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明細書 :熱型赤外線センサ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3215864号 (P3215864)
公開番号 特開平10-267752 (P1998-267752A)
登録日 平成13年8月3日(2001.8.3)
発行日 平成13年10月9日(2001.10.9)
公開日 平成10年10月9日(1998.10.9)
発明の名称または考案の名称 熱型赤外線センサ
国際特許分類 G01J  1/02      
G01J  5/12      
G01J  5/14      
G01J  5/24      
G01J  5/48      
FI G01J 1/02 B
G01J 1/02
G01J 5/12
G01J 5/14
G01J 5/24
G01J 5/48
請求項の数または発明の数 2
全頁数 8
出願番号 特願平09-091653 (P1997-091653)
出願日 平成9年3月26日(1997.3.26)
審査請求日 平成9年3月26日(1997.3.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
発明者または考案者 【氏名】菅野 俊雄
個別代理人の代理人 【識別番号】100079290、【弁理士】、【氏名又は名称】村井 隆
審査官 【審査官】樋口 宗彦
参考文献・文献 特開 平8-105794(JP,A)
特開 平4-333292(JP,A)
調査した分野 G01J 1/00 - 1/46
G01J 5/00 - 5/62
特許請求の範囲 【請求項1】
基板の主面に二次元的に配列された複数のサーモパイルと、それぞれのサーモパイルに対応して前記基板に設けられたバイポーラトランジスタと、それぞれのバイポーラトランジスタに対応して前記基板に設けられたMOS型トランジスタと、それぞれのMOS型トランジスタに対応して前記基板に設けられた電荷蓄積部と、それぞれの電荷蓄積部に対応して前記基板に設けられた電荷読み出し部とを備えた熱型赤外線センサであって、
前記バイポーラトランジスタのエミッタが前記サーモパイルの一端に接続され、前記バイポーラトランジスタのベースが第1の電圧源に接続され、前記バイポーラトランジスタのコレクタが前記MOS型トランジスタのソースに接続され、前記MOS型トランジスタのドレインが前記電荷蓄積部に接続され、前記第1の電圧源により前記バイポーラトランジスタのコレクタ接合が逆バイアスされていることを特徴とする熱型赤外線センサ。

【請求項2】
基板の主面に二次元的に配列された複数のボロメータと、それぞれのボロメータに直列に接続され、かつ前記基板に設けられた抵抗と、それぞれのボロメータに対応してその後段に接続され、かつ前記基板に設けられたバイポーラトランジスタと、それぞれのバイポーラトランジスタに対応して前記基板に設けられたMOS型トランジスタと、それぞれのMOS型トランジスタに対応して前記基板に設けられた電荷蓄積部と、それぞれの電荷蓄積部に対応して前記基板に設けられた電荷読み出し部とを備えた熱型赤外線センサであって、
前記バイポーラトランジスタのエミッタが前記ボロメータの一端に接続され、前記バイポーラトランジスタのベースが第1の電圧源に接続され、前記バイポーラトランジスタのコレクタが前記MOS型トランジスタのソースに接続され、前記MOS型トランジスタのドレインが前記電荷蓄積部に接続され、前記第1の電圧源により前記バイポーラトランジスタのコレクタ接合が逆バイアスされていることを特徴とする熱型赤外線センサ。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、サーモパイル又はボロメータを二次元的に配列した熱型赤外線センサに関する。

【0002】

【従来の技術】熱型赤外線センサには、サーモパイル型とボロメータ型がある。

【0003】
従来、受光素子を二次元に配列したサーモパイル型赤外線センサは、図3に示すようにサーモパイル1(熱電対を複数個組み合わせたもの)を弱反転状態で動作させたMOS型トランジスタ2のゲートに直接接続して信号を読み出している。ここでは、一つの画素はサーモパイル1、MOS型トランジスタ2、電荷蓄積部3とで構成されており、サーモパイルの一端4はMOS型トランジスタ2のゲートに接続されており、サーモパイルの他端5は第2の電圧源6に接続されている。また、MOS型トランジスタ2のソースは第3の電圧源7に接続され、ドレインは電荷蓄積部3と電荷読み出し部8の構成要素の一つであるトランスファゲート9に接続されている。

