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明細書 :両面発光有機ELパネル

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4002949号 (P4002949)
公開番号 特開2005-267926 (P2005-267926A)
登録日 平成19年8月31日(2007.8.31)
発行日 平成19年11月7日(2007.11.7)
公開日 平成17年9月29日(2005.9.29)
発明の名称または考案の名称 両面発光有機ELパネル
国際特許分類 H05B  33/12        (2006.01)
G09F   9/30        (2006.01)
H01L  27/32        (2006.01)
G09F   9/40        (2006.01)
H01L  51/50        (2006.01)
H05B  33/26        (2006.01)
FI H05B 33/12 Z
H05B 33/12 C
G09F 9/30 365Z
G09F 9/40 303
H05B 33/14 A
H05B 33/26 Z
請求項の数または発明の数 12
全頁数 10
出願番号 特願2004-075574 (P2004-075574)
出願日 平成16年3月17日(2004.3.17)
審査請求日 平成16年3月17日(2004.3.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】305060567
【氏名又は名称】国立大学法人富山大学
発明者または考案者 【氏名】中 茂樹
【氏名】岡田 裕之
【氏名】女川 博義
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
審査官 【審査官】池田 博一
参考文献・文献 特開2004-071246(JP,A)
特開2004-014316(JP,A)
特開2000-113983(JP,A)
特開2000-058260(JP,A)
特開2003-243179(JP,A)
特開平10-162959(JP,A)
国際公開第03/055275(WO,A1)
特開平10-199681(JP,A)
特許第2824411(JP,B2)
特開2004-006337(JP,A)
特開2004-043868(JP,A)
特表2005-513737(JP,A)
調査した分野 H01L 51/00-51/56
H01L 27/32
H05B 33/00-33/28
G09F 9/40
G09F 9/30

特許請求の範囲 【請求項1】
第1の有機EL部と第2の有機EL部との対向する中央部に走査信号を印加するAlNd層からなる中間電極を配置し、該中間電極とは第1、第2の有機EL部を挟んで反対側に第1の透明電極と第2の透明電極をそれぞれ配置するとともに、前記第1の有機EL部がα-NPD膜(13)と該α-NPD膜(13)上に形成されるAlq3 膜(14)と該Alq3 膜(14)上に形成されるErF3 膜(15)とからなり、前記第2の有機EL部がα-NPD膜(18)と該α-NPD膜(18)上に形成されるAlq3 膜(19)と該Alq3 膜(19)上に形成されるLiF膜(20)とからなり、全く異なる独立な画像や文字情報を表裏両面に対し同時に表示可能にすることを特徴とする両面発光有機ELパネル。
【請求項2】
第1の有機EL部と第2の有機EL部との対向する中央部に走査信号を印加するAlNd層からなる中間電極を配置し、該中間電極とは第1、第2の有機EL部を挟んで反対側に第1の透明電極と第2の透明電極をそれぞれ配置するとともに、前記第1の有機EL部がα-NPD膜(13)と該α-NPD膜(13)上に形成されるAlq3 膜(14)と該Alq3 膜(14)上に形成されるErF3 膜(15)とからなり、前記第2の有機EL部がα-NPD膜(18)と該α-NPD膜(18)上に形成されるAlq3 膜(19)と該Alq3 膜(19)上に形成されるCa膜(31)とからなり、全く異なる独立な画像や文字情報を表裏両面に対し同時に表示可能にすることを特徴とする両面発光有機ELパネル。
【請求項3】
第1の有機EL部と第2の有機EL部との対向する中央部に走査信号を印加するAlNd層からなる中間電極を配置し、該中間電極とは第1、第2の有機EL部を挟んで反対側に第1の透明電極と第2の透明電極をそれぞれ配置するとともに、前記第1の有機EL部がα-NPD膜(13)と該α-NPD膜(13)上に形成されるAlq3 膜(14)と該Alq3 膜(14)上に形成されるErF3 膜(15)とからなり、前記第2の有機EL部がMoO3 膜(33)と該MoO3 膜(33)上に形成されるα-NPD膜(18)と該α-NPD膜(18)上に形成されるAlq3 膜(19)と該Alq3 膜(19)上に形成されるCa膜(31)とからなり、全く異なる独立な画像や文字情報を表裏両面に対し同時に表示可能にすることを特徴とする両面発光有機ELパネル。
