TOP > 国内特許検索 > 飛行計画支援方法 > 明細書

明細書 :飛行計画支援方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3584325号 (P3584325)
公開番号 特開2003-130677 (P2003-130677A)
登録日 平成16年8月13日(2004.8.13)
発行日 平成16年11月4日(2004.11.4)
公開日 平成15年5月8日(2003.5.8)
発明の名称または考案の名称 飛行計画支援方法
国際特許分類 G01C 21/00      
B64D 43/00      
B64D 45/00      
G08G  5/04      
FI G01C 21/00 Z
B64D 43/00
B64D 45/00
G08G 5/04 A
請求項の数または発明の数 2
全頁数 23
出願番号 特願2001-328006 (P2001-328006)
出願日 平成13年10月25日(2001.10.25)
審査請求日 平成13年10月25日(2001.10.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
発明者または考案者 【氏名】藤本 直
【氏名】國頭 聖
個別代理人の代理人 【識別番号】100075557、【弁理士】、【氏名又は名称】西教 圭一郎
【識別番号】100072235、【弁理士】、【氏名又は名称】杉山 毅至
【識別番号】100101638、【弁理士】、【氏名又は名称】廣瀬 峰太郎
審査官 【審査官】高橋 学
参考文献・文献 特開平04-197893(JP,A)
特開昭58-206915(JP,A)
特開平09-243382(JP,A)
調査した分野 G01C 21/00-21/36
G08G 5/00- 5/06
B64D 43/00
B64D 45/00
特許請求の範囲 【請求項1】
目的地までの旋回、上昇及び下降の空間的位置及び3次元の軌道並びに経路上の通過時刻を定義した飛行計画と自機位置とを比較して、自機位置の低高度飛行計画に対する位置偏差および時間偏差を計算して求め、
位置偏差および時間偏差のうち少なくともいずれか一方を、表示画面に目視可能に表示するとともに、
自機の飛行状態を検出する手段の検出結果に基づいて、表示を制御する誘導表示手段によって、飛行状態に応じた誘導表示内容を視界の悪化を防ぐための簡素な誘導表示内容、旋回経路の空間的な把握が可能な誘導表示内容および飛行計画経路を詳細に示す誘導表示内容の少なくともいずれか1つに自動的に選択することを特徴とする飛行計画支援方法。
【請求項2】
前記偏差表示は、ヘッドアップディスプレイによって外視界に重畳して表示されることを特徴とする請求項1記載の飛行計画支援方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飛行計画と自機位置とを比較して飛行計画に対する現在位置を特定し、飛行中の位置偏差、時間偏差および残りの経路などの飛行管理に必要な情報を提供する飛行計画支援方法に関する。
【0002】
本発明において、用語「地上レーダ」は地上に設置されるレーダおよび車両等に積載され地上を移動するレーダを意味し、用語「空中レーダ」は航空機等に搭載されるレーダを意味する。
【0003】
【従来の技術】
典型的な従来の技術として、たとえば特開平9-91600号公報に、航空機用ナビゲーション装置が示されている。このナビゲーション装置は、電波航法または自立慣性航法によって自機の地表上の位置を検出する手段と、記憶媒体から所定地域における地形の標高情報、道路網情報、目印となる建築物等の目印情報からなる地表の地図情報を選択的に読み出して、表示器の画面に地表の地図を平面的に写し出す手段と、検出された位置から画面に写し出される地図上の位置をわり出して、その地図上に自機の現在位置を更新的に表示する手段と、自機の飛行方向を検出して、画面に写し出された地図上に自機の飛行方向を表示する手段とによって構成される。
【0004】
これによって現在飛行中の所定地域における地表の地図を画面に写し出して、その地図上に自機の現在位置を、その位置における飛行方向および高度とともに更新的に表示するようにしており、その画面の表示内容をみることによって、自機の現在位置の確認および飛行状況の把握を容易になすことができる。そして地形の起伏、道路網、目印となる建築物などの実際の情景に応じた様々な視覚情報が得られ、また、航空管制および飛行予定コースなどの情報を視覚情報として得ることができ、視覚が不良の場合にも計器飛行に頼ることなく、自機の誘導案内をパイロットに負担をかけることなく容易に行わせることができ、フライトシミュレーション感覚で自機の操縦をすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平9-91600号公報に示される従来の技術では、地図上に自機の現在位置と、飛行予定コースとを表示することによって、自機の誘導案内をしているが、飛行予定コースは、現在位置から延びるように表示されているものではなく、現在位置よりも飛行方向前方の位置から延びるように、しかも現在位置での自機高度に予定コースを対応させて表示されており、このような表示からは、現在の自機の飛行方向で飛行した場合、将来自機が飛行予定コースに対しておおよそどのような位置を飛行するかだけを、しかも水平方向に関してだけ、把握することができる。したがってこの従来の技術では、現時点において、自機が飛行予定コースに従って飛行しているか、飛行予定コースから逸脱しているかを把握することができず、飛行予定コースに従って正確に飛行することができるような的確な航行支援をすることができない。
【0006】
したがって本発明の目的は、飛行計画に従って正確に航行することが可能なように支援することができる飛行計画支援方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、目的地までの旋回、上昇及び下降の空間的位置及び3次元の軌道並びに経路上の通過時刻を定義した飛行計画と自機位置とを比較して、自機位置の低高度飛行計画に対する位置偏差および時間偏差を計算して求め、
位置偏差および時間偏差のうち少なくともいずれか一方を、表示画面に目視可能に表示するとともに、
自機の飛行状態を検出する手段の検出結果に基づいて、表示を制御する誘導表示手段によって、飛行状態に応じた誘導表示内容を視界の悪化を防ぐための簡素な誘導表示内容、旋回経路の空間的な把握が可能な誘導表示内容および飛行計画経路を詳細に示す誘導表示内容の少なくともいずれか1つに自動的に選択することを特徴とする飛行計画支援方法である。
【0008】
本発明に従えば、目的地までの旋回、上昇及び下降の空間的位置及び3次元の軌道並びに経路上の通過時刻を定義した飛行計画と自機位置とを比較して、現在の自機位置と飛行計画における本来飛行すべき正規の位置との位置に関する偏差、および現在時刻と飛行計画における本来飛行すべき正規の時刻との時間に関する偏差のいずれか一方または双方が表示されるので、パイロットに飛行計画に対する自機の位置的評価および時間的評価のいずれか一方または双方の情報を提供することができ、これによって自機の現在の飛行状況を時系列的に連続して正確に把握することが可能となり、低高度飛行においてより的確な情報によって飛行計画に乗った正確な航行を支援することができる。しかも自機の現在の飛行状況を、視覚的に捉えて、直感的に把握することができ、迅速かつ容易に把握することができる。これとともに自機の飛行状態を検出する手段の検出結果に基づいて、表示を制御する誘導表示手段によって、飛行状態に応じた誘導表示内容を視界の悪化を防ぐための簡素な誘導表示内容、旋回経路の空間的な把握が可能な誘導表示内容および飛行計画経路を詳細に示す誘導表示内容の少なくともいずれか1つに自動的に選択するので、パイロットが自ら表示内容を切換えなくても好適な表示内容に切換わるようにすることができ、パイロットは、誘導表示などに基づく自機の操縦だけに専念することができる。
【0009】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明の構成において、前記偏差表示は、ヘッドアップディスプレイによって外視界に重畳して表示されることを特徴とする。
【0010】
