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明細書 :回転パラシュ—ト

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第3063977号 (P3063977)
登録日 平成12年5月12日(2000.5.12)
発行日 平成12年7月12日(2000.7.12)
発明の名称または考案の名称 回転パラシュ—ト
国際特許分類 B64D 17/04      
B64D 17/14      
FI B64D 17/04
B64D 17/14
請求項の数または発明の数 1
全頁数 4
出願番号 特願平11-094555 (P1999-094555)
出願日 平成11年4月1日(1999.4.1)
審査請求日 平成11年4月1日(1999.4.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
【識別番号】390005393
【氏名又は名称】藤倉航装株式会社
発明者または考案者 【氏名】直井 文博
【氏名】渡辺 雅仁
【氏名】山上 和一
【氏名】佐藤 大道
個別代理人の代理人 【識別番号】100082717、【弁理士】、【氏名又は名称】雨宮 正季
審査官 【審査官】刈間 宏信
参考文献・文献 特開 平8-113198(JP,A)
実用新案登録2584549(JP,Y2)
米国特許5174527(US,A)
調査した分野 B64D 17/02 - 17/20
B64D 17/62 - 17/76
要約 【課題】 回転率に優れ、結果として収納容積が小さくなる回転パラシュートを提供することを目的とする。
【解決手段】 ボルテリックスリング型回転パラシュートにおいて、傘縁部12は風上側の側部の大きさは他方の側部122のそれより大きいことを特徴とする。
【効果】回転パネルの傘縁部の風上側の側部を他方の側部より大きくして空気の風上側の空気取り入れ口を大きくすることによって、傘縁部が風に押されて内側方向にめくれ込む現象を防止することができ、このため抗力性能、回転性能ともに向上する。
特許請求の範囲 【請求項1】
傘縁部、パネル本体とを有し、前記パネル本体の頂上部を相互に連結した複数の回転パネルと、前記頂上部に接続し、落下方向に垂下するセンターコードと、前記回転パネルの傘縁部端部を連結する外縁ピッチラインと前記傘縁部とパネル本体との境で連結する傾斜ピッチラインを同一連結部で接続するサスペンションラインとを有し、前記外縁ピッチライン、傾斜ピッチライン及びサスペンションラインが接続する連結部は隣接する回転パネルのそれぞれの外縁ピッチライン及び傾斜ピッチラインの長さが異なるような位置にあり、前記相互に隣接する外縁ピッチラインのうち、短い外縁ピッチライン側方向に回転するようになっている回転パラシュートにおいて、回転方向前方である風上側の前記傘縁部側部の大きさは他方の側部のそれより大きいことを特徴とする回転パラシュート。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の技術分野】本発明は回転パラシュート、さらに詳細には回転特性及び抗力特性が良好な回転パラシュートに関する。

【0002】

【従来技術および問題点】空気中を落下する物体を減速する装置としては、パラシュートが一般的であるが、このようなパラシュートとして、回転しながら減速降下する回転パラシュートが知られている。

【0003】
このようなパラシュートは、回転することにより抵抗係数が増加し、安定性が増加するという利点があり、またパラシュートに吊下物、散布器等を搭載し、薬品の散布などを行う場合、パラシュートは回転しながら降下するのが好ましい。

【0004】
回転しながら降下するパラシュートとしては、一般に、ボルテリックスリング型と呼ばれる構造のパラシュートが知られている。このボルテリックスリング型パラシュートは、図4に示すような頂上部11と傘縁部12と前記頂上部11を有するパネル本体13からなる構造の回転パネル1を有している。そして、このような回転パネル1を、図5に示すように(図1も参照)、4枚の回転パネル1の頂上部11を相互に連結し、センターコード2に接続するとともに、隣接する回転パネル1を間隔を置いて、傘縁部12付近で連結する外縁ピッチライン3、傾斜ピッチライン4と前記外縁及び傾斜ピッチライン3、4と連結し、かつ前記吊下物6を吊下げるためのサスペンションライン5を有した構造になっている。そして前記4枚の回転パネル1は外縁ピッチライン3、傾斜ピッチライン4の作用によってそれぞれ独立に一定方向に傾斜して開傘し、所定方向に回転して減速降下するようになっている。

【0005】
上述のようなボルテリックスリング型パラシュートは、回転パネル1の面積が小さく、収納時の容積が小さく、また回転パネルの回転抵抗が小さく回転率(回転数/落下速度)を上げることができるという利点がある。しかしながら、上述のような傘縁部12の側部121、122が同じ長さの回転パネル1を使用したときは、風上側である傘縁部が内側にめくれ込むことがあった。このような現象を生じると、回転パネル1のばたつきを生じ、回転中の回転性能を極端に悪化させる問題点がある。

【0006】
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、回転率に優れ、結果として収納容積が小さくなる回転パラシュートを提供することを目的としている。

