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明細書 :ディジタル通信受信装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3273904号 (P3273904)
公開番号 特開平11-088450 (P1999-088450A)
登録日 平成14年2月1日(2002.2.1)
発行日 平成14年4月15日(2002.4.15)
公開日 平成11年3月30日(1999.3.30)
発明の名称または考案の名称 ディジタル通信受信装置
国際特許分類 H04L 27/06      
H04B  1/10      
FI H04L 27/06 Z
H04B 1/10
請求項の数または発明の数 9
全頁数 26
出願番号 特願平09-240870 (P1997-240870)
出願日 平成9年9月5日(1997.9.5)
審査請求日 平成10年3月25日(1998.3.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
発明者または考案者 【氏名】平 進太郎
【氏名】佐藤 史生
【氏名】青野 智之
【氏名】若山 栄夫
【氏名】田中 明紀
個別代理人の代理人 【識別番号】100102439、【弁理士】、【氏名又は名称】宮田 金雄 (外1名)
審査官 【審査官】彦田 克文
参考文献・文献 特開 平8-32635(JP,A)
特開 平5-218914(JP,A)
特開 平9-210758(JP,A)
特開 平4-122834(JP,A)
特開 平1-309508(JP,A)
特開 昭62-122410(JP,A)
特開 平8-163076(JP,A)
実開 昭62-186073(JP,U)
特表 昭60-500988(JP,A)
調査した分野 H04L 27/06
特許請求の範囲 【請求項1】
ディジタル無線変調された通信信号を受信アンテナで受信し、受信機の出力信号を復調器で復調するディジタル通信受信装置において、入力信号の包絡線を検出する包絡線検波手段と、前記包絡線から包絡線の振幅値が局所的に減衰した点と判断するための閾値を求めることにより変調速度を算出し、変調速度情報を前記復調器へ出力する変調速度推定手段とを備えたことを特徴とするディジタル通信受信装置。

【請求項2】
受信信号の包絡線を検出後に単純移動平均法を用いた雑音除去処理を行う雑音除去処理手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のディジタル通信受信装置。

【請求項3】
受信信号の包絡線を検出後に適応移動平均法を用いた雑音除去処理を行う雑音除去処理手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のディジタル通信受信装置。

【請求項4】
受信信号の包絡線検出前に単純移動平均法を用いた雑音除去処理を行う雑音除去処理手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のディジタル通信受信装置。

【請求項5】
受信信号の包絡線検出前にチェビシェフ関数を用いた周波数領域法による雑音除去処理を行うチェビシェフ多項式を用いた周波数領域処理手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のディジタル通信受信装置。

【請求項6】
受信信号の包絡線検出前にSINC関数を用いた周波数領域法による雑音除去処理を行うSINC関数を用いた周波数領域処理手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のディジタル通信受信装置。

【請求項7】
受信信号の包絡線検出前にバタワース多項式を用いた周波数領域法による雑音除去処理を行うバタワース多項式を用いた周波数領域処理手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のディジタル通信受信装置。

【請求項8】
受信信号の包絡線検出前に適応雑音除去手法による雑音除去処理を行う雑音除去処理手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のディジタル通信受信装置。

【請求項9】
変調速度推定後、推定結果を帯域制限フィルタ選択手段へ入力することを特徴とする請求項1記載のディジタル通信受信装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】この発明は、通信の分野において、受信したディジタル無線変調信号の予備知識なしに、変調時に用いられた変調速度を推定し、復調するディジタル通信受信装置に関するものである。

【0002】

【従来の技術】図22は、例えば田中氏、中山氏共著『やさしいディジタル無線』(電気通信協会出版)で示された従来のディジタル通信受信装置の構成図であり、図において、1は受信アンテナ、2は受信アンテナ1に接続された受信機、3は受信機2の出力信号を復調する復調器である。

【0003】
次に動作について説明する。受信アンテナ1によって受信された通信信号は、受信機2に入力される。次いで、受信機2から通信信号は、予め送受双方で定められた特定の変調速度に従い復調器3で復調され、通信情報が抽出される。