本発明に従えば、前記偏差表示は、ヘッドアップディスプレイによって外視界に重畳して表示されるので、パイロットは、偏差表示を目視するために頭を動かす必要がなく、外視界を見ながらの通常の操縦状態において、容易に偏差表示を確認することができ、パイロットのワークロードを軽減することができるとともに、外視界の情報および偏差表示による情報との両方から現在の自機の飛行状況を容易に把握することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の低高度飛行計画支援方法を実施するための低高度飛行計画支援装置1の全体の構成を示すブロック図である。低高度飛行計画支援装置1は、低高度飛行計画管理手段10と、この低高度飛行計画管理手段10によって管理されている飛行計画経路および位置偏差などに関する情報に基づいて経路に沿って飛行するためのガイダンス表示情報を生成する誘導表示手段9とを含む。また前記低高度飛行計画管理手段10は、偏差計算手段2、地形表示出力手段3、および情報表示出力手段4を含む。偏差計算手段2は、自機飛行情報導出手段12によって導出される自機位置および自機の向かっている方向である進路などの飛行情報を基準として、飛行計画ファイル71に保持される飛行計画の3次元経路データ72a,72bを検索し、飛行計画経路に対する現在位置を特定する。特定された飛行計画経路上の位置、進路および通過予定時刻などの予定飛行情報と、導出される現在の飛行状態とを比較することによって、位置偏差、進路偏差、および時間偏差などのデータを計算して求める。
【0012】
飛行計画ファイルに保持される飛行計画は、位置的なデータを有する飛行計画経路および時間的なデータを有する飛行計画時刻とを含み、経路データ72aおよび経由点データ72bは、飛行計画経路に関する位置的なデータおよび飛行計画時刻に関する時間的なデータの両方をそれぞれ有する。このような飛行計画は、図4に示す飛行計画作成手段21によって作成される。
【0013】
飛行計画の作成手順の一例を挙げると、まず複数のウエイポイントと、各ウエイポイント間を接続する実飛行可能な低高度の複数のポイント間経路とが、各ポイント間経路を飛行するにあたっての機動能力を考慮した飛行速度および飛行時間などとともに記録されたデータベースを準備し、出発地点および目的地点を入力にして、低高度飛行区間を設定されるとともに、避けるべき探知網、たとえば地上レーダ網および空中レーダ網を含むレーダ網の情報を入力、設定し、さらに経由すべきウエイポイントを入力、設定する。レーダ網情報および経由すべきウエイポイントは、設定する必要がある場合だけ、設定される。次に、上記データベースに基づいて、指定された出発地点および目的地点間の中央地点を中心とし、かつ出発地点および目的地点間の距離を直径とした仮想円内のウエイポイントを、途中で経由するウエイポイントの候補として選択する。次に、前記選択した候補ウエイポイント間のすべてのポイント間経路に対して、レーダ網、地形による隠し効果および航空機の機動能力などを照合して各ポイント間経路の評価値を求める。最後に、評価値の積算値が最も小さくなるように、前記候補ウエイポイントの中から出発地点および目的地点間で経由すべきウエイポイントを選択し、出発地点から前記経由すべきウエイポイントを経て目的地点に至る複数のポイント間経路を接続して、最適な3次元低高度の飛行計画経路が、機動能力を考慮して算出される経路上の通過時刻などの時間的なデータを有する飛行計画時刻とともに抽出される。このようにして作成される3次元低高度の飛行計画が、飛行計画ファイルに保持されている。
【0014】
図2は、地形表示出力手段3によってMFD5に表示された地形表示の一例を示す図である。地形表示出力手段3は、自機シンボル74によって示される自機位置を基準として、自動的に更新されるMFD(Multi-Function Display)5の地形表示7上に、飛行計画経路8および経由するウエイポイントWPなどの情報を重畳表示する。地形表示7は、低高度飛行時の対地衝突に対する危険予知を支援するため、自機よりも高い領域と低い領域とを色分けして表示することができる。またこの地形表示7は、自機位置周辺および任意の位置の地図を、1/5万、1/25万、1/50万、および1/100万のいずれかの縮尺を選択して表示することができ、しかも各縮尺について3段階で2倍のズーム表示が可能である。表示内容としては、道路、河川、鉄道、空域、および市街地などを面または線で切換え表示することができ、さらに航法無線援助施設、飛行場、灯台などの点データシンボルの表示/非表示の選択、地形および地上障害物に対する高度警報表示、ならびに標高変化に対する色彩変化による多段階表示および太陽光陰影の表示などを行うことができる。
【0015】
低高度飛行計画管理装置1には、MFD5によって地形を表示するために、地形データ記憶手段11に記憶された地形データが与えられるとともに、位置偏差および時間偏差を算出するために、自機飛行情報導出手段12から自機飛行情報が与えられる。前記地形データ記憶手段11に記憶される地形データは、たとえば国土地理院が発行している標高データ数値地図を基にデータベース化されている。また自機飛行情報導出手段12は、たとえば慣性航法装置およびGPS(
Grobal Positioning System)航法装置によって実現される。
【0016】
図3は、情報表示手段4によってCDU13に表示される情報表示の一例を示す図である。CDU(Control and Display Unit)13には、現在位置から経由するウエイポイントおよび目的地点までの距離および到達予定時刻などの情報が図3のように表示される。同図において、CDU13のウインドウ14内の上中央には、表示内容の名称「RTE 1 PROGRESS [4]」が表示され、第1飛行経路を選択しており、目的地を含め経由点が4つあることを示している。
【0017】
ウインドウ14内の前記タイトル「RTE 1 PROGRESS [4]」の下には、現在の自機位置から次の第1のウエイポイント「NAKATSU」までの距離が31nm(ノーティカルマイル)であることを示す「31NM」、自機位置から見た第1のウエイポイント「NAKATSU」の方位が61度であることを示す「T061」、自機位置から第1のウエイポイント「NAKATSU」間での残りの経路長が31nmであることを示す「TR 31NM」がそれぞれ表示され、その下には、前記第1のウエイポイント名「NAKATSU」およびこの第1のウエイポイントまでの到達予想時間が7分10秒であることを示す「0:07:10」が表示される。
【0018】
さらにその下には、第1のウエイポイント「NAKATSU」から第2の経由ウエイポイント「SUHARA」間でのウエイポイント間距離が16nmであることを示す「16NM」、第1のウエイポイント「NAKA6TSU」から見た第2のウエイポイント「SUHARA」の方位が43度であることを示す「T043」、および自機位置から第2のウエイポイント「SUHARA」間での経路長が47nmであることを示す「TR 47NM」がそれぞれ表示され、さらにその下には、前記第2のウエイポイント名がSUHARAであることを示す「SUHARA」、および自機位置から第2のウエイポイント「SUHARA」までの到達予想時間が10分53であることを示す「0:10:53」が表示される。
【0019】
以下同様に、ウエイポイント間距離「30NM」、方位「T024」、自機位置からの経路長「TR 78NM」、経由ウエイポイント名「MATSUMOTO」、到達予想時間「0:17:53」、ウエイポイント間距離「22NM」、方位「T045」、および経路長「TR101NM」が表示され、最後に目的地「UEDA<DEST>」および到達予想時間「0:23:21」が表示される。次に、誘導表示について説明する。
【0020】
図4は、誘導表示手段9の構成を示すブロック図である。誘導表示手段9は、たとえば飛行中に低高度飛行計画作成手段21によって上述のようにして作成された飛行計画に基づいて低飛行計画管理手段10が管理している飛行計画、位置偏差および時間偏差などに関する情報を用いて、自機が飛行計画経路に沿って飛行するためのガイダンス表示を生成する。具体的には、予め準備した候補表示の中から所望の表示モードを設定して出力する表示モード管理手段22と、表示モード管理手段22から入力した表示モードに従って表示シンボルの位置などのデータを計算して求め、機上の操縦席の窓ガラスの手前に設けられるコンバイナと呼ばれるハーフミラーに表示すべき情報を投影して外視界情報に重畳して同時に視認することができるHUD(Head-UP Display)24によって表示させるための表示データを生成する表示データ生成手段23とを含む。
