TOP > 国内特許検索 > 移動目標の相対位置検出方法 > 明細書

明細書 :移動目標の相対位置検出方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3395136号 (P3395136)
公開番号 特開2002-333484 (P2002-333484A)
登録日 平成15年2月7日(2003.2.7)
発行日 平成15年4月7日(2003.4.7)
公開日 平成14年11月22日(2002.11.22)
発明の名称または考案の名称 移動目標の相対位置検出方法
国際特許分類 G01S  3/802     
G01R 33/02      
G01V  3/08      
FI G01S 3/802
G01R 33/02
G01V 3/08
請求項の数または発明の数 2
全頁数 7
出願番号 特願2002-194469 (P2002-194469)
出願日 平成14年7月3日(2002.7.3)
審査請求日 平成14年7月3日(2002.7.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000147774
【氏名又は名称】株式会社石川製作所
発明者または考案者 【氏名】小口 芳生
【氏名】奥野 博光
【氏名】福本 誠
【氏名】下出 和幸
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100079290、【弁理士】、【氏名又は名称】村井 隆
審査官 【審査官】宮川 哲伸
参考文献・文献 特開 平1-288787(JP,A)
特開 平9-152481(JP,A)
特開 平10-62509(JP,A)
特開 平10-62510(JP,A)
特開 昭59-211877(JP,A)
特開 平3-276002(JP,A)
特開 平3-176293(JP,A)
特許2500347(JP,B2)
特公 平7-78540(JP,B2)
調査した分野 G01S 3/80 - 3/86
G01S 5/18 - 5/30
G01S 7/52 - 7/64
G01S 15/00 - 15/96
G01V 3/08 - 3/11
G01R 33/02
特許請求の範囲 【請求項1】
移動目標が発生する磁界又は電界信号の直交3軸成分を捕捉する1個所に配置された検出器を用い、該検出器と等速直線運動をする移動目標との相対位置を検出する移動目標の相対位置検出方法であって、
前記移動目標の発生する磁界又は電界信号を、前記移動目標が前記検出器に対して少なくとも最接近位置となる時刻まで時系列的に測定・集録する測定・集録ステップと、
前記測定・集録ステップで集録されたデータを加工するデータ変換ステップと、
前記移動目標と前記検出器間の高度差又は距離、あるいは前記移動目標の速度のいずれか1つを既知とし、前記データ変換ステップで得られた変換データと理論式による値との残差式を用いて最小自乗法により未知のパラメータを算出する算出ステップとに基づいて、移動目標の相対位置を検出するとともに、
前記測定・集録ステップ、前記データ変換ステップ及び前記算出ステップにより、前記移動目標の信号源の大きさを得て目標を識別することを特徴とする移動目標の相対位置検出方法。

【請求項2】
前記算出ステップでは、前記移動目標の信号源が複数に分割されたものとした理論式を用いる求項1記載の移動目標の相対位置検出方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、等速直線運動をする移動目標の接近を検出するため、移動目標の発生する信号を1個所に配置された検出器(例えば直交3軸を検出するものであれば1個、1軸のみ検出するものであれば3個)を使用して、所定のサンプル時間で時系列的に測定・集録・処理することにより、移動目標と前記検出器との相対位置を検出する移動目標の相対位置検出方法に関する。

【0002】

【従来の技術】従来、移動目標の接近を検出するため、移動目標が発生する磁気信号又は音響信号などのレベルのピーク値を検出する方法があるが、検出装置からどれほど離れているかの相対位置を知ることは出来ない。

【0003】
また、複数の検出器を所定距離で配置し、それぞれの受信信号の差から移動目標の相対位置を検出する方法(特許第2500347号公報等)があるが、複数の検出器を離して配置するため、装置の小型化が図れないこと及び配置に高精度を要するため製造が難しいという問題がある。

