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明細書 :光伝送装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3175120号 (P3175120)
公開番号 特開平10-341205 (P1998-341205A)
登録日 平成13年4月6日(2001.4.6)
発行日 平成13年6月11日(2001.6.11)
公開日 平成10年12月22日(1998.12.22)
発明の名称または考案の名称 光伝送装置
国際特許分類 H04B 10/14      
G02B  6/00      
H04B 10/12      
H04B 10/13      
H04B 10/135     
FI H04B 9/00 Q
G02B 6/00
請求項の数または発明の数 1
全頁数 5
出願番号 特願平09-163306 (P1997-163306)
出願日 平成9年6月5日(1997.6.5)
審査請求日 平成9年6月5日(1997.6.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
発明者または考案者 【氏名】新井 裕
【氏名】伊奈 伸一郎
【氏名】中田 聡
【氏名】石川 主典
【氏名】須藤 直樹
個別代理人の代理人 【識別番号】100064296、【弁理士】、【氏名又は名称】高 雄次郎
審査官 【審査官】望月 章俊
参考文献・文献 特開 昭58-90842(JP,A)
特開 昭59-92639(JP,A)
特開 平7-231298(JP,A)
特開 平8-51402(JP,A)
特開 平5-136745(JP,A)
調査した分野 H04B 10/00 - 10/28
H04J 14/00 - 14/08
G02B 6/00 311
特許請求の範囲 【請求項1】
光データ・バスを利用する多数の機器間の光信号を伝送するメイン・バス上に、各利用機器に対応して非対称型光カプラを取り付け、この各非対称型光カプラと各利用機器に備えたEOトランシーバとに、スタブを設けてなるリニア型光データ・バスで下記の式(1)のLINT およびLXFERがいずれかのカプラ間およびカプラにおいても一定とみなせるものに於いて、各利用機器の端末のEOトランシーバの光入力側,光出力側に連なるスタブに、夫々アッテネータを設けてなり、前記アッテネータは、端末をn個とし、メイン・バスの上流から数えた端末の番号をmとして、光出力側(バス入力側)スタブのアッテネータ(m-1)LA 、光入力側(バス出力側)スタブのアッテネータ(n-m)LA の損失LA が下記の式(1)の範囲となるものを選定したことを特徴とする光伝送装置。
O<LA ≦LINT +LXFER (1)
但し、LINT は隣り合う非対称型光カプラの間にある損失要素
XFERは非対称型光カプラ通過損失
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば飛行制御に利用し得るように多端末化を実現するためにリニア型光データ・バスを改良した光伝送装置に係る。

【0002】

【従来の技術】光ファイバを用いたデータ・バスには各種の形態がある。代表的なものとして、point-to-point(二点間を単純に結ぶ)形態、スター・カプラを用いた光データ・バス、リニア型光データ・バスなどがある。

【0003】
リニア型光データ・バスの構成を図2に示す。光データ・バスを利用する機器1間の光信号を伝送するメイン・バス2上に、各利用機器1に対応して非対称型光カプラ3が取り付けられている。図中EOトランシーバ4は、光/電気変換器で、メイン・バス2からの光信号を電気信号に変換する機能と、光データ・バス利用機器1からの電気信号を光信号に変換する機能とを有し、前記の非対称型光カプラ3との間にスタブ5a,5bが設けられている。

【0004】
前記の非対称型光カプラ3の構成を図3に示す。図中P1 ~P4 は光パワーで、メイン・バス2上を伝送されたP1 はそのままメイン・バス2を進んでいく(P2)と共に一部がスタブ5aを通って図2に示される光データ・バス利用機器1のEOトランシーバ4に分岐される(P4 )。また、図2に示されるEOトランシーバ4からの出力(P3 )はスタブ5bを通ってその大部分がメイン・バス2に進み、他の端末へ伝送されるようになっている。P3 の一部は、EOトランシーバ4へ戻ってくるが(ループバック)、これは送信機の故障検出用などに用いられる。

【0005】
上記のようにリニア型光データ・バスでは光信号の伝送方向が一方向であり、メイン・バス2の光信号を非対称型光カプラ3で各利用機器1に少しずつ分岐する方法で信号を伝える。このため多端末の光データ・バスでは、近くの端末に対しては大きな光パワー、遠くの端末に対しては小さな光パワーが伝えられ、どの端末からデータを受けるかによって受信する光の強さがまちまちになる。例えば図2の光データ・バスではn番の端末が1番の端末から受信する光パワーは、n-1番の端末が受信する光パワーに比べ非常に小さい。

【0006】
このようなことから、リニア型光データ・バスに使用するEOトランシーバ4は、以下のような3つの特性を同時に満足する必要がある。最小受光パワーが非常に小さいこと。受光部のダイナミック・レンジ(ディジタル・データを正しく受信することのできる最大受光パワーと同最小受光パワーの差)が非常に大きいこと。前述のループバックによって自端末に戻ってくる光パワーはかなり大きなもので、EOトランシーバ4の受光部はこれにも耐える必要があること。このようにEOトランシーバ4の受光部は、同時に満足すべき要求事項が多く設計が難しい。