【0007】

【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明による回転パラシュートは、傘縁部、パネル本体とを有し、前記パネル本体の頂上部を相互に連結した複数の回転パネルと、前記頂上部に接続し、落下方向に垂下するセンターコードと、前記回転パネルの傘縁部端部を連結する外縁ピッチラインと前記傘縁部とパネル本体との境で連結する傾斜ピッチラインを同一連結部で接続するサスペンションラインとを有し、前記外縁ピッチライン、傾斜ピッチライン及びサスペンションラインが接続する連結部は隣接する回転パネルのそれぞれの外縁ピッチライン及び傾斜ピッチラインの長さが異なるような位置にあり、前記相互に隣接する外縁ピッチラインのうち、短い外縁ピッチライン側方向に回転するようになっている回転パラシュートにおいて、回転方向前方である風上側の前記傘縁部の側部の大きさは他方の側部のそれより大きいことを特徴とする。

【0008】
本発明によれば、回転パネルの傘縁部の風上側の側部を他方の側部より大きくして空気の風上側の空気取り入れ口を大きくすることによって、傘縁部が風に押されて内側方向にめくれ込む現象を防止することができ、このため抗力性能、回転性能ともに向上する。

【0009】

【実施例】図1は本発明のパラシュートの斜視図、図2はその平面図であるが、この図より明らかなように回転パラシュートは、4枚の回転パネル1を有しており、この回転パネル1は等間隔に四方に配置されている。この回転パネル1は、図3に示すようにほぼ三角形状のパネル本体13と側部辺が内側に湾曲した四角形状の傘縁部12とよりなる構造をしており、その頂上部11は相互に連結することにより、空気をはらんだ時にそれぞれが傘状になるようになっている。そして前記頂上部11は落下方向に垂下するセンターコード2に接続している。

【0010】
それぞれの前記回転パネル1の傘縁部12の端部はそれぞれの外縁ピッチライン3によって接続されており、前記外縁ピッチライン3は傾斜して落下方向に伸長するサスペンションライン5に連結部7で接続している。一方、傾斜ピッチライン4の一方の端部は前記傘縁部12とパネル本体13との境界部に接続しており、他方の端部は外縁ピッチライン3とサスペンションライン5の連結部7で同様に前記サスペンションライン5と連結している。

【0011】
上記外縁ピッチライン3は一つの回転パネル1の両側に伸長するが、その長さが異なっており、一方の回転パネル1の一方の側より伸長する外縁ピッチライン3が長い場合は、この外縁ピッチライン3と連結部7で接続する隣接する回転パネル1の側より伸長する外縁ピッチライン3は短くなるような構造になっている。

【0012】
上述のような回転パラシュートにおいて、本発明においては、図3に示すように傘縁部12の回転方向側の側部121の高さaは他方の側部122の高さbよりも大きくなっている。このように空気の風上側の側部121を長くすることによって風の取り入れ口を大きくすることができ、このため、回転パネル1が内側にめくり上がる現象を防止できる。このような風上側側部121の高さaと他方の側の高さbとの比b/aは、このましくは0.90~0.80であるのがよい。aとbの差が大きすぎると、ピッチ角が変化する恐れがあり、一方差が小さすぎると、従来の回転パラシュートと比較して効果が発揮できない恐れがあるからである。なお8はパネル本体13を連結し、回転パネル1のよじれなどを防止するガイドラインである。

【0013】
上述のような構造になっているため、パラシュートが投下されたとき、複数の回転パネル1は外縁ピッチライン3及び傾斜ピッチライン4と傘縁部12で連結されており、さらに吊下物6に接続するサスペンションライン5に連結部7で接続しており、かつ外縁ピッチライン3は、一方の回転パネル1の側と他方の側の長さが異なっているため、回転パネル1は傾斜して開傘することになる。このためパラシュートは回転して減速降下することになる。

【0014】
このとき、前記傘縁部12の風上側側部121は他方の側部122より長くなっているため、空気が良好に取り入れられることになり、回転パネル1のめくれを最小に抑制可能となる。このため抗力性能、回転性能が向上する。

【0015】
この実施例にあっては、回転パネル1は4つ設けられており、開口部の円周を対向するように(90°間隔)設けられているが、本発明においてこれに限定されるものではなく、例えば3つであってもよい。しかしながら、前記回転パネル1は実施例のように等間隔に全周にわたって配置されるのが好ましい。等間隔に全周にわたって配置されないとき、減速落下時に回転モーメントが変化することになり、一定速度で回転しにくくなるからである。

【0016】

【発明の効果】本発明によるパラシュートは回転パネルの傘縁部の回転方向側の側部を他方の側部より高くして空気の風上側の空気取り入れ口を大きくすることによって、傘縁部が風に押されて内側方向にめくれ込む現象を防止することができ、このため抗力性能、回転性能ともに向上する。
図面
【図2】
0
【図5】
1
【図1】
2
【図3】
3
【図4】
4