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明細書 :赤外線撮像装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3050817号 (P3050817)
公開番号 特開平10-126691 (P1998-126691A)
登録日 平成12年3月31日(2000.3.31)
発行日 平成12年6月12日(2000.6.12)
公開日 平成10年5月15日(1998.5.15)
発明の名称または考案の名称 赤外線撮像装置
国際特許分類 B64D 45/08      
H04N  7/18      
FI B64D 45/08
H04N 7/18
請求項の数または発明の数 9
全頁数 22
出願番号 特願平08-279579 (P1996-279579)
出願日 平成8年10月22日(1996.10.22)
審査請求日 平成10年6月18日(1998.6.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
発明者または考案者 【氏名】沖本 利實
【氏名】奥田 高久
【氏名】黒川 孝
【氏名】内山 裕之
個別代理人の代理人 【識別番号】100102439、【弁理士】、【氏名又は名称】宮田 金雄 (外2名)
審査官 【審査官】西谷 憲人
参考文献・文献 特開 平3-42399(JP,A)
特開 平7-172396(JP,A)
調査した分野 H04N 5/33
B64D 45/04
B64D 45/08
H04N 7/18
特許請求の範囲 【請求項1】
ディスプレイを通して操縦者による外界の目視確認が可能で、かつ、外界の赤外線画像をディスプレイに反射させ平行光として操縦者へ供給することが可能な約20度~30度の水平方向視野角と水平方向視野角の約3/4~1倍の垂直方向視野角とを有する半透過型の第1のディスプレイと、外界の赤外線画像を表示することが可能な非透過型の単数又は複数個の第2のディスプレイとを装備した航空機、艦船、車両、列車、シャトル等の有人運行装置に搭載して夜間、及び悪視程時等の航法支援用として使用される赤外線撮像装置において、第1の赤外線検出器と、前記第1の赤外線検出器の出力信号を画像信号に変換し前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイの両ディスプレイ、又は、いずれか一方のディスプレイに赤外線画像を出力する第1の画像信号処理器と、第1の赤外線窓と、前記第1の赤外線窓を通し前記第1の赤外線検出器の受光面上で操縦者が前記第1のディスプレイを通して観測する方向の外界の赤外線画像が結像するように配設した前記第1のディスプレイの表示視野角に適合する視野角を有する第1の光学系と、第2の赤外線検出器と、前記第2の赤外線検出器の出力信号を画像信号に変換し前記第2のディスプレイに赤外線画像を出力する第2の画像信号処理器と、前記有人運行装置の移動方向前方を前記第2の赤外線検出器により観測できるように設置した第2の赤外線窓と、前記第2の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した前記第1の光学系の視野角の約3倍以上の視野角を有する第2の光学系とより構成したことを特徴とする赤外線撮像装置。

【請求項2】
ディスプレイを通して操縦者による外界の目視確認が可能で、かつ、外界の赤外線画像をディスプレイに反射させ平行光として操縦者へ供給することが可能な約20度~30度の水平方向視野角と水平方向視野角の約3/4~1倍の垂直方向視野角とを有する半透過型の第1のディスプレイと、外界の赤外線画像を表示することが可能な非透過型の単数又は複数個の第2のディスプレイとを装備した航空機、艦船、車両、列車、シャトル等の有人運行装置に搭載して夜間、及び悪視程時等の航法支援用として使用される赤外線撮像装置において、第1の赤外線検出器と、前記第1の赤外線検出器の出力信号を画像信号に変換し前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイの両ディスプレイ、又は、いずれか一方のディスプレイに赤外線画像を出力する第1の画像信号処理器と、第1の赤外線窓と、前記第1の赤外線窓を通し前記第1の赤外線検出器の受光面上で操縦者が前記第1のディスプレイを通して観測する方向の外界の赤外線画像が結像するように配設した前記第1のディスプレイの表示視野角に適合する視野角を有する第1の光学系と、第2の赤外線検出器と、前記第2の赤外線検出器の出力信号を画像信号に変換し前記第2のディスプレイに赤外線画像を出力する第2の画像信号処理器と、前記有人運行装置の移動方向前方を前記第2の赤外線検出器により観測できるように設置した第2の赤外線窓と、前記第2の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した前記第1の光学系の視野角の約3倍以上の視野角を有する第2の光学系と、第3の赤外線検出器と、前記第3の赤外線検出器の出力信号を画像信号に変換し前記第2のディスプレイへ赤外線画像を出力する第3の画像信号処理器と、第3の赤外線窓と、前記第3の赤外線窓を通し前記第3の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した前記第1の光学系の視野角の約1/3倍以下の視野角を有する第3の光学系と、前記第3の光学系の指向方向を駆動する第1の視軸駆動機構とより構成したことを特徴とする赤外線撮像装置。

【請求項3】
ディスプレイを通して操縦者による外界の目視確認が可能で、かつ、外界の赤外線画像をディスプレイに反射させ平行光として操縦者へ供給することが可能な約20度~30度の水平方向視野角と水平方向視野角の約3/4~1倍の垂直方向視野角とを有する半透過型の第1のディスプレイと、外界の赤外線画像を表示することが可能な非透過型の単数又は複数個の第2のディスプレイとを装備した航空機、艦船、車両、列車、シャトル等の有人運行装置に搭載して夜間、及び悪視程時等の航法支援用として使用される赤外線撮像装置において、第1の赤外線検出器と、前記第1の赤外線検出器の出力信号を画像信号に変換し前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイの両ディスプレイ、又は、いずれか一方のディスプレイに赤外線画像を出力する第1の画像信号処理器と、第1の赤外線窓と、前記第1の赤外線窓を通し前記第1の赤外線検出器の受光面上で操縦者が前記第1のディスプレイを通して観測する方向の外界の赤外線画像が結像するように配設した前記第1のディスプレイの表示視野角に適合する視野角を有する第1の光学系と、第2の赤外線検出器と、前記第2の赤外線検出器の出力信号を画像信号に変換し前記第2のディスプレイに赤外線画像を出力する第2の画像信号処理器と、前記有人運行装置の移動方向前方を前記第2の赤外線検出器により観測できるように設置した第2の赤外線窓と、前記第2の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した前記第1の光学系の視野角の約3倍以上の視野角を有する第2の光学系と、第3の赤外線窓と、前記第3の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した前記第1の光学系の視野角の約1/3倍以下の視野角を有する第3の光学系と、前記第3の光学系の指向方向を駆動する第1の視軸駆動機構と、前記第2の光学系と前記第3の光学系とのいずれかを選択する視野切換機構とより構成したことを特徴とする赤外線撮像装置。