【0004】

【発明が解決しようとする課題】従来のディジタル通信受信装置は、以上のように構成されているので、受信側は送信側から送信される通信信号の変調速度を予め知っておかなければならず、送信側が任意に変調速度を変更したり、送信側が未知の場合、受信信号を復調できない等の問題点があった。

【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、受信した信号の変調速度を自動的に推定できるディジタル通信受信装置を提供することを目的とする。

【0006】

【課題を解決するための手段】請求項1のディジタル通信受信装置は、ディジタル無線変調された通信信号を受信アンテナで受信し、受信機の出力信号を復調器で復調するものにおいて、入力信号の包絡線を検出する包絡線検波手段と、包絡線から包絡線の振幅値が局所的に減衰した点と判断するための閾値を求めることにより変調速度を算出し、変調速度情報を前記復調器へ出力する変調速度推定手段とを備えたことを特徴とする。

【0007】
請求項2のディジタル通信受信装置は、請求項1記載のものにおいて、受信信号の包絡線を検出後に単純移動平均法を用いた雑音除去処理を行う雑音除去処理手段を備えたことを特徴とする。

【0008】
請求項3のディジタル通信受信装置は、請求項1記載のものにおいて、受信信号の包絡線を検出後に適応移動平均法を用いた雑音除去処理を行う雑音除去処理手段を備えたことを特徴とする。

【0009】
請求項4のディジタル通信受信装置は、請求項1記載のものにおいて、受信信号の包絡線検出前に単純移動平均法を用いた雑音除去処理を行う雑音除去処理手段を備えたことを特徴とする。

【0010】
請求項5のディジタル通信受信装置は、請求項1記載のものにおいて、受信信号の包絡線検出前にチェビシェフ関数を用いた周波数領域法による雑音除去処理を行うチェビシェフ多項式を用いた周波数領域処理手段を備えたことを特徴とする。

【0011】
請求項6のディジタル通信受信装置は、請求項1記載のものにおいて、受信信号の包絡線検出前にSINC関数を用いた周波数領域法による雑音除去処理を行うSINC関数を用いた周波数領域処理手段を備えたことを特徴とする。

【0012】
請求項7のディジタル通信受信装置は、請求項1記載のものにおいて、受信信号の包絡線検出前にバタワース多項式を用いた周波数領域法による雑音除去処理を行うバタワース多項式を用いた周波数領域処理手段を備えたことを特徴とする。

【0013】
請求項8のディジタル通信受信装置は、請求項1記載のものにおいて、受信信号の包絡線検出前に適応雑音除去手法による雑音除去処理を行う雑音除去処手段を備えたことを特徴とする。

【0014】
請求項9のディジタル通信受信装置は、請求項1記載のものにおいて、変調速度推定後、推定結果を帯域制限フィルタ選択手段へ入力することを特徴とする。

【0015】


【0016】

【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の実施の形態1を図について説明する。図1はこの発明の実施の形態1によるディジタル通信受信装置の変調速度推定を示す構成図である。図において、1~3は従来の装置と全く同一のものである。4は入力信号U(K)の包絡線E(K)を検出する包絡線検波手段、5は検出された包絡線E(K)から変調速度を算出し、変調速度情報を復調器3へ出力する変調速度推定手段である。

【0017】
次に動作について図2のフローチャート図により説明する。入力信号U(K)は受信機2より出力されるディジタル化された複素信号であり、ステップST1において包絡線検波手段4により包絡線の時間波形E(K)を計算し出力する。ここで、Kはディジタル信号の時間を示す因子である。この包絡線の時間波形E(K)の導出は下記の式(1)による。式中、*は共役複素数を表す。

【0018】

【数1】
JP0003273904B2_000002t.gif【0019】次に変調速度推定手段5は、包絡線の時間波形E(K)を用いて変調速度を算出する前処理としてステップST2において包絡線の時間波形の振幅値から算出する平均値Aを式(2)を用いて導出する。

