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明細書 :えい航システムの投入揚収装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3446098号 (P3446098)
公開番号 特開2001-287691 (P2001-287691A)
登録日 平成15年7月4日(2003.7.4)
発行日 平成15年9月16日(2003.9.16)
公開日 平成13年10月16日(2001.10.16)
発明の名称または考案の名称 えい航システムの投入揚収装置
国際特許分類 B63B 21/66      
B63B 21/04      
FI B63B 21/66
B63B 21/04
請求項の数または発明の数 4
全頁数 10
出願番号 特願2000-107118 (P2000-107118)
出願日 平成12年4月7日(2000.4.7)
審査請求日 平成12年4月7日(2000.4.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
発明者または考案者 【氏名】三上 宏幸
【氏名】菱沼 榮司
【氏名】島村 英樹
【氏名】▲吉▼川 恭司
個別代理人の代理人 【識別番号】100069615、【弁理士】、【氏名又は名称】金倉 喬二
審査官 【審査官】内藤 真徳
参考文献・文献 特開 平9-71291(JP,A)
特開 平1-250592(JP,A)
実開 昭60-47696(JP,U)
実公 昭49-15119(JP,Y1)
調査した分野 B63B 21/66
B63B 21/04
特許請求の範囲 【請求項1】
巻取機と横進機とより成る巻取装置を有するえい航システムの投入揚収装置において、
前記巻取機が、ケーブルを巻き取る内側ドラムと、複数のストリーマを巻き取る外側ドラムとより成る2重ドラム構造を有し、前記外側ドラムに分岐部を収納する収納部を有し、該収納部と外側ドラムの開口部を閉じるドラムカバーを連動させ、前記分岐部が分岐部支持部に出入りすることで外側ドラムのドラムカバーが開閉し、
ケーブル、分岐部、複数ストリーマが電気的かつ機械的に接続されたまま巻取機へ巻取・繰出可能であることを特徴とするえい航システムの投入揚収装置

【請求項2】
巻取機と横進機とより成る巻取装置を有するえい航システムの投入揚収装置において、
前記巻取機が、ケーブルを巻き取るケーブルドラムと、2本のストリーマを巻き取るストリーマドラムとより成る2重ドラム構造を有し、前記ストリーマドラムのフランジに分岐部支持部を有し、該分岐部支持部に対し分岐部が巻取・繰出可能とし、
ケーブル、分岐部、2本のストリーマが電気的かつ機械的に接続されたまま巻取機へ巻取・繰出可能であることを特徴とするえい航システムの投入揚収装置。

【請求項3】
巻取機と横進機とより成る巻取装置を有するえい航システムの投入揚収装置において、
前記横進機の横進台にケーブル横進、分岐部横進、複数のストリーマ横進に個々に対応するローラ台を設け、前記横進台を所定の位置に回転させることにより対象物のローラ台を選択可能であることを特徴とするえい航システムの投入揚収装置。

【請求項4】
請求項3記載のえい航システムの投入揚収装置において、
前記横進台が偏心形状であり、前記横進台を回転させてローラ台の高さを調整することで、2重ドラムの内側ドラムと外側ドラムのドラム径の違いによるローラ台の高低差を調整可能であることを特徴とするえい航システムの投入揚収装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、海洋において海洋資源の探査等に用いられるストリーマをえい航するえい航システムの投入揚収装置に関するものである。

【0002】

【従来の技術】海洋において海洋資源の探査等を行う場合、複数本の探査用のストリーマを所定の間隔に配置し、探査船等の母船の影響を受けない位置までケーブルを繰り出してえい航する必要があるが、そのケーブル長及びストリーマは、数百メートルにもなる。

【0003】
このような観測システムには特開平9-71291号に開示された船舶におけるえい航体の投入揚収装置及び展開器があるが、ケーブル、展開器、複数のストリーマを船舶の甲板上にて接続・切離しを行い海上及び水中へ吊下(投入)、揚収するものである。従来の要領を以下に示す。

【0004】
先ず投入時は、複数のストリーマが一連長にウンチドラムに収納されているため、ストリーマを海上もしくは水中へ投入する。ストリーマ同士の接続部が展開器部分まで投入されたら海上もしくは水中へ投入したほうのストリーマの端末にストッパーを取付け、ストリーマ同士の接続を取外す。ストッパーは、えい航時の流体力によりストリーマに張力が生じるため、その引き留めとして用いている。その後、投入したストリーマを人力にて展開器へ接続する。

