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明細書 :フェノール誘導体の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4491263号 (P4491263)
公開番号 特開2005-272356 (P2005-272356A)
登録日 平成22年4月9日(2010.4.9)
発行日 平成22年6月30日(2010.6.30)
公開日 平成17年10月6日(2005.10.6)
発明の名称または考案の名称 フェノール誘導体の製造方法
国際特許分類 C07H  15/18        (2006.01)
B01J  31/02        (2006.01)
FI C07H 15/18
B01J 31/02 103Z
請求項の数または発明の数 7
全頁数 29
出願番号 特願2004-088314 (P2004-088314)
出願日 平成16年3月25日(2004.3.25)
審査請求日 平成17年9月5日(2005.9.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】鈴木 啓介
【氏名】松本 隆司
【氏名】山内 孝仁
個別代理人の代理人 【識別番号】100092783、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 浩
【識別番号】100095360、【弁理士】、【氏名又は名称】片山 英二
【識別番号】100128761、【弁理士】、【氏名又は名称】田村 恭子
【識別番号】100104282、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 康仁
審査官 【審査官】瀬下 浩一
参考文献・文献 特開2004-067625(JP,A)
山内 孝仁 等,Sc(OTf)3を用いるC-グリコシル化反応(1):水素結合した電子求引性基を持つフェノールの反応,日本化学会講演予稿集,2004年 3月11日,Vol.84th, No.2 ,Page.1033
調査した分野 C07H 15/18
B01J 31/02
CASREACT(STN)
JSTPlus/JMEDPlus(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(1)で示されるフェノール誘導体の製造方法であって、
【化1】
JP0004491263B2_000035t.gif
[式中、A1は、水素原子であり、
2は、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アシル基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、又はシアノ基(-CN)であり、
P環基及びQ環基は、同一であり、下記式(4a)で示される6員環基
【化2】
JP0004491263B2_000036t.gif
[式中、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基、アジド基又は置換基を有していてもよいアミノ基であり、
1、R2及びR9は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子又は置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基である。]である。]
スカンジウム塩存在下、下記式(2)で示されるフェノール類と、
【化3】
JP0004491263B2_000037t.gif
[式中、A1及びA2は、上記意味を有する。]
下記式(3a)で示される環化合物と、
【化4】
JP0004491263B2_000038t.gif
[式中、P環基は、上記意味を有する。
1は、水酸基、置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、又はハロゲン原子である。]
下記式(3b)で示される環化合物と
【化5】
JP0004491263B2_000039t.gif
[式中、Q環基は、上記意味を有する。
2は、水酸基、置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、又はハロゲン原子である。]
を反応させることを特徴とする、フェノール誘導体の製造方法。
【請求項2】
スカンジウム塩が、トリ(トリフラート)スカンジウムである、請求項1に記載のフェノール誘導体の製造方法。
【請求項3】
2が、置換基を有していてもよいC1~C10アシル基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシカルボニル基又は置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシカルボニル基であって、下記式(5)で示される基である、請求項1または2に記載のフェノール誘導体の製造方法。
【化6】
JP0004491263B2_000040t.gif
[式中、A3は、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、又は置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基である。]
【請求項4】
3が、置換基を有していてもよいC1~C6アルキル基、置換基を有していてもよいC6~C10アリール基、又は置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基である、請求項に記載のフェノール誘導体の製造方法。
【請求項5】
下記式(1a)で示されるフェノール誘導体の製造方法であって、
【化7】
JP0004491263B2_000041t.gif
[式中、A1は、水素原子であり、
3は、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、又は置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基であり、
P環基及びQ環基は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、下記式(4a)で示される6員環基
【化8】
JP0004491263B2_000042t.gif
[式中、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基、アジド基又は置換基を有していてもよいアミノ基であり、
1、R2及びR9は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子又は置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基である。]
である。]
スカンジウム塩存在下、下記式(2a)で示されるフェノール類と、
【化9】
JP0004491263B2_000043t.gif
[式中、A1及びA3は、上記意味を有する。]
下記式(3a)で示される環化合物と
【化10】
JP0004491263B2_000044t.gif
[式中、P環基は、上記意味を有する。
1は、水酸基、置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、又はハロゲン原子である。]
を反応させ、反応混合物を得る工程と、
スカンジウム塩存在下、前記反応混合物と、下記式(3b)で示される環化合物と
【化11】
JP0004491263B2_000045t.gif
[式中、Q環基は、上記意味を有する。
2は、水酸基、置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、ハロゲン原子である。]
を反応させる工程とを含むことを特徴とする、フェノール誘導体の製造方法。
【請求項6】
スカンジウム塩が、トリ(トリフラート)スカンジウムである、請求項に記載のフェノール誘導体の製造方法。
【請求項7】