【0020】

【数2】
JP0003273904B2_000003t.gif【0021】ステップST3において最大値Mを包絡線の時間波形E(K)の振幅値で、最大の値とする。

【0022】
次に、包絡線の振幅値が局所的に減衰した点と判断するための閾値Tを先に求めた平均値Aと最大値Mを用いてステップST4において算出する。導出は下記の式(3)による。

【0023】

【数3】
JP0003273904B2_000004t.gif【0024】包絡線の時間波形E(K)の振幅値の内、E(K)<Tを満たす区間を検出する。図3に示すE(K)>T≧E(K+1)でK=Xiとし、E(K)≦T<E(K+1)でK=Yiとなる時間点Xi,Yi(Xi<Yi、〔i=1,2,・・・〕)を検出し、その中点Ciを包絡線E(K)の局所減衰点とする。Ciは式(4)により導出する。

【0025】

【数4】
JP0003273904B2_000005t.gif【0026】ステップST6においてE(K)<Tを満たす中点の系列Ciの間隔幅Di(Di=Ci+1-Ci)の内、最高頻度でかつ最小間隔Pを検出する。

【0027】
ステップST7において変調速度Bは、Pを用いて式(5)により導出される。

【0028】

【数5】
JP0003273904B2_000006t.gif【0029】変調速度推定手段5は、変調速度Bを復調器3へ出力し、復調器3は変調速度Bを復調諸元として利用し受信信号を復調する。

【0030】
また上記実施の形態では、閾値Tの算出に式(3)を用いる方式を示したが、固定値を設定する方法でも良く、同様の効果を得ることができる。

【0031】
実施の形態2.上記実施の形態1では受信信号から包絡線を検出した後、直接変調速度を算出したが、図4に示すように包絡線検出の後に単純移動平均法を用いた雑音除去処理を実施することにより、包絡線に生じた歪みを抑圧し、変調速度推定性能を向上することができる。

【0032】
以下、図4によりこの実施の形態2について説明する。図4において、6は単純移動平均法を用いた雑音除去処理手段である。

【0033】
次に動作について図5のフローチャート図により説明する。上記実施の形態1と同様に、ステップST8において包絡線の時間波形E(K)を検出し、雑音除去処理手段へ入力する。ステップST9において、包絡線の時間波形E(K)を雑音除去処理手段6へ通過させることにより、雑音成分の抑圧された出力V2 (L)を得る。ここで、時間Kは雑音除去処理手段6への入力を基準とし、時間Lは雑音除去処理手段6の出力を基準とした時間因子である。雑音除去処理手段6はステップST9において、例えば式(6)に示す単純移動平均法により雑音を抑圧することができる。

【0034】

【数6】
JP0003273904B2_000007t.gif【0035】ステップST10からST15においては、実施の形態1におけるステップST2からST7と同様の変調速度算出を行う。

【0036】
これにより、包絡線の時間波形に生じた振幅値の歪みが抑圧され、歪みにより誤って検出してしまう伝送データのシンボルの変化点を検出せずに測定することができる。

【0037】
実施の形態3.実施の形態2では受信信号から包絡線を検出した後、単純移動平均法を用いて包絡線に生じた歪みを抑圧し、直接変調速度を算出したが、図6に示すように包絡線検出の後に適応雑音除去法を用いた雑音除去処理を実施し、変調速度推定性能を向上することができる。

【0038】
以下、図6によりこの実施の形態3について説明する。図6において、6は適応雑音除去法を用いた雑音除去処理手段である。

【0039】
次に動作について図7のフローチャート図により説明する。実施の形態1同様に、ステップST16において包絡線の時間波形E(K)を検出し、雑音除去手段6へ入力する。ステップST17において、包絡線の時間波形E(K)を雑音除去手段6へ通過させることにより、雑音成分の抑圧された出力V3 (L)を得る。ここで、時間Kは雑音除去手段6への入力を基準とし、時間Lは雑音除去手段6の出力を基準とした時間因子である。適応雑音除去法を用いた雑音除去手段6はステップST17において、例えば式(7)に示す最小2乗法により歪みを抑圧することができる。