【0005】
前記の作業を繰り返し次のストリーマを展開器に接続する。ストリーマの展開器接続終了後にケーブルと展開器を接続し、作動チェックを行い、展開器を海上もしくは水中へ投入し、ケーブルを所定の位置まで繰出し、投入作業の終了となる。

【0006】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構成の従来技術によれば、直列に連結してあった複数のストリーマを展張後人手によりケーブルに電気的、機械的に接続するため、多大な時間及び労力を必要とするという問題があった。また接続の度に各種内蔵センサの作動チェックが必要になる。

【0007】
さらに、人力で作業を行う箇所も有り危険が伴う作業であるという問題があった。本発明は、以上の問題点に鑑み、予めケーブルに複数のストリーマを並列に電気的、機械的に接続しておき、これらをえい航体と共に段階的に揚収する構成を得て、展張時の人手による作業を排除し、展張における時間,労力及び危険を大幅に削減することを目的とする。

【0008】

【課題を解決するための手段】本発明の展開器は、甲板上での接続作業をケーブル、複数のストリーマを接続した分岐部とえい航体とを連結させる接続作業のみとしたものである。従って、えい航張力の加わったケーブルと複数のストリーマの危険な接続作業がなくなり、複数のストリーマを同時に投入揚収できるため、時間短縮及び労力の大幅削減が可能となる。さらにケーブルとストリーマは電気的に接続されているため、接続時の電気チェックも不要となる。

【0009】
次に、複数のストリーマに対応した本発明のえい航システムの投入揚収装置に関して述べる。従来のえい航システムの投入揚収装置の巻取機は、ケーブル、1本目ストリーマ、2本目ストリーマ…n本目のストリーマを順次接続されウインチドラムに収納されていた。

【0010】
仮に本発明の分岐部とえい航体を分離できる展開器を従来技術の巻取機に収納した場合、ケーブルの上層に分岐部、更にストリーマが巻取収納されるため、ケーブルと分岐部や分岐部とストリーマの接続部分が損傷しやすい。またケーブル及びストリーマは、ドラムに巻取られるための柔軟性を備えているが、分岐部が剛直体のため、巻取時の張力により生じるドラムへの押え力にケーブル及びストリーマが損傷しやすい。

【0011】
さらにストリーマの巻取りに関しては、ドラム上に分岐部の剛直部が巻取られるため、ドラム形状が偏った形状となるため、整列巻きすることが困難となり、乱巻きによるストリーマの弊害も生じる。また保守の面において、複数のストリーマが乱れて巻かれているため、1本のストリーマを取出したくても、複数のストリーマを繰出し、展張する必要があり、時間及び労力や複数本のストリーマも展張スペースの確保等問題が多い。

【0012】
また上記で説明した展開器の分岐部とそれに接続されるケーブルと複数のストリーマを収納するための巻取機は、過去に例がなかった。本発明のえい航システムの投入揚収装置の巻取機は、2重ドラム構造を採用し、ケーブルを内側ドラムに巻取り外側ドラムと内側ドラムの間に分岐部保持部を設け分岐部を固定し、外側ドラムにストリーマを巻き取る。さらに外側ドラムには、複数本のストリーマを分離して巻取可能とするため巻枠を設け分割できる構造とした。従って分岐部巻取りによるケーブルやストリーマの損傷、分岐部との接続部分の損傷をなくした。また複数のストリーマを分割して巻取可能な構造のため、ストリーマの乱巻きを防ぎ、ストリーマの損傷も防ぐことができる。さらに、巻取機から1本でもストリーマを取出すことができるため、保守性が向上するものである。

【0013】
次に、複数のストリーマに対応した本発明のえい航システムの投入揚収装置の横進機に関して述べる。従来の投入揚収装置は、巻取機において、ケーブル、1本目ストリーマ、2本目ストリーマ、…n本目ストリーマを順次接続されウインチドラムに収納するため、横進機はケーブルやストリーマの1ラインを巻取機へ整列巻きに案内するだけでよかった。

