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明細書 :電波画像装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3153208号 (P3153208)
公開番号 特開2000-346935 (P2000-346935A)
登録日 平成13年1月26日(2001.1.26)
発行日 平成13年4月3日(2001.4.3)
公開日 平成12年12月15日(2000.12.15)
発明の名称または考案の名称 電波画像装置
国際特許分類 G01S 13/90      
FI G01S 13/90
請求項の数または発明の数 5
全頁数 5
出願番号 特願平11-158986 (P1999-158986)
出願日 平成11年6月7日(1999.6.7)
審査請求日 平成11年6月14日(1999.6.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
発明者または考案者 【氏名】十河 憲夫
【氏名】美濃口 俊生
【氏名】加藤 正則
【氏名】中前 順一
個別代理人の代理人 【識別番号】100077838、【弁理士】、【氏名又は名称】池田 憲保
審査官 【審査官】松下 公一
参考文献・文献 特開 昭60-170775(JP,A)
特開 昭59-52779(JP,A)
調査した分野 G01S 7/00 - 7/42
G01S 13/00 - 13/95
特許請求の範囲 【請求項1】
アンテナを含む合成開口レーダ装置を載せてクロスレンジ方向に等速直線運動させる等速直線走行装置と、該等速直線走行装置を観測面に垂直な回転軸で回転して角度位置を設定する角度位置設定装置と、前記合成開口レーダ装置に任意の等速直線運動の速度を設定し、前記等速直線走行装置に任意の角度範囲で任意の角度毎に角度位置を設定するコントローラを具備して構成されたことを特徴とする電波画像装置。

【請求項2】
請求項1の電波画像装置において、前記合成開口レーダ装置の速度をモニタする機能を有する速度モニタ部を等速直線走行装置内に有することを特徴とする電波画像装置。

【請求項3】
請求項1又は2に記載の電波画像装置において、前記等速直線走行装置の角度位置をモニタする機能を有する角度位置モニタ部を前記角度位置設定装置内に有することを特徴とする電波画像装置。

【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の電波画像装置において、前記合成開口レーダ装置の等速直線運動方向のアンテナビーム幅をθ、電波画像を取得したい距離をR以内とした場合、前記等速直線走行装置の等速移動距離が2Rθであることを特徴とする電波画像装置。

【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電波画像装置において、前記合成開口レーダ装置の等速直線運動方向のアンテナビーム幅をθ、電波画像を取得したい角度範囲を観測面に平行な面内でθ~θとした場合、前記角度位置設定装置がθ~θの間をθ以下の一定角度ずつ変化することを特徴とする電波画像装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は電波画像装置に関し、特に装置全体を移動させることなくクロスレンジ方向(アンテナ開口に平行な方向)に高分解能化を図った電波画像装置に関する。

【0002】

【従来の技術】従来の合成開口レーダを利用した電波画像装置は、図4に示すように、航空機あるいは人工衛星等に搭載した合成開口レーダ装置41をクロスレンジ方向に等速走行させた場合、時間に対して直線的ドップラー周波数変化を生じることから、合成開口レーダ装置41のアンテナがal、a2、a3の各位置で得た観測対象からの反射信号をあとで信号処理により合成し、合成開口を得ることによりクロスレンジ方向の分解能をアンテナビーム幅θより狭く向上させていた。

【0003】
これと同等の効果をもたらすため、図5に示すように静止衛星などの静止プラットホーム51上に合成開口レーダ装置52を搭載し、プラットホームの位置でアンテナ53を合むプラットホーム自体を一定角速度ωで回転できるように構成し、アンテナがal、a2、a3の各位置で観測対象からの反射信号を得て、観測対象54とプラットホーム上のアンテナ53との相対位置が変化することによりアンテナが回転面上を直線走行したのと同様の合成開口Lを得ることでアンテナ移動方向の分解能を向上する発明も開示されている。

【0004】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術の合成開口レーダ装置において、クロスレンジ方向にアンテナビーム幅より狭いの高分解能を得るため、合成開口レーダ装置のアンテナを、高分解能を得たいクロスレンジ方向に、高分解能画像を得たい範囲以上に等速走行運動させなければならないため、合成開口レーダ装置を移動させる装置が大型化するという問題が生ずる。通常合成開口レーダ装置は人工衛星あるいは航空機に搭載され移動させる。

【0005】
合成開口処理はある観測対象に対してアンテナが移動して得た複数位置での射信号を後に信号処理で合成していくため、クロスレンジ方向に高分解能画像を得たい範囲以上にアンテナを等速走行運動させてデータを取得する必要があるから、合成開口レーダ装置を移動させる装置の大型化は避けられないのである。

