TOP > 国内特許検索 > レーダ装置 > 明細書

明細書 :レーダ装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3376350号 (P3376350)
公開番号 特開2002-148335 (P2002-148335A)
登録日 平成14年11月29日(2002.11.29)
発行日 平成15年2月10日(2003.2.10)
公開日 平成14年5月22日(2002.5.22)
発明の名称または考案の名称 レーダ装置
国際特許分類 G01S 13/70      
G01S 17/282     
FI G01S 13/70
G01S 17/282
請求項の数または発明の数 5
全頁数 12
出願番号 特願2000-345148 (P2000-345148)
出願日 平成12年11月13日(2000.11.13)
審査請求日 平成12年11月13日(2000.11.13)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
発明者または考案者 【氏名】戸梶 功
【氏名】田中 正之
【氏名】村本 浩一
個別代理人の代理人 【識別番号】100102439、【弁理士】、【氏名又は名称】宮田 金雄 (外1名)
審査官 【審査官】宮川 哲伸
参考文献・文献 特開 平11-211815(JP,A)
特開 平10-213653(JP,A)
特開 平8-75847(JP,A)
特開 平7-35850(JP,A)
特開 平4-13098(JP,A)
特開 平2-275383(JP,A)
特開 平2-59689(JP,A)
特開 平1-267482(JP,A)
調査した分野 G01S 7/00 - 7/42
G01S 13/00 - 13/95
特許請求の範囲 【請求項1】
送信信号を目標に送信し、上記目標からの反射信号を受信するアンテナと、上記アンテナにより受信された上記反射信号を復調する受信機と、上記受信機の出力に基づき目標信号を検出する信号処理部と、一定のレートで間欠に送信される目標の距離情報について各目標の速度情報により距離情報の補間計算をする目標距離補間計算部と、上記送信信号のパルス幅を複数設定でき、上記目標距離補間計算部で計算された距離情報に基づき上記設定された各パルス幅について各目標の受信割合を算出して、追尾対象目標からの反射信号の受信割合が高く、追尾対象目標以外の目標からの反射信号の受信割合が低くなるようなパルス幅を上記複数設定されたパルス幅の中から選択するパルス幅制御部とを具備したことを特徴とするレーダ装置。

【請求項2】
送信信号を目標に送信し、上記目標からの反射信号を受信するアンテナと、上記アンテナにより受信された上記反射信号を復調する受信機と、上記受信機の出力に基づき目標信号を検出する信号処理部と、目標速度情報から各目標ドップラ周波数を算出し、目標信号の周波数解析処理により追尾対象目標との周波数分離が可能となる目標を判定し、周波数分離が不可能な抑圧対象目標を指定するドップラ分離判定部と、上記送信信号のパルス幅を複数設定でき、上記ドップラ分離判定部で指定された目標に関し、目標距離情報より上記設定された各パルス幅について各目標の受信割合を算出して、追尾対象目標からの反射信号の受信割合が高く、上記指定された抑圧対象目標からの反射信号の受信割合が低くなるようなパルス幅を上記複数設定されたパルス幅の中から選択するパルス幅制御部とを具備したことを特徴とするレーダ装置。

【請求項3】
送信信号を目標に送信し、上記目標からの反射信号を受信するアンテナと、上記アンテナにより受信された上記反射信号を復調する受信機と、上記受信機の出力に基づき目標信号を検出する信号処理部と、目標距離情報及び目標有効反射面積の情報から、各目標についてエクリプスが発生しない場合の受信信号強度を算出し、この信号強度が追尾対象目標の信号強度より高い目標を判定し、抑圧対象目標を指定する信号強度計算部と、上記送信信号のパルス幅を複数設定でき、上記信号強度計算部で指定された目標に関し、目標距離情報より上記設定された各パルス幅について各目標の受信割合を算出して、追尾対象目標からの反射信号の受信割合が高く、上記指定された抑圧対象目標からの反射信号の受信割合が低くなるようなパルス幅を上記複数設定されたパルス幅の中から選択するパルス幅制御部とを具備したことを特徴とするレーダ装置。

