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明細書 :曲面アレイのアンテナパターン合成法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3072364号 (P3072364)
公開番号 特開平10-270930 (P1998-270930A)
登録日 平成12年6月2日(2000.6.2)
発行日 平成12年7月31日(2000.7.31)
公開日 平成10年10月9日(1998.10.9)
発明の名称または考案の名称 曲面アレイのアンテナパターン合成法
国際特許分類 H01Q  3/26      
G01S  7/02      
H01Q 21/22      
FI H01Q 3/26 Z
G01S 7/02
H01Q 21/22
請求項の数または発明の数 1
全頁数 9
出願番号 特願平09-091652 (P1997-091652)
出願日 平成9年3月26日(1997.3.26)
審査請求日 平成9年3月26日(1997.3.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
発明者または考案者 【氏名】荒木 完
【氏名】坂本 元
個別代理人の代理人 【識別番号】100079290、【弁理士】、【氏名又は名称】村井 隆
審査官 【審査官】浜野 友茂
調査した分野 H01Q 3/26 - 3/42
H01Q 21/00 - 25/04
G01S 7/02
特許請求の範囲 【請求項1】
曲面上に配列された複数個の素子アンテナから成るアレイアンテナの励振振幅位相を決める曲面アレイのアンテナパターン合成法において、
曲面上に置かれた素子アンテナの位置を、曲面を投影した開口面に与え、次に投影された素子アンテナ位置にテーラーパターンを実現するためのテーラー分布による振幅を与え、さらに、アレイファクターを合成するための位相中心を曲面体内に定義した基準に設定し、次に各素子アンテナ間の位相差を行路差として考慮し、各素子アンテナの振幅は素子アンテナ位置のテーラー分布を与えてアレイパターンの合成を行い、複素疑似テーラーパターンを作るステップ(I)と、
前記複素疑似テーラーパターンの絶対値をとった疑似テーラーパターンの零点n及びサイドローブピーク点P(i:0又は正の整数)を拘束方向の角度として設定するステップ(II)と、
初期ウェイトを用いて初期パターンを形成し、n及びにおけるの観測方向の角度上で当該初期パターンのレベルを求めるステップ(III)と、
及びPの角度におけるテーラーパターンのレベルと初期パターンとのレベル差をi番目の拘束点におけるファジィ制約条件の不等号を意味するメンバーシップ関数のパラメータ(b,d)(但し、bはあいまい区間の上限値を、dはファジィ制約におけるあいまい区間)とするステップ(IV)と、
前記疑似テーラーパターンのn及びPの角度における疑似テーラーパターン上の偏角φ(但し、φは前記疑似テーラーパターンにおけるi番目の拘束応答ベクトルFの偏角)を求めるステップ(V)と、
拘束行列C、ウェイトW及び拘束応答値|F|の関係を下記(1)式を用いて展開し下記(3)式のように極座標表示に変換するステップ(VI)と、
【数5】
JP0003072364B2_000002t.gif前記(3)式をファジィ線形計画問題に拡張して下記(5)式の拘束条件を求めるステップ(VII)と、
【数6】
JP0003072364B2_000003t.gif前記ファジィ線形計画問題を等価変換式を用いて非ファジィ線形計画問題に直し、通常のシンプレックス法を用いて解くステップ(VIII)と、
前記非ファジィ線形計画問題の実行可能解の中から、各拘束条件の満足度の最小値を最大にするように素子アンテナに加わる前記ウェイトWを制御することによって最大化決定λ(拘束条件全体の満足度)及びその時のウェイトWを求めアンテナパターンを合成するステップ(IX)と、
を順次実行することを特徴とする曲面アレイのアンテナパターン合成法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、ファジィ線形計画法を応用することによって、曲面上に存在するアレイアンテナの素子を用いて任意のアンテナパターンを合成可能な振幅位相制御を実行する曲面アレイのアンテナパターン合成法に関するものである。

