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明細書 :回転パラシュート

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第3079517号 (P3079517)
登録日 平成12年6月23日(2000.6.23)
発行日 平成12年8月21日(2000.8.21)
発明の名称または考案の名称 回転パラシュート
国際特許分類 B64D 17/04      
B64D 17/14      
FI B64D 17/04
B64D 17/14
請求項の数または発明の数 1
全頁数 4
出願番号 特願平11-094556 (P1999-094556)
出願日 平成11年4月1日(1999.4.1)
審査請求日 平成11年4月1日(1999.4.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
【識別番号】390005393
【氏名又は名称】藤倉航装株式会社
発明者または考案者 【氏名】斉藤 親司
【氏名】渡辺 雅仁
【氏名】山上 和一
【氏名】佐藤 大道
個別代理人の代理人 【識別番号】100082717、【弁理士】、【氏名又は名称】雨宮 正季
審査官 【審査官】冨江 耕太郎
参考文献・文献 特開 平8-113198(JP,A)
実用新案登録2584549(JP,Y2)
実公 昭39-13632(JP,Y1)
調査した分野 B64D 17/00 - 17/20
要約 【課題】 回転率に優れた回転パラシュートを提供することを目的とする。
【解決手段】 ボルテリックスリング型パラシュートにおいて、回転パネル1は、この回転パネルが風をはらんだ時の形状とほぼ同一形状に形成されていることを特徴とする。
【効果】 回転パネルを風がはらんで湾曲した状態にあらかじめ形成しておくため、回転パネルにしわが寄る恐れが無くなり、このため抗力性能、回転性能ともに向上する。
特許請求の範囲 【請求項1】
傘縁部ほぼ三角形状のパネル本体とを有し、前記パネル本体の頂上部を相互に連結する複数の回転パネルと、前記頂上部に接続し、落下方向に垂下するセンターコードと、前記回転パネルの傘縁部端部を連結する外縁ピッチラインと前記傘縁部とパネル本体との境で連結する傾斜ピッチラインを同一連結部で接続するサスペンションラインとを有し、前記外縁ピッチライン、傾斜ピッチライン及びサスペンションラインが接続する連結部は隣接する回転パネルのそれぞれの外縁ピッチライン及び傾斜ピッチラインの長さが異なるようになっている回転パラシュートにおいて、前記回転パネルは、外側辺とこれと隣接する内側辺と前記外側辺と内側辺を結ぶ底辺とよりなる二つのパネル部分の前記内側辺を相互に連結して構成されたパネル本体と、前記底辺に連結された傘縁部とを有し、前記パネル部分の前記内側辺と外側辺は前記パネル本体の中心方向に湾曲し、前記底辺は前記外側辺と内側辺の交点である前記頂上部方向に湾曲し、前記傘縁部は同様に前記頂上部方向に湾曲した連結辺を有し、前記連結辺と前記底辺とが連結されており、風をはらんだ時の形状とほぼ同一形状に形成されてるようになっていることを特徴とする回転パラシュート。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の技術分野】本発明は回転パラシュート、さらに詳細には回転特性及び抗力特性が良好な回転パラシュートに関する。

【0002】

【従来技術および問題点】空気中を落下する物体を減速する装置としては、パラシュートが一般的であるが、このようなパラシュートとして、回転しながら減速降下する回転パラシュートが知られている。

【0003】
このようなパラシュートは、回転することにより抵抗係数が増加し、安定性が増加するという利点があり、またパラシュートに吊下物、散布器等を搭載し、薬品の散布などを行う場合、パラシュートは回転しながら降下するのが好ましい。

【0004】
回転しながら降下するパラシュートとしては、一般に、ボルテリックスリング型と呼ばれる構造のパラシュートが知られている。このボルテリックスリング型パラシュートは、図5に示すような頂上部11と傘縁部12と前記頂上部11を有するパネル本体13からなる構造の回転パネル1を有している。そして、このような回転パネル1を、図1に示すように、4枚の回転パネル1の頂上部11を相互に連結し、センターコード2に接続するとともに、隣接する回転パネル1を間隔を置いて、傘縁部12付近で連結する外縁ピッチライン3、傾斜ピッチライン4と前記外縁及び傾斜ピッチライン3、4と連結し、かつ前記吊下物6を吊下げるためのサスペンションライン5を有して構造になっている。そして前記4枚の回転パネル1は外縁ピッチライン3、傾斜ピッチライン4の作用によってそれぞれ独立に一定方向に傾斜して開傘し、所定方向に回転して減速降下するようになっている。

【0005】
上述のようなボルテリックスリング型パラシュートは、回転パネル1の面積が小さいため、収納時の容積が小さく、また回転パネルの回転抵抗が小さく回転率(回転数/落下速度)を上げることができるという利点がある。このようなボルテリックスリング型パラシュートの回転パネル1は、従来、ほぼ三角形状のパネル本体13とこれに接続する側部にRを有する四角形の傘縁部12を平面的に裁断して製造している(図5参照)。このような回転パネル1が風をはらんで、図1のように膨らんで湾曲する場合、各部に無理を生じてしわが寄り、回転中の回転性能を極端に悪化させる問題点がある。

【0006】
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、回転率に優れた回転パラシュートを提供することを目的としている。

