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明細書 :動的風洞試験装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3472835号 (P3472835)
公開番号 特開2003-161671 (P2003-161671A)
登録日 平成15年9月19日(2003.9.19)
発行日 平成15年12月2日(2003.12.2)
公開日 平成15年6月6日(2003.6.6)
発明の名称または考案の名称 動的風洞試験装置
国際特許分類 G01M  9/08      
G01L  5/16      
FI G01M 9/08
G01L 5/16
請求項の数または発明の数 2
全頁数 8
出願番号 特願2001-360075 (P2001-360075)
出願日 平成13年11月26日(2001.11.26)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用申請有り 1999年秋期(第125回)大会日本金属学会講演概要(1999年11月20日)社団法人日本金属学会発行第173頁上段、(81)に発表
審査請求日 平成13年11月26日(2001.11.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
発明者または考案者 【氏名】堀江 和宏
【氏名】山口 裕美子
【氏名】後藤 敬太
個別代理人の代理人 【識別番号】100079290、【弁理士】、【氏名又は名称】村井 隆
審査官 【審査官】本郷 徹
参考文献・文献 特開 平9-72822(JP,A)
特開 平3-137537(JP,A)
特開 平4-70535(JP,A)
調査した分野 G01M 9/08
G01L 5/16
特許請求の範囲 【請求項1】
風洞の計測部空間に配置した風試模型の重心に取付けられ直交する3軸を中心として回転可能なジンバル機構と、前記計測部空間の下方基礎部から立設し前記ジンバル機構を支持する支持棒と、該支持棒に設けられ当該支持棒に加わる上下、前後及び左右方向の力を計測する力計測センサとを備えてなることを特徴とする動的風洞試験装置。

【請求項2】
風洞の計測部空間に配置した風試模型の重心に取付けられ直交する3軸を中心として回転可能なジンバル機構と、前記計測部空間の上方固定部から懸吊し前記ジンバル機構を支持する支持棒と、該支持棒に設けられ当該支持棒に加わる上下、前後及び左右方向の力を計測する力計測センサとを備えてなることを特徴とする動的風洞試験装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、動的風洞試験装置に関し、回転運動に伴う位置変位量が大きい場合においても風試模型が風洞計測部から逸脱することがなく風試模型の大規模運動模擬を可能とし、高精度な位置の保持を可能として試験人員も少なくすることができるものである。

【0002】

【従来の技術】従来の動的風試模型は、航空機の模型を風洞の計測部内の空間にケーブル等で配置し、風洞から発生する気流により空間に浮かせ、風洞内でフリーフライト状態を作り出し、動的風試模型の6自由度運動を模擬していた。図7は動的風試模型のフリーフライトの状態を示す説明図であり、風試模型50は気流60により風洞内の計測部の空間に浮いており、機体の重心51を中心としてピッチP、ヨーY、ロールR、前後方向F、左右方向L、上下方向Uの6自由度の運動模擬を行い、航空機の動的模擬試験がなされている。

【0003】
上記の6自由度運動模擬は航空機の機体の各種の空力的性能試験が可能であるが、回転運動に伴う位置変位が大きい場合には、狭い風洞計測部内の空間から模型が逸脱してしまい、回転運動模擬範囲には制限がある。即ち、風洞の計測部の空間は、一例として3.3m×3.3mの空間であり、その中に飛行する模型は長さが1m~1.6m程度、幅も1m程度の大きさ、重さは17kg程度であり、その移動範囲もおのずと制限があり、大きな変位量には対応できず、模型の風洞構造部への接触等により破損が生じてしまう。

【0004】
上記の6自由度運動模擬は航空機の機体の各種の空力的性能試験が可能であるが、模型制御初期条件(風速、推力等)設定までの間の模型の挙動を何らかの方法で制御する必要があり、模型にケーブル、ひも等を取付けて模型挙動を拘束する場合には、フリーフライト移行時には、ケーブル、ひも等をゆるめる必要があり、この場合には大きな外乱が入る可能性が高い。また、積極的に飛行を制御する場合には、別途離陸専用の複雑な制御システムを検討しなければならず、簡略な方法では不可能である。