【0002】

【従来の技術】図5は、例えば、昭和63年電子情報通信学会、アンテナ伝搬研究会、A.PS8-84.「素子密度を考慮したコンフォーマルアレイアンテナの低サイドローブパターンの形成法」、針生他に示された平面投影法とよばれる、アレイアンテナ励振方式である。図5において1は任意の凸型曲面、2は曲面上に配列された素子アンテナ、3は移相器、4は振幅制御器、5は素子アンテナのアンテナパターン、6は素子アンテナの局在する曲面上位置における法線方向、7は開口投影面、8は主ビーム方向である。平面投影法は、任意形状のアレイアンテナに対し低サイドローブパターンを与える励振分布を簡易に求める指向性合成アルゴリズムである。このアルゴリズムは曲面状アレイアンテナの各素子アンテナを主ビーム軸に直交する平面7に投影し、このときの素子密度と6の素子パターンの主ビーム方向への振幅を考慮して低サイドローブパターンを形成する開口面分布を求めるものである。励振分布の求め方は、図6のステップ1からステップ6のとおりである。

【0003】
図7は、IEEE TRANSACTION ANTENNAS AND PROPAGATION, VOL.AP-34,NO.6,JUN1986 "An Algorithm Pattern Synthesis Improvement", Y.Suzuki に示された拘束条件付出力電力最小化法によるアレイアンテナ励振方式で、これはアダプティブアレイアンテナ理論から導入された手法である。図7において、11は拘束方向、12は所望信号の到来方向、13は目標とするサイドローブレベル、14は観測方向の角度、15は所望のテーラーパターン、16は実際のアンテナパターンである。所望の信号方向からの到来信号に対しては一定のアレイ出力を保証するようにウェイトを拘束し、その条件下でアレイの全出力を最小化することにより、それ以外から到来する不要波を除去しようとするものである。この手法を曲面状アンテナのパターン合成に応用した場合、所望波をテーラーパターンとするとき図7に示すようにリニアアレイのテーラーパターンの零点を拘束点と見なし、それ以外の方向を不要波到来方向と見なして、受信電力を最小化することによってなるべくサイドローブレベルを下げようとするものである。そのアルゴリズムとして図8に示すように拘束条件付出力電力最小化法を使用するものである。

【0004】

【発明が解決しようとする課題】従来の励振方式は低サイドローブ化をビーム形成の単一の目的としており、曲面状アレイにおいて所望のサイドローブレベルに近づけることができる有効な手法であった。本発明は、それに加えて同時にビーム幅を狭くすること、さらにはナル深度をとること、指向性利得を上げること等、多目的同時ビームパターンの合成を可能とし、任意の所望波に対する近似度を、満足度という評価規範を使うことによって定量的に表現することができる曲面アレイのアンテナパターン合成法を提供することを目的とする。