【0021】
図5は、HUD24によって外視界に誘導表示内容を重畳表示した状態の一例を示す図であり、図5(1)は正規の飛行計画経路にほぼ乗って旋回している表示状態を示し、図5(2)は正規の飛行経路から外れたときの表示状態を示す。HUD24の画面には、図5(1)に示されるように、上方に自機の水平面に対する傾斜状態を示すバンク角スケール25、下部に自機の向かっている方位を示す方位スケール26、左上に自機の速度を示す速度スケール27、左下に自機の加速度を示すGスケール28、右上に自機の高度を示す高度スケール29、および数字付きの3本の実線および1本の破線の平行線で自機のピッチ方向の傾きを示すピッチスケール76が、それぞれ基本表示として表示される。
【0022】
またHDU24の画面には、他の基本的な表示である警告表示として、HUD24の画面の左上には、レーダ網に暴露されたこと示すレーダ網暴露警告表示部分30を表示可能であり、右上には、高度が低下したことを示す高度低下警告表示部分31を表示可能であり、左下には、対地に接近したことを示す対地接近警告表示部分32を表示可能である。上記のレーダ網暴露警告表示部分30は、四角の枠内にレーダ網の種類を示す表記によって表示され、この表示は自機がレーダ網に暴露されている間、点灯され、点滅を繰り返し、その他のときは消灯する。前記レーダ網の種類を示す表記は、たとえばそのレーダ網が地上レーダ網であれば「SAM」、空中レーダ網であれば「AEW」などと表示される。
【0023】
高度低下警告表示部分31は、予め定める高度以下になったとき、四角の枠内に高度(Altitude)の低下を示す表記「ALT」が点灯され、点滅を繰り返し、その他のときは消灯する。対地接近警告表示部分32は、四角の枠内に地表(Ground)に接近したことを示す表記「GND」によって表示され、この表記は自機と地形または建造物などとの距離が予め定める距離以下になると点灯し、点滅を繰り返し、その他のときは消灯する。
【0024】
これらの警告表示部分30~32は、その点滅表示の周期が危険度が高くなるにつれて短くなるように変化し、パイロットに危険度の程度を視覚的に容易に認識することができる。また各警告表示部分30~32には、上記のように頭文字および略語などが表記しよてもよいが、本発明の実施の他の形態として、符号、記号および図形などを用いたシンボルキャラクタによる表記を用いてパイロットの危険に対する認識時間を短縮するようにしてもよい。
【0025】
上記のような基本表示および警告表示に加えて、HUD24の画面には、ほぼ中央部に小径円と上、左右に突出する突出線とからなるシンボルによって自機の向かっている方向を外視界に対応させて示す速度ベクトルシンボル38が表示される。また中央付近に、3機の誘導機シンボル55,55aが、3次元的に遠近感をもって認識し得るように表示される。最も手前の誘導機シンボル55aは、自機が占めるべき位置およびとるべき姿勢を示しており、速度ベクトルシンボル38と一致するように、自機を操縦することによって、飛行計画どおりに経路、すなわち飛行計画経路に沿って飛行することができる。残りの2機の誘導機シンボル55は、将来の自機の位置および姿勢を示している。これらの誘導機シンボル55,55aによって、自機の動きを前もってパイロットが認識することができる。
【0026】
HUD24の画面24aの中央付近にはまた、速度ベクトル38の小径円と同心円状大径円で示される飛行速度ガイダンス表示部分37が表示される。飛行時間判定マーク54は、その円の半径と最も手前の誘導機シンボル55aの全幅(主翼端幅)との相対寸法差が自機の飛行計画時刻に対する時間偏差を示し、円と全幅が一致している場合は自機が飛行計画どおりに飛行していることを示し、円より全幅が大きい場合は自機が遅れて飛行していることを示し、小さい場合は自機が早く飛行しすぎていることを示す。最も手前の誘導機シンボル34を前記速度ベクトル38に一致するように位置させて、その誘導機シンボルの両翼端が一直径線上で飛行時間判定マーク54の円に接するように速度を調節することによって、飛行計画によって予め定めた時刻、すなわち飛行計画時刻どおりに飛行することができる。
【0027】
さらにHUD24の画面には、右下から上方に延び、左方に屈曲するように、いわば道路のセンターラインのように、破線で、飛行経路を示す予定フライトパス表示部分39が3次元的に表示される。このような予定フライトパス表示部分39は、前記飛行時間判定マーク54および速度ベクトルシンボル38などだけでは先の経路が示されない点を補い、各誘導機シンボル55よりもさらに将来の経路も含めて、自機が将来飛行すべき経路をパイロットが前もって認識することができる。また画面の右下には、円の中に時間が「0.00」のように示された、いわば時計のような時間表示部分40が表示される。この時間表示部分40は、自機が現在飛行している時刻の計画飛行時刻に対する遅れ進みを定量的に表示することができる。上記基本表示および警告表示に加えた表示される各表示が、低高度飛行誘導表示である。
【0028】
以上のとおり図5(1)を参照して、基本表示として、速度ベクトルシンボル38、バンク角スケール25、方位スケール26、速度スケール27、Gスケール28、高度スケール29およびピッチスケール76を表示し、警告表示として、レーダ網暴露警告表示部分30、高度低下警告表示部分31および対地接近警告表示部分32を表示可能とし、さらに低高度飛行誘導表示として、誘導機シンボル55,55a、飛行時間判定マーク54、および予定フライトパス表示部分39を表示することを述べたが、これらの各表示は、自機の飛行状況を表すものであり、飛行状態の変化によって、各表示は、表示位置、形状および数値などが、たとえば図5(2)に示されるように変化する。図5(2)の表示において、図5(1)の表示に対応する部分には同一の参照符を付して説明を省略する。
【0029】
ここで注目すべきは、本来自機がいるべき正規の飛行計画経路の方向を示す小径円によって示される復帰位置マーク61と、速度ベクトルシンボル38から復帰位置マーク61に一直線に延びる自機飛行方向と復帰位置方向との角度偏差を長さで表す接続線62と、自機飛行方向と復帰位置の方向との間の角度の目安とする角度スケールとして、速度ベクトルシンボル38を中心とする円によって45度のスケール63aおよび90度のスケール63bと、復帰位置と自機位置との間の距離を数値で示す距離表示部分64とが表示される点である。ここで、45度のスケール63bは、飛行時間判定マーク54と共用される。これらの表示によって正規の飛行計画経路に復帰するために、飛行すべき方向などを確認することができる。
【0030】
図6は、本発明の低高度飛行計画支援方法の概略を示すフローチャートである。図1~図5を参照して説明した低高度飛行計画支援方法の主要な流れを以下に説明する。まずステップs1で、自機飛行情報導出手段12によって、現在の自機の飛行情報が導出され、取得される。つぎにステップs2で、取得された飛行情報に基づいて、飛行計画管理手段10によって、自機位置と飛行計画とを比較して、自機位置の低高度飛行計画に対する位置偏差および時間偏差を計算して求める。
【0031】
次にステップs3で、表示モード管理手段22によって、表示モードが選択される。この表示モードの選択は、パイロットの切換え操作に従って行われてもよく、または導出される現在の飛行情報に基づいて行われてもよい。次にステップs4で、選択された表示モード従って表示する表示のデータを、表示データ生成手段23によって生成する。最後にステップs4で、生成された表示データが表す表示を、HUD24の画面24a上に表示する。このような一連の動作が繰返され、リアルタイムで、その時刻に対応する誘導表示が、HUD24の画面24a上に更新表示される。
【0032】