【0007】

【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明による回転パラシュートは、傘縁部ほぼ三角形状のパネル本体とを有し、前記パネル本体の頂上部を相互に連結する複数の回転パネルと、前記頂上部に接続し、落下方向に垂下するセンターコードと、前記回転パネルの傘縁部端部を連結する外縁ピッチラインと前記傘縁部とパネル本体との境で連結する傾斜ピッチラインを同一連結部で接続するサスペンションラインとを有し、前記外縁ピッチライン、傾斜ピッチライン及びサスペンションラインが接続する連結部は隣接する回転パネルのそれぞれの外縁ピッチライン及び傾斜ピッチラインの長さが異なるようになっている回転パラシュートにおいて、前記回転パネルは、外側辺とこれと隣接する内側辺と前記外側辺と内側辺を結ぶ底辺とよりなる二つのパネル部分の前記内側辺を相互に連結して構成されたパネル本体と、前記底辺に連結された傘縁部とを有し、前記パネル部分の前記内側辺と外側辺は前記パネル本体の中心方向に湾曲し、前記底辺は前記外側辺と内側辺の交点である前記頂上部方向と反対方向に湾曲し、前記傘縁部は同様に前記頂上部方向に湾曲した連結辺を有し、前記連結辺と前記底辺とが連結されており、風をはらんだ時の形状とほぼ同一形状に形成されてるようになっていることを特徴とする。

【0008】
本発明によれば、回転パネルを風がはらんで湾曲した状態にあらかじめ形成しておくため、回転パネルにしわが寄る恐れが無くなり、このため抗力性能、回転性能ともに向上する。

【0009】

【実施例】図1は本発明のパラシュートの斜視図、図2はその平面図であるが、この図より明らかなように回転パラシュートは、4枚の回転パネル1を有しており、この回転パネル1は等間隔に四方に配置されている。そして前記頂上部11は落下方向に垂下するセンターコード2に接続している。

【0010】
それぞれの前記回転パネル1の傘縁部12の端部はそれぞれの外縁ピッチライン3によって接続されており、前記外縁ピッチライン3は傾斜して落下方向に伸長するサスペンションライン5に連結部7で接続している。一方、傾斜ピッチライン4の一方の端部は前記傘縁部12とパネル本体13との境界部に接続しており、他方の端部は外縁ピッチライン3とサスペンションライン5の連結部7で同様に前記サスペンションライン5と連結している。

【0011】
上記外縁ピッチライン3及び傾斜ピッチライン4は一つの回転パネル1の両側に伸長するが、その長さが異なっており、一方の回転パネル1の一方の側より伸長する外縁ピッチライン3及び傾斜ピッチライン4が長い場合は、この外縁ピッチライン3及び傾斜ピッチライン4と連結部7で接続する隣接する回転パネル1の側より伸長する外縁ピッチライン3及び傾斜ピッチライン4は短くなるような構造になっている。なお8はパネル本体13を連結し、回転パネル1のよじれなどを防止するガイドラインである。

【0012】
上述のような回転パラシュートにおいて、本発明においては、図3に示すようにこの回転パネル1のパネル本体13は基本的に三角形状であり、二つのパネル部分14よりなっている。そしてパネル部分14のその頂角Aを形成する二本の辺はパネル部分14の中心線C方向に凹状に湾曲する内側辺141と前記中心線C方向に凸状に湾曲する外側辺142となっている。すなわち、前記パネル部分14の前記内側辺141と外側辺142は前記パネル本体14の中心方向に湾曲し、前記パネル部分14の内側辺141が相互に接続されている。さらにその底辺143は頂角A方向に凹状に湾曲する底辺143を有している。言い換えれば、前記底辺は前記外側辺142と内側辺141の交点である前記頂上部11方向と反対方向に湾曲している。

【0013】
一方傘縁部12は基本的に四角形であり、両側辺121はその中心方向に凸状に湾曲しており、一方前記両側辺121を接続する底辺122および前記パネル本体13の底辺143と連結するための連結辺123は頂上部11方向に凸状に湾曲している。少なくとも前記連結辺123の湾曲は、前記二つのパネル部分14の内側辺141を連結したときに形成される二つの底辺143が構成する湾曲と対応する湾曲形状で、かつ対照方向の湾曲を有している。

【0014】
前述のように二つのパネル部分14の内側辺141を縫合Sなどによって連結し、さらに前記傘縁部12の連結辺123と、二つのパネル部分14が連結されて構成された底辺143を縫合Sなどにより連結することによって回転パネル1が製造できる(図4参照)。

【0015】
上述のように二つのパネル部分14及び傘縁部12を連結することによって、前記連結部はそれぞれ湾曲しているため、図4に示すように傘状に湾曲した形状となる。上述のような構造になっているため、パラシュートが投下されたとき、複数の回転パネル1は外縁ピッチライン3及び傾斜ピッチライン4と傘縁部12で連結され、さらに吊下物6に接続するサスペンションライン5に連結部7で接続しており、かつ外縁ピッチライン3及び傾斜ピッチライン4は、一方の回転パネル1の側と他方の側の長さが異なっているため、回転パネル1は傾斜して開傘することになる。このためパラシュートは回転して減速降下することになる。

【0016】
このとき、前記回転パネル1はあらかじめ傘状に形成されているため皺が寄ることがなくなり、このため抗力性能、回転性能が向上する。

【0017】
この実施例にあっては、回転パネル1は4つ設けられており、開口部の円周を対向するように(90°間隔)設けられているが、本発明においてこれに限定されるものではなく、例えば3つであってもよい。しかしながら、前記回転パネル1は実施例のように等間隔に全周にわたって配置されるのが好ましい。等間隔に全周にわたって配置されないとき、減速落下時に回転モーメントが変化することになり、一定速度で回転しにくくなるからである。

【0018】

【発明の効果】本発明による回転パラシュートは、回転パネルを風がはらんで湾曲した状態にあらかじめ形成しておくため、回転パネルに皺が寄る恐れがなくなり、このため抗力性能、回転性能ともに向上する。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4