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明細書 :車 輌

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3039635号 (P3039635)
公開番号 特開平11-005448 (P1999-005448A)
登録日 平成12年3月3日(2000.3.3)
発行日 平成12年5月8日(2000.5.8)
公開日 平成11年1月12日(1999.1.12)
発明の名称または考案の名称 車 輌
国際特許分類 B60J  5/10      
B60J  7/08      
B62D 33/04      
FI B60J 5/10 A
B60J 7/08
B62D 33/04
請求項の数または発明の数 5
全頁数 7
出願番号 特願平09-160870 (P1997-160870)
出願日 平成9年6月18日(1997.6.18)
審査請求日 平成9年6月18日(1997.6.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
発明者または考案者 【氏名】神本 光伸
【氏名】岩崎 親裕
【氏名】鈴木 良昭
【氏名】石森 博樹
【氏名】矢頭 順一
個別代理人の代理人 【識別番号】100077816、【弁理士】、【氏名又は名称】春日 讓
審査官 【審査官】岡田 孝博
参考文献・文献 特開 平7-266893(JP,A)
特開 平7-117480(JP,A)
特開 平3-217325(JP,A)
実開 昭59-70822(JP,U)
調査した分野 B60J 5/10
B60J 5/04 - 5/06
B60J 7/08
B62D 33/04
特許請求の範囲 【請求項1】
上面及び両側面を備えた荷台壁面(1)と、この荷台壁面(1)の後方に設けられた第1の開口部(1B)と、前記荷台壁面(1)の上面に設けられた第2の開口(1A)と、前記第1の開口部(1B)及び前記第2の開口部(1A)をそれぞれ開閉するための第1の開閉扉(5,9B)及び第2の開閉扉(9A)と、前記荷台壁面(1)の下部に設けられたシャーシ(101)とを有する車輌において、
前記シャーシ(101)の後端下部に取り付け板(21)を介し取り付けられ、略水平方向に回動中心軸を持ち、前記第1の開閉扉(5,9B)の下端部を前記取り付け板(21)に回動可能に接続し、その回動によって前記第1の開口部(1B)を開閉させる第1の回動接続手段(2)と、
略水平方向に回動中心軸を持ち、前記第2の開閉扉(9A)の後端部を前記第1の開閉扉(5,9B)の上端部に回動可能に接続する第2の回動接続手段(7)とを有し、
かつ、
前記第1の開口部(1B)と前記第2の開口部(1A)とは1つの開口部として連続して形成されていることを特徴とする車輌。

【請求項2】
請求項1記載の車輌において、一端が前記第1の開閉扉(5,9B)の幅方向両端部でかつ上下方向中間に接続されるとともに他端が前記荷台壁面(1)の両側面の上部後端に接続され、該第1の開閉扉(5,9B)が前記第1の回動接続手段(2)を介して回動するのに連動して軸方向長さが変化する可変長支持部材(3)をさらに有することを特徴とする車輌。

【請求項3】
請求項2記載の車輌において、前記第1の開閉扉(5,9B)が略水平方向となったときにその回動動作をロックするロック手段(3d,3e)をさらに有することを特徴とする車輌。

【請求項4】
請求項1記載の車輌において、前記第1の回動接続手段(2)は、前記第1の開閉扉(5,9B)を閉じる方向に付勢力を作用させる第1のバネ手段(2c)を備えていることを特徴とする車輌。

【請求項5】
請求項1記載の車輌において、前記第2の回動接続手段(7)は、前記第2の開閉扉(9A)と前記第1の開閉扉(5,9B)とのなす角を大きくする方向に付勢力を作用させる第2のバネ手段を備えていることを特徴とする車輌。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、車輌に係わり、特に、開口部を形成可能な開閉扉を備えた車輌に関する。

