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明細書 :材料試験方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3944558号 (P3944558)
公開番号 特開2005-147700 (P2005-147700A)
登録日 平成19年4月20日(2007.4.20)
発行日 平成19年7月11日(2007.7.11)
公開日 平成17年6月9日(2005.6.9)
発明の名称または考案の名称 材料試験方法
国際特許分類 G01N   3/34        (2006.01)
G01N   3/00        (2006.01)
G01P  15/03        (2006.01)
G01P  15/16        (2006.01)
FI G01N 3/34 Q
G01N 3/34 R
G01N 3/00 A
G01P 15/03 C
G01P 15/16
請求項の数または発明の数 2
全頁数 9
出願番号 特願2003-381385 (P2003-381385)
出願日 平成15年11月11日(2003.11.11)
審査請求日 平成15年11月11日(2003.11.11)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504145364
【氏名又は名称】国立大学法人群馬大学
発明者または考案者 【氏名】藤井 雄作
【氏名】山口 誉夫
個別代理人の代理人 【識別番号】100077805、【弁理士】、【氏名又は名称】佐藤 辰彦
【識別番号】100099690、【弁理士】、【氏名又は名称】鷺 健志
【識別番号】100109232、【弁理士】、【氏名又は名称】本間 賢一
【識別番号】100125210、【弁理士】、【氏名又は名称】加賀谷 剛
審査官 【審査官】野田 洋平
参考文献・文献 米国特許第06324915(US,B1)
米国特許第05284058(US,A)
米国特許第03901074(US,A)
特開2000-171286(JP,A)
特開2000-283873(JP,A)
特開昭56-051642(JP,A)
特開昭62-285036(JP,A)
特開平03-291549(JP,A)
Yusaku Fujii,A method for calibrating force transducers against oscillationforce,Measurement Science and Technology,Meas.Sci.Technol.14(2003),英国,IOP Publishing Ltd,2003年 7月16日,1259-1264
Rolf Kumme,Investigation of the comparision method for the dynamic calibration of force taransducers,Measurement,1998年,Vol. 23, No. 4,p. 239-245
調査した分野 G01N 3/00-3/62
G01P 15/03
G01P 15/16
JSTPlus(JDream2)
特許請求の範囲 【請求項1】
被測定物に錘体を取り付けて、被測定物をばね要素とする質量—ばね系を構成し、この質量—ばね系を加振して、錘体に作用する慣性力と錘体の変位とを測定し、この慣性力と変位とに基づいて被測定物の力学的特性を評価する材料試験方法であって、
錘体を直動静圧空気軸受で支持すると共に、
錘体に設けた反射部に測定光を入射して、反射部からの反射光の状態を計測する光波干渉計を用い、計測した反射光の状態から錘体の変位と加速度とを求め、求めた錘体の加速度から前記慣性力を算出することを特徴とする材料試験方法。
【請求項2】
前記被測定物にアクチュエータを連結し、このアクチュエータにより前記質量—ばね系を加振することを特徴とする請求項1記載の材料試験方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物の力学的特性を評価する材料試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の材料試験方法においては、被測定物に作用する力と被測定物の歪とを計測し、計測された力と歪とに基づいて被測定物の弾性係数等の力学的特性を評価している。そして、従来は、被測定物に作用する力をロードセル等の力センサで計測している(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