【0005】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。

【0006】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の曲面アレイのアンテナパターン合成法は、曲面上に配列された複数個の素子アンテナから成るアレイアンテナの励振振幅位相を決める場合において、主ビームのビーム幅をなるべく狭くし、同時にサイドローブレベルを低下させ、クラッタや妨害波などの不要波を除去する多目的なアンテナパターンを実現するために、フェーズドアレイにおける拘束条件付最小電力法を、ファジィ線形計画法を導入することによって改良して励振振幅位相を数値的に求めることを特徴としている。つまり、拘束条件付出力電力最小化法の拘束条件をファジィ制約とすることにより、従来の手法における自由度を越える拘束条件数を設定可能としている。所望のビーム幅を実現するため第1零点の角度位置を拘束設定する。また、サイドローブレベルを抑圧するためにすべてのサイドローブピーク点を拘束する。さらに、指向性利得を上げるために零点の拘束応答値を深くすることによって、多目的なアンテナパターンを達成するものである。但し、すべての拘束点は主ビームを除いてファジィ制約であるため、ファジィ線形計画法によるアルゴリズムを用いるものとする。ファジィ線形計画法は二次形式を用いないため、すべての計算を簡単な線形計算だけによって行うことができる。また、位相と振幅を同時に複素数のウェイトとして与えるため、所望波としての理想パターンにおける初期位相の設定は、リニアアレイにおける所望波のアンテナパターンにおける偏角を用いるものとする。これによって拘束条件は実部と虚部に明確に分離される。また、目的関数としての電力最小の条件を取り外すかわりに、すべての制約をどれだけ定量的に満足しているかを、ファジィ線形計画法における満足度という評価量を最大にしようとすることによってアンテナパターンに対するすべての要求を同時に満たそうとするものである。そこで、本発明では、曲面上に置かれた素子アンテナの位置を、曲面を投影した開口面に与え、次に投影された素子アンテナ位置にテーラーパターンを実現するためのテーラー分布による振幅を与え、さらに、アレイファクターを合成するための位相中心を曲面体内に定義した基準に設定し、次に各素子アンテナ間の位相差を行路差として考慮し、各素子アンテナの振幅は素子アンテナ位置のテーラー分布を与えてアレイパターンの合成を行い、複素疑似テーラーパターンを作るステップ(I)と、前記複素疑似テーラーパターンの絶対値をとった疑似テーラーパターンの零点n及びサイドローブピーク点P(i:0又は正の整数)を拘束方向の角度として設定するステップ(II)と、初期ウェイトを用いて初期パターンを形成し、n及びPにおけるの観測方向の角度上で当該初期パターンのレベルを求めるステップ(III)と、及びPの角度におけるテーラーパターンのレベルと初期パターンとのレベル差をi番目の拘束点におけるファジィ制約条件の不等号を意味するメンバーシップ関数のパラメータ(b,d)(但し、bはあいまい区間の上限値を、dはファジィ制約におけるあいまい区間)とするステップ(IV)と、前記疑似テーラーパターンのn及びPの角度における疑似テーラーパターン上の偏角φ(但し、φは前記疑似テーラーパターンにおけるi番目の拘束応答ベクトルF偏角)を求めるステップ(V)と、拘束行列C、ウェイトW及び拘束応答値|F|の関係を下記(1)式を用いて展開し下記(3)式のように極座標表示に変換するステップ(VI)と、
【数7】
JP0003072364B2_000004t.gif前記(3)式をファジィ線形計画問題に拡張して下記(5)式の拘束条件を求めるステップ(VII)と、
【数8】
JP0003072364B2_000005t.gif前記ファジィ線形計画問題を等価変換式を用いて非ファジィ線形計画問題に直し、通常のシンプレックス法を用いて解くステップ(VIII)と、前記非ファジィ線形計画問題の実行可能解の中から、各拘束条件の満足度の最小値を最大にするように素子アンテナに加わる前記ウェイトWを制御することによって最大化決定λ(拘束条件全体の満足度)及びその時のウェイトWを求めアンテナパターンを合成するステップ(IX)とを順次実行するようにしている。

【0007】

【作用】本発明において、所望のアンテナパターンを実現するために開口面上のアレイに適切な電流分布を解析的に与えることが困難な任意の曲面状アレイにおいても、所望のアンテナパターンを実現するためのウェイトを数値計算により求めることができる。さらに、アレイによって制御可能な従来手法の場合の自由度を越えるアンテナパターンに対する多目的の要求が同時に満たされ、満足度という定量的評価の導入によって使用者がアンテナパターンの近似度を対話形式で知ることができる。また、線形計算だけで解が求まるため、解の安定性、精度、収束といった点で振幅位相制御のための実行可能なウェイトの値を短時間に容易に求めることができる。

【0008】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る曲面アレイのアンテナパターン合成法の実施の形態を図面に従って説明する。

【0009】
図1はファジィ線形計画法を導入した曲面アレイのアンテナパターン合成法の説明図である。図において21は改善されるべきアンテナパターンで、22は所望のテーラーパターンである。P0は主ビームのピーク点、P1,P2,…は改善されるべきアンテナパターン21におけるサイドローブピーク点、P1T,P2T,…はテーラーパターン22におけるサイドローブピーク点、n0,n1…は改善されるべきアンテナパターン21における零点、n0T,n1T…はテーラーパターン22における零点である。

