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明細書 :防護衣服

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3635320号 (P3635320)
公開番号 特開2001-200409 (P2001-200409A)
登録日 平成17年1月14日(2005.1.14)
発行日 平成17年4月6日(2005.4.6)
公開日 平成13年7月27日(2001.7.27)
発明の名称または考案の名称 防護衣服
国際特許分類 A41D 13/02      
A41D 27/00      
A41D 31/00      
A62B 17/00      
FI A41D 13/02 Z
A41D 27/00 A
A41D 31/00 501L
A62B 17/00
請求項の数または発明の数 1
全頁数 6
出願番号 特願平11-357736 (P1999-357736)
出願日 平成11年12月16日(1999.12.16)
優先権出願番号 1999322954
優先日 平成11年11月12日(1999.11.12)
優先権主張国 日本国(JP)
審判番号 不服 2002-015130(P2002-015130/J1)
審査請求日 平成11年12月16日(1999.12.16)
審判請求日 平成14年8月8日(2002.8.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
発明者または考案者 【氏名】横田 吉博
【氏名】春川 順市
【氏名】渡辺 富雄
【氏名】猪狩 史人
個別代理人の代理人 【識別番号】100067323、【弁理士】、【氏名又は名称】西村 教光
参考文献・文献 特開昭47-6219(JP,A)
実開平6-47896(JP,U)
実開昭63-50292(JP,U)
実開平6-53395(JP,U)
実開昭61-51808(JP,U)
調査した分野 A41D 13/00,27/00,31/00
A62B 27/00
B63C 11/00
A61F 5/453
特許請求の範囲 【請求項1】
身体への固定用布、該固定用布に連結した排尿袋、及び該排尿袋に取付けた排尿ホースを備える装着式排尿具と、
前記排尿ホースを貫通させる衣服の表地側及び裏地側の貫通孔部分に添着されるシール部材、及び表地側に添着されて該排尿ホースの先端部を収納保護する収納ポケットを備えた衣服より構成され、前記排尿ホースの先端部は前記収納ポケットから取り出して排尿・排出するようになり、その後収納ポケットに納めるように構成され、前記排尿ホースの先端部に外気流入防止機構を設けたことを特徴とする防護衣服。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農薬を散布する際、若しくは、化学薬品の製造及びその使用時に、有機リン系化合物等の有毒な化学薬品や、皮膚への吸収性が高く人体に悪影響を及ぼす有害物質を取扱う際、作業者を保護する衣服を着用したままで身体を外部環境に露出することなく安全に排尿でき、同時に排出も可能な、排尿具と衣服が一体になった防護衣服に関するものである。本発明の防護衣服を着用すれば、作業環境下に充満する有害物質が防護衣服内部に侵入することがなく、気密性を維持したままで排尿し且つ防護衣服の外部に排出することができるので、この様な作業従事者用の防護衣服として極めて有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来の排尿具としては、臨床領域で疾病患者や寝たきりの療養者を対象にしたもの、或いは、レジャー等で乗物に長時間拘束される人を対象にした臨時の携帯品等が一般的である。その他には、水中用衣服を対象にしたものが提供されているが、人体に有害な物質が存在する作業環境下で、作業者を防護する衣服を長時間着用したまま安全に排尿でき、同時に排出も可能な防護衣服は未だ提供されていない。
即ち、従来の排尿具や防護衣服を、上述した様な気密性の要求される環境下で使用すると種々の不都合を生じる。
【0003】
例えば、実開平5-21937号や特公昭61-43063号には、寝たきりの療養者等を対象とした、装着容易で排尿処理を確実に行える排尿器が開示されている。これらは、いずれも採尿管を介して尿を受尿容器に回収するものであるから、有害な化学薬品が充満している環境下で使用する為の必須条件である「防護衣服を着用したまま排尿する」ことが出来ないという問題がある。
【0004】