【0004】
図4は画素を2次元に配列し、かつ電荷読み出し部8の構成内容を示した赤外線センサ全体の構成図である。図において、電荷蓄積部3の一端は各画素に対応して配置してあるトランスファゲート9に接続されており、トランスファゲート9に対応して垂直CCD10が設けられている。垂直CCD10の転送方向の端部には水平CCD11が設けられており、水平CCD11の転送方向の端部には出力部12が形成されている。トランスファゲート9、垂直CCD10、水平CCD11、出力部12とで電荷読み出し部8が構成されている。なお、サーモパイル1、MOS型トランジスタ2、電荷蓄積部3とで構成されている各画素及び電荷読み出し部8は同一のシリコン基板(半導体基板)に形成されている。

【0005】
この赤外線センサの動作について図3及び図4を用いて説明する。図3において、入射赤外線量に応じてサーモパイル1の接点部の温度が上昇し、それによってサーモパイル1に起電圧を生ずる。この起電圧は、第2の電圧源6に相加されてMOS型トランジスタ2のゲートに印加されて、ドレイン電流を変化させる。このドレイン電流は、電荷蓄積部3に一定時間蓄積される。蓄積時間が終了するとトランスファゲート9をオン状態にし、蓄積された電荷は電荷蓄積部3からCCD型といわれる走査回路を用いた電荷読み出し部8へ転送される。図4に示すように、電荷読み出し部8ではトランスファゲート9をオン状態にすると信号電荷は垂直CCD10に移されると同時に、電荷蓄積部3の電位はトランスファゲート9のチャネル電位にリセットされる。その後、トランスファゲート9をオフ状態にして、次の蓄積が開始する。蓄積期間において、垂直CCD10と水平CCD11との働きによって、垂直CCD10に移された信号電荷は順次出力部12に転送され、信号は外部に取り出される。電荷読み出し部8はトランスファゲート9、垂直CCD10、水平CCD11、出力部12とで構成されている。

【0006】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術のように、サーモパイルの起電圧を直接MOS型トランジスタのゲートに接続した場合、電荷蓄積部に流入する電流はMOS型トランジスタを動作させるために印加するバイアス電圧による部分が大きく、サーモパイルの起電圧による信号電流の割合が少ないという問題点があった。そのため、信号の出力電圧が低く電荷の蓄積容量で決まるショット雑音が相対的に高くなり高感度が得られなかった。また、外部からの誘導雑音を拾い易く、感度を劣化させる欠点があった。

【0007】
さらに、従来の方法では、MOS型トランジスタのしきい値電圧のばらつきの影響を受け易く、同一の強さの赤外線入射に対する各画素の出力電圧にでこぼこが生じて、固定パターン雑音が大きかった。このため、赤外線の画像を得る場合、非常に画質を劣化させるという問題点があった。

【0008】
以上、サーモパイル型赤外線センサについて述べたが、ボロメータ型赤外線センサについても状況は同様である。

【0009】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、信号の出力電圧を高くし、かつMOS型トランジスタのしきい値電圧のばらつきによる影響を少なくして、高感度でかつ良好な画質の熱型赤外線センサを提供することを目的とする。

【0010】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。

【0011】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係る第1の熱型赤外線センサは、基板の主面に二次元的に配列された複数のサーモパイルと、それぞれのサーモパイルに対応して前記基板に設けられたイポーラトランジスタと、それぞれのバイポーラトランジスタに対応して前記基板に設けられたMOS型トランジスタと、それぞれのMOS型トランジスタに対応して前記基板に設けられた電荷蓄積部と、それぞれの電荷蓄積部に対応して前記基板に設けられた電荷読み出し部とを備えた熱型赤外線センサであって、前記バイポーラトランジスタのエミッタが前記サーモパイルの一端に接続され、前記バイポーラトランジスタのベースが第1の電圧源に接続され、前記バイポーラトランジスタのコレクタが前記MOS型トランジスタのソースに接続され、前記MOS型トランジスタのドレインが前記電荷蓄積部に接続され、前記第1の電圧源により前記バイポーラトランジスタのコレクタ接合が逆バイアスされていることを特徴としている。

