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明細書 :植物へ遺伝子を導入する効率が向上したアグロバクテリウム菌およびその作製方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4534034号 (P4534034)
公開番号 特開2005-312345 (P2005-312345A)
登録日 平成22年6月25日(2010.6.25)
発行日 平成22年9月1日(2010.9.1)
公開日 平成17年11月10日(2005.11.10)
発明の名称または考案の名称 植物へ遺伝子を導入する効率が向上したアグロバクテリウム菌およびその作製方法
国際特許分類 C12N  15/09        (2006.01)
A01H   1/00        (2006.01)
C12N   1/21        (2006.01)
C12R   1/01        (2006.01)
FI C12N 15/00 ZNAA
A01H 1/00 A
C12N 1/21
C12N 1/21
C12R 1:01
請求項の数または発明の数 4
全頁数 21
出願番号 特願2004-133070 (P2004-133070)
出願日 平成16年4月28日(2004.4.28)
審査請求日 平成19年3月6日(2007.3.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
発明者または考案者 【氏名】江面 浩
【氏名】南澤 究
【氏名】野中聡子
【氏名】菅原雅之
個別代理人の代理人 【識別番号】100147485、【弁理士】、【氏名又は名称】杉村 憲司
【識別番号】100072051、【弁理士】、【氏名又は名称】杉村 興作
【識別番号】100119530、【弁理士】、【氏名又は名称】冨田 和幸
【識別番号】100144266、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 一寿
審査官 【審査官】長井 啓子
参考文献・文献 Plant Breeding, vol.119, pp.75-79 (2000)
Can.J.Microbiol., vol.48, pp.947-954 (2002)
Appl.Environ.Microbiol., vol.67(11), pp.4999-5009 (2001)
調査した分野 C12N 15/00
A01H 1/00
BIOSIS/WPIDS(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
アグロバクテリウム菌に、ACCデアミナーゼ遺伝子をサブクローニングすることにより、当該アグロバクテリウム菌により外来遺伝子が導入される植物のエチレンの生産を抑制する能力を付与して、植物へ外来遺伝子を導入する効率が向上したアグロバクテリウム菌を作製する方法。
【請求項2】
アグロバクテリウム菌に、ACCデアミナーゼ遺伝子をサブクローニングすることにより、当該アグロバクテリウム菌により外来遺伝子が導入される植物のエチレンの生産を抑制する能力を付与して、植物へ外来遺伝子を導入する効率が向上したアグロバクテリウム菌。
【請求項3】
アグロバクテリウム菌に、リゾビトキシン生合成系遺伝子をサブクローニングすることにより、当該アグロバクテリウム菌により外来遺伝子が導入される植物のエチレンの生産を抑制する能力を付与して、植物へ外来遺伝子を導入する効率が向上したアグロバクテリウム菌を作製する方法。
【請求項4】
アグロバクテリウム菌にリゾビトキシン生合成系遺伝子をサブクローニングすることにより、当該アグロバクテリウム菌により外来遺伝子が導入される植物のエチレンの生産を抑制する能力を付与して、植物へ外来遺伝子を導入する効率が向上したアグロバクテリウム菌
