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明細書 :同期式リプル除去回路

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3243523号 (P3243523)
公開番号 特開2000-019244 (P2000-019244A)
登録日 平成13年10月26日(2001.10.26)
発行日 平成14年1月7日(2002.1.7)
公開日 平成12年1月21日(2000.1.21)
発明の名称または考案の名称 同期式リプル除去回路
国際特許分類 G01S 13/34      
FI G01S 13/34
請求項の数または発明の数 1
全頁数 4
出願番号 特願平10-199693 (P1998-199693)
出願日 平成10年6月29日(1998.6.29)
審判番号 不服 2000-002802(P2000-002802/J1)
審査請求日 平成10年6月29日(1998.6.29)
審判請求日 平成12年3月2日(2000.3.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
発明者または考案者 【氏名】佐藤 祐司
【氏名】岡田 昌彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100079290、【弁理士】、【氏名又は名称】村井 隆
参考文献・文献 特開 昭53-103394(JP,A)
特開 平2-290582(JP,A)
特許請求の範囲 【請求項1】
変調に三角波を用いたFM/CW方式の距離測定装置に設けられる同期式リプル除去回路であって、
前記三角波の頂点を検出し、同期信号を出力する頂点検出回路と、
該頂点検出回路からの該同期信号によりパルス信号を発生させ一定の遅延時間を出力するパルス発生回路と、
前記距離測定装置のミキサ信号からの変調波と信号波を分別して変調波成分を除去する低次HPF及び高次BPと、
該低次HPF及び高次BPF間に挿入されて該低次HPFからの出力信号を前記パルス発生回路の信号レベルによって通過又は非通過の制限を加えるゲート回路とを備え、
前記ゲート回路は、前記同期信号に対する前記一定の遅延時間内において前記パルス信号に同期して前記低次HPFからの出力信号を非通過とすることを特徴とする同期式リプル除去回路。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、周波数変調に三角波を用いたFM/CW方式(周波数変調/連続波方式)の距離測定装置に内蔵し、変調波の不連続点で発生するビート信号のリプルを変調波の頂点に同期させて一定時間除去する同期式リプル除去回路に関するものである。

【0002】

【従来の技術】従来の距離測定装置の一種である電波高度計は、一般的に搬送波の変調に三角波を用いたFM/CW方式を用いることで、静止状態においても目標までの距離が測定できるものである。この簡単な原理について図3を参照して説明する。図3において、6はドライバ回路であり、周波数変調用の三角波を発生させるための回路である。5は電圧制御発振器(VCO:Voltage Control Oscillator)であり、ドライバ回路6から出力された三角波の電圧信号を周波数に変換する素子である。4はカプラであり、電圧制御発振器5からの信号を分岐させる素子である。3はサーキュレータであり、カプラ4からの出力をアンテナ2に送信するとともに、アンテナ2から受信された信号をミキサ7へ出力する素子である。2はアンテナであり、サーキュレータ3からのドライブ信号(三角波で周波数変調された搬送波信号)を空中線Aとして放射することと、目標1に当たって反射されてくる反射信号を空中線Bとして受信する素子である。

【0003】
ミキサ7は、カプラ4からの信号(Re)とサーキュレータ3の信号(Lo)を周波数混合し、中間周波信号(IF信号)として出力する素子である。8は高次BPF(Band Pass Filter)であり、適切な遮断周波数を設定することにより、不要な周波数成分を除去して目的のビート周波数(ドライブ信号と反射信号間の周波数差)を得ることができる。このビート信号の周波数成分を分析することによって、目標までの距離情報を得ることができるものである。

【0004】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した高次BPF8では、その急峻な減衰特性に起因して変調の三角波の不連続点(単調増加から単調減少、又は単調減少から単調増加に切り換わる点)による急な変化で過渡現象が発生し、必要とするビート信号の大部分にリプルが重畳することになる。これでは、例としてあげた電波高度計として必要な情報の取得が難しい状況になることは明らかである。

【0005】
本発明は、このような状況においてなされたものであり、変調用の三角波に同期してビート信号からリプルを除去可能な同期式リプル除去回路を提供することを目的とする。