ところで、静的な力に対するに対する力センサの検出出力の校正手法(静的校正法)は確立されているが、力センサに動的な力が作用した場合には、力の変化に対する検出出力の応答遅れ等の独特の現象を生じ、力センサの検出出力を静的校正法で校正しても、動的な力を正確に計測することはできない。従って、被測定物に作用する力が変化した場合には、その力を力センサで計測しても、計測精度を確保できず、被測定物の力学的特性を正確に評価することは困難である。

【非特許文献1】機械工学便覧、1987年4月15日 日本機械学会発行(B3-74頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以上の点に鑑み、被測定物に作用する力の計測精度を確保して、被測定物の力学的特性を正確に評価し得るようにした材料試験方法を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、被測定物に錘体を取り付けて、被測定物をばね要素とする質量—ばね系を構成し、この質量—ばね系を加振して、錘体に作用する慣性力と錘体の変位とを測定し、この慣性力と変位とに基づいて被測定物の力学的特性を評価する材料試験方法であって、錘体を直動静圧空気軸受で支持すると共に、錘体に設けた反射部に測定光を入射して、反射部からの反射光の状態を計測する光波干渉計を用い、計測した反射光の状態から錘体の変位と加速度とを求め、求めた錘体の加速度から前記慣性力を算出することを特徴とする。
【0006】
ここで、上記質量—ばね系の振動時、錘体から被測定物に作用する力と、被測定物から錘体に作用する力は、作用・反作用の法則により、大きさが等しい逆向きの力になる。そして、錘体に作用する摩擦力が無視できる条件下では、錘体の慣性力は、被測定物から錘体に作用する力に等しくなる。そのため、被測定物に作用する力を錘体の慣性力から高精度に測定できる。また、錘体は被測定物の歪に応じて変位するから、被測定物の歪を錘体の変位から高精度に測定できる。従って、錘体の慣性力と変位とに基づいて被測定物の力学的特性を正確に評価できる。特に、本発明によれば、変動する荷重下における被測定物の力学的特性の評価精度が力センサを用いた場合に比し飛躍的に向上する。
【0007】
ところで、錘体の慣性力は、錘体の質量と加速度との積に等しい。ここで、本発明の如く錘体に設けた反射部に測定光を入射して、反射部からの反射光の状態を計測する光波干渉計を用いれば、反射光の状態から錘体の変位、速度、加速度を求めることができ、求めた錘体の加速度から錘体の慣性力を正確に算出することができる。そして、光波干渉計だけで錘体の慣性力と変位とを計測することができるため、コスト的にも有利になる。
【0008】
また、錘体は、その運動が1自由度に制限されるように、直動軸受で支持することが望ましい。特に、本発明の如く錘体を直動静圧空気軸受で支持すれば、錘体に作用する摩擦力を極力小さくして、錘体の慣性力と被測定物に作用する力との偏差を可及的に減少でき、測定精度が向上する。
【0009】
また、上記質量—ばね系を加振するには、錘体に衝撃力を加えてもよいが、被測定物にアクチュエータを連結し、このアクチュエータにより質量—ばね系を加振するように構成すれば、任意の大きさ、波形で加振して、これに対する被測定物の応答を調べることが可能になり、有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図1~図7を参照して説明する。図1は本発明の実施に使用する第1実施形態の材料試験装置を示す図、図2は光波干渉計で計測されたビート周波数のデータと、この計測データから算出した錘体の変位速度、変位、加速度、慣性力のデータを示すグラフ、図3は慣性力の変化を示すグラフ、図4は慣性力と変位との関係を示すグラフ、図5は慣性力とその回帰直線との偏差と変位との関係を示すグラフ、図6は対数減衰率と周期の変化を示すグラフ、図7は第2実施形態の材料試験装置を示す図である。
【0011】
図1を参照して、1は被測定物であり、被測定物1の一端を材料試験装置のベース2に固定し、被測定物1の他端に錘体3を固定して、被測定物1と錘体3とにより被測定物1をばね要素とする質量—ばね系が構成されるようにしている。被測定物1は任意であるが、図示のものでは、被測定物1を、ブロック状のシリコンゴムの両端に金属プレート1a,1bが接着されたダンパーとし、両端の金属プレート1a,1bを夫々ベース2と錘体3にねじ等の適宜の手段で固定している。
【0012】