【0014】
本発明の分岐部とえい航体を分離できる展開器とそれに接続されるケーブルと複数のストリーマを従来技術の巻取機に案内するために、次のようなコンパクトで多機能な横進機を開発した。本発明のえい航システムの投入揚収装置の横進機は、ケーブル、分岐部、複数のストリーマを巻取りを補助する横進台にケーブル用、分岐部用、複数のストリーマ用のローラ台を設け、横進台が回転することにより、巻取対象物のローラ台を選択することができるものである。

【0015】
従って1台の横進機であるが、ケーブル、分岐部、複数のストリーマを巻取機へ案内可能であり、多機能でコンパクトな形状を有するものである。

【0016】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。図1は本発明を適用したえい航システムとその投入揚収装置を示す平面図、図2は図1の側面図であり、投入揚収装置を備えた母船にて母船上にえい航体が配置された状態の平面ストリーマを示している。

【0017】
投入揚収装置は、巻取機1及び横進機2より成る巻取装置、案内ローラ3、えい航体保持台4、吊下台5、ガイドローラ6から構成される。巻取機1は、ケーブル7、分岐部9、複数のストリーマ10を巻取・繰出を行うものである。横進機2は、ケーブル7、分岐部9、複数のストリーマ10を巻取機1のドラムへ整列巻きするために案内するものである。案内ローラ3は、ケーブル7、分岐部9、複数のストリーマ10を横進機2へガイドするものである。えい航体保持台4は、えい航体8を保持するものであり、えい航体8と分岐部9を着脱する台である。吊下台5は、ケーブル7、えい航体8、複数のストリーマ10を母船から水中へ投入、水中から母船へ揚収するためのものである。ガイドローラ6は、投入揚収する形状に応じてローラ間隔を調整可能なもので、えい航システムを母船に投入揚収するためのガイドとなるものである。

【0018】
ケーブル7は、分岐部9、複数のストリーマ10へ母船から電力を供給し且つ信号を伝送するものである。えい航体8は分岐部9、複数のストリーマ10を安定にえい航させるためのものである。分岐部9は、ケーブル7と複数のストリーマ10を機械的、電気的に接続するものである。またセンサを内蔵しており、えい航体の姿勢を監視可能なものである。ストリーマ10は、海洋において海洋資源等の探査を行うためのセンサである。図3及び図4に本発明のえい航体の展開器の実施の形態を示す。

【0019】
図3は本発明の第1の実施の形態を示す斜視図、図4は同実施の形態の要部斜視図である。まず、図3について説明する。展開器はえい航体8と分岐部9から構成される。えい航体8は、着脱可能なフロントカバー11、連結ピン12を有す。フロントカバー11は、えい航体8へ分岐部を通す際にえい航体8から取外し、水中へ投入する際にえい航体8に取付けるものである。連結ピン12は、えい航体8と分岐部9を連結させるものである。

【0020】
次に、図4を用いて説明を続ける。分岐部9は、電子ユニット部13、連結穴14、ジョイント部15から構成され、ケーブル7、複数のストリーマ10と接続されている。電子ユニット部13は、ケーブルから供給される電力を複数のストリーマ10へ分割供給等行うと共に、複数のストリーマ10からの信号等をケーブルへ伝送するものである。

【0021】
また電子ユニット部13は、姿勢観測のために図示しない姿勢角センサ等が組込まれている。連結穴14は、えい航体8と分岐部9を連結するための位置決め穴である。ジョイント部15は、ケーブル7と複数のストリーマ10を分岐部9と電気的、機械的に接続するものである。以下に、上記構成の本実施の形態の作用を説明する。

【0022】
投入時は、展開器本体からフロントカバー11を取外し、ウインチドラムに収納されたストリーマ10を展開器本体の空洞部分に通し、ストリーマ10を水中に投入する。ストリーマ10を繰出した後、分岐部9をえい航体8の所定の位置へ配置し、連結ピン12を挿入しねじ込み、えい航体8と分岐部を一体化する。その後、フロントカバー11を取付けケーブルを繰出しながら展開器を海上または水中へ投入する。ケーブルを所定の長さ繰出した後に作業が終了となる。

【0023】
揚収時は、投入時の逆の手順で実施する。次に、第1の実施の形態のえい航システムの投入・揚収作業をスムーズかつ安全にする投入揚収装置の巻取機について記す。図5は本発明の第2の実施の形態を示す平面断面図、図6は同側面図であり、本発明の投入揚収装置の巻取機を示している。図7(1),(2)は同実施の形態の構成及び作用を示す斜視図、図8(1),(2)は同側面図であり、(1)はえい航ケーブル・分岐部巻取時、(2)は分岐部収納時を示す。