【0005】
また、航空機の模型の動的風洞試験においては、風洞内に模型を配置し、気流を流して各種、空力試験を実施している。図5は米国で行われている動的風洞試験設備の斜視図であり、風洞前部520と風洞後部521との間の計測部には気流60により揚力を受けて航空機の風試模型522が自由飛行している。模型522には制御用の電線やセンサからの信号線を伝送するケーブル523の一端が接続され、ケーブル523の他端はコンピュータ525へ接続されている。また、模型522には安全ケーブル524が接続され、万一、模型522の挙動が不安定となっても、風洞外へ飛び出さないようにしている。

【0006】
上記の風洞試験においては、試験時には、安全ケーブルのオペレータ530、風洞オペレータ531、ピッチ操作オペレータ532、推力操作オペレータ533、ロール操作オペレータ534等の多くのオペレータが試験を実施している。

【0007】
図6は従来の動的風洞試験設備の斜視図であり、主に国内で実施している例である。図において、風洞540内には航空機の風試模型541がケーブルで空間部に保持され、気流60を受けるようになっている。模型541は前方ケーブル542の途中により前部が取付けられ、前方ケーブル542は一端が風洞内の固定部544に固定され、他端はプーリ543を介して基礎へ固定されている。また、模型541の後部には後方ケーブル545の一端が取付けられ、後方ケーブル545の他端はプーリ546を介して基礎に弾性力を付与して固定されている。模型541の風洞側面には2台のTVカメラ548a,548bが装備され、カメラからの信号は電線549で位置計測装置550へ接続されている。模型541には、模型の姿勢制御用の電線やセンサへ接続される電線からなるケーブル547の一端が接続され、ケーブル547の他端は制御用の計算機551へ接続されている。この例では模型541をケーブル542,545で支持して試験を行っているが、模型541を上下位置保持装置で支持し、ピッチ姿勢の変化を可能とした試験も行われている。

【0008】
上記に説明した従来の動的風洞試験においては、図5の例では試験人員が多数必要であり、操縦に熟練が必要となる。また、人の反応速度は遅く、模型、風洞が大規模になり、試験の再現性や試験効率も悪い。また、図6の例では、ケーブルで模型を支持しているので、前後、左右の移動に対応できず、高い迎角の試験も難しくなる等の問題がある。

【0009】

【発明が解決しようとする課題】前述のように従来の航空機の動的風試模型による風洞試験では回転運動に伴う位置変位量が大きいと、狭い風洞計測部から模型が逸脱してしまい、その位置変位量が大きい回転運動には模擬範囲が制限されてしまい大規模な運動模擬ができなかった。また、計測部から模型が逸脱すると高価な模型が風洞の構造部へ接触して破損することもあり模型の取り換えが生じてしまい、効率的な風洞試験の障害となってしまう。

【0010】
また、前述のように従来の航空機の模型による動的風試フリーフライトへの移行は、ケーブルやひも等により模型を拘束しておき、フリーフライト移行時にケーブルやひもをゆるめて模型のフリーフライトへの制御を開始しているが、このような方式では、ケーブルやひもをゆるめる際に模型の挙動に大きな外乱が加わってしまう可能性があり、模型制御初期における正確な試験結果が得られない、という課題があった。

【0011】
また、前述のように、従来の動的風洞試験においては、自由飛行をさせる図5の例では試験に多くの人員を必要とし、人員の熟練度も必要となる。また、ケーブルで模型を支持する図6に示すような試験設備では、模型の動きに自由度がなく、前後、左右の動きに対応できず、高迎角の姿勢の保持ができず、試験の適用範囲が制限されてしまう。

【0012】
そこで本発明は、風試模型を3軸で回転可能なジンバル機構を用いて支持する構成とし、模型の位置を拘束することにより模型の逸脱を回避し、回転運動模擬範囲の制限を大幅に緩和することができる動的風洞試験装置を提供することを課題としてなされたものである。

