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明細書 :吸音材一体型ハイドロホン

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3604135号 (P3604135)
公開番号 特開2003-299178 (P2003-299178A)
登録日 平成16年10月8日(2004.10.8)
発行日 平成16年12月22日(2004.12.22)
公開日 平成15年10月17日(2003.10.17)
発明の名称または考案の名称 吸音材一体型ハイドロホン
国際特許分類 H04R  1/44      
B63B 49/00      
G10K 11/16      
FI H04R 1/44 330Y
H04R 1/44 320
B63B 49/00 B
G10K 11/16 C
請求項の数または発明の数 4
全頁数 6
出願番号 特願2002-101424 (P2002-101424)
出願日 平成14年4月3日(2002.4.3)
審査請求日 平成14年4月3日(2002.4.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
発明者または考案者 【氏名】三上 宏幸
【氏名】西條 献児
【氏名】嶋村 英樹
【氏名】大河原 千晶
【氏名】鈴木 光二
【氏名】境 周一郎
【氏名】坪井 友宏
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】松澤 福三郎
参考文献・文献 特開平08-182090(JP,A)
実開昭63-183572(JP,U)
調査した分野 H04R 1/44 320
B63B 49/00
G10K 11/16
特許請求の範囲 【請求項1】
受波素子を粘弾性材料で覆って成る水中受波器部の表面に、水中吸音材を設け、前記水中受波器部と共に締結手段により舷外板に固定したことを特徴とする吸音材一体型ハイドロホン。
【請求項2】
前記水中受波器部の下部に、水中音響材を設けたことを特徴とする請求項1記載の吸音材一体型ハイドロホン。
【請求項3】
前記受波素子を覆う粘弾性材料を前記水中吸音材とし、一体化したことを特徴する請求項1又は2記載の吸音材一体型ハイドロホン。
【請求項4】
前記水中受波器部の底面にスペーサ等により隙間を設けたことを特徴する請求項1、2又は3記載の吸音材一体型ハイドロホン。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中吸音材一体型水中受波器に係り、更に詳しくは船舶の舷外板に水中吸音材及び水中受波器を取り付ける場合、外部から到来する音波の反射レベルを減衰させ、かつ高周波を制限した受波機能を持つ吸音材一体型ハイドロホンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、船舶の舷外板に水中吸音材及び水中受波器を取り付ける場合、これらはそれぞれ別の構成物であるため、取り付ける場所が異なるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成では、外部から音波が入射されると、水中吸音材を取り付けてある場所は反射レベルが減衰されるが、水中吸音材を取り付けてない場所は減衰されないので、水中受波器を取り付ける位置は、反射しても影響が少ない位置という制限を受ける。
【0004】
さらに、水中受波器を配列して取り付ける場合、同様の理由により取り付け面積の広域化に制限を受けるという問題があった。
【0005】
また、水中吸音材の前面に水中受波器を装着すると、水中吸音材の性能は水中受波器の構造により吸音性能が低下してしまう。
【0006】
さらに、水中受波器の性能は、船舶の舷外板からの反射波の位相が大きく回り直接波と干渉することにより、受波感度に極小点が生じるため、水中吸音材と受波器を並列に装着しなければならず、水中受波器の最適な位置に装着することができないので、十分に発揮できないという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記問題点を除去し、水中受波器を最適な位置に装着することができ、水中受波器の機能を十分に発揮させることができる吸音材一体型ハイドロホンを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕吸音材一体型ハイドロホンにおいて、受波素子を粘弾性材料で覆って成る水中受波器部の表面に、水中吸音材を設け、前記水中受波器部と共に締結手段により舷外板に固定したことを特徴とする。
【0009】
〔2〕上記〔1〕記載の吸音材一体型ハイドロホンにおいて、前記水中受波器部の下部に、水中音響材を設けたことを特徴とする。
【0010】
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の吸音材一体型ハイドロホンにおいて、前記受波素子を覆う粘弾性材料を前記水中吸音材とし、一体化したことを特徴する。
【0011】
〔4〕上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の吸音材一体型ハイドロホンにおいて、前記水中受波器部の底面にスペーサ等により隙間を設けたことを特徴する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の第1実施例を示す吸音材一体型ハイドロホンの断面図である。
【0014】
この図において、水中受波器部10は、船舶の舷外板7に取り付けられており、受波素子1をウレタン、ゴム等の粘弾性材料2で覆って構成されている。
【0015】
その水中受波器部10の表面には、水中吸音材11が設置され、締結手段12としてボルト18a,18bを用いて水中受波器部10と共に船舶の舷外板7に取り付けられている。
【0016】
この水中吸音材11の材料としては、気泡が封入されたゴム材料、または軟質マイクロバルーン入りのウレタン樹脂、可撓性エポキシ樹脂等の粘弾性材料が使用される。
【0017】
この実施例の吸音材一体型ハイドロホンの動作について説明する。
【0018】
音波が外部から入射された場合、図5に示すように、水中吸音材11により高周波成分は減衰するので、水中受波器部10の受波感度が低くなると同時に反射レベルも減衰する。低周波成分に対しては水中吸音材による減衰は小さいので、水中受波器部10の受波感度は確保されるが、反射レベルの減衰は小さい。
