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明細書 :遠隔探査機等の複合伝送線接続装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3371122号 (P3371122)
公開番号 特開2002-165348 (P2002-165348A)
登録日 平成14年11月22日(2002.11.22)
発行日 平成15年1月27日(2003.1.27)
公開日 平成14年6月7日(2002.6.7)
発明の名称または考案の名称 遠隔探査機等の複合伝送線接続装置
国際特許分類 H02G  9/02      
B65H 75/38      
B66D  1/38      
H02G  1/06      
FI H02G 9/02 A
B65H 75/38
B66D 1/38
H02G 1/06
請求項の数または発明の数 2
全頁数 7
出願番号 特願2000-359620 (P2000-359620)
出願日 平成12年11月27日(2000.11.27)
審査請求日 平成12年11月27日(2000.11.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
発明者または考案者 【氏名】三上 宏幸
個別代理人の代理人 【識別番号】100067323、【弁理士】、【氏名又は名称】西村 教光
審査官 【審査官】清田 健一
参考文献・文献 特開 昭49-61680(JP,A)
特開 昭52-119247(JP,A)
特開 平9-21659(JP,A)
調査した分野 H02G 9/02
B65H 75/38
B66D 1/38
H02G 1/06
特許請求の範囲 【請求項1】
機器本体(7)と、機器本体(7)に付属した作動部(5)と、外端部に前記作動部(5)が接続された複合伝送線ケーブルと、機器本体(7)の近傍に配設され前記複合伝送線ケーブルを巻き取り巻き戻し自在に巻回したケーブルドラム(2)と、ケーブルドラム(2)と同軸一体に形成され、前記複合伝送線を構成する伝送線の内端部と接続される導線が巻き取り巻き戻し自在に巻回される従動副ドラム(17)と、従動副ドラム(17)に隣接して配置される静止副ドラム(18)と、従動副ドラム(17)及び静止副ドラム(18)の外周上に離間して跨がって配置され、該外周に沿って旋回するケーブルトラバーサ(20)とを具備し、ケーブルトラバーサ(20)の旋回により、前記従動副ドラム(17)に巻き取り又は巻き戻された導線の連続部分を、前記静止副ドラム(18)に橋渡しして巻き戻し又は巻き取るように構成し、前記機器本体(7)と前記作動部(5)間が、前記伝送線及び前記導線を介して接続されている遠隔探査機等の複合伝送線接続装置において、
前記従動副ドラム(17)及び静止副ドラム(18)は、前記ケーブルドラム(2)の両側にそれぞれ配置され、
前記複合伝送線ケーブルは、少なくとも、前記作動部(5)を構成する音響送波部の駆動用電力の通電系ケーブルと前記作動部(5)を構成する光センサ受波アレイの受波音の光信号伝送の光伝送系ケーブルとえい航索との複合により形成され、通電系ケーブルが前記一側の従動副ドラム(17)及び静止副ドラム(18)側の導線に接続され、光伝送系ケーブルが前記他側の従動副ドラム(17)及び静止副ドラム(18)側の導線に振り分けて分離接続されるようにしたことを特徴とする遠隔探査機等の複合伝送線接続装置。

【請求項2】
前記ケーブルトラバーサ(20)は、前記従動副ドラム(17)及び静止副ドラム(18)の外周上に離間して跨がって配置され、該外周に沿って旋回しつつ両副ドラムの軸方向に沿って往復移動し、前記ケーブルトラバーサ(20)の一端部側から案内した前記導線を他端部側に案内して、緊張状態を保ちつつ従動副ドラム側から静止副ドラム側に橋渡しして巻き戻し又は巻き取るようし、前記ケーブルトラバーサ(20)を旋回駆動させる旋回器の旋回盤(22)には、駆動プーリよりなる駆動部(26)が固定して設けられ、該駆動部(26)の回転駆動は、バックテンションを付加するための摩擦板付き補助原動機で駆動される構造になることを特徴とする請求項1に記載の遠隔探査機等の複合伝送線接続装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、有線を使って遠隔計測する計測機器類の送受信配線に用いられる複合伝送線の接続処理装置に関するものである。計測機器の中には、種々の理由から機器本体と一部の作動部を別体に形成し、該作動部を機器本体と離した場所において機器を稼動させるような計測装置がある。たとえば、水中のような電波が伝わらない環境下で用いられる場合等は、機器本体、作動部間を有線で接続するのが普通である。そして作動部を吊持し水中に延ばされる伝送線は、強度を増すためにえい航索に複合された重量のある構造であり、地上の機器本体に接続された軽量で取り扱いの容易な導線と上記複合伝送線とを地上において接続している。