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、アグロバクテリウム菌に、当該アグロバクテリウム菌により外来遺伝が導入される植物のエチレンの生産を抑制する能力を付与することにより、特にACCデアミナーゼ遺伝子あるいはリゾビトキシン生合成系遺伝子を導入することにより、植物へ遺伝子を導入する効率が向上したアグロバクテリウム菌およびその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、ナタネなどの遺伝子組換え作物が商品化されている。栽培の中心は北米や南米であるが、中国やインドなど栽培地域が世界的な広がりをみせている。また、多くの種類の植物で遺伝子組換え植物の開発が実用化に向けて行われている。遺伝子組換え植物の作製法には、遺伝子銃を使用した直接法とアグロバクテリウム菌を使用した間接法が開発されているが、後者の方法が主要な方法として使用されている。なおアグロバクテリウム菌は根粒菌と近い土壌細菌であり、植物細胞をアグロバクテリウム菌に感染させることにより細菌の遺伝子がその植物細胞に転位する。よってアグロバクテリウム菌により仲介された遺伝子導入が可能となる。
【0003】
しかしながら、現在までに開発されているアグロバクテリウム法は、遺伝子を導入しようとする植物の種類や品種の違いによって遺伝子導入効率に差がある。そのまたその遺伝子導入効率は極めて悪いためにしばしば問題を生じる。例えば、トマトやタバコ(Hanson et al., 1999)、イネ(Hiei et al., 1994)などでは高い効率が得られるが、コムギ(Cheng et al.,1997)、ホップ(Horlemann et al., 2003)、ナタネ(Cardoza et al., 2003)、メロン(Ezura et al., 2000)など商業的に重要な栽培植物品種への遺伝子導入の効率は低いままである。
【0004】
そこで、植物細胞に遺伝子を導入する際に使用するアグロバクテリウム懸濁液にアグロバクテリウム菌の植物細胞への感染を促進する物質を添加することにより、遺伝子導入効率を促進する研究が行われている。そして既にいくつかの促進物質が見つかっており、効率的な組換え植物体の作製に利用されている。
【0005】
例えば、アセトシリンゴンは、アグロバクテリウム菌の植物への感染を促進する物質であるために、ワタやトマトなどへのアグロバクテリウム法による遺伝子組換え体の作製に使用されている(Sunikumar and Rathore, 2001, Molecular Breeding, 8:37-52)。
【0006】

【非特許文献1】Sunikumar and Rathore, 2001, Molecular Breeding, 8:37-52
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
遺伝子組換え技術を使った植物の分子育種では、遺伝子導入の対象となる植物の種類や品種に効率的に遺伝子導入できることが極めて重要である。しかしながら、植物への遺伝子導入法として主に使われているアグロバクテリウム法は、対象となる植物の種類や品種によって遺伝子導入効率が低く、植物分子育種の大きな問題である。世界的な広がりを見せている植物分子育種を効果的に進めるには、植物の種類や品種に依存しない効率的なアグロバクテリウム菌による遺伝子導入法を開発する必要が存在した。このような理由から、本発明者等は、これまで植物とアグロバクテリウム菌の相互作用に関する研究を続けてきている。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、広く植物において利用することが可能であって、植物へ遺伝子を導入する効率が向上したアグロバクテリウム菌およびその作製方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、これまでにアグロバクテリウム法によるメロンへの遺伝子導入に際して、メロン細胞がエチレンを生成してアグロバクテリウム菌から植物細胞への遺伝子導入を低下させていること、逆にエチレン生合成阻害剤を加えてメロン細胞のエチレン生成を抑制するとアグロバクテリウム菌からの遺伝子導入効率が向上することを明らかにしている(Ezuraら、2000, Plant Breeding,119:75-79)。
【0010】
そこで本発明者等は、上記課題を解決すべく、植物のエチレン生合成を阻害する物質を生産する能力を付与したアグロバクテリウム菌の作製を試みた結果、遂に植物のエチレン生合成阻害物質であるACCデアミナーゼを生産する能力を有するアグロバクテリウム菌の作製に成功した。
【0011】