3が、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C6アルキル基、置換基を有していてもよいC6~C10アリール基、又は置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基である、請求項5または6に記載のフェノール誘導体の製造方法。


発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、フェノール誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、炭素がグリコシル化されたC-グリコシド誘導体には、生理活性作用を示す類縁体が数多く知られている。
例えば、芳香環中の2箇所の炭素がグリコシル化されたダブルC-グリコシド誘導体として、下記に示すような天然物が抗腫瘍抗生物質として有用であることが見出されている(非特許文献1:Helv. Chim. Acta 70, 1217-1228 (1987))。
【化14】
JP0004491263B2_000002t.gif

【0003】
これらの化合物および類似構造をもつ非天然化合物を合成するためには、芳香環をダブルC-グリコシル化することが不可欠である。このため、上述したような天然物および医薬品のリード化合物を合成するのに有用な、官能基を有する芳香環をダブルC-グリコシル化する手法が望まれていた。
【0004】
このような手法として、従来、電子豊富な芳香環およびフェノールに対し、BF3・OEt2や(CH3)3SiOTfを活性化剤として用いると、ダブルC-グリコシル化が進行することが知られている(非特許文献2:Carbohydrate Research 297, 379-383 (1997)、非特許文献3:Carbohydrate Research 306, 463-467 (1998))。
【化15】
JP0004491263B2_000003t.gif

【0005】
しかしながら、上記例では、いずれの場合も、芳香環に、糖を順次導入する必要があり、反応工程が多く煩雑であるという問題があった。
また、上記のいずれの場合も、アルコキシ基のような電子供与性基を持つフェノールを用いる必要があった。しかしながら、このような電子供与性を持つフェノールは、多環性の芳香族を母核にもつC-グリコシド型天然物やその非天然型類縁体などを合成するための中間体として用いるには実用的でないという問題があった。たとえば、上記のプルラマイシン類を含め、多環性の芳香族を母核にもつC-グリコシド型天然物やその非天然型類縁体などを合成する場合には、生成物であるC-グリコシドの芳香環にさらに芳香環を融着する必要があるが、その際には必然的にC-グリコシドの芳香環と融着させる芳香環との間に炭素-炭素結合を形成させることになる。ここで、C-グリコシド芳香環が当該芳香環と炭素-炭素結合で結合した置換基を有する場合や、なかでも特に当該置換基が電子求引性基である場合には、この置換基を足掛かりとして、C-グリコシド芳香環にさらに芳香環を融着させることが極めて容易となる。しかしながら、C-グリコシド芳香環と炭素-ヘテロ原子結合で結合した置換基が電子供与性基である場合に、これを足掛かりとして炭素-炭素結合を形成させることは非常に困難を伴うという問題があった。
更に、活性化剤としてBF3・OEt2を用いる場合、反応を進めるためには量論量の活性化剤が必要であった。
【0006】
したがって、芳香環に2つの糖を一度に導入する手法、及び/又は、芳香環と炭素-炭素結合で結合した置換基を有する芳香環、なかでも特に電子求引性置換基を有する芳香環をダブルC-グリコシル化する手法が望まれていた。

【非特許文献1】Helv. Chim. Acta 70, 1217-1228 (1987)
【非特許文献2】Carbohydrate Research 297, 379-383 (1997)
【非特許文献3】Carbohydrate Research 306, 463-467 (1998)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、芳香環に2つの糖を一度に導入する手法、及び/又は、芳香環と炭素-炭素結合で結合した置換基を有する芳香環、なかでも特に電子求引性置換基を有する芳香環をダブルC-グリコシル化する手法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明の第1態様では、下記式(1)で示されるフェノール誘導体の製造方法であって、
【化16】
JP0004491263B2_000004t.gif
[式中、A1は、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、又は水酸基であり、A2は、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アシル基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、又はシアノ基(-CN)であり、P環基及びQ環基は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよい、酸素含有環基である。]
スカンジウム塩存在下、下記式(2)で示されるフェノール類と、
【化17】
JP0004491263B2_000005t.gif
[式中、A1及びA2は、上記意味を有する。]
下記式(3a)で示される環化合物と
【化18】
JP0004491263B2_000006t.gif
[式中、P環基は、上記意味を有する。
1は、水酸基、置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、又はハロゲン原子である。]
下記式(3b)で示される環化合物と
【化19】
JP0004491263B2_000007t.gif
[式中、Q環基は、上記意味を有する。X2は、水酸基、置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、又はハロゲン原子である。]
を反応させることを特徴とする、フェノール誘導体の製造方法が提供される。
【0009】
また、本発明の第2態様では、下記式(1a)で示されるフェノール誘導体の製造方法であって、
【化20】
JP0004491263B2_000008t.gif
[式中、A1は、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、又は水酸基であり、A3は、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、又は置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基であり、P環基及びQ環基は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよい、酸素含有環基である。]
スカンジウム塩存在下、下記式(2a)で示されるフェノール類と、
【化21】
JP0004491263B2_000009t.gif
[式中、A1及びA3は、上記意味を有する。]
下記式(3a)で示される環化合物と
【化22】
JP0004491263B2_000010t.gif
[式中、P環基は、上記意味を有する。X1は、水酸基、置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、又はハロゲン原子である。]
を反応させ、反応混合物を得る工程と、
スカンジウム塩存在下、前記反応混合物と、下記式(3b)で示される環化合物と
【化23】
JP0004491263B2_000011t.gif
[式中、Q環基は、上記意味を有する。X2は、水酸基、置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、ハロゲン原子である。]
を反応させる工程とを含むことを特徴とする、フェノール誘導体の製造方法が提供される。
【0010】
本発明の第1態様及び第2態様では、スカンジウム塩が、トリ(トリフラート)スカンジウムであることが好ましい。
【0011】
また、本発明の第1態様及び第2態様では、P環基及びQ環基が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、下記式(4a)で示される6員環基