【0004】

【発明が解決しようとする課題】上述の如く、移動目標の接近を検知するため、1個所に配置した検出器で移動目標の相対位置を知る有効な方法が従来無かった。

【0005】
そこで、本発明の目的とするところは、1個所に配置した検出器を用いて、検出器と移動目標の相対位置を検出する目標相対位置検出方法を提供することにある。

【0006】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。

【0007】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、移動目標が発生する磁界又は電界信号の直交3軸成分を捕捉する1個所に配置された検出器を用い、該検出器と等速直線運動をする移動目標との相対位置を検出する移動目標の相対位置検出方法であって、前記移動目標の発生する磁界又は電界信号を、前記移動目標が前記検出器に対して少なくとも最接近位置となる時刻まで時系列的に測定・集録する測定・集録ステップと、前記測定・集録ステップで集録されたデータを加工するデータ変換ステップと、前記移動目標と前記検出器間の高度差又は距離、あるいは前記移動目標の速度のいずれか1つを既知とし、前記データ変換ステップで得られた変換データと理論式による値との残差式を用いて最小自乗法により未知のパラメータを算出する算出ステップとに基づいて、移動目標の相対位置を検出するとともに、前記測定・集録ステップ、前記データ変換ステップ及び前記算出ステップにより、前記移動目標の信号源の大きさを得て目標を識別することを特徴としている。

【0008】


【0009】
本願請求項2の発明に係る移動目標の相対位置検出方法は、請求項1において、前記算出ステップでは、前記移動目標の信号源が複数に分割されたものとした理論式を用いることを特徴としている。

【0010】


【0011】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る移動目標の相対位置検出方法の実施の形態を図面に従って説明する。

【0012】
図1乃至図4を用いて本発明に係る移動目標の相対位置検出方法の実施の形態を説明する。この実施の形態では、等速直線運動をする移動目標が発生する信号が磁界の場合を例にとって説明する。

【0013】
図1において、1は設置(固定)された相対位置検出装置であって、1軸方向の磁界成分を測定できる3個のセンサーを互いに直交させて配列して成る3軸磁力計2を内部に装備したものである。換言すれば、磁界の直交3軸成分を捕捉する検出器が装置内の1個所に配置されている。装置1に設けられた1個の3軸磁力計2を原点として、垂直上方にZ軸、水平面内にお互いに直交するX軸及びY軸を定める。以後、この座標系を「装置座標系」と呼ぶ。

【0014】
10は等速直線運動をする移動目標であり、11はその移動目標が有する、大きさMの磁気モーメントであり、前記装置座標系において移動目標10は位置(x,y,z)にあり、磁気モーメント11と前記装置座標系におけるX軸との成す角をα、Y軸との成す角をβ、Z軸との成す角をγとする。また、移動目標10と装置1内の3軸磁力計2との距離はrであり、移動目標10は針路12の向きで等速で進行しているものとする。

【0015】
前記相対位置検出装置1においては、測定・集録ステップにて移動目標10の発生する信号、即ち3軸磁力計2の3軸成分を、当該移動目標10が当該装置1(換言すれば3軸磁力計2)に対して少なくとも最接近位置となる時刻まで(最接近位置の時刻まで、あるいは当該最接近位置を僅かに経過した時刻まで)所定のサンプリング時間で時系列的に測定・集録し、データ変換ステップにて、この集録データを後述の理論式との間で残差を取るために加工して変換データとし、算出ステップにて、この変換データと、移動目標10の磁気モーメント、移動速度及び装置1との相対位置座標などの未知のパラメータを含む所定の理論式による値とを用いて残差式を作り、最小自乗法により、未知のパラメータを求め、しかる後、移動目標10と装置1の相対位置座標を得る。また、移動目標10の磁気モーメントの大きさMを得て、当該移動目標の識別も可能である。この識別には例えば、移動目標の種類と磁気モーメントの大きさを関連付けたデータベースを用いることができる。

【0016】
なお、移動目標10が装置1(換言すれば3軸磁力計2)の最接近位置に在ることを知るには、3軸合成信号の極大・極小を利用するほかに、装置1にハイドロホンを設け、移動目標の発生する音響信号を連続的に聴音し、その値が最大になる時刻を最接近時刻とする方法もある。前記ハイドロホンは、3軸磁力計と実質同一個所に設けられる(但し、移動目標との距離に比して無視し得る程度の位置のずれは許容される)。

【0017】
前記装置1に内蔵された1個の3軸磁力計2を原点とする前記装置座標系における移動目標10の位置(x,y,z)のとき各軸磁界成分H,H,Hの理論式は次式で表される。

【0018】
=Ma/r …(1)
=Mb/r …(2)
=Mc/r …(3)
但し、
a=(3x-r)cosα+3xycosβ+3zxcosγ
b=3xycosα+(3y-r)cosβ+3yzcosγ
c=3zxcosα+3yzcosβ+(3z-r)cosγ
r=(x+y+z1/2
ここで、cosα,cosβ,cosγは磁気モーメントの前記装置座標系での方向余弦である。