【0040】

【数7】
JP0003273904B2_000008t.gif【0041】式(7)のタップ係数は時間と共に、式(8)に従い更新される。

【0042】

【数8】
JP0003273904B2_000009t.gif【0043】ステップST18からST23においては、実施の形態1と同様の変調速度算出を行う。

【0044】
これにより、包絡線の時間波形に生じた振幅値の歪みが抑圧され、歪みにより誤って検出してしまう伝送データのシンボルの変化点を検出せずに測定することができる。

【0045】
また、実施の形態3では雑音除去処理手段に最小2乗法のアルゴリズムを用いた場合について説明したが、WienerフィルタやSER(Sequential-Regression)アルゴリズムであっても良く、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。

【0046】
実施の形態4.実施の形態2では受信信号から包絡線を検出した後に単純移動平均法を用いた雑音除去処理を実施したが、図8に示すように包絡線検出の前に単純移動平均法を用いた雑音除去処理を実施することにより、受信信号に付加された雑音を抑圧し、変調速度推定性能を向上することができる。

【0047】
以下、図8により実施の形態4について説明する。雑音除去処理手段6が包絡線検波手段4の前に設けられている。

【0048】
次に動作について図9のフローチャート図により説明する。ステップST24において、入力信号U(K)を単純移動平均化処理手段6へ通過させることにより、雑音成分の抑圧された出力V4(L)を得る。ここで、時間Kは単純移動平均化処理手段6への入力を基準とし、時間Lは単純移動平均化処理手段6の出力を基準とした時間因子である。ステップST25において包絡線の時間波形ED(L)を検出し、変調速度推定手段へ入力する。雑音除去処理手段6はステップST24における、例えば式(9)に示す単純移動平均化法により雑音を抑圧することができる。

【0049】

【数9】
JP0003273904B2_000010t.gif【0050】ステップST26からST31においては、実施の形態1と同様の変調速度算出を行う。

【0051】
これにより、包絡線の時間波形に付加された雑音による振幅値の変動が抑圧され、雑音の影響により誤って検出してしまう伝送データのシンボルの変化点を検出せずに測定することができる。

【0052】
実施の形態5.実施の形態3では受信信号から包絡線を検出した後に最小2乗法を用いた雑音除去処理を実施したが、図10に示すように包絡線検出の前にチェビシェフ関数を用いた周波数領域法による雑音除去処理を実施することにより、受信信号に付加された雑音を抑圧し、変調速度推定性能を向上することができる。

【0053】
以下、図10により実施の形態5について説明する。図10において、7はフーリエ変換手段、8はチェビシェフ関数生成手段、9はチェビシェフ多項式を用いた周波数領域処理手段、10は逆フーリエ変換手段である。

【0054】
次に動作について図11のフローチャート図により説明する。ステップST32において、チェビシェフ多項式Ch(R)を得る。ここで、Rは周波数因子である。チェビシェフ多項式Ch(R)は、式(10)で得る。

【0055】

【数10】
JP0003273904B2_000011t.gif【0056】式(10)のCnは、多項式で表され、式(11)で得る。

【0057】

【数11】
JP0003273904B2_000012t.gif【0058】ステップST33において、フーリエ変換により受信信号を周波数帯域へ変換したF(R)を得る。ステップST34において、チェビシェフ多項式を用いた周波数領域処理手段へ通過させることにより、雑音成分の抑圧されたG0(R)を得る。

【0059】
チェビシェフ多項式を用いた周波数領域処理手段9はステップST34における、例えば式(12)により雑音を抑圧することができる。

【0060】

【数12】
JP0003273904B2_000013t.gif【0061】ステップST35において、逆フーリエ変換により時間領域へ変換した波形V5(L)を得る。ステップST36からST42においては、実施の形態1と同様の変調速度算出を行う。

【0062】
これにより、包絡線の時間波形に付加された雑音による振幅値の変動が抑圧され、雑音の影響により誤って検出してしまう伝送データのシンボルの変化点を検出せずに測定することができる。

【0063】
また、実施の形態5ではチェビシェフ多項式の次数を変えた場合についても、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。