【化24】
JP0004491263B2_000012t.gif
[式中、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基、アジド基又は置換基を有していてもよいアミノ基であり、R1、R2及びR9は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子又は置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基である。]
又は、下記式(4b)で示される5員環基
【化25】
JP0004491263B2_000013t.gif
[式中、R13、R14、R15及びR16は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基、アジド基又は置換基を有していてもよいアミノ基であり、R11、R12及びR17は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子又は置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基である。]
であることが好ましい。
【0012】
また、本発明の第1態様では、A2が、下記式(5)で示される基であることが好ましい。
【化26】
JP0004491263B2_000014t.gif
[式中、A3は、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、又は置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基である。]
この場合、A3が、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C6アルキル基、置換基を有していてもよいC6~C10アリール基、又は置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基であることが好ましい。
【0013】
また、本発明の第1態様では、P環基とQ環基とが同一の基であることが好ましい。
【0014】
また、本発明の第2態様では、A3が、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C6アルキル基、置換基を有していてもよいC6~C10アリール基、又は置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基であることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、芳香環に2つの糖を一度に導入できるという効率的な手法を提供することが可能となる。
また、本発明により、芳香環と炭素-炭素結合で結合した置換基を有する芳香環、なかでも電子求引性置換基を有する芳香環をダブルC-グリコシル化する手法を提供することが可能となるため、これにより得られたダブルC-グリコシル化芳香環は、多環性の芳香族を母核にもつC-グリコシド型天然物やその非天然型類縁体などを合成するための中間体として好適に用いることができる。
さらに、本発明により、反応に必要な活性化剤(スカンジウム塩)の量を触媒量とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の第1態様では、スカンジウム塩存在下、下記式(2)で示されるフェノール類と、下記式(3a)で示される環化合物と、下記式(3b)で示される環化合物とを反応させることを特徴とする、下記式(1)で示されるフェノール誘導体の製造方法が提供される。
【化27】
JP0004491263B2_000015t.gif
本発明の第1態様により、芳香環に2つの酸素含有環基(例えば、糖)を一回の工程で導入することが可能となる。
【0017】
本発明の第1態様にかかるフェノール誘導体の製造方法では、下記式(1)で示されるフェノール誘導体が製造される。
【化28】
JP0004491263B2_000016t.gif

【0018】
上記中、A1は、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、又は水酸基である。
【0019】
本明細書において、「C1~C10炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C1~C10炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。「C1~C10炭化水素基」には、C1~C10アルキル基、C2~C10アルケニル基、C2~C10アルキニル基、C4~C10アルキルジエニル基、C6~C10アリール基、C7~C10アルキルアリール基、C7~C10アリールアルキル基、C4~C10シクロアルキル基、C4~C10シクロアルケニル基、(C3~C6シクロアルキル)C1~C4アルキル基などが含まれる。
【0020】
本明細書において、「C1~C10アルキル基」は、C1~C6アルキル基であることが好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等を挙げることができる。
【0021】
本明細書において、「C2~C10アルケニル基」は、C2~C6アルケニル基であることが好ましい。アルケニル基の例としては、制限するわけではないが、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2-メチル-1-プロペニル、2-メチルアリル、2-ブテニル等を挙げることができる。
【0022】
本明細書において、「C2~C10アルキニル基」は、C2~C6アルキニル基であることが好ましい。アルキニル基の例としては、制限するわけではないが、エチニル、プロピニル、ブチニル等を挙げることができる。
【0023】
本明細書において、「C4~C10アルキルジエニル基」は、C4~C6アルキルジエニル基であることが好ましい。アルキルジエニル基の例としては、制限するわけではないが、1,3-ブタジエニル等を挙げることができる。
【0024】
本明細書において、「C6~C10アリール基」の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、インデニル等を挙げることができる。
【0025】
本明細書において、「C7~C10アルキルアリール基」の例としては、制限するわけではないが、o-トリル、m-トリル、p-トリル、2,3-キシリル、2,4-キシリル、2,5-キシリル、o-クメニル、m-クメニル、p-クメニル、メシチル等を挙げることができる。
【0026】
本明細書において、「C7~C10アリールアルキル基」の例としては、制限するわけではないが、ベンジル、フェネチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチル等を挙げることができる。
【0027】
本明細書において、「C4~C10シクロアルキル基」の例としては、制限するわけではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
【0028】
本明細書において、「C4~C10シクロアルケニル基」の例としては、制限するわけではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等を挙げることができる。
【0029】
本明細書において、「C1~C10アルコキシ基」は、C1~C6アルコキシ基であることが好ましく、C1~C4アルコキシ基であることが更に好ましい。アルコキシ基の例としては、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ等がある。
【0030】
本明細書において、「C6~C10アリールオキシ基」の例としては、制限するわけではないが、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等を挙げることができる。
【0031】
