TOP > 国内特許検索 > 航空機における他機位置表示方法及び装置 > 明細書

明細書 :航空機における他機位置表示方法及び装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3644495号 (P3644495)
公開番号 特開2002-308195 (P2002-308195A)
登録日 平成17年2月10日(2005.2.10)
発行日 平成17年4月27日(2005.4.27)
公開日 平成14年10月23日(2002.10.23)
発明の名称または考案の名称 航空機における他機位置表示方法及び装置
国際特許分類 B64D 45/00      
G01S  7/06      
G01S 13/06      
FI B64D 45/00 A
G01S 7/06 Z
G01S 13/06
請求項の数または発明の数 7
全頁数 10
出願番号 特願2001-116612 (P2001-116612)
出願日 平成13年4月16日(2001.4.16)
審査請求日 平成13年4月16日(2001.4.16)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】富士重工業株式会社
発明者または考案者 【氏名】井出 正城
【氏名】広瀬 学
【氏名】林口 寛之
個別代理人の代理人 【識別番号】100100354、【弁理士】、【氏名又は名称】江藤 聡明
審査官 【審査官】小山 卓志
参考文献・文献 特開昭61-079180(JP,A)
特開平05-067300(JP,A)
特開2000-140416(JP,A)
特開平07-229960(JP,A)
特開2000-056260(JP,A)
調査した分野 B64D 45/00
G01S 7/06
G01S 13/06
特許請求の範囲 【請求項1】
自機の姿勢角を検出すると共に、自機に対する他機の相対位置を検出し、これら検出した姿勢角情報及び相対位置情報に基づいて、自機の機体軸座標系から見た他機位置情報を、他機位置方向に先端を向けた矢柄のある矢印シンボルとして、他機が自機の前方側に位置するときは上記矢柄を先細に、他機が自機の後方側に位置するときは上記矢柄を先太にして表示することを特徴とする航空機における他機位置表示方法。
【請求項2】
上記矢印シンボルは、パイロットが正面を向いた状態で視認可能に、ヘッドアップディスプレイにより外界に重畳して投影表示することを特徴とする請求項1記載の航空機における他機位置表示方法。
【請求項3】
パイロットの頭部の姿勢角を検出すると共に、自機に対する他機の相対位置を検出し、これら検出した姿勢角情報及び相対位置情報に基づいて、パイロットの頭部の座標系から見た他機位置情報を、他機位置方向に先端を向けた矢柄のある矢印シンボルとして、他機が自機の前方側に位置するときは上記矢柄を先細に、他機が自機の後方側に位置するときは上記矢柄を先太にして、パイロットが装着するヘルメットに搭載したヘルメットマウンテッドディスプレイにより外界に重畳して投影表示することを特徴とする航空機における他機位置表示方法。
【請求項4】
他機が自機の横に位置するときは、上記矢柄を均一な幅として上記矢印シンボルを表示することを特徴とする請求項1~3に記載の航空機における他機位置表示方法。
【請求項5】
上記相対位置情報は、他機との相対距離情報を含み、該相対距離情報に基づいて上記矢印シンボルの表示色を変化させることを特徴とする請求項1~4に記載の航空機における他機位置表示方法。
【請求項6】
自機の姿勢角を検出する姿勢角検出手段と、
自機に対する他機の相対位置を検出する他機位置探索手段と、
上記姿勢角検出手段及び他機位置探索手段で各々検出した姿勢角情報及び相対位置情報に基づいて、自機の機体軸座標系から見た他機位置情報を演算する演算手段と、
他機位置情報を表示する表示手段と、
上記演算手段で演算された他機位置情報を、他機位置方向に先端を向けた矢柄のある矢印シンボルとして、他機が自機の前方側に位置するときは上記矢柄を先細に、他機が自機の後方側に位置するときは上記矢柄を先太にして、上記表示手段により表示するよう制御する表示制御手段とを有することを特徴とする航空機における他機位置表示装置。
【請求項7】
パイロットが装着するヘルメットに搭載され、他機位置情報を外界に重畳して投影表示するヘルメットマウンテッドディスプレイと、