【請求項4】
請求項1からの何れか一項記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記第1の透明電極、前記第2の透明電極の一方、又は両方が、ITO又はIZOであることを特徴とする両面発光有機ELパネル。
【請求項5】
請求項1からの何れか一項記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記第1の透明電極、前記第2の透明電極の一方、又は両方が、薄層金属であることを特徴とする両面発光有機ELパネル。
【請求項6】
請求項1からの何れか一項記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記第1の透明電極、前記第2の透明電極の両方が、それぞれ前記第1の有機EL部、前記第2の有機EL部に対して電子注入を行い、前記中間電極が前記第1の有機EL部、前記第2の有機EL部に対して正孔注入を行うことを特徴とする両面発光有機ELパネル。
【請求項7】
請求項1からの何れか一項記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記第1の透明電極、前記第2の透明電極の両方が、それぞれ前記第1の有機EL部、前記第2の有機EL部に対して正孔注入を行い、前記中間電極が前記第1の有機EL部、前記第2の有機EL部に対して電子注入を行うことを特徴とする両面発光有機ELパネル。
【請求項8】
請求項1からの何れか一項記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記第1の透明電極が前記第1の有機EL部に対して正孔注入を行い、前記第2の透明電極が前記第2の有機EL部に対して電子注入を行い、前記中間電極が前記第1の有機EL部に対して電子注入を行い、かつ前記第2の有機EL部に対して正孔注入を行うことを特徴とする両面発光有機ELパネル。
【請求項9】
請求項1からの何れか一項記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記第1の透明電極が前記第1の有機EL部に対して電子注入を行い、前記第2の透明電極が前記第2の有機EL部に対して正孔注入を行い、前記中間電極が前記第1の有機EL部に対して正孔注入を行い、かつ前記第2の有機EL部に対して電子注入を行うことを特徴とする両面発光有機ELパネル。
【請求項10】
請求項1からの何れか一項記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記中間電極を前記第1あるいは前記第2の少なくとも一方の有機EL部に正孔注入電極として使用する場合、前記中間電極と正孔注入を行う有機EL部間に、少なくとも1種以上の遷移金属元素を含む酸化物を挿入することを特徴とする両面発光有機ELパネル。
【請求項11】
請求項10記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記遷移金属元素を含む酸化物が半導体的性質を示すことを特徴とする両面発光有機ELパネル。
【請求項12】
請求項11記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記酸化物半導体が2.0eV以上のバンドギャップを持つことを特徴とする両面発光有機ELパネル。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、両面発光有機ELパネルに関するものであり、詳細には、全く異なる独立な画像や文字情報を表裏両面に対し同時に表示することが可能な有機ELパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、低駆動電圧、高輝度、超薄型、軽量、フレキシブル等の特徴を有する次世代フラットパネルディスプレイを構築できる素子として注目を集めている。
【0003】
また、両面に発光表示できる有機ELパネルとして透明有機EL素子が注目され、各所で開発されている。
【0004】
応用例としては、以下のような報告例がある。
【0005】
(1)有機EL層を透明電極であるITOで挟み込んだ透明電極有機EL素子(下記非特許文献1)が開示されている。
【0006】
