TOP > 国内特許検索 > 目標追尾装置 > 明細書

明細書 :目標追尾装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3111218号 (P3111218)
公開番号 特開平11-183620 (P1999-183620A)
登録日 平成12年9月22日(2000.9.22)
発行日 平成12年11月20日(2000.11.20)
公開日 平成11年7月9日(1999.7.9)
発明の名称または考案の名称 目標追尾装置
国際特許分類 G01S 17/66      
FI G01S 17/66
請求項の数または発明の数 3
全頁数 6
出願番号 特願平09-346366 (P1997-346366)
出願日 平成9年12月16日(1997.12.16)
審査請求日 平成9年12月16日(1997.12.16)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
発明者または考案者 【氏名】杉井 正克
【氏名】長南 隆夫
【氏名】原崎 亜紀子
【氏名】福山 義幸
【氏名】後藤 祐一郎
【氏名】大下 正純
個別代理人の代理人 【識別番号】100058479、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
審査官 【審査官】松下 公一
参考文献・文献 特開 昭58-175800(JP,A)
特開 昭58-19572(JP,A)
特開 平3-264884(JP,A)
特開 昭58-147668(JP,A)
調査した分野 G01S 7/48 - 7/51
G01S 17/00 - 17/95
G01S 3/782
特許請求の範囲 【請求項1】
レーザビームを出射するパルスレーザ装置と、
前記レーザビームの波長域に感度を有する撮像装置と、
前記パルスレーザ装置及び撮像装置の各指向方向を一致させ、両装置を指向制御信号に応じて適宜指向させる指向装置と、
前記撮像装置の撮像時に、前記レーザビームの指向方向における背景までの距離情報を取得する背景距離情報取得手段と、
この手段で得られた背景距離情報に基づいて前記撮像装置の感光タイミングを制御し、背景からのエコー成分を除去して目標エコーのみが得られるようにする感光タイミング制御手段と、
前記撮像装置で得られる撮像信号から目標画像を抽出し、その中心に前記レーザビームを向けるための指向制御信号を生成して前記指向装置に送出する信号処理手段とを具備することを特徴とする目標追尾装置。

【請求項2】
前記背景距離情報取得手段は、前記レーザビームのエコーを受信するレーザ受信器と、前記レーザビーム送信タイミングでカウントを開始し、前記レーザ受信器で得られるエコー受信タイミングのカウント値を距離情報として出力するカウンタとを備えることを特徴とする請求項1に記載の目標追尾装置。

【請求項3】
高度計の高度情報及び慣性航法装置の機体姿勢情報に基づいて飛翔する飛翔体搭載時において、前記背景距離情報取得手段は、前記高度計の高度情報及び慣性航法装置の機体姿勢情報及び前記信号処理手段で得られる指向制御信号中の角度情報から背景距離情報を算出する計算回路を備えることを特徴とする請求項1に記載の目標追尾装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば航空機等の飛翔体に搭載され、目標を捕捉追尾する目標追尾装置に関する。

【0002】

【従来の技術】従来、航空機に搭載される目標追尾装置として用いられているものは、赤外線撮像カメラで目標の赤外線画像を得てその画像上の位置情報で目標を追尾する方式である。しかしながら、この方式の場合には、目標と背景との温度差が小さく、背景内の温度分布が大きいと、目標と背景との区別が困難になり、目標を安定して検出することができなくなる。

【0003】

【発明が解決しようとする課題】以上述べたように従来の目標追尾装置では、目標と背景との温度差が小さく、背景内の温度分布が大きい場合は、目標を安定して検出することができないことがあるといった問題点がある。本発明は、上記の問題点を解決し、目標を安定して検出し追尾する目標追尾装置を提供することを目的とする。

【0004】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために本発明は、以下のように構成される。
(1)レーザビームを出射するパルスレーザ装置と、前記レーザビームの波長域に感度を有する撮像装置と、前記パルスレーザ装置及び撮像装置の各指向方向を一致させ、両装置を指向制御信号に応じて適宜指向させる指向装置と、前記撮像装置の撮像時に、前記レーザビームの指向方向における背景までの距離情報を取得する背景距離情報取得手段と、この手段で得られた背景距離情報に基づいて前記撮像装置の感光タイミングを制御し、背景からのエコー成分を除去して目標エコーのみが得られるようにする感光タイミング制御手段と、前記撮像装置で得られる撮像信号から目標画像を抽出し、その中心に前記レーザビームを向けるための指向制御信号を生成して前記指向装置に送出する信号処理手段とを具備して構成される。

【0005】
(2)(1)の構成において、前記背景距離情報取得手段は、前記レーザビームのエコーを受信するレーザ受信器と、前記レーザビーム送信タイミングでカウントを開始し、前記レーザ受信器で得られるエコー受信タイミングのカウント値を距離情報として出力するカウンタとを備える構成とする。

【0006】
(3)(1)の構成において、高度計の高度情報及び慣性航法装置の機体姿勢情報に基づいて飛翔する飛翔体搭載時には、前記背景距離情報取得手段は、前記高度計の高度情報及び慣性航法装置の機体姿勢情報及び前記信号処理手段で得られる指向制御信号中の角度情報から背景距離情報を算出する計算回路を備える構成とする。

【0007】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る目標追尾装置の基本構成を示すものである。図1において、1はレーザビームを出射するパルスレーザ装置、2はレーザビームの波長域に感度を有する撮像装置であり、これらの装置1,2は互いに指向方向が同一になるように固定され、例えば図2に示すような指向装置3に取り付けられる。

【0008】
この指向装置3は、基台31上にプラットホーム32を回転自在に配置し、このプラットホーム3の一対のアーム間に上記パルスレーザ装置1及び撮像装置2を回転自在に取り付けることで、パルスレーザ装置1及び撮像装置2を半球面内で指向制御信号に応じて自在に指向させることができるようにしたものである。