本発明の第1態様において、A1で示される「C1~C10炭化水素基」、「C1~C10アルコキシ基」、「C6~C10アリールオキシ基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C12アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0032】
本発明の第1態様において、A1が、水素原子、C1~C10アルキル基、又はC6~C10アリール基であることが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、又はフェニル基であることがより好ましい。
【0033】
本発明の第1態様において、上記式(1)中、A2は、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アシル基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、又はシアノ基(-CN)である。
【0034】
本明細書において、「C1~C10アシル基」としては、C1~C10アルキルカルボニル、C6~C12アリールカルボニル、モノ-C1~C4アルキルフェニルカルボニル、ジ-C1~C3アルキルフェニルカルボニル、フェニル-C1~C4アルキルカルボニル等を挙げることができ、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ベンゾイル、メチルベンゾイル、ジメチルベンゾイル、メチルエチルベンゾイル、ジエチルベンゾイル、ベンジルカルボニルであることが好ましい。
【0035】
本明細書において、「C1~C10アルコキシカルボニル基」の例としては、制限するわけではないが、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2-メトキシエトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル等を挙げることができる。
【0036】
本明細書において、「C6~C10アリールオキシカルボニル基」の例としては、制限するわけではないが、フェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニル等を挙げることができる。
【0037】
本発明の第1態様において、A2で示される「C1~C10炭化水素基」、「C1~C10アルコキシ基」、「C6~C10アリールオキシ基」、「C1~C10アシル基」、「C1~C10アルコキシカルボニル基」、「C6~C10アリールオキシカルボニル基」、「カルバモイル基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C12アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0038】
本発明の第1態様において、上記式(1)で示される生成物を、多環性の芳香族を母核にもつC-グリコシド型天然物やその非天然型類縁体などを合成するための中間体として用いる場合には、A2は、上記式(1)の母核となる芳香環に炭素-炭素結合で結合される基、なかでも特に電子求引性基であることが好ましく、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アシル基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、又はシアノ基(-CN)であることがより好ましく、置換基を有していてもよいC1~C10アルキル基、置換基を有していてもよいC1~C10アシル基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシカルボニル基、又は置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシカルボニル基であることが更に好ましい。
本発明の第1態様において、A2が、特に、下記式(5)で示される基であることが好ましい。
【化29】
JP0004491263B2_000017t.gif

【0039】
本発明の第1態様において、上記式(5)中、A3は、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、又は置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基である。ただし、A3が水素原子の場合は、上記式(2)で示されるフェノール類の溶解性が悪くなる場合があり、この場合は、A1を水素原子以外の基とすることで溶解性を改善することができる。
【0040】
本発明の第1態様において、A3で示される「C1~C10炭化水素基」、「C1~C10アルコキシ基」、「C6~C10アリールオキシ基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C12アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0041】
本発明の第1態様において、A3は、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C6アルキル基、置換基を有していてもよいC6~C10アリール基、又は置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基であることが好ましく、メチル基、エチル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、ナフチル基であることがより好ましい。
【0042】
本発明の第1態様において、上記式(1)中、P環基及びQ環基は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよい、酸素含有環基である。
【0043】
本明細書において、「酸素含有環基」としては、酸素を含む5員~6員環基を挙げることができる。具体的には、フラン、オキソラン、ピラン、又はオキサンから任意の水素原子を除いて形成される1価基を挙げることができる。
【0044】
本発明の第1態様において、P環基及びQ環基で示される「酸素含有環基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、置換基を有していてもよいC6~C12アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、置換基を有していてもよいC1~C10アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ベンゾイル等)、置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、ベンゾイルオキシ)、置換基を有していてもよいアミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0045】
本発明の第1態様において、P環基及びQ環基は、置換基を有していてもよいオキソラン、置換基を有していてもよいオキサン、置換基を有していてもよいフラン又は置換基を有していてもよいピランから任意の水素原子を除いて形成される1価基であることが好ましく、P環基及びQ環基がフラノース誘導体の2位の水素原子を除いて形成される1価基、又はピラノース誘導体の2位の水素原子を除いて形成される1価基であることがより好ましい。
【0046】
本発明の第1態様において、P環基及びQ環基で示される「酸素含有環基」に導入される置換基として例示される「C1~C10炭化水素基」、「C1~C10アルコキシ基」、「C6~C12アリールオキシ基」、「C1~C10アシル基」、「C1~C10アシルオキシ基」、「アミノ基」;P環基及びQ環基として例示された「オキソラン」、「オキサン」、「フラン」、「ピラン」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C12アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0047】