【0002】

【従来の技術】このような計測機器本体と作動部間の接続方式について、えい航式の海洋観測装置を例に採り、従来の伝送線の巻き取り処理装置について、図1乃至図3を参照して説明する。図1乃至図3に示す従来の複合伝送線接続装置は、特公昭57-6067号公報に示す本出願人及び本発明者によって発明された装置であって、本発明は、この従来装置を改良したものである。

【0003】
符号1は、計測船を示し、この計測船1の後甲板には、図示しないウインチで駆動されるケーブルドラム2が設置されている。このケーブルドラム2に巻回される複合伝送線3ケーブルの水中に降ろされた外端部には、海洋観測装置作動部5としての超音波センサ、深度センサ、温度センサ、加速度計、方位センサより成る受感部が係着されている。なお、この複合伝送線3ケーブルの構造態様は、作動部5に対するえい航索と、同作動部5に通じる所要の伝送線が一本にまとめて形成されたものである。一方、船内の計測室6には、海洋観測装置の機器本体7としての測定部が設置されており、さらに、機器本体7と後甲板に取付けられた接続箱8との間は固定導線9によって接続されているほか、この接続箱8には、可とう線より成る導線10が付設されている。

【0004】
ケーブルドラム2には、接続箱8の導線10を巻き込むための小径副ドラム14が同軸一体に形成されていて、この副ドラム14には、十分な余裕長、すなわち、伝送線3の全長を繰り出すに必要なケーブルドラム2の回転数に副ドラム14径、円周率に1/2を乗じた長さを有する導線10が巻き込まれており、かつ、その巻き込み基端10aは、中空ドラム軸15の内孔に挿入すると共に、同様にしてドラム軸15の内孔に挿入された伝送線3の基端3aと接続されている。なお、伝送線3の導電線と導線10を、連通した1本の線で構成する場合には、接続部は存在しない。

【0005】
そのほか、導線10の途中は、副ドラム14の下方において、甲板または下部に固設された受箱状の導線だめ16の側板を貫通している。これにより、副ドラム14から降下する導線10の余裕部分は、導線だめ16内に積み重ねられる。

【0006】
従来の遠隔計測器等の複合伝送線接続装置は、以上のように構成されているので、機器本体7の入力と作動部5の出力間は、固定導線9、導線10、及び伝送線3の導電線の一連の固定結合により電気的接続を保持し、これにより、ノイズの発生や信号劣化の不具合も無くなり、良好、かつ安定した伝導特性が得られるものである。

【0007】
ところで、副ドラム14から繰り出される導線10は、低速時の場合においては、導線だめ16に自然垂下により支障なく積み上げられる。ところが、それ以上の速度になった場合には、作業員が導線10の垂下に合わせて手繰らないと副ドラム14の巻胴部の各所で導線10がせり上がりとか浮き上がりが生じ、ひいては、副ドラム14のつばからはみだし出っ張りし、それらの発生を極力抑えるために、作業員をさらに増員して上手にさばき、ケーブルドラム2の駆動回転時に、ずれや巻き込み時の導線10との引っ掛かり等の不具合を、素早く手際良く処理する必要が生じた。