作製したアグロバウテリウム菌の能力を検討した結果、植物が生産するエチレンの前駆物質であるACCを分解することができた。微生物感染により単子葉及び双子葉を含む植物がエチレンを生成する現象は公知の事実であり、本発明者等は、作製したアグロバクテリム菌が広く植物細胞からのエチレン生成を抑制し、遺伝子を効率的に導入できることを見出した。よって本発明は上記課題を解決するために行われたものであり、植物への遺伝子導入能力を向上させたアグロバクテリウム菌およびその作製方法に関するものである。
【0012】
一つの観点において本発明は、アグロバクテリウム菌に、ACCデアミナーゼ遺伝子をサブクローニングすることにより、当該アグロバクテリウム菌により外来遺伝子が導入される植物のエチレンの生産を抑制する能力を付与して、植物へ外来遺伝子を導入する効率が向上したアグロバクテリウム菌を作製する方法である。
【0013】
更に一つの観点において本発明は、アグロバクテリウム菌に、ACCデアミナーゼ遺伝子をサブクローニングすることにより、当該アグロバクテリウム菌により外来遺伝子が導入される植物のエチレンの生産を抑制する能力を付与して、植物へ外来遺伝子を導入する効率が向上したアグロバクテリウム菌である。
【0014】
更に一つの観点において本発明は、アグロバクテリウム菌に、リゾビトキシン生合成系遺伝子をサブクローニングすることにより、当該アグロバクテリウム菌により外来遺伝子が導入される植物のエチレンの生産を抑制する能力を付与して、植物へ外来遺伝子を導入する効率が向上したアグロバクテリウム菌を作製する方法である。
【0015】
更に一つの観点において本発明は、アグロバクテリウム菌にリゾビトキシン生合成系遺伝子をサブクローニングすることにより、当該アグロバクテリウム菌により外来遺伝子が導入される植物のエチレンの生産を抑制する能力を付与して、植物へ外来遺伝子を導入する効率が向上したアグロバクテリウム菌である。
【発明の効果】
【0032】
本発明により、アグロバクテリウム菌に、当該アグロバクテリウム菌によって外来遺伝子を導入しようとする植物のエチレンの生産を抑制する能力を付与することにより、特にACCデアミナーゼ遺伝子あるいはリゾビトキシン生合成系遺伝子を導入することにより、植物へ遺伝子を導入する効率が向上したアグロバクテリウム菌およびその作製方法が提供された。より具体的には本発明の方法により、ACCデアミナーゼ遺伝子またはリゾビトキシン生合成系遺伝子をアグロバクテリウム菌に導入することにより、植物へ遺伝子を導入する効率を向上させることが可能となった。本発明により、アグロバクテリウム菌を用いた方法によって従来は遺伝子導入ができなかった植物種においても、組換え植物を作出することが可能になると考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明は、遺伝子を導入する効率を向上させたアグロバクテリウム菌およびその作製方法を提供するものであり、本発明の方法で作製された菌は植物の形質転換において広く利用することが可能である。
【0034】
本発明者等は、アグロバクテリウム菌によりメロンへ遺伝子導入を行なう際のエチレンの影響を検討した結果、アグロバクテリウム菌からメロン細胞への遺伝子導入を細胞自らが生産するエチレンが抑制していること、さらにエチレン生合成を抑制する物質を加え植物細胞からのエチレン生合成を抑制することで遺伝子導入効率が向上することを見い出した(実施例1)。これらの観察から、本発明者等は、アグロバクテリウム菌自身に植物細胞のエチレン生成を抑制する物質を生産する能力を付与すれば、アグロバクテリウムの植物への遺伝子導入能力を向上できると考えた。
【0035】
遺伝子導入能力の向上したアグロバクテリウム菌は、産業上、様々な有用性がある。現在、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、ナタネなどの遺伝子組換え作物が商品化されている。栽培の中心は北米や南米であるが、中国やインドなど栽培地域が世界的な広がりをみせている。また、多くの種類の植物で遺伝子組換え植物の開発が実用化に向けて行われている。遺伝子組換え植物の作製法には、アグロバクテリウム菌を使った間接法が主に使用されている。しかしながら、現在までに開発さているアグロバクテリウム法は、遺伝子を導入しようとする植物の種類や品種の違いによって、遺伝子導入効率が極めて悪く、しばしば問題を生じてしまう。
【0036】