【請求項4】
前記第2の赤外線窓、及び前記第3の赤外線窓を、それぞれ、前記有人運行装置の機体軸と一体をなす構造物上に固定設置したことを特徴とする請求項2又は3に記載の赤外線撮像装置。

【請求項5】
前記第2の赤外線窓を、前記有人運行装置の機体軸と一体をなす構造物上に固定設置するとともに、第1の軸回りに前記第3の光学系の指向方向を旋回させる第1の視軸旋回機構と、前記第1の視軸旋回機構内に設けた、前記第1の軸と直交あるいは所定の角度をなす第2の軸回りに前記第3の光学系の指向方向を旋回させる第2の視軸旋回機構とにより前記第1の視軸駆動機構を構成し、前記第3の赤外線窓を前記第1の視軸旋回機構上に設置したことを特徴とする請求項2又は3に記載の赤外線撮像装置。

【請求項6】
前記第2の赤外線窓を、前記有人運行装置の機体軸と一体をなす構造物上に固定設置するとともに、第1の軸回りに前記第3の光学系の指向方向を旋回させる第1の視軸旋回機構と、前記第1の視軸旋回機構内に設けた、前記第1の軸と直交あるいは所定の角度をなす第2の軸回りに前記第3の光学系の指向方向を旋回させる第2の視軸旋回機構とにより前記第1の視軸駆動機構を構成し、前記第3の赤外線窓を前記第2の視軸旋回機構上に設置したことを特徴とする請求項2又は3に記載の赤外線撮像装置。

【請求項7】
第1の軸回りに前記第3の光学系の指向方向を旋回させる第1の視軸旋回機構と、前記第1の視軸旋回機構内に設けた、前記第1の軸と直交あるいは所定の角度をなす第2の軸回りに前記第3の光学系の指向方向を旋回させる第2の視軸旋回機構とにより前記第1の視軸駆動機構を構成し、前記第2の赤外線窓、及び前記第3の赤外線窓を前記第1の視軸旋回機構上に設置したことを特徴とする請求項2又は3に記載の赤外線撮像装置。

【請求項8】
第1の軸回りに前記第3の光学系の指向方向を旋回させる第1の視軸旋回機構と、前記第1の視軸旋回機構内に設けた、前記第1の軸と直交あるいは所定の角度をなす第2の軸回りに前記第3の光学系の指向方向を旋回させる第2の視軸旋回機構とにより前記第1の視軸駆動機構を構成し、前記第2の赤外線窓を前記第1の視軸旋回機構上に設置し、前記第3の赤外線窓を前記第2の視軸旋回機構上に設置したことを特徴とする請求項2又は3に記載の赤外線撮像装置。

【請求項9】
第1の軸回りに前記第3の光学系の指向方向を旋回させる第1の視軸旋回機構と、前記第1の視軸旋回機構内に設けた、前記第1の軸と直交あるいは所定の角度をなす第2の軸回りに前記第3の光学系の指向方向を旋回させる第2の視軸旋回機構とにより前記第1の視軸駆動機構を構成し、前記第2の赤外線窓、及び前記第3の赤外線窓を前記第2の視軸旋回機構上に設置したことを特徴とする請求項2又は3に記載の赤外線撮像装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】この発明は、ディスプレイを通して操縦者による外界の目視確認が可能で、かつ、外界の赤外線画像をディスプレイに反射させ平行光として操縦者へ供給することが可能な半透過型の第1のディスプレイと、外界の赤外線画像を表示することが可能な非透過型の単数又は複数の第2のディスプレイとを装備した航空機、艦船、車両、列車、シャトル等の有人運行装置に搭載して夜間、及び悪視程時等の航法支援用として、操縦者へ外界の赤外線画像を供給する赤外線撮像装置に関するものである。

【0002】

【従来の技術】図10は、従来の赤外線撮像装置を有人運行装置の表示器と連接して使用する場合の一例を示す構成図であって、1は外界に赤外線画像を重畳して表示することが可能な半透過型のディスプレイの一例としてのホログラフィックヘッドアップディスプレイ、2a、及び2bは外界の赤外線画像を表示することが可能な非透過型のディスプレイの一例としての液晶ディスプレイ、3aは第1の赤外線検出器、3cは第3の赤外線検出器、4aは第1の赤外線検出器3aの出力信号を画像信号に変換しホログラフィックヘッドアップディスプレイ1及び液晶ディスプレイ2に出力する第1の画像信号処理器、4cは第3の赤外線検出器3cの信号を画像信号に変換し液晶ディスプレイ2へ出力する第3の画像信号処理器、5aは第1の赤外線窓、5cは第3の赤外線窓、6aは第1の赤外線窓5aを通し第1の赤外線検出器3aの受光面上で外界の赤外線画像が結像するように配設した、ホログラフィックヘッドアップディスプレイ1の表示視野角に適合する視野角(以下「第1の視野」と言う。)を有する第1の光学系、6cは第3の赤外線窓5cを通し第3の赤外線検出器3cの受光面上で外界の赤外線画像が結像するように配設した、第1の視野の約1/3倍以下の狭い視野角(以下「第3の視野」と言う。)を有する第3の光学系、7aは第3の光学系6cの視軸方向を駆動する第1の視軸駆動機構、7bは第1の光学系6aの視軸方向を駆動する第2の視軸駆動機構、8aは第1の視軸駆動機構7aへの駆動角を指令する第1の視軸駆動指令、8bは第2の視軸駆動機構7bへの駆動角を指令する第2の視軸駆動指令、9は各画像信号処理器4から出力され画像信号の中から液晶ディスプレイ2へ出力する画像を選択する出力画像選択器、10は出力画像選択器9へ出力画像を指示する出力画像選択指令、11は上記ディスプレイ1~2を搭載する航空機、12は上記赤外線検出器3~出力画像選択器9により構成される赤外線撮像装置であり、赤外線撮像装置12は航空機11に機械的に固定されている。

【0003】
図11は、赤外線撮像装置を航空機に搭載した場合を例に、各器材の搭載位置、及び座標軸を示す図であり、11は航空機、12は赤外線撮像装置、13は航空機基準座標の原点、14は赤外線窓5の設置位置、15はホログラフィックヘッドアップディスプレイ1の設置位置であり、航空機11の操縦室内に設置されている。また、16は航空機の基準座標軸(XV ,YV ,ZV )、17は赤外線撮像装置12から航空機11の表示器へ出力される赤外線画像信号の中心点の指向方向を示す基準座標軸(XS ,YS ,ZS )、18はホログラフィックヘッドアップディスプレイ1に表示される赤外線画像の画像中心方向を示す座標軸(XD ,YD ,ZD )、19は座標軸のロール方向、20は座標軸のピッチ方向、21は座標軸のヨー方向である。