(2)両面発光型エレクトロルミネッセンス素子および両面自発光型情報表示素子(下記特許文献1)が開示されている。

【特許文献1】特開2000-58260号公報
【非特許文献1】G.Gu,V.Bulovic,P.E.Burrows,and S.R.Forrest:Applied Physics Letters,68(19),PP.2606-2608(1996)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した従来技術(1)は、同一情報を両面に発光するため、裏側から見ると表示が左右反転してしまうといった問題があった。
【0008】
また、上記した従来技術(2)は、特定パターンの標識板を透明電極上に設けるため特定のパターンの表示に限られる。
【0009】
上記した透明EL素子を用いた従来の有機ELパネルは、例えば、内外に画面を有する携帯電話機等に応用される場合、通常利用時の内側ウィンドウの表示と待機時の外側ウィンドウの表示情報を使い分けるという方法を用いていた。つまり、このような従来方式では、画像を両面へ発光する場合、同一情報を両側に発光するため、裏側から見ると表示が左右反転してしまうという問題があり、両面同時表示が必要な文字情報表示板や対面型ディスプレイに応用するには画像や文字情報の表示に問題があった。
【0010】
また、これらの上記した従来技術は、片面のみに情報表示が必要な場合においても両面に発光することから、裏側に放出された分が光エネルギー的に無駄になるといった問題があった。
【0011】
本発明は、上記状況に鑑みて、左右反転することなく、画像や文字情報の両面同時表示を的確に行うことができる両面発光有機ELパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕両面発光有機ELパネルにおいて、第1の有機EL部と第2の有機EL部との対向する中央部に走査信号を印加するAlNd層からなる中間電極を配置し、該中間電極とは第1、第2の有機EL部を挟んで反対側に第1の透明電極と第2の透明電極をそれぞれ配置するとともに、前記第1の有機EL部がα-NPD膜(13)と該α-NPD膜(13)上に形成されるAlq3 膜(14)と該Alq3 膜(14)上に形成されるErF3 膜(15)とからなり、前記第2の有機EL部がα-NPD膜(18)と該α-NPD膜(18)上に形成されるAlq3 膜(19)と該Alq3 膜(19)上に形成されるLiF膜(20)とからなり、全く異なる独立な画像や文字情報を表裏両面に対し同時に表示可能にすることを特徴とする。
【0013】
〔2〕両面発光有機ELパネルにおいて、第1の有機EL部と第2の有機EL部との対向する中央部に走査信号を印加するAlNd層からなる中間電極を配置し、該中間電極とは第1、第2の有機EL部を挟んで反対側に第1の透明電極と第2の透明電極をそれぞれ配置するとともに、前記第1の有機EL部がα-NPD膜(13)と該α-NPD膜(13)上に形成されるAlq3 膜(14)と該Alq3 膜(14)上に形成されるErF3 膜(15)とからなり、前記第2の有機EL部がα-NPD膜(18)と該α-NPD膜(18)上に形成されるAlq3 膜(19)と該Alq3 膜(19)上に形成されるCa膜(31)とからなり、全く異なる独立な画像や文字情報を表裏両面に対し同時に表示可能にすることを特徴とする。
【0014】
〔3〕両面発光有機ELパネルにおいて、第1の有機EL部と第2の有機EL部との対向する中央部に走査信号を印加するAlNd層からなる中間電極を配置し、該中間電極とは第1、第2の有機EL部を挟んで反対側に第1の透明電極と第2の透明電極をそれぞれ配置するとともに、前記第1の有機EL部がα-NPD膜(13)と該α-NPD膜(13)上に形成されるAlq3 膜(14)と該Alq3 膜(14)上に形成されるErF3 膜(15)とからなり、前記第2の有機EL部がMoO3 膜(33)と該MoO3 膜(33)上に形成されるα-NPD膜(18)と該α-NPD膜(18)上に形成されるAlq3 膜(19)と該Alq3 膜(19)上に形成されるCa膜(31)とからなり、全く異なる独立な画像や文字情報を表裏両面に対し同時に表示可能にすることを特徴とする。
【0015】
〕上記〔1〕から〔〕の何れか一項記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記第1の透明電極、前記第2の透明電極の一方、又は両方が、ITO又はIZOであることを特徴とする。
【0016】
〕上記〔1〕から〔〕の何れか一項記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記第1の透明電極、前記第2の透明電極の一方、又は両方が、薄層金属であることを特徴とする。