【0002】

【従来の技術】従来、この種の車輌に関する公知技術としては、例えば以下のものがある。
特開平7-266893号公報
この公知技術は、荷台後面を開閉する扉として観音扉を設けるとともに、荷台上面を開閉する扉として連接蛇腹構造の扉を設けることにより、荷台上面からのクレーンによる荷物積み卸を容易にするものである。
特開平7-117480号公報
この公知技術は、荷台後面を開閉する扉として観音扉を設けるとともに、荷台上面を略上蓋形状とし、この上蓋の側方下端にヒンジを設け上蓋全体を回動させて荷台上面を開放することにより、上方・側方・後方から自由な荷物積み卸を可能とするものである。
特開平3-217325号公報
この公知技術は、荷台上面を開閉する扉として、車輌前後方向を回動中心として上方に回動可能な横断面略L字形状の扉を2つ設けることにより、クレーン等による荷物積み卸を安定かつ安全に行えるようにするものである。

【0003】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公知技術においては、それぞれ以下のような課題が存在する。公知技術においては、荷台上面の開口部と荷台後面の開口部とが連続して設けられていないため、大きな荷物を荷台後方かつ上方から積み込もうとする場合に不便である。また、荷台上面を開閉する扉が連接蛇腹構造であるため、扉を閉じた状態であっても剛性が小さく、車輌構造体としての強度が十分でない。一方、公知技術及びにおいては、開閉扉はすべて金属の板材で構成されており上記のような強度上の問題はない。しかしながら、公知技術においては、巨大な略上蓋形状を手動で持ち上げて開くのは極めて困難であり、また公知技術においては横断面略L字形状の扉をアクチュエータで開閉するようになっており、手動操作は考慮されていない。

【0004】
本発明の目的は、車輌上面から上面以外の面に連続している大きな開口部と、この大開口部を手動操作で容易に開放できる扉とを備え、かつ、閉扉時の強度を十分に確保できる車輌を提供することにある。

【0005】
上記目的を達成するために、本発明によれば、上面及び両側面を備えた荷台壁面と、この荷台壁面の後方に設けられた第1の開口部と、前記荷台壁面の上面に設けられた第2の開口部と、前記第1の開口部及び前記第2の開口部をそれぞれ開閉するための第1の開閉扉及び第2の開閉扉と、前記荷台壁面の下部に設けられたシャーシとを有する車輌において、前記シャーシの後端下部に取り付け板を介し取り付けられ、略水平方向に回動中心軸を持ち、前記第1の開閉扉の下端部を前記取り付け板に回動可能に接続し、その回動によって前記第1の開口部を開閉させる第1の回動接続手段と、略水平方向に回動中心軸を持ち、前記第2の開閉扉の後端部を前記第1の開閉扉の上端部に回動可能に接続する第2の回動接続手段とを有し、かつ、前記第1の開口部と前記第2の開口部とは1つの開口部として連続して形成されていることを特徴とする車輌が提供される。以上のように構成した本発明においては、後方に設けた第1の開口部と上面に設けた第2の開口部とが1つの開口部として連続して形成されていることにより、車輌上部から後部連続した大開口部を得ることができる。そして、第1の開閉扉と第2の開閉扉とは第2の回動接続手段を介して水平軸まわりに回動可能に接続されており、さらに第1の回動接続手段を介して、これら第1の開閉扉・第2の回動接続手段・第2の開閉扉の連接構造体が、シャーシ後端下部の取り付け板に対し水平軸まわりに回動可能に接続されている。ここで、これら第1の開閉扉及び第2の開閉扉で大開口部を塞いだ閉じ状態から大開口部を開放する開き状態に移行するときには、第1の回動接続手段を介し水平軸まわりに第1の開閉扉を回動させて開く必要がある。この場合、本発明においては、第1の開閉扉は第2の回動接続手段を介して第2の開閉扉と連接構造体となっていることにより、作業員が壁面の上に登り、第2の開口部を塞いでいる第2の開閉扉を水平かつやや上方に手動で押し出すようにすればよい。こうすることで、これら第2の開閉扉・第2の回動接続手段・第1の開閉扉の連接構造体が自重により第1の回動接続手段の水平軸まわりに回動し、第2の開閉扉が開くとともにこれに連接する第1の開閉扉も開き、第2の開口部及び第1の開口部を露出させ開放することができる。そしてこれら連接構造体をある程度回動させた後、第2の回動接続手段を介して第2の開閉扉を水平軸回りに回動させ、第2の開閉扉を第1の開閉扉の上に折り畳むことにより、第1の開口部の手前側を開放し、後方からの荷物搬入を容易にすることができる。