また図5に示す誘導表示は、一例であり、低高度誘導表示は、種々の表示形態の中から1つまたは複数を選択的に用いて表示することが可能である。以下に、各種の低高度誘導表示について、個別に表示した状態を示す図7~図20を参照して、各種の低高度誘導表示について説明する。なお図7~図20において、互いにかつ図6と同一の参照符号が付される表示は、同様の表示である。
【0033】
図7は、誘導表示手段9によって作成される低高度誘導表示情報に基づいてHUD24の画面24aに第1誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図であり、図7(1)は正規の飛行計画経路に乗って飛行しているときの誘導表示状態を示し、図7(2)は飛行計画経路から外れたときの誘導表示状態を示す。誘導表示手段9からの低高度誘導表示情報に基づいて、HUD24には、図7(1)および図7(2)に示されるように、自機から前方に見えている外視界に重畳して、略C字状の溝形をした凹状の複数の予定フライトパス表示部分42,42aと、自機の向かっている方向を示す速度ベクトル38とが3次元的に表示される。図7(1)には、自機が正規の飛行計画経路に乗って飛行しているときの各予定フライトパス表示部分42,42aが表示され、パイロットはやがて右旋回しなければならないことを直感的に認識することができる。またその右旋回時における機体の姿勢、すなわちバンク角が、各予定フライトパス部分42,42aの傾斜によって示され、これについても直感的に認識することができる。
【0034】
また図7(2)には、自機が正規の飛行計画経路から外れているときの各予定フライトパス表示部分42,42aが表示され、速度ベクトルシンボル38が最も手前の予定フライトパス表示部分42a上に配置されるように操縦することによって、自機を正規の飛行計画経路に復帰させることができる。また図7(1)に示すように、正規の飛行計画経路に乗って飛行しているとき、速度ベクトルシンボル38は、最も手前の予定フライトパス表示部分42a上に配置される。この状態を保って飛行を続けることによって、飛行計画経路に乗って正確に飛行し続けることができる。
【0035】
このようにHUD24の画面24aには、速度ベクトルシンボル38とともに複数の予定フライトパス表示部分42,42aが表示されるので、位置偏差、すなわち正規の飛行計画経路に対する自機位置の上下方向および左右方向のずれを視覚的に捉えて、容易に認識することができ、夜間などの視界不良な状況下で、パイロットがバーティゴと呼ばれる空間識失調を生じて、自機の姿勢、飛行方向および運動状態を客観的に把握できなくなるという不具合を防止することができる。
【0036】
図8は、誘導表示手段9によって作成される低高度誘導表示情報に基づいてHUD24の画面24aに第2誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図であり、図8(1)は正規の飛行計画経路に乗って飛行しているときの誘導表示状態を示し、図8(2)は飛行計画経路から外れたときの誘導表示状態を示す。誘導表示手段9は、上記の図7(1)および図7(2)に示す誘導表示に代えて、図8(1)および図8(2)に示されるように、図7の予定フライトパス表示部分42に相当する複数の凹状シンボルを飛行経路に沿って繋いだいわばハイウエイのように連続した予定フライトパス表示部分44を、速度ベクトルシンボル38とともに表示することができる。図8(1)は、自機が正規の飛行計画経路に乗って飛行しているときの予定フライトパス路表示44を示し、図8(2)は正規の飛行計画経路から外れて飛行しているときの予定フライトパス表示部分44を示す。
【0037】
このような誘導表示によってもまた、上述の図7の誘導表示と同様に、正規の飛行計画経路に対する自機位置の上下方向および左右方向のずれを容易かつ明確に認識することができ、かつ最も手前の凹状シンボル上に速度ベクトルシンボル38が配置されるように操縦することによって、飛行計画計路に乗って飛行することができるとともに、しかも進行方向に対して前後関係がわかりやすく、先の飛行経路をより一層明確に認識することができる。
【0038】
図9は、誘導表示手段9によって作成される低高度誘導表示情報に基づいてHUD24の画面24aに第3誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。誘導表示手段9は、上記の図7および図8に示される誘導表示に代えて、HUD24の画面24aに、正規の飛行計画経路の直下に地上から適当な高度差、たとえば最低対地クリアランスをもたせた実線によって3次元的に表される予定フライトパス表示部分45を、速度ベクトルシンボル38とともに表示することができる。
【0039】
このような誘導表示によれば、予定フライトパス表示部分45によって視界が妨げられることを防止でき、特に危険に対する見張りの妨げにならない。また複雑な飛行経路であっても予定フライトパス表示部分45が重なってしまうことがなく、予定フライトパス表示部分45による外視界の隠し領域が格段に少なくて済み、HUD24の画面24a内で常に広い視界を確保することができる。さらにこの誘導表示によっても、飛行計画経路から外れて飛行すると、予定フライトパス表示部分45が、図9に示す中央に位置する状態から左右にずれて表示されるので、位置偏差を視覚的に捉えて把握することができる。またこのようないわばセンターラインを示す予定フライトパス表示部分45は、図5に破線で示した予定フライトパス表示部分39と、線種が異なるだけで同様の表示である。
【0040】
図10は、誘導表示手段9によって作成される低高度誘導表示情報に基づいてHUD24の画面24aに第4誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図であり、図10(1)は正規の飛行計画経路に乗って飛行しているときの誘導表示状態を示し、図10(2)は 正規の飛行計画経路から外れて飛行しているときの誘導表示状態を示す。誘導表示手段9は、上記の図7~図9に示される誘導表示に代えて、HUD24の画面24aに、道路のセンターラインに類似した飛行計画経路を表示する。正規の飛行計画経路に乗って飛行しているときには、図10(1)に示されるように、図5に示す予定フライトパス表示部分39と同様の表示であって、前述の図9を参照して説明した予定フライトパス表示部分45のように、地上から最低対地クリアランスなどとして設定された適当な高度差をもたせた破線によって3次元的に表される予定フライトパス表示部分46aが表示され、正規の飛行計画経路から下方向に外れて飛行しているときには、図10(2)に示されるように、破線が拡大されて、あたかも道路のセンターラインのような帯状の予定フライトパス表示部分46bが3次元的に表示される。
【0041】
このような各予定フライトパス表示部分46a,46bによって、正規の飛行計画経路から下方向に外れたときには、2本の実線によって示される帯状に見える予定フライトパス表示部分46bを用い、かつ正規の飛行計画経路に乗って飛行しているときには、単一本の実線に見える予定フライトパス表示部分46aを用いて、飛行計画経路と自機との相対位置関係が表示されるので、誘導表示が図10(1)の単一本の実線に見える予定フライトパス表示部分46aから2本の実線による予定フライトパス表示部分46bに変化することによって、自機が対地クリアランスの限界に接近していることをパイロットに提示しながら、同時に飛行経路をも提示することができる。
【0042】
また水平線付近には各予定フライトパス46a,46bが重複して表示されないので、外視界の隠し領域が少なくて済み、前方監視の妨げにならず、常に広い視界を確保することができる。しかも単純な1本または2本の実線で飛行経路が示されるので、飛行経路が複雑に屈曲している場合であっても経路がわかりやすく、自機の経路に対する左右のずれを容易かつ確実に把握することができる。さらにこの誘導表示によっても、飛行計画経路から外れて飛行すると、予定フライトパス表示部分46a,46bが、図10に示す中央に位置する状態から左右にずれて表示されるので、位置偏差を視覚的に捉えて把握することができる。また予定フライトパス表示部分46aは、図9に示す予定フライトパス表示部分45と同様の実線で示す表示であってもよい。
【0043】