【0013】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。

【0014】

【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解決するために次の(1)~(2)の手段を提供する。

【0015】
(1)風洞の計測部空間に配置した風試模型の重心に取付けられ直交する3軸を中心として回転可能なジンバル機構と、前記計測部空間の下方基礎部から立設し前記ジンバル機構を支持する支持棒と、該支持棒に設けられ該支持棒に加わる上下、前後及び左右方向の力を計測する力計測センサとを備えてなることを特徴とする動的風洞試験装置。

【0016】
(2)風洞の計測部空間に配置した風試模型の重心に取付けられ直交する3軸を中心として回転可能なジンバル機構と、前記計測部空間の上方固定部から懸吊し前記ジンバル機構を支持する支持棒と、該支持棒に設けられ当該支持棒に加わる上下、前後及び左右方向の力を計測する力計測センサとを備えてなることを特徴とする動的風洞試験装置。

【0017】
本発明の(1)においては、風試模型の重心にはジンバル機構が取付けられており、ジンバル機構は支持棒で支持されているので、模型は直交する3軸を中心として3自由度の回転が可能である。従って、風試模型はピッチ、ロール、ヨー方向に自由に回転し、飛行条件に応じて任意の姿勢が可能となる。風試模型は、その位置が支持棒により拘束され移動しないので、回転運動に伴う位置変位量が大きくなっても計測部から逸脱することが防止され回転運動模擬範囲の制限が大幅に緩和される。また、支持棒に加わる上下、前後及び左右の力は力計測センサで計測され制御部へ送られるので、制御部において模型に加わる力が推定され機体の並進運動も推定でき、従来のように風洞内のフリーフライトでは模型が風洞計測部から逸脱して大規模な運動模擬が不可能であるような場合でも、本発明の(1)ではこのような大規模な運動模擬が可能となる。

【0018】
本発明の(2)では、風試模型は上方から懸吊されているが、その他の構成は(1)の発明と同じ構成である。従って、風試模型はジンバル機構によって3自由度の回転が可能であり、その位置も支持棒で拘束されているので、(1)の発明と同様に回転運動に伴う位置変位量が大きい場合にも模型が計測部から逸脱することがなく、回転運動模擬運動範囲の制限が大幅に緩和される。また、力計測センサが支持棒に加わる力を計測するので、機体の並進運動も推定でき、従来のフリーフライトでは模型が逸脱して大規模な運動模擬が不可能な場合にも、大規模な運動模擬が可能となる。

【0019】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて具体的に説明する。

【0020】
図1は本発明の第1の実施の形態であって、動的風洞試験装置における3自由度運動模擬機構の構成図である。図において、50は風試模型であり、従来と同じく航空機の縮小模型である。風試模型50は風洞前部70と風洞後部72との間の計測部71内へ配設されている。風試模型の寸法の一例としては計測部71の空間部が3.3m×3.3m、模型50の長さが1.6m、幅が1.0m、重さが17kg程度の大きさである。

【0021】
1はジンバル機構であり、後述するように、互いに直交する3軸を中心として3自由度の回転が可能な構造であり、風試模型50の重心51に3軸の中心が一致するように取り付け配置されている。2は支持棒で、風試模型50をジンバル機構1を介して支持する棒であり、支持棒2は下方支持装置4により基礎61に支持され、垂直に立設している。3は力計測センサ(天秤)であり、支持棒2の途中に取付けられ、支持棒2に加わる上下方向、前後方向及び左右方向の力をそれぞれ計測する。

【0022】
上記構成の動的風洞試験装置の3自由度運動模擬機構において、風洞前部70からの気流60は計測部71へ向かって流れており風試模型50は、その気流により受ける揚力と共に、図示省略の模型の主翼、尾翼の舵面操作により、それぞれジンバル機構1を中心としてロールR、ピッチP、ヨーYの回転を行い動的風洞試験がなされる。この場合には風試模型50は、支持棒2により下方支持装置4を介して基礎61に固定されているので、移動することなくジンバル機構1を中心として3軸方向にのみ回転することになる。