例えば、トマトやタバコ(Hanson et al., 1999)、イネ(Hiei et al., 1994)などでは高い効率が得られ、コムギ(Cheng et al.,1997)、ホップ(Horlemann et al., 2003)、ナタネ(Cardoza et al., 2002)、メロン(Ezura et al., 2000)など商業的に重要な栽培植物品種への遺伝子導入は低い効率である。本発明で開発したアグロバクテリウム菌を用いれば、従来から遺伝子導入効率が低いとされてきた植物への遺伝子導入を効率的に行なうことが可能となる。そして、遺伝子組換え植物の開発を効率的に行なうことができる。
【0037】
本発明では、植物細胞のエチレン生成を抑制する物質としてACCデアミナーゼもしくはリゾビトキシンを候補として、アグロバクテリウム菌にこの物質を生産する能力を付与した。ACCデアミナーゼは、エチレンの前駆物質であるACCをα-ケト酪酸とアンモニアに分解することが知られている(Honmaら,1978)。具体的には、根粒菌の一種であるMesorhizobium loti(M.loti)のACCデアミナーゼ遺伝子をアグロバクテリウム菌に導入することで、同能力を付与した。ACCデアミナーゼ遺伝子は、M.lotiに限らずいくつかの微生物がもっている遺伝子であり、本発明に使用するACCデアミナーゼ遺伝子は、M. lotiのACCデアミナーゼ遺伝子に制限されるものではない。
【0038】
リゾビトキシンは、ダイズ根粒菌Bradyrhizobium elkanii USDA94株など一部の根粒菌が生産する植物のエチレン生成を抑制する物質である。より具体的には、植物のもつエチレン生合成経路を触媒する酵素の中でACC合成酵素の活性を抑制する物質である。一般に、ACC合成酵素は、植物のエチレン生合成の律速酵素であり、この酵素の活性を抑制することにより、植物のエチレン生成を抑制することができる。
【0039】
本発明に使用したACCデアミナーゼ遺伝子は、例えば、配列番号1に示された塩基配列の情報を元にプライマーを調製し、M. loti由来のゲノムDNAを鋳型にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行なうことにより増幅し、調製することができる(実施例2)。調製したACCデアミナーゼ遺伝子は、公知の大腸菌発現ベクター、例えばpUC19に挿入して、大腸菌、例えばBL21に導入して、タンパク質として発現させることができる。タンパク質は、公知の方法(Honmaら, 1978)で活性測定が可能で、調整した遺伝子が活性のあるACCデアミナーゼをコードしているかどうか確認できる(実施例3)。
【0040】
また、本遺伝子の一部に少数の塩基を改変した場合であっても、当該活性が維持されうることは周知の事実であり、このような改変は、当業者であれば、例えば、部分特異的変異導入法(Ausubelら, 1999, Currennt Protocols in Molecular Biology)など周知の技術を利用して行なうことができる。従って、本発明に使用するACCデアミナーゼ遺伝子は、ACCデアミナーゼ活性を有するタンパク質をコードする限り、配列表の配列番号1に記載の塩基配列において1若しくは複数の塩基が置換、欠失、付加および/または挿入などにより改変された塩基配列からなるDNAをも含むものである。ここで複数の塩基が改変された塩基配列とは、10個以内、好ましくは5個以内、更に好ましくは3個以内の塩基が改変された塩基配列を意味するものである。
【0041】
アグロバクテリウム菌で外来遺伝子を発現させることが可能なベクターを選択し、大腸菌の発現系を使って活性を確認したACCデアミナーゼ遺伝子をそのベクターに挿入し(実施例4)、公知の方法でアグロバクテリウム菌に導入することができる(実施例5)。ACCデアミナーゼ遺伝子を保持したアグロバクテリウム菌のACCデアミナーゼ活性は、下記に述べる実施例3の方法に従って測定できる。その結果、本研究では、ACCデアミナーゼ活性を有するアグロバクテリウム菌(Agrobacterium tumefaciens C58C1RifR)を作製することができた。
【0042】