【0008】
たとえうまく捌けたとしても、長時間に及ぶ連続した安定な作業の実施は困難であり、作業途中には、導線10に無理な曲げや負荷がかかって、損傷や曲がり癖等による劣化やその部位からの不必要な光反射が発生し、良好なデータ伝送に支障を来たすとか、機械的、電気的故障の要因となる。また、このような巻き込みでは、副ドラム14への巻込みが不均一になる共に、副ドラム14の巻胴の重量分布や巻き揃えも不均一になるため、ケーブルドラム2の駆動の回転に連れて、巻胴のケーブルに、ずれやたるみ、キンクを発生させ、ドラム回転に支障をきたし、結局は巻填操作が出来ない状態に陥る。

【0009】
また、これらの作業には、それだけ余分な人手がかかるほかに、高速回転時のケーブルドラム2や張力の加わった導線10を取り扱うことから、作業中の危険度が高く、特に、観測の途中から海上模様が荒天になって、船が揺れている場合で高速回転時での手繰り作業は、著しく危険を伴うものである。特に、人手によってえい航体の移動作業中、あるいは、導線10等を人手で確保している場合には、動揺時においては自身の体が宙に浮いて状態と同じになるため、踏ん張りが効かずに導線10と共に甲板上へ引きずり倒されて、導線10の損傷ばかりか、作業員の身に危険性をもおよぶことになって、安全上についても問題がある。また、同作業は、日中の明るい中に行うのが都合良く、低速回転にした場合の作業には、装置の稼働率がそれだけ低下して、計測作業の効率低下を招来する。しかしながら、近年において、探査エリアの拡大や探査深度の増大及び信頼性の向上が要求され、安全に留意しつつそれらの向上を果たさなければならない。

【0010】
最近の一般的な観測装置においては、従来の内蔵したセンサ部による計測の所謂パッシブ方式の海洋観測に代わって、えい航音源から強力超音波を送波し海底等からの微弱なエコーに至るまでのすべての信号音を高性能の光受波アレイで受波する所謂アクティブ方式の海洋探査が開発されている。この場合の伝送線は、大電力の通電系ケーブルと多チャネルの光伝送系の複数系統のため、従来のスリップリングを使用した接続は困難である。

【0011】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、すなわち、有線を使って海中を遠隔計測する遠隔探査装置の伝送線ケーブルの巻取処理装置において、ケーブルドラムの回転や回転速度に関わらず安全で、高信頼性の電気的接続と光学的接続が維持される複合伝送線接続装置を提供することを目的とするものである。

【0012】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するための手段を実施の形態を示す図4乃至図6を参照して説明する。すなわち、本発明は、機器本体(7)と、機器本体(7)に付属した作動部(5)と、外端部に前記作動部(5)が接続された複合伝送線ケーブルと、機器本体(7)の近傍に配設され前記複合伝送線ケーブルを巻き取り巻き戻し自在に巻回したケーブルドラム(2)と、ケーブルドラム(2)と同軸一体に形成され、前記複合伝送線を構成する伝送線の内端部と接続される導線が巻き取り巻き戻し自在に巻回される従動副ドラム(17)と、従動副ドラム(17)に隣接して配置される静止副ドラム(18)と、従動副ドラム(17)及び静止副ドラム(18)の外周上に離間して跨がって配置され、該外周に沿って旋回するケーブルトラバーサ(20)とを具備し、ケーブルトラバーサ(20)の旋回により、前記従動副ドラム(17)に巻き取り又は巻き戻された導線の連続部分を、前記静止副ドラム(18)に橋渡しして巻き戻し又は巻き取るように構成し、前記機器本体(7)と前記作動部(5)間が、前記伝送線及び前記導線を介して接続されている遠隔探査機等の複合伝送線接続装置において、前記従動副ドラム(17)及び静止副ドラム(18)は、前記ケーブルドラム(2)の両側にそれぞれ配置され、前記複合伝送線ケーブルは、少なくとも、前記作動部(5)を構成する音響送波部の駆動用電力の通電系ケーブルと前記作動部(5)を構成する光センサ受波アレイの受波音の光信号伝送の光伝送系ケーブルとえい航索との複合により形成され、通電系ケーブルが前記一側の従動副ドラム(17)及び静止副ドラム(18)側の導線に接続され、光伝送系ケーブルが前記他側の従動副ドラム(17)及び静止副ドラム(18)側の導線に振り分けて分離接続されるようにしたことを特徴としている。