上記ヘルメットを介してパイロットの頭部の姿勢角を検出する姿勢角検出手段と、
自機に対する他機の相対位置を検出する他機位置探索手段と、
上記姿勢角検出手段及び他機位置探索手段で各々検出した姿勢角情報及び相対位置情報に基づいて、パイロットの頭部の座標系から見た他機位置情報を演算する演算手段と、
該演算手段からの他機位置情報を、他機位置方向に先端を向けた矢柄のある矢印シンボルとして、他機が自機の前方側に位置するときは上記矢柄を先細に、他機が自機の後方側に位置するときは上記矢柄を先太にして、上記ヘルメットマウンテッドディスプレイにより投影表示するよう制御する表示制御手段とを有することを特徴とする航空機における他機位置表示装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空機のパイロットに他機の相対位置を視認させるための航空機における他機位置表示方法、及び該方法を実施する他機位置表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、航空機のパイロットに他機位置を知らせる方法としては、自機に搭載したレーダー等により他機との相対距離を検出し、その距離情報に基づいてコックピットの通常計器パネルの平面ディスプレイに、自機を中心とする放射線上に他機位置を表示するようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の他機位置表示方法にあっては、他機との相対距離は把握できても、表示される他機位置は自機の姿勢変化やパイロットの頭部の姿勢変化には対応しないため、自機の機首を他機に向けるポインティング動作に時間を要する。
【0004】
特に、この自機の機首を他機に向けるポインティング動作に必要とする時間は、PSM(Post Stall Maneuver:高迎角運動)可能な航空機において重大となる。すなわち、PSM可能な航空機は、迎角が通常の航空機よりも非常に大きくなっても、例えば速度ベクトル方向と機体軸方向との角度が90°近くまでなっても飛行が可能で、この運動特性により迅速にポインティングすることが可能となっている。
【0005】
しかし、PSM可能な航空機では、例えば、迎角が小さい略水平飛行状態から高迎角運動状態に移行すると、パイロットはそれまで正面に目視で確認できていた他機が、自機の下になって見えなくなると共に、高迎角運動状態に移行する際には、パイロットは通常計器パネルから視線を逸らすことが多いため、他機位置を一瞬見失う場合がある。この場合には、その後、通常計器パネルに視線を向けて平面ディスプレイから他機位置を確認することになるが、平面ディスプレイに表示される他機位置は、上記のように自機の姿勢変化やパイロットの頭部の姿勢変化に対応していないために、次のポインティングまでの動作移行に支障をきたし、航空機の性能を十分発揮できなくなる。
【0006】
従って、かかる点に鑑みてなされた本発明の第1の目的は、自機の姿勢変化やパイロットの姿勢変化に対応して他機位置方向を把握でき、ポインティング動作をスムーズに行うことができる航空機における他機位置表示方法を提供することにある。
【0007】
更に、本発明の第2の目的は、上記の他機位置表示方法を簡単かつ安価に実施できるよう適切に構成した他機位置表示装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成する請求項1に記載の航空機における他機位置表示方法の発明は、自機の姿勢角を検出すると共に、自機に対する他機の相対位置を検出し、これら検出した姿勢角情報及び相対位置情報に基づいて、自機の機体軸座標系から見た他機位置情報を、他機位置方向に先端を向けた矢柄のある矢印シンボルとして、他機が自機の前方側に位置するときは上記矢柄を先細に、他機が自機の後方側に位置するときは上記矢柄を先太にして表示することを特徴とする。
【0009】
この請求項1の発明によると、自機の機体軸座標系から見た他機位置情報が、他機位置方向に先端を向けた矢柄のある矢印シンボルとして、自機の姿勢変化に対応して表示され、しかも、他機が自機の前方側に位置するときは先細の矢柄で、他機が自機の後方側に位置するときは先太の矢柄で表示されるので、その矢印シンボルを視認することで、あらゆる飛行状態でも他機位置方向を把握することができ、ポインティング動作をスムーズに行うことが可能となると共に、PSM可能な航空機では高迎角飛行状態に移行すべきか否かの判断を迅速に行うことが可能となる
