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明細書 :液晶マトリックス投影露光装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4761261号 (P4761261)
公開番号 特開2002-231618 (P2002-231618A)
登録日 平成23年6月17日(2011.6.17)
発行日 平成23年8月31日(2011.8.31)
公開日 平成14年8月16日(2002.8.16)
発明の名称または考案の名称 液晶マトリックス投影露光装置
国際特許分類 H01L  21/027       (2006.01)
G02F   1/13        (2006.01)
G02F   1/1335      (2006.01)
G03F   1/08        (2006.01)
G03F   7/20        (2006.01)
FI H01L 21/30 515D
H01L 21/30 515F
G02F 1/13 505
G02F 1/1335
G03F 1/08 A
G03F 7/20 521
請求項の数または発明の数 3
全頁数 11
出願番号 特願2001-065738 (P2001-065738)
出願日 平成13年2月2日(2001.2.2)
審査請求日 平成20年1月30日(2008.1.30)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】800000068
【氏名又は名称】学校法人東京電機大学
発明者または考案者 【氏名】堀内 敏行
【氏名】小林 宏史
個別代理人の代理人 【識別番号】100083806、【弁理士】、【氏名又は名称】三好 秀和
審査官 【審査官】岩本 勉
参考文献・文献 特開平07-273003(JP,A)
特開平03-250618(JP,A)
特開平05-259026(JP,A)
特開2000-019453(JP,A)
特開平09-266150(JP,A)
特開平09-017719(JP,A)
調査した分野 H01L 21/027
G03F 7/20
特許請求の範囲 【請求項1】
正方形のセルを持つ液晶パネルと、前記液晶パネルを照明光により照明する照明光学系と、前記液晶パネルに指定したパタン形状に対応して射出される前記照明光の液晶パネル透過光が入射するように前記液晶パネルに密着または近接させて配置し入射側の断面の径または対辺間距離が該液晶パネルのセル境界線の太さやTFTの大きさより大きい光ファイバー素線をハニカム状の六方最密の状態に密着配置した光ファイバーテーパコンジットと、前記光ファイバーテーパコンジットの射出面を被露光基板面に投影する投影光学系とを有し、前記液晶パネルに指定したパタン形状に対応し、且つ、接続境界やTFTの存在が目立たないように平滑化したパタン形状に前記被露光基板を投影露光することを特徴とする液晶マトリックス投影露光装置。
【請求項2】
液晶パネルと、前記液晶パネルを照明光により照明する照明光学系と、前記液晶パネルに指定したパタン形状に対応して射出される前記照明光の液晶パネル透過光が入射するように前記液晶パネルに密着または近接させて配置した光ファイバープレートと、前記光ファイバープレートの射出面を被露光基板面に投影する投影光学系とを有し、前記液晶パネルに指定したパタン形状に対応した形状に前記被露光基板を投影露光することを特徴とする液晶マトリックス投影露光装置。
【請求項3】
正方形のセルを持つ液晶パネルと、前記液晶パネルを照明光により照明する照明光学系と、前記液晶パネルの照明光射出面を投影する要素レンズの断面の径または対辺距離が該液晶パネルのセル境界線の太さやTFTの大きさより大にして該要素レンズがセルの大きさを解像してセル境界線の太さやTFTの大きさを十分に解像しない結像性能を有し該要素レンズがハニカム状の六方最密の状態に密着配置せられた微小レンズアレイと、前記微小レンズアレイによって投影された液晶パネル射出面の光像を被露光基板面に投影する投影光学系とを有し、前記液晶パネルに指定したパタン形状に対応し、且つ、接続境界やTFTの存在が目立たないように平滑化したパタン形状に前記被露光基板を投影露光することを特徴とする液晶マトリックス投影露光装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する産業分野】