【0064】
実施の形態6.実施の形態5では受信信号から包絡線を検出する前にチェビシェフ関数を用いた周波数領域法による雑音除去処理を実施したが、図12に示すように包絡線検出の前にSINC関数を用いた周波数領域法による雑音除去処理を実施することにより、受信したディジタル信号から雑音を除去し、変調速度推定性能を向上することができる。

【0065】
以下、図12により実施の形態6の発明について説明する。図12において、11はSINC関数生成手段、12はSINC関数を用いた周波数領域処理手段である。

【0066】
次に動作について図13のフローチャート図により説明する。ステップST43において、SINC関数S(K)を得る。SINC関数S(K)を式(13)に示す。

【0067】

【数13】
JP0003273904B2_000014t.gif【0068】ステップST44において、フーリエ変換により入力信号を周波数帯域へ変換した波形F(R)、SINC関数を周波数帯域へ変換した波形W1(R)を得る。ステップST45において、SINC関数を用いた周波数領域処理手段へ通過させることにより、雑音成分の抑圧された出力G1(R)を得る。ここで、時間Lはフーリエ変換処理手段への入力を基準とした時間因子で、周波数Rはフーリエ変換処理手段の出力を基準とした周波数因子である。SINC関数を用いた周波数領域処理手段はステップST45における、例えば式(14)により雑音を抑圧することができる。

【0069】

【数14】
JP0003273904B2_000015t.gif【0070】ステップST46において、逆フーリエ変換により時間領域へ変換した波形V6(L)を得る。ステップST48からST53においては、実施の形態1と同様の変調速度算出を行う。

【0071】
これにより、包絡線の時間波形に付加された雑音による振幅値の変動が抑圧され、雑音の影響により誤って検出してしまう伝送データのシンボルの変化点を検出せずに測定することができる。

【0072】
実施の形態7.実施の形態6では受信信号から包絡線を検出する前にSINC関数を用いた周波数領域法による雑音除去処理を実施したが、図14に示すように包絡線検出の前にバタワース多項式を用いた周波数領域法による雑音除去処理を実施することにより、受信したディジタル信号から雑音を除去し、変調速度推定性能を向上することができる。

【0073】
以下、図14によりこの実施の形態7について説明する。図14において、13はバタワース関数生成手段、14はバタワース多項式を用いた周波数領域処理手段である。

【0074】
次に動作について図15のフローチャート図により説明する。ステップST54において、バタワース多項式B(R)を得る。バタワース多項式B(R)は、式(15)で得る。

【0075】

【数15】
JP0003273904B2_000016t.gif【0076】ステップST55において、フーリエ変換により受信信号を周波数帯域へ変換した波形F(R)、を得る。ステップST56において、バタワース多項式を用いた周波数領域処理手段14へ通過させることにより、雑音成分の抑圧された出力G2(R)を得る。バタワース多項式を用いた周波数領域処理手段はステップST56における、例えば式(16)により雑音を抑圧することができる。

【0077】

【数16】
JP0003273904B2_000017t.gif【0078】ステップST57において、逆フーリエ変換により時間領域へ変換した波形V7(L)を得る。ステップST58からST64においては、実施の形態1と同様の変調速度算出を行う。

【0079】
これにより、包絡線の時間波形に付加された雑音による振幅値の変動が抑圧され、雑音の影響により誤って検出してしまう伝送データのシンボルの変化点を検出せずに測定することができる。

【0080】
また、実施の形態7ではバタワース多項式の次数を変えた場合についても、実施の形態7と同様の効果を得ることができる。

【0081】
実施の形態5から実施の形態7において、周波数領域法の手段として、バタワース多項式、SINC関数、チェビシェフ関数を用いた場合について説明したが、矩形フィルタ等の他のディジタルフィルタを用いても良く、実施の形態5から実施の形態7と同様の効果を得ることができる。

【0082】
実施の形態8.実施の形態7では受信信号から包絡線を検出する前に周波数領域法を用いた雑音除去処理を実施したが、図16に示すように包絡線検出の前に適応雑音除去手法による雑音除去処理を実施することにより、受信したディジタル信号から雑音を除去し、変調速度推定性能を向上することができる。