【0013】

【作 用】ケーブルドラム2を回転駆動させることにより、外端部に作動部5を有し重量のある複合構造の複合伝送線3ケーブルを巻き戻し又は巻き取る。この時、複合複合伝送線3を構成する伝送線に接続されている比較的軽量で折り曲げ易い中継ケーブルとしての導線10は、従動副ドラム17に巻き戻し又は巻き取られることになる。そして、機器本体7に接続される導線10の余裕部分は、従動副ドラム17及び静止副ドラム18の外周面に離間して配設されるケーブルトラバーサ20の旋回により、バックテンションをもって従動副ドラム17から静止副ドラム18に緊張状態を保ちつつ橋渡しして、整列して巻き戻し又は巻き取られる。これにより、従動副ドラム17から巻き戻される導線10の余裕部分の処理が確実且つ容易であり、人力により整列させる作業を行う必要がない。

【0014】

【発明の実施の形態】図4乃至図6は、本発明の実施の形態を示す。上述した従来技術と同様に、符号1は、計測船を示し、この計測船1の後甲板には、図示しないウインチで駆動されるケーブルドラム2が設置されている。このケーブルドラム2に巻回される複合伝送線3ケーブルの水中に降ろされた外端部には、海洋観測装置作動部5が系着されている。この作動部には、音響送波部及び光センサ受波アレイが含まれる。複合伝送線3ケーブルは、音響送波部の駆動用大電力の通電系ケーブルと光センサ受波アレイの微弱受波音の光信号伝送の光伝送系ケーブル及びえい航時の強度をそなえたえい航索が一体に形成された複合構造とされている。

【0015】
ケーブルドラム2は、固定のドラム軸15に回転駆動自在に設けられている。ドラム軸15は、計測船1の甲板上の架台4に固定して架設されている。ケーブルドラム2の一側には、駆動プーリよりなる駆動部21がケーブルドラム2に固定して設けられており、図示しないウインチで正逆回転駆動される。

【0016】
ケーブルドラム2の両側におけるドラム軸15には、小径の従動副ドラム17がそれぞれ設けられ、両従動副ドラム17はケーブルドラム2と一体的に回転駆動するように結合されている。ケーブルドラム2に巻回された複合複合伝送線3の内端部分は、上記通電系ケーブルと光伝送系ケーブルに分岐される。通電系ケーブルは一側の従動副ドラム17に巻回された通電系導線10(10A)に接続され、光伝送系ケーブルは他側の従動副ドラム17に巻回された光伝送系導線10(10B)に接続される。上記の導線と通電系及び光伝送系ケーブルは、ケーブルドラム2と従動副ドラム17の外壁を通して接続され直結されている。

【0017】
両従動副ドラム17の両側におけるドラム軸15には、静止副ドラム18が固定して設けられている。

【0018】
従動副ドラム17及び静止副ドラム18の外周上には、ケーブルトラバーサ20が離間して跨がって配置される。ケーブルトラバーサ20は、旋回器22の旋回駆動により、両ドラムの外周上を旋回しつつ、従動副ドラム17に巻き取り又は巻き戻された導線10(10A,10B)の連続部分を、静止副ドラム18に緊張状態を保ちつつ橋渡しして、整列して巻き戻し又は巻き取るようにしている。

【0019】
旋回器22は、従動副ドラム17及び静止副ドラム18の外側において、ドラム軸15に回転自在に設けられる左右一対のフランジ状の旋回盤23、23を有している。左右の旋回盤23、23間には、ガイド杆24と案内杆25が平行に渡設される。案回杆25は、回転自在であり、往復方向の案内螺旋溝が形成されている。旋回盤23の一側には駆動プーリよりなる駆動部26が固定して設けられ、図示しないモータなどにより回転駆動される。駆動部26の回転駆動は、バックテンションを付加するための摩擦板付き補助原動機で駆動される。