本発明は半導体集積回路、光エレクトロニクス素子、マイクロマシン部品等の微細パタンを形成するに当り、液晶パネル上に指定した任意のパタンを被露光基板上に転写する装置に関するものてある。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体集積回路、光エレクトロニクス素子、マイクロマシン部品等の微細パタンを、半導体ウエハ、金属基板、ガラス基板等の各種基板上に形成するのに、投影露光装置および投影露光方法が多用されている。
【0003】
この従来の投影露光装置および投影露光方法においては、合成石英、ガラス等の光透過基板上にクロム等の遮光体で原図となるパタンを形成したレチクルや薄い金属板やシリコンウエハ等に原図となるパタン形状の穴を開けたステンシルマスクを原図基板として用いる。
【0004】
そして、前記原図基板に照明光を当て、投影レンズ、投影ミラー光学系、レンズとミラーとを適宜組み合わせた光学系等の投影光学系を用いて、該原図基板上のパタンを該パタンを転写形成したい被露光基板上に投影する。
【0005】
該被露光基板、たとえば半導体ウエハ、金属基板、ガラス基板等の上には、予めレジスト等の感光性材料を塗布や吹き付け等により付加しておく。すると、前記原図基板に当てた照明光線により感光性材料を付した被露光基板が投影露光され、被露光基板上の感光性材料が該原図基板上の透過部の形状に対応したパタン形状に感光する。
【0006】
したがって、露光後、現像を行うと、前記感光性材料がポジ形かネガ形かに応じて感光部または未感光部の感光性材料が除去され、前記原図基板上のパタンが該被露光基板上の感光性材料に転写される。
【0007】
このように、従来の投影露光装置および投影露光方法は、原図基板上のパタンを被露光基板上の感光性材料に転写する装置および方法であるので、まずは所望のパタンに対応したパタンを有する原図基板が必要不可欠であった。
【0008】
原図基板は、形成してある微細パタンに少しでも間違いや欠陥があると、転写したパタンを使用した製品の全てが不良品となってしまうことから、検査、確認が重要であり、非常に高価である。パタンは形状だけでなく線幅や穴の大きさ、さらにはそれらの位置等の各種精度も問題となるため、パタンが微細になるととくに高価となる。
【0009】
一方、社会の消費傾向の多様化に伴い、製品は多品種少量生産化する傾向にある。たとえば、半導体集積回路製品では、特定用途向けICが伸びる一方、極めて大量に同じ製品を生産する例はメモリ等ごく一部に限られている。
【0010】
とくに、まだ汎用品が多数出回るに至っていないマイクロマシンの部品等は、当初から半導体集積回路製品と比べると桁違いに少量しか生産しないのが通例である。
【0011】
ところが、生産量の多少に拘らず、投影露光を行う限りは元になるパタンを有する原図基板を必要とするので、少量生産品では原図基板の価格が製品価格に大きく影響するようになる。
【0012】
また、原図基板上のパタンの変更、修正は特別な場合を除いてほとんど不可能に近く、製品毎、パタンの変更毎に原図基板を作り直す必要があった。
【0013】
このため、最近になって、製品毎、パタンの変更毎に従来の原図基板を作り直すのではなく、液晶パネルの各セルを透過光量を制御するマトリックススイッチとして利用して原図基板の代替となし、透過部、不透過部を所定の配置で指定して投影露光を行う装置の有用性が第45回応用物理学会学術講演会講演予稿集の742ページ、Japanese Journal of Applied Physics Vol. 38,pp. 324-329、第46回応用物理学会学術講演会講演予稿集の691ページ等に開示されている。
【0014】