錘体3は、ベース2に固定した直動軸受4により、運動の自由度が水平の一軸方向に制限されるように支持されている。直動軸受4としては、摩擦抵抗の小さい直動静圧空気軸受、例えば、NTN株式会社製のエアスライド(登録商標)を使用している。この直動軸受4は、可動部たる錘体3に形成した貫通穴3aに挿通される直状のガイド部4aを備え、この貫通穴3aの内周面とガイド部4aの外周面との間隙に全周に亘って圧縮空気層が形成されている。これにより、錘体3は、ガイド部4aの軸線(以下、ガイド軸線と記す)方向に極めて小さい摩擦抵抗で直動自在になる。尚、図示省略するが、圧縮空気はガイド部4aから導入されて、ガイド部4aの中央部に形成した出口から錘体3の内周溝を介して錘体3の中央部に形成した入口に導かれ、錘体3の内部配管を介して上記間隙に供給される。錘体3に給気チューブを介して圧縮空気を直接導入すれば、給気通路構造はもっと簡単になるが、給気チューブからの外力が錘体3に作用することを防止するため、ガイド部4aから圧縮空気を導入している。
【0013】
ここで、第1実施形態では、錘体3にハンマ5により衝撃力を加えることにより、上記した質量—ばね系を加振させるようにしている。尚、ハンマ5には、先端にゴム5aが取り付けられている。加振時において、錘体3から被測定物1に作用する力と、被測定物1から錘体3に作用する力は、作用・反作用の法則により、大きさが等しい逆向きの力になる。また、錘体3が直動静圧空気軸受4で支持されて、錘体3に作用する摩擦力を無視できるため、錘体3の慣性力Fは、被測定物1から錘体3に作用する力に等しくなる。従って、錘体3の慣性力Fは被測定物1に作用する力を正確に表すパラメータになる。また、錘体3の変位xは被測定物1の歪を正確に表すパラメータになる。その結果、錘体3の慣性力Fと変位xとを計測することにより、被測定物1の力学的特性を正確に評価できる。尚、錘体3の慣性力Fは、錘体3の質量(錘体に固定された全てのものを含む質量)をM、錘体3の加速度をαとして、F=M×αになる。
【0014】
材料試験装置には、ガイド軸線方向における錘体3の変位速度を計測する光波干渉計6が設けられている。光波干渉計6は、公知のものであり、その概略について説明する。実施形態の光波干渉計6は、周波数の僅かに異なる2つの光を発振するゼーマンタイプのヘリウムネオンレーザから成る光源7を備えており、この光源7から出射される2つの光b1は分光器8で分離され、一方が測定光b2、他方が参照光b3になる。測定光b2は、錘体3に固定した反射部たるコーナ・キューブ・プリズム9に入射され、コーナ・キューブ・プリズム9で反射されて再度分光器8に入射される。ここで、分光器8とコーナ・キューブ・プリズム9との間の光路の方向はガイド軸線と平行なるように設定されており、コーナ・キューブ・プリズム9からの反射光b2´は、錘体3のガイド軸線方向の変位速度に応じたドップラシフト(ドップラ効果による周波数変化)を生ずる信号光になる。参照光b3は分光器9から第2のコーナ・キューブ・プリズム10を経由して再度分光器8に入射され、ここで反射光b2´と合成され、反射光b2´と参照光b3との周波数の差分の周波数のビートを生ずる干渉光b4になる。干渉光b4は、分光器8からミラー11と偏光板(例えば、グラン・トンプソン・プリズム)12とを介して光検出器13に入射され、ここで干渉光b4のビート周波数fbeatに応じた電気信号に変換されて第1周波数カウンタ14に入力される。そして、第1周波数カウンタ14によりビート周波数fbeatの値を表すデジタルデータが作成され、これがコンピュータ16に送信される。また、光源7では、内蔵する光検出器により、錘体3の静止状態に対応する基準周波数frestの電気信号が作成され、この電気信号が第2周波数カウンタ15に入力される。そして、第2周波数カウンタ15により基準周波数frestの値を表すデジタルデータが作成され、これがコンピュータ16に送信される。ここで、錘体3のガイド軸線方向の変位速度vは、空気の屈折率をλairとして、v=λair・(fbeat-frest)/2になる。
【0015】
尚、本実施形態では、周波数カウンタ14,15として、Advantest製のMODEL:R5363を用いている。このカウンタは、休止時間なしに周波数の測定を行い、14000個の測定量をメモリに保存できる。そのメモリからコンピュータ16への読み出しは、GPIBバスを介して行っている。周波数を休止時間なしに測定することは、測定の高精度化を図る上で重要である。また、周波数カウンタ14,15を用いずに、光検出器13から出力される電気信号を高性能の波形記録装置により記録し、事後に、記録された波形から周波数およびその時間変化を求めるようにしてもよく、これによればより高度な周波数測定が可能になる。