【0010】
目的は曲面上に置かれた素子アンテナを持つ曲面状アンテナにおいて、図5の如く各素子アンテナに接続された移相器と減衰器とを制御することにより所望のテーラーパターンにより近いアンテナパターンの実現を図るものである。ウェイトは主ビーム、サイドローブピーク、零点に与えられた全拘束条件における満足度を最大にすることにより得られる。初期パターン21は従来の手法によるパターン合成法で求められたもの、あるいは既知の初期ウェイトによって得られたアンテナパターンであってもよい。所望波は主ビームのピーク点Pのレベルを0デシベルとして正規化し、ビーム幅は、主ビームを中心として対称に存在する第1零点nの間隔を基準として、テーラーパターンのビーム幅に近づけるようにする。角度を直接広げたり狭めたりすることはできないので、零点の拘束点の深度におけるレベルを所望パターンのレベルに近づけるようにする。他の拘束点P,P,P,…,n,n,n,…についても同様である。各零点の深度及びサイドローブピークのレベルは、あるレベル以上深ければ、あるいはあるレベル以下であれば条件をある程度満足しているものとするように、拘束条件をリニアのペナルティ関数(メンバーシップ関数)で与えることによって、ファジィ制約条件として設定する。つまり|P-P|と|n-n|とがファジィ制約のあいまいさを表すものとする(但し、iは0又は正の整数)。

【0011】
設定する各点におけるメンバーシップ関数は、使用者が要求に応じて、その評価のペナルティの重さを任意に設定できるものである。例えば、ビーム幅を特に厳格に所望のパターンに近づける必要性が高いならば、第1零点n0におけるファジィ制約のメンバーシップ関数は傾きの急な、あいまい領域の少ない線形関数となる。

【0012】
図2に各拘束点(主ビーム、第1サイドローブピーク、第2サイドローブピーク、第1零点、第2零点)のメンバーシップ関数の具体例を示す。この図において、縦軸μは各拘束点での満足度、横軸は主ビームのピーク点P0のレベルを0デシベルとして正規化したときの各拘束点のレベルである。このようなメンバーシップ関数を用いることがファジィ制約の特徴であり、従来の拘束条件の制約はこのような傾き部分をもったあいまい領域が存在せずメンバーシップ関数の値は1か0となる。所望のアンテナパターンに対する要求はビーム幅、零点の深度、サイドローブピークのレベルをテーラーパターンに近づけることであり、それぞれの拘束点における要求に対してメンバーシップ関数が与えられており、最適化のための規範としては、ウェイトの値を変化させることにより、各拘束点におけるメンバーシップ関数の値を増減させるのであるが、すべての拘束点におけるメンバーシップ関数の値の中で常に最小の値に注目し、その値がウェイトを変化させることによって、なるべく大きくなるようにウェイトの値を決定するものである。その時のアンテナパターンの評価は次式で表される満足度によって定量化される。

【0013】
各拘束条件の満足度=1-{ファジィ線形計画法によるアンテナパターン(拘束点レベル)-所望パターン(拘束点レベル)}/{初期アンテナパターン(拘束点レベル)-所望パターン(拘束点レベル)}
そして、全拘束条件の満足度=各拘束条件の満足度の最小値、を最大にするように素子アンテナにかかるウェイトを制御する。

【0014】
前記図2中、Tは理想とするテーラーパターンによる値、Pは図5で説明した従来の平面投影法による値、Fはファジィ計画法により得られた値の例であり、各拘束点において従来の平面投影法よりも理想のテーラーパターンに近づいた値が得られていることが判る。なお、ファジィ線形計画法自体は、「ファジィモデリングとその応用」田中 英夫著、朝倉書店、148~153頁に詳述されている。

【0015】
以下、ファジィ線形計画法における曲面アレイのアンテナパターン合成法の解法の基本的な実行手順を示す。図3はファジィ線形計画法の説明図であり、同図(1)はファジィ制約式を表し、(2)はファジィ線形計画法から通常の線形計画法への等価変換を表すものである。ここで、λは満足度を表す変数、biはi番目の拘束値、diはi番目のファジィ制約におけるあいまい区間,biUはあいまい区間の上限値、biLは下限値、ai0はi番目のファジィ制約についてのメンバーシップ関数の入力値であってaiはモデルにより定まった数値で、Xは制御量、siは補助変数を表す。