【0023】
また、支持棒2には力計測センサ3が取付けられており、この力計測センサ3は風試模型50が3軸で回転した時に支持棒2が受ける上下方向、前後方向及び左右方向の力をそれぞれ計測し、図示していない制御装置へ送り、その時の模型が受ける力を推定することができる。なお、支持棒基部を固定支持する下方支持装置4は風洞前部70と風洞後部72とで形成される気流60の流路よりも下方に設け気流の邪魔にならないような配置としている。

【0024】
図2は第1の実施の形態に係る動的風洞試験装置の3自由度運動模擬機構を用いた全体のシステム構成図である。図において、風試模型50は図1に示したように計測部71に配置され、支持棒2で下方支持装置4を介して基礎61に支持されている。計測部71の前後両側には基礎61から柱を立設した架台40が配設され、架台40の上部にはコネクタ42が設けられた配線・配管用支持台41が取付けられている。コネクタ42には風試模型50への配線・配管からなるアンビリカルケーブル43が接続されている。44,45,46は拘束索であり、万一風試模型50が支持棒2から外れた時の安全用の索で、通常はたるんでいる。47はカメラであり風試模型50の位置を2台のカメラで測定している。

【0025】
また、コネクタ42へはアンビリカルケーブル43へ接続する空気供給管30が接続され、空気供給管30は制御バルブ31、遮断弁32、空気供給管33を通して高圧空気源34へ接続されている。また、コネクタ42には、後述するようにアンビリカルケーブル43へ接続される制御装置21からの配線が接続されている。空気供給管30からの空気は風試模型50後部より噴出され、推力を得るものであり、また、制御装置21からの電気信号は風試模型50内のモータやアクチュエータを制御するものである。

【0026】
上記構成の機構において、飛行制御装置20は風試模型50の各種飛行条件の指令を制御装置21へ送る。制御装置21は飛行制御装置20からの指令に基づいてバルブ制御装置23へ信号を送り、バルブ制御装置23は遮断弁32の開閉、制御バルブ31の弁開度を制御して設定された飛行条件において空気の流量を制御し、また、制御装置21はコネクタ42を介して制御信号を送り、模型内部のモータやアクチュエータを制御し、これら空気と電気信号により風試模型50の主翼、尾翼の可動翼(つまり舵面)を動かし、風試模型50のロールR、ピッチP、ヨーYの各回転を飛行条件に応じて制御する。また、制御装置21は2台のカメラ47が取り込んだ風試模型50の位置信号を位置計測装置22から受け、これを飛行制御装置20へ送る。更に、制御装置21は前述のように、力計測センサ3からの信号を取込み、この信号は支持棒2に加わる上下、前後及び左右方向の力の信号であり、これら信号を飛行制御装置20へ送る。

【0027】
図3は上記の風試模型50に用いるジンバル機構1の一例を示す詳細図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。両図において、11はピッチ軸であり、12はロール軸、13はヨー軸である。14はブラケットであり、下面にヨー軸13が固定され、ヨー軸13は軸受16内でヨー方向に回転自在に支持されている。15は軸支持部であり、ロール軸12を回転自在に保持し、ロール軸12をロール方向Rに回転自在に支持すると共に、ブラケット14内にピッチ軸11を中心にピッチ方向Pへ回転自在に支持されている。支持棒2の先端は軸受16に固定されヨー軸13を介してジンバル機構1全体を支持している。前記ロール軸12に模型50が取り付けられる。

【0028】
上記構成のジンバル機構1を風試模型50の重心51へ組み込んでピッチ軸11とロール軸12の中心に前記重心51を一致させ、支持棒2で風試模型50を支持し、動的風洞試験を行うと、風試模型50は計測部71内へ3自由度運動を可能にして固定、支持するので、風試模型50の位置が拘束され、風試模型50の計測部71からの逸脱が防止され回転運動模擬範囲の制限の大幅な緩和がなされる。