【0019】
前記移動目標10が空間上の任意の1点に作る全磁界は一つの固有のベクトル値であり、これの垂直成分は一つであり、従ってその水平成分も、全磁界と垂直成分を含む面内に必ず分解され一つの定まった大きさになる。このことは、移動目標の発生する磁界を垂直成分と水平成分で取り扱う限りに於いては、Z軸が垂直方向にあれば、X,Y軸が水平面内でどのように回転していても、水平成分を次式の如く合成して求めれば、図2に示す如く移動目標10は常にX軸に平行に進むものと考えて解析できることを意味する。

【0020】

=(H+H1/2 …(4)
但し、
:水平磁界成分
:水平面内に在るX軸磁界成分
:水平面内に在るY軸磁界成分

【0021】
次に、未知のパラメータの数を少なくするために、水平磁界成分及び垂直磁界成分を全磁界の大きさで除して正規化するために、水平磁界成分H及び全磁界の大きさHを求めると式(1),(2),(3)及び式(4)より、それぞれ次式で表される。

【0022】

=(H+H1/2=M(a+b1/2/r
…(5)
=(H+H+H1/2 =M(a+b+c1/2
/r …(6)

【0023】
従って、水平磁界成分及び垂直磁界成分を全磁界の大きさで除して正規化した値Hht及びHztは次式で表される。

【0024】

ht=H/H=(a+b1/2/(a+b+c1/2
…(7)
zt=H/H=c/(a+b+c1/2
…(8)

【0025】
一方、測定・集録ステップにおいては、前記装置1に設けられた3軸磁力計2(各軸をX,Y及びZ軸とする)で各軸磁界成分Hxm,Hym,Hzmを実測する。実測された各軸磁界成分Hxm,Hym,Hzmは、3軸磁力計2をジンバルを用いてX面を水平に、Z軸を垂直に保持するか、装置1に別途、X及びY軸の傾きをそれぞれ検出できる2個の傾斜計を設け、集録されたデータを加工するデータ変換ステップにおいて、座標変換によりX,Y、及びZ各軸の測定磁界成分を、それぞれ前記装置座標系の水平面内のX,Y軸及び垂直Z軸の成分に変換する事ができる。この変換後の各軸磁界成分をH,Hsy,Hszと表せば、水平磁界成分及び垂直磁界成分を全磁界で除した値は次式で求められる。

【0026】

sht=(Hsx+Hsy1/2/(Hsx+Hsy+Hsz
1/2 …(9)
szt=Hsz/(Hsx+Hsy+Hsz1/2 …(10)

【0027】
前記測定・集録ステップ及びそのステップで集録されたデータを加工するデータ変換ステップでは、この2個の値Hsht,Hsztを、例えば全磁界があらかじめ定めた小さな値を超えた時刻T=tから、所定のサンプリング時間で時系列的に集録処理し始める。全磁界の極大・極小を利用するとか、装置にハイドロホンを設け、移動目標の発生する音響信号を連続的に聴音し、その値が最大になる時刻を最接近時刻とするなどの方法により、移動目標が装置のほぼ最接近位置に在ることを知り、この時刻T=tで集録を止める(なお、最接近位置を僅かに過ぎた時刻まで集録してもよい。)。この時をt=0とし(即ち、実測中の任意時刻をTとすれば、t=T-t)、目標は位置(x,y,z)にあると仮定する。そうすれば、等速vで直進する移動目標の任意時刻t=tに於ける位置(x,y,z)は次式で表される。

【0028】
x=x+v・t …(11)
y=y …(12)
z=z …(13)

【0029】
従って、t=tに於ける実測値Hsht(t)及びHszt(t)にそれぞれ対応する理論値Hht(t)及びHzt(t)が7個の未知のパラメータx,y,z,v,cosα,cosβ及びcosγを含んで前述の式(7),(8)で与えられる。しかし、前記式(7),(8)のHht及びHztの右辺に、kを任意の実数とした場合、(x,y,z,v,cosα,cosβ,cosγ)の組み合わせを代入した場合と(kx,ky,kz,kv,cosα,cosβ,cosγ)の組み合わせを代入した場合では同じ値となるために、最小自乗法を適用するには、上述の7個の未知のパラメータの内少なくとも一つが既知でなければならない。

【0030】
先ず、装置1が水中に設置される場合、装置1に別途深度計を設ければ、水上移動目標に対しては相対深度zが既知となるので前記式(1),(2),(3)及び式(11),(12),(13)のx,y,z,v,rのそれぞれをzで除して正規化した値をX,Y,Z,V,Rと表わせば、X,Y,Z,V,Rは次のとおりとなる。

