276.0、410.0nm。
G1[sBu]-5:MALDI-TOF-MS:(C440H402O70として)(計算値6808.8)、m/z=6833[M+Na+]。MGPC=11297。UV-Vis(THF;λmax):276.0、413.0nm。
【0066】
<G1[sBu]-2のオリゴメリゼーション>G1[sBu]-2(16.55μmol)、酢酸第二銅(1.21mmol)およびテトラメチレンジアミン(0.60mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(55ml)をアルゴン雰囲気下、55℃で15分間撹拌し反応させた。反応液をG3-1のオリゴメリゼーションと同様に処理してG1[sBu]-4(2.39μmol、29%)、G1[sBu]-6(0.61μmol、11%)、G1[sBu]-8(0.29μmol、7%)、およびG1[sBu]-10(0.09μmol、2%)をそれぞれ分離して黄色の粉末として得た。
G1[sBu]-6:MALDI-TOF-MS:(C528H482O84として)(計算値8170.36)、m/z=8194[M+Na+]。MGPC=15127。UV-Vis(THF;λmax):276.0、414.0nm。
G1[sBu]-8:MALDI-TOF-MS:(C704H642O112として)(計算値10893.48)、m/z=10913[M+Na+]。MGPC=23523。UV-Vis(THF;λmax):276.0、416.0nm。
G1[sBu]-10:MALDI-TOF-MS:(C880H802O140として)(計算値13616.59)、m/z=13655[M+K+]。MGPC=27051。UV-Vis(THF;λmax):276.0、416.2nm。
【0067】
<G1[sBu]-4のオリゴメリゼーション>G1[sBu]-4(3.52μmol)、酢酸第二銅(0.27mmol)およびテトラメチレンジアミン(0.13mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(12ml)をアルゴン雰囲気下、55℃で30分間撹拌し反応させた。反応液をG3-1のオリゴメリゼーションと同様に処理してG1[sBu]-8(0.44μmol、25%)、G1[sBu]-12(0.26μmol、22%)およびG1[sBu]-16(0.07μmol、8%)をそれぞれ分離して黄色の粉末として得た。
G1[sBu]-12:MALDI-TOF-MS:(C1056H962O168として)(計算値16340.84)、m/z=16374。MGPC=33702。UV-Vis(THF;λmax):276.0、416.9nm。
G1[sBu]-16:MALDI-TOF-MS:(C1408H1282O224として)(計算値21787.11)、m/z=20737。MGPC=47904。UV-Vis(THF;λmax):276.0、417.9nm。
以上のようにして、本発明に従えば、分子長の揃った実質的に単分散のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンを得ることができる。また、分子長の長いポリフェニレンエチニレンを得ることも可能であり、例えば、上記で合成したG-64の分子長は147nmとなる。
【実施例5】
【0068】
発光試験
実施例4で合成した本発明のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンG-1~G-64の蛍光発光特性を調べた。図6は、THF(テトラヒドロフラン)中、25℃における紫外・可視スペクトルを示し、また、図7は、同じくTHF中、25℃における蛍光発光スペクトルを示す。G-1~G-64は、デンドロン側鎖に基づく231.0nmと276.0nmの紫外部の吸収帯と共役鎖に基づく可視部の吸収帯を有し、青色の蛍光(400~550nm)を発する蛍光剤であることが理解される。可視部の吸収帯の極大吸収波長はPPhEの鎖長が長くなるに従い、単量体の379.8nmから64量体の428.7nmまで長波長側にシフトするが、この変化は8量体で飽和する。
さらに、G-1~G-64の蛍光発光量子収率を測定した。測定は、硫酸キニンの硫酸溶液(1N)、励起355nm、量子収率55%を標準として「R.P.
Hauglandら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 63,
23 (1969)」の記載に従って実施した。THF中の結果を図8に示す。鎖長が長くなると幾分低下する傾向にあるが、いずれもきわめて高い蛍光発光量子収率を示しており、本発明のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンが優れた蛍光剤であることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンは、種々の溶媒に対する優れた溶解性を有するπ電子共役系高分子として導電性や発光性に基づく機能材料として多くの産業分野での利用が可能である。特に、長さの揃った分子ワイヤーとして分子・ナノデバイスの作製における素子としての利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明のポリフェニレンエチニレンに含有されるデンドロンの構造を模式的に示す。
【図2】本発明のポリフェニレンエチニレンに含有されるのに特に好ましい芳香族ポリエーテル構造から成るデンドロンの化学構造を示す。
【図3】本発明のデンドロン含有ポリフェニレンエチニレンの合成スキームを示す。
【図4】本発明のデンドロン含有ポリフェニレンエチニレンを合成するため実施例で用いられたデンドロン側鎖前駆体化合物の具体例およびそのヒドロキシ化合物の化学構造を示す。
【図5】実施例で合成した本発明のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンのデンドロン側鎖の化学構造を示す。
【図6】本発明のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンの1例の紫外・可視吸収スペクトルを示す。
【図7】本発明のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンの1例の蛍光発光スペクトルを示す。
【図8】本発明のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンの1例の蛍光発光の量子収率の測定結果を示す。
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
6
【図8】
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