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明細書 :水中航走体引留装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第3068618号 (P3068618)
登録日 平成12年5月19日(2000.5.19)
発行日 平成12年7月24日(2000.7.24)
発明の名称または考案の名称 水中航走体引留装置
国際特許分類 B63C 11/48      
FI B63C 11/48 D
請求項の数または発明の数 1
全頁数 6
出願番号 特願平11-222494 (P1999-222494)
出願日 平成11年8月5日(1999.8.5)
審査請求日 平成11年8月5日(1999.8.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
発明者または考案者 【氏名】三上 宏幸
【氏名】花▲崎▼ 一郎
個別代理人の代理人 【識別番号】100069246、【弁理士】、【氏名又は名称】石川 新 (外1名)
審査官 【審査官】山内 康明
参考文献・文献 実開 平2-77197(JP,U)
調査した分野 B63C 11/00
B63C 11/48
B63G 8/42
要約 【課題】 水中航走体を投入・揚収するための水中航走体引留装置に関する。
【解決手段】 ガイド11に穿設された開口部18を通過して外部に突出させた引留金物21を具えた走行台車14、ガイド11内に収納され、走行台車11を中央部と船尾部の間で移動させる引張バネ、下端部が引留金物21に枢着されて倒立自在にされ、走行する走行台車14の移動に応じて、開口27から内部に導入された誘導線5を内部で自在に摺動させ、水中航走体1の重心点近傍の引出位置と開口27との間の誘導線5の長さを自在に調整できる外皮25を有する引留部26を設けるものとした。
特許請求の範囲 【請求項1】
誘導線を介して連結され、母船との間で情報の伝達を行いながら水中を航走させるようにした水中航走体を、前記母船から水中に投入するとき、若しくは水中から前記母船へ揚収するとき、前記母船の揚収位置近傍に引き留め、投入、揚収するための水中航走体引留装置において、前記水中航走体の外表面に沿って中央部から船尾部へ向けて敷設され、上方に開口部が穿設されたガイドと、前記ガイドの内部を自在に走行し、前記ガイドの開口部を介して外部に引留金物を突出させた走行台車と、前記ガイド内に収納され、前記誘導線に負荷される張力により船尾部へ移動した前記走行台車を、張力の低減時に中央部へ引き戻すように付勢する引張バネと、下端部が前記引留金物に枢着されて倒立自在にされ、枢着部の上方に開口が設けられ、前記誘導線が前記開口から内部に導入されて上端部へ貫通するとともに、導入された前記誘導線が内部を自在に摺動できるようにした外皮を備えた引留部とを設けたことを特徴とする水中航走体引留装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、母船から誘導線を介して送信される信号にもとずき、水中を航走させるようにした水中航走体を、母船から水中へ投入するとき、若しくは水中から母船へ揚収するとき、水中航走体を投入・揚収するためのクレーン等が設けられた母船の揚収位置近傍に引き留め、投入・揚収することができるとともに、水中航走体の航走時には、航走周辺の流れの影響を小さくして、水中航走体の航走性能を向上させ、さらには、水中航走体の高速化を達成できる水中航走体引留装置に関する。

【0002】

【従来の技術】母船との間に介装された誘導線により送信される信号にもとずき、水中を航走するとともに、航走時に水中で得られるデータを誘導線により、逆に母船に送信し、海底の状況を含む水中の状況を母船上で検出できるようにした水中航走体が従来から使用されている。また、このような水中航走体においては、水中への投入、揚収時、特に水中航走体を水中から母船へ揚収するとき、母船との間に介装された誘導線を利用して、水中航走体をクレーン等が設けられた母船の揚収位置近傍に引き留めるばかりでなく、クレーン等に設けた投入揚収装置を、水中航走体に設けた吊下部に自動的に接続させるようにして、投入揚収装置と吊下部との接続のための作業員の水中作業を必要とすることなく、水中航走体を水中から母船へ揚収できるようにしたものもある。

【0003】
図2は、このような母船2との間に誘導線5を介装した水中航走体1を水中に投入して、航走させている状態を示す全体図、図3は水中から水中航走体1を甲板上に揚収し、又は甲板上から水中航走体1を水中に投入している状態を示す図である。