【0009】
一方、背景距離情報取得部4は、パルスレーザ装置1の指向方向の背景(地面、海面等)までの距離情報を求めるもので、ここで得られた距離情報は感光タイミング制御部5に送られる。

【0010】
この感光タイミング制御部5は、背景からのエコー成分を除去して目標エコーのみが得られるように、背景距離情報取得部4からの背景距離情報に基づいて撮像装置2の感光タイミングを制御するものである。

【0011】
撮像装置2の出力は信号処理部6に供給される。この信号処理部6は撮像信号からクラッタ成分を除去して目標画像を抽出し、その中心にレーザビームを向けるための指向制御信号を生成するもので、この指向制御信号は指向装置3に送られる。

【0012】
上記背景距離情報取得部4は、例えば図3に示すように、レーザ受信器41とカウンタ42を用いて構成される。レーザ受信器41は、パルスレーザ装置1に対して指向方向が同一となるように装着され、レーザビームのエコー受信時にエコー受信タイミング信号を出力する。このエコー受信タイミング信号は、パルスレーザ装置1で得られるレーザビーム出射タイミング信号と共にカウンタ42に供給される。

【0013】
このカウンタ42はレーザビーム出射タイミングからクロックをカウントし始め、レーザビーム受信タイミング毎にそのカウント値を背景距離情報として感光タイミング制御部5に通知する。

【0014】
上記構成において、図4及び図5を参照してその動作を説明する。図4は本装置が使用される状況を示すもので、Aは本装置、Bは目標とするヘリコプター、Cは背景となる山を表している。いま、本装置Aのパルスレーザ装置1から出射されるレーザビームがヘリコプターBに向けられたとすると、撮像装置2には、ヘリコプターBからのエコー以外に山Cからのエコーも入射される。

【0015】
このとき、レーザ受信器41は、ヘリコプターBからのエコーと山Cからのエコーを受信し、それぞれの受信タイミングでタイミング信号を出力する。このときの反射光強度の変化の様子を図5に示す。

【0016】
カウンタ42は、パルスレーザ装置1からのレーザビーム出射タイミングからカウントを開始し、レーザ受信器41からエコー受信タイミング信号が入力される毎にそのカウント値を感光タイミング制御部5に送出する。

【0017】
感光タイミング制御部5は、入力カウント値のうちの最小値を目標からのエコーとみなして有効、それ以降のカウント値を背景からのエコーとみなして無視し、目標からのエコーが受信される期間のみ感光されるように撮像装置2の感光タイミングを制御する。

【0018】
すなわち、図4に示すような状況下で飛翔中のヘリコプターBを検出する場合、背景までの距離が判っていれば、光の速度cは既知(約3×108 m/s)であるから、背景までの距離をr[km]とすると、レーザビームを出射してから反射光が受信されるまでの時間τ[s]は次式で計算できる。
τ=2・r/c
図3に示す構成の場合に、背景(山等)までの距離を抽出するには、レーザ受信器41からの出力信号が図5に示すように目標からのエコーと背景からのエコーとでタイミングが異なることに着目し、例えば時刻0[s]から検出される2つ目のパルスまでの時間をカウンタで計測すればよい。

【0019】
図4に示すような状況下では、レーザビームの照射タイミングを時刻0[s]とすると、例えば時刻0[s]からτ[s]までの間は撮像装置を感光状態にしておき、τ[s]以上では感光しないように撮像装置の感光タイミングを制御することで、背景からの反射光は撮像しないようにすることができる。

【0020】
このため、撮像装置2の撮像画面には、背景の山Cは撮像されず、目標となるヘリコプターBからのエコーのみが撮像される。よって、信号処理部6では、背景からの雑音が抑圧されているので、確実に目標画像を抽出することができるようになり、指向装置3を通じてレーザビームをヘリコプターBに照射し続けることができるようになる。

【0021】
したがって、上記構成による目標追尾装置は、従来の目標追尾装置に比べて目標と背景との温度差が小さく、背景内の温度分布が大きい場合でも、目標を安定して検出し追尾することができる。

【0022】
図6は本発明に係る目標追尾装置の他の実施形態の構成を示すものである。但し、図6において図3と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。

【0023】
この目標追尾装置の特徴とするところは、前述の背景距離情報取得部4の構成として、本装置の搭載機が備える慣性航法装置7及び高度計8で得られる機体姿勢角情報及び高度情報と、指向装置3で得られるレーザビーム指向情報と、信号処理部6で得られる目標追尾情報から背景距離を計算する背景距離計算回路43を備えるようにしたことにある。

【0024】
この構成の場合の背景までの距離の抽出方法について、図7を参照して以下に説明する。尚、この方法では、「地表面は平坦で海面高度は一定」との仮定に基づいての距離を計算する。レーザの照射方向を含む鉛直面を図7に示す。図7において、Dは本装置を搭載する航空機、Eは目標とするヘリコプターを表している。

【0025】
上述の仮定により、背景までの距離(r)は、高度計8から得られる高度(h)、慣性航法装置7から得られる機体姿勢角情報(β)及び指向装置3で得られるレーザビーム照射角(α)から次式で計算することができる。尚、α及びβは上記鉛直面内の角度である。
r=h/sin(β+α)
このように、レーザビームのエコーを受信しなくても、高度情報と機体姿勢角情報、レーザビーム照射角から背景までの距離を計測することができるので、先の構成の場合と同様に、背景からの雑音を抑圧することができ、目標を安定して検出し追尾することができる。

【0026】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、目標を安定して検出し追尾する目標追尾装置を提供することができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図4】
2
【図3】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6