【請求項4】
送信信号を目標に送信し、上記目標からの反射信号を受信するアンテナと、上記アンテナにより受信された上記反射信号を復調する受信機と、上記受信機の出力に基づき目標信号を検出する信号処理部と、目標距離情報、目標有効反射面積及び目標角度の情報から、各目標についてエクリプスが発生しない場合の受信信号強度を、アンテナサイドローブによる利得低下量を考慮して算出し、この信号強度が追尾対象目標の信号強度より高い目標を判定し、抑圧対象目標を指定するサイドローブ抑圧判定部と、上記送信信号のパルス幅を複数設定でき、上記サイドローブ抑圧判定部で指定された目標に関し、目標距離情報より上記設定された各パルス幅について各目標の受信割合を算出して、追尾対象目標からの反射信号の受信割合が高く、上記指定された抑圧対象目標からの反射信号の受信割合が低くなるようなパルス幅を上記複数設定されたパルス幅の中から選択するパルス幅制御部とを具備したことを特徴とするレーダ装置。

【請求項5】
送信信号を目標に送信し、上記目標からの反射信号を受信するアンテナと、上記アンテナにより受信された上記反射信号を復調する受信機と、上記受信機の出力に基づき目標信号を検出する信号処理部と、追尾対象目標の速度情報からドップラ周波数を算出し、このドップラ周波数から使用可能なパルス幅の上限値を算出するパルス幅リミット判定部と、上記送信信号のパルス幅を複数設定でき、複数目標の距離情報に基づき上記パルス幅リミット判定部で計算されたパルス幅上限値の範囲内で設定された各パルス幅について各目標の受信割合を算出して、追尾対象目標からの反射信号の受信割合が高く、追尾対象目標以外の目標からの反射信号の受信割合が低くなるようなパルス幅を上記複数設定されたパルス幅の中から選択するパルス幅制御部とを具備したことを特徴とするレーダ装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】この発明は、目標に電波を照射し、反射してくる電波を受信して、複数の目標の中から追尾対象目標を捕捉・追尾するレーダ装置に関するものである。

【0002】

【従来の技術】図7は従来のレーダ装置の機能を示すブロック線図である。図7において、1は送信源、2は送信信号にパルス変調をかけるパルス変調器、3はパルス変調された信号を増幅する送信機、4は送信機3で増幅された信号を送信し、また目標からの反射信号を受信するアンテナ、5はアンテナ4より入力された信号を受信するための受信機、6は受信機5で受信された信号の中から目標信号を検出する信号処理部、7は送信及び受信のタイミングを制御するタイミング制御器である。

【0003】
次に動作について説明する。従来のレーダ装置は、上記のように構成されているから、送信源1の出力である送信源出力S1は、パルス変調器2においてタイミング制御器7の出力である送信制御信号S9のタイミングに従いパルス変調されパルス変調器出力S2となり、送信機3に入力され増幅されて送信機出力S3となり、アンテナ4より送信信号S4となって、目標に送信される。目標からの反射波である反射信号S5はアンテナ4で受信されアンテナ出力S6となり、受信機5に入力されタイミング制御器7の出力である受信制御信号S10に従い復調され受信機出力S7となり、信号処理部6に入力され目標信号の検出処理により目標信号S8となり、目標の捕捉・追尾処理に使用される。

【0004】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のレーダ装置では、複数の目標が空間に存在した場合、それぞれの目標からの反射信号が干渉し合うことにより、追尾対象目標からの反射信号の検出精度が劣化するといった問題があった。

【0005】
この発明は、このような問題点を解決するものであり、目標からの反射信号の受信割合が、ほぼパルス幅に相当する送信時の受信ブラインド時間と、レーダと目標の相対距離の関係に依存することを利用して、追尾対象目標からの反射信号の受信割合は高く、追尾対象目標以外の目標からの反射信号の受信割合が低くなるようなパルス幅を選択し、不要信号を抑圧することにより、追尾対象目標からの反射信号の検出精度を向上させることを可能にしたものである。

【0006】

【課題を解決するための手段】第1の発明によるレーダ装置は、送信パルス信号のパルス幅の選択肢を複数個持ち、複数目標の距離情報から、これら各パルス幅について各目標の受信割合を算出して、追尾対象目標からの反射信号の受信割合は高く、追尾対象目標以外の目標からの反射信号の受信割合が低くなるようなパルス幅を選択し、この際に一定レートで間欠に送信される目標距離情報について、各目標の速度情報により補間計算を実施することで目標距離情報の精度を向上させ、不要信号の抑圧度及び追尾対象目標からの反射信号の検出精度の向上を可能にしたものである。