【0024】
図5,図6において、巻取機1は、ケーブル7を収納するための第1ドラム20とその外周に複数のストリーマ10を収納する第2ドラム21が配置された2重ドラム構造である。第2ドラム21には、ケーブル7が第1ドラム20に収納可能とするために開口部22(図9参照)を設けてあり、更に複数のストリーマを個々に収納するために巻枠23が配置される。第1ドラム20と第2ドラム21は、ドラム両端に軸受部24にて回転可能に支持される。第1ドラム20には軸部25が設けられ、第2ドラム21と相対回転可能となる。モータ26は、軸受部24と第1ドラム20の間に配置され、ドラムを駆動する。

【0025】
モータ26の回転軸には、クラッチ27が設けられる。クラッチ27は、解放位置の場合、第2ドラム21に対して第1ドラム20の相対回転を許すが、締結位置の場合は、第2ドラム21と第1ドラム20とを連結するようにしている。第1ドラム20の軸部25には、第1ドラム20のブレーキ28が配置される。第2ドラム21は、外枠を利用し第2ドラム21のブレーキ29が配置される。

【0026】
第1ドラム20のブレーキ28は、第1ドラム20の回転を制動するものであり、第2ドラム21のブレーキ29は、第1ドラム20及び第2ドラム21の回転を制動するものである。第2ドラム21内側の両端には分岐部支持レバー30(図7参照)が配置される。図7,8において、分岐部支持レバー30は、分岐部9が開口部22を通過し第1ドラム20に巻き込まれる際、内側にスライドし分岐部9を支持しながら収納することができる。分岐部支持レバー30は、スプリング部材32により支持され、分岐部を投入する際は、分岐部支持レバー30が分岐部9を第1ドラム20の外へ押し出すことができる。また分岐部9が第1ドラム20に収納された後、第2ドラム21に複数のストリーマを巻取るが、その際、開口部22にてストリーマ10が無理なストレスを受けないようにドラムカバー31が備えられている。ドラムカバー31は、分岐部支持レバー30、ロッド33を介して移動する。

【0027】
すなわち分岐部9が第1ドラム20に収納されるとドラムカバー31が閉じ、分岐部9がえい航体8側に移動する際は、ドラムカバー31が開く機構を設けてある。次に、図7,8に従って本実施の形態の作用を説明する。まず、えい航システムをえい航しながらケーブルを第1ドラム20へ巻取りを行う。その際、クラッチ27は解放位置とし、第2ドラム21のブレーキ29をロックさせた状態とする

【0028】
ケーブルを巻取り、展開器を母船に揚収し、えい航体と分岐部を分離した後、分岐部を第1ドラム20と第2ドラム21間の分岐部収納部へ巻取りを行う。分岐部の巻取りは、分岐部の左右両端が分岐部支持レバー30と接触し、巻取りが進むにつれ、分岐部支持レバー30が奥へ押され、ロッド33が押され、ドラムカバー31が閉まって、さらに分岐部を押さえることができる。

【0029】
次にストリーマ10の巻取りを行う。ストリーマ10の巻取時は、クラッチ27が締結位置にあり、第1ドラム20と第2ドラム21のブレーキ28,29は解放されている。また分岐部に取付けられた複数のストリーマ10は、第1ドラム20に複数に分割された巻枠23で区切られ巻取収納される。巻取収納後、第2ドラム21のブレーキ29をロックすることで第1ドラム20、第2ドラム21が固定される。

【0030】
次に投入時であるが、巻取時の逆の手順で実施する。クラッチの操作、ブレーキの操作は、本文で説明していないが操作盤で行うことができる。次に、第1の実施の形態のえい航システムのストリーマを2本と限定した場合に投入・揚収作業をスムーズかつ安全にする投入揚収装置の巻取機について記す。