【0004】
図に示すように、水中航走体1は母船2上に搭載されて航走海域まで移送された後、母船2の甲板6上に設置された、投入揚収装置としてのクレーン3の吊上げワイヤ7の先端に係着された吊下部としての投入揚収要具8に、水中航走体1の重心点の外表面上方に設けた引留部10が結合され、吊上げワイヤ7の巻出しにより、海面4上まで吊り下ろされて水中に投入された後、引留部10と投入揚収要具8との結合を解除した後、水中を航走し、水中航走体1に課されたミッションを達成するようにしている。

【0005】
この水中航走体1と母船2との間は、誘導線5で連結されており、水中航走体1の航走に応じて、換言すれば、水中航走体1の航走に応じて誘導線5に負荷される張力に対応して、クレーン3の基端部に設けたドラム9から誘導線5を巻き出しながら水中を航走し、ミッション達成に必要な水域、水深へ水中航走体1を航走させる。

【0006】
すなわち、この誘導線5によって、母船2から水中航走体1の航走に必要な制御信号等が水中航走体1へ伝達されるとともに、逆に、水中航走体1に設けたセンサ若しくはカメラ等により検出された水中の状況等の検出信号が母船2に伝達され、検出信号の一部、例えば、航走海域における水流の速度、方向を水中航走体1を航走させる制御信号にフィードバックすることにより、水中航走体1を正確にミッション達成に必要な水域、水深若しくは海底の近傍へ誘導して、水中航走体1に要求されているミッション、例えば、深い水深における海底の状況等を誘導線5を介して母船2へ伝送して検出する等、確実に達成させるようにしている。

【0007】
さらに、水中航走を終えた水中航走体1は、投入揚収要具8を通過させて水中航走体1に連結され、信号の授受を行うようにした誘導線5をドラム9で巻き取ることにより、クレーン3で吊下された投入揚収要具8の直下に移動させ、水中航走体1の引留部10を吊上げワイヤ7で降下させた投入揚収要具8に係合させた後、吊上げワイヤ7を巻き上げることによって、水中航走体1は、甲板6上に揚収することができる。

【0008】
上述したような水中航走体1の投入・揚収時には、水中航走体1の重心点近傍を吊り、投入・揚収することが望ましく、また上述したように、水中航走体1の引留部10から水中航走体1に連結される誘導線5が出るようにしておけば、投入揚収要具8の引留部10へのアクセスが誘導線5をガイドとして利用してなされるので容易になり、荒天時等においても、水中航走体1の投入・揚収作業を短時間で行うことができる。

【0009】
しかしながら、上述したように、上方から降下させる投入揚収要具8の引留部10へのアクセスを容易にするため、さらに、投入・揚収時の水中航走体1の吊下げ状態を好ましい姿勢で行うために、引留部10を水中航走体1の重心点直上の外表面に設置するようにすると、母船2と連結される誘導線5は、航走時において、図2に示すように水中航走体1の背中から水中へ出る形となり、水中航走体1の航走時に水中航走体1の外周辺を流れる水流の影響を強く受け、運動性能、特に、ピッチング運動及び旋回性能に悪影響を及ぼすようになるとともに、水中航走体1の航走時に抵抗が増加して、水中航走体1の高速化が阻害され、ミッション達成に長時間要するようになるという不具合がある。

【0010】
この不具合を解消して、運動性能を向上させ、また抵抗を低減するには、母船2と水中航走体1と間に介装される誘導線5を重心点近傍の背中からではなく、水中航走体1の船尾部から水中に出すようにすることが望ましく、このように、船尾部から誘導線5を水中に引き出すようにした水中航走体も開発されている。

【0011】
しかしながら、このように、誘導線5を水中航走体1の船尾部から外部に出すようにすると、水中航走体1から水中に引き出される誘導線5が水中航走体1から出る位置は、固定された特定位置からしかできないため、上述した説明から明らかなように、投入揚収要具8の水中航走体1の吊り下げに最も好ましい、重心点近傍の直上に設ける引留部10へのアクセスが、誘導線5をガイドにして行うことができなくなり、投入揚収要具8と引留部10との係合が困難になるという、新たな不具合が発生する。