さらに、ダイズ根粒菌Bradyrhizobium elkanii USDA94株のリゾビトキシンオペロンを制限酵素にて切り出し、広宿主域ベクターpBBR1MCS-2 (Kovach et al. 1995)へ、遺伝子がlacプロモーター転写制御下にあるように導入した。得られたプラスミドpBBR::PlacRTをA. tumefaciens C58C1RifR株へエレクトロポレーション法にて導入し、抗生物質カナマイシンにて導入された菌株を選択した。獲得したアグロバクテリウム菌(A. tumefaciens C58C1RifR (pBBR::PlacRT))のリゾビトキシン生産能力をLC/MS解析により分析した結果、リゾビトキシン特有のスペクトルが検出された。したがって、A. tumefaciens C58C1RifR (pBBR::PlacRT)はリゾビトキシンを生産し、アグロバクテリウム菌への生産能付与に成功したことが明らかとなった(実施例6)。
【0043】
下記の実施例において、コスミドクローン(ACCESSION AB 062279)のrxtAからオープンリーディングフレーム4(ORF4)に当たる約9kbのリゾビトキシンオペロン配列を切り出して使用した。その約9kbに相当する部分の塩基配列を、配列表の配列番号2に示す。本発明に使用するリゾビトキシンオペロンは、リゾビトキシン生産能力を付与することができる限り、配列番号2に記載の塩基配列において1若しくは複数の塩基が置換、欠失、付加および/または挿入などにより改変された塩基配列からなるDNAをも含むものである。ここで複数の塩基が改変された塩基配列とは、10個以内、好ましくは5個以内、更に好ましくは3個以内の塩基が改変された塩基配列を意味するものである。
【0044】
なお本発明におけるリゾビトキシン生合成系の遺伝子とは、遺伝子が導入された宿主にリゾビトキシンを生合成する能力を付与することができる種々の遺伝子を意味するものである。実施例6ではリゾビトキシンオペロンを採用しているが、それに限定されるものではなく、リゾビトキシンを生合成する能力を付与する能力を有する限り、他のリゾビトキシン生合成系の遺伝子を使用することも本発明の範囲内である。
【0045】
更に、ACCデアミナーゼ活性を付与したアグロバクテリウム菌を使用して、植物への遺伝子導入能の評価を行った。その結果、ACCデアミナーゼ活性を付与したアグロバクテリウム菌(A. tumefaciens C58C1RifR)では、指標となるGUS遺伝子の発現が増加しており、植物への外来遺伝子導入効率が向上していることが示された(実施例7)。
【0046】
植物のエチレン生成を抑制する物質を生産する遺伝子をアグロバクテリウム菌中で発現させる方法はベクターを用いた方法に制限されない。例えば、アグロバクテリウム菌のゲノムDNA中に挿入して発現することもできる。
【0047】
上記本発明で作製したアグロバクテリウム菌を用いて植物に遺伝子を導入する場合、導入する外来遺伝子を植物発現用に開発された公知のベクターに挿入し、アグロバクテリウム菌に導入する。例えば、汎用されているpBI121やpBI221などの植物発現用に開発されたベクターのマーカー遺伝子部分を制限酵素を用いて切り出し、これに代えて目的外来遺伝子を導入する。構築したベクターは、公知の方法によりアグロバクテリウム菌に導入することができる。
【0048】
以上により作製したアグロバクテリウム菌を公知のアグロバクテリウムによる遺伝子導入法に利用することにより、植物細胞への効率的な遺伝子導入を行うことができる。アグロバクテリウム法では、pBI121由来のベクターを好適に用いることができ、ベクターを導入する植物細胞の形態としては、組織・器官・カルスの何れの形態でもよい。本研究で作製したアグロバクテリウムベクターが遺伝子導入をする植物細胞の種類としては、特に制限はなく、双子葉植物であっても単子葉植物であってもよい。遺伝子導入効率の高低はあるものの、アグロバクテリム法による遺伝子導入の報告が、イネ、トマト、メロンなど広く植物において用いられている。
【0049】
アグロバクテリウム法によりベクターを導入した植物細胞は、一般に、形質転換細胞を選抜する抗生物質とアグロバクテリウム菌を除菌するための抗生物質、及び植物体再生用の植物ホルモン(オーキシン、サイトカイニンなど)を含む組織培養用の培地で培養し、植物体の再生を行うことができる。エレクトロポレーション法及びパーティクルガン法でベクターを導入した植物細胞は、一般に、形質転換細胞を選抜する抗生物質と植物体再生用の植物ホルモン(オーキシン、サイトカイニンなど)を含む組織培養用の培地で培養し、植物体の再生を行うことができる。
【0050】