【0012】
本発明に係る第2の熱型赤外線センサは、基板の主面に二次元的に配列された複数のボロメータと、それぞれのボロメータに直列に接続され、かつ前記基板に設けられた抵抗と、それぞれのボロメータに対応してその後段に接続され、かつ前記基板に設けられたイポーラトランジスタと、それぞれのバイポーラトランジスタに対応して前記基板に設けられたMOS型トランジスタと、それぞれのMOS型トランジスタに対応して前記基板に設けられた電荷蓄積部と、それぞれの電荷蓄積部に対応して前記基板に設けられた電荷読み出し部とを備えた熱型赤外線センサであって、前記バイポーラトランジスタのエミッタが前記ボロメータの一端に接続され、前記バイポーラトランジスタのベースが第1の電圧源に接続され、前記バイポーラトランジスタのコレクタが前記MOS型トランジスタのソースに接続され、前記MOS型トランジスタのドレインが前記電荷蓄積部に接続され、前記第1の電圧源により前記バイポーラトランジスタのコレクタ接合が逆バイアスされていることを特徴としている。

【0013】


【0014】


【0015】

【作用】本発明で、信号の出力電圧が高くなること及びMOS型トランジスタのしきい値電圧のばらつきによる出力電圧のばらつきを低減できることについて、図5を用いて詳細に説明する。

【0016】
図5において、一つの画素はサーモパイル13、バイポーラトランジスタ14、MOS型トランジスタ15、電荷蓄積部16とで構成されている。説明上ここで用いるバイポーラトランジスタ14はPNP型とする。画素の各構成要素は次のように接続する。すなわち、サーモパイルの一端17はバイポーラトランジスタ14のエミッタ領域18に接続し、サーモパイルの他端19は第2の電圧源20に接続する。第2の電圧源20は、バイポーラトランジスタ14のエミッタ接合21に対して、順方向バイアスになるように印加する。バイポーラトランジスタ14のベース領域22は第1の電圧源23に接続する。第1の電圧源23は、コレクタ接合24に対して逆方向バイアスになるように印加する。コレクタ領域25はMOS型トランジスタ15のソースに接続する。MOS型トランジスタ15のドレインは電荷蓄積部16と電荷読み出し部26に接続し、ゲートは第3の電圧源27に接続する。

【0017】
赤外線センサにおける信号の出力電圧は、制限された蓄積電荷量のうちサーモパイルの起電圧である信号電圧による部分が多いほど高くなる。電荷蓄積部16に蓄積される電荷はほとんどがエミッタ電流IEによるものであり、IEは第2の電圧源20による電流分と信号電圧による電流分との和である。本発明に用いるバイポーラトランジスタ14におけるエミッタ接合21の逆方向飽和電流I01は10-8アンペア以上と比較的大きめに製作する。このようにすると、動作時におけるエミッタ接合21の微分抵抗が低くなり、同じ信号電圧に対する信号電流は多くなる。なお、第2の電圧源20による電流は電圧を調節することにより適切な量に調整できる。なお、バイポーラトランジスタ14のベース電流IBはエミッタ電流IEに相加されて電荷蓄積部16へ流入するので、IEによる蓄積電荷量を多くするためIBは小さくする必要がある。そのために、IBの大きさを決めるコレクタ接合24の逆方向飽和電流I02を小さくしておく必要があり、実用的には10-9アンペア以下が適切である。

【0018】
本発明はI01-IB>0、したがっておおよそI01>I02であれば、従来の方式に比べて電荷蓄積部16に蓄積される信号電荷量が多くなり、信号の出力電圧が高くなる。このような条件は、バイポーラトランジスタ14の各領域の不純物ドープ量とか接合の面積を調節すること及びSi上のGe接合のようなヘテロ接合を利用すること等により実現できる。