【0007】
また、第2の発明によるレーダ装置は、送信パルス信号のパルス幅の選択肢を複数個持ち、複数目標の距離情報から、これら各パルス幅について各目標の受信割合を算出して、追尾対象目標からの反射信号の受信割合は高く、追尾対象目標以外の目標からの反射信号の受信割合が低くなるようなパルス幅を選択し、この際に目標速度情報から各目標のドップラ周波数を算出し、目標信号の周波数解析により追尾対象目標との周波数分離が可能となる目標を、抑圧対象目標から除外することで、不要信号の抑圧度及び追尾対象目標からの反射信号の検出精度を向上させるとともに、パルス幅選択処理時間の短縮を可能にしたものである。

【0008】
また、第3の発明によるレーダ装置は、送信パルス信号のパルス幅の選択肢を複数個持ち、複数目標の距離情報から、これら各パルス幅について各目標の受信割合を算出して、追尾対象目標からの反射信号の受信割合は高く、追尾対象目標以外の目標からの反射信号の受信割合が低くなるようなパルス幅を選択し、この際に目標有効反射面積の情報から各目標の反射信号について受信割合が100%の場合の信号強度を算出し、この信号強度が追尾対象目標の信号強度より低い目標については、抑圧対象目標から除外することで、不要信号の抑圧度及び追尾対象目標からの反射信号の検出精度を向上させるとともに、パルス幅選択処理時間の短縮を可能にしたものである。

【0009】
また、第4の発明によるレーダ装置は、送信パルス信号のパルス幅の選択肢を複数個持ち、複数目標の距離情報から、これら各パルス幅について各目標の受信割合を算出して、追尾対象目標からの反射信号の受信割合は高く、追尾対象目標以外の目標からの反射信号の受信割合が低くなるようなパルス幅を選択し、この際に目標有効反射面積及び目標角度方向の情報から各目標の反射信号について受信割合が100%の場合の信号強度を、アンテナサイドローブによる利得の低下量を考慮して算出し、この信号強度が追尾対象目標の信号強度より低い目標については、抑圧対象目標から除外することで、不要信号の抑圧度及び追尾対象目標からの反射信号の検出精度を向上させるとともに、パルス幅選択処理時間の短縮を可能にしたものである。

【0010】
また、第5の発明によるレーダ装置は、送信パルス信号のパルス幅の選択肢を複数個持ち、複数目標の距離情報から、これら各パルス幅について各目標の受信割合を算出して、追尾対象目標からの反射信号の受信割合は高く、追尾対象目標以外の目標からの反射信号の受信割合が低くなるようなパルス幅を選択し、この際に追尾対象目標の速度情報からドップラ周波数を算出し、このドップラ周波数から周波数解析を実施する場合に十分な周波数帯域の確保できるパルス幅の上限値を求め、選択できるパルス幅を制限して周波数解析時の不要な雑音信号の発生を防ぐことにより、不要信号の抑圧度及び追尾対象目標からの反射信号の検出精度の向上を可能にしたものである。

【0011】

【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明のレーダ装置の実施の形態1を示すブロック図である。1、2、3、4、5、6、7は上記従来装置と同じものである。そして、8は各目標からの反射信号の受信割合を算出し、追尾対象目標からの反射信号の受信割合は高く、追尾対象目標以外の目標からの反射信号の受信割合が低くなるようなパルス幅を選択するパルス幅制御部、9は一定レートで間欠に入力される目標距離情報について、目標の速度情報により補間計算を実施する目標距離補間計算部である。

【0012】
図1において、目標距離情報S11は目標距離補間計算部9に一定レートで間欠に入力される。目標距離補間計算部9は、他方の入力である目標速度情報S13により、目標距離情報S11に補間処理を実施し、補間後の目標距離情報S14をパルス幅制御部8に出力する。パルス幅制御部8は、補間後の目標距離情報S14より各目標からの反射信号の受信割合を複数のパルス幅について算出し、不要信号の受信割合が小さくなるパルス幅を選択して、パルス幅制御信号S12をタイミング制御器7に出力する。この時、送信源1の出力である送信源出力S1は、パルス変調器2において、パルス幅制御信号S12に基づくタイミング制御器7の出力信号である送信制御信号S9によりパルス変調され、パルス変調器出力S2となり、送信機3に入力され増幅されて送信機出力S3となり、アンテナ4より送信信号S4となって、目標に送信される。目標からの反射波である反射信号S5はアンテナ4で受信されアンテナ出力S6となり、受信機5に入力されタイミング制御器7のもう一方の出力である受信制御信号S10に従い復調され受信機出力S7となり、信号処理部6に入力され目標信号の検出処理により目標信号S8となり、目標の捕捉・追尾処理に使用される。ここで、従来のレーダ装置では、目標距離情報R1が入力されてから次の目標距離情報R2が入力されるまでの間、情報は更新されず一定値となるため、この間の目標の運動により目標距離情報にΔRの誤差が生じ、最適なパルス幅を選択できない可能性がある。これに対してこの発明では、レーダから目標までの距離をR1、レーダと目標との相対速度をV、レーダの信号処理レートをΔtとすると、式(1)に示す補間計算式により現在の目標距離R2を算出するため、最適なパルス幅を選択し、追尾対象目標からの反射信号の検出精度を向上させることができる。