本発明の第1態様において、P環基及びQ環基が、ピラノース誘導体の2位の水素原子を除いて形成される1価基であるとは、P環基及びQ環基が、下記式(4a)で示される6員環基であることを意味する。
【化30】
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【0048】
上記式中、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基、アジド基又は置換基を有していてもよいアミノ基であり、R1、R2及びR9は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子又は置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基である。
【0049】
本明細書において、「C1~C10アシルオキシ基」は、C1~C10アルキルカルボニルオキシ、C6~C12アリールカルボニルオキシ、モノ-C1~C4アルキルフェニルカルボニルオキシ、ジ-C1~C3アルキルフェニルカルボニルオキシ、フェニル-C1~C4アルキルカルボニルオキシ等を挙げることができ、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、ベンゾイルオキシ、メチルベンゾイルオキシ、ジメチルベンゾイルオキシ、メチルエチルベンゾイルオキシ、ジエチルベンゾイルオキシ、ベンジルカルボニルオキシであることが好ましい。
【0050】
本発明の第1態様において、R3、R4、R5、R6、R7及びR8で示される「C1~C10炭化水素基」、「C1~C10アルコキシ基」、「C6~C10アリールオキシ基」、「C1~C10アシルオキシ基」、「アミノ基」、R1、R2及びR9で示される「C1~C10炭化水素基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等)、C6~C12アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、C1~C10アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アミノ基、水酸基、アジド基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0051】
本明細書において、「置換基を有していてもよいアミノ基」の例としては、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
【0052】
本発明の第1態様において、P環基及びQ環基が上記式(4a)で示される6員環基である場合には、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、水素原子、C1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、C1~C10アシルオキシ基又はC6~C10アリールオキシ基であることが好ましく、水素原子、C1~C6アルキル基、C1~C6アルコキシ基、フェニル-C1~C6アルコキシ基、C1~C6アシルオキシ基又はフェニルオキシ基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニルオキシ基、ベンジルオキシ基、アセトキシ基であることが更に好ましい。
また、R1、R2及びR9は、水素原子、又は、C1~C6アルコキシ基若しくはC1~C6アシルオキシ基等の置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基であることが好ましく、水素原子、C1~C6アルキル基、C6~C10アリール基、C1~C6アルコキシ-C1~C6アルキル基、C1~C6アシルオキシ基-C1~C6アルキル基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、又はナフチル基であることが更に好ましい。
【0053】
本発明の第1態様において、P環基及びQ環基が、フラノース誘導体の2位の水素原子を除いて形成される1価基であるとは、P環基及びQ環基が下記式(4b)で示される5員環基であることを意味する。
【化31】
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【0054】
上記式中、R13、R14、R15及びR16は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基、アジド基又は置換基を有していてもよいアミノ基であり、R11、R12及びR17は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子又は置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基である。
【0055】
本発明の第1態様において、R13、R14、R15及びR16で示される「C1~C10炭化水素基」、「C1~C10アルコキシ基」、「C6~C10アリールオキシ基」、「C1~C10アシルオキシ基」、「アミノ基」、R11、R12及びR17で示される「C1~C10炭化水素基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C12アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、C1~C10アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アミノ基、水酸基、アジド基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0056】
本発明の第1態様において、P環基及びQ環基が上記式(4b)で示される5員環基である場合には、R13、R14、R15及びR16は、水素原子、C1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、C1~C10アシルオキシ基、又はC6~C10アリールオキシ基であることが好ましく、水素原子、C1~C6アルキル基、C1~C6アルコキシ基、フェニル-C1~C6アルコキシ基、C1~C6アシルオキシ基又はフェニルオキシ基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニルオキシ基、ベンジルオキシ基、アセトキシ基であることが更に好ましい。
また、R11、R12及びR17は、水素原子、又は、C1~C6アルコキシ基若しくはC1~C6アシルオキシ基等の置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基であることが好ましく、水素原子、C1~C6アルキル基、C6~C10アリール基、C1~C6アルコキシ-C1~C6アルキル基、C1~C6アシルオキシ基-C1~C6アルキル基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、又はナフチル基であることが更に好ましい。
【0057】
本発明の第1態様において、収率を向上させる観点から、P環基とQ環基とが同一の基であることが好ましい。
【0058】
本発明の第1態様にかかるフェノール誘導体の製造方法では、下記式(2)で示されるフェノール類を用いる。
【化32】
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[式中、A1及びA2は、上記意味を有する。]
【0059】
本発明の第1態様にかかるフェノール誘導体の製造方法では、上記式(2)で示されるフェノール類と、下記式(3a)で示される環化合物と、下記式(3b)で示される環化合物とを反応させる。
【化33】
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【化34】
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[上記式中、P環基及びQ環基は、上記の意味を有する。]
【0060】