【0020】
旋回盤23の内壁には、縦方向に回転軸27が軸支され、回転軸27の上下には傘歯車27A,27Bが固定される。上方(外方)の傘歯車27Aは上記案内杆25に固定された傘歯車25Aに係合している。下方(内方)の傘歯車27Bは上記静止副ドラム18の外壁にドラム軸15と同軸状に設けた環状歯車28に係合している。

【0021】
ケーブルトラバーサ20は、その腕部20Aが従動副ドラム17及び静止副ドラム18の外周上に離間して跨がって配置され、腕部20Aの両端にはコロ等よりなるガイド部29,29が形成されている。腕部20Aの背部には基部20Bが突出し、基部20Bに形成したガイド孔が上記ガイド杆24に遊挿し、基部20Bに形成した螺子孔が上記案内杆25に螺合している。案内杆25の回動により、ケーブルトラバーサ20が従動副ドラム17及び静止副ドラム18の外周上を往復移動するようになっている。腕部20Aの一方のガイド部29から、従動副ドラム17内の導線10を案内し、他方のガイド部29から静止副ドラム18内に導線10を案内する。

【0022】
静止副ドラム18内の導線10は、静止副ドラム18の外壁からドラム軸15の中空15Aを貫通し外部に導出される。一方の静止副ドラム18からの導線10(通電系導線10A)は、甲板の接続箱8から、固定導線9(通電系固定導線9A)を介して計測室6内の機器本体7の送信器に、他方の静止副ドラム18からの導線10(光伝送系導線10B)は、甲板の接続箱8から、固定導線9(光伝送系固定導線9B)を介して計測室6内の機器本体7の光変復調器に連接されている。

【0023】
ケーブルドラム2の片側の従動副ドラム17と静止副ドラム18には、通電系導線10Aを、もう一方の従動副ドラム17と静止副ドラム18には、光伝送系導線10Bを巻回して通過させている。あらかじめ、ケーブルドラム2の巻胴には、複合伝送線3(インナケーブル、えい航索)が巻き込まれている。また、従動副ドラム17には、複合伝送線3が巻き出されるに要するケーブルドラム2の巻胴の回転数に従動副ドラム17径と円周率と1/2を乗じた長さに加えて若干の余裕長のある導線10(通電系導線10A,光伝送系導線10B)が巻き込まれている。

【0024】
なお、導線10(通電系導線10A,光伝送系導線10B)は、複合伝送線3(インナケーブル、えい航索)のうちから、えい航のために構成されているテンションメンバとか水密の被覆部等を除去して細径となし、導線10の曲率半径を極力小さくしたものであり、それに伴い導線10を巻入れる各副ドラムの胴径も小さくなっている。

【0025】
上記装置の作用を説明する。ケーブルドラム2が回転して、複合伝送線3ケーブル(インナケーブル、えい航索)が巻き出されると、従動副ドラム17から導線10が繰り出される。これと同時に、導線10のテンションが緩和されてバックテンションが効くまで、ケーブルトラバーサ駆動部26が回転作動し、旋回器22を介してケーブルトラバーサ20が旋回作動する。その時、導線10は、テンションで張り合いを保ちながらケーブルトラバサー20のガイド部29、29を経由追随して静止副ドラム18に巻き込まれる。これと同時に、旋回器22の旋回盤23と一体に回転軸27が旋回し、その傘歯車27Bが固定の環状歯車28に係合して回転することにより回転軸27が回転する。回転軸27の傘歯車27Aと案内杆25の傘歯車25Aが係合して回転することにより、案内杆25が回転し、その往復螺子溝に係合して、ケーブルトラバーサ20が往復移動し、導線10を従動副ドラム17又は静止副ドラム18の胴部に整列して巻回する。複合伝送線3が巻き出されて停止することにより、ケーブルドラム2の回転も停止すると、所定のバックテンションを保持しつつ、ケーブルトラバサー20は摩擦板で滑り止め状態になる。