【0019】
次にMOS型トランジスタ15のしきい値電圧のばらつきによる出力信号のばらつきを低減できることについて説明する。図5において、バイポーラトランジスタ14のコレクタ接合24が逆方向飽和電流領域になるように第2の電圧源23及び第3の電圧源27を調節しておく。このような状態では、バイポーラトランジスタ14のベース電流IBは、ベース-コレクタ間の電圧が変化してもほとんど変わらない。MOS型トランジスタ15のしきい値電圧のばらつきは、バイポーラトランジスタ14のベース-コレクタ間の印加電圧に影響を及ぼすが、上述の理由によりベース電流IBしたがって電荷蓄積部16の蓄積電荷量はMOS型トランジスタ15のしきい値電圧のばらつきにはほとんど影響を受けない。

【0020】
なお、図5はPNP型のバイポーラトランジスタを用いた場合について説明したが、NPN型のバイポーラトランジスタを用いても状況は同様である。

【0021】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る熱型赤外線センサの実施の形態を図面に従って説明する。

【0022】
図1及び図2はこの発明の第1の実施の形態である。図1はこの熱型赤外線センサにおける一つの画素の構成要素を示しており、図2は2次元に配列された画素と各画素の信号を読み出す電荷読み出し部とを示した熱型赤外線センサ全体の構成図である。図1において、図5と同一記号で示したものは同一構成要素を示す。また、電荷読み出し部には二つの種類があり、CCD型といわれる走査回路を用いた第1の電荷読み出し部とMOS型といわれる走査回路を用いた第2の電荷読み出し部とがある。本発明における画素の構成要素は図1に示すように、サーモパイル13、バイポーラトランジスタ14、MOS型トランジスタ15、電荷蓄積部16とで構成されており次のように接続する。すなわち、サーモパイルの一端17はバイポーラトランジスタ14のエミッタに接続し、サーモパイルの他端19は第2の電圧源20に接続する。第2の電圧源20は、バイポーラトランジスタ14のエミッタ接合に対して順方向バイアスになるように印加する。バイポーラトランジスタ14のベースは第1の電圧源23に接続する。第1の電圧源23はコレクタ接合に対して逆方向バイアスになるように印加する。コレクタはMOS型トランジスタ15のソースに接続する。第1の電圧源23または第2の電圧源20は接地することも可能である。MOS型トランジスタ15のゲートは第3の電圧源27に接続し、ドレインは電荷蓄積部16と第1の電荷読み出し部29の構成要素の一つであるトランスファーゲート28のソースに接続する。第1の電圧源23、第2の電圧源20、第3の電圧源27はいずれも各画素に共通接続する。また、電荷蓄積部16としてはMOS型容量や接合容量やダイナミックRAMで用いられているスタック容量を用いる。

【0023】
図2は画素を2次元に配列し、かつCCD型といわれる第1の電荷読み出し部29の構成内容を示した熱型赤外線センサ全体の構成図である。図において、電荷蓄積部16の一端は各画素に対応して配置してあるトランスファーゲート28のソースに接続されており、トランスファーゲート28に対応して埋め込み型の垂直CCD30が設けられている。垂直CCD30のチャネルはトランスファーゲート28のドレインを兼ねている。垂直CCD30の転送方向の端部には水平CCD31を設ける。さらに、水平CCD31の転送方向の端部には浮遊拡散層型の出力部32を形成する。トランスファーゲート28、垂直CCD30、水平CCD31、出力部32とで第1の電荷読み出し部29が構成されている。

【0024】
この熱型赤外線センサでは、サーモパイル13、バイポーラトランジスタ14、MOS型トランジスタ15、電荷蓄積部16とで構成されている各画素及び第1の電荷読み出し部29は同一のシリコン基板(半導体基板)に形成されている。

【0025】
この熱型赤外線センサの動作について図1及び図2を用いて詳細に説明する。図1において、入射赤外線量に応じてサーモパイル13の接点部の温度が上昇し、それによって、サーモパイル13に起電圧が生ずる。この起電圧は第2の電圧源20に相加されて、バイポーラトランジスタ14のエミッタ電流を変化させる。このエミッタ電流とベース電流IBとの和がバイポーラトランジスタ14のコレクタ電流IAとなり、オン状態のMOS型トランジスタ15を経て電荷蓄積部16に流入する。この電流が蓄積期間の間電荷蓄積部16に蓄積されて信号電荷となる。なお、この際MOS型トランジスタ15は第3の電圧源27の電圧を調節することにより電荷蓄積部16に流入する電流のオン-オフに用いるが、場合によっては電流量の調節にも用いる。蓄積期間が終了すると、MOS型トランジスタ15をオフ状態にすると共にトランスファーゲート28をオン状態にして、蓄積された信号電荷は電荷蓄積部16から第1の電荷読み出し部29へ転送される。図2に示すように、トランスファーゲート28をオン状態にすると信号電荷は垂直CCD30に移されると同時に、電荷蓄積部16の電位はトランスファーゲート28のチャネル電位にリセットされる。その後、トランスファーゲート28をオフ状態にして、次の蓄積が開始する。蓄積期間において、垂直CCD30と水平CCD31との働きによって、垂直CCD30に移された信号電荷は順次出力部32に転送され、信号は外部に取り出される。