【0006】
また、走行運動させないで画像を取得するには、レーダ装置をその場回転させて画像を取得するため、通常合成開口処理は使用できず、実開口処理を利用するためクロスレンジ分解能がアンテナビーム幅で粗いという問題も生じる。すなわち、アンテナを走行運動させない場合は、合成開口処理に必要な時間に対して直線変化するドップラ周波数変化が得られないので、実開口処理を行うためアンテナビーム幅と同じ粗いクロスレンジ方向の分解能画像となる。

【0007】
さらに、上述の従来技術はアンテナをクロスレンジ方向に移動させる代わりに、静止位置でアンテナを含むプラットホームを回転させることにより、アンテナが回転面上を回転軸と垂直方向に走行したのと同様の効果を得ようとするものである。合成開口レーダ装置では観測時間内の目標からの反射信号の中に含まれるドップラ周波数の時間に対しての直線変化を利用して、フィルタ処理し高分解能を得ており、このようなプラットフォームの回転による合成開口は信号処理が非常に複雑になるということである。

【0008】
本発明の目的は、合成開口レーダ装置を搭載するプラットフォームを走行運動させる大がかりな装置無しに、プラットフォームを固定したまま合成開口処理によりクロスレンジ方向にアンテナビーム幅より狭い高分解能レーダ画像が取得でき、更に従来の合成開口レーダ装置と同様のクロスレンジ方向の高分解能画像が得られる電波画像装置を提供することである。

【0009】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、アンテナを含む合成開口レーダ装置を載せてクロスレンジ方向に等速直線運動させる等速直線走行装置と、該等速直線走行装置を観測面に垂直な回転軸で回転して角度位置を設定する角度位置設定装置と、前記合成開口レーダ装置に任意の等速直線運動の速度を設定し、前記等速直線走行装置に任意の角度範囲で任意の角度毎に角度位置を設定するコントローラを具備して構成されたことを特徴とする電波画像装置が得られる。

【0010】
さらに、本発明によれば、前記合成開口レーダ装置の速度をモニタする機能を有する速度モニタ部を等速直線走行装置内に有することを特徴とする電波画像装置が得られる。

【0011】
さらに、本発明によれば、前記等速直線走行装置の角度位置をモニタする機能を有する角度位置モニタ部を前記角度位置設定装置内に有することを特徴とする電波画像装置が得られる。

【0012】
さらに、本発明によれば、前記合成開口レーダ装置の等速直線運動方向のアンテナビーム幅をθ、電波画像を取得したい距離をR以内とした場合、前記等速直線走行装置の等速移動距離が2Rθであることを特徴とする電波画像装置が得られる。

【0013】
さらに、本発明によれば、前記合成開口レーダ装置の等速直線運動方向のアンテナビーム幅をθ、電波画像を取得したい角度範囲を観測面に平行な面内でθ~θとした場合、前記角度位置設定装置がθ~θの間をθ以下の一定角度ずつ変化することを特徴とする電波画像装置が得られる。

【0014】

【作用】距離Rまでの高分解能画像が必要で、合成開口レーダ装置のアンテナビーム幅がθの場合、ビーム幅θ以上の高分解能を得るため、アンテナ(図2の21)を含む合成開口レーダ装置(図2の22)を、高分解能画像を得たい観測面に平行なクロスレンジ方向に、距離2Rθだけ等速直線運動させれば、合成開口処理を行いビーム幅θ(実開口ビーム幅Rθ)内の高分解能画像(図2の27)を得ることができる。等速直線運動中のアンテナを含む合成開口レーダ装置の速度は等速直線走行装置内でモニタされて、この値は合成開口処理にデータとして用いられる。また、アンテナ(図2の21)を含む合成開口レーダ装置(図2の22)を載せた等速直線走行装置(図2の24)を、角度位置設定装置(図2の25)に載せて、観測面に平行に画像を得たい角度範囲だけビーム幅θ以下のある任意角度毎に角度を変える。

【0015】
各角度位置毎にアンテナ(図2の21)を含む合成開口レーダ装置(図2の22)を距離2Rθだけクロスレンジ方向に等速直線運動させ、実開口ビーム幅Rθ内の合成開口処理による高分解能画像(図2の27)を得る。後に各角度位置で取得した合成開口高分解能画像(図2の28~29)を角度位置設定装置内でモニタされた角度位置データをもとに、各角度位置で重ね合わせていけば、合成開口レーダ装置を長距離走行させることなく、角度位置設定装置(図2の25)を回転させた角度範囲の高分解能画像を得ることができる。

【0016】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態について図1~図3を参照して説明する。図1は本発明の電波画像装置の一実施の形態を示したブロック図である。図2は本発明の電波画像装置の動作原理を説明するための図である。図3は本発明の電波画像装置の外観斜視図である。