【0006】
好ましくは、前記車輌において、一端が前記第1の開閉扉に接続されるとともに他端が前記壁面に接続され、該第1の開閉扉が前記第1の回動接続手段を介して回動するのに連動して軸方向長さが変化する可変長支持部材をさらに有することを特徴とする車輌が提供される。

【0007】
さらに好ましくは、前記車輌において、前記第1の開閉扉が略水平方向となったときにその回動動作をロックするロック手段をさらに有することを特徴とする車輌が提供される。例えば、ロック手段で第1の開閉扉を略水平とすることにより、その後第2の開閉扉を回動させて略水平にすれば、この第2の開閉扉を荷物の積み卸のための作業台として利用することができる。これにより、別途作業台を用意しなくても、大型の開口部に近接して配置される作業台を実現することができ、良好な作業性を確保することができる。したがって、大型荷物の位置決め等、微調整作業が必要な場合において特に有効である。

【0008】


【0009】


【0010】
また好ましくは、前記車輌において、前記第1の回動接続手段は、前記第1の開閉扉を閉じる方向に付勢力を作用させる第1のバネ手段を備えていることを特徴とする車輌が提供される。これにより、第1の開閉扉を開くときに、第2の開閉扉・第2の回動接続手段・第1の開閉扉の連接構造体の自重により第1の開閉扉が急激に開こうとするのを緩和することができ、第1の開閉扉を閉じるときにはより少ない力で閉じることができる。したがって、第1の開閉扉の手動開閉をさらに軽快かつ安定的に行うことができる。

【0011】
また好ましくは、前記車輌において、前記第2の回動接続手段は、前記第2の開閉扉と前記第1の開閉扉とのなす角を大きくする方向に付勢力を作用させる第2のバネ手段を備えていることを特徴とする車輌が提供される。これにより、第2の開閉扉を折り畳むときに、自重により第2の開閉扉が急激に畳まれるのを緩和することができ、第2の開閉扉を伸ばすときには、より少ない力で伸ばすことができる。したがって、この第2の開閉扉の手動による折り畳み・伸ばし操作をさらに軽快かつ安定的に行うことができる。

【0012】


【0013】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態による車輌の全体構成を表す側面図である。この図1において、車輌100は、走行装置部分に相当するシャーシ101と、運転室102と、荷台103とによって構成されている。

【0014】
本実施形態の要部は、荷台103の構造にある。図2は、荷台103における上面扉9及び後面扉5(ともに後述)を開いた開き状態の側面図を示し、図3は、図2中A方向からみた裏面図を示し、図4は、後面扉9を折り畳んだ折り畳み状態(後述)の側面図を示している。なお、図1は、上面扉9及び後面扉5をともに閉じた閉じ状態となっており、図5に、荷台103を図1中B方向からみた後面図を示す。図1~図5において、荷台103は、上部開口部1A及び後部開口部1Bを備えた荷台壁面1と、前部9A及び後部9Bとの2分割連接構造(後述)であって、全体として上部開口部1Aを開閉可能な上面扉9と、上面扉9の前部9Aと後部9Bとを回動可能に接続する上部ヒンジ機構7と、上面扉9の後部9Bと直角に固定され、後部開口部1Bを開閉可能な後面扉5と、両端が上面扉9の前部9Aと後部9Bとのそれぞれに接続された折り畳み用折り曲げ支持部材6と、後面扉5が固定される後面補強材10と、両端が荷台壁面1の後端上部と後面補強材10とのそれぞれに接続された開閉用折り曲げ支持部材3と、シャーシ101の後端下部に取り付け板21を介し取り付けられた後部ヒンジ機構2とを備えている。