【0013】

【数1】
JP0003376350B2_000002t.gif【0014】実施の形態2.図2は、この発明のレーダ装置の実施の形態2を示すブロック図である。1、2、3、4、5、6、7および8は上記図1と同じものである。そして、10は目標速度情報から各目標のドップラ周波数を算出し、目標信号の周波数解析により追尾対象目標との周波数分離が可能となる目標を判定する、ドップラ分離判定部である。

【0015】
図2において、ドップラ分離判定部10は目標速度情報S13より各目標のドップラ周波数を計算し、周波数解析により追尾対象目標との周波数分離が可能となる目標を判定し、周波数分離が不可能な抑圧対象目標を指定するドップラ分離判定信号S15をパルス幅制御部8に出力する。パルス幅制御部8は、ドップラ分離判定信号S15で指定された目標について、目標距離情報S11より目標からの反射信号の受信割合を複数のパルス幅について算出し、指定された抑圧対象目標信号の受信割合が小さくなるパルス幅を選択して、パルス幅制御信号S12をタイミング制御器7に出力する。この時、送信源1の出力である送信源出力S1は、パルス変調器2において、パルス幅制御信号S12に基づくタイミング制御器7の出力信号である送信制御信号S9によりパルス変調され、パルス変調器出力S2となり、送信機3に入力され増幅されて送信機出力S3となり、アンテナ4より送信信号S4となって、目標に送信される。目標からの反射波である反射信号S5はアンテナ4で受信されアンテナ出力S6となり、受信機5に入力されタイミング制御器7のもう一方の出力である受信制御信号S10に従い復調され受信機出力S7となり、信号処理部6に入力され目標信号の検出処理により目標信号S8となり、目標の捕捉・追尾処理に使用される。ここで、上記実施の形態1のようなレーダ装置では、追尾対象目標と共存する全ての目標について受信割合を算出し、パルス幅の選定を実施する。これに対しこの発明では、まず図3に示すように目標速度情報から各目標のドップラ周波数を算出し、追尾対象以外の各目標について追尾目標との周波数差を算出する。ここに、この周波数差が周波数解析の分解能を越える目標については、追尾対象目標からの反射信号を抽出する際に分離可能となるため、抑圧対象外とすることで、受信割合の計算回数を削減し、処理負荷を軽減することが可能となる。

【0016】
実施の形態3.図4は、この発明のレーダ装置の実施の形態3を示すブロック図である。1、2、3、4、5、6、7および8は上記図2と同じものである。そして、11は目標距離情報及び目標有効反射面積情報から、各目標の反射信号について受信割合が100%の場合の信号強度を算出し、各目標の信号強度と追尾対象目標の信号強度との比較を実施する、信号強度計算部である。