【0017】
〕上記〔1〕から〔〕の何れか一項記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記第1の透明電極、前記第2の透明電極の両方が、それぞれ前記第1の有機EL部、前記第2の有機EL部に対して電子注入を行い、前記中間電極が前記第1の有機EL部、前記第2の有機EL部に対して正孔注入を行うことを特徴とする。
【0018】
〕上記〔1〕から〔〕の何れか一項記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記第1の透明電極、前記第2の透明電極の両方が、それぞれ前記第1の有機EL部、前記第2の有機EL部に対して正孔注入を行い、前記中間電極が前記第1の有機EL部、前記第2の有機EL部に対して電子注入を行うことを特徴とする。
【0019】
〕上記〔1〕から〔〕の何れか一項記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記第1の透明電極が前記第1の有機EL部に対して正孔注入を行い、前記第2の透明電極が前記第2の有機EL部に対して電子注入を行い、前記中間電極が前記第1の有機EL部に対して電子注入を行い、かつ前記第2の有機EL部に対して正孔注入を行うことを特徴とする。
【0020】
〕上記〔1〕から〔〕の何れか一項記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記第1の透明電極が前記第1の有機EL部に対して電子注入を行い、前記第2の透明電極が前記第2の有機EL部に対して正孔注入を行い、前記中間電極が前記第1の有機EL部に対して正孔注入を行い、かつ前記第2の有機EL部に対して電子注入を行うことを特徴とする。
【0021】
10〕上記〔1〕から〔〕の何れか一項記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記中間電極を前記第1あるいは前記第2の少なくとも一方の有機EL部に正孔注入電極として使用する場合、前記中間電極と正孔注入を行う有機EL部間に、少なくとも1種以上の遷移金属元素を含む酸化物を挿入することを特徴とする。
【0022】
11〕上記〔10〕記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記遷移金属元素を含む酸化物が半導体的性質を示すことを特徴とする。
【0023】
12〕上記〔11〕記載の両面発光有機ELパネルにおいて、前記酸化物半導体が2.0eV以上のバンドギャップを持つことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、二つの透明電極間に存在する有機積層の中間部に共通の走査電極を有する両面発光有機ELパネルを提供することができる。中間部に非透明かつ共通のAlNd層からなる走査電極を有し、同一の走査電圧を印加し、その両側に有機EL部となる有機層が各々形成され、さらにその外に透明電極を形成することにより、両側に独立した情報表示が可能な有機ELパネルを、1つの基板上に作製することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の両面発光有機ELパネルは、第1の有機EL部と第2の有機EL部との対向する中央部に走査信号を印加するAlNd層からなる中間電極を配置し、該中間電極とは第1、第2の有機EL部を挟んで反対側に第1の透明電極と第2の透明電極をそれぞれ配置するとともに、前記第1の有機EL部がα-NPD膜(13)と該α-NPD膜(13)上に形成されるAlq3 膜(14)と該Alq3 膜(14)上に形成されるErF3 膜(15)とからなり、前記第2の有機EL部がα-NPD膜(18)と該α-NPD膜(18)上に形成されるAlq3 膜(19)と該Alq3 膜(19)上に形成されるLiF膜(20)とからなり、全く異なる独立な画像や文字情報を表裏両面に対し同時に表示可能にする。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の両面発光有機ELパネルの構造概念図である。
【0028】
この図において、1は第1の有機EL部、2は第2の有機EL部、3は走査信号を印加する中間電極、4は第1の透明電極、5は第2の透明電極である。
【0029】
この第1の有機EL部1,第2の有機EL部2は、単層、二層、三層以上の多層構造のいずれの有機EL素子の構造でも作製可能である。中間電極3の電極材料としては、一例としてAl系電極が使用可能である。第1の有機EL部1、第2の有機EL部2に対して、電子注入を容易にするため、前記第1、第2の有機EL部1、2と中間電極3間にLi、Mg、Ca、Cs、Erの単体、又はそれらの化合物を含む材料の挿入により、より多くの電子注入が可能となる。