上記式(3a)及び上記式(3b)中、X1及びX2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水酸基、置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基、又はハロゲン原子である。
【0061】
本発明の第1態様において、X1及びX2で示される「C1~C10アシルオキシ基」、「C1~C10アルコキシ基」、「C6~C10アリールオキシ基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C12アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0062】
本発明の第1態様において、X1及びX2は、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよいC1~C10アシルオキシ基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、ハロゲン原子であることが好ましく、X1及びX2が、C1~C4アシルオキシ基、モノハロゲノ-C1~C4アシルオキシ基、又はジハロゲノ-C1~C4アシルオキシ基であることがより好ましく、X1及びX2が、アセトキシ、ベンゾイルオキシ、モノクロロアセトキシ、又はジクロロアセトキシであることが更に好ましい。
【0063】
本発明の第1態様において、上記式(3a)及び上記式(3b)で示される環化合物の量は、それぞれ、上記式(2)で示されるフェノール類1モルに対して、1モル~10モルであることが好ましく、1モル~3モルであることがより好ましく、1モル~1.5モルであることが特に好ましい。
【0064】
本発明の第1態様において、上記式(2)で示されるフェノール類と、上記式(3a)で示される環化合物と、上記式(3b)で示される環化合物との反応は、スカンジウム塩存在下で行う。
【0065】
本発明の第1態様において、スカンジウム塩としては、スカンジウムと、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩酸、硫酸等との塩を挙げることができ、トリ(トリフラート)スカンジウムを特に好ましく挙げることができる。
【0066】
本発明の第1態様において、用いられるスカンジウム塩の量は触媒量とすることができる。例えば、用いられるスカンジウム塩の量は、上記式(2)で示されるフェノール類1モルに対して、0.001モル~1モルであることが好ましく、0.01モル~0.5モルであることがより好ましく、0.1モル~0.3モルであることが更に好ましい。
【0067】
本発明の第1態様において、典型的には、スカンジウム塩及び上記式(2)で示されるフェノール類の溶液に、上記式(3a)で示される環化合物及び上記式(3b)で示される環化合物の溶液を加え、昇温させ、攪拌することにより上記式(1)で示されるフェノール誘導体を得る。
【0068】
本発明の第1態様にかかる反応において、昇温前の温度は、好ましくは-50℃~0℃の範囲であり、より好ましくは約-40~約-20℃の範囲である。また、昇温後の温度は、好ましくは0℃~50℃の範囲であり、より好ましくは約15~約35℃の範囲である。
本発明の第1態様において、圧力は、常圧であることが好ましい。
【0069】
本発明の第1態様において、溶媒としては、スカンジウム塩、上記式(2)で示されるフェノール類、上記式(3a)で示される環化合物、及び上記式(3b)で示される環化合物を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。テトラヒドロフラン又はジエチルエーテルのようなエーテル系溶媒;ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素;o-ジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられ、ジクロロメタン又は1,2-ジクロロエタンを用いることが特に好ましい。
【0070】
本発明の第2態様では、スカンジウム塩存在下、下記式(2a)で示されるフェノール類と、下記式(3a)で示される環化合物とを反応させ、反応混合物を得る工程と、
スカンジウム塩存在下、前記反応混合物と、下記式(3b)で示される環化合物とを反応させる工程とを含むことを特徴とする、下記式(1a)で示されるフェノール誘導体の製造方法が提供される。
【化35】
JP0004491263B2_000023t.gif
[式中、A1、X1、X2、P環基及びQ環基は、上記意味を有する。]
【0071】
本発明の第2態様により、電子求引性置換基を有する芳香環をダブルC-グリコシル化することが可能となる。
【0072】
本発明の第2態様にかかるフェノール誘導体の製造方法では、下記式(1a)で示されるフェノール誘導体が製造される。
【化36】
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【0073】
本発明の第2態様において、上記式(1a)中、A1、P環基及びQ環基についての説明は、本発明の第1態様においてしたのと同様である。
【0074】
本発明の第2態様において、上記式(1a)中、A3は、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基、又は置換基を有していてもよいC6~C10アリールオキシ基である。ただし、A3が水素原子の場合は、上記式(2a)で示されるフェノール類の溶解性が悪くなる場合があり、この場合は、A1を水素原子以外の基とすることで溶解性を改善することができる。
【0075】
本発明の第2態様において、A3で示される「C1~C10炭化水素基」、「C1~C10アルコキシ基」、「C6~C10アリールオキシ基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C12アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0076】
本発明の第2態様において、A3が、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C6アルキル基、置換基を有していてもよいC6~C10アリール基、又は置換基を有していてもよいC1~C10アルコキシ基であることが好ましく、メチル基、エチル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、ナフチル基であることがより好ましい。
【0077】
本発明の第2態様にかかるフェノール誘導体の製造方法では、下記式(2a)で示されるフェノール類を用いる。
【化37】
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[式中、A1及びA3は、上記意味を有する。]
【0078】
本発明の第2態様にかかるフェノール誘導体の製造方法では、まず、上記式(2a)で示されるフェノール類と、下記式(3a)で示される環化合物とを反応させ、反応混合物を得る(第1工程)。
【化38】
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[上記式中、P環基は、上記の意味を有する。]
【0079】
本発明の第2態様の第1工程において、上記式(3a)中のX1についての説明は、本発明の第1態様においてしたのと同様である。
【0080】
本発明の第2態様の第1工程において、上記式(3a)で示される環化合物の量は、それぞれ、上記式(2a)で示されるフェノール類1モルに対して、0.3モル~3モルであることが好ましく、0.3モル~1モルであることがより好ましく、0.3モル~0.5モルであることが特に好ましい。
【0081】
本発明の第2態様の第1工程において、上記式(2a)で示されるフェノール類と、上記式(3a)で示される環化合物との反応は、スカンジウム塩存在下で行う。
【0082】
本発明の第2態様の第1工程において、スカンジウム塩についての説明は、本発明の第1態様においてしたのと同様である。
【0083】