【0004】
以下、図10、及び図11を用いて、従来の技術による赤外線撮像装置の動作について説明する。従来の赤外線撮像装置においては、第1の赤外線窓5aを通して得られる赤外線を、第1の視野を有する第1の光学系6aによって、第1の赤外線検出器3a上に結像させ、結像させた赤外線は第1の赤外線検出器3aにより光電変換され画像信号として第1の画像信号処理器4aに出力させ、画像信号処理器4aでは受信した画像信号を航空機の表示器に出力可能な画像信号に変換して、航空機11に搭載されているホログラフィックヘッドアップディスプレイ1及び液晶ディスプレイ2向けの出力画像を選択する出力画像選択器9へ出力させ、操縦者又は航空機からの出力画像選択指令10により出力画像選択器9では航空機11に搭載の液晶ディスプレイ2に画像を選択して出力させていた。また、操縦者による、ホログラフィックヘッドアップディスプレイ1を通しての外界の観測に当たっては、一般的に、航空機11の下方(Zv方向)の視界が重視されるため、航空機11の基準座標軸16に対しホログラフィックヘッドアップディスプレイ1に表示される赤外線画像の画像中心方向を示す座標軸18は、XD 軸が下方を向いており、ホログラフィックヘッドアップディスプレイ1用に赤外線撮像装置から出力される画像信号の中心点の指向する方向の示す基準座標軸17は、ホログラフィックヘッドアップディスプレイ1に表示される赤外線画像の画像中心方向を示す座標軸18と整合させるために、これまた、航空機の基準座標軸16に対しXs軸が下方に向いている。ところで、ここで操縦者に供給される第1の視野の赤外線画像は、基本的に、夜間、及び悪視程時等に操縦者が前方方向の障害物を目視確認しながら有人運行装置を操縦するために使用されるものであり、極力広い角度範囲が表示されることが望ましいが、現在、ホログラフィックヘッドアップディスプレイ1の表示可能な視野角は、操縦席における搭載スペース、及び光学系の設計上の制約等から、水平方向(YD 軸方向)視野角が約20度~30度、また、垂直方向(ZD 方向)視野角は水平方向視野角と同等~その3/4程度に制限されている。そのため、従来の技術による赤外線撮像装置においては、航空機等を旋回するにあたり旋回方向(YV 方向)の障害物を事前に確認する必要が生じた場合、操縦者又は航空機からの第2の視軸駆動指令8bに基づき、第1の光学系6aの指向方向を、第2の視軸駆動機構7bにより駆動させ、操縦者が観測する外界とは異なる方向の第1の視野の赤外線画像をホログラフィックヘッドアップディスプレイ1上に表示させていた。

【0005】
また、従来の技術による赤外線撮像装置においては、上記第1の視野の赤外線画像を操縦者に供給するのと同時に、第3の赤外線窓5cを通して得られる外界の赤外線を、第3の視野を有する第3の光学系6cによって、第3の赤外線検出器3c上に結像させ、結像させた赤外線は第3の赤外線検出器3cにより光電変換され画像信号として第3の画像信号処理器4cに出力させ、画像信号処理器4cでは受信した画像信号を航空機の表示器に出力可能な画像信号に変換して、液晶ディスプレイ向けの出力画像を選択する出力画像選択器9へ出力させ、操縦者又は航空機からの出力画像選択指令10により出力画像選択器9では航空機搭載の液晶ディスプレイ2に画像を選択して出力させていた。また、ここで操縦者に供給される第3の視野の赤外線画像は、基本的に、夜間、及び悪視程時等に操縦者が、航法参照点となる地形又は構造物等を目視確認するためのものであるため、操縦者又は航空機からの第1の視軸駆動指令8aに基づき、第3の光学系6cの指向方向を、第1の視軸駆動機構7aにより駆動させ、指定された方向の第3の視野の赤外線画像を液晶ディスプレイ2上に表示させていた。

【0006】
なお、第3の視野角としては、その運用目的より、第1の視野よりも狭い視野角が要求されるが、極端に狭い視野角を用いることは、広い領域を捜索する場合に時間がかかりすぎる、光学系が大きくなりすぎる、及び指向方向が操縦者に把握できなくなる等の問題があり、実用性を考慮した場合には、第1の視野の約1/3倍~約1/10倍の視野角が選定されている。

【0007】
加えて、図10においては、第1の光学系6aの視軸を駆動させるための第2の視軸駆動機構7b、及び第3の光学系6cを保有する装置を従来の赤外線撮像装置の一例として示したが、第2の視軸駆動機構7bは保有せずに第1の光学系6aの視軸方向をホログラフィックヘッドアップディスプレイ1に表示される赤外線画像の画像中心を示す座標軸18に固定としている赤外線撮像装置、及び第3の光学系6cによる第3の視野を保有しない従来の赤外線撮像装置も存在している。

【0008】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来の技術による赤外線撮像装置では、旋回時等に旋回方向を事前に確認しようとした場合、第1の光学系6aの視軸方向を旋回方向に指向させてしまうため、赤外線撮像装置を使用しての夜間、及び悪視程時等における航法支援能力として最も必要な、飛行方向前方の赤外線画像をホログラフィックヘッドアップディスプレイ1に表示できなくなることに加え、外界と一致しない赤外線画像をホログラフィックヘッドアップディスプレイ1に表示していた。そのため、操縦者による飛行方向前方の飛行安全が確認できなくなることに加え、ホログラフィックヘッドアップディスプレイ1に表示された赤外線画像の方向を操縦者が認識するのが難しく、結果として、飛行安全の確保ができず、加えて、使い勝手が悪いという問題点があった。

【0009】
この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、操縦者に対し、常時、ホログラフィックヘッドアップディスプレイ1上に前方の赤外線画像を供給するとともに、旋回方向の赤外線画像を同時に供給することができる、使い勝手に優れる赤外線撮像装置を提供することを目的にしている。

【0010】
また、この発明は操縦者に対し、常時、ホログラフィックヘッドアップディスプレイ1上に前方の赤外線画像を供給するとともに、旋回方向の赤外線画像と地上の構造物等を識別するための赤外線画像との両方、またはいずれか一方を同時に供給することができる、使い勝手に優れる赤外線撮像装置を提供することを目的にしている。