例えば、メロンでは以下の方法を用いることができる。メロンの種子を濾紙上に無菌播種し、25℃、16時間照明(約4,000lux)で発芽させる。5日~7日後に展開した子葉を6分割し、導入したい遺伝子を持つアグロバクテリウム菌(A. tumefaciens LBA4404, C58C1RifR株など)を接種する。BAP1mg/lを含むMS培地上で3日間共存培養する。続いて、BAP1mg/l, クラフォラン500mg/lを含むMS培地上で1週間除菌のための培養を行なう。更に、BAP1mg/l, クラフォラン500mg/l, カナマイシン 200mg/lを含むMS培地上で2週間毎に継代培養する。伸長してきたシュートをクラフォラン500mg/l, カナマイシン 100mg/lを含むMS培地に継代して発根させる。得られた再生個体について遺伝子の導入の確認を行ない、形質転換体が得られた事を確認する。
【0051】
また、トマトでは、例えば、文献(Ohyamaら, 1995, Plant Cell Physiology, 36:369-376)に記載の方法を用いることができる。具体的には、トマトの種子をMS培地上に無菌播種し、25℃、16時間照明(約4,000lux)で発芽させる。発芽してきた実生の子葉を2分割し、導入したい遺伝子を持つアグロバクテリウム菌(A. tumefaciens LBA4404, C58C1RifR株など)を接種する。ゼアチン1mg/lを含むMS培地上で2日間共存培養する。続いて、ゼアチン1mg/l, カルベニシリン 200mg/lを含むMS培地上で1週間除菌のための培養を行う。更に、Zeatin1mg/l, カルベニシリン200mg/l, カナマイシン 100mg/lを含むMS培地上で2週間毎に継代培養する。伸長してきたシュートをカルベニシリン200mg/l, カナマイシン 50 mg/lを含むMS培地に継代して発根させる。得られた再生個体について、導入遺伝子の確認を行い形質転換体を確認する。
【0052】
これにより形質転換植物体が作出されれば、その繁殖材料(例えば、果実、種子など)を得ることができる。さらに、得られた繁殖材料を基に形質転換植物体を量産することも可能である。
【実施例】
【0053】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
【0054】
実施例1:アグロバクテリウム法による植物への遺伝子導入に対するエチレンの影響
本実験では、アグロバクテリウムAgrobacterium tumefaciens 菌株C58C1RifR(Van Larebeke et al., 1974)を用いた。遺伝子導入ヘルパープラスミドとしてpIG121-Hm (Akama et al. 1992)を用いた。このプラスミドの T-DNA にある遺伝子 uidA に担われた酵素β-グルクロニダーゼ活性を本研究での遺伝子導入の指標として用いた。本遺伝子は pIG121-Hm 上のT-DNA 領域において、カリフラワーモザイクウイルス由来35Sプロモーター及び本遺伝子の内部に挿入されたヒマ由来(castor bean、Ricinus communis L.)カタラーゼ遺伝子のイントロン配列・ノパリン合成酵素遺伝子の転写終結配列に結合されている。このプラスミド pIG121-Hmをエレクトロポレーション法(Formm et al., 1985)によりA. tumefaciens C58C1RifRへ形質転換した(以降A. tumafaciens C58C1RifR (pIG121-Hm)と呼ぶ) 。この形質転換菌株は、抗生物質 カナマイシン (100mg/L) と テトラサイクリン (1mg/L) を含む LB 培地で選抜して維持した。
【0055】
植物への遺伝子導入に対するエチレンの影響を評価するために、エチレン前駆物質 ACC を添加して、A.tumefaciens C58C1RifR (pIG121-Hm)を接種したメロン子葉外植片を共存培地上で培養した。図1において、A. tumefaciens C58C1RifR(pIG121-Hm)(Akama et al., 1992)を接種したメロン子葉外植片において、β-グルクロニダーゼ酵素活性を測定した結果を示す。なお接種は4日間行なった。図1において1本のカラムは、外植片1枚から抽出された全蛋白質量当たりの本酵素の活性を示している。また黒と白のカラムはそれぞれ、200 uM・ACC 添加、ACC無添加を示している。無添加区(白カラム)におけるβ-グルクロニダーゼ酵素活性は、培養期間を通じて経日的に上昇した。200 uM・ACC添加区(黒カラム)における本酵素の活性は、接種後2日目から認められたが、3日目以後はほとんど増加しなかった。