また、実開昭63-50292号や実開平4-60220号には、家庭向けリハビリ介護を対象とした、尿を貯めるタンクや袋等の容器を備えた排尿器が提案されている。これらの排尿器は、衣服の内側に上記容器を取付けて使用するので、衣服を着用したまま排尿が可能であるが、排尿後は容器に尿が貯まったままなので適切な時期に該容器を取り外して処理する必要がある。その為、作業が一旦中断して作業に支障が生じたり、取り外し時に容器が破損する恐れもある。
【0005】
更に実開昭59-47616号や実開昭60-32319号は、つなぎ衣服や漁夫用防水衣に関し、ズボン等の衣服を着用したまま用意に排尿し得る構成を採用している。しかし、これらの衣服は、排尿時に陰茎部を露出することを想定している為、気密性が要求される上記環境下に適用することはできない。
その他、おむつ状の排尿具も種々提案されているが、嵩高な為、装着中常に違和感があると共に、排尿後の尿が身体に接触しているので衛生上問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする問題】
本発明は上記事情に着目して成されたものであり、その目的は、有害化学薬品等を取扱う作業者が、衣服を着用したまま、しかも身体を外部に露出することなく安全に且つ作業効率を低下させずに排尿もでき、同時に排出も可能な新規な防護衣服を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し得た本発明の防護衣服とは、
身体への固定用布1、該固定用布1に連結した排尿袋2、及び該排尿袋2に取付けた排尿ホース3を備える装着式排尿具と、
上記排尿ホース3を貫通させる部分に添着されるシール部材4、及び表地側に添着されて該排尿ホース3の先端部を収納保護する収納ポケット5を備えた衣服より構成され、上記排尿ホース3の先端部は上記収納ポケット5から取り出して排尿・排出するようになり、その後収納ポケット5に納めるようにするものであるところに要旨を有する。
【0008】
尚、一層優れた気密性・防護性を得る為には、上記シール部分4は、衣服の表地側及び裏地側に夫々添着された構造を採用することが推奨される。
また、排尿ホースの先端部には、外気流入防止機構(逆止弁7)が設けられていることが好ましく、これにより、化学物質等の身体への侵入を確実に防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
前述の如く、本発明者らは、有害物質を取扱う作業従事者の身体を保護するという観点から、気密性を維持したまま排尿でき、同時に排出も可能な防護衣服を提供すべく鋭意検討した。その結果、装着式排尿具に取付けられた排尿ホースが、外気の侵入を防止し得るシール部材が添着された衣服の通過孔に貫通する構成からなる防護衣服を着用すれば、気密性を維持したまま、安全に排尿でき同時に外部への排出も可能であることを見出し、本発明を完成したのである。
【0010】
後述する実施例に相当する図1及び図2を参照する。
本発明の防護衣服は前述した通り、
身体への固定用布1、該固定用布1に連結した排尿袋2、及び該排尿袋2に取付けた排尿ホース3を備える装着式排尿具と、
上記排尿ホース3を貫通させる部分に添着されるシール部材4、及び表地側に添着されて該排尿ホース3の先端部を収納保護する収納ポケット5を備えた衣服より構成されている。
【0011】
まず、本発明の防護衣服を構成する装着式排尿具について説明する。
この排尿具は、身体に直接装着できる固定用布1、排尿袋2、及び排尿ホース3を備えるものである。
このうち固定用布1の形状は、着用者の体型に応じてウエスト周囲を調節できるという観点から、おむつ型が好ましい。また、上記固定用布1及び排尿袋2に使用し得る材料としては、作業中に破損せず排尿時にも尿が漏洩しない様な適度な強度と気密性を有するものであれば特に限定されないが、着用感やフィット性を考慮する必要がある。
【0012】
また、排尿袋2には排尿ホース3が取付けられているが、この排尿ホース3の先端部分には、外部環境下にある化学物質等の流入を完全に防止できる様、外気流入防止機構(逆止弁7)が設けられていることが好ましい。
上記排尿ホース3、及び衣服に添着されるシール部材4(後記する)は、有害な化学物質に曝される恐れも若干ある為、或る程度の耐薬品性を有すると共に、比較的自由度が高く変形自在で、且つ加工性の良好な素材を使用することが要求される。
更に、これら素材の肉厚及び管径についても、気密性や着用性を考慮して制御することが好ましい。
【0013】
次に、本発明の防護衣服を構成する衣服について説明する。この衣服には、上記排尿ホース3を貫通させる部分に添着されるシール部材4、及び表地側に添着されて排尿ホース3の先端部を収納保護する収納ポケット5が備えられている。