【0031】

X =x/z=(x/z)+(v/z)・t
=X+V・t …(14)
=x/z …(15)
V =v/z …(16)
=y/z …(17)
=z/z=1 …(18)
R =r/z …(19)

【0032】
これらの関係を前述の式(7),(8)に代入すれば、次の関係式が得られる。
ht=H/H=(A+B1/2/(A+B+C1/2
…(20)
zt=H/H=C/(A+B+C1/2 …(21)
但し、
:装置位置(3軸磁力計位置)に於ける移動目標の水平磁界成分。
:装置位置(3軸磁力計位置)に於ける移動目標の垂直磁界成分。
:装置位置(3軸磁力計位置)に於ける移動目標の全磁界の大きさ。
A=(3X-R)cosα+3XYcosβ+3XZcosγ
B=3XYcosα+(3Y-R)cosβ+3Zcosγ
C=3XZcosα+3Zcosβ+(3Z-R)cosγ

【0033】
図3は水平磁界成分Hについて理論式と実測値の関係の1例であり、図中、5は理論式H=(t:x,y,z,cosα,cosβ,cosγ)の曲線を表し、6はサンプリング時刻tに於ける実測値Hsh(t)、7はサンプリング時刻tに於ける水平磁界成分の残差式y=H(t)-Hsh(t)を表している。

【0034】
前記算出ステップでは、最小自乗法を適用する為に、図3示すような、各サンプリング時刻に於ける理論値と実測値の残差式を作成するとともに、方向余弦の自乗和は常に1でなければならないので、残差式の形式で追加すると、次の3個の残差式が定められる。この場合の未知のパラメータはX,Y,V,cosα,cosβ,cosγの6個となる。

【0035】

=Hht(t)-Hsht(t) …(22)
=Hzt(t)-Hszt(t) …(23)
=cosα+cosβ+cosγ-1 …(24)

【0036】
これより、次の評価関数Sが最小に成るように既存の最小自乗法により、上述の6個のパラメータX,Y,V,cosα,cosβ,及びcosγが求められる。

【0037】

S=Σ(y+y+y) …(25)
但し、Σは全てのサンプリング時刻の値の総和を計算する事を示している。

【0038】
6個のパラメータX,Y,V,cosα,cosβ及びcosγが求まれば、式(14)乃至(19)の関係を利用して、既知であるz以外の座標x及びyが次のように求められる。

【0039】

=X …(26)
=Y …(27)

【0040】
また、式(1),(2),(3)の関係より、目標の磁気モーメントの大きさMは次式で表される。

【0041】

M=(H+H+H1/2/(a+b+c1/2
=H/(a+b+c1/2 …(28)

【0042】
ここで、Hとしては、t=0に於ける実測値の全磁界の大きさを使用すれば、式(28)の右辺の残りの未知数は全てt=0、則ちx,y,zに於いて解かれているのでMを知ることができる。そして、この磁気モーメントの大きさMから移動目標を識別することが可能である。

【0043】
次に、t=0に於いて、前記装置1より音響パルスを発し、目標からのエコーを検出し、その時間から目標と装置(3軸磁力計位置)との直距離Rsmを知る方法などにより、直距離Rsmが既知である場合は、zを適当に仮定して上述と同じ方法で仮の(x,y,z)及び磁気モーメントMを求め、次式により、t=0に於ける目標の実際の位置(x00,y00,z00)及び実際の磁気モーメントM00を求めることができる。

【0044】

00=xsm/r …(29)
00=ysm/r …(30)
00=zsm/r …(31)
00=M(Rsm/r1/3 …(32)
但し、
=(x+y+z1/2

【0045】
次に、目標の発する音響信号のドプラー効果などを利用して目標の速度vが既知である場合は、次の式(33)乃至(38)に示す如く式(1),(2),(3)及び式(11),(12),(13)の諸量をvで除して、この関係を前述の式(7),(8)に代入すれば、前述の式(20),(21)の関係式が得られる。この場合の未知のパラメータはX,Y,Z,cosα,cosβ,cosγの6個となる。前述の場合と同様に、式(25)の評価関数Sが最小に成るように既存の最小自乗法により、上述の6個のパラメータを求めれば、t=0に於ける目標の位置(x,y,z)は以下の式(33)乃至(38)の関係式より求まり、磁気モーメントの大きさMは式(28)を用いて前述した場合と同様にして求められる。