【0031】
図9は本発明の第3の実施の形態を示す平面断面図、図10は同側面図、図11は本発明の第3の実施の形態を示す平面図、図12は同断面図、図13は同実施の形態の構成及び作用を示す斜視図であり、本発明の投入揚収装置の巻取機の更なる実施の形態を示している。図9~13において、巻取機1′(便宜上、巻取機の添字を1′とする。)は、ケーブルを収納するためのケーブルドラム40とその左右に2本のストリーマ10を収納する第1ストリーマドラム41と第2ストリーマドラム42が配置される。第1ストリーマドラム41と第2ストリーマドラム42のケーブルドラム側のフランジには、分岐部9を収納する分岐部支持部43(図13参照)とストリーマ10を第1ストリーマドラム41及び第2ストリーマドラム42に誘導するためのストリーマガイド52(図13参照)が設けられている。

【0032】
ケーブルドラム40、第1ストリーマドラム41、第2ストリーマドラム42は、ドラム両端の軸受部44にて回転可能に支持される。ケーブルドラム40の両端には軸部45が設けられ第1ストリーマドラム41、第2ストリーマドラム42と相対回転可能となる。モータ47は、ドラムを駆動するものである。モータ47に連結される軸46には、第1クラッチ48、第2クラッチ49が設けられ、第1クラッチ48及び第2クラッチ49が開放位置の場合、第1ストリーマドラム41及び第2ストリーマドラム42に対してケーブルドラム40の相対回転を許すが、締結位置の場合は、ケーブルドラム40と第1ストリーマドラム41と第2ストリーマドラム42とを連結し、各ドラムが同一回転を行う。第2ストリーマドラム42の軸部にはブレーキ50が配置され、ケーブルドラム40の回転を制動する。ストリーマドラムのブレーキ51は、ケーブルドラム40、第1ストリーマドラム41、第2ストリーマドラム42を制動するものである。

【0033】
次に、図13に従って本実施の形態の作用を説明する。巻取時、まずえい航システムをえい航しながらケーブルをケーブルドラム40へ巻取を行う。その際、第1クラッチ48及び第2クラッチ49は解放位置とし、ストリーマドラムのブレーキ50をロックさせた状態とする。ケーブルを巻取り、展開器を母船に揚収し、えい航体と分岐部を分離した後、分岐部9をケーブルドラム両端の分岐部支持部43へ巻取りを行う。分岐部支持部43は、第1ストリーマドラム41と第2ストリーマドラム42に設けられているため、位置が固定されており、ケーブルドラム40が回転することにより分岐部9を収納固定することができる。

【0034】
次にストリーマ10の巻取りを行う。ストリーマ10の巻取時は、第1クラッチ48、第2クラッチ49が締結位置にあり、第1ストリーマドラム41、第2ストリーマドラム42のブレーキ51は解放されている。また分岐部に取付けられた2本のストリーマは、先ず末端がストリーマガイド52によってドラム41,42に案内され、以降、巻取収納される。

【0035】
巻取収納後、ストリーマドラムのブレーキ51をロックすることでケーブルドラム40、第1ストリーマドラム41、第2ストリーマドラム42をロックできる。次に投入時であるが、巻取時の逆の手順で実施する。クラッチの操作、ブレーキの操作等は、本文で説明していないが操作盤で行うことができる。

【0036】
次に、第1の実施の形態のえい航システムの投入・揚収作業をスムーズかつ安全にする投入揚収装置の横進機について記す。図14は本発明の第4の実施の形態を示す正面図、図15は図14のA部拡大図であり、本発明の投入揚収装置の横進機を示している。図16(1),(2),(3)は同側面図であり、(1)はケーブル通過時、(2)は分岐部通過時、(3)はストリーマ通過時を示す。

【0037】
図14~16において、横進機2は、ケーブル7及び複数のストリーマ10を巻取機1へ案内する横進台60があり、横進台60には、水中えい航システムの各構成品に対応したローラ台、すなわちケーブル7を案内するケーブルローラ台61、分岐部9を案内する分岐部ローラ台62、複数のストリーマを案内するストリーマローラ台63が設けられている。また横進台60は、えい航システムの各構成品を案内できるように回転して適宜ローラ台を変更できるようになっている。