上記衣服には、前記装着式排尿具に取付けられた排尿ホース3が貫通する孔が設けられており、その内側に、排尿ホース3が外気に接触しない様シールするためのシール部材4が添着されている。尚、シール部材4において排尿ホース3を貫通させる為には、十字の切れ目を施す等し、できるだけ外部との気密性を確保し得る様にすることが推奨される。また、シール部材4における排尿ホース3の通過孔部分は、気密性保持を目的として、シール性の高い素材で構成されることが好ましい。更に、上記シール部材4は、身体への有害物質の漏洩を完全に防止する為、衣服の表地側及び裏地側に夫々添着された構造にすることが推奨される。このうち、裏地側に添着されたシール部材4は、表地側に添着されたシール部材4と同じ高さに添着するのではなく、若干位置をずらすことが好ましい。この様な構成にすれば、万が一、表地側に添着されたシール部材4から有毒物質が漏れて内部へ侵入したとしても、その奥側に添着されたシール部材4により、それ以上内部への侵入を防止することができる結果、身体への化学物質の侵入を確実に防止できる。尚、これらのシール部材4は、表地側及び裏地側の内側、外側のいずれに添着されていても構わない。
【0014】
更に上記衣服には、上記排尿ホース3の先端部を収納保護する収納ポケット5が設置されており、これにより、排尿ホース3のみならずシール部材4を保護することができる。
尚、上記衣服の素材としては、液状若しくはガス状の有毒化学物質を浸透させないゴム曳き布の他、実公平2-11091号に記載の防護衣用材(外層布と、繊維状活性炭布を中間層に含む内層布との積層構成を有する材料)等も用いることができる。また、衣服の形状は、上衣とズボンからなるツーピースであっても良いし、或いは繋ぎ腹のようなワンピースでも構わない。
【0015】
上記衣服に前記装着式排尿具を取付ける位置としては、大腿部の内側及び外側、膝下部分等が挙げられるが、操作性や、外的衝撃等から排尿ホース3等を保護する観点からすれば、大腿部内側部分に取付けるのが好ましい。
【0016】
以下実施の形態に基づいて本発明を詳述する。ただし、下記実施の形態は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術範囲に包含される。
【0017】
【実施例】
以下、衣服の形状をズボンにした場合における本発明の一実施態様を図1及び図2に示し、これらの図を用いて本発明防護衣服を着用する方法について説明する。このうち図1は、上記防護衣服を装着したときの斜視図及び透視図であり、図2は、図1のA-A’断面図である。尚、図2のシール部材4は、衣服の表地側の内側及び裏地側の外側に夫々添着された構造を有している。
【0018】
先ず、作業従事者は、排尿袋2および排尿ホース3が一体となった固定用布1を装着する。この実施例において、排尿袋2は陰茎挿入袋とされている。
【0019】
次に、作業上着を着用すると共に、排尿ホース3が貫通する通過孔を有する防護用ズボン6を着用する。排尿ホース3が貫通する部分には、有害物質の侵入を防止する目的で、シール部材4が添着されている。このズボンを着用する際には、予め排尿ホース3の先端部に設置された逆止弁7を外しておき、図2に示す様に排尿ホースをシール部材4の通過孔に通してから逆止弁7をホース先端に取付け、その後、収納ポケット5に納める。上記ズボンには、図1に示す通り、作業従事者が排尿ホースの先端部を容易に取出せる位置、即ち、股の内側上部等に排尿ホース3の取出し部分が設けられているので排尿を容易に行うことができる。
【0020】
排尿する際には、作業従事者は、収納ポケット5から排尿ホース3を取出し、速やかに排尿・排出すればよい。排尿後は、排尿ホース3の先端を速やかに収納ポケットに納める。従って、本発明の防護衣服を用いれば、有害な物質等が存在する環境下で作業する際にも、安全に排尿し、且つ排出することができる
【0021】
【発明の効果】
本発明の防護衣服は上記の様に構成されており、排尿具と衣服が一体構造になっているので、以下のような効果を奏する。
先ず、防護衣服を着用したまま排尿し、且つ排出もできるので、作業効率が向上し、生理的負担及び精神的ストレスを著しく軽減することができる。
また、排尿ホースやシール部材の材質等を適正化することにより、外部との遮断性に極めて優れた防護衣服を提供できるので、排尿時に、排尿ホースを外部に取出して排尿したとしても、気密性が保持されたままである。
【0022】
更に排尿ホースの先端部分を収納保護する収納ポケットが設置されているので、防護性を一層向上することができる。
従って、本発明の防護衣服は、有害な化学物質等を取扱う作業従事者用防護衣服として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図及び透視図である。
【図2】図1のA-A’断面図である。
【符号の説明】
1 固定用布
2 排尿袋
3 排尿ホース
4 シール部材
5 収納ポケット
6 防護ズボン
7 逆止弁
図面
【図1】
0
【図2】
1