【0012】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したように、水中航走体の航走安定性の向上等と投入・揚収の簡易化の両立が困難であるという、従来の水中航走体引留装置の不具合を解消するため、水中航走体の投入・揚収時においては、誘導線の巻き取りにより、水中航走体の重心点近傍に設けた水中航走体を吊り下げるための引留部を、クレーンから吊下げた吊上げワイヤの下端に繋着した投入揚収要具等の直下に位置するように、誘導線を利用して水中航走体を移動させることができるようにして、投入・揚収が容易にできるとともに、水中航走体の航走時には、誘導線は水中航走体の尾部から水中に引き出されるようにし、誘導線に作用する流体力を低減して、水中航走体の航走時の運動性能、特に、ピッチング運動及び旋回性能を向上させることができるとともに、航走時の抵抗を低減して、水中航走体の航走速度を増大させることのできる水中航走体引留装置を提供することを課題とする。

【0013】

【課題を解決するための手段】このため、本発明の水中航走体引留装置は、次の手段とした。

【0014】
(1)水中を航走し、航走時に情報の伝達を行うために母船との間に介装された、誘導線が連結された水中航走体の外表面に沿って、水中航走体の重心点近傍の中央部から船尾部に向う水中航走体の船長方向に敷設され、上方に船長方向に連続する開口部が穿設されたガイドを設けた。なお、ガイドは断面形状が方形にされ、敷設された水中航走体の船長方向のどの位置でも、頂端部になる位置に中央部から船尾部にかけて連続した開口部を穿設したものにするとともに船長方向の先端部、特に、水中航走体の重心点近傍では、水中航走体の上端部に敷設することが望ましく、また、船長方向の先端部と後端部にストッパを設けることが望ましい。さらに、ガイドは水中航走体が吊下されたとき、水中航走体の重量に耐える強度を有するとともに、航走時の水中航走体周辺の流れの影響を小さくできる形状のものにすることが望ましい。

【0015】
(2)ガイドの底部を走行する車輪等を設けて、ガイドの内部を水中航走体の中央部から船尾部にかけて自在に走行するとともに、ガイドに穿設された開口部を通して外部に突出し、水中航走体の中央部から船尾部に向う船長方向に自在に移動する引留金物を有する走行台車を設けた。

【0016】
(3)ガイド内の船長方向先端部に収納され、母船との間に連結された誘導線に水中航走体の航走時に負荷される張力がかかる時伸長して、走行台車を船尾部へ移動させることができるとともに、水中航走体の航走終了等により、誘導線に負荷される張力の低減した時には、収縮して、船尾部へ移動した走行台車を中央部へ引き戻すことのできる引張バネを設けた。

【0017】
(4)下端部が走行台車の引留金物に水平ピンで枢着されて倒立自在にされ、航走時には、水中航走体の後端部から引き出され、母船との間に連結される誘導線が、引留金物との枢着部の上方の開口から内部に導入され貫通して、上端部から引き出されて母船に連結されるようにするとともに、内部に導入された誘導線が内部を自在に摺動して、水中航走体の重心点近傍から引き出され、開口から内部に導入される誘導線の長さを、ガイドの内部を水中航走体の中央部から船尾部にかけて自在に走行する走行台車の引留金物の移動に応じて、船長方向に移動する開口の動きに追従して、自在に調整できるようにした外皮を備えた引留部を設けた。

【0018】
なお、引留部は、ガイドと同様に、水中航走体が吊下されたとき、水中航走体の重量に耐える強度を有するとともに、航走時の水中航走体周辺の流れの影響を小さくできる形状にすることが望ましい。また、引留部には、クレーン等から吊下げられ、水中航走体を吊下げる吊上げワイヤの下端に繋着された投入揚収装置要具等と自動的に係合、離脱させることのできる係合部を外皮の外周に設けることが望ましい。但し、この係合部は、引留部の倒立自在の動きを阻害しないようにするとともに、航走時の水中航走体周辺の流れの影響を小さくできる形状のものにするものが望ましい。

【0019】
このように、本発明の水中航走体引留装置によれば、上述の構成にされているので、航走終了した水中航走体を誘導線のドラムへの巻き込みにより、母船の揚収位置近傍にまで引き寄せ、引き留めて、誘導線の誘導により、クレーン等から吊り下ろされた投入揚収要具を引留部に係合させた後、クレーン等により水中航走体の重心点近傍を吊下げて揚収することができる。また、クレーン等から吊下げる吊上げワイヤに繋着された投入揚収要具と自動的に係合、離脱させることのできる係合部を引留部に設けるようにすれば、水中航走体の投入、揚収作業を容易にすることができる。