【0017】
図4において、信号強度計算部11は目標距離情報S11及び目標有効反射面積情報S16より、各目標の反射信号について受信割合が100%の場合の信号強度を算出し、この信号強度と追尾対象目標の信号強度との比較を実施し、信号強度の高い抑圧対象目標を指定する信号強度判定信号S17をパルス幅制御部8に出力する。パルス幅制御部8は、信号強度判定信号S17で指定された目標について、目標距離情報S11より目標からの反射信号の受信割合を複数のパルス幅について算出し、指定された抑圧対象目標信号の受信割合が小さくなるパルス幅を選択して、パルス幅制御信号S12をタイミング制御器7に出力する。この時、送信源1の出力である送信源出力S1は、パルス変調器2において、パルス幅制御信号S12に基づくタイミング制御器7の出力信号である送信制御信号S9によりパルス変調され、パルス変調器出力S2となり、送信機3に入力され増幅されて送信機出力S3となり、アンテナ4より送信信号S4となって、目標に送信される。目標からの反射波である反射信号S5はアンテナ4で受信されアンテナ出力S6となり、受信機5に入力されタイミング制御器7のもう一方の出力である受信制御信号S10に従い復調され受信機出力S7となり、信号処理部6に入力され目標信号の検出処理により目標信号S8となり、目標の捕捉・追尾処理に使用される。ここで、上記実施の形態1のようなレーダ装置では、追尾対象目標と共存する全ての目標について受信割合を算出し、パルス幅の選定を実施する。これに対しこの発明では、追尾対象目標の有効反射面積をA0、追尾対象外の目標の有効反射面積をA1、レーダから追尾対象目標までの距離をR0、レーダから追尾対象外の目標までの距離をR1とすると、受信割合が100%の場合の追尾対象目標からの反射信号の信号強度と、追尾対象外目標からの反射信号の信号強度の差ΔPは、式(2)により求められることから、追尾対象目標の受信割合が100%となるパルス幅を選択することにより、ΔPが正となるような追尾対象外目標の反射信号の信号強度は追尾対象目標の信号強度以下とすることができるため、これを抑圧対象外とすることで、受信割合の計算回数を削減し、処理負荷を軽減することが可能となる。

【0018】

【数2】
JP0003376350B2_000003t.gif【0019】実施の形態4.図5は、この発明のレーダ装置の実施の形態4を示すブロック図である。1、2、3、4、5、6、7および8は上記図4と同じものである。そして、12は目標距離情報と目標有効反射面積情報及び目標角度情報から、各目標の反射信号について受信割合が100%の場合の信号強度を、アンテナサイドローブによる利得低下量を考慮して算出し、各目標の信号強度と追尾対象目標の信号強度との比較を実施する、サイドローブ抑圧判定部である。

【0020】
図5において、サイドローブ抑圧判定部12は目標距離情報S11と目標有効反射面積情報S16、及び目標角度情報S18から求めたアンテナサイドローブによる利得低下量より、各目標の反射信号について受信割合が100%の場合の信号強度を算出し、この信号強度と追尾対象目標の信号強度との比較を実施し、信号強度の高い抑圧対象目標を指定するサイドローブ抑圧判定信号S19をパルス幅制御部8に出力する。パルス幅制御部8は、サイドローブ抑圧判定信号S19で指定された目標について、目標距離情報S11より目標からの反射信号の受信割合を複数のパルス幅について算出し、指定された抑圧対象目標信号の受信割合が小さくなるパルス幅を選択して、パルス幅制御信号S12をタイミング制御器7に出力する。この時、送信源1の出力である送信源出力S1は、パルス変調器2において、パルス幅制御信号S12に基づくタイミング制御器7の出力信号である送信制御信号S9によりパルス変調され、パルス変調器出力S2となり、送信機3に入力され増幅されて送信機出力S3となり、アンテナ4より送信信号S4となって、目標に送信される。目標からの反射波である反射信号S5はアンテナ4で受信されアンテナ出力S6となり、受信機5に入力されタイミング制御器7のもう一方の出力である受信制御信号S10に従い復調され受信機出力S7となり、信号処理部6に入力され目標信号の検出処理により目標信号S8となり、目標の捕捉・追尾処理に使用される。

【0021】
ここで、上記実施の形態3のようなレーダ装置では、追尾対象目標と追尾対象外の目標に対するレーダ装置からの見越し角に差がある場合、追尾対象目標と追尾対象外の目標からの反射信号の入射角度が異なるため、アンテナサイドローブにおける利得の低下量の違いが目標からの反射信号の信号強度に影響し、信号強度の算出結果に誤差を含むことになる。これに対してこの発明では、信号入射角度と利得低下量の相関テーブルを持ち、各目標の角度情報より、追尾対象目標からの反射信号の利得低下量ΔG0、および追尾対象外の目標からの反射信号の利得低下量ΔG1を求め、式(3)に示すとおり受信割合が100%の場合の追尾対象目標からの反射信号の信号強度と、追尾対象外目標からの反射信号の信号強度の差ΔPを算出できることから、追尾対象目標の受信割合が100%となるパルス幅を選択することにより、ΔPが正となるような追尾対象外目標の反射信号の信号強度は追尾対象目標の信号強度以下とすることができるため、これを抑圧対象外とすることで、受信割合の計算回数を削減し、処理負荷を軽減することが可能となる。