【0038】
ケーブルローラ台61は、水平ローラ及び垂直ローラ、分岐部ローラ台62は、水平ローラ台、ストリーマローラ台63は、水平ローラ及び垂直ローラと取付けられている。横進台60の両端には軸受部64が設けられ支持され回転できるようになっている。モータ65は、移動台車66に設置される。モータ65の軸には、第1クラッチ67、第2クラッチ68が設けられる。第1クラッチ67は、移動台車66を台座上で移動するためにモータ65の回転を伝動するものである。第2クラッチ68は、モータ65の回転を伝動機構69に伝え、横進台60を回転させ、ローラ台を適宜、えい航システムに合わせ変更できるものである。 ここでは、移動台車66を移動する際には、第1クラッチ67とモータ65の軸と締結され、第2クラッチ68は、解放状態となる。横進台60を回転する際は、第1クラッチ67は、解放状態となり、第2クラッチ68とモータ65の軸と締結される。

【0039】
昇降台71は、台座70の下部に設けられている。昇降台71は、ケーブル7とストリーマ10のドラム巻径が異なるため、横進台60の位置を調整するためのものである。次に、図16に従って本実施の形態の作用を説明する。巻取時、えい航システムをえい航しながらケーブルをケーブルドラムへ巻取りを行う際、横進台60の上部には、ケーブルローラ台61が配置され、ケーブルを整列巻きするため移動台車66が左右に動きケーブルを案内する。移動台車66は、巻取機の巻取対象物の幅及びドラムの回転に同期を合わせ動くことができる。また移動台車66は、第1クラッチ67が締結され、第2クラッチ68が解放され、モータ65の回転が移動台車66を動かすことになる。

【0040】
ケーブルを巻取り、展開器を母船に揚収し、えい航体と分岐部を分離した後、横進台60が回転し、分岐部ローラ台62が上部に配置され、移動台車66が固定される。この場合は、第1クラッチ67が解放され、第2クラッチ68が締結され、モータ65の回転が伝動機構68を介し横進台60を所定の角度に回転させ、分岐部ローラ台62を上部に配置した後、モータ65の回転が停止する。

【0041】
次に分岐部を巻取機に固定した後、横進台60が回転し、ストリーマローラ台63が上部に配置される。この場合、第1クラッチ67が解放、第2クラッチ68が締結であるため、先ずモータ65を回転させ、横進台60を所定の角度に回転させ、ストリーマローラ台63が上部に配置される。

【0042】
次に複数のストリーマ10を整列巻きするために移動台車66が左右に動き案内する。移動台車は、ケーブル巻取時と同様に巻取機の巻取対象物の幅及びドラムの回転に同期を合わせ動くことができる。この場合、第1クラッチ67が締結、第2クラッチ68が解放された状態でモータ65を回転させ、移動台車を移動させる。昇降台71は、巻取対象物とドラム巻径、巻層に合わせ、高さを適宜調整することができる。

【0043】
図17(1),(2),(3)は本発明の第5の実施の形態の構成及び作用を示す側面図であり、本発明の投入揚収装置の横進機を示しており、(1)はケーブル通過時、(2)は分岐部通過時、(3)ストリーマ通過時である。本実施の形態は、図17に示す如く、ケーブル7とストリーマ10のドラム巻径が異なり生じるケーブルやストリーマ10とローラ台の高低差の調整を昇降台71を介せずに第4の実施の形態の横進台をカムのような偏心形状としたものである。また本実施の形態の横進機は便宜上2′とする。

【0044】
横進機2′は、第4の実施の形態の横進機の昇降台71が不要となり、横進台の形状が異なる他は、第4の実施の形態と同じである。すなわち、横進台72は、ケーブルローラ台61、分岐部ローラ台62、ストリーマローラ台63が取付けられるが、横進台72が図17のようにカムのような偏心形状を有するため、カムのような偏心形状の横進台に各ローラ台を所定の位置に取付け、横進台の回転により各ローラ台の高さが調整される。

【0045】
次に、図17に従って本実施の形態の作用を説明する。巻取時の動作は、第4の実施の形態と同様であるが、横進台72の形状が異なることで、横進台72の回転によりローラ台の高さ調整される。また昇降台は、本実施の形態には不要となるため、昇降台の制御は不要である。

【0046】

【発明の効果】以上詳細に説明した如く、第1の発明によれば、複数本のストリーマをえい航するえい航システムの展開器において、予めケーブル、分岐部及び複数のストリーマが電気的、機械的に接続してあり、前記分岐部にえい航体が取付け・取外しが可能なので、以下の作業が省略できる効果がある。