本発明の第2態様の第1工程において、用いられるスカンジウム塩の量は触媒量とすることができる。例えば、用いられるスカンジウム塩の量は、上記式(2a)で示されるフェノール類1モルに対して、0.001モル~1モルであることが好ましく、0.01モル~0.5モルであることがより好ましく、0.1モル~0.3モルであることが更に好ましい。
【0084】
本発明の第2態様の第1工程において、典型的には、スカンジウム塩及び上記式(2)で示されるフェノール類の溶液に、上記式(3a)で示される環化合物の溶液を加え、昇温させ、反応混合物を得る(第1工程)。
【0085】
本発明の第2態様の第1工程にかかる反応において、昇温前の温度は、好ましくは-50℃~0℃の範囲であり、より好ましくは約-40~約-20℃の範囲である。また、昇温後の温度は、好ましくは0℃~50℃の範囲であり、より好ましくは約15~約35℃の範囲である。
本発明の第2態様の第1工程において、圧力は、常圧であることが好ましい。
【0086】
本発明の第2態様の第1工程において、溶媒としては、スカンジウム塩、上記式(2a)で示されるフェノール類、及び上記式(3a)で示される環化合物を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。テトラヒドロフラン又はジエチルエーテルのようなエーテル系溶媒;ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素;o-ジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられ、ジクロロメタン又は1,2-ジクロロエタンを用いることが特に好ましい。
【0087】
本発明の第2態様にかかるフェノール誘導体の製造方法では、第1工程で得られた反応混合物と、下記式(3b)で示される環化合物とを、スカンジウム塩存在下、反応させ、上記式(1a)で示されるフェノール誘導体を得る(第2工程)。
【化39】
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[式中、Q環基は、上記意味を有する。]
【0088】
本発明の第2態様の第2工程において、上記式(3b)中のX2についての説明は、本発明の第1態様においてしたのと同様である。
【0089】
本発明の第2態様の第2工程において、上記式(3b)で示される環化合物の量は、それぞれ、第1工程で得られる反応生成物1モルに対して、1モル~10モルであることが好ましく、1モル~3モルであることがより好ましく、1モル~1.5モルであることが特に好ましい。
【0090】
本発明の第2態様の第2工程において、第1工程で得られた反応混合物と、上記式(3b)で示される環化合物との反応は、スカンジウム塩存在下で行う。
【0091】
本発明の第2態様の第2工程において、スカンジウム塩についての説明は、本発明の第1態様においてしたのと同様である。
【0092】
本発明の第2態様の第2工程において、用いられるスカンジウム塩の量は触媒量とすることができる。例えば、用いられるスカンジウム塩の量は、第1工程で得られる反応生成物1モルに対して、0.001モル~1モルであることが好ましく、0.01モル~0.5モルであることがより好ましく、0.1モル~0.3モルであることが更に好ましい。
【0093】
本発明の第2態様の第2工程において、典型的には、スカンジウム塩、及び第1工程で得られた反応混合物を精製して得られた反応生成物の溶液に、上記式(3b)で示される環化合物の溶液を加え、昇温させることにより上記式(1a)で示されるフェノール誘導体を得る。
【0094】
本発明の第2態様の第2工程にかかる反応において、昇温前の温度は、好ましくは-50℃~0℃の範囲であり、より好ましくは約-40~約-20℃の範囲である。また、昇温後の温度は、好ましくは0℃~50℃の範囲であり、より好ましくは約15~約35℃の範囲である。
本発明の第2態様の第2工程において、圧力は、常圧であることが好ましい。
【0095】
本発明の第2態様の第2工程において、溶媒としては、スカンジウム塩、第1工程で得られた反応生成物、及び上記式(3b)で示される環化合物を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。テトラヒドロフラン又はジエチルエーテルのようなエーテル系溶媒;ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素;o-ジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられ、ジクロロメタン又は1,2-ジクロロエタンを用いることが特に好ましい。
【0096】
本発明の第2態様において、反応は下記スキームに従って進むと考えられる。即ち、まず、スカンジウム塩存在下、下記式(2a)で示されるフェノール類と下記式(3a)で示される環化合物とが反応し、選択的に中間体(6)が生成する。ついで、スカンジウム塩存在下、中間体(5)と下記式(3b)で示される環化合物とが反応し、下記式(1a)で示されるフェノール誘導体が得られると考えられる。
【化40】
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[式中、A1、A3、X1、X2、P環基及びQ環基は、上記意味を有する。]
もっとも、上記反応機構は仮説に過ぎず、本発明はこの反応機構に限定されるものではない。
【0097】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に制限されるものではない。
原料である糖誘導体は常法に従って合成した。その他の試薬は、市販のものをそのまま用いた。
1H-NMRスペクトルは、JEOLラムダ400分光計を用いた。
【0098】
[参考例1]
【化41】
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Sc(OTf)3(8.4 mg, 17 μmol)、ドライアライト(Drierite)(登録商標)(196 mg)、2,6-ジヒドロキシアセトフェノン (20.0 mg, 0.13 mmol)の1,2-ジクロロエタン溶液(3.5 ml)に-30℃にてアセチル化糖 (29.4 mg, 0.062 mmol)の1,2-ジクロロエタン溶液(1.5 ml)を加える。4時間かけて25℃まで昇温後、反応液に飽和NaHCO3溶液を加える。セライト濾過後、酢酸エチルで抽出を行い、飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥。溶媒を留去し、シリカゲルプレパラティブTLC (ジクロロメタン/アセトン/ヘキサン=1/1/5)にて精製し、無色オイルの表題化合物を26.2 mg (75%)得た。
【0099】
1H-NMR (CDCl3)
1.28 (D, 3H, J = 6.3 HZ), 2.67 (S, 3H), 3.64 (Q, 1H, J = 6.3 HZ), 3.68 (DD, 1H, DD, J = 2.3, 9.3 HZ), 3.76 (D, 1H, J = 2.3 HZ), 4.09 (D, 1H, J = 10.5 HZ), 4.13 (T, 1H, J = 9.3 HZ), 4.24 (D, 1H, J = 9.3 HZ), 4.55 (D, 1H, J = 10.5 HZ), 4.73 (D, 1H, J = 11.6 HZ), 4.80 (S, 2H), 5.16 (D, 1H, J = 11.6 HZ), 6.44 (D, 1H, J = 8.5 HZ), 6.97-7.05 (M, 2H), 7.14 (D, 1H, J = 8.5 HZ), 7.17-7.23 (M, 3H), 7.28-7.45 (M, 10H), 8.85 (S, 1H), 13.17 (S, 1H)
【実施例1】
【0100】
【化42】