【0016】
コンピュータ16は、その機能的手段(プログラムによって実現される手段)として、ビート周波数fbeatと基準周波数frestとから錘体3のガイド軸線方向の変位速度vを上記式により逐次算出する手段と、この変位速度vの時系列値を積分することにより錘体3のガイド軸線方向の変位(位置)xを逐次算出する手段と、変位速度vの時系列値を微分することにより錘体3のガイド軸線方向の加速度αを逐次算出する手段と、算出された加速度αと予め記憶保持されている錘体3の質量Mとから錘体3のガイド軸線方向の慣性力Fを逐次算出する手段とを備える。また、コンピュータ16は、算出した変位速度v、加速度α、位置x、慣性力Fを時系列的にハードディスク等の記憶手段(図示せず)に記憶保持すると共に、これらのデータをディスプレイやプリンタ等の表示手段(図示せず)に適宜出力する。
【0017】
尚、被測定物1と錘体3との間に生じる作用力と反作用力により、錘体3にモーメントが作用すると、錘体3の姿勢が変化して様々な悪影響を生ずる可能性がある。例えば、錘体3とガイド部4aとの間の空気層が破れて、摩擦力が大きくなったり、モーメントが空気層を介してベース2に伝達されて、光波干渉計6の構成部品を振動させる可能性があり、測定精度が悪化する。そこで、錘体3に適当な付加質量を取り付けて、錘体3の重心の位置と被測定物1とを結ぶ直線がガイド軸線に平行になるようにし、錘体3にモーメントが作用することを防止している。また、試験装置の振動の影響を考慮すると、ベース2として、床に固定される重い定盤(例えば、鋳鉄製定盤)を用い、試験装置全体をしっかりとした構造にすると共に、光波干渉計6をベース2に対し浮き支持させる等の防振対策を講ずることが望ましい。
【0018】
次に、上記第1実施形態の試験装置を用いて行った材料試験の結果について説明する。被測定物1を上記ダンパーとし、錘体3として質量Mが4.5818kgのものを用いて試験を行い、図2に示す測定データを得た。同図(a)はビート周波数fbeat、同図(b)はビート周波数fbeatから算出した錘体3のガイド軸線方向の変位速度v、同図(c)は変位速度vを積分して算出した錘体3の変位x、同図(d)は変位速度vを微分して算出した錘体3の加速度α、同図(e)は錘体3の質量Mに加速度αを乗算して算出した錘体3の慣性力Fである。ビート周波数fbeatは、加振により、錘体3が静止している状態での値(基準周波数frest)である約2.6MHzを中心に変化している。図2(e)のFaで示す慣性力の部分はハンマ5で与えられた衝撃力であり、この衝撃力により被測定物1と錘体3とから成る質量—ばね系が加振され、約13Hzの周波数で振動する。
【0019】
尚、図2は加振初期の測定データであり、振動が完全に減衰するまでの慣性力Fのデータを図3に示す。そして、図3にTで示す、12周期、24のピークが含まれる約0.92秒の区間を選択して、以下の詳細な解析を行った。尚、最初の正のピークを含む半周期は解析区間Tから除外したが、これは、この半周期の区間では、ハンマ5と錘体3との接触状態が残っている可能性があるためである。
【0020】
解析区間Tにおける慣性力Fのデータと変位xのデータとから、慣性力Fと変位xとの関係を調べたところ、この関係は図4に示すようになった。図中の直線Lは、解析区間Tの全測定データに対する回帰直線である。図4に丸印で示されている測定データが回帰直線Lに完全にはのっていないため、被測定物1が理想的なばねではないことが分かる。そして、回帰直線Lからの慣性力Fの偏差ΔFと変位xとの関係を求めたところ図5に示すようになった。図5から、被測定物1の減衰特性に起因する弾性ヒステリシスの存在が明瞭に分かる。また、図6(a)(b)に、解析区間T内の各ピークにおける対数減衰率、振動周期を示す。
【0021】
次に、図7に示す第2実施形態の材料試験装置について説明する。尚、上記第1実施形態と同様の部材には上記と同一の符号を付してその説明を省略する。第1実施形態と相違するのは、ベース2と被測定物1との間にアクチュエータ17を介設し、被測定物1をアクチュエータ17に連結したことである。これによれば、被測定物1と錘体3とから成る質量—ばね系をアクチュエータ17により任意の大きさ、波形で加振して、これに対する被測定物1の応答を調べることが可能になる。
【0022】