【0011】
この発明は、安価で、信頼性に優れた赤外線撮像装置を提供することを目的にしている。

【0012】
また、この発明は航空機等への搭載に当たり、搭載母機の飛行性能等へ与える影響の少ない、小型・軽量の赤外線撮像装置を提供することを目的にしている。

【0013】

【課題を解決するための手段】この発明による赤外線撮像装置は、第1の赤外線検出器と、有人運行装置の構造と一体をなす構造上に設けた第1の赤外線窓と、第1の赤外線窓を通し前記第1の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第1の視野を有する第1の光学系に加え、第2の赤外線検出器と、有人運行装置の構造と一体をなす構造上に設けた第2の赤外線窓と、第2の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した、第1の光学系の視野角の約3倍以上の視野角(以下「第2の視野」と言う。)を有する第2の光学系とを設けたものである。

【0014】
また、この発明による赤外線撮像装置は、第1の赤外線検出器と、有人運行装置の構造と一体をなす構造上に設けた第1の赤外線窓と、第1の赤外線窓を通し前記第1の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第1の視野を有する第1の光学系に加え、第2の赤外線検出器と、有人運行装置の構造と一体をなす構造上に設けた第2の赤外線窓と、第2の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第2の視野を有する第2の光学系と、第3の赤外線検出器と、有人運行装置の構造と一体をなす構造上に設けた第3の赤外線窓と、第3の赤外線窓を通し前記第3の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第3の視野を有する第3の光学系と、第3の光学系の視軸方向を駆動する視軸駆動機構とを設けたものである。

【0015】
また、この発明による赤外線撮像装置は、第1の赤外線検出器と、有人運行装置の構造と一体をなす構造上に設けた第1の赤外線窓と、第1の赤外線窓を通し前記第1の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第1の視野を有する第1の光学系に加え、第2の赤外線検出器と、有人運行装置の構造と一体をなす構造上に設けた第2の赤外線窓と、第2の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第2の視野を有する第2の光学系と、有人運行装置の構造と一体をなす構造上に設けた第3の赤外線窓と、第3の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第3の視野を有する第3の光学系と、第3の光学系の視軸方向を駆動する視軸駆動機構と、前記第2の赤外線検出器の受光面上で結像させる光学系を切り換える視野切換機構とを設けたものである。

【0016】
また、この発明による赤外線撮像装置は、第1の赤外線検出器と、有人運行装置の構造と一体をなす構造上に設けた第1の赤外線窓と、第1の赤外線窓を通し前記第1の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第1の視野を有する第1の光学系に加え、第2の赤外線検出器と、有人運行装置の構造と一体をなす構造上に設けた第2の赤外線窓と、第2の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第2の視野を有する第2の光学系と、第1の視軸旋回機構と、第1の視軸旋回機構内に設けた第2の視軸旋回機構と、前記第1の視軸旋回機構上に設けた第3の赤外線窓と、第3の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した、前記第2の視軸旋回機構上に設けた第3の視野を有する第3の光学系と、前記第2の赤外線検出器の受光面上で結像させる光学系を切り換える視野切換機構とを設けたものである。

【0017】
また、この発明による赤外線撮像装置は、第1の赤外線検出器と、有人運行装置の構造と一体をなす構造上に設けた第1の赤外線窓と、第1の赤外線窓を通し前記第1の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第1の視野を有する第1の光学系に加え、第2の赤外線検出器と、有人運行装置の構造と一体をなす構造上に設けた第2の赤外線窓と、第2の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第2の視野を有する第2の光学系と、第1の視軸旋回機構と、第1の視軸旋回機構内に設けた第2の視軸旋回機構と、前記第2の視軸旋回機構上に設けた第3の赤外線窓と、第3の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した、前記第2の視軸旋回機構上に設けた第3の視野を有する第3の光学系と、前記第2の赤外線検出器の受光面上で結像させる光学系を切り換える視野切換機構とを設けたものである。

【0018】
また、この発明による赤外線撮像装置は、第1の赤外線検出器と、有人運行装置の構造と一体をなす構造上に設けた第1の赤外線窓と、第1の赤外線窓を通し前記第1の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第1の視野を有する第1の光学系に加え、第1の視軸旋回機構と、第1の視軸旋回機構内に設けた第2の視軸旋回機構と、第2の赤外線検出器と、前記第1の視軸旋回機構上に設けた第2の赤外線窓と、第2の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第2の視野を有する第2の光学系と、前記第1の視軸旋回機構上に設けた第3の赤外線窓と、第3の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した、前記第2の視軸旋回機構上に設けた第3の視野を有する第3の光学系と、前記第2の赤外線検出器の受光面上で結像させる光学系を切り換える視野切換機構とを設けたものである。

【0019】
また、この発明による赤外線撮像装置は、第1の赤外線検出器と、有人運行装置の構造と一体をなす構造上に設けた第1の赤外線窓と、第1の赤外線窓を通し前記第1の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第1の視野を有する第1の光学系に加え、第1の視軸旋回機構と、第1の視軸旋回機構内に設けた第2の視軸旋回機構と、第2の赤外線検出器と、前記第1の視軸旋回機構上に設けた第2の赤外線窓と、第2の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第2の視野を有する第2の光学系と、前記第2の視軸旋回機構上に設けた第3の赤外線窓と、第3の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した、前記第2の視軸旋回機構上に設けた第3の視野を有する第3の光学系と、前記第2の赤外線検出器の受光面上で結像させる光学系を切り換える視野切換機構とを設けたものである。

【0020】
また、この発明による赤外線撮像装置は、第1の赤外線検出器と、有人運行装置の構造と一体をなす構造上に設けた第1の赤外線窓と、第1の赤外線窓を通し前記第1の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第1の視野を有する第1の光学系に加え、第1の視軸旋回機構と、第1の視軸旋回機構内に設けた第2の視軸旋回機構と、第2の赤外線検出器と、前記第2の視軸旋回機構上に設けた第2の赤外線窓と、第2の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した第2の視野を有する第2の光学系と、前記第2の視軸旋回機構上に設けた第3の赤外線窓と、第3の赤外線窓を通し前記第2の赤外線検出器の受光面上で赤外線画像が結像するように配設した、前記第2の視軸旋回機構上に設けた第3の視野を有する第3の光学系と、前記第2の赤外線検出器の受光面上で結像させる光学系を切り換える視野切換機構とを設けたものである。

【0021】

【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の実施の形態1を図1、及び図2を用いて詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1を示す構成図であって、3bは第2の赤外線検出器、4bは第2の赤外線検出器3bの信号を画像信号に変換し液晶ディスプレイ2へ出力する第2の画像信号処理器、5bは第2の赤外線窓、6bは第2の赤外線窓5bを通し第2の赤外線検出器3bの受光面上で外界の赤外線画像が結像するように配設した、第1の視野の約3倍の視野角(以下「第2の視野」と言う。)を有する第2の光学系である。なお、図中、1,2,3a,4a,5a,6a,9,10,11,12は従来の技術による赤外線撮像装置と同一である。