【0020】
さらに、水中航走体を誘導線のドラムへの巻き込みにより、母船の揚収位置近傍にまで引き寄せ、クレーン等により重心点近傍を吊下げ揚収することができるようにするために、水中航走体の重心点近傍から外表面に直交するように突出され、航走時の航走安定性を悪化させるとともに、抵抗増大の原因となっていた引留部が、水中航走体の航走時、換言すれば、誘導線に流体力が生じ張力が発生する時、この誘導線の張力により倒伏し、水中航走体の外表面と平行状態になって、水中航走体から引き出され、引留部の開口から外皮内に導入されている誘導線を繰り出しながら船尾部へ移動して、誘導線を水中航走体の船尾部から水中に引き出した状態で、母船に連結することができるようになる。

【0021】
また、水中航走体の重心点近傍から誘導線を水中へ引き出すようにしていたため、重心点近傍の外表面に突出する誘導線および引留部に生じる水中航走体周辺の外部流に起因して悪化していた、航走時の航走安定性が改善され、水中航走体の航走安定性が向上するとともに、誘導線および引留部による抵抗増大を低減することができ、水中航走体の航走速度を向上させることができる。

【0022】

【発明の実施の形態】以下、本発明の水中航走体引留装置の実施の一形態を図面にもとづき説明する。図1は、本発明の水中航走体引留装置の実施の第1形態を示す、一部断面図で示す側面図である。なお、図2,図3で示す部材と同一部材、もしくは類似の部材には、同一符号を付して詳細説明は省略する。

【0023】
図において、11は水中航走体1の重心点12の前方から水中航走体1の船尾部にかけて、水中航走体1の外表面に固着されたレール17上に底部が固着されて、水中航走体1の船長方向に敷設されたガイドである。ガイド11は、略方形の断面形状にされ、重心点12の近傍では水中航走体1の頂端部、すなわち背中側に敷設されるとともに、船尾部では水中航走体1の側部から船尾後方に若干突出するように敷設されている。

【0024】
このガイド11は、水中航走体1が吊下されたとき、水中航走体1の重量に耐える強度を有するものにするとともに、航走時の水中航走体1の周辺を流れる流れの影響を小さくできる形状のものにすることが望ましい。

【0025】
また、水中航走体1の背中側に敷設されたガイド11の水中航走体1の重心点12より前方には、収縮された引張バネを収容できる区画が形成されるとともに、走行台車14が走行する走行区画が水中航走体1の重心点12と船尾部にかけて形成されている。

【0026】
また、ガイド11には、走行台車14の前方ストッパ15および後方ストッパ16が設けられている。また、ガイド11の前方ストッパ15から後方ストッパ16の間には、水中航走体1の船長方向のどの位置でも、上端に開口するようにした開口部18が連続して穿設されている。

【0027】
次に、ガイド11内を移動する走行台車14は、レール17上を走行する前後の左右に設けた4個のローラ19、ローラ19に支持された台車20、台車20の中央部を上下に貫通し、下端部が螺止めされて連結され、ガイド11の開口部18を通過してガイド11の外側に突出して、上端部に水平ピン23で引留部26の下端を枢着するようにした引留金物21とからなる。下端部が台車20に連結された引留金物21は、台車20を貫通する部分に設けたブッシュ25内で水平まわりに滑らかに回動できるようにしている。

【0028】
さらに、走行台車14の先端部には、先端部がガイド11の先端壁に繋着された引張バネの後端部が連結されている。この引張バネは、走行台車14が重心点12近傍の水中航走体1の投入・揚収位置にあるときは収縮して、上述したように、重心点より前方に区画されたガイド11内に収納されるとともに、走行台車14が船尾部まで移動したときには、走行台車14の移動に追従して伸長する。

【0029】
次に、走行台車14の引留金物21の上端部と下端部が水平ピン23で枢着され、倒立自在にされて、走行台車14の移動に追従して船長方向に自在に移動する引留部26は、下端部に枢着される走行台車14の引留金物21を挿入した状態で水平ピン23で枢着され、倒立自在にされるとともに、水中航走体1から引き出される誘導線5を、枢着部に近い下端部に設けた開口27から内部に導入させ、摺動自在に貫通させて上端から引き出せるようにした外皮25とからなる。