【0030】
例えば、中間電極3を電子注入電極として使用する場合は、第1の有機EL部1,第2の有機EL部2と中間電極3間にLiF、Cs、Mg、Ca、ErF3 、Cs2 O、CsTe等、種々の材料を挿入することにより、より多くの電子注入が可能となる。
【0031】
第1の透明電極4、第2の透明電極5としては、代表的なITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)、CaとAgの積層電極等が使用可能である。また、薄層金属を用いることでも発光を得ることが可能である。
【0032】
正孔注入を行う電極と有機EL部間に、少なくとも1種以上の遷移金属元素を含む酸化物を挿入することで正孔注入が容易になる。また、半導体的性質を示す酸化物としては、TiO2 (3.0eV)、Fe2 3 (2.2eV)、Cu2 O(2.2eV)、ZrO2 (5.0eV)、Nb2 3 (3.0eV)、MoO3 (3.0eV)、WO3 (2.7eV)、SrTiO3 (3.2eV)、Fe2 TiO3 (2.8eV)、BaTiO3 (3.3eV)、CaTiO3 (3.4eV)、KTaO3 (3.5eV)、FeTiO3 (2.8eV)等が使用可能である。なお、括弧内はそれぞれバンドギャップの値を示す。
【0033】
図2は本発明の第1実施例を示す両面発光有機ELパネルの断面図である。
【0034】
第1実施例として、有機EL部10(図1の第1の有機EL部1および第2の有機EL部2に対応)については、図2に示すように、ガラス基板11上にITO膜12/α-NPD膜13(50nm)/Alq3 膜14(50nm)/ErF3 膜15(0.5nm)/AlNd膜16(70nm)/IZO膜17(50nm)/α-NPD膜18(100nm)/Alq3 膜19(50nm)/LiF膜20(1nm)/Al電極21(10nm)の構造を作製した。
【0035】
ここで、AlNd膜16は中間電極(図1の中間電極3に対応)として作用し、これを厚膜化することにより、反射電極とし、単体Al薄膜を用いた場合に比べて1/2の平坦性が得られ、デバイスの短絡を防ぐことができた。
【0036】
さらに、Al電極21(図1の第2の透明電極5に対応)は薄層化することで半透明化した。ここで、最上部のAl電極21の代わりにIZOを単に通常のスパッタにより形成すると、上部デバイスの短絡が見られた。下部デバイスは、形成後スパッタを行っても特性上に変化はなかった。これは、フローティング電極のチャージアップによるものと考えられる。
【0037】
デバイス特性としては、上部デバイス、下部デバイスとも独立した発光が確認された。また、特性は、下部デバイスの方が良好であり、輝度2,244cd/m2 (@100mA/cm2 )が得られた。
【0038】
次に、本発明の第2実施例について説明する。
【0039】
第2実施例として、有機EL部10(図1の第1の有機EL部1および第2の有機EL部2に対応)については、図3に示すように、ガラス基板11上にITO膜12/α-NPD膜13(50nm)/Alq3 膜14(50nm)/ErF3 膜15(0.5nm)/AlNd膜16(70nm)/IZO膜17(200nm)/α-NPD膜18(100nm)/Alq3 膜19(50nm)/Ca膜31(10nm)/Ag膜32(10nm)の積層構造を作製した。
【0040】
この実施例による素子の特性を図4に示す。
【0041】
第1の有機EL部に466mA/cm2 の電流を流したところ、8,126cd/m2 の発光輝度が得られた。また、第2の有機EL部に287mA/cm2 の電流を流したところ、7,141cd/m2 の発光輝度が得られた。
【0042】
次に、本発明の第3実施例について説明する。第3実施例として、有機EL部10(図1の第1の有機EL部および第2の有機EL部2に対応)については、図5に示すように、ガラス基板11上にITO膜12/α-NPD膜13(50nm)/Alq3 膜14(50nm)/ErF3 膜15(0.5nm)/AlNd膜16(70nm)/MoO3 膜33(5nm)/α-NPD膜18(100nm)/Alq3 膜19(50nm)/Ca膜31(10nm)/Ag膜32(10nm)の積層構造を作製した。第1の有機EL部に14.4Vの電圧を印加したところ、373mA/cm2 の電流が流れ、6700cd/cm2 の輝度が得られた。また、第2の有機EL部に12.8Vの電圧を印加したところ、500mA/cm2 の電流が流れ、1010cd/cm2 の輝度が得られた。