【0047】
・展開器への複数本のストリーマの接続作業
・展開器とストリーマ接続時のストリーマストッパー接続
・ストリーマと展開器の接続は、ストリーマの自重やえい航による流体抵抗により張力が加わるため、接続・切離し時のストリーマ位置出しに多数の人手が必要である。

【0048】
・展開器とケーブルの接続作業
・ケーブル、展開器、複数本のストリーマ接続後の電気的な作動チェック
以上により作業の簡便化、時間短縮、作業人員の削減を行うことができる。また張力が加わった状態でのケーブルやストリーマの接続がなくなるため、安全に作業を行えるという効果がある。

【0049】
また、第2の発明によれば、巻取機と横進機とより成る巻取装置を有するえい航システムの投入揚収装置において、前記巻取機が、ケーブルを巻き取る内側ドラムと、複数のストリーマを巻き取る外側ドラムとより成る2重ドラム構造を有し、前記外側ドラムに分岐部を収納する収納部を有し、該収納部と外側ドラムの開口部を閉じるドラムカバーを連動させ、前記分岐部が分岐部支持部に出入りすることで外側ドラムのドラムカバーが開閉し、ケーブル、分岐部、複数ストリーマが電気的、機械的に接続されたまま巻取機へ巻取・繰出可能であるので、以下の効果を得ることができる。

【0050】
・ケーブル、分岐部、複数のストリーマを有するえい航システムを無理なく巻取機へ収納可能である。
・分岐部巻取りによるケーブル及びストリーマの分岐部接続部の損傷防止
・ストリーマの乱巻きを防止またそれによる弊害除去
・ドラムカバーを設け、第2ドラムの開口部によるストリーマの損傷防止
・保守時に1本のみでストリーマを展張することも可能:保守性向上
・ドラムカバーの開閉は、自動
またなによりも第1の発明であるえい航体と分岐部を分離できる展開器に対応した巻取機を手に入れることができた。

【0051】
さらに、第3の発明によれば、巻取機と横進機とより成る巻取装置を有するえい航システムの投入揚収装置において、前記巻取機が、ケーブルを巻き取るケーブルドラムと、2本のストリーマを巻き取るストリーマドラムとより成る2重ドラム構造を有し、前記ストリーマドラムのフランジに分岐部支持部を有し、該分岐部支持部に対し分岐部が巻取・繰出可能とし、ケーブル、分岐部、2本のストリーマが電気的、機械的に接続されたまま巻取機へ巻取・繰出可能なので、以下の効果を得ることができる。

【0052】
・ケーブル、分岐部、複数のストリーマを有するえい航システムを無理なく巻取機へ収納可能である。
・分岐部巻取りによるケーブル及びストリーマの分岐部接続部の損傷防止
・ストリーマの乱巻きを防止またそれによる弊害除去
・保持時に1本のみでストリーマを展張することも可能:保守性向上
またなによりも第1の発明であるえい航体と分岐部を分離できる展開器に対応した巻取機を手に入れることができた。

【0053】
さらに、第4の発明によれば、巻取機と横進機とより成る巻取装置を有するえい航システムの投入揚収装置において、前記横進機の横進台にケーブル横進、分岐部横進、複数のストリーマ横進に個々に対応するローラ台を設け、前記横進台を所定の位置に回転させることにより対象物のローラ台を選択可能なので、巻取・投入対象物のローラ台を選択することができるという効果がある。

【0054】
また昇降台が巻取・投入時の巻取対象物のドラム巻径、巻層に合わせ、昇降台が自動に上下し、横進台のローラ台の高さを制御できるようになっている。以上のことから、従来には無かったケーブル、分岐部、複数のストリーマから構成されるえい航システムを巻取機への整列巻きの案内ができるという効果がある。

【0055】
この時、前記横進台を偏心形状とし、前記横進台を回転させてローラ台の高さを調整することで、2重ドラムの内側ドラムと外側ドラムのドラム径の違いによるローラ台の高低差を調整可能とすれば、内側ドラムと外側ドラムのドラム径の違いによるローラ台の高低差が無くなり、より安定した投入・揚収作業ができるという効果がある。
図面
【図4】
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【図6】
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【図10】
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【図15】
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【図2】
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【図12】
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【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図14】
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【図11】
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【図13】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図16】
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【図17】
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