【0016】
図4は拘束ベクトルと拘束応答値を極座標表示したものである。ReとImは実軸および虚軸を表す。Fは複素アンテナパターン上の拘束応答ベクトル、Fの延長上の点線は、拘束応答のファジィ領域を表す。Cは拘束する角度に対する各素子位置における相対的行路差(位相差)を表す拘束行列である。各素子に与えるウェイトはWで表す。それらは複素数である。また、φは複素パターンの偏角を表す。拘束行列C、ウェイトW及び拘束応答値|F|には(1)式の関係がある。
【数1】
JP0003072364B2_000006t.gifこれをファジィ関係に拡張すると(2)式の関係となる。
【数2】
JP0003072364B2_000007t.gif【0017】次にウェイトWの算出の手順を述べる。

【0018】
(I)曲面上に置かれた素子アンテナの位置を、曲面を投影した開口面に与える。次に投影された素子アンテナ位置にテーラーパターンを実現するためのテーラー分布による振幅を与える。さらに、アレイファクターを合成するための位相中心曲面体内に定義した基準に設定する。次に各素子アンテナ間の位相を行路差として考慮し、各素子の振幅は素子アンテナ位置のテーラー分布を与えてアレイパターンの合成を行う。これによって作られたアレイのパターンを本実施の形態では複素疑似テーラーパターンと称する。また、その絶対値をとったものを疑似テーラーパターンと称する。

【0019】
(II)図1に示す観測方向の角度上で疑似テーラーパターンの零点n及びサイドローブピーク点Pを拘束方向の角度として設定する。

【0020】
(III)これから改善されるべき従来の手法で求めたウェイトを用いて初期パターンを形成し、及びPにおけるの観測方向の角度上でそのレベルを求める。

【0021】
(IV)n及びPの角度におけるテーラーパターンのレベルと初期パターンとのレベル差をi番の拘束点におけるファジィ制約条件の不等号を意味するメンバーシップ関数のパラメータ(b,d)とする。ここで、図3に示すとおり、bはあいまい区間の上限値を、dはファジィ制約におけるあいまい区間を示す。

【0022】
(V)疑似テーラーパターンのn及びPの角度における疑似テーラーパターン上の偏角φを求める。ここでφは図4に示すとおり疑似テーラーパターンにおけるi番目の拘束応答ベクトルFの偏角を示す。

【0023】
(VI)図4の拘束行列C、ウェイトW及び拘束応答値|F|の関係を(1)式を用いて展開し次式のように極座標表示に変換する。

【0024】
(VII)(3)式をファジィ線形計画問題に拡張すると拘束条件は次式のようになる。
【数4】
JP0003072364B2_000008t.gif【0025】(VIII)図3において、ファジィ線形計画問題を等価変換式を用いて非ファジィ線形計画問題に直し、通常のシンプレックス法を用いて解くものとする。

【0026】
(IX)線形計画問題の実行可能解の中から、各拘束条件の満足度の最小値を最大にするように素子アンテナに加わるウェイトを制御することによって最大化決定λ(拘束条件全体の満足度)及びその時のウェイトWを求めアンテナパターンを合成する。

【0027】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。

【0028】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る曲面アレイのアンテナパターン合成法によれば、従来の曲面状アレイのレーダ装置等のアンテナパターン合成法にファジィ線形計画法を導入することによって、より単純かつ容易に位相振幅制御を行うことができ、多目的ビームを合成することが可能となる。また、高速性を要求されるレーダ信号処理の中で、記憶容量及び処理ソフトの簡略化を図ることができるようになる。また、合成された多目的ビームは従来の方式で得られたアンテナパターンに比較して、不要波の除去という観点から未知の情報が多い実環境下において、実用的なアンテナパターンを提供することができる。さらに、本発明はファジィ理論によるアルゴリズムを使用しているため、ファジィ論理回路によるファームウェア化を図ることにより、並列処理による超高速信号処理が可能となり、レーダ信号等の信号処理のリアルタイム性が向上するという効果が生ずることが期待される。
図面
【図1】
0
【図3】
1
【図2】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7