【0022】

【数3】
JP0003376350B2_000004t.gif【0023】実施の形態5.図6は、この発明のレーダ装置の実施の形態7を示すブロック図である。1、2、3、4、5、6、7および8は上記図5と同じものである。そして、13は目標速度情報からドップラ周波数を算出し、このドップラ周波数から目標信号の周波数解析を実施する場合に、十分な周波数帯域の確保できるパルス幅の上限値を求めるパルス幅リミット判定部である。

【0024】
図6において、パルス幅リミット判定部13は目標速度情報S13から追尾対象目標のドップラ周波数を算出し、目標信号の周波数解析を実施する場合に、不要な雑音信号の発生しない十分な帯域を確保できるパルス幅の上限値を算出し、このパルス幅上限値S20をパルス幅制御部8に出力する。パルス幅制御部8は、目標距離情報S11より各目標からの反射信号の受信割合を、パルス幅上限値S20を越えない複数のパルス幅について算出し、不要信号の受信割合が小さくなるパルス幅を選択して、パルス幅制御信号S12をタイミング制御器7に出力する。この時、送信源1の出力である送信源出力S1は、パルス変調器2において、パルス幅制御信号S12に基づくタイミング制御器7の出力信号である送信制御信号S9によりパルス変調され、パルス変調器出力S2となり、送信機3に入力され増幅されて送信機出力S3となり、アンテナ4より送信信号S4となって、目標に送信される。目標からの反射波である反射信号S5はアンテナ4で受信されアンテナ出力S6となり、受信機5に入力されタイミング制御器7のもう一方の出力である受信制御信号S10に従い復調され受信機出力S7となり、信号処理部6に入力され目標信号の検出処理により目標信号S8となり、目標の捕捉・追尾処理に使用される。

【0025】
ここで、パルス信号を用いたレーダ装置では、周波数解析による目標信号検出を行った場合に、目標からの反射信号および海面や地面からの不要なクラッタ信号のスペクトルが、パルス繰り返し周期PRF毎に発生する。このため、上記実施の形態1のようなレーダ装置では、パルス幅PWにより決定されるパルス繰り返し周期PRFが、追尾対象目標のドップラ周波数に対して十分な大きさを持たない場合、PRF毎に発生するクラッタ信号が追尾対象目標からの反射信号のスペクトルと干渉し、目標信号の検出精度が劣化することになる。これに対してこの発明では、送受信切換え時間のデューティー比をdt、目標のドップラ周波数をfdとすると、クラッタ信号と目標からの反射信号が干渉しないためのパルス幅の上限値PWmを式(4)により算出し、これを選択可能なパルス幅の上限値とするため、追尾対象目標からの反射信号の検出精度を向上させることができる。

【0026】

【数4】
JP0003376350B2_000005t.gif【0027】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成されているので以下に記載されるような効果を奏する。

【0028】
第1の発明によれば、目標速度情報により間欠に入力される目標距離情報の補間処理を実施し、目標距離情報の精度を高めることで、選択するパルス幅の最適化を図ることにより、従来のレーダ装置より信号検出精度を向上することができる。

【0029】
また、第2の発明によれば、目標速度情報より周波数分離が可能となる目標求め、受信割合を計算する抑圧対象目標数を限定することで、受信割合の計算回数の削減が可能となり、第1の発明より処理負荷を軽減することができる。

【0030】
また、第3の発明によれば、目標有効反射面積情報より各目標の信号強度を計算し、受信割合を計算する抑圧対象目標を、信号強度が追尾対象目標の信号強度を上回る目標に限定することで、受信割合の計算回数の削減が可能となり、第1の発明より処理負荷を軽減することができる。

【0031】
また、第4の発明によれば、目標有効反射面積情報及び目標角度情報より、アンテナサイドローブによる利得の低下量を考慮した各目標の信号強度を計算し、受信割合を計算する抑圧対象目標を、信号強度が追尾対象目標の信号強度を上回る目標に限定することで、受信割合の計算回数の削減が可能となり、第1及び第3の発明より処理負荷を軽減することができる。

【0032】
また、第5の発明によれば、追尾対象目標の速度情報より、周波数解析を実施する際に不要な雑音信号が発生しない十分な帯域が確保できるパルス幅の上限値を計算し、受信割合を計算するパルス幅をこの上限値以下とすることで、選択するパルス幅の最適化を図ることにより、第1の発明より信号検出精度を向上することができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図5】
3
【図4】
4
【図6】
5
【図7】
6