【0006】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。

【0007】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、変調に三角波を用いたFM/CW方式の距離測定装置に設けられる同期式リプル除去回路であって、前記三角波の頂点を検出し、同期信号を出力する頂点検出回路と、該頂点検出回路からの該同期信号によりパルス信号を発生させ一定の遅延時間を出力するパルス発生回路と、前記距離測定装置のミキサ信号からの変調波と信号波を分別して変調波成分を除去する低次HPF及び高次BPFと、該低次HPF及び高次BPF間に挿入されて該低次HPFからの出力信号を前記パルス発生回路の信号レベルによって通過又は非通過の制限を加えるゲート回路とを備え、前記ゲート回路は、前記同期信号に対する前記一定の遅延時間内において前記パルス信号に同期して前記低次HPFからの出力信号を非通過とすることを特徴としている。

【0008】


【0009】


【0010】


【0011】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る同期式リプル除去回路の実施の形態を図面に従って説明する。

【0012】
図1は同期式リプル除去回路を含んだ距離測定装置の構成図であり、点線内が同期式リプル除去回路9である。この図において、10は頂点検出回路であり、ドライバ6から出力される周波数変調用の図2(A)の如き三角波の頂点を検出し、同図(B)の同期信号を出力する。11は低次HPF(High Pass Filter)としての2次HPFであり、ミキサ7からのIF信号(変調波成分とビート信号成分を含んでいる)を周波数弁別して、そのIF信号から不要な低周波周波数成分(変調波成分)を緩やかな減衰特性により除去し、必要な高周波成分(ビート信号成分)を出力する。13はパルス発生回路であり、頂点検出回路10から得られる同期信号により図2(C)の如き一定間隔のパルス信号を出力する。このパルス信号の立ち上がりは同期信号に一致し(つまり三角波の頂点に同期し)、一定の遅延時間後に立ち下がるものであり、同期信号到来時点から該一定の遅延時間までのパルス幅を持つ。12はゲート回路であり、2次HPF11出力である高周波信号に含まれるリプル成分(高調波)をパルス発生回路13から出力されるパルス信号に同期させ、カットし(非通過とし)、ゲート回路出力として高次BPF8に入力する。ゲート回路12は時間的に一定の間隔で通過/非通過動作をパルス信号に同期して行うが、ここでは図2(C)のパルス信号のパルス幅に対応する期間、同図(D)の如くゲート回路12は非通過となる動作をしている。

【0013】
なお、その他の構成は図3の従来の距離測定装置と同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付して説明を省略する。

【0014】
前記2次HPF11は高次BPF8に比べて緩やかな減衰特性を示すものであり、ミキサ信号を高次BPF8に直接入力する場合に比べてリプル成分は除去しやすい幅の狭いパルスとして現れる。従って、上述のように三角波の頂点に同期して所定時間幅でゲート回路12を非通過状態とすることで、ゲート回路出力は三角波の頂点に同期してリプル成分が除去されたものとなり、このゲート回路出力を高次BPF8に入力することで、高次BPF8によって急な帯域制限を行ってもビート信号(ドライブ信号と反射信号間の周波数差の信号)は、一定値として得ることが可能となる。

【0015】
このように、本実施の形態によれば、図3に示す従来の電波高度計のミキサ7と高次BPF8の間に、図1点線内に示す同期式リプル除去回路9を挿入することにより、ビート信号検出時のリプルを確実に除去可能である。

【0016】
なお、ここでは、低次HPFとは1次乃至3次HPFを意味し、高次BPFとは4次以上のBPFを意味するものとする。発明者の実験では、低次HPFとして実施の形態に例示した2次HPFが最も良好な結果が得られている。

【0017】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。

【0018】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、搬送波の周波数変調に三角波を用いたFM/CW方式の距離測定装置において、前記三角波の頂点を検出し、同期信号を出力する頂点検出回路と、該頂点検出回路からの該同期信号によりパルス信号を発生させ一定の遅延時間を出力するパルス発生回路と、ミキサ信号からの変調波と信号波を分別して変調波成分を除去する低次HPF及び高次BPFと、該低次HPF及び高次BPF間に挿入されて該低次HPFからの出力信号を前記パルス発生回路の信号レベルによって通過又は非通過の制限を加えるゲート回路とを備え、前記ゲート回路は、前記同期信号に対する前記一定の遅延時間内において前記パルス信号に同期して前記低次HPFからの出力信号を非通過とすることで、ドライブ信号と反射信号との周波数差を含むビート信号検出時のリプルを確実に除去できる効果がある。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2