上記の液晶マトリックス投影露光装置および液晶マトリックス投影露光方法によれば、液晶パネルの各セルの透過、不透過を外部からキーボード操作等により容易に指定できる。したがって、従来のレチクルやステンシルマスク等固定不変のパタンを有する原図基板は不要であり、パタンの変更や修正が極めて容易にできる。
【0015】
また、設計データを液晶パネルの各セルへの制御指令に、コンピュータによって自動的に変換することが容易にできるため、液晶パネルの各セルの透過、不透過の制御を自動的に行うことも可能である。
【0016】
なおかつ、設計データと液晶パネルの各セルの明暗制御データとをコンピュータによって自動的に比較することが容易に可能なので、設計データを用いてパタンの検査ができ、パタンの間違いや欠陥を大幅に削減することができる。
【0017】
さらに、透過、不透過が液晶パネルの各セルの透過、不透過により2値的に決定されるため、原図基板を製造する際にごみが付着したり、感光性材料のピンホールがあったりすることによって生じる製造時欠陥が入りにくいという利点もある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、開示されている上記の液晶マトリックス投影露光装置には、以下に示すような問題があった。
【0019】
第1の問題は、液晶パネルの各セルの間に境界があり、該境界線部はセル部の透過、不透過と関係なく、常に不透過となってしまうという問題である。
【0020】
このため、連続した透過セルを並べて線状の感光部を形成しようとしても、境界線に対応する部分の露光量が少ないので、パタンにくびれや突起ができてしまった。たとえば、感光性材料としてポジ形レジストを用いて投影露光を行い、レジストをパタン形状に残す、残しパタンの形成を行った時のパタンの光学顕微鏡写真を図8に示す。本来直線上の残しパタンが必要なのに、セル間の境界線部に対応して突起14ができてしまう。感光性材料としてネガ形レジストを用いて投影露光を行い、レジストをパタン形状に残す、残しパタンの形成を行うと、逆にセル間の境界線部に対応した箇所でパタンにくびれが生じる。
【0021】
第2の問題は、単純マトリックス方式の液晶パネルの場合には、各セルのセル中には障害物が存在しないが、アクティブマトリックス方式の液晶パネルの場合には、各セルの中に駆動用の薄膜トランジスタ(TFT)が形成されており、該TFTの部分が前記境界線部に加えて常に不透過となってしまうという問題である。
【0022】
応答速度が高く、透過、不透過のコントラストも良いことから、最近の液晶パネルの大半はTFTを用いている。TFTは一般にセル中の角部に配置されているので、それがあると、セルの透過部の形状が長方形または正方形ではなくなり、連続した透過部を作ろうとすると、前記境界線部とつながったさらに大きい不透過部が形成され、パタンの突起やくびれがより一層劣悪になるという課題があった。
【0023】
このため、前記のセル間の境界線をなるべく細くしたり、前記TFTの寸法をできる限り小さくすることにより、形成されるパタンの突起やくびれを極力抑える対処を行っていた。
【0024】
しかしながら、境界線もアクティブマトリックス方式の液晶パネルにおけるTFTも必要不可欠であり、完全になくすことはできず、また、極力小さくするにしても限度があるため、形成されるパタンの突起やくびれを十分小さくすることが困難であった。
【0025】
液晶マトリックス投影露光装置および液晶マトリックス投影露光方法においては、転写できるパタンの最小寸法は大略一つのセルの大きさに投影倍率を乗じた寸法となる。したがって、微細なパタンを転写するにはセルの大きさが小さい程好ましい。しかしながら、セルの大きさを小さくしてもそれに比例して前記境界線やTFTの大きさを小さくすることは困難なので、セルの大きさが小さい程、転写パタンで発生するパタンの突起やくびれの問題が解決困難となっていた。液晶パネルの作り方によっては、セルを千鳥配置する場合もあり、この他にも常時光が不透過となる部分ができる場合があった。
【0026】