【0022】
次に動作について説明する。第1の赤外線窓5aを通して第1の視野を有する第1の光学系6aにより集光された外界の赤外線は、第1の赤外線検出器3a上に結像され、第1の赤外線検出器3aにより光電変換された赤外線信号は第1の画像信号処理器4aに出力され、第1の画像信号処理器4aにより画像信号に変換され、ホログラフィックヘッドアップディスプレイ1及び出力画像選択器9に出力される。また、上記と同時に、第2の赤外線窓5bを通して第2の視野を有する第2の光学系6bにより集光された外界の赤外線は、第2の赤外線検出器3b上に結像され、第2の赤外線検出器3bにより光電変換された赤外線信号は第2の画像信号処理器4bに出力され、第2の画像信号処理器4bにより画像信号に変換され、出力画像選択器9に出力される。そして、出力画像選択器9では、操縦者または航空機からの出力画像選択指令10に基づき、出力画像を選択し、選択された赤外線画像を液晶ディスプレイ2に出力する。

【0023】
この結果、操縦者は、飛行方向前方の赤外線画像を、ホログラフィックヘッドアップディスプレイ1に表示される赤外線画像により常時確認できるようになるとともに、旋回方向の赤外線画像についても、液晶ディスプレイ2に表示される第2の視野を有する赤外線画像により同時に確認することができるようになるという利点がある。

【0024】
また、この発明による赤外線撮像装置では、従来の技術による赤外線撮像装置に存在した、第1の視野を有する第1の光学系6aを駆動するための第2の視軸駆動機構7bが不要になるため、装置の小型化が図れるという利点もある。

【0025】
次にこの発明における第2の視野角の必要性を、図2を用いて説明する。図2は航空機11の旋回軌道を示す図である。航空機11を前方の障害物を避けるために、旋回による回避を行おうとする場合、少なくても、飛行方向への接近が完了する。つまり、90度旋回が完了するまでの障害物を、旋回の実施を判断する時点で確認できることが望ましい。ところで、航空機11が90度旋回を完了する位置は、航空機11の旋回半径、つまり、航空機11に旋回時に発生させる加速度によらず、図2に示すとおり旋回開始点からみると、いずれの場合も、旋回方向45度の地点となる。そのため、旋回開始を判断する時点で、前方の障害物を確認しておきたい角度範囲は、水平方向45度以上となり、両方向への旋回を考慮すると、水平方向の必要視野角は、45度の2倍の約90度以上が望まれることになる。一方、外界と1:1に対応する赤外線画像としてホログラフィックヘッドアップディスプレイ1上に表示されている、第1の視野角の赤外線画像の撮像領域を、操縦者が第2の視野角の赤外線画像上のどの領域かを関連付けて判断し、第1の視野角による赤外線画像から第2の視野角による赤外線画像内の対象物との距離を直感的に判断するには、第1の視野角と第2の視野角との比があまり大きいことは好ましくない。そのため、第2の視野角としては、約90度、または、それよりもやや広い水平方向視界が確保できる、20度~30度の水平方向視野を保有する第1の視野角の、約3倍、または、それよりもやや広い視野角が望まれることになる。

【0026】
なお、図1においては、第1の赤外線窓5aと第2の赤外線窓5bとを別々の構造としたが、赤外線窓に両窓の機能を合わせ持たせた1つの赤外線窓を使用したとしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。

【0027】
実施の形態2.以下、この発明の実施の形態2を図3を用いて詳細に説明する。図3は、この発明の実施の形態2を示す構成図であって、1,2,3a,3c,4a,4c,5a,5c,6a,6c,7a,8a,9,10,11,12は従来の技術による赤外線撮像装置と同一、3b,4b,5b,6bは実施の形態1と同一である。

【0028】
次に動作について説明する。第1の赤外線窓5aを通して第1の視野を有する第1の光学系6aにより集光された外界の赤外線は、第1の赤外線検出器3a上に結像され、第1の赤外線検出器3aにより光電変換された赤外線信号は第1の画像信号処理器4aに出力され、第1の画像信号処理器4aにより画像信号に変換され、ホログラフィックヘッドアップディスプレイ1に出力される。また、上記と同時に、第2の赤外線窓5bを通して第2の視野を有する第2の光学系6bにより集光された外界の赤外線は、第2の赤外線検出器3b上に結像され、第2の赤外線検出器3bにより光電変換された赤外線信号は第2の画像信号処理器4bに出力され、第2の画像信号処理器4bにより画像信号に変換され、出力画像選択器9に出力される。さらに、上記と同時に、第3の赤外線窓5cを通して第3の視野を有する第3の光学系6cは、第1の視軸駆動指令8aに基づき第1の視軸駆動機構7aにより視軸方向を指定の方向に駆動され、指定方向の外界の赤外線が第3の赤外線検出器3c上に結像され、第3の赤外線検出器3cにより光電変換された赤外線信号は第3の画像信号処理器4cに出力され、第3の画像信号処理器4cにより画像信号に変換され、出力画像選択器9に出力される。そして、出力画像選択器9では、操縦者または航空機からの出力画像選択指令10に基づき、出力画像を選択し、選択された赤外線画像を液晶ディスプレイ2に出力する。

【0029】
この結果、この発明による実施の形態2に示す赤外線撮像装置によれば、操縦者は、飛行方向前方の赤外線画像を、ホログラフィックヘッドアップディスプレイ1に表示される赤外線画像により常時確認できるようになるとともに、旋回方向の第2の赤外線画像、及び指定方向の地形地物等を識別するための第3の視野の赤外線画像についても、液晶ディスプレイ2に選択表示し、同時に確認することができるようになるという利点がある。

【0030】
また、この発明による実施の形態2に示す赤外線撮像装置では、従来の技術による赤外線撮像装置に存在した、第1の視野を有する第1の光学系6aを駆動するための第2の視軸駆動機構7bが不要になるため、装置の小型化が図れるという利点もある。さらに、この発明による実施の形態2に示す赤外線撮像装置では、各赤外線窓を航空機の構造体と一体となっている構造上に設けているため、空力的な荷重を受ける部分に駆動機構がなく、信頼性に優れるとともに駆動の小型化が図れる。また、第3の視野の視軸方向を駆動させた場合においても、空力的な形状の変化を生じないため、搭載母機との空力的な適合性の検討等を簡素化できるという利点がある。

【0031】
なお、図3においては、第1の赤外線窓5a、第2の赤外線窓5b、及び第3の赤外線窓5cとを別々の構造としたが、複数の機能を合わせ持たせた1つ、又は2つの赤外線窓で代用したとしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。