【0019】
このように構成したので、第1実施例によれば、水中受波器と水中吸音材を取り付ける際に、取り付け区域を分けること無く、かつ性能の劣化を抑えるような位置に取り付け可能で、かつ水中受波器に入射する音波に対して高周波を制限するという効果が得られる。
【0020】
次に、本発明の第2実施例について説明する。
【0021】
図2は本発明の第2実施例を示す吸音材一体型ハイドロホンの断面図である。
【0022】
この実施例では、水中吸音材または水中遮音材等から成る水中音響材15を、水中受波器部10の下部に直列に配設したものである。すなわち、船舶の舷外板7上に、水中音響材15を設置し、その上部に受波素子1を粘弾性材料2で覆って構成した水中受波器部10を固定し、更にその上面に、水中吸音材11を締結手段12により固定したものである。
【0023】
なお、水中受波器部10及び水中吸音材11の構成、材料及び締結手段12は、上記第1実施例と同様なので、同一符号を付して説明は省略する。
【0024】
この実施例の吸音材一体型ハイドロホンの動作について説明する。
【0025】
水中受波器部10と上側の水中吸音材11の動作は、上記第1実施例と同様なので説明は省略する。
【0026】
水中受波器部10の下側の水中音響材15が水中遮音材と水中音響材の2つの場合について説明する。
【0027】
まず、水中遮音材の場合は、船舶側からの放射雑音が低減することになり、それに対する受波素子1の出力雑音レベルの低減化が図られる。
【0028】
また、水中吸音材の場合は、実効的に吸音材の厚さが厚くなり、表層の水中吸音材11のみと比較して吸音特性の低周波化が図られ、さらに船舶側からの放射雑音の低減化が図られる。
【0029】
このように第2実施例によれば、水中受波器部の下部(底面)に、水中音響材を取り付けることにより、それが水中遮音材の場合は船舶側からの放射雑音の低減化を図ること、さらに水中受波器への船舶側からの放射雑音の低減化を図ること、また、水中吸音材の場合は実効的に吸音材を厚くすることができ、吸音特性の低周波化を図ること、さらに受波器への船舶側からの放射雑音の低減化を図ることが可能となる。
【0030】
次に、本発明の第3実施例について説明する。
【0031】
図3は本発明の第3実施例を示す吸音材一体型ハイドロホンの断面図である。
【0032】
この実施例では、水中吸音材11で受波素子1を覆って水中受波器部10とする。すなわち、船舶の舷外板7上に、受波素子1を覆う粘弾性材料2を水中吸音材11とし、この水中吸音材11で一体化して構成した水中受波器部10を締結手段12により固定したものである。
【0033】
なお、受波素子1及び水中吸音材11の構成、材料及び締結手段12は、上記第1実施例と同様なので、同一符号を付して説明は省略する。
【0034】
また、水中受波器部10と水中吸音材11の動作は、上記第2実施例(下部の水中音響材が水中吸音材の場合)と同様なので説明は省略する。
【0035】
このように第3実施例によれば、受波素子と水中吸音材が一体化されたことにより、構成が簡単になるとともに、水中吸音材の厚さを厚くできる。あるいは、水中吸音材の厚さを同等とするならば、上記第1及び第2実施例と比べて、全体の厚さを薄くできる。
【0036】
次に、本発明の第4実施例について説明する。
【0037】
図4は本発明の第4実施例を示す吸音材一体型ハイドロホンの断面図である。
【0038】
この実施例では、水が通る隙間20を水中受波器部10の下部にスペーサ20a,20bを介して直列に配設したものである。すなわち、船舶の舷外板7上に、スペーサ20a,20bを設置し、その上部に受波素子1を粘弾性材料2で覆って構成した水中受波器部10を固定し、更にその上面に、水中吸音材11を締結手段12により固定したものである。
【0039】
このスペーサ20a,20bの材料としては、硬質ゴムまたはエポキシ樹脂等の変形が少ない材料が使用される。なお、水中受波器部10及び水中吸音材11の構成、材料及び締結手段12は、上記第1実施例と同様なので、同一符号を付して説明は省略する。
【0040】
また、水中受波器部10と水中吸音材11の動作は、上記第1実施例と同様なので説明は省略する。
【0041】
このように第4実施例によれば、水中受波器部10と舷外板7の間に水が通る隙間20を設けることにより、船舶の舷外板7の振動は一度水中に放射され、音響的な雑音として水中受波器部10に入射するのでレベルが低減され、振動雑音の受波器出力に対する影響の低減化を図ることが可能である。
【0042】
また、ここでは、第1実施例に示した構造の水中受波器で説明したが、第2又は第3実施例の構造の水中受波器にスペーサを設けて、隙間を形成するようにしてもよい。
【0043】
上記した実施例では、水中受波器1個に対するものであったが、配列した複数の水中受波器に対しても適用可能である。
【0044】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0045】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、吸音材一体型ハイドロホンにおいて、水中受波器を最適な位置に装着することができ、水中受波器の機能を十分に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す吸音材一体型ハイドロホンの断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す吸音材一体型ハイドロホンの断面図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す吸音材一体型ハイドロホンの断面図である。
【図4】本発明の第4実施例を示す吸音材一体型ハイドロホンの断面図である。
【図5】本発明にかかる受波感度と吸音特性の関係を模式的に示した特性図である。
【符号の説明】
1 受波素子
2 粘弾性材料
7 船舶の舷外板
10 水中受波器部
11 水中吸音材
12 締結手段
15 水中音響材
18a,18b ボルト
20 隙間
20a,20b スペーサ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4