【0083】
次に動作について図17のフローチャート図により説明する。ステップST65において、入力信号U(K)を雑音除去手段6へ通過させることにより、雑音成分の抑圧された出力V8 (L)を得る。ここで、時間Kは雑音除去手段6への入力を基準とし、時間Lは雑音除去手段6への入力を基準とした時間因子である。雑音除去手段6は、例えば式(17)に示す最小2乗法により雑音を抑圧することができる。

【0084】

【数17】
JP0003273904B2_000018t.gif【0085】式(17)のタップ係数は時間と共に、式(18)に従い更新される。

【0086】

【数18】
JP0003273904B2_000019t.gif【0087】ステップST67からST72においては、実施の形態1と同様の変調速度算出を行う。

【0088】
これにより、包絡線の時間波形に付加された雑音による振幅値の変動が抑圧され、雑音の影響により誤って検出してしまう伝送データのシンボルの変化点を検出せずに測定することができる。

【0089】
また、実施の形態8では雑音除去処理手段に最小2乗法のアルゴリズムを用いた場合について説明したが、WienerフィルタやSER(Sequential-Regression)アルゴリズムであっても良く、実施の形態8と同様の効果を得ることができる。

【0090】
実施の形態9.実施の形態1では変調速度推定後、推定結果を復調器へのみ入力していたが、推定結果を帯域制限フィルタ選択手段へ入力し、帯域制限フィルタの選択要因として用い、その結果をもとに受信信号を最適な帯域制限フィルタに通過させることにより復調性能を向上することができる。但し、入力信号がFSK(Frequency Shift Keying)変調波〔周波数変調波〕の場合においては、占有帯域幅は変調度に依存するため、変調速度からは推定できない。従って、本実施の形態から入力信号がFSK変調波の場合を除外する。

【0091】
以下、図18により実施の形態9について説明する。図18において、15は帯域制限フィルタ選択手段である。

【0092】
次に動作について図19のフローチャート図により説明する。ステップST73からST75においては、実施の形態1と同様の処理を行っている。ステップST75にて推定した変調速度を基にST76では入力信号の占有帯域を推定する。ステップST77にて推定した占有帯域に応じた帯域制限フィルタをST78にて採用することで入力信号に混在している雑音を効果的に除去することができ、復調能力を向上させることができる。

【0093】
実施の形態10.実施の形態1では、受信信号から直接変調速度を推定していたが、スペクトラム・アナライザ等の測定器を用いることで入力信号の概略占有帯域幅を推定することができるため、FSK変調波の場合においては、変調速度推定結果から変調度を推定することができる。

【0094】
以下、図20によりこの実施の形態10について説明する。図20において、16は占有帯域幅推定手段、17は変調度推定手段である。

【0095】
次に動作について図21のフローチャート図により説明する。ステップST79にて受信した入力信号に対して、ST80及びST81にてそれぞれ処理を行う。ステップST80において、スペクトラム・アナライザ等を用いて周波数スペクトルから概略の占有帯域幅:W〔Hz〕を推定する。ステップST81からST82においては、実施の形態1と同様の処理を行い変調速度:V〔baud〕を推定する。ステップST83において、式(19)から変調度:Mを推定できる。

【0096】

【数19】
JP0003273904B2_000020t.gif【0097】
【発明の効果】この発明によれば、入力信号から算出した包絡線に現れる伝送データのシンボルの変化点から変調速度を推定できるように構成したので、送信側からの変調速度情報がなくても、変調速度を得ることができる。
図面
【図3】
0
【図1】
1
【図6】
2
【図2】
3
【図9】
4
【図4】
5
【図16】
6
【図5】
7
【図7】
8
【図8】
9
【図10】
10
【図11】
11
【図12】
12
【図13】
13
【図14】
14
【図15】
15
【図17】
16
【図18】
17
【図20】
18
【図19】
19
【図21】
20
【図22】
21