またさらに、第3の問題として、液晶パネルを透過して出て来る光は偏光であるため、前記の突起やくびれの出方が縦方向と横方向とで異なり、また、解像性もわずかではあるが、異なるという問題があった。
【0027】
【課題を解決するための手段】
以上のような問題点を解決するため、本発明は、液晶パネルと、前記液晶パネルを照明する照明光学系と、前記液晶パネルに指定したパタン形状に対応して射出される前記照明光の液晶パネル透過光が入射するように配置した光ファイバーテーパコンジットまたは光ファイバープレートまたは微小レンズアレイと、該光ファイバーテーパコンジットや光ファイバープレートの射出面または微小レンズアレイの結像面を被露光基板面に投影する投影光学系とを有し、前記液晶パネルに指定したパタン形状に対応した形状に前記被露光基板を投影露光することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明はこのように、液晶パネルを照明光学系によって照明し、該液晶パネル上に指定されたパタン形状を被露光基板上に投影露光するに際し、前記液晶パネルの射出側の光強度分布を直接原図基板透過光の明暗分布として利用するのではなく、光ファイバーテーパコンジットや光ファイバープレートや微小レンズアレイを一旦通し、その射出光を利用して投影露光を行う。
【0029】
【実施例】
図1は本発明の液晶マトリックス投影露光装置の構成図である。前記の開示された従来装置との最大の相違点は、液晶パネル1の射出面または入射面に密着または近接させて、光ファイバーテーパコンジット2を設けた点である。光ファイバーテーパコンジット2は、図2に示すように、多数の光ファイバー素線11を密着して束ね、熱してテーパ状に一端を全体的に細くしたものである。通常は、両端面を光ファイバー素線11の軸に垂直に切断、研磨してある。なお、図2では、光ファイバー素線11の太さを誇張して大きく描いてある。
【0030】
光ファイバーテーパコンジット2の外形形状および光ファイバー素線11の断面の形状は任意で良いが、各光ファイバー素線11間の隙間がなるべく無いように、また、クラッドに相当する部分ができるだけ薄くなるように構成する。さらに、光ファイバー素線11の太さすなわち断面の径または対辺間距離を、液晶パネル1のセル境界線の太さやTFTの大きさより大きくしておく。
【0031】
液晶パネル1を照明光学系3によって照明し、該照明光4によって液晶パネル1上の明暗パタン形状を前記光ファイバーテーパコンジット2の入射口に作り、射出口には該入射口のパタン形状が該光ファイバーテーパコンジット2のテーパに応じて縮小された明暗パタン形状が射出されるようにする。照明光学系3は各種ランプやレーザ等、露光波長帯の発光源を有するものであれば任意で良い。
【0032】
光ファイバーテーパコンジット2の入射口の一部を液晶パネル1のセル間の遮光部やTFTが覆っても、入射光が光ファイバーテーパコンジット2を構成する光ファイバー素線11の側壁で全反射しながら方向を変えて進むので、各光ファイバー素線11の射出口では該光ファイバー素線11内でほぼ一様な光強度となって射出される。
【0033】
この状態で、該光ファイバーテーパコンジット2の射出口の光像を投影レンズ等の投影光学系5を介して被露光基板6上に投影する。このようにして投影露光を行うと、該被露光基板6上に付した感光性材料を、液晶パネル1に指定したパタンを接続境界やTFTの存在が目立たないように平滑化したパタン形状に感光させることができる。したがって、転写パタンに従来できていた突起やくびれは出なくなる。
【0034】
また、前記光ファイバーテーパコンジット2の光ファイバー素線11の側壁での全反射によって光の振動面は方向が変わり、方向が不特定となるため、液晶パネル1を通過直後の光は偏光であるが、該光ファイバーテーパコンジット2の射出口には、光の振動面に方位性の無い光が射出される。露光光線の振動面に方位性が無いため、縦と横で同じ品質のパタンが形成される。
【0035】