【0056】
また、A. tumefaciens C58C1RifR(pIG121-Hm)を接種したメロン子葉外植片において、エチレン発生速度を測定した(図2)。なお接種は4日間行なった。図2において各点は外植片のエチレン発生速度を示している。図2において、黒丸と白丸はそれぞれ、200 uM・ACC 添加区とACC無添加を示す。黒三角はアグロバクテリウム菌無接種区を示している。全培養期間を通じて、200 uM・ACC 添加区におけるエチレン発生速度は、無添加区の約100 倍となっていた。これらの結果は、エチレン発生の増加が、植物への遺伝子導入を抑制することを示す。
【0057】
続いて、内生エチレンの影響を評価するために、エチレン生合成阻害剤AVG を添加して、A. tumefaciens C58C1RifR (pIG121-Hm)を接種したメロン子葉外植片を共存培地上で培養した(図3)。A. tumefaciens C58C1RifR (pIG121-Hm)を接種したメロン子葉外植片において、β-グルクロニダーゼ酵素活性を測定した。なお共存培養は4日間行った。1本のカラムは、外植片1枚から抽出された全蛋白質量当たりの本酵素の活性を示している。白と黒カラムはそれぞれ、AVG 無添加区と10 uM ・ AVG 添加区を示している。AVG無添加区(白カラム)におけるβ-グルクロニダーゼ酵素活性は、培養期間を通じて経日的に上昇した。一方10 uM・AVG 添加区(黒カラム)における本酵素の活性は、無添加区と比べて著しく高くなった。
【0058】
A. tumefaciens C58C1RifR (pIG121-Hm) を接種したメロン子葉外植片において、エチレン発生速度を測定した(図4)。なお接種は4日間行なった。1つの点は外植片のエチレン発生速度を示している。白丸と黒丸はそれぞれ、AVG 無添加区、10 uM ・AVG 添加区を示している。また黒三角はアグロバクテリウム菌無接種区を示している。培養期間を通じて、10 uM・AVG 添加区(黒丸)において、エチレンの発生はほとんど検出されなかった。エチレン発生が阻害された条件での遺伝子導入の促進は、内生エチレンが植物への遺伝子導入を抑制していることを示す。これらの事実は、内生エチレン発生の阻害が、遺伝子導入の効率を向上させる改良方法であることを示す。
【0059】
また図5において、メロン子葉外植片における A. tumefaciens C58C1RifR (pIG121-Hm)の生育に対する、エチレンの影響を調査した。接種4 日後の外植片の洗浄水を培地に塗布し、形成されたコロニーを計数した。その結果、ACC 添加区(黒カラム)とACC無添加区(白カラム)において有意な差は認められず、A. tumefaciens C58C1RifR (pIG121-Hm)の生育に対してエチレンは影響を及ぼさないと考えられた。
【0060】
なお実施例1において、A. tumafaciens C58C1RifR(pIG121-Hm)は、36時間、28℃で振盪培養した。集められた菌体細胞は、MS培地で洗浄したあと、MS培地に懸濁した。この細胞懸濁液は、O.D.= 0.5(600 nm)になるよう希釈して、接種実験に用いた(107 cells/mL)。メロン子葉の無菌外植片は、 C58C1RifR (pIG121-Hm)の細胞懸濁液に20分間浸したあと、MS培地で洗浄した。洗浄した外植片は、MS 培地に置き、25℃、暗黒下で培養した。エチレン前駆物質ACC(1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸)またはエチレン生合成阻害剤AVG (アミノエトキシビニルグリシン)の投与は、MS培地にあらかじめ添加することにより行なった。これらエチレン関連化合物によるエチレン発生の影響は、ガスクロマトグラフィー (Shimadzu, Tokyo, Japan)を用いて評価した(検出限界 0.1 uL/L)。
【0061】