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1の航空機における他機位置表示方法において、上記矢印シンボルは、パイロットが正面を向いた状態で視認可能に、ヘッドアップディスプレイにより外界に重畳して投影表示することを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明によると、パイロットは通常計器パネルに視線を下ろすことなく、正面を向いた状態でヘッドアップディスプレイにより投影表示される他機位置情報を示す矢印シンボルを視認することができる。しかも、ヘッドアップディスプレイにより表示される矢印シンボルは、外界に重畳して表示されるので、視野が妨げられることもない。従って、パイロットのワークロードを増やすことなく、他機位置方向を把握することができ、特にPSM可能な航空機においては、通常飛行状態から高迎角飛行状態への移行、及び高迎角飛行状態からポインティング動作への移行を迅速に行うことが可能となり、その性能を十分発揮することができる。
【0012】
請求項3に記載の航空機における他機位置表示方法の発明は、パイロットの頭部の姿勢角を検出すると共に、自機に対する他機の相対位置を検出し、これら検出した姿勢角情報及び相対位置情報に基づいて、パイロットの頭部の座標系から見た他機位置情報を、他機位置方向に先端を向けた矢柄のある矢印シンボルとして、他機が自機の前方側に位置するときは上記矢柄を先細に、他機が自機の後方側に位置するときは上記矢柄を先太にして、パイロットが装着するヘルメットに搭載したヘルメットマウンテッドディスプレイにより外界に重畳して投影表示することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明によると、パイロットの頭部の座標系、すなわちパイロットのアイポイントから見た他機位置情報が、他機位置方向に先端を向けた矢柄のある矢印シンボルとして、パイロットの頭部の姿勢変化に対応してヘルメットマウンテッドディスプレイにより外界に重畳して投影表示され、しかも、他機が自機の前方側に位置するときは先細の矢柄で、他機が自機の後方側に位置するときは先太の矢柄で表示されるので、パイロットはあらゆる飛行状態でも、全く視線を変えることなく、また視野を妨げられることなく、常に矢印シンボルを視認することができる。従って、パイロットのワークロードを何ら増やすことなく、他機位置方向を把握することが可能となるので、特にPSM可能な航空機においては、高迎角飛行状態に移行すべきか否かの判断を迅速に行うことができ、その性能を十分発揮することが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3に記載の航空機における他機位置表示方法において、他機が自機の横に位置するときは、上記矢柄を均一な幅として上記矢印シンボルを表示することを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明によると、他機が自機の横に位置するときは、矢柄の幅が均一な矢印シンボルとして表示されるので、その矢印シンボルを視認することで、他機が横方向に位置することが容易に把握することができ、ポインティング動作をスムーズに行うことが可能となる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4に記載の航空機における他機位置表示方法において、上記相対位置情報は、他機との相対距離情報を含み、該相対距離情報に基づいて上記矢印シンボルの表示色を変化させることを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明によると、例えば、検出した相対距離情報に応じて矢印シンボルの表示色を変化させることが可能となるので、これによりPSM可能な航空機では高迎角飛行状態に移行すべきか否かの判断を迅速に行うことが可能となる。
【0018】