尚、このものでは、被測定物1がアクチュエータ17により変位すると共に、被測定物1にアクチュエータ17からの外力が作用する。そこで、アクチュエータ17の可動面17aの変位速度を計測するために、可動面17aに固定したコーナ・キューブ・プリズム18aにミラー18bを介して測定光を入射する第2の光波干渉計18を設けている。そして、この光波干渉計18で計測した変位速度から可動面17aの変位を求めて,これと錘体3の変位とから被測定物1の歪を算出すると共に、可動面17aの変位速度から加速度を求めて、アクチュエータ17から被測定物1に作用する外力を算出し,錘体3の慣性力にこの外力を加算して、被測定物1に作用する力を求めるようにしている。
【0023】
尚、上記第1と第2の実施形態の試験装置を用いた材料試験において、被測定物1の内部の加速度分布、速度分布、変位分布を調べるため、各種全視野測定機器を導入することも可能である。また、有限要素法等の数値解析法と組み合わせることも可能であり、これにより、一層高度な材料特性評価が可能になる。また、錘体3として1g程度のものを用いることにより、1μN以下の微小な力に対する材料試験を行うことができる。従って、マイクロマシン、ナノマシン等で用いられる各種材料の力学的特性を試験することも可能になる。
【0024】
また、上記第1と第2の実施形態の試験装置では、錘体3の運動方向を水平にしているが、直動軸受4を鉛直或いは傾斜させて配置し、鉛直成分を持つ方向に錘体3を運動させることも可能である。この場合、錘体3の重力成分が被測定物1に作用する力に加算されることになる。また、錘体3の姿勢制御等を能動的に行う方式を採用し、直動軸受4を省略した構成とすることも可能である。
【0025】
また、上記実施形態では、光波干渉計6の光源7として、周波数の僅かに異なる2つの光を発振するゼーマンタイプのヘリウムネオンレーザを用いているが、通常の安定化半導体レーザ、よう素安定化ヘリウムネオンレーザといった単一周波数の光を発振する光源を用いることも可能である。この場合、分光器8で2つに分けた光の一方に、音響光学素子等を用いて周波数シフトを与え、周波数の僅かに異なる2つの光を作れば、上記実施形態と同様な測定を行うことができる。
【0026】
ところで、反射光b2´のドップラーシフトと位相のズレ(=シフト)は、表裏一体の関係にある。即ち、移動物体に当たって反射する光の周波数のドップラーシフトは、移動物体の移動距離の2倍に相当する位相シフトとしても理解できる。そのため、光波干渉計として、単一周波数発振の光源から出射される測定光を錘体3の反射部9に入射し、反射部9からの反射光の位相のズレを、反射光と参照光の合成で形成される干渉縞の位相のズレとして計測する各種の光波干渉計、例えば、標準尺校正用の干渉縞計数方式の光波干渉計を用いてもよい。この場合、最初に測定されるのは錘体3の変位となり、それを1階微分して速度、2階微分して加速度を求めることになる。干渉縞の1周期内の分割、シフト量の演算等には、DSP(Digital Signal Processor)を用いたリアルタイム処理を行ってもよいが、より高精度な測定のためには、干渉縞の明暗信号の全波形を記録し、事後に解析を行うことが望ましい。
【0027】
尚、どのような光波干渉計を使用するにせよ、錘体3の反射部9からの反射光の状態(周波数または位相)を測定することに変わりはない。そして、測定された反射光の状態から錘体3の変位、速度、加速度、ひいては錘体3の慣性力を高精度に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明方法に実施に使用する第1実施形態の材料試験装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】(a)ビート周波数の測定データを示すグラフ、(b)ビート周波数の測定データから算出した錘体の変位速度を示すグラフ、(c)変位速度から算出した錘体の変位を示すグラフ、(d)変位速度から算出した錘体の加速度を示すグラフ、(e)加速度から算出した錘体の慣性力を示すグラフ。
【図3】振動が完全に減衰するまでの錘体の慣性力の変化を示すグラフ。
【図4】慣性力と変位との関係およびこの関係の回帰直線を示すグラフ。
【図5】回帰直線と慣性力との偏差と変位との関係を示すグラフ。
【図6】(a)対数減衰率の変化を示すグラフ、(b)振動周期の変化を示すグラフ。
【図7】第2実施形態の材料試験装置の全体構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0029】
1…被測定物、3…錘体、4…直動静圧空気軸受、6…光波干渉計、9…反射部、17…アクチュエータ。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6