図11は、誘導表示手段9によって作成される低高度誘導表示情報に基づいてHUD24の画面24aに第5誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。誘導表示手段9は、上記の図7~図10に示される誘導表示に代えて、HUD24の画面24aに、速度ベクトルシンボル38と、現在飛行すべき正規の飛行計画経路位置を示す十字状の偏差マーク47とを表示する。これらの速度ベクトルシンボル38および偏差マーク47によって、飛行計画経路に対して自機がどの方向にどの程度離れているかを、容易かつ確実に認識することができる。しかも偏差マーク47は、十字状の簡単な記号で示されるので、前方の外視界の隠し領域が、図9および図10に比べてさらに少なく、前方監視の妨げにならず、HUD24の画面24a内に常に広い視界を確保することができる。
【0044】
図12は、誘導表示手段9によって作成される低高度誘導表示情報に基づいてHUD24の画面24aに第6誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図であり、図12(1)は正規の飛行計画経路に乗って飛行しているときの誘導表示状態を示し、図12(2)は飛行計画経路から外れたときの誘導表示状態を示す。誘導表示手段9は、HUD24の画面24aに、上記の図7~図11に示した各誘導表示に代えて、図12(1)および図12(2)に示されるように、速度ベクトルシンボル38とともに、予め定める時間間隔をあけた時刻にそれぞれ対応する自機の飛行すべき位置を3次元的に示す複数の十字状の偏差マーク48,48aとを表示する。最も手前の偏差マーク48aは、図11に示す偏差マーク47に相当する。
【0045】
正規の飛行計画経路に乗って飛行しているときには、図12(1)に示されるように、複数の偏差マーク48,48aが重なった状態で表示され、かつその上に速度ベクトルシンボル38がさらに重なって表示される。また正規の飛行計画経路から自機が外れて飛行しているときには、図12(2)に示されるように、複数の偏差マーク48,48aが予め定める時間間隔、たとえば1~5秒程度の範囲から飛行速度に応じて最適な時間間隔毎の時刻における自機が飛行すべき位置を3次元的に表示する。この予め定める時間間隔は、自機の飛行速度に応じて変化させるようにしてもよく、あるいは飛行速度に最適な一定の距離によって、たとえば1000ft毎に間隔をあけて表示するようにしてもよい。
【0046】
このような誘導表示によって、正規の飛行計画経路に対する自機のずれを容易かつ確実に認識することができるとともに、将来の飛行経路も同時に把握することができる。また図7~図10に示した各誘導表示に比べて外視界の隠し領域が少なくて済み、前方監視の妨げにならず、常にHUD24の画面24a内に広い視界を確保することができる。
【0047】
図13は、誘導表示手段9によって作成される低高度誘導表示情報に基づいてHUD24の画面24aに第7誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。誘導表示手段9は、上記の図7~図12に示される各誘導表示に代えて、HUD24の画面24aに、速度ベクトルシンボル38と、沿って飛行すべき正規の飛行計画経路位置およびバンク角を示す十字状の偏差マーク49とを表示する。この偏差マーク49は、正規の飛行計画経路の旋回率に基づいて自機のバンク角を計算して求め、このバンク角に対応して偏差マーク49を傾斜させて表示する。
【0048】
このような速度ベクトルシンボル38および偏差マーク49によって、飛行計画経路に対して自機がどの方向にどの程度離れているかを、容易かつ確実に認識することができる。また偏差マーク49は、十字の簡単な記号をバンク角に応じて傾けて表示されるので、この偏差マーク49の傾斜の有無から自機の旋回のタイミングが前もって予想することができるとともに、偏差マーク49の傾斜量からバンク角の大きさを前もって予想することができる。しかも前方の外視界の隠し領域が、図10および図11に比べて少なくて済み、前方監視の妨げにならず、HUD24の画面24a内に常に広い視界を確保することができる。
【0049】
図14は、誘導表示手段9によって作成される低高度誘導表示情報に基づいてHUD24の画面24aに第8誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。誘導表示手段9は、上記の図7~図13に示される各誘導表示に代えて、HUD24の画面24aに、速度ベクトルシンボル38と、沿って飛行すべき正規の飛行計画経路位置およびバンク角を示す複数の十字状の偏差マーク50,50aとを表示する。各偏差マーク50,50aは、正規の飛行計画経路の旋回率に基づいて前方の複数点でバンク角を計算して求め、このバンク角に対応して各偏差マーク50,50aを個別に傾斜させて表示する。各偏差マーク50,50aは、前述の図12に示される偏差マーク48,48aと同様に、飛行速度に応じた適当な時間間隔毎の時刻におけて自機が飛行すべき位置を3次元的に表示される。この時間間隔は、上述のように、飛行速度に応じて予め定めた時間によって設定されてもよく、あるいは飛行速度に応じて予め定めた距離によって設定されてもよい。最も手前の偏差マーク50aは、図13に示す偏差マーク49に相当する。
【0050】
このような速度ベクトルシンボル38および最も手前の偏差マーク50aによって、飛行計画経路に対して自機がどの方向にどの程度離れているかを直感的に認識することができる。また各偏差マーク50,50aは、十字の簡単な記号をバンク角に応じてそれぞれ個別に傾けて表示されるので、各偏差マーク50,50aの傾斜の有無から自機の旋回のタイミングが前もって予想することができるとともに、各偏差マーク50,50aの傾斜量の変化からバンク角の大きさおよびその大きさの変化の程度を前もって予想することができる。しかもこのように多くの飛行経路に関する情報をパイロットに提示することができるにも拘わらず、前方の外視界の隠し領域が、図7~図10に示される各予定フライトパス表示部分42,44~46に比べて少なくて済み、前方監視の妨げにならず、HUD24の画面24a内に常に広い視界を確保することができる。
【0051】
図15は、誘導表示手段9によって作成される低高度誘導表示情報に基づいてHUD24の画面24aに第9誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図であり、図15(1)は直線飛行をしているときの誘導表示状態を示し、図15(2)は旋回飛行しているときの誘導表示状態を示す。誘導表示手段9は、HUD24の画面24aに、上記の図7~図14に示した各誘導表示に代えて、図15(1)および図15(2)に示されるように、速度ベクトルシンボル38とともに、極近い将来自機があるべき位置およびとるべき姿勢を提示するために、飛行機を模式的に示した誘導機シンボル51を表示する。自機が正規の飛行計画経路に乗って飛行し、しかもその飛行が直線飛行であるときには、図15(1)に示されるように、誘導機シンボル51上に速度ベクトルシンボル38が重なって表示される。また自機が飛行計画経路から将来の飛行計画経路が旋回しているときには、図15(2)に示されるように、誘導機シンボル51が速度ベクトルシンボル38から3次元的に間隔をあけて表示される。したがってパイロットは、速度ベクトルシンボル38が誘導機シンボル51に重畳するように操縦することによって、正規の飛行計画経路から大きく外れることなく航行することができる。
【0052】
このような誘導表示によって、正規の飛行計画経路に対する自機のずれを、3次元的に表示される誘導機シンボル51の向きおよび大きさから直感的に認識して、位置偏差を含む現在の状況および将来の飛行経路を、同時に、容易かつ明確に認識することができる。具体的には、たとえば図15(1)に示すように直線飛行しているとき、自機が正規の飛行計画経路から外れると、速度ベクトルシンボル38と誘導機シンボル51とがずれて表示されるので、これによって自機と正規の飛行計画計路とがどの方向にどの程度ずれているか視覚的に捉えて把握することができる。また図15(2)に示すように旋回飛行のときには、誘導機シンボル51の表示位置および姿勢から、自機と正規の飛行計画計路とがどの方向にどの程度ずれているか視覚的に捉えて把握することができる。また図7~図11に示した各誘導表示に比べて外視界の隠し領域が少なくて済み、前方監視の妨げにならず、常にHUD24の画面24a内に広い視界を確保して、ワークロードの軽減を図ることができる。さらに大きく飛行計画経路を外れても、本来飛行すべき位置付近を仮想の誘導機シンボル51が飛行しているように認識されるので、それをあたかも探し出すようにして、背後に重畳するように操舵することによって、容易に正規の飛行計画経路に復帰することができる。