【0017】
図1に示すように、本発明の電波画像装置は、物体を等速直線運動させ、等速直線連動をさせている物体の速度をモニタする等速直線走行装置4と、この上に載るアンテナ1を含む合成開口レーダ装置2、等速直線走行装置4と合成開口レーダ装置2を載せて任意角度位置に回転させ、その角度位置をモニタできる角度位置設定装置5と、合成開口レーダ装置2からの電波画像を表示する角度位置設定装置5に載っていない電波画像表示装置3と、合成開口レーダ装置2に任意の等速直線運動の速度を設定して、合成開口レーダ装置2の速度を制御すると共に、合成開口レーダ装置2を載せた等速直線走行装置4の角度を制御するコントローラ6を具備して構成される。

【0018】
次に、本発明の電波画像装置の動作について図1を参照して詳細に説明する。送信信号は合成開口レーダ装置2のアンテナ1から放射され、観測対象からの反射信号はアンテナ1から受信され、合成開口レーダ装置2で合成開口処理され、画像化されて電波画像表示装置3で表示される。

【0019】
アンテナ1を合む合成開口レーダ装置2はコントローラ6により決められた距離の区間・速度で等速直線走行装置4のレール上を等速で走行する。また、アンテナ1を含む合成開口レーダ装置2の等速直線走行装置4内での速度は等速直線走行装置4内のセンサでモニタされコントローラ6を介して合成開口レーダ装置2に送られ合成開口処理のデータとして使用される。アンテナ1を含む合成開口レーダ装置2を載せた等速直線走行装置4は観測面に平行な面でレンジ方向の角度を変える角度位置設定装置5に載せられ、コントローラ6の設定する任意角度に向けられる。レンジ方向の角度位置は角度位置設定装置5内のセンサでモニタされ、コントローラ6を介して合成開口レーダ装置2に送られ電波画像化処理のデータとして使用される。

【0020】
次に、本発明の電波画像装置の動作原理について図2を参照して詳細に説明する。ここで、合成開口レーダ装置のアンテナ21の等速直線運動方向のアンテナビーム幅がθで、電波画像が観測面に平行な面内で角度位置θ~θ、距離Rまで必要であるとする。アンテナ21を含む合成開口レーダ装置22を載せた等速直線走行装置24はある角度位置θで、実開口ビーム幅Rθを高分解能化するために距離2Rθだけ等速直線走行して、その間に合成開口レーダ装置はデータを取得する。

【0021】
その後、角度位置設定装置25は前の角度位置θからアンテナビーム幅θ以下のθだけ回転して停止し、再びアンテナ21を含む合成開口レーダ装置22を載せた等速直線走行装置24は実開口ビーム幅Rθを高分解能化するために距離2Rθだけ等速直線走行して、その間に合成開口レーダ装置はデータを取得する。この操作を電波画像が必要な角度位置θまで繰り返す。これらの角度位置設定装置25の設定角度位置および各角度位置ごとの等速直線走行装置24上での速度はコントローラ26から指令される。

【0022】
逆にアンテナビームの角度位置は角度位置設定装置25内のセンサでモニタされ、等速直線走行装置24内での等速直線運動の速度は等速直線走行装置24内のセンサでモニタされ、コントローラ26を介して合成開口レーダ装置22に送られる。等速直線走行装置24内でモニタされた速度データを用いて、合成開口処理された(θ-θ)/θ回の電波画像28~29は、角度位置設定装置25内でモニタされた角度位置データをもとに合成開口レーダ装置22のマップ上で重ね合わされて、距離Rまで角度位置θ~θまでの覆域に再配置され、全覆域の高分解能電波画像が取得され電波画像表示装置23で表示される。

【0023】

【発明の効果】本発明によれば、合成開口レーダ装置のアンテナビーム幅がθで、電波画像を取得したい最大距離をR、電波画像を取得したい角度位置を観測面に平行な面内でθ~θとし、アンテナを含む合成開口レーダ装置の載った等速直線走行装置を、観測面に平行な面で回転する角度位置設定装置に載せ、角度位置θ~θまでアンテナビーム幅θ以下の角度θ毎に角度を変えていき、各設定角度でアンテナを含む合成開口レーダ装置をクロスレンジ方向に等速直線走行装置の上で、距離2Rθだけ等速直線運動させて合成開口処理することにより、各設定角度でのアンテナ実開口ビーム幅Rθ内の高分解能データを得ることができる。

【0024】
また、等速直線運動中のアンテナを含む合成開口レーダ装置の速度は等速直線走行装置内でモニタされて、この値は合成開口処理にデータとして用いられ、合成開口処理された(θ-θ)/θ回の電波画像は角度位置設定装置内でモニタされた角度位置データをもとに、合成開口レーダ装置のマップ上で重ね合わされて、距離Rまで角度位置θ~θまでの覆域に再配置されることにより、全覆域の実開口ビーム幅Rθより細かい高分解能電波画像が得られる。

【0025】
すなわち、合成開口レーダ装置を走行させる装置の小型化が図れ、通常の合成開口レーダ装置のように高分解能画像がほしい範囲だけ合成開口レーダ装置を等速直線運動をさせなければならない航空機および人工衛星のような大がかりな装置が不必要となった。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4