7は液晶パネルステージ、8は被露光基板ステージであり、これらのステージは固定でもパタン転写は可能であるが、図示のx、y、z方向への移動および/またはx,y,z軸まわりの回転角α、β、θを調整可能であればなお良く、調整可能であれば、順次被露光基板6上の複数の位置に投影露光を行ったり、液晶パネル1で設定したパタンを接続したり合成したりすることができる。
【0036】
前記被露光基板上に投影露光されるパタンの寸法は、液晶パネル1上のパタン寸法に、前記光ファイバーテーパコンジット2のテーパ状の断面縮小倍率と投影光学系の投影倍率を乗じた寸法となる。
【0037】
容易に入手できる液晶パネル1のセルの最小寸法は辺長が250~50μm程度であり、微細パタンを得るには、前記投影倍率を小さくしなければならない。しかしながら、投影光学系5の投影倍率を小さくすると、すなわち高い縮小比で縮小可能な投影光学系5にすると、一般に高開口数とすることが必要であり、焦点深度が浅くなってしまう。
【0038】
しかしながら、前記光ファイバーテーパコンジット2を用いての縮小は開口数を変えずに行うことができる。したがって、光ファイバーテーパコンジット2による縮小分だけ低縮小比で低開口数の投影光学系5を使うことができ、投影光学系5のみで縮小投影する時よりも同じ縮小比のパタンを深い焦点深度で形成できる。
【0039】
図3は、図1に示した本発明の液晶マトリックス投影露光装置を用いて得られたパタンの光学顕微鏡写真である。264μmピッチのセル配置でセル境界幅24μmの正方形セルを持つ液晶パネル1に描いた明暗パタンを、照明光学系3として用いたメタルハライドランプにより照明し、縮小倍率1/6.9の光ファイバーテーパコンジット2を用いて、投影光学系5である縮小倍率1/24、開口数0.2の投影露光レンズを介して投影露光した。被露光基板6としてはシリコンウエハを用い、感光性材料は膜厚約1μmのポジ形レジストTHMRiP3300(東京応化工業製)とした。また、現像は前記レジストの専用現像液NMD-Wを用いて行った。
【0040】
図3より明らかなように、図9に示したような従来生じたパタンの突起は全く認められず、縦横方向のパタンのでき方の差も全く認められない。また、斜め方向のパタンも縦横方向とさほど変わらない滑らかさで形成される。
【0041】
総合縮小投影倍率は(1/6.9)×(1/24)=1/166であり、かなり高い縮小比としたにもかかわらず、焦点深度がほぼ投影露光レンズの開口数だけで決まるため、前記の厚さのレジストでも問題なくパタン形成することができた。
【0042】
図4は本発明の液晶マトリックス投影露光装置の別の構成図である。本装置の特徴は液晶パネル1の射出面または入射面に密着または近接させて、光ファイバープレート9を設けた点である。ここで言う光ファイバープレート9とは、図5に示すように、多数の光ファイバー素線12を密着配置し、ファイバー素線軸に垂直な断面が板面となるように切断後、研磨したプレート部品である。
【0043】
この場合も光ファイバープレート9の外形形状および光ファイバー素線12の断面の形状は任意で良いが、各光ファイバー素線12間の隙間がなるべく無いように、また、クラッドに相当する部分ができるだけ薄くなるように構成する。また、光ファイバー素線12の太さすなわち断面の径または対辺間距離を、液晶パネル1のセル境界線の太さやTFTの大きさより大きくしておく。
【0044】
液晶パネル1を照明光学系3によって照明し、該照明光によって液晶パネル1上の明暗パタン形状を前記光ファイバープレート9の入射口に作り、該光ファイバープレート9の射出口には光ファイバー素線12の入射口の光強度が平均された光が該光ファイバー素線12内でほぼ一様な光強度となって射出されるようにする。照明光学系3は、各種ランプやレーザ等、露光波長帯の発光源を有するものであれば任意で良い。
【0045】
該光ファイバープレート9の光ファイバー素線12の入射口の一部を液晶パネル1のセル間の遮光部やTFTが覆っても、入射光が光ファイバープレート9を構成する光ファイバー素線12の側壁で全反射しながら方向を変えて進むので、各光ファイバー素線12の射出口ではほぼ一様な光強度となって射出される。