【0053】
図16は、誘導表示手段9によって作成される低高度誘導表示情報に基づいてHUD24の画面24aに第10誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図であり、図16(1)は直線飛行しながら正規の飛行計画経路からやや上方にずれて飛行しているときの誘導表示状態を示し、図16(2)は正規の飛行計画経路に乗って、旋回に入る直前で飛行しているときの誘導表示状態を示す。誘導表示手段9は、HUD24の画面24aに、上記の図7~図15に示した各誘導表示に代えて、図16(1)および図16(2)に示されるように、速度ベクトルシンボル38とともに、将来自機があるべき位置およびとるべき姿勢を提示するために、飛行機を模式的に示した複数の誘導機シンボル52,52aを予め定める時間間隔毎の時刻において自機が飛行すべき位置に表示する。この時間間隔は、上述のように、飛行速度に応じて予め定めた時間によって設定されてもよく、あるいは飛行速度に応じて予め定めた距離によって設定されてもよい。図16において最も手前の誘導機シンボル52aは、図15に示す誘導機シンボル51に相当する。また図16に示す各誘導機シンボル52,52aは、図5に示す各誘導機シンボル34~36に相当する。
【0054】
自機が正規の飛行計画経路に乗って飛行し、しかもその飛行が直線飛行であるときには、各誘導機シンボル52,52aに速度ベクトルシンボル38が重畳して表示され、また図16(2)に示すように、旋回飛行においても、自機が正規の飛行計画経路に乗って飛行しているときには、最も手前の誘導機シンボル52aに速度ベクトルシンボル38が重畳して表示され、残余の誘導機シンボル52が3次元的に前方に間隔をあけて表示される。また自機が正規の飛行計画経路から外れて、直線の飛行経路付近を飛行しているときには、図16(1)に示すように、最も手前の誘導機シンボル52aが、自機シンボル38から大きくずれて表示される。したがってパイロットは、自機が将来飛行すべき飛行経路を複数の誘導機シンボル52,52aによって予測しながら、速度ベクトルシンボル38が最後部の誘導機シンボル52,52aに一定の間隔をあけて重畳するように操縦することによって、正規の飛行計画経路から外れることなく航行することができる。
【0055】
このような誘導表示によって、図15に示す表示と同様に、正規の飛行計画経路に対する自機のずれを、3次元的に表示される複数の誘導機シンボル52,52aの向きおよび大きさから直感的に認識して、位置偏差を含む自機の現在の状況および将来の飛行経路を、同時に、容易かつ明確に認識することができる。前方監視の妨げにならず、常にHUD24の画面24a内に広い視界を確保して、前方の飛行経路およびバンク角を明確に認識しながら操縦することができ、ワークロードの軽減を図ることができる。さらに大きく飛行計画経路を外れても、本来飛行すべき位置付近を仮想の誘導機シンボル52,52aが飛行しているように認識されるので、それをあたかも探し出すようにして、背後に重畳するように操舵することによって、容易に正規の飛行計画経路に復帰することができる。
【0056】
図17は、誘導表示手段9によって作成される低高度誘導表示情報に基づいてHUD24の画面24aに第11誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図であり、図17(1)は直線飛行で飛行計画時間どおりに飛行しているときの誘導表示状態を示し、図17(2)は直線飛行で飛行計画時間から遅れているときの誘導表示状態を示し、図17(3)は直線飛行で飛行計画時間よりも進んでいるときの誘導表示状態を示し、図17(4)は旋回中で飛行計画時間どおりに飛行しているときの誘導表示状態を示す。誘導表示手段9は、HUD24の画面24aに、速度ベクトルシンボル38とともに、現在自機があるべき位置およびとるべき姿勢を計算し、極めて近い将来自機がとるべき姿勢で誘導機シンボル53を表示し、かつ自機が飛行計画時間どおりに飛行しているか否かの判断基準として用いられる円形の飛行時間判定マーク54を表示する。
【0057】
図17(1)に示される誘導表示状態では、誘導機シンボル53の両翼端が飛行時間判定マーク54の仮想円に水平な一仮想円に接しているので、飛行計画経路に乗って飛行計画時間どおりに直線飛行していることを容易に認識することができる。またさらに飛行計画経路に乗って直進飛行しながら飛行計画時間から遅延すると、図17(2)に示されるように、誘導機シンボル53の両翼端は、飛行時間判定マーク54の仮想円よりも半径方向内方に縮退し、パイロットは両翼端が仮想円に接するように飛行速度を高めることによって、飛行計画時間に一致させることができる。自機が飛行計画時間よりも進んでくると、図17(3)に記されるように、誘導機シンボル53の両翼端が飛行時間判定マーク54の仮想円から半径方向外方に突出し、飛行計画経路に乗って直線飛行しながら飛行時間よりも進んでいることを容易に認識することができる。さらに飛行計画時間どおりに飛行しながら旋回するときには、図17(4)に示されるように、誘導機シンボル53は、飛行時間判定マーク54の仮想円内で旋回方向に姿勢を傾斜させ、パイロットに旋回方向を誘導表示し、前方で旋回すべきことを事前に認識することができる。
【0058】
このような誘導表示によれば、誘導機シンボル53と飛行時間判定マーク54とによって、飛行計画経路および飛行計画時間に対する偏差を容易かつ確実に認識することができる。また図17には、正規の飛行計画経路に乗って飛行している場合だけを例示しているが、自機が正規の飛行計画経路から外れて飛行しているときには、図15および図16を参照して説明した表示と同様に、誘導機シンボル53が、速度ベクトルシンボル38および飛行時間判定マーク54に対してずれて表示される。このような表示において、飛行時間判定マーク54に対する両翼端の左右の出入り量によって、飛行計画経路に対する自機の上下方向および左右方向のずれを容易かつ明確に認識することができる。しかも誘導機シンボル53によって、少し先の飛行経路が分かるので、旋回、上昇および降下のタイミングをつかみやすく、飛行計画時間どおりに飛行しているか否かを常に確認しながら正規の飛行計画経路に容易に重畳することができる。さらに大きく飛行計画経路を外れても、本来飛行すべき位置付近を仮想の誘導機シンボル53が飛行しているように認識されるので、それをあたかも探し出すようにして、背後に重畳するように操舵することによって、容易に正規の飛行計画経路に復帰することができる。
【0059】
図18は、誘導表示手段9によって作成される低高度誘導表示情報に基づくHUD24の画面24aに第12誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図であり、図18(1)は正規の飛行計画経路に乗って飛行しているときの誘導表示状態を示し、図18(2)は正規の飛行計画経路の右上方に外れて飛行しているときの誘導表示状態を示す。誘導表示手段9は、HUD24の画面24aに、上記の図7~図17に示した各誘導表示に代えて、図18(1)および図18(2)に示されるように、速度ベクトルシンボル38および飛行時間判定マーク54とともに、将来自機があるべき位置およびとるべき姿勢を提示するために、飛行機を模式的に示した複数の誘導機シンボル55,55aを予め定める時間間隔毎の時刻において自機が飛行すべき位置に表示する。この時間間隔は、上述のように、飛行速度に応じて予め定める時間、あるいは飛行速度に応じて予め定める距離によって設定されてもよい。最も手前の誘導機シンボル55aは、図17に示す誘導機シンボル53に相当する。
【0060】