外植片を接種する植物材料としてはメロン品種ベドランテス(Cucumis melo L. var. cantalopensis cv. Vedrantais)の種子を用いた。ベドランテスの種子は70%エタノールに10 秒間浸したあと、2%次亜塩素酸ナトリウム溶液、0.02% Tween 20溶液に30分間浸して表面殺菌を行い、1/2濃度のMS培地(Murashige et al., 1962)に播種した。播種した種子を25℃、50μE/m2/s、16時間の日長で生育させた。播種後6日目の子葉は、コルクボーラでくりぬき、無菌外植片として接種実験に用いた。
【0062】
外植片への遺伝子導入の評価は、T-DNA を持つ外植片の粗酵素抽出液に認められるβ-グルクロニダーゼ酵素活性を利用した。外植片は、タンパク質抽出バッファー(50 mM・ナトリウムリン酸バッファー-10 mM・EDTA-0.1%・TritonX-100-0.1%・N-ドデカノイルサルコシン酸ナトリウム-10 mM・2-メルカプトエタノール、pH 7.0)に漬けて、氷冷しながら破砕した。この破砕液は遠心分離して、その上清を得た。
【0063】
この上清に対して 2.2 倍量のタンパク質抽出バッファを混合させて、外植片の粗酵素抽出液とした。粗酵素抽出液のタンパク質濃度は、Bio-Rad Protein Assay Dye Reagent Concentrate(BIO RAD, Tokyo)を用いて、あらかじめ測定した。酵素β-グルクロニダーゼは、基質4-MUG(4-メチル-ウンベリルフェリル-β-D-グルクロニド)を、β-D-グルクロニドと4-MU(4-メチルウンベリルフェロン)に分解する。この分解産物4-MU は、紫外光(365 nm)により蛍光を発する。
【0064】
粗酵素抽出液と同量の基質液(1 mM・4-MUG-50mM・ナトリウムリン酸バッファー-10 mM・EDTA-0.1%・TritonX-100-0.1%・N-ドデカノイルサルコシン酸ナトリウム-10 mM・2-メルカプトエタノール、pH7.0)を加えて、37℃で保温して反応させた。反応を停止させるために、反応液の20倍量の停止液(0.2 M・Na2CO3)を加えた。反応を止めた試料の持つ、紫外光595nmにおける蛍光強度は、分光蛍光光度計で測定した。
【0065】
反応停止液に混合した反応産物4-MUの希釈系列(2 nMから1000 nM)を用いて、反応停止液の蛍光強度と4-MU濃度を対応させた。粗酵素抽出液のβ-グルクロニダーゼ酵素活性(時間当たり・タンパク質重量当たりの4-MU分子の蓄積量)を植物への遺伝子導入の指標とした。
【0066】
実施例2:ACCデアミナーゼ遺伝子のクローニングとシークエンス解析
本実験では、ACCデアミナーゼ遺伝子をクローニングする材料としてミヤコグサ根粒菌 Mesorhizobium loti 菌株 MAFF 303099を用い、以下の方法により遺伝子を獲得した。実験に際して本菌を28 ℃、HM 培地(Cole et al., 1973) で、生育・維持した。M. loti MAFF303099のトータルDNAをSambrook et al.(2001)の方法により抽出して、PCR の鋳型とした。本株のゲノム情報(Kaneko et al., 2000)に基づいてACC デアミナーゼ様遺伝子mlr5932のクローンを得るために、2つのプライマーacdsF(5’- TGCGGATCCT GACTAAGGAG GAGAGAGAAT ATGCTGGAAA AAATCCAGC-3’)およびacdsR(5’-TGCGGTACCG TTGATCAGCC ATTGCGAAAG GTGAGCC-3’)を設計した。
【0067】
抽出したトータルDNAと設計したプライマーを用いて、95℃、9分間の熱変性のあと、94℃で1分間、66℃で1分間、72℃で1分間、この温度サイクルを40回繰り返すという条件で PCR を行った。期待した大きさ1.0kbのPCR産物は、クローニングベクターpGEM-T(Promega, USA)にサブクローニングした。この増幅断片は BamHIと KpnIで切断し、lacプロモーターの転写制御下になるようpUC19にサブクローニングした(pUC19acds)。クローン化した断片は、DNAシークエンサーABI310とDNA Sequencing Kit Big Dye Terminator cycle sequencing Ready Reaction(Applied Biosystems, Tokyo)を用いて、塩基配列の決定を行い、データベース上に登