【0015】
後部ヒンジ機構2は、後面補強材10を介して後面扉5を水平中心軸まわりに回動可能に支持しており、図1の閉じ状態から後面扉5及び後面補強材10を手動で約90°回動させることにより図2の開き状態へ移行可能となっている。このときには、作業員がひとりで荷台壁面1上に登り、上面扉9を水平かつやや上方に手動で押し出すようにすればよい。こうすることで、これら上面扉9及び後面扉5が自重により後部ヒンジ機構2の水平軸まわりに回動し、上面扉9が開くとともに上面扉5も開き、図2のように上部開口部1A及び後部開口部1Bを露出させ開放することができる。すなわち、連設された上面扉9と後面扉5とを手動で一体的に回動させ上部開口部1Aから後部開口部1Bに連続した大型の開口部を確保できるようになっている。なお、逆の動作を行って上面扉9及び後面扉5を閉じる場合も、作業員の数を増やすことで手動操作可能である。また、例えばロープ等を用いることにより、ひとりの作業員で閉じられるようにしてもよい。このような後部ヒンジ機構2の詳細構造を表す断面図を図6に示す。この図6において、後部ヒンジ機構2は、後面補強材10に固定されたシリンダ部材2aと、シャーシ101の後端下部に固定され、シリンダ部材2aに対し周方向に回転摺動自在に接続されたシリンダ部材2bと、両端近傍がシリンダ部材2a,2bにそれぞれボルト固定されたねじりバネ(プレートバネ)2cとを備えている。このねじりバネ2cは、後面扉5を開閉するときに、後部ヒンジ機構2の中心軸まわりに後面補強材10・後面扉5・上面扉9の重さで加わる回転モーメントを緩和する方向(上方)にバネの付勢力を作用させるようになっている(図1及び図5参照)。すなわち、図6(a)が図1で説明した閉じ状態に相当し、ねじりバネ2cはねじられておらず、付勢力を作用させていない。そして図6(b)が図2で説明した開き状態に相当し、後面扉5及び後面補強材10が90°回動して開くことにより後面補強材10に固定されたシリンダ部材2aが手前に90°回動し、ねじりバネ2cの図示右側部分のみが手前にねじられる結果、もとに戻ろうとする付勢力がはたらく。これにより、後面扉5を開くときには、上面扉9及び後面扉5の自重で後面扉5が急激に開こうとするのを緩和することができ、後面扉5を閉じるときには、より少ない力で閉じることができる。これにより、後面扉5の手動開閉をさらに軽快かつ安定的に行うことができる。