自機が正規の飛行計画経路に乗って飛行し、しかもその飛行が旋回飛行であるときには、図18(1)に示されるように、複数の誘導機シンボル55,55aのうち最も手前の誘導機シンボル55aの表示に速度ベクトルシンボル38が重畳して表示され、また将来の飛行計画経路が旋回しているため、先の誘導機シンボル55は速度ベクトルシンボル38よりも右前方に間隔をあけて表示される。また図18(2)に示されるように、各誘導機シンボル55,55aが速度ベクトルシンボル38から左後方に間隔をあけて表示されているときには、自機が飛行計画経路から右前方に逸れていることを容易に認識することができる。したがってパイロットは、自機が将来飛行すべき飛行経路を複数の誘導機シンボル55,55aによって予測しながら、速度ベクトルシンボル38が最も手前の誘導機シンボル55aに重畳するように操縦することによって、正規の飛行計画経路に復帰させることができる。
【0061】
このような誘導表示によって、正規の飛行計画経路に対する自機のずれを、3次元的に表示される複数の誘導機シンボル55,55aの向きおよび大きさを直感的に認識して、自機の現在の位置および将来の飛行経路を、同時に、容易かつ明確に認識し、操縦の遅れを少なくすることができ、ワークロードの軽減を図ることができる。また最も手前の誘導機シンボル55aは、図17を参照して説明したように、飛行時間判定マーク54との関係において、自機の飛行計画時刻に対するずれを表示することができ、同様の効果を達成する。
【0062】
図19は、誘導表示手段9によって作成される低高度誘導表示情報に基づくHUD24の画面24aに第13誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図であり、図19(1)は飛行計画時間よりも早く飛行しているときの誘導表示状態を示し、図19(2)は飛行計画時間よりも遅れて飛行しているときの誘導表示状態を示す。誘導表示手段9は、HUD24の画面24aに、上記の図7~図16に示した各誘導表示に代えて、図19(1)および図19(2)に示されるように、速度ベクトルシンボル38とともに、現在飛行中の自機の飛行計画時間に対する進みおよび遅れを示す時間スケール40を表示する。この時間スケール40は、画面の右下に表示され、円形の枠表示57の内側に、時計でいう3時、6時、9時、12時の各位置に15秒毎に目盛58a,58b,58c,58dが付され、12時を示す目盛58dに関して左側を進み時間、右側を遅れ時間とし、前記目盛58dから左側または右側に枠表示57の内側に沿って時間の遅れ・進みに応じて長さを変化させる棒状のアナログ表示部分59と、枠表示のほぼ中央に数値によって進み時間をたとえば10秒であれば「0.10」と表示し、遅れ時間をたとえば10秒であれば「-0.10」と表示するデジタル表示部分60とを有する。
【0063】
このような誘導表示によって、自機の飛行計画時間に対する進み時間および遅れ時間を、アナログ表示部分59によって感覚的に認識することができるとともに、デジタル表示部分60の数値によって定量的に認識することができる。
【0064】
図20は、誘導表示手段9によって作成される低高度誘導表示情報に基づくHUD24の画面24aに第14誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。誘導表示手段9は、上記の図7~図19に示される各誘導表示に代えて、HUD24の画面24aに、速度ベクトルシンボル38と、本来自機がいるべき正規の飛行計画経路の方向を示す小径の円によって示される復帰位置マーク61と、速度ベクトルシンボル38から復帰位置マーク61に一直線に延びる自機飛行方向と復帰位置方向との角度偏差を長さで示す接続線62と、自機飛行方向と復帰位置の方向との間の角度の目安とする角度スケールとして、速度ベクトルシンボル38を中心とする大径の円によって示される90度の角度スケール63と、速度ベクトルシンボル38の近傍で復帰位置と自機位置との間の距離を数値で示す距離表示部分64とを表示する。
【0065】
前記接続線62は、その長さによって自機飛行方向と復帰位置の方向との間の角度を示し、復帰位置が正面側にある場合には実線で描かれ、背後側にある場合には破線で描かれる。こような誘導表示によって、正規の飛行計画経路に復帰するために、行くべき方向および距離を的確に認識することができる。
【0066】
図7~図20に基づいて説明した第1~第14誘導表示モードを、パイロットが任意に切り換えて最適な誘導表示モードを選択し、自機を飛行計画経路から外すことなく飛行計画時間どおりに、すなわち飛行計画どおりに正確に飛行するように操縦を支援することができる。また上述の第1~第14誘導表示モードのすべてを表示可能に機上搭載する必要はなく、これらの少なくとも1つの誘導表示モードの誘導表示ができるようにすればよい。
【0067】
以上のような本発明の実施の形態によれば、現在の自機位置と低高度飛行計画における本来飛行すべき正規の位置との位置に関する偏差、および現在時刻と低高度飛行計画における本来飛行すべき正規の時刻との時間に関する偏差のいずれか一方または双方が表示されるので、パイロットに低高度飛行計画に対する自機の位置的評価および時間的評価のいずれか一方または双方の情報を提供することができ、これによって自機の現在の飛行状況を時系列的に連続して正確に把握することが可能となり、低高度飛行においてより的確な情報によって飛行計画に乗った正確な航行を支援することができる。しかも自機の現在の飛行状況を視覚的に捉えて、直感的に把握することができ、迅速かつ容易に把握することができる。
【0068】
また本実施の形態によれば、前記偏差表示は、ヘッドアップディスプレイによって外視界に重畳して表示されるので、パイロットは、偏差表示を目視するために頭を動かす必要がなく、外視界を見ながらの通常の操縦状態において、容易に偏差表示を確認することができ、パイロットのワークロードを軽減することができるとともに、外視界の情報および偏差表示による情報との両方から現在の自機の飛行状況を容易に把握することができる。また上述の形態では、正規の飛行計画経路に乗っているとしたら自機がいるべき位置を、自機のコックピットから見たときに見えるように表示することによって、位置偏差が表示されるので、この位置偏差の把握をさらに容易にすることができる。
【0069】
また同時に2つ以上のモードの誘導表示をするようにしてもよい。さらに飛行状態に応じて、誘導表示モードを制御手段によって自動的に切換えるようにしてもよい。たとえば正規の飛行計画経路にほぼ乗って直線飛行しているときは、表示の重なりによる視界の悪化を防ぐために、第5、第7、第9、第11または第13モードの簡素な表示とし、正規の飛行計画経路にほぼ乗って旋回飛行しているときは、将来の経路の把握を容易にするために、第3、第6、第8、第10および第12モードの比較的簡素でかつ将来の飛行経路が表示される表示とし、飛行計画経路から大きく外れたときは、飛行計画経路の把握を極めて容易にするために、第1、第2または第4モードの飛行計画経路をより詳細に示す表示とするように、表示を自動的に切換えるようにしてもよい。
【0070】
これによって正規の飛行計画経路に乗って飛行しているときなど、複雑な表示を必要としないときは、できるだけ簡素な表示で、表示による外視界の遮りを少なくし、かつ軌道修正のためなどに詳細な内容の表示が必要なときには、軌道修正を優先させて詳細な表示をし、迅速かつ的確な軌道修正を行うことができる。このとき軌道修正が必要なときは、飛行計画経路を示す表示は、重なることがなく、外視界を大きく悪化させてしまうことがない。特に、位置偏差を示す誘導表示と、時間偏差を示す誘導表示とを組み合わせて表示することによって、飛行計画どおりの正確な飛行が可能になる。また飛行計画どおりに飛行しているときは、位置偏差または時間偏差のいずれか一方だけを表示し、いずれか他方は、飛行計画から外れたときだけ追加表示するようにして、できるだけ簡素な表示として、外視界を遮らないようにしてもよい。
【0071】
このように誘導表示の内容を、飛行状態に応じて切換えて表示することによって、多くの誘導表示を同時に表示しすぎて、表示内容の把握が困難になる、または外視界が見ずらくなるなどの不具合を防ぎ、かつ飛行状況に応じて必要な内容の誘導表示を表示することができる。このような誘導表示の内容は、自機の飛行状態を検出する手段12の検出結果に基づいて、表示を制御する誘導表示手段9によって、いわゆる自動的に切換えるようにして、パイロットが自ら表示内容を切換えなくても好適な表示内容に切換わるようにすることができ、パイロットは、誘導表示などに基づく自機の操縦だけに専念することができる。