更に、上記第2の目的を達成する請求項6に記載の航空機における他機位置表示装置の発明は、自機の姿勢角を検出する姿勢角検出手段と、自機に対する他機の相対位置を検出する他機位置探索手段と、上記姿勢角検出手段及び他機位置探索手段で各々検出した姿勢角情報及び相対位置情報に基づいて、自機の機体軸座標系から見た他機位置情報を演算する演算手段と、他機位置情報を表示する表示手段と、上記演算手段で演算された他機位置情報を、他機位置方向に先端を向けた矢柄のある矢印シンボルとして、他機が自機の前方側に位置するときは上記矢柄を先細に、他機が自機の後方側に位置するときは上記矢柄を先太にして、上記表示手段により表示するよう制御する表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明によると、姿勢角検出手段及び他機位置探索手段は、例えば航空機に通常搭載されている自機姿勢角計及び他機位置探索レーダーを各々用いることができ、演算手段についても航空機に通常搭載されているコンピュータを用いて自機の機体軸座標系から見た他機位置情報を演算することができ、またヘッドアップディスプレイが設けられている場合には、これを表示手段として利用することができるので、演算手段で演算した他機位置情報を、他機位置方向に先端を向けた矢柄のある矢印シンボルとして、他機が自機の前方側に位置するときは矢柄を先細に、他機が自機の後方側に位置するときは矢柄を先太にして、ヘッドアップディスプレイにより投影表示する表示制御手段を付加するだけで、簡単かつ安価に実施することが可能となる。
【0020】
請求項7に記載の航空機における他機位置表示装置の発明は、パイロットが装着するヘルメットに搭載され、他機位置情報を外界に重畳して投影表示するヘルメットマウンテッドディスプレイと、上記ヘルメットを介してパイロットの頭部の姿勢角を検出する姿勢角検出手段と、自機に対する他機の相対位置を検出する他機位置探索手段と、上記姿勢角検出手段及び他機位置探索手段で各々検出した姿勢角情報及び相対位置情報に基づいて、パイロットの頭部の座標系から見た他機位置情報を演算する演算手段と、該演算手段からの他機位置情報を、他機位置方向に先端を向けた矢柄のある矢印シンボルとして、他機が自機の前方側に位置するときは上記矢柄を先細に、他機が自機の後方側に位置するときは上記矢柄を先太にして、上記ヘルメットマウンテッドディスプレイにより投影表示するよう制御する表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0021】
請求項7の発明によると、他機位置探索手段及び演算手段は、例えば航空機に通常搭載されている他機位置探索レーダー及びコンピュータを各々用いることができるので、パイロットが装着するヘルメットに、他機位置情報を矢印シンボルとして外界に重畳して表示するヘルメットマウンテッドディスプレイを搭載すると共に、ヘルメットの姿勢角を検出する姿勢角検出手段と、ヘルメットマウンテッドディスプレイの表示制御手段とを付加するだけで、簡単かつ安価に実施することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る航空機における他機位置表示方法及び装置の実施の形態を図によって説明する。
【0023】
(第1実施の形態)
図1及び図2は、他機位置表示装置の第1実施の形態を示すもので、図1はブロック図を、図2は図1に示すシンボル表示指令計算コンピュータでの処理のフローチャートを各々示している。この他機位置表示装置は、航空機(自機)に搭載した他機位置探索手段としての他機位置探索レーダー1と、姿勢角検出手段としての自機姿勢角計2と、演算手段としてのシンボル表示指令計算コンピュータ3と、パイロットが正面を向いた状態で視認可能に、コックピットの通常計器パネル4の上方に他機位置情報を矢印シンボル8として外界に重畳して投影表示するヘッドアップディスプレイ(HUD)5と、表示制御手段としてのHUD表示制御ユニット6とを有する。
【0024】
他機位置探索レーダー1は、自機に対する他機7の相対位置を表す相対高度、相対方位及び相対距離を検出するよう構成し、該検出した相対位置情報はシンボル表示指令計算コンピュータ3に供給する。また、自機姿勢角計2は、自機の姿勢角を表すピッチ角、ロール角及び方位角を検出するよう構成し、その検出した姿勢角情報はシンボル表示指令計算コンピュータ3に供給する。
【0025】