【0007】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、光データ・バス上の端末間の伝送パワーを均一化し、且つループバックされる光パワーを抑制することができるようにリニア型光データ・バスを改善した光伝送装置を提供しようとするものである。

【0008】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明の光伝送装置は、光データ・バスを利用する多数の機器間の光信号を伝送するメイン・バス上に、各利用機器に対応して非対称型光カプラを取り付け、この各非対称型光カプラと各利用機器に備えたEOトランシーバとに、スタブを設けてなるリニア型光データ・バスで下記の式(1)のLINT およびLXFERがいずれかのカプラ間およびカプラにおいても一定とみなせるものに於いて、各利用機器の端末のEOトランシーバの光入力側,光出力側に連なるスタブに、夫々アッテネータ(減衰器)を設けてなり、前記アッテネータ(減衰器)は、端末をn個とし、メイン・バスの上流から数えた端末の番号をmとして、光出力側(バス入力側)スタブのアッテネータ(m-1)LA 、光入力側(バス出力側)スタブのアッテネータ(n-m)LA の損失LA が下記の式(1)の範囲となるものを選定したことを特徴とするものである。
O<LA ≦LINT +LXFER (1)
但し、LINT は隣り合う非対称型光カプラの間にある損失要素
XFERは非対称型光カプラ通過損失
【0009】上記のように構成された本発明の光伝送装置によれば、受動素子のみを用いて、距離の異なる(間に取り付けられている非対称型光カプラの数の異なる)端末からの受信パワーを均一化でき、且つループバックされる光パワーを抑制でき、これによりEOトランシーバに対しては受光部のダイナミック・レンジ及び耐ループバック・パワー能力の要求が緩和され、容易に多端末のリニア型光データ・バスが実現し、その実用化に貢献できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の光伝送装置の実施例について説明すると、図1に示すように光データ・バス利用機器1間の光信号を伝送するメイン・バス2上に、各利用機器1に対応して非対称型光カプラ3を取り付け、この各非対称型光カプラ3と各利用機器1に備えたEOトランシーバ4とに、スタブ5a,5bを設けてなるリニア型光データ・バスで後述する式(1)のLINT およびXFERがいずれかのカプラ3間およびカプラ3においても一定とみせるものに於いて、各利用機器1の端末のEOトランシーバ4の光入力側,光出力側に連なるスタブ5a,5bに、夫々アッテネータ(減衰器)6を設け、隣り合う非対称型光カプラ3間にてメイン・バス2上に夫々損失を補償するスプライス7を設ける。
【0011】前記アッテネータ(減衰器)の減衰量は、以下のように選定する。光データ・バスの端末をn個とし、メイン・バス2の上流の端末から順に1,2,…nと番号を付した場合、m番目の光出力側(バス入力側)のスタブ5bのアッテネータ6の減衰量は( m-1) LA とし、m番目の光入力側(バス出力側)のスタブ5aのアッテネータ6の減衰量は(n-m)LA として、下記の式(1)の範囲となるものを選定する。
O<LA ≦LINT +LXFER
但し、LINT は隣り合う非対称型光カプラ3の間にある損失要素、LXFERは非対称型光カプラ3の通過損失である。
【0012】光データ・バス端末間の損失量について説明すると、光データ・バス各要素の損失は次の通りである。
CON スタブ5とEOトランシーバ4を接続するコネクタ8の損失
INPUT 非対称型光カプラ3の入力損失
OUTPUT 非対称型光カプラ3の出力損失
LOOP 非対称型光カプラ3のループバック損失
XFER 非対称型光カプラ3の通過損失
INT 隣り合う非対称型光カプラ3の間にある損失要素
A 本発明でスタブ5a,5bのアッテネータ6の損失の単位量
上記の内、非対称型光カプラ3に関する損失は、以下のように定義する(図3参照)。
INPUT -10log10 (P2 /P3 )dB
OUTPUT -10log10 (P4 /P1 )dB
XFER -10log10 (P2 /P1 )dB
LOOP -10log10 (P4 /P3 )dB
前記LINT は、光データ・バスを実装するために必要となるファイバの接続点などで、図1ではスプライス7を示している。
【0013】さて、図2に示される従来の標準的な光データ・バスでは、光通信にかかわるパワー損失および伝送パワーは次のようになる。光データ・バス上のl番からm番の端末への送信(1≦l<m≦n、nは光データ・バス上の総端末数)。
パワー損失STD =2LCON +LINPUT +LOUTPUT
(m-l)(LINT +LXFER)-LXFER
伝送パワーSTD =光源パワー-パワー損失STD
ループバック損失STD =LLOOP