【0072】
上述の実施の形態では、誘導表示手段9に図7~図20に基づいて説明した第1~第14誘導表示モードのいずれか1つを選択して誘導表示するために、速度ベクトルシンボル38、予定フライトパス表示部分42,42a,44,45,46a,46b、偏差マーク47~50,48a,50a,52a、誘導機シンボル51~53,55,52a,55a、飛行時間判定マーク54、時間スケール56、枠表示57、目盛58、アナログ表示部分59、デジタル表示部分60、復帰位置マーク61、接続線62、距離スケール63、距離表示部分64などの各種の表示パターンを生成するキャラクタジェネレータが設けられてもよく、他の実施の形態として、第1~第14誘導表示モードを個別のファイルとしてデータベース化し、選択された誘導表示モードに対応するファイルを読み出して、希望する表示パターンを用いて誘導表示するようにしてもよい。
【0073】
本発明は、上述の形態に限定されることはなく、本発明の範囲内で、構成を適宜変更することが可能であって、たとえば誘導表示は、必ずHUD24に表示する必要はなく、他の表示手段に自機位置に応じて変化する背景デジタル画像に重畳表示するようにしてもよい。
【0074】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、目的地までの旋回、上昇及び下降の空間的位置及び3次元の軌道並びに経路上の通過時刻を定義した飛行計画と自機位置とを比較して、現在の自機位置と飛行計画における本来飛行すべき正規の位置との位置に関する偏差、および現在時刻と飛行計画における本来飛行すべき正規の時刻との時間に関する偏差のいずれか一方または双方が表示されるので、パイロットに飛行計画に対する自機の位置的評価および時間的評価のいずれか一方または双方の情報を提供することができ、これによって自機の現在の飛行状況を時系列的に連続して正確に把握することが可能となり、低高度飛行においてより的確な情報によって飛行計画に乗った正確な航行を支援することができる。しかも自機の現在の飛行状況を、視覚的に捉えて、直感的に把握することができ、迅速かつ容易に把握することができる。これとともに自機の飛行状態を検出する手段の検出結果に基づいて、表示を制御する誘導表示手段によって、飛行状態に応じた誘導表示内容を視界の悪化を防ぐための簡素な誘導表示内容、旋回経路の空間的な把握が可能な誘導表示内容および飛行計画経路を詳細に示す誘導表示内容の少なくともいずれか1つに自動的に選択するので、パイロットが自ら表示内容を切換えなくても好適な表示内容に切換わるようにすることができ、パイロットは、誘導表示などに基づく自機の操縦だけに専念することができる。
【0075】
請求項2記載の本発明によれば、前記偏差表示は、ヘッドアップディスプレイによって外視界に重畳して表示されるので、パイロットは、偏差表示を目視するために頭を動かす必要がなく、外視界を見ながらの通常の操縦状態において、容易に偏差表示を確認することができ、パイロットのワークロードを軽減することができるとともに、外視界の情報および偏差表示による情報との両方から現在の自機の飛行状況を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の低高度飛行計画支援方法を実施するための低高度飛行計画支援装置1全体の構成を示すブロック図である。
【図2】地形表示出力手段3によってMFD5に表示された地形表示の一例を示す図である。
【図3】情報表示手段12によってCDU13に表示された情報表示の一例を示す図である。
【図4】誘導表示手段9の構成を示すブロックである。
【図5】HDU24によって外視界に誘導表示内容を重畳表示した内容を示す図である。
【図6】本発明の低高度飛行計画支援方法の流れを示すフローチャートである。
【図7】誘導表示手段9によって作成された低高度誘導表示情報に基づいてHDU24の画面41に第1誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。
【図8】誘導表示手段9によって作成された低高度誘導表示情報に基づいてHDU24の画面41に第2誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。
【図9】誘導表示手段9によって作成された低高度誘導表示情報に基づいてHDU24の画面41に第3誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。
【図10】誘導表示手段9によって作成された低高度誘導表示情報に基づいてHDU24の画面41に第4誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。
【図11】誘導表示手段9によって作成された低高度誘導表示情報に基づいてHDU24の画面41に第5誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。
【図12】誘導表示手段9によって作成された低高度誘導表示情報に基づいてHDU24の画面41に第6誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。
【図13】誘導表示手段9によって作成された低高度誘導表示情報に基づいてHDU24の画面41に第7誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。
【図14】誘導表示手段9によって作成された低高度誘導表示情報に基づいてHDU24の画面41に第8誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。
【図15】誘導表示手段9によって作成された低高度誘導表示情報に基づいてHDU24の画面41に第9誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。
【図16】誘導表示手段9によって作成された低高度誘導表示情報に基づいてHDU24の画面41に第10誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。
【図17】誘導表示手段9によって作成された低高度誘導表示情報に基づいてHDU24の画面41に第11誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。
【図18】誘導表示手段9によって作成された低高度誘導表示情報に基づいてHDU24の画面41に第12誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。
【図19】誘導表示手段9によって作成された低高度誘導表示情報に基づいてHDU24の画面41に第13誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。
【図20】誘導表示手段9によって作成された低高度誘導表示情報に基づいてHDU24の画面41に第14誘導表示モードで表示された誘導表示を示す図である。
【符号の説明】
1 低高度飛行計画支援装置
2 偏差計算手段
3 地形表示出力手段
4 情報表示出力手段
5 MFD
9 誘導表示手段
10 低高度飛行計画管理手段
11 地形データ記憶手段
12 自機飛行状態導出手段
13 CDU
21 低高度飛行計画作成手段
22 表示モード管理手段
23 表示データ生成手段
24 HUD
38 速度ベクトルシンボル
42,42a,44,45,46a,46b 予定フライトパス表示部分
47~50,48a,50a 偏差マーク
51~53,55,52a,55a 誘導機シンボル
54 飛行時間判定マーク
56 時間スケール
57 枠表示
58 目盛
59 アナログ表示部分
60 デジタル表示部分
61 復帰位置マーク
62 接続線
63 距離スケール
64 距離表示部分
71 飛行計画ファイル
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17
【図19】
18
【図20】
19