【0046】
この状態で、該光ファイバープレート9の射出口の明暗分布を投影レンズ等の投影光学系を介して被露光基板6上に投影する。このようにして投影露光を行うと、該被露光基板6上に付した感光性材料を、液晶パネル1に指定したパタンを接続境界やTFTの存在が目立たないように平滑化したパタン形状に感光させることができる。したがって、転写パタンに従来できていた突起やくびれは出なくなる。
【0047】
また、液晶パネル1を通過直後の光は偏光であるが、要素ファイバーの側壁で全反射しながら方向を変えて進むので、光の振動面の方向が不特定となり、光の振動面に方位性の無い光が射出される。露光光線の振動面に方位性が無いため、縦と横で同じ品質のパタンが形成される。
【0048】
さらに、斜め線パタンについても従来より滑らかに形成できるようになる。
【0049】
図1の場合と同様に、7は液晶パネルステージ、8は被露光基板ステージであり、これらのステージは固定でもパタン転写は可能であるが、図示のx、y、z方向への移動および/またはx,y,z軸まわりの回転角α、β、θを調整可能としておけばなお良く、調整可能であれば、順次被露光基板上の複数の位置に投影露光を行ったり、液晶パネル1で設定したパタンを接続したり合成したりすることができる。
【0050】
前記被露光基板6上に投影露光されるパタンの寸法は、液晶パネル1上のパタン寸法に、投影光学系5の投影倍率を乗じた寸法となる。前記光ファイバープレート9では、通過前後でパタンの倍率は不変である。
【0051】
図6は本発明の液晶マトリックス投影露光装置のさらに別の構成図である。本装置の特徴は、液晶パネル1の射出面から所定の距離離した場所に、微小レンズアレイ10を置いた点である。微小レンズアレイ10とは、図7に示すように、多数の微小径の要素レンズ13を密着配置したものであり、レンズ光軸を液晶パネル1に垂直に配置する。
【0052】
この場合も微小レンズアレイ10の外形形状およびレンズアレイ要素レンズ13の形状は任意で良いが、各要素レンズ13間の隙間がなるべく無いように構成する。また、要素レンズ13の太さすなわち断面の径または対辺間距離を、液晶パネル1のセル境界線の太さやTFTの大きさより大きくしておく。また、結像性能を、前記液晶パネル1のセルの大きさを解像し、前記液晶パネル1のセル境界線の太さやTFTの大きさを十分に解像しない性能としておく。
【0053】
液晶パネル1を照明光学系3によって照明し、該照明光によって液晶パネル1の光射出側に明暗のパタン形状を作り、該液晶パネル1の光射出面を物体面として該パタン形状の光像を微小レンズアレイ10によって形成する。照明光学系3は、各種ランプやレーザ等、露光波長帯の発光源を有するものであれば任意で良い。
【0054】
微小レンズアレイ10の結像面には、前記液晶パネル1のパタン形状の明暗像が形成されるが、該微小レンズアレイ10の結像性能が、前記液晶パネル1のセルの大きさを解像し、前記液晶パネル1のセル境界線の太さやTFTの大きさを十分に解像しない性能なので、該微小レンズアレイ10の物体面に液晶パネル1のセル間の遮光部やTFTが有っても、微小レンズアレイ10の結像面におけるパタン像は、液晶パネル1に指定したパタンの接続境界やTFTの存在が目立たないように平滑化された形状を有するものとなる。
【0055】
したがって、該光像を投影レンズ等の投影光学系5を介して被露光基板上に投影すると、該被露光基板6上に付した感光性材料を、液晶パネル1に指定したパタンを接続境界やTFTの存在が目立たないように平滑化したパタン形状に感光させることができる。したがって、転写パタンに従来できていた突起やくびれは出なくなる。
【0056】
また、液晶パネル1を通過直後の光は偏光であるが、光は微小レンズアレイ10の各要素レンズの中をスキューしながら振動方向を変えて進むので、光の振動面の方向が不特定となり、光の振動面に方位性の無い光が射出される。縦と横で同じ品質のパタンが形成される。
【0057】
さらに、斜め線パタンについても従来より滑らかに形成できるようになる。