【0032】
実施の形態3.以下、この発明の実施の形態3を図4を用いて詳細に説明する。図4は、この発明の実施の形態3を示す構成図であって、1,2,3a,4a,5a,5c,6a,6c,7a,8a,9,10,11,12は従来の技術による赤外線撮像装置と同一、3b,4b,5b,6bは実施の形態2と同一であり、22は第2の赤外線検出器3b上に結像させる外界の赤外線画像を第2の光学系6bによるものと第3の光学系6cによるものとで切り換える視野切換機構、23はミラー、24は視野切換を行うミラー跳上げ機構である。

【0033】
次に動作について説明する。第1の赤外線窓5aを通して第1の視野を有する第1の光学系6aにより集光された外界の赤外線は、第1の赤外線検出器3a上に結像され、第1の赤外線検出器3aにより光電変換された赤外線信号は第1の画像信号処理器4aに出力され、第1の画像信号処理器4aにより画像信号に変換され、ホログラフィックヘッドアップディスプレイ1に出力される。また、上記と同時に、第2の赤外線窓5bを通して第2の視野を有する第2の光学系6bにより外界の赤外線を集光するとともに、第3の赤外線窓5cを通して第1の視軸駆動指令8aに基づき第1の視軸駆動機構7aにより指定の方向に視軸を駆動された第3の光学系6cにより指定方向の外界の赤外線を集光し第1のミラー23aで反射させ、それぞれの赤外光を、視野切換機構22へ導く。

【0034】
なお、第3の光学系6cで集光された赤外光は、第1のミラー23aを介して視野切換機構22へ導かれるため、視軸を第1のミラー23aと第2のミラー23bとを結ぶ軸回りに指向させた場合、第2の赤外線検出器3b上で赤外光が回転してしまうという問題が生じる。そのため、この回転を補正するための機能を第3の光学系6c内に追加しておくことが望ましい。

【0035】
そして、視野切換機構22においては、第2のミラー23bが図4に示す位置にある時は、第3の光学系6cにより集光された赤外光を、第2のミラー23bで反射し、第2の赤外線検出器3b上に結像させる。また、第2のミラー23bをミラー跳上げ機構24により光路上から跳上げた場合は、第2の光学系6bにより集光された赤外光を、第2の赤外線検出器3b上に結像させる。その結果、第2の赤外線検出器3b上に結像された第2の光学系6b、又は、第3の光学系6cで集光された外界の赤外光が、第2の赤外線検出器3bにより光電変換され、第2の画像信号処理器4bに出力され、第2の画像信号処理器4bにより画像信号に変換され、出力画像選択器9に出力される。そして、出力画像選択器9では、操縦者または航空機からの出力画像選択指令10に基づき、出力画像を選択し、選択された赤外線画像を液晶ディスプレイ2に出力する。

【0036】
以上説明したように、この発明による実施の形態3に示す赤外線撮像装置によれば、操縦者は、飛行方向前方の赤外線画像を、ホログラフィックヘッドアップディスプレイ1に表示される赤外線画像により常時確認できるようになるとともに、旋回方向の第2の視野の赤外線画像、又は指定方向の地形地物等を識別するための第3の視野の赤外線画像を、液晶ディスプレイ2に選択表示し、両画像を同時に確認することができるようになるという利点がある。

【0037】
また、この発明による実施の形態3に示す赤外線撮像装置では、従来の技術による赤外線撮像装置に存在した、第1の視野を有する第1の光学系6aを駆動するための第2の視軸駆動機構7bが不要になるため、装置の小型化が図れるという利点もある。加えて、この発明による実施の形態3に示す赤外線撮像装置では、各赤外線窓を航空機の構造体と一体となっている構造上に設けているため、空力的な荷重を受ける部分に駆動機構がなく、信頼性に優れるとともに駆動の小型化が図れる。また、第3の視野の視軸方向を駆動させた場合においても、空力的な形状の変化を生じないため、搭載母機との空力的な適合性の検討等を簡素化できるという利点がある。

【0038】
さらに、実施の形態3による赤外線撮像装置は、実施の形態2による赤外線撮像装置と比較した場合、3つの視野角の赤外線画像の同時表示が行えなくなるという不利な点も生じるが、第3の赤外線検出器3c、及び第3の画像信号処理器4cを省略することで、小型化、低価格化、及び、信頼性の向上が図れるという利点がある。

【0039】
なお、3つある視野の内、第2の視野と第3の視野とを切り換えて使用している点が本実施の形態3における重要な点である。つまり、航空機の操縦において最も重要である、前方の赤外線画像は、常時ホログラフィックヘッドアップディスプレイ1上に表示できる点が重要である。一方、第2の視野と第3の視野とによる赤外線画像については、切り換えての画像表示しか行えなくなるが、その運用場面を考慮すると、第2の視野が必要となる旋回機動を行おうというような場合には、第3の視野が必要な地点標定等のための地上の構造物等の識別等を行う必要性は希であると予想され、また、その反対の場合では、同様の理由から、第2の視野の必要性は希であると予想される。そのため、第1の視野を常時表示できるようにしておけば、第2の視野と第3の視野とは切換え方式となっても、運用に供せるのである。

【0040】
なお、図4においては、第1の赤外線窓5a、第2の赤外線窓5b、及び第3の赤外線窓5cとを別々の構造としたが、複数の機能を合わせ持たせた1つ、又は2つの赤外線窓で代用したとしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。

【0041】
実施の形態4.以下、この発明の実施の形態4を図5を用いて詳細に説明する。図5は、この発明の実施の形態4を示す構成図であって、1,2,3a,4a,5a,5c,6a,6c,7a,8a,9,10,11,12は従来の技術による赤外線撮像装置と同一、3b,4b,5b,6b,22,23,24は実施の形態2と同一、25は第1の旋回軸、26は第1の旋回軸25回りに旋回し第1の視軸駆動機構7aの一部を構成する第1の視軸旋回機構、27は第2の旋回軸、28は第2の旋回軸27回りに旋回し第1の視軸駆動機構7aの一部を構成する第2の視軸旋回機構である。

【0042】
次に動作について説明するが、基本的な動作については、実施の形態3と同じであり、主たる相違点は第3の赤外線窓5cの設置位置であるため、その関連部分に絞り動作を説明する。実施の形態4においては、第1の視軸駆動機構7aを第1の旋回軸25回りに旋回する第1の視軸旋回機構26と、第1の視軸旋回機構26内に設けた第2の旋回軸27回りに旋回する第2の視軸旋回機構28とにより構成し、第3の赤外線窓5cを第1の視軸旋回機構26上に設置するとともに、第3の光学系6cを第2の視軸旋回機構28上に設定するよう配設している。そして、第3の赤外線窓5cの形状を、第1の旋回軸25方向の寸法は第3の光学系6cの視野角に合致させ、また、第2の旋回軸27方向の寸法は、第3の光学系6cが第2の視軸旋回機構28により駆動された場合の視界に合致させる。このように構成することで、第1の旋回軸25回りの第3の光学系6cの駆動と第3の赤外線窓5cとの駆動とを同時に行えるようになり、第3の光学系6cによる第1の旋回軸25回りの広い視界を得ることができるようになる。