【0026】
図6及び図7はこの発明の第2の実施の形態の説明図である。図1と同一記号で示したものは同一構成要素を示す。この実施の形態では、図6に示すように、画素は図1に示した第1の実施の形態と同様にサーモパイル13、バイポーラトランジスタ14、MOS型トランジスタ15、電荷蓄積部16とで構成されており、電荷読み出しにはMOS型といわれる第2の電荷読み出し部33を用いた熱型赤外線センサである。第1の実施の形態に示した熱型赤外線センサとの違いは電荷蓄積部16に蓄積された信号電荷の読み出し方にあるので、それを説明する。図7において、電荷蓄積部16に対応して垂直スイッチ34が形成されている。垂直スイッチ34はMOS型トランジスタで形成されている。ソースは電荷蓄積部16に接続され、ゲートは水平期間遅延したパルスを発生する垂直シフトレジスタ35のタップに1行毎に共通接続されている。また、垂直スイッチ34のドレインは1列毎に垂直信号線36に共通接続されている。垂直信号線36に対応して水平スイッチ37が形成されている。水平スイッチ37はMOS型トランジスタであり、そのソースは垂直信号線36に接続され、ゲートは水平シフトレジスタ38の各タップに接続されている。ドレインは出力ライン39に共通接続されている。この実施の形態では、垂直スイッチ34、垂直シフトレジスタ35、垂直信号線36、水平スイッチ37、水平シフトレジスタ38、出力ライン39とで第2の電荷読み出し部33を構成している。

【0027】
サーモパイル13、バイポーラトランジスタ14、MOS型トランジスタ15、電荷蓄積部16とで構成されている各画素及び第2の電荷読み出し部33は同一のシリコン基板(半導体基板)に形成されている。

【0028】
この熱型赤外線センサにおける画素の動作は第1の実施の形態と同様であり、違いは電荷蓄積部16に蓄積された電荷の読み出し方法にあるので、それを説明する。図7において、電荷蓄積部16に蓄積された信号電荷は、垂直シフトレジスタ35のあるタップがオン状態になるとこのタップに接続された行の垂直スイッチ34が導通状態となり信号電荷はそれぞれ対応する垂直信号線36に読み出される。この信号電荷は、水平シフトレジスタ38からの各タップ出力により水平スイッチ37を介して順次出力ライン39へ読み出される。このように垂直シフトレジスタ35のあるタップに対応する電荷蓄積部16の信号がすべて読み出されたら、垂直シフトレジスタ35は1行進んで次のタップがオン状態となり、同時にそのタップに対応する行の電荷蓄積部16の信号電荷が対応する垂直信号線36に読み出される。以下同様な動作を繰り返すことにより、電荷蓄積部16に蓄えられた信号電荷を1行毎に読み出すことができる。信号電荷が垂直信号線36に転送され、電位がリセットされた電荷蓄積部16では垂直スイッチ34がオフ状態になった後から次の蓄積期間が開始される。

【0029】
この熱型赤外線センサでは、各画素の動作等は第1の実施の形態と同様であり、かつ信号読み出し部も同様な機能をもつので、信号の出力電圧の大きさ及びMOS型トランジスタ15のしきい値電圧のばらつきの影響に対する効果は、第1の実施の形態の場合と同様である。