【0016】
図1~図5に戻り、上部ヒンジ機構7は、上面扉9の前部9Aと後部9Bとを水平中心軸まわりに回動可能に接続しており、これによって、図2の開き状態から上面扉9の前部9Aを手動で約90°回動させて折り畳み、図4の折り畳み状態へ移行可能であり、またその逆へも移行可能となっている。すなわち、上述したように後部ヒンジ機構2を介して上面扉9及び後面扉5をある程度(例えば90°)回動させた後、上部ヒンジ機構7を介して上面扉9の前部9Aを水平軸回りに回動させ、後部9Aを後面扉5の上に折り畳むことにより、後部開口部1Bの手前側を開放し、後方(図4中右方)からの荷物搬入を容易にすることができる。また上部ヒンジ機構7は、後述する折り曲げ支持部材3,6の作用により、図4の折り畳み状態では略水平となり、折り畳まれた上部扉前部9Aの上面を荷物の積み卸のための作業台として用いることができるようになっている。これにより、別途作業台を用意しなくても、大型開口部1A,Bに連続配置される作業台を実現することができ、したがって、大型荷物の位置決め等、微調整作業が必要な場合において良好な作業性を確保することができる。このとき、上面扉前部9Aの上面を作業台として用いることにより、足に付着していた泥土等により荷台壁面1内部を汚す心配がない。なお、上部ヒンジ機構7も上記後部ヒンジ機構2と同様の構造であり、図3に示すように上面扉9の前部9Aに固定されたシリンダ部材7aと、上面扉9の後部9Bに固定され、シリンダ部材7aに対し周方向に回転摺動自在に接続されたシリンダ部材7bと、これらシリンダ部材7a,7bに両端近傍がそれぞれ固定されたねじりバネ(図示せず)とを備えている。そして、上面扉9の前部9Aを折り畳むときに前部9Aの重さで上部ヒンジ機構7の中心軸まわりに加わる回転モーメントを緩和する方向(上方)にバネの付勢力を作用させる。これにより、上面扉9の前部9Aを折り畳むときに、自重により前部9Aが急激に畳まれるのを緩和することができ、逆に前部9Aを伸ばすときには、より少ない力で伸ばすことができる。したがって、上面扉9の前部9Aの手動による折り畳み・伸ばし操作をさらに軽快かつ安定的に行えるようになっている。

【0017】
開閉用折り曲げ支持部材3は、後面扉5及び後面補強材10が回動するのに連動して軸方向長さが変化するようになっており、その詳細構造を表す側面図を図7(a)~(c)に示す。これらはそれぞれ、図7(a)が図1の閉じ状態に、また図7(c)が図2の開き状態に相当し、図7(b)が閉じ状態から開き状態に移行している中間状態に相当する。図7(a)~(c)において、開閉用折り曲げ支持部材3は、一端が上面扉9の前部9Aに回動可能に接続された上アーム部3aと、この上アーム部3aの他端にヒンジ3bを介して一端が接続されるとともに、他端が後面補強材10に回動可能に接続された下アーム部3cと、この下アーム部3cの一端側に固定されたロック用アーム部3dと、このロック用アーム部3dの先端に固定された略コの字形状の把持部3eとを備えている。上記構成の開閉用折り曲げ支持部材3において、図1で説明した閉じた閉じ状態においては、図7(a)に示すように、下アーム部3cが上アーム部3aに密着するように折り曲げられている。そして、図2で説明した開き状態に移行するときには、上面扉9及び後面扉5が開いていくのにしたがって図7(b)に示すように下アーム部3cがヒンジ3bを中心に回動し、これに伴ってロック用アーム部3dが上アーム部3aに向かって回動する。そして、上面扉9及び後面扉5が完全に開いて図2の開き状態になると、下アーム部3cはさらに回動して上アーム部3aと一直線になり、後面扉5を略水平にする。このとき、ロック用アーム部3d先端の把持部3eが略コの字形状内に上アーム部3aを把持することで、後面扉5及び後面補強材10の後部ヒンジ機構2まわりの回動をロックし、後面扉5の略水平状態を維持する。これにより、前述したような上面扉9の前部9Aの上面を作業台として使用するのを容易にしている。なお、開き状態(図2)から折り畳み状態(図4)に移行すると、上面扉9の前部9Aを折り畳むことで後部ヒンジ機構2の中心軸まわりの回転モーメントが減少する。これにより、上記したねじりバネ2cの付勢力がこの回転モーメントに打ち勝ち、後面扉5及び後面補強材10を持ち上げようとする可能性があるが、このときはこの開閉用折り曲げ支持部材3がこれを防止するように機能する。