シンボル表示指令計算コンピュータ3では、図2にフローチャートを示すように、他機位置探索レーダー1からの相対位置情報及び自機姿勢角計2からの姿勢角情報を所定の周期で取り込んで(ステップS1)、各周期において、先ず、相対位置情報及び姿勢角情報に基づいて自機の機体軸座標系での自機と他機7との相対角度を演算する(ステップS2)。次に、演算した相対角度に基づいてHUD5の座標系でのシンボルの姿勢角を演算する(ステップS3)。また、他機7との相対距離に応じてシンボルの表示色設定処理を行い(ステップS4)、ステップS3で演算したシンボル姿勢角及びステップS4で設定したシンボル表示色の情報を含むシンボル表示指令をHUD表示制御ユニット6に出力する(ステップS5)。
【0026】
HUD表示制御ユニット6では、シンボル表示指令計算コンピュータ3からのシンボル表示指令に基づいて矢印シンボル8の映像信号を生成し、その映像信号をHUD5に供給して、自機の機体軸座標系から見た他機位置情報を、他機位置方向に矢印先端を向け、他機7との相対距離に応じた表示色の矢印シンボル8として所定の位置に投影表示する。そして、他機が前方側に位置するときには、先細りに、横に位置するときには均一な幅の矢柄に、後方側に位置するときには先太に矢印シンボル8を変化させる。
【0027】
このように構成された他機位置表示装置によると、自機の機体軸座標系から見た他機位置情報が、HUD5によりパイロットが正面を向いた状態で視認可能に、所定の位置に矢印シンボル8として外界に重畳して投影表示されるので、パイロットは他機位置を確実に把握することができる。
【0028】
また、パイロットは、HUD5によって投影表示される矢印シンボル8の先端の向きおよび矢柄の形状によって、他機7の方向を容易に判断できるので、特にPSM可能な航空機においては、通常飛行状態から高迎角飛行状態への移行、及び高迎角飛行状態からポインティング動作への移行を迅速に行うことでき、その性能を十分発揮することができると共に、矢印シンボル8の表示色から他機7との相対距離を容易に把握することができるので、特にPSM可能な航空機では高迎角飛行状態に移行すべきかの判断を容易に行うことができる。
【0029】
更に、HUD5により矢印シンボル8を外界に重畳して投影表示することにより、パイロットは通常計器パネル4まで視線を落とすことなく、他機位置情報を得ることができるので、パイロットのワークロードを増やすことなく、航空機を操縦することができる。
【0030】
また、他機位置探索レーダー1及び自機姿勢角計2は、航空機に通常搭載されているものを利用でき、シンボル表示指令計算コンピュータ3も航空機に通常搭載されているコンピュータを利用でき、更に、飛行高度や速度表示用としてHUDが既に設けられている場合には、これを利用することができるので、簡単かつ安価に構成することができる。
【0031】
(第2実施の形態)
図3及び図4は、他機位置表示装置の第2実施の形態を示すもので、図3はブロック図を、図4は図3に示すシンボル表示指令計算コンピュータでの処理のフローチャートをそれぞれ示している。この他機位置表示装置では、パイロットが装着するヘルメット11にヘルメットマウンテッドディスプレイ(HMD)12を搭載し、このHMD12にパイロットの頭部の座標系、すなわちパイロットのアイポイントから見た他機位置情報を、他機位置方向に先端を向けた矢柄のある矢印シンボル13として、他機が自機の前方側に位置するときは矢柄を先細に、他機が自機の後方側に位置するときは矢柄を先太にして、他機との相対距離に応じた表示色外界に重畳して投影表示する。
【0032】
このため、本実施の形態では、航空機(自機)に他機位置探索レーダー14を搭載して自機に対する他機7の相対位置を表す相対高度、相対方位及び相対距離を検出し、その検出した相対位置情報をシンボル表示指令計算コンピュータ15に供給する。また、ヘルメット11にはヘッドモーションセンサ16を設けると共に、コックピットの適宜の位置にはヘッドモーショントラッカー17を設け、これらヘッドモーションセンサ16及びヘッドモーショントラッカー17の出力を各々ヘッドモーション処理ユニット18に供給して、パイロットの頭部姿勢角を表すピッチ角、ロール角及び方位角を検出し、その検出した頭部姿勢角情報をシンボル表示指令計算コンピュータ15に供給する。
【0033】
シンボル表示指令計算コンピュータ15では、図4にフローチャートを示すように、他機位置探索レーダー14からの相対位置情報及びヘッドモーション処理ユニット18からの頭部姿勢角情報を所定の周期で取り込み(ステップS11)、各周期において、先ず、相対位置情報及び頭部姿勢角情報に基づいてパイロット頭部の座標系から見たパイロットのアイポイントと他機7との相対角度を演算する(ステップS12)。次に、演算した相対角度に基づいてHMD12の座標系でのシンボルの姿勢角を演算する(ステップS13)。