【0043】
なお、第1の旋回軸25を、第3の赤外線窓5cと第3の光学系6cとを結ぶ軸と同一、または、なす角の小さい軸に設定すると、設定すると第1の旋回軸25回りの駆動により第3の光学系6cでの視界の増加が望めなくなるため、第2の旋回軸27は上述した軸とのなす角の大きい軸を選択することが望ましい。

【0044】
また、第3の光学系6cで集光された赤外光は、第1のミラーを介して視野切換機構22へ導かれるため、視軸を第1のミラー23aと第2のミラー23bとを結ぶ軸回りに指向させた場合、第2の赤外線検出器3b上で赤外光が回転してしまうという問題が生じる。そのため、この回転を補正するための機能を第3の光学系6c内に追加しておくことが望ましい。加えて、第3の光学系6cを第2の視軸旋回機構28により駆動した場合、第1のミラー23aにおいては、その集光した赤外光を反射させ、視野切換機構22に導くために、第2の視軸旋回機構28の旋回角の1/2だけ駆動させるような1/2旋回機構を保有しておく必要がある。

【0045】
以上説明したように、この発明による実施の形態4に示す赤外線撮像装置によれば、第3の光学系6cによる、第1の旋回軸25回りの広い視界を確保できるようになることに加え、限られた大きさの第3の赤外線窓5cで第3の光学系6cの視界を確保できるという利点がある。

【0046】
なお、図5においては、第1の赤外線窓5a、及び第2の赤外線窓5bとを別々の構造としたが、1つの赤外線窓で代用したとしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。また、実施の形態4においては、赤外線検出器3を2個使用した場合を例に説明したが、実施の形態2に示すように、赤外線検出器3を3個使用するとした場合にも同様の効果が期待できる。

【0047】
実施の形態5.以下、この発明の実施の形態5を図6を用いて詳細に説明する。図6は、この発明の実施の形態5を示す構成図であって、1~28は実施の形態4と同一である。

【0048】
次に動作について説明するが、基本的な動作については、実施の形態4と同じであり、主たる相違点は第3の赤外線窓5cの設置位置であるため、その関連部に絞り動作を説明する。実施の形態5においては、第3の赤外線窓5cを第2の視軸旋回機構28上に配設している。そして、第3の赤外線窓5cの形状を、第1の旋回軸方向の寸法は第3の光学系6cの視野角に合致させる。このように構成することで、第1の旋回軸25回り、及び、第2の旋回軸27回りの第3の光学系6cの駆動と第3の赤外線窓5cとの駆動とを同時に行えるようになり、第3の光学系6cによる両旋回軸回りの広い視界を得ることができるようになる。また、第3の光学系6c内には、第2の赤外線検出器3b上での画像の回転を補正するための機能を追加しておくことが望ましい。

【0049】
以上説明したように、この発明による実施の形態5に示す赤外線撮像装置によれば、第3の光学系6cによる、第1、及び第2の両旋回軸回りの広い視界を確保できるようになることに加え、限られた大きさの第3の赤外線窓5cで第3の光学系6cの視界を確保できるという利点がある。

【0050】
なお、図6においては、第1の赤外線窓5a、及び第2の赤外線窓5bとを別々の構造としたが、1つの赤外線窓で代用したとしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。

【0051】
実施の形態6.以下、この発明の実施の形態6を図7を用いて詳細に説明する。図7は、この発明の実施の形態6を示す構成図であって、1~28は実施の形態4と同一である。

【0052】
次に動作について説明するが、基本的な動作については、実施の形態4と同じであり、主たる相違点は、第2の赤外線窓5b、及び第3の赤外線窓5cの設置位置であるため、その関連部に絞り動作を説明する。実施の形態6においては、第2の赤外線窓5b、及び第3の赤外線窓5cを第1の視軸旋回機構26上に配設している。そして、第3の赤外線窓5cの形状を、第1の旋回軸25方向の寸法は第3の光学系6cの視野角に合致させ、また、第2の旋回軸27方向の寸法は、第3の光学系6cが第2の視軸旋回機構28により駆動された場合の視界に合致させる。このように構成することで、第1の旋回軸25回りの第3の光学系6cの駆動と第3の赤外線窓5cとの駆動とを同時に行えるようになり、第3の光学系6cによる第1の旋回軸25回りの広い視界を得ることができるようになる。また、第3の光学系6c内には、第2の赤外線検出器3b上での画像の回転を補正するための機能を追加しておくことが望ましい。

【0053】
以上説明したように、この発明による実施の形態6に示す赤外線撮像装置によれば、第3の光学系6cによる、第1の旋回軸25回りの広い視野を確保できるようになることに加え、限られた大きさの第3の赤外線窓5cで第3の光学系6cの視界を確保できるという利点がある。

【0054】
また、実施の形態6に示す赤外線撮像装置と実施の形態4に示す赤外線撮像装置とを比較した場合、実施の形態4に示す赤外線撮像装置では、第1のミラー23a、及び第2のミラー23bとを第1の旋回軸25上に設置する必要があったが、実施の形態6に示す赤外線撮像装置ではその制約がなくなる。そして、その結果として、第2の光学系6b、第3の光学系6c、第1の視軸旋回機構26、及び第2の視軸旋回機構27を設計する上での自由度が増えるため、より小型・軽量の赤外線撮像装置を実現できるようになるという利点もある。

【0055】
また、第2の光学系6bによる、第1の旋回軸27回りの広い視界が確保できるという利点もある。

【0056】
なお、図7においては、第2の赤外線窓5b、及び第3の赤外線窓5cとを別々の構造としたが、1つの赤外線窓で代用したとしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。

【0057】
実施の形態7.以下、この発明の実施の形態7を図8を用いて詳細に説明する。図8は、この発明の実施の形態7を示す構成図であって、1~28は実施の形態4と同一である。