【0026】
上記導線10を従動副ドラム17から静止副ドラム18へ移しかえる作業は、計測室6内の測定者が、ケーブルドラム10から導線10の巻き出しの回転指令操作を行うと、ケーブルドラム2の回転によって、ケーブルドラム2に系着している従動副ドラム17から導線10が上述した動作により巻き出されて、バックテンションで滑り停止していた旋回器22付きケーブルトラバーサ20がバックテンションの緩みから効きはじめるまで旋回することによって、静止副ドラム18にケーブルトラバーサ20を経由して導線10が巻き込まれる。

【0027】
複合複合伝送線3をケーブルドラム2に巻き込む場合には、上記と逆動作となる。また、上記において、導線10(通電系導線10A,光伝送系導線10B)のどの部分にも無理な負荷応力が掛かっておらず、上述の作動は、すべて自動的に行われることから、特に作業者の人手を必要としない。

【0028】
上記の実施の形態の構成によると、有線を使って遠隔計測する遠隔探査装置の送受信配線に用いられ、配線の接続部にスリップリングの適用が困難または不利である駆動用大電力等の通電系ケーブルと光信号伝送の光伝送系ケーブルがえい航索に一体に形成し複合伝送線3において、この複合伝送線3を繰り出し、または、巻き込みするケーブルドラム2の回転においても、同ケーブルドラム2の回転や回転速度に関わらず電気的接続と光学的接続が維持することができる。このため、信号の劣化の恐れもなく、観測データの不鮮明な部位があれば、複合伝送線3を繰り出すことにより、直ちにえい航速度を相対的に減じることができ、えい航速度の6乗で増加するフローノイズの影響を避けて、受信信号を際立てられる条件の良いところでの判定が可能となって、取得データの信頼性の向上となる。さらに、探査海面へ再度進出して、探査作業の再開によってデータの取りなおし等の非効率なことも無く、効果的な観測データの取得と探査エリアの拡大が実現できる。この工数の低減効果と探査エリアの拡大は、著しい経済的効果をもたらす。

【0029】
また、従動副ドラム17と静止副ドラム18に跨がり、それらの円周上を回転しながら従動(静止)副ドラムから繰り出された導線10を静止(従動)副ドラムに移し替え整列巻込みするためのバックテンション付加付き旋回器22付きケーブルトラバーサ20の機能構成により、導線10の取込みや出し入れがスムースに行われることが出来ることにより、導線10の乱れ巻きや隙間への食い込みによる破損や断線も防止でき、従来において実施していた導線10の手繰作業の解消もでき、合わせて、手操作業員の無人化も出来る。従って、省力化に大きく貢献すると共に、安全性の心配も不要となって、担当者は探査に従事専念でき、充実した探査が長時間可能となる。

【0030】

【発明の効果】以上のように、本発明の複合伝送線接続装置によれば、機器本体に接続される導線(中継ケーブル)の余裕部分を、ケーブルトラバーサの旋回により、バックテンションをもって従動副ドラムから静止副ドラムに緊張状態を保ちつつ橋渡しして、整列して巻き戻し又は巻き取るようにしたので、従動副ドラムから巻き戻される導線の余裕部分の処理が確実且つ容易であり、従来の装置のように人力により整列させる作業を行う必要もなく、信頼性、安全性及び作業能率が大きく向上する。

【0031】
さらに、一方が移動する2箇所の所要部間を固定結合により電気的及び光学的に接続したので、良好かつ安定した伝導特性が得られ、遠隔探査機の性能と耐候性を向上させるほか、装置の利用性を高める効果及び巻取装置の使用法、安全性及び省力性を向上させる効果もある。電磁干渉の問題を避けるため、送波系には大電力の通電系ケーブル、受波系には光伝送系ケーブルとして別個に構成し、大電力駆動送波により、強力な送波が可能となった上、電磁干渉が無く、かつ、多チャネルの光受波アレイ伝送が可能になったこと及びケーブルドラムの回転操作中においても満足な計測の実施が可能となった。

【0032】
巻取り処理部がケーブルドラムの両側に振り分けて配置可能であり、ケーブルドラムによる巻き上げ作業が安定するほか、複合伝送線等の直結可能な本数がより多く設定でき、チャンネル数の大幅増設が可能となり、信号処理が簡素化できる上、探査性能及び探査効率が格別に向上する。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5