【0030】
図8はこの発明の第3の実施の形態である。図1と同一記号で示したものは同一構成要素を示す。この実施の形態における熱型赤外線センサの一つの画素は、バイポーラトランジスタ14、MOS型トランジスタ15、電荷蓄積部16、ボロメータ40、抵抗41で構成され、これらの各画素が2次元に配列されている。そして、各画素の信号読み出しには第1の実施の形態に示した第1の電荷読み出し部29を用いた赤外線センサである。第1の実施の形態に示した赤外線センサとの違いは、画素の構成要素とその動作にあるので、それについて説明する。画素の各構成要素は図8に示すように、ボロメータの一端42はバイポーラトランジスタ14のエミッタに接続し、ボロメータの他端43は第4の電圧源44に接続する。第4の電圧源は、バイポーラトランジスタ14のエミッタ接合に対して順方向バイアスになるように印加する。また、ボロメータの一端42にはほぼボロメータ40に等しい抵抗値をもつ抵抗41を接続し、この抵抗の他端は第5の電圧源45に接続する。バイポーラトランジスタ14のベースは第1の電圧源23に接続する。第1の電圧源は、バイポーラトランジスタ14のコレクタ接合に対して逆方向バイアスになるように印加する。バイポーラトランジスタ14のコレクタはMOS型トランジスタ15のソースに接続し、MOS型トランジスタ15のドレインは電荷蓄積部16とトランスファゲート28のドレインに接続し、ゲートは第3の電圧源27に接続する。第1の電圧源23、第3の電圧源27、第4の電圧源44及び第5の電圧源45は各画素に共通接続する。また、電荷読み出しには、第1の実施の形態に示したCCD型の走査回路を用いた第1の電荷読み出し部29を用いる。

【0031】
この熱型赤外線センサでは、バイポーラトランジスタ14、MOS型トランジスタ15、電荷蓄積部16、ボロメータ40、抵抗41で構成されている各画素及び第1の電荷読み出し部29は同一のシリコン基板(半導体基板)に形成されている。

【0032】
この熱型赤外線センサは次のように動作する。入射赤外線量に応じてボロメータ40の温度が上昇し、それによって、ボロメータ40の抵抗値が変化する。この抵抗変化はボロメータ40及び抵抗41を流れる電流を変化させ、結局バイポーラトランジスタ14のエミッタの電位を変化させる。この電位変化は、第1の実施の形態におけるサーモパイル13の起電圧と同様に、バイポーラトランジスタ14に作用し、同様にMOS型トランジスタ15と電荷蓄積部16と第1の電荷読み出し部29とに作用する。したがって、信号の出力電圧の大きさ及びMOS型トランジスタ15のしきい値電圧のばらつきの影響に対する効果は、第1の実施の形態の場合と同様である。

【0033】
なお、この熱型赤外線センサでは、バイポーラトランジスタ14のベース電位をエミッタ電位よりわずかに低くなるように、第1の電圧源23及び第5の電圧源45を調節しておく。これにより、エミッタ電流の暗電流成分が少なくなるので、赤外線の入射に起因するエミッタ電位の上昇による信号電流成分が多くなり、より感度が高くなる。

【0034】
この実施の形態では、電荷の読み出しにCCD型の走査回路を用いた第1の電荷読み出し部29を用いたが、MOS型の走査回路を用いた第2の電荷読み出し部33を用いても同様な効果がある。

【0035】


【0036】
本発明は、サーモパイル等の赤外線受光素子を二次元に配列した場合について述べているが、1素子または一次元に配列した赤外線センサについても、信号読み出し部を変更することにより、二次元配列の場合と同様な効果がある。

【0037】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。

【0038】

【発明の効果】本発明による熱型赤外線センサは、従来の画素構成に新たにバイポーラトランジスタを加えることにより、従来の方法と比較して信号の出力電圧を100倍程度大きくすることができる。そのため、電荷の蓄積容量で決まるショット雑音を相対的に小さくすることができ、感度が高くなるという利点がある。また、外部からの誘導雑音に対して影響を少なくできる利点がある。

【0039】
さらに、従来の方法では、MOS型トランジスタのしきい値電圧のばらつきによる固定パターン雑音の発生が問題であったが、本発明によればこの影響を大幅に低減できる利点があり、良好な画質の画像を得ることができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図5】
3
【図4】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7