【0034】
また、他機7との相対距離に応じてシンボルの表示色設定処理を行い(ステップS14)、ステップS13で演算したシンボル姿勢角及びステップS14で設定したシンボル表示色の情報を含むシンボル表示指令をシンボル表示制御ユニット19に出力する(ステップS15)。
【0035】
シンボル表示制御ユニット19では、シンボル表示指令計算コンピュータ15からのシンボル表示指令に基づいて矢印シンボル8の映像信号を生成し、その映像信号を映像信号入出力部20を経てHMD12に供給して、パイロットの頭部座標系から見た他機位置情報を、他機位置方向に先端を向けた矢柄のある矢印シンボル13として、他機が自機の前方側に位置するときは矢柄を先細に、他機が自機の後方側に位置するときは矢柄を先太にして、他機7との相対距離に応じた表示色外界に重畳して、所定の位置に投影表示する。
【0036】
このように構成された他機位置表示装置によると、他機位置情報を表す矢印シンボル13がHMD12により外界に重畳されて所定の位置に投影表示されるので、パイロットは全く視線を変えることなく他機位置を常に把握することができる。従って、パイロットのワークロードを全く増やすことなく、矢印シンボル13を目視しながら航空機を操縦して、機首方向を他機に向けるポインティング動作を行うことができる。
【0037】
また、他機位置探索レーダー14は航空機に通常搭載されているものが利用でき、シンボル表示指令計算コンピュータ15も航空機に通常搭載されているコンピュータを利用できるので、簡単かつ安価に構成することができる。
【0038】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記第1実施の形態では、自機の機体軸座標系から見た他機位置情報を表す矢印シンボル8をHUD5により表示するようにしたが、HUD5に代えて通常計器パネル4の平面ディスプレイに同様に表示することもできる。この場合でも、矢印シンボル8は、自機の姿勢変化に対応して表示されるので、その矢印シンボル8を視認することで、あらゆる飛行状態でも他機位置方向を把握することができ、ポインティング動作をスムーズに行うことができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明した本発明の航空機による他機位置表示方法によれば、自機の姿勢変化、或いはパイロットの姿勢変化に対応して他機位置方向を把握できるので、ポインティング動作をスムーズに行うことができ、特にPSM可能な航空機においては、その性能を十分発揮することができる。
【0040】
また、本発明の航空機による他機位置表示装置によれば、航空機に通常搭載される機器を利用することができるので、簡単かつ安価にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の航空機における他機位置表示装置の第1実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すシンボル表示指令計算コンピュータでの処理を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の航空機における他機位置表示装置の第2実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示すシンボル表示指令計算コンピュータでの処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 他機位置探索レーダー
2 自機姿勢角計
3 シンボル表示指令計算コンピュータ
4 通常計器パネル
5 ヘッドアップディスプレイ(HUD)
6 HUD表示制御ユニット
7 他機
8 矢印シンボル
11 ヘルメット
12 ヘルメットマウンテッドディスプレイ(HMD)
13 矢印シンボル
14 他機位置探索レーダー
15 シンボル表示指令計算コンピュータ
16 ヘッドモーションセンサ
17 ヘッドモーショントラッカー
18 ヘッドモーション処理ユニット
19 シンボル表示制御ユニット
20 映像信号入出力部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3