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明細書 :水槽試験用模型船とその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3505576号 (P3505576)
公開番号 特開2003-149079 (P2003-149079A)
登録日 平成15年12月26日(2003.12.26)
発行日 平成16年3月8日(2004.3.8)
公開日 平成15年5月21日(2003.5.21)
発明の名称または考案の名称 水槽試験用模型船とその製造方法
国際特許分類 G01M 10/00      
B63B  9/08      
G09B 23/12      
FI G01M 10/00
B63B 9/08
G09B 23/12
請求項の数または発明の数 3
全頁数 4
出願番号 特願2001-350283 (P2001-350283)
出願日 平成13年11月15日(2001.11.15)
審査請求日 平成13年11月15日(2001.11.15)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
発明者または考案者 【氏名】高宮 淳
個別代理人の代理人 【識別番号】100067323、【弁理士】、【氏名又は名称】西村 教光
審査官 【審査官】本郷 徹
参考文献・文献 特開 平7-68410(JP,A)
実開 平5-88600(JP,U)
特公 昭57-84747(JP,B1)
調査した分野 G01M 10/00
B63B 9/08
特許請求の範囲 【請求項1】
模型船本体の甲板部の外周に沿った枠形に形成された内枠の両側枠に略門形の支持枠が船底方向に立設された構造の内型と、基板面に複数本の角材が密に並設されて固定された構造の複数枚のパネルと、を具備し、前記内型に前記パネルが前記角材を外側にして且つ角材の長手方向が模型船本体の前後方向に向くようにして前記模型船本体の外形に沿って固定されているとともに、内枠の船首部の上面には複数本の角材が密に並設固定されており、前記角材の全外周が模型船本体の全外周形状に沿って切削成形されていることを特徴とする水槽試験用模型船。

【請求項2】
前記角材は、バルサ材により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の水槽試験用模型船。

【請求項3】
模型船本体の甲板部の外周に沿って枠形に形成した内枠の両側枠に略門形の支持枠を立設させて内型を製造し、基板面に複数本の角材を密に並設固定して複数枚のパネルを製造し、前記内型の外周に前記パネルを角材を外側にして且つ角材の長手方向が模型船本体の前後方向に向くようにして模型船本体の外形に沿って固定するとともに、内枠の船首部の上面に複数本の角材を密に並設固定し、前記角材の全外周を模型船本体の全外周形状に沿って切削成形したことを特徴とする水槽試験用模型船の製造方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、バルサ材のような木質材の積層及び切削により形成された、比較的大形(例えば、前後方向の長さが約3m程度)の水槽試験用模型船及びその製造方法に関するものである。この種の水槽試験用模型船は、水槽の定位置に浮かべて、水流抵抗などの試験データを収集する。

【0002】

【従来の技術】図6乃至図9は、従来のこの種水槽試験用模型船の製造方法を説明する図である。従来の上記製造方法では、図6に示すように、模型船本体を、甲板部から船底部迄、複数段(図6の例では6段)に水平方向に分割し、各段毎にバルサ材を船体形状に沿って成形して形成し、積層して製造していた。

【0003】
従来の製造方法を具体的に説明するに、図6に示すように、まず、甲板部に沿った第1段を製造する。第1段の製造では、バルサ材を船体形状に沿って、平均横40mm×縦30mmの肉厚で棒形又は折れ棒形に成形して第1段製作分複数本切り出す。この複数本のバルサ材を、センターラインから船体仕上げ形状までの距離を計測し位置決め後、船体形状に沿って枠形に接合する。次に、第2段分を切り出し、接合する。このようにして、第6段分まで製作する。このようにして製作した各段を積層し接合するが、断面についての形状が不安定となるため、積層時に、図8に示すような支持台を必要とする。積層完了後、図9に示すように、余肉を切削し、模型船本体の製造を完了する。このようにして製造した模型船本体は、甲板部を下向きにし、船底部を上方にした状態で製造される。水槽で試験をする時には、甲板部を上向きにして浮かべて試験を行なう。

【0004】
上記従来の製造方法では、バルサ材を船体形状に沿って所定肉厚で切り出し積層していく複数段積層方式であり、形状が各段で異なり変形防止の観点より、1段積層する毎にバルサ材を切り出し、これをセンターから船体仕上げ形状までの距離を計測し位置決め後接合していた。