【0029】
以上説明の第1の実施の形態によれば、風試模型50をジンバル機構1と支持棒2で支持することにより、風試模型50の計測部71からの逸脱が防止されて回転運動模擬範囲の制限が大幅に緩和される。また、力計測センサ3により風試模型50に加わる上下方向、前後方向及び左右方向の力が測定されるので、これを飛行制御部20(図2参照)に取込み、従来の風洞内フリーフライトでは風洞計測部71からの模型の逸脱のため不可能であった大規模運動模擬が可能となる。

【0030】
図4は本発明の第2の実施の形態に係る動的風洞試験装置の3自由度運動模擬機構を示す構成図であり、第1の実施の形態では風試模型を下から支持した構成から第2の実施の形態では風試模型を上方より吊り下げて支持する方式としたものである。

【0031】
即ち、図4において、風試模型50の重心51には、ジンバル機構1が組み込まれており、ジンバル機構1は、支持棒82により支持棒支持部84を介して計測部空間の上方固定部としての架台40に取付けられている。つまり、風試模型50は架台40上部から支持棒82により垂直に懸吊される構成である。その他の構成は前述の第1の実施の形態と同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付して説明を省略する。この第2の実施の形態においても、第1の実施の形態のものと同様の作用効果が得られるものである。

【0032】
なお、上記の第2の実施の形態においては、図3に示すジンバル機構1を用いる場合には、ジンバル機構1を介して支持棒2から風試模型50が懸吊するため、図3に示す軸受16とヨー軸13とは脱落防止のための係止部が必要となり、例えば、ヨー軸先端に軸径よりも大径となるフランジを設け、軸受16の溝内に、拡大溝部を設けて、ヨー軸が回転自在に軸受と係合するようにすれば良い。

【0033】
また、上記に説明の図3に示すジンバル機構1は、この構造に限定するものではなく、直交する3軸でそれぞれ回転可能とする構造であれば、どのような構造の機構でも良いものである。

【0034】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。

【0035】

【発明の効果】本発明の(1)に係る動的風洞試験装置は、風洞の計測部空間に配置した風試模型の重心に取付けられ直交する3軸を中心として回転可能なジンバル機構と、前記計測部空間の下方基礎部から立設し前記ジンバル機構を支持する支持棒と、該支持棒に設けられ該支持棒に加わる上下、前後及び左右方向の力を計測する力計測センサとを備えてなることを特徴としている。

【0036】
上記の構成により、風試模型はピッチ、ロール、ヨー方向に自由に回転し、飛行条件に応じて任意の姿勢が可能となる。風試模型は、その位置が支持棒により拘束され移動しないので、回転運動に伴う位置変位量が大きくなっても計測部から逸脱することが防止され回転運動模擬範囲の制限が大幅に緩和される。また、支持棒に加わる上下、前後、左右の力は力計測センサで計測され制御部へ送られるので、制御部において模型に加わる力が推定され機体の並進運動も推定でき、従来のように風洞内のフリーフライトでは模型が風洞計測部から逸脱して大規模な運動模擬が不可能であるような場合でも、本発明の(1)ではこのような大規模な運動模擬が可能となる。

【0037】
本発明の(2)の動的風洞試験装置は、風洞の計測部空間に配置した風試模型の重心に取付けられ直交する3軸を中心として回転可能なジンバル機構と、前記計測部空間の上方固定部から懸吊し前記ジンバル機構を支持する支持棒と、該支持棒に設けられ該支持棒に加わる上下、前後及び左右方向の力を計測し制御部へ送る力計測センサとを備えてなることを特徴としている。

【0038】
上記の構成により、風試模型はジンバル機構によって3自由度の回転が可能であり、その位置も支持棒で拘束されているので、(1)の発明と同様に回転運動に伴う位置変位量が大きい場合にも模型が計測部から逸脱することがなく、回転運動模擬運動範囲の制限が大幅に緩和される。また、力計測センサが支持棒に加わる力を計測するので、機体の並進運動も推定でき、従来のフリーフライトでは模型が逸脱して大規模な運動模擬が不可能な場合にも、大規模な運動模擬が可能となる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図7】
2
【図3】
3
【図4】
4
【図5】
5
【図6】
6