【0030】
この引留部26は、ガイド11、および引留金物21と同様に、水中航走体1が吊下されたとき、水中航走体1の重量に耐える強度を有するとともに、航走時の水中航走体周辺の流れの影響を小さくできる形状にすることが望ましい。また、引留部26には、クレーン3等から吊下げられ、水中航走体1を吊下げる吊上げワイヤ7の下端に繋着された投入揚収要具8と自動的に係合、離脱させることのできる係合部24を外皮25の外周に設けるようにした。さらに、引留部26は、走行台車14の台車20を貫通する部分に設けたブッシュ22により、引留金物21との水平ピン23による枢着により鉛直面の倒伏に加えて、水平面の旋回が可能にされている。

【0031】
このように、本実施の形態の水中航走体引留装置によれば、上述の構成にされているので、航走終了した水中航走体1を誘導線5の巻き込みにより、誘導線5をガイドにして揚収位置近傍にまで引き寄せ、クレーン3等により水中航走体1の重心点近傍を吊下げて揚収することができる。また、クレーン等から吊下げる吊上げワイヤ7に繋着された投入揚収要具8と自動的に係合、離脱させることのできる係合部24を設けているので、水中航走体1の投入・揚収作業を容易にすることができる。

【0032】
さらに、水中航走体1の重心点12近傍から外表面に突出された引留部26が、水中航走体1の航走時、誘導線5にかかる張力により倒伏し、水中航走体1の外表面と平行状態になって、水中航走体1から誘導線5が引き出され引留部26の開口27から外皮25内に導入されている誘導線5を繰り出しながら船尾部へ移動して、水中航走体1の船尾部から水中に引き出されて、母船2に連結することができるようになり、従来、水中航走体1の重心点12近傍から誘導線5を水中へ引き出すようにしていたため、重心点12近傍の外表面に突出する誘導線5および引留部26により生じる水中航走体周辺の外部流の作用により悪化していた、航走時の航走安定性が改善され、水中航走体1の航走安定性が向上するとともに、誘導線5および引留部26による抵抗増大を低減することができ、水中航走体1の航走速度を向上させることができる。

【0033】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の水中航走体引留装置によれば、水中航走体の外表面に沿って、水中航走体の重心点近傍の中央部から船尾部にかけて、水中航走体の船長方向に敷設され、船長方向に連続させた開口部が穿設されたガイド、ガイドの内部を水中航走体の中央部から船尾部にかけて自在に走行するとともに、ガイドに穿設された開口部を通過して外部に突出した引留金物を具えた走行台車、ガイド内先端部に収納され、母船との間に連結された誘導線に負荷される張力によって伸長して、走行台車を船尾部へ移動させ、誘導線に負荷される張力の低減時に収縮して、船尾部へ移動した走行台車を中央部へ引き戻す引張バネ、下端部が引留金物に枢着されて倒立自在にされ、水中航走体の中央部から船尾部にかけて走行する走行台車の引留金物の移動に応じて、引留金物との枢着部の上方の開口から内部に導入され、母船に連結される誘導線が内部を自在に摺動して、水中航走体の重心点近傍の引出位置と開口との間の誘導線の長さを自在に調整できる外皮を有する引留部とを設けるものとした。

【0034】
本発明の水中航走体引留装置によれば、航走終了した水中航走体を誘導線の巻き込みにより、母船の揚収位置近傍にまで引き寄せ、クレーン等により水中航走体の重心点近傍を吊下げて揚収することができる。さらに、水中航走体の重心点近傍から外表面に突出された引留部が、水中航走体の航走時、誘導線に生じる張力により倒伏して水中航走体の外表面と平行状態になるとともに、船尾部に移動して、誘導線が船尾部から水中に繰り出されて母船に連結するようになるために、水中航走体の重心点近傍から外表面に突出する誘導線および引留部に生じる外部流に起因して悪化していた、航走時の航走安定性が改善され、3次元旋回性能に優れるものになるとともに、誘導線および引留部による抵抗増大を低減することができ、水中航走体の航走速度が向上する。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2