【0005】

【発明が解決しようとする課題】このため、従来の方式では、1段毎のバルサ材の切り出し加工時間、位置決め作業時間に時間がかかり、積層時の断面形状が不安定となるため2段目以降は支持台が必要となるなど、作業効率上の課題があった。

【0006】
そこで本発明は、上記の課題を解消するためになしたもので、製造能率が向上し、安定した堅牢な構造を可能とした水槽試験用模型船及びその製造方法を提供することを目的としている。

【0007】

【課題を解決するための手段】次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図1乃至図5を参照して説明する。

【0008】
本発明に係る水槽試験用模型船は、模型船本体1の甲板部の外周に沿った枠形に形成された内枠2の両側枠2aに略門形の支持枠3が船底方向に立設された構造の内型4と、基板5の外周面に複数本の角材6が密に並設されて固定された構造の複数枚のパネル7とを具備している。そして、内型4の外周にパネル7が角材6を外側にして且つ角材6の長手方向が模型船本体1の前後方向に向くようにして模型船本体1の外側面及び船底面の少なくとも大部分に沿って固定されている。模型船本体1の外側面及び船底面のうち、パネル7で覆われることが困難なデッドスペース部分、例えば、内枠2の船首部2bの船底がわ面には複数本の角材6が密に並設されている。このような角材6の全外周が模型船本体1の全外周形状に沿って切削成形され、水槽試験用模型船を形成している。また、上記パネル7で覆われることが困難な模型船本体1の外側面又は船底面のデッドスペース部分を、別途、バルサ角材やパテ等で埋めるようにしても良い。

【0009】
上記角材6はバルサ材により形成され、上記内型4及び基板5はベニヤ板により形成されている。

【0010】
次に、本発明にかかる上記水槽試験用模型船の製造方法は、模型船本体1の甲板部の外周に沿って枠形に形成した内枠2の両側枠2aに略門形の支持枠3を立設させて内型4を製造する。また、これとは別に、基板5の外周面に複数本のバルサ角材6を密に並設固定して複数枚のパネル7を製造する。次に、内型2の外周にパネル7を角材6を外側にして且つ角材6の長手方向が模型船本体1の前後方向に向くようにして模型船本体1の外形に沿って固定するとともに、内枠2の船首部2bの上面に複数本の角材6を密に並設固定する。このような角材6の全外周を模型船本体1の全外周形状に沿って切削成形させる。

【0011】

【発明の実施の形態】図1乃至図5は、本発明の実施の形態にかかる水槽試験用模型船及びその製造方法を説明する図である。

【0012】
実施の形態にかかる水槽試験用模型船を製造するためには、模型船本体1の甲板部の外周に沿って枠形に形成した内枠2の両側枠2aに略門形の支持枠3を立設させて内型4を製造する。模型船本体1の全長は約3m、内型4は船体形状より内側に平均約30mm小さく形成し、板材例えばベニヤ板により製作する。

【0013】
また、これとは別に、約75×75×1200mmの多数のバルサ角材6を削り出す。このようなバルサ角材6をベニヤ基板5の外周面に密に並設接着してパネル7を製作する。パネル7は、側面パネル7A及び船底パネル7Bとなる。

【0014】
次に、内型2の外周に側面パネル7A及び船底パネル7Bを角材6を外側にして且つ角材6の長手方向が模型船本体1の前後方向に向くようにして模型船本体1の外形に沿って固定するとともに、内枠2の船首部2bの上面に複数本の角材6を密に並設固定する。

【0015】
このような角材6の全外周を模型船本体1の全外周形状に沿って切削成形させる。このようにして、水槽試験用模型船が完成する。

【0016】

【発明の効果】本発明による水槽試験用模型船及びその製造方法によれば、角材を基板に接着したパネルを用い、これを内型に接合接着して模型船本体の基本構造としているので、従来の多段積層方式に比べ、構造が単純で、製作工程中に支持台を用いる必要もなく、製作時間及び製作のための労力が少なくてすみ、製作効率が向上する。

【0017】
また、模型船本体の外壁を構成するバルサ角材は、予めベニヤ基板に接着されており、内部が内型によって支持されているので、構造的に堅牢である。
図面
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図1】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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