【0043】
図6は本発明の第4実施例の両面発光有機ELパネルを上部からみた図である。
【0044】
この図において、第1の透明電極4と第2の透明電極5は重ねて記載しているが、必ずしも重なっている必要はない。走査信号を印加する中間電極3は第1の透明電極4と第2の透明電極5の両方と交差するように配置する。簡単のため第1の有機EL部と第2の有機EL部は省いてある。第1の透明電極4と第2の透明電極5をそれぞれ第1の有機EL部と第2の有機EL部の陽極として、また走査信号を印加する中間電極3を第1の有機EL部と第2の有機EL部の陰極として使用した場合の両面発光有機ELパネルの駆動波形の例を図7に示す。図7において、図7(a)は第1の透明電極に印加されるデータ信号を、図7(b)は第2の透明電極に印加されるデータ信号を、図7(c)は中間電極1に印加される走査信号を、図7(d)は中間電極2に印加される走査信号を、図7(e)は中間電極nに印加される走査信号をそれぞれ示している。
【0045】
基本は線順次駆動であるが、第1の透明電極に印加するデータ信号と第2の透明電極に印加するデータ信号はそれぞれ任意に印加することが可能である。任意の画素の第1の透明電極に電位V、走査信号を印加する中間電極に0が印加されたときは第1の有機EL部にVの電圧が印加され、第1の有機EL部から発光が得られる。
【0046】
また、第2の透明電極5に電位V、走査信号を印加する中間電極3に0が印加されたときは第2の有機EL部にVの電圧が印加され、第2の有機EL部から発光が得られる。これ以外の電位が各電極に印加された場合は発光が得られない。第1の透明電極4に印加するデータ信号と第2の透明電極5に印加するデータ信号とをそれぞれ独立にかつ任意に選択し、走査信号を印加する中間電極3に走査信号を印加することによって、第1の有機EL部と第2の有機EL部からそれぞれ独立な画像が表示可能である。
【0047】
なお、第1の透明電極4、第2の透明電極5はその抵抗の低減のために、第1の透明電極4、第2の透明電極5上に光の取り出しを妨げない程度にAlやCr等の不透明金属を補助配線として形成することも可能である。
【0048】
また、第4実施例において、線順次駆動について示したが、各画素に薄膜トランジスタを取り付けアクティブ駆動させることも可能である。
【0049】
さらに、生産コスト低減、極薄構造による省スペース、超軽量の特徴を有するディスプレイパネルとして期待できる。
【0050】
このようにして、二つの透明電極間に存在する有機積層の中間部に共通の走査電極を有する両面発光有機ELパネルが実現できた。
【0051】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の両面発光有機ELパネルは、画像の左右反転の問題が解決された、薄型の両面文字情報表示板や、対面型ディスプレイパネル等に利用可能である。また、本発明の両面発光有機ELパネルは、片面のみに情報表示が必要な場合において、片面のみに情報表示することが可能であり、エネルギー損失の問題が解決されたディスプレイパネル等に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の両面発光有機ELパネルの構造概念図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す両面発光有機ELパネルの断面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す両面発光有機ELパネルの断面図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す両面発光有機ELパネルの電流密度に対する輝度特性図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す両面発光有機ELパネルの断面図である。
【図6】本発明の第4実施例の両面発光有機ELパネルを上部からみた図である。
【図7】本発明の第4実施例の両面発光有機ELパネルの駆動波形の例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 第1の有機EL部
2 第2の有機EL部
3 走査信号を印加する中間電極
4 第1の透明電極
5 第2の透明電極
10 有機EL部
11 ガラス基板
12 ITO膜
13,18 α-NPD膜
14,19 Alq3
15 ErF3
16 AlNd膜
17 IZO膜
20 LiF膜
21 Al電極
31 Ca膜
32 Ag膜
33 MoO3
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6