【0018】
図1~図5に戻り、折り畳み用折り曲げ支持部材6は、上記した開閉用折り曲げ支持部材3とほぼ同様の構造であり、上面扉9の前部9Aが上部ヒンジ機構7まわりに回動するのに連動し軸方向長さが変化するようになっている。すなわち、前述した閉じ状態及び開き状態(図1及び図2)では伸ばされた状態にあり、上面扉9の前部9Aと後部扉9との間の角度を直角にし、その状態でロックすることができる。これにより、閉じ状態(図1)から開き状態(図2)への移行又はその逆の移行が、上面扉9と後面扉5とを一体としたまま一動作で容易に可能となっている。また、折り畳み状態(図4)ではストッパー20に当接し、これによって上面扉9の前部9Aと後部扉9との間を略平行に維持する。すなわち前部9Aを略水平状態に維持する。なおこのとき、上面扉9の前部9Aの高さ位置は、上部ヒンジ機構7及び後部ヒンジ機構2の取付け位置を変えることにより適宜調整可能であり、作業台として適切な高さ位置となるようにあらかじめ構成されている。

【0019】
なお、以上説明した構成において、後部開口部1B及び上部開口部1Aがそれぞれ第1の開口部及び第2の開口部に相当し、後面扉5及び上面扉9の後部9Bが第1の開閉扉に相当し、上面扉9の前部9Aが第2の開閉扉に相当する。また、後部ヒンジ機構2及び上部ヒンジ機構7が、それぞれ第1の回動接続手段及び第2の回動接続手段を構成し、開閉用折り曲げ支持部材3が可変長支持部材を構成し、そのうちロック用アーム部3d及び把持部3eがロック手段を構成する。さらに、ねじりバネ2cが第1のバネ手段を構成する。

【0020】
以上説明したように、本実施形態によれば、車輌上部から後部に連続した大開口部1A,1Bを得ることができる。また、作業員が荷台壁面1の上に登り、上面扉9を水平かつやや上方に手動で押し出すようにすることで、上面扉9と後面扉5とを手動で一体的に回動させ、大開口部1A,1Bを手動操作で容易に開放することができる。そしてこのとき、後部・上部ヒンジ機構2,7で上面扉9の前部9A、後部9B、及び後面扉5を回動可能に支持する構成であることにより、扉が連接蛇腹構造である従来構造と異なり、閉扉時の強度を確保することができる。

【0021】
なお、上記実施形態においては、荷台壁面1の上部及び後部にそれぞれ上部開口部1A及び後部開口部1Bを設け、それぞれを上面扉9及び後面扉5で開閉したが、これに限られない。すなわち、後部開口部1Bの代わりに荷台壁面1の側面に開口部を形成するとともに、これを開閉する側面扉を取り付け、この側面扉と上面扉9とを一体的に開閉してもよい。この場合も、同様の効果を得る。また、上記実施形態においては、後部ヒンジ機構2は後面補強材10を介し、間接的に後面扉5を回動可能に支持していたが、これに限られず、直接支持してもよい。この場合も、同様の効果を得る。

【0022】
さらに、上記実施形態においては、車輌100としてトラックを例にとり、荷台103に開口部1A,1Bを形成した場合を説明したが、これに限られない。すなわち、ワゴン車やワンボックスカー等、積載の便宜を図るために開口部を設ける他の車輌にも適用でき、これらの場合にも同様の効果を得る。

【0023】

【発明の効果】本発明によれば、車輌上部から後部に連続した大開口部を得ることができる。また、作業員が壁面の上に登り、第2の開口部を塞いでいる第2の開閉扉を水平かつやや上方に手動で押し出すようにすることで、この大開口部を手動操作で容易に開放することができる。そしてこのとき、第1及び第2の回動接続手段で第1及び第2の開閉扉を回動可能に支持する構成であることにより、扉が連接蛇腹構造である従来構造と異なり、閉扉時の強度を確保することができる。
図面
【図3】
0
【図1】
1
【図2】
2
【図4】
3
【図6】
4
【図5】
5
【図7】
6