【0046】

X =x/v=(x/v)+t
=X+t …(33)
=x/v …(34)
V =v/v=1 …(35)
=y/v …(36)
=z/v …(37)
R =r/v …(38)

【0047】
上述では、装置座標系に於いて位置(x,y,z)に在る移動目標が一つの磁気双極子とみなせる磁気モーメントMを有すると仮定したが、移動目標の大きさに比して装置との距離が短い場合は、図4の如く移動目標上、進路方向に複数の磁気双極子が分布するという仮定のほうが適切なこともある。この場合、m個からなる磁気双極子の各々の磁気モーメントをm、その方向余弦(cosα,cosβ,cosγ)、位置座標を(x-d,y,z)と表わす。但し、k=0,1,2,・・・,m-1である。各磁気モーメントmが原点につくる磁界のx,y,z成分は、式(1),(2),(3)と同様に次のとおりとなる。

【0048】

xk=m/r …(39)
yk=m/r …(40)
zk=m/r …(41)
但し、
={3(x-d)-r}cosα+3(x-d)ycosβ+3z(x-d)cosγ
=3(x-d)ycosα+(3y-r)cosβ+3yzcosγ
=3z(x-d)cosα+3yzcosβ+(3z-r)cosγ
={(x-d)+y+z1/2
k=0,1,2,・・・,m-1

【0049】
従って、全ての磁気モーメントによる原点に於ける磁界H,H,Hは、Σがk=0からk=m-1までの総和を表すものとすると次式となる。

【0050】
=ΣHxk …(42)
=ΣHyk …(43)
=ΣHzk …(44)

【0051】
これらの式(42),(43),(44)を使用すると式(5),(6)の関係が得られ、式(22),(23),(24)と同様に最小自乗法を適用する為の、各サンプリング時刻に於ける理論値と実測値の残差式、及び方向余弦の自乗和の法則より、次の(m+2)個の残差式が定められる。モーメントm個の場合の未知のパラメータは(5m+2)個となる。

【0052】

=H(t)-Hsh(t) …(45)
=H(t)-Hsz(t) …(46)
=cosα+cosβ+cosγ-1 …(47-1)
=cosα+cosβ+cosγ-1 …(47-2)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
m+2=cosαm-1+cosβm-1+cosγm-1-1 …(47-m)

【0053】
これより、次の評価関数Sが最小に成るように既存の最小自乗法により、上述のパラメータが求められる。

【0054】

S=Σ(y+y+y+…+ym+2) …(48)
但し、Σは全てのサンプリング時刻の値の総和を計算する事を示している。

【0055】
また、これまでは残差式y,yをそれぞれ水平磁界成分、垂直磁界成分の各サンプリング時刻に於ける理論値と実測値との差としたが、3軸成分の実測値と式(42),(43),(44)等で表せる理論値との残差式としてもよい。この場合の残差式は以下の式となる。

【0056】

=H(t)-Hsx(t) …(49)
=H(t)-Hsy(t) …(50)
=H(t)-Hsz(t) …(51)
=cosα+cosβ+cosγ-1 …(52)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

【0057】
この場合、等速直進する移動目標の任意時刻t=tに於ける位置(x,y,z)は次式のように速度成分をv,vに分けて表わす必要がある。

【0058】
x=x+v・t …(53)
y=y+v・t …(54)
z=z …(55)

【0059】
なお、上記各式において、データ変換ステップは、磁力計で実測される添字mが付いた値(測定・集録ステップで集録されたデータ)を理論値と残差をとれるような形に変換するステップであり、Hsx,Hsy,Hsz等の添字sが付いた値はデータ変換ステップを経たものであり、式(9),(10),(22),(23),(29),(30),(31),(45),(46),(49),(50),(51)の添字sが付いたものが相当する。

【0060】
上記実施の形態では、移動目標が発生する信号が磁界の場合で説明したが、本発明は、移動目標が発生する信号により空間上の任意の1点につくる場が式(1),(2),(3)の如く所定の理論式で表される電界、音響信号等についても適用することができる。

【0061】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。

【0062】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る移動目標の相対位置検出方法によれば、1個所に配された検出器で等速直線運動を行っている移動目標と前記検出器との相対位置を検出し、移動目標の接近を知ることができる。

【0063】
また、移動目標の信号源の大きさが求められ、移動目標と信号源の大きさを関連付けたデータベースを用いることにより、移動目標を識別することができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3