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Sc(OTf)3(6.6 mg, 13μmol)、Drierite(登録商標)(151 mg)、参考例1で得たフェノール(26.2 mg, 46μmol)の1,2-ジクロロエタン溶液(1.5 ml)に-30℃にてアセチル化糖(42.0 mg, 88μmol)の1,2-ジクロロエタン溶液(1.5 ml)を加える。8時間かけて25℃まで昇温後、反応液に飽和NaHCO3溶液を加える。セライト濾過後、酢酸エチルで抽出を行い、飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥。溶媒を留去し、シリカゲルプレパラティブTLC (トルエン/アセトン=20/1)にて精製し、無色オイルの表題化合物を30.5 mg (67%)得た。
【0101】
1H-NMR (CDCl3)
1.24 (d, 6H, J = 6.3 Hz), 2.70 (s, 3H), 3.63 (q, 2H, J = 6.3 Hz), 3.69 (dd, 2H, dd, J = 2.4, 9.4 Hz), 3.72 (d, 2H, J = 2.4 Hz), 3.91 (d, 2H, J = 11.0 Hz), 4.04 (t, 2H, J = 9.4 Hz), 4.28 (d, 2H, J = 11.0 Hz), 4.56 (d, 1H, J = 9.4 Hz), 4.71 (s, 4H), 4.78 (d, 2H, J = 11.7 Hz), 5. 11 (d, 2H, J = 11.7 Hz), 6.90-6.98 (m, 4H), 7.08-7.15 (m, 6H), 7.26-7.46 (m, 20H), 7.59 (s, 1H), 11.24 (s, 2H)
【実施例2】
【0102】
【化43】
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【0103】
Sc(OTf)3(5.5mg, 11μmol)、Drierite(登録商標)(144 mg)、参考例1で得たフェノール(24.1 mg, 42μmol)の1,2-ジクロロエタン溶液(1.5 ml)に-30℃にてアセチル化糖 (61.0 mg, 128μmol)の1,2-ジクロロエタン溶液(1.5 ml)を加える。5時間かけて25℃まで昇温後、反応液に飽和NaHCO3溶液を加える。セライト濾過後、酢酸エチルで抽出を行い、飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥。溶媒を留去し、シリカゲルプレパラティブTLC (トルエン/アセトン=20/1)にて精製し、無色オイルの表題化合物を31.1 mg (74%)得た。
【0104】
1H-NMR (CDCl3)
1.25 (d, 3H, J = 6.3 Hz), 1.40 (d, 3H, J = 6.1 Hz), 2.65 (s, 3H), 3.51 (dq, 1H, J = 6.1, 8.5 Hz), 3.63 (q, 1H, J = 6.3 Hz), 3.68-3.79 (m, 4H), 4.08 (t, 1H, J = 9.2 Hz), 4.16 (d, 1H, J = 10.5 Hz), 4.22-4.34 (m, 2H), 4.40-4.55 (m, 3H), 4.60 (s, 1H), 4.64 (d, 1H, J = 12.0 Hz), 4.69 (d, 1H, J = 12.0Hz), 4.72 (d, 1H, J = 11.1Hz), 4.73 (d, 1H, J = 11.6Hz), 4.76 (s, 2H), 4.99 (d, 1H, J = 11.1 Hz), 5.12 (d, 1H, J = 11.6 Hz), 6.92 (d, 2H, J = 7.1 Hz), 7.01-7.45 (m, 30H), 7.58 (s, 1H)
【実施例3】
【0105】
【化44】
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【0106】
Sc(OTf)3(7.7 mg, 16μmol)、Drierite(登録商標)(205 mg)、2,6-ジヒドロキシアセトフェノン (9.8 mg, 64μmol)の1,2-ジクロロエタン溶液(2.5 ml)に-30℃にてアセチル化糖 (92.8 mg, 0.19 mmol)の1,2-ジクロロエタン溶液(1.5 ml)を加える。5時間かけて20℃まで昇温後、室温で5.5時間撹拌する。反応液に飽和NaHCO3溶液を加える。セライト濾過後、酢酸エチルで抽出を行い、飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥。溶媒を留去し、シリカゲルプレパラティブTLC (トルエン/アセトン=20/1)にて精製し、無色オイルの表題化合物を51.4 mg (81%)得た。
スペクトルデータは、実施例1で得た化合物のものと一致した。
【実施例4】
【0107】
【化45】
JP0004491263B2_000033t.gif

【0108】
Sc(OTf)3(7.7 mg, 16μmol)、Drierite(登録商標)(197 mg)、メチル 2,6-ジヒドロキシベンゾエート(10.0 mg, 59μmol)の1,2-ジクロロエタン溶液(2 ml)に-30℃にてアセチル化糖1(87.4 mg, 0.18 mmol)の1,2-ジクロロエタン溶液(2 ml)を加えた。13時間かけて15℃まで昇温後、反応液に飽和NaHCO3溶液を加えた。セライト濾過後、酢酸エチルで抽出を行い、飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥した。溶媒を留去し、シリカゲルプレパラティブTLC (ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、無色オイル状の表題化合物を46.3 mg (78%)得た。
【0109】
1H-NMR (CDCl3)
1.19 (d, 6H, J = 6.4 Hz), 3.61 (q, 2H, J = 6.4 Hz), 3.65-3.74 (m, 4H), 4.01 (s, 3H), 4.02 (d, 2H, J = 10.7 Hz), 4.14 (t, 2H, J = 9.5 Hz), 4.43 (d, 2H, J = 10.7 Hz), 4.57 (d, 2H, J = 9.5 Hz), 4.74 (s, 4H), 4.75 (d, 2H, J = 12.2 Hz), 5. 07 (d, 2H, J = 12.2 Hz), 6.85-7.04 (m, 4H), 7.06-7.20 (m, 6H), 7.20-7.55 (m, 20H), 7.68 (s, 1H), 10.06 (s, 2H)
【実施例5】
【0110】
【化46】
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【0111】
Sc(OTf)3(9.9 mg, 20 μmol)、Drierite(登録商標)(250 mg)、2-メチルレゾルシノール(10.2 mg, 82 μmol)の1,2-ジクロロエタン溶液(3 ml)に-30℃にてアセチル化糖(119.4 mg, 0.25 mmol)の1,2-ジクロロエタン溶液(2 ml)を加える。3.5時間かけて3℃まで昇温後、反応液に飽和NaHCO3溶液を加える。セライト濾過後、酢酸エチルで抽出を行い、飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥。溶媒を留去し、シリカゲルプレパラティブTLC (ヘキサン/酢酸エチル=3/1)にて精製し、無色オイルとして表題化合物を73.9 mg (94%)得た。
【0112】
1H-NMR (CDCl3)
1.26 (d, 6H, J = 6.3 Hz), 2.18 (s, 3H), 3.55-3.68 (m, 4H), 3.71(d, 2H, J = 2.2 Hz), 3.84 (d, 2H, J = 10.1 Hz), 4.09-4.21(m, 4H), 4.46 (d, 2H, J = 10.1 Hz), 4.76 (d, 2H, J = 12.1 Hz), 4.77 (d, 2H, J = 12.1 Hz), 4.81 (d, 2H, J = 12.1 Hz), 5. 11 (d, 2H, J = 12.1 Hz), 6.72(s, 1H), 7.01-7.10 (m, 4H), 7.12-7.24 (m, 6H), 7.25-7.48(m, 20H), 7.95 (s, 2H)