【0058】
前記被露光基板6上に投影露光されるパタンの寸法は、液晶パネル1上のパタン寸法に、投影光学系5の投影倍率を乗じた寸法となる。前記微小レンズアレイ10では、通過前後でパタンの倍率は不変である。
【0059】
微小レンズアレイ10の設置位置を調整して結像される像の鮮明度を調整すれば、結像位置における各要素レンズ13の像の大きさを調整でき、隣合った要素レンズ13の像のオーバーラップ量を最適化することによって一層平滑に接続された転写パタンが得られる。
【0060】
この場合も、図1の場合と同様に、7は液晶パネルステージ、8は被露光基板ステージであり、これらのステージは固定でもパタン転写は可能であるが、図示のx、y、z方向への移動および/またはx,y,z軸まわりの回転角α、β、θを調整可能としておけばなお良く、調整可能であれば、順次被露光基板上の複数の位置に投影露光を行ったり、液晶パネル1で設定したパタンを接続したり合成したりすることができる。
【0061】
また、図のように微小レンズアレイ10を用いた場合には、光ファイバーテーパコンジット2や光ファイバープレート9を用いる場合と異なり、液晶パネル1と近接または接触する部品が存在しないという利点がある。光透過部に近接または接触させる部品を使わないので、接触やゴミの介在により、液晶パネル1に永久的な傷や欠陥を生じる可能性が減る。
【0062】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、液晶パネルにおけるセル境界線や駆動用TFT等の常時遮光部がそのままの形で投影露光されることがなくなり、パタンの光強度分布が平滑化される。したがて、転写パタンに従来できていた突起やくびれが出なくなる。
【0063】
また、光の振動面の方向が不特定となった光が射出されるためパタン形成の方向性も無くなり、縦横方向で同じ品質のパタンを形成することができる。
【0064】
さらに、液晶パネル1のセル配列に対して斜めのパタンも従来より滑らかに連結させて形成することができる。
【0065】
したがって、液晶マトリックス投影露光の自由度が増し、パタン精度も向上して従来より微細で精度の高いマイクロマシン等の部品がレチクルレスで容易にできるようになる。
【0066】
レチクルが不要なので、少量多品種の微細パタン形成に用いれば、製品価格を大幅に低減でき、製作期間も大幅に短縮できる。また、任意にかつ即座にパタンの変更や修正が可能なので、バラエティに富んだパタン形成が可能となる。
【0067】
液晶パネル1上のパタンデータは設計データと同じバイナリィデータなので、コンピュータによって、設計データを直ちに液晶パネルの各セルへの制御指令に自動的に変換することもできる。
【0068】
また、設計データと直接比較してパタンを検査できるので、間違いや欠陥を大幅に削減することができ、パタンの変更や修正も極めて容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶マトリックス投影露光装置の構成図である。
【図2】光ファイバーテーパコンジットの構成図である。
【図3】本発明により転写したパタンの光学顕微鏡写真である。
【図4】本発明の液晶マトリックス投影露光装置の別の構成図である。
【図5】光ファイバープレートの構成図である。
【図6】本発明の液晶マトリックス投影露光装置のさらに別の構成図である。
【図7】微小レンズアレイの構成図である。
【図8】従来の装置により転写したパタンの光学顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 液晶パネル
2 光ファイバーテーパコンジット
3 照明光学系
5 投影光学系
6 被露光基板
7 液晶パネルステージ
8 被露光基板ステージ
9 光ファイバープレート
10 微小レンズアレイ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
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