ループバックパワーSTD =光源パワー-ループバック損失STD
【0014】標準的な光データ・バスでは、ループバック損失は非対称型光カプラ3のループバック損失のみで決まり、それ以上ループバック・パワーを小さくすることはできない。また、端末間のパワー損失は、m-lに比例し、この値が大きいほど(離れた端末間ほど)伝送パワーが小さくなる。この光データ・バスに使用するEOトランシーバ4の受光部に必要なダイナミック・レンジは、光データ・バス上の伝送パワーの最大値と最小値の差である。
【0015】然るに本発明の光伝送装置に於ける光データ・バスでは、l番からm番の端末への光通信にかかわるパワー損失および伝送パワーは次のようになる。
パワー損失ATTN=パワー損失STD +(n-m+l-1)LA
伝送パワーATTN=光源パワー-パワー損失ATTN
ループバック損失ATTN=ループバック損失STD +(n-1)LA
ループバック・パワー=光源パワー-ループバック損失ATTN
【0016】この本発明における光データ・バスでは、パワー損失にLA に比例した項が加わる。この項はlとmが近いほど大きな値となり、近い端末からのパワーを減衰することによって、各端末から受け取るパワーの差が少なくなる。この光データ・バス上の端末間の最小伝送パワーは、l=1,m=nの場合で、標準的な光データ・バスの最小伝送パワーと等しく、伝送パワーがこの値よりも小さくなることはない。
【0017】A の値をLINT +LXFERに等しくすると、
パワー損失ATTN=2LCON +LINPUT +LOUTPUT
(n-1)(LINT +LXFER)-LXFER
となり、光データ・バス上の任意の二端末間で伝送されるパワーの大きさは端末の番号にかかわらず一定となる。このとき理想的にはEOトランシーバ4の受光部に必要なダイナミック・レンジは0dBとなる。ループバック損失については、どの端末でも一定であり、その値は(n-1)LA だけ従来の標準的な光データ・バスよりも大きく、ループバック損失が抑制されている。
【0018】因みに32の端末を持つ光データ・バスについての伝送パワー、ループバック損失等の計算例を以下に示す。
(1)アッテネータ6の無い従来の通常の光データ・バス
EOトランシーバ4の出力パワー 0.000dBm
非対称型光カプラ3の通過損失 0.500dB
非対称型光カプラ3の入力損失 5.000dB
非対称型光カプラ3の出力損失 15.000dB
非対称型光カプラ3のループバック損失 3.500dB
スプライス7の損失 0.300dB
コネクター8の損失 1.000dB
〔効果〕
伝送パワー最大のパス( 端末1~2) での伝送パワー -22.300dBm
伝送パワー最小のパス( 端末1~32) での伝送パワー -46.300dBm
必要なダイナミック・レンジ 24.000dB
ループバック損失 3.500dB
(2)損失LA =0.2dBのアッテネータ6の有る本発明に於ける光データ・バス。
各要素の損失は(1)項と同じ
〔結果〕
伝送パワー最大のパス( 端末1~2) での伝送パワー -28.300dBm
伝送パワー最小のパス( 端末1~32) での伝送パワー -46.300dBm
必要なダイナミック・レンジ 18.000dB
ループバック損失 9.700dB
(3)損失LA =0.4dBのアッテネータ6の有る本発明に於ける光データ・バス。
各要素の損失は(1)項と同じ
〔結果〕
伝送パワー最大のパス( 端末1~2) での伝送パワー -34.300dBm
伝送パワー最小のパス( 端末1~32) での伝送パワー -46.300dBm
必要なダイナミック・レンジ 12.000dB
ループバック損失 15.900dB
(4)損失LA =0.8dBのアッテネータ6の有る本発明に於ける光データ・バス。
各要素の損失は(1)項と同じ
〔結果〕
伝送パワー最大のパス( 端末1~2) での伝送パワー -46.300dBm
伝送パワー最小のパス( 端末1~2) での伝送パワー -46.300dBm
必要なダイナミック・レンジ 0.000dB
ループバック損失 28.300dB
【0019】上記の計算例で判るようにアッテネータ6の損失量LA の値を0.2dBから0.8dBへ増加させると、伝送される最大のパワーと最小のパワーの差が減少し、0.8dB(LA =LINT +LXFER)では、どの端末間で通信を行っても伝送されるパワーは同じである。LA の増加と共にループバック損失が大きくなり、ループバックされるパワーも抑制される。
【0020】
【発明の効果】以上の説明で判るように本発明の光伝送装置によれば、受動素子のみを用いて距離の異なる端末からの受信パワーを均一化でき、且つループバックされる光パワーを抑制できるので、EOトランシーバに対しては受光部のダイナミック・レンジ及び耐ループバック・パワー能力の要求が緩和され、容易に多端末のリニア型光データ・バスが実現し、その実用化に貢献できる。
図面
【図3】
0
【図1】
1
【図2】
2