【0058】
次に動作について説明するが、基本的な動作については、実施の形態4と同じであり、主たる相違点は、第2の赤外線窓5b、及び第3の赤外線窓5cの設置位置であるため、その関連部に絞り動作を説明する。実施の形態7においては、第2の赤外線窓5bを第1の視軸旋回機構26上に、第3の赤外線窓5cを第2の視軸旋回機構28上に配設している。そして、第3の赤外線窓5cの形状を、第3の光学系6cの視野角に合致させる。このように構成することで、両旋回軸回りの第3の光学系6cの駆動と第3の赤外線窓5cとの駆動とを同時に行えるようになり、第3の光学系6cによる両旋回軸回りの広い視界を得ることができるようになる。また、第3の光学系6c内には、第2の赤外線検出器3b上での画像の回転を補正するための機能を追加しておくことが望ましい。

【0059】
以上説明したように、この発明による実施の形態7に示す赤外線撮像装置によれば、第3の光学系6cによる、第1、及び第2の両旋回軸回りの広い視界を確保できるようになることに加え、限られた大きさの第3の赤外線窓5cで第3の光学系6cの視界を確保できるという利点がある。

【0060】
また、実施の形態5に比して、第2の光学系6b、及び第3の光学系6cの引き回しが簡単となり、結果として、高性能、低価格、高信頼性の装置を取得できるという利点もある。

【0061】
実施の形態8.以下、この発明の実施の形態8を図9を用いて詳細に説明する。図9は、この発明の実施の形態8を示す構成図であって、1~28は実施の形態4と同一である。

【0062】
次に動作について説明するが、基本的な動作については、実施の形態4と同じであり、主たる相違点は、第2の赤外線窓5b、及び第3の赤外線窓5cの設置位置であるため、その関連部に絞り動作を説明する。実施の形態8においては、第2の赤外線窓5b、及び第3の赤外線窓5cを第2の視軸旋回機構28上に配設している。そして、第3の赤外線窓5cの形状を、第3の光学系6cの視野角に合致させる。このように構成することで、両旋回軸回りの第3の光学系6cの駆動と第3の赤外線窓5cとの駆動とを同時に行えるようになり、第3の光学系6cによる両旋回軸回りの広い視界を得ることができるようになる。また、第3の光学系6c内には、第2の赤外線検出器3b上での画像の回転を補正するための機能を追加しておくことが望ましい。

【0063】
以上説明したように、この発明による実施の形態8に示す赤外線撮像装置によれば、第3の光学系6cによる、第1、及び第2の両旋回軸回りの広い視界を確保できるようになることに加え、限られた大きさの第3の赤外線窓5cで第3の光学系6cの視界を確保できるという利点がある。

【0064】
また、実施の形態5に比して、第2の光学系6b、及び第3の光学系6cの引き回しが簡単となり、結果として、高性能、低価格、高信頼性の装置を取得できるという利点もある。

【0065】
また、実施の形態8に示す赤外線撮像装置と実施の形態7に示す赤外線撮像装置とを比較した場合、実施の形態7に示す赤外線撮像装置では、第1のミラー23a、及び第2のミラー23bとを第2の旋回軸27上に設置する必要があったが、実施の形態8に示す赤外線撮像装置ではその制約がなくなる。そして、その結果として、第2の光学系6b、第3の光学系6c、第1の視軸旋回機構26、及び第2の視軸旋回機構28を設計する上での自由度が増えるため、より小型・軽量の赤外線撮像装置を実現できるようになるという利点もある。

【0066】

【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、操縦者は、飛行方向前方の赤外線画像を、第1のディスプレイに表示される赤外線画像により常時確認できるようになるとともに、旋回方向の赤外線画像についても、第2のディスプレイに表示される第2の視野を有する赤外線画像により同時に確認することができるようになるという利点がある。また、従来の技術による赤外線撮像装置に存在した、第1の視野を有する第1の光学系を駆動するための視軸駆動機構が不要になるため、装置の小型化が図れるという利点もある。

【0067】
また、この発明によれば、操縦者は、飛行方向前方の赤外線画像を、第1のディスプレイに表示される赤外線画像により常時確認できるようになるとともに、旋回方向の第2の視野の赤外線画像、及び指定方向の地形地物等を識別するための第3の視野の赤外線画像についても、第2のディスプレイに選択表示し、同時に確認することができるようになるという利点がある。また、従来の技術による赤外線撮像装置に存在した、第1の視野を有する第1の光学系を駆動するための視軸駆動機構が不要になるため、装置の小型化が図れるという利点もある。さらに、各赤外線窓が航空機の構造体と一体となっている構造上に設けられているため、空力的な荷重を受ける部分に駆動機構がなく、信頼性に優れるとともに駆動の小型化が図れる、また、第3の視野の視軸方向を駆動させた場合においても、空力的な形状の変化を生じないため、搭載母機との空力的な適合性の検討等を簡素化できるという利点がある。

【0068】
この発明によれば、操縦者は、飛行方向前方の赤外線画像を、第1のディスプレイに表示される赤外線画像により常時確認できるようになるとともに、旋回方向の第2の視野の赤外線画像、又は指定方向の地形地物等を識別するための第3の視野の赤外線画像を、第2のディスプレイに選択表示し、同時に確認することができるようになるという利点がある。また、従来の技術による赤外線撮像装置に存在した、第1の視野を有する第1の光学系を駆動するための視軸駆動機構が不要になるため、装置の小型化が図れるという利点もある。加えて、各赤外線窓を航空機の構造体と一体となっている構造上に設けているため、空力的な荷重を受ける部分に駆動機構がなく、信頼性に優れるとともに駆動の小型化が図れる、また、第3の視野の視軸方向を駆動させた場合においても、空力的な形状の変化を生じないため、搭載母機との空力的な適合性の検討等を簡素化できるという利点がある。

【0069】
また、この発明によれば、第3の光学系による第3の視野の1軸回りの広い視界を確保できるようになることに加え、限られた大きさの第3の赤外線窓で第3の光学系の視界を確保できるという利点がある。

【0070】
この発明によれば、第3の光学系による、2軸回りの広い視界を確保できるようになることに加え、限られた大きさの第3の赤外線窓で第3の光学系の視界を確保できるという利点がある。

【0071】
また、この発明によれば、第3の光学系による、1軸回りの広い視界を確保できるようになることに加え、限られた大きさの第3の赤外線窓で第3の光学系の視界を確保できるという利点がある。また、第2の光学系による、1軸回りの広い視界を確保できるという利点もある。

【0072】
この発明によれば、第3の光学系による、第2軸回りの広い視界を確保できるようになることに加え、限られた大きさの第3の赤外線窓で第3の光学系の視界を確保できるという利点がある。

【0073】
また、この発明によれば、第3の光学系による、2軸回りの広い視界を確保できるようになることに加え、限られた大きさの第3の赤外線窓で第3の光学系の視界を確保できるという利点がある。
図面
【図1】
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【図2】
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【図11】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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