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明細書 :光ファイバ磁気センサ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3493552号 (P3493552)
公開番号 特開2002-257912 (P2002-257912A)
登録日 平成15年11月21日(2003.11.21)
発行日 平成16年2月3日(2004.2.3)
公開日 平成14年9月11日(2002.9.11)
発明の名称または考案の名称 光ファイバ磁気センサ
国際特許分類 G01R 33/032     
G01B  9/02      
FI G01R 33/032
G01B 9/02
請求項の数または発明の数 9
全頁数 7
出願番号 特願2001-052263 (P2001-052263)
出願日 平成13年2月27日(2001.2.27)
審査請求日 平成13年2月27日(2001.2.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
発明者または考案者 【氏名】廣田 恵
【氏名】佐藤 陵沢
個別代理人の代理人 【識別番号】100061273、【弁理士】、【氏名又は名称】佐々木 宗治 (外3名)
審査官 【審査官】中村 直行
参考文献・文献 特開2001-51033(JP,A)
米国特許5305075(US,A)
調査した分野 G01R 33/032
G01R 15/22 - 15/24
G01B 9/02
特許請求の範囲 【請求項1】
センシング光ファイバとリファレンス光ファイバを有する光ファイバ干渉計の前記センシング光ファイバに磁歪材料を接着し、その磁歪材料に交流の励起磁界を印加する光ファイバ磁気センサにおいて、
前記センシング光ファイバに接着された磁歪材料をその歪み方向の一方のみにより固定する固定手段を設けたことを特徴とする光ファイバ磁気センサ。

【請求項2】
前記センシング光ファイバをコイル状に巻き、このコイル状に巻かれたセンシング光ファイバの伸縮方向と直交する対向部分にそれぞれ磁歪材料を接着したことを特徴とする請求項1記載の光ファイバ磁気センサ。

【請求項3】
前記コイル状に巻かれたセンシング光ファイバにそれぞれ接着された磁歪材料の外側に巻かれ交流励起される励起コイルを設けたことを特徴とする請求項2記載の光ファイバ磁気センサ。

【請求項4】
前記コイル状に巻かれたセンシング光ファイバの前記固定手段と反対側の円弧部分について、この円弧部分の反発力による変形を抑える円弧保持手段を設けたことを特徴とする請求項2又は3記載の光ファイバ磁気センサ。

【請求項5】
互に平行に配置された2つの光ファイバを有する光ファイバ干渉計の前記2つの光ファイバにそれぞれ磁歪材料を接着し、その磁歪材料に交流の励起磁界を印加する光ファイバ磁気センサにおいて、
前記2つの光ファイバにそれぞれ接着された磁歪材料をその歪み方向の一方のみにより固定する固定手段を設けたことを特徴とする光ファイバ磁気センサ。

【請求項6】
前記2つの光ファイバをそれぞれコイル状に巻き、そのコイル面を平行に配置すると共に、前記コイル状に巻かれた各光ファイバの伸縮方向と直交する対向部分にそれぞれ磁歪材料を接着したことを特徴とする請求項5記載の光ファイバ磁気センサ。

【請求項7】
前記コイル状に巻かれた2つの光ファイバの伸縮方向と直交する対向部分にそれぞれ接着された磁歪材料の外側にそれぞれ巻かれた励起コイルと、前記それぞれの励起コイルに互に逆方向の交流励起を行い、相互に反対方向の励起磁界を発生させる交流励起手段とを設けたことを特徴とする請求項6記載の光ファイバ磁気センサ。

【請求項8】
前記コイル状に巻かれた2つの光ファイバにそれぞれ接着された2つの磁歪材料の両端の間にそれぞれ磁性材料を設けて磁気閉回路を形成し、且つ前記固定手段と反対側に設けられた磁性材料は前記2つの磁歪材料と接触しないように配置された磁気閉回路形成手段を設けたことを特徴とする請求項6又は7記載の光ファイバ磁気センサ。

【請求項9】
前記磁気閉回路形成手段内の各磁性材料の外側にそれぞれ励起コイルを巻いて、この磁性材料にそれぞれ巻かれた励起コイルと前記磁歪材料にそれぞれ巻かれた励起コイルとをリング状に接続して単一のトロイダルコイルを形成するようにしたことを特徴とする請求項8記載の光ファイバ磁気センサ。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ磁気センサのセンサヘッドに関するものである。

【0002】

【従来の技術】従来、この種のセンサの公知文献としては、例えば下記の文献がある。
文献:US Patent No.5,305,075 ,“MAGNETOSTRICTIVE TRANSDUCER SYSTEM HAVING A THREE DUAL-STRIP FIBER OPTIC MAGNETOSTRICTIVE TRANSDUCER BONDED INTOA SINGLE FIBER MACH-ZEHNDER INTERFEROMETER ”

【0003】
上記文献のFIG.2には、磁気ベクトル計の構成例が示されており、その概要は次の通りである。まずレーザ光源からアイソレータを介して光ファイバ内を伝搬してきたレーザ光は、入力側の光カプラで2つに分岐される。この2つの分岐光の一方はセンサヘッド内のセンシング光ファイバコイルを通過し、その分岐光の他方はリファレンス光ファイバを通過する。この2つの光ファイバの通過光を出口側の光カプラで干渉させマッハ・ツェンダ型干渉計を構成する。この干渉計の出力をO/E変換器(光/電気変換器)で電気信号に変換し、AM復調器に入力すると同時にアクティブホモダインのための帰還制御信号としてリファレンス光ファイバに取り付けた光位相変調器に入力するように構成されている。

【0004】
また上記文献のFIG.1には、センサヘッド内のセンシング光ファイバコイル構成例が示されており、その概要は次の通りである。断面が長円(一対の平行線とその平行線の両端を結ぶ2つの円弧とにより形成される長円)で、所定の奥行きのあるボビンの上に、所定長さのセンシング光ファイバをコイル状に巻きセンシング光ファイバコイルを形成し、このセンシング光ファイバコイルの2つの平坦部(断面では一対の平行線となる部分)にそれぞれ板状の磁歪材料を接着する。そしてこのセンシング光ファイバコイルの両端(断面では2つの円弧の先端)は固定され、また上記2つの磁歪材料は、励起磁界を発生する励起コイルの内側に配置される。

【0005】
そして、このセンサヘッドに磁界が加わると磁歪材料が歪むためセンシング光ファイバコイルが伸び縮みするので、このときセンシング光ファイバコイルを伝わったセンシング光の位相が変化する。この位相変化がO/E変換器の出力に現れる。センサヘッドに予め正弦波状の励起磁界を加えた状態で、測定対象の磁気信号を印加すると、O/E変換器出力の励起磁界成分が測定対象の磁気信号で振幅変調される。この励起磁界成分から磁気信号を復調してセンサヘッドに入力した測定対象の磁気信号を検出する。

【0006】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来の構造のセンサヘッドでは、光ファイバと磁性材料を支持するため、センシング光ファイバコイルの両端を固定している。この構造では、磁気信号により磁歪材料が歪み、センシング光ファイバコイルの磁歪材料を接着した部分が伸び縮みしたとき、センシング光ファイバコイルの両端の円弧を描いた部分とその周辺が変形する。したがって、光ファイバコイル全体の光路長変化量と比例する光の位相変化量が、磁歪材料の歪みと単純な比例関係ではなくなり、センサ動作の線形性が低下する。また、光ファイバコイルが変形するときの光ファイバコイルの弾性で光ファイバコイルの伸び縮みを抑制する力が働き感度が低下するという問題があった。

【0007】

【課題を解決するための手段】本発明に係る光ファイバ磁気センサは、センシング光ファイバとリファレンス光ファイバを有する光ファイバ干渉計の前記センシング光ファイバに磁歪材料を接着し、その磁歪材料に交流の励起磁界を印加する光ファイバ磁気センサにおいて、前記センシング光ファイバに接着された磁歪材料をその歪み方向の一方のみにより固定する固定手段を設けたものである。その結果、磁歪材料の歪みを抑制する力が軽減され磁気検出感度が向上すると共に、磁歪材料の歪み以外でのセンシング光ファイバの変形が低減されセンサ計測値の線形性が向上する。

【0008】

【発明の実施の形態】実施形態1
図1は本発明の実施形態1に係る光ファイバ磁気センサの構成図であり、図2は図1の磁気センサヘッドの斜視図である。図1、2において、1は光源であり、例えばレーザ光源を用いる。2はPhaseGenerated Carrier (以下PGCと記す)信号発生器であり、光源1の発生するレーザ光を周波数変調するための変調信号(例えば正弦波信号)を発生する。3は光ファイバ、4は入力側の光カプラ、5は長円形のコイル状に巻かれたセンシング光ファイバコイル、6はリファレンス光ファイバである。

【0009】
また、7はシート状に形成された磁歪材料(この例ではアモルファス金属)であり、図の上下方向(信号検出方向と同一方向)がその歪み方向である。8は励起磁界を発生するための励起コイルであり、磁歪材料7の外側に配置される。9は励起信号発生器であり、正弦波状の励起信号を発生して励起コイル8とAM復調器15に供給する。10は例えば糸等の補強具、11は磁歪材料7をその歪み方向(図の上下方向)の一方(図の下側)のみで固定する固定部、12は出力側の光カプラ、13はO/E(光/電気)変換器、14はPGC復調器、15はAM復調器である。

【0010】
図1の構成を図2を参照して説明する。光源1からの出力光が入力される入力側の光カプラ4、センシング光ファイバコイル5、リファレンス光ファイバ6、及び出力側の光カプラ12によりマッハ・ツェンダ光干渉計が構成される(図1の破線で囲まれる部分を参照)。干渉計の出力は、O/E変換器13を介してPGC復調器14に接続され、このPGC復調器14の出力はAM復調器15に接続される。光源1とPGC復調器14には、PGCホモダイン変調と復調のために、PGC信号発生器2の発生出力がそれぞれ接続される。

【0011】
センシング光ファイバコイル5は、断面が図1の長円(一対の平行線とその平行線の両端を結ぶ2つの円弧とにより形成される長円)の形状で、図2の斜視図に示す奥行き方向に光ファイバが何回かコイル状に巻かれ、前記一対の平行線とその奥行き深さとにより形成される2つの(図示の左側と右側の)各平坦部には、その表側と裏側の両方又はいずれか一方(図示では両側としている)にシート状のアモルファス金属磁歪材料7がそれぞれ接着されている。ここで前記平行線の長さ方向(図示の信号検出方向と同一の上下方向)が磁歪材料7の歪み方向となるように選定する。そしてこれらの(図示では4個の)磁歪材料7の歪み方向の一方(図示では下側)が固定部11に固定された構造になっている(図2の斜視図を参照)。

【0012】
なおセンシング光ファイバコイル5と2つの磁歪材料7を接着する樹脂は、樹脂の硬化後、センシング光ファイバコイル5と磁歪材料7が大きく変形しない適度の硬さで、磁歪材料の磁気歪を強く抑制しない程度の軟らかさをもつ硬度のものが使用される。またセンシング光ファイバコイル5、磁歪材料7、励起コイル8、補強具10及び固定部11により磁気センサヘッドが構成される。

【0013】
またセンシング光ファイバコイル5を小形化するため、長円形状の光ファイバの弧を描いた部分の曲げ半径を小さくする場合等に、光ファイバの弧を描いた部分の反発力によるセンシング光ファイバコイル5の変形が樹脂だけでは抑えられない場合に、糸等の補強具10を長円形状光ファイバコイル5の固定部11で固定されていない方(図示の上側)の弧の部分に取付け、光ファイバの反発力を抑える。前記4つの磁歪材料7は、励起信号発生器9に接続された励起コイル8の内側に配置される。この励起コイル8とAM復調器15には、励起信号発生器9の発生した正弦波状の励起信号が供給される。

【0014】
図1の動作を説明する。PGC信号発生器2から供給される正弦波の変調信号によりPGC変調されたレーザ光が光源1から出力され、光ファバ3を通って、入力側の光カプラ4により2つの光に分岐される。この一方の分岐光はセンシング光ファイバコイル5を通過し、他方の分岐光はリファレンス光ファイバ6を通過する。このとき励起コイル8は、励起信号発生器9から供給される正弦波状の励起信号に基づき励起磁界を発生しているので、この励起磁界によって前記合計4個の磁歪材料7はその歪み方向(図の信号検出方向)に伸び縮みし、これらの磁歪材料7に接着されているセンシング光ファイバコイル5の光ファイバ部分も共に伸び縮みする。従ってこのときセンシング光ファイバコイル5内を伝搬するセンシング光には励起信号による位相変化が生じる。

【0015】
センシング光ファイバコイル5の通過光とリファレンス光ファイバ6の通過光は光カプラ12に入力され、光カプラ12は2つの入力光を干渉させ、その干渉結果の光を出力する。上記のように構成された光ファイバ磁気センサのセンサヘッドに外部磁界が印加されると、磁歪材料7には励起磁界と外部磁界とが重畳された磁界が印加され、センシング光ファイバコイル5を通過するセンシング光には、2つの重畳磁界に基づく位相変化が生じる。そして光カプラ12は、前記重畳磁界に基づく位相変化に対応して変化した干渉光を出力する。

【0016】
光カプラ12から出力される干渉光は、O/E変換器13を介して電気信号に変換されてPGC復調器14に供給される。PGC復調器14は、PGC信号発生器2からのPGC信号を用い、入力信号をパッシブホモダイン処理で復調する。このPGC復調器14の出力には、前記励起磁界と外部磁界との重畳磁界の印加により磁歪材料7を介して生じたセンシング光ファイバ5におけるセンシング光の位相変化が現れている。換言すると外部磁界が印加されることによって、PGC復調器14の出力の励起磁界成分は外部磁界信号によって振幅変調を受けている。

【0017】
そこでPGC復調器14の出力はAM復調器15に供給され、AM復調器15は、励起信号発生器9から供給される励起信号を用いて、前記励起磁界成分から外部磁界信号を復調して、磁歪材料7に印加された外部磁気信号を検出する。なお信号の検出方向は図示の上下方向であり、外部磁気信号は直流又は交流のいずれでも検出できる。

【0018】
本実施形態1では、磁歪材料7の歪み方向の片側のみを固定部11に固定した構造とすることで、磁界による磁歪材料7の歪みを抑制する力が軽減されているため、磁気検出感度が向上する。また磁界による磁歪材料7の歪み以外でのセンシング光ファイバコイル5の変形が抑制される構造であるので、センサ計測値の線形性が向上する。

【0019】
実施形態2
図3は本発明の実施形態2に係る光干渉計部分の構成図であり、図4は図3の磁気センサヘッドの斜視図である。図3,4において、21は光ファイバコイル(A)、22は光ファイバコイル(B)、23はヨーク、24は磁歪材料、25は励起コイル、26は固定部、27,28はそれぞれ光カプラである。前記実施形態1における図1の破線で囲まれた光干渉計部分の代りに、図3の構成の光干渉計部分を使用することにより、実施形態2における光ファイバ磁気センサは構成される。従って実施形態2では、光干渉計部分のみを説明する。

【0020】
図3の構成を図4を参照して説明する。光ファイバ(A)21、光ファイバコイル(B)22は、それぞれ図1,2におけるセンシング光ファイバコイル5とほぼ同様に構成される。即ち断面が長円(前記一対の平行線とその平行線の両端を結ぶ2つの円弧により形成される長円)の形状で奥行き方向(図4の左右の方向)に、ほぼ同じ長さの光ファイバがコイル状に巻かれ、そのコイル面は平行に配置される。そして各光ファイバコイルの前記一対の平行線とその奥行き深とにより形成される平坦部の表側と裏側の両方又はいずれか一方(図3の右図では両側として示される)にシート状のアモルファス金属磁歪材料24がそれぞれ接着されている。ここで前記平行線の長さ方向(図示の信号検出方向と同一の方向)が磁歪材料24の歪み方向となるように選定する。

【0021】
そしてこれらの(この例では光ファイバコイル(A)21に4個、光ファイバコイル(B)22に4個の合計8個の)磁歪材料24の歪み方向の一方(図示では下側)が固定部26に固定された構造になっている(図4の斜視図を参照)。また光ファイバ(A)21と光ファイバ(B)22の平坦部の表側と裏側にそれぞれ接着された磁歪材料24の両端が磁気的に結合するように4つのヨーク23(図4の斜視図を参照)が配置され、ループ状に閉じた磁気回路が構成されている。但し固定部26の反対側に配置されるヨーク23は、磁歪材料24の歪みを抑制しないように、磁歪材料24に直接接触しないようにわずかに離して配置される。

【0022】
磁歪材料24とヨーク23で構成された磁気回路には、励起コイル25が巻かれている。この励起コイル25の向きは、同じ光ファイバコイルに接着してある4個の磁歪材料24には同じ方向の磁界が加わり、光ファイバコイル(A)21に接着してある4個の磁歪材料24と光ファイバコイル(B)22に接着してある4個の磁歪材料24とには、互に逆方向の磁界が加わる向きに巻いてある。なお、この実施形態2では、上記磁歪材料24とヨーク23で構成される磁気回路にそれぞれ巻かれる励起コイルをリング状に接続して単一のトロイダルコイルを形成し、効率良く磁界を発生させるようにしている。

【0023】
光ファイバコイル(A)21と光ファイバコイル(B)22のそれぞれの両端に光カプラ27,28が接続されてマッハ・ツェンダ光干渉計が構成される。即ち入力光は一方の光カプラで2つに分岐され、2つの光ファイバコイルのそれぞれの一端に入力され、2つの光ファイバコイルのそれぞれの他端からの出力光は他方の光カプラで干渉させて出力する(図3の左図を参照)。そして2つの光ファイバコイル21,22の下側の円弧部分と、光カプラ27,28と、これらの間を接続する光ファイバとは固定部26に固定されている。上記光干渉計以外は、実施形態1と同様に光ファイバ磁気センサは構成される。

【0024】
図3の動作を説明する。励起信号発生器9(図1を参照)からの交流励起信号によって励起コイル25に交流電流を流すと、光ファイバコイル(A)21に接着した磁歪材料24と、光ファイバコイル(B)22に接着した磁歪材料24には互に相反する方向に交流励起磁界が発生する。ここに、測定対象である磁気信号HS が印加されたときの光ファイバコイル(A)21と光ファイバコイル(B)22の歪み量をそれぞれξA とξB とすると、これらは下記の(1),(2)式で表される。

【0025】

ξA =C(HS -HACcos ωm t)2 …(1)
ξB =C(HS +HACcos ωm t)2 …(2)

【0026】
ここで、HS は外部から印加された磁気信号、HACとωm は交流励起磁界の振幅と角周波数、Cは磁歪材料の磁歪特性で決まる一般に定数として扱える量である。このように磁歪材料24は、励起磁界と外部磁界との重畳された磁界により歪み、この磁歪材料24の歪みに比例して光ファイバコイル(A)21と(B)22も歪む。

【0027】
光源1(図1を参照)から出力されるPGC変調されたレーザ光は、入力側の光カプラ27で2つの光に分岐され、その一方の分岐光は光ファイバコイル(A)21を通過し、他方の分岐光は光ファイバコイル(B)22を通過する。この光ファイバコイル(A)21と(B)22を通過した光の位相は、各光ファイバの歪により変化する。そして光ファイバコイル(A)21と(B)22を通過した2つの光を出力側の光カプラ28で干渉させて出力し、O/E変換器13(図1を参照)に供給する。

【0028】
O/E変換器13によって電気信号に変換される出力信号の位相に、2つの光ファイバコイル(A)21と(B)22を通過した光の位相差Δθが現れる。そしてこの位相差Δθは次の(3)式で示される。

【0029】

Δθ=a(ξB -ξA )=4aCHS ACcos ωm t …(3)

【0030】
ここで、aは光ファイバコイルのファイバ長等で決まる定数である。O/E変換器13から出力される2つの光ファイバコイルの位相差Δθは、PGC復調器14(図1を参照)によりパッシブホモダイン処理で復調され、AM復調器15(図1を参照)によりAM復調され、測定対象である磁気信号HS が検出される(この動作は図1の場合と同様である)。なお信号の検出方向は図示の上下方向であり、測定対象の磁気信号HS は、直流又は交流のいずれでも検出できる。

【0031】
本実施形態2では、下記の効果を得ることができる。
(1)磁歪材料24の片側だけを固定部26に固定したことで磁歪材料24の磁界による歪みを抑制する力が軽減されているため磁気検出感度が向上する。
(2)磁歪材料24の磁界による歪み以外でのセンシングファイバ(A)21,(B)22の変形が抑えられる構成であるためセンサ計測値の線形性が向上する。
(3)光ファイバコイル(A)21と光ファイバコイル(B)22のファイバ長がほぼ均一なため、2つの光ファイバコイル内で起こる温度変動による位相変化が同量同方向になる。したがって、2つの光ファイバコイルを通過した光の位相差を検出する本実施形態2では、温度変動による位相変化が抑制される。
(4)干渉計を構成する2つの光カプラと光ファイバコイルを一体にしてあるので振動による雑音が抑制される。
(5)交流バイアス磁界の発生にトロイダルコイルを用いているので、有限長のソレノイドコイルに比べて小さい電流で交流バイアス磁界を発生することができる。
(6)固定部26の反対側のヨーク23が磁歪材料24に直接接触しないように構成してあるため、磁歪材料の歪みを妨げることなく高感度に磁気信号を検出できる。

【0032】
前記実施形態1,2においては、光干渉計としてマッハ・ツェンダ光干渉計を構成する例で説明したが、マイケルソン光干渉計など他の型の光干渉計を構成することもできる。例えばマイケルソン光干渉計の場合には、出力側の光カプラの代りにミラーを設け、このミラーからの反射光を入力側に戻し、入力側ではこの反射光を入力光と分離してO/E変換器13に供給するようにすればよい。また実施形態1,2においては、PGCホモダイン方式で干渉計での光の位相差を検出する例を説明したが、アクティブホモダイン方式、ヘテロダイン方式などの他の方式を用いることもできる。また実施形態1,2においては、磁歪材料としてアモルファス金属磁歪材料を用いる例を説明したが、他の磁歪材料を用いて構成することもできる。

【0033】
また実施形態1,2においては、センサ光ファイバコイルの内側と外側に各1枚の磁歪材料を接着する例を説明したが、片側のみに磁歪材料を接着しても、また内側と外側にそれぞれ複数枚接着してもよい。また実施形態2では、固定部26と反対側の光ファイバの弧を描いた部分の反発力による光ファイバコイルの変形を抑える補強具を用いない例で説明したが、実施形態1の場合と同様に補強具を取り付けて構成することもできる。実施形態1,2においては、センサ光ファイバをコイル状に巻いて磁歪材料と接着した例を説明したが、コイル状に巻かずに1本だけで構成してもよい。

【0034】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、センシング光ファイバとリファレンス光ファイバを有する光ファイバ干渉計の前記センシング光ファイバに磁歪材料を接着し、その磁歪材料に交流の励起磁界を印加する光ファイバ磁気センサにおいて、前記センシング光ファイバに接着された磁歪材料をその歪み方向の一方のみにより固定する固定手段を設けるようにしたので、その結果、磁歪材料の歪みを抑制する力が軽減され磁気検出感度が向上すると共に、磁歪材料の歪み以外でのセンシング光ファイバの変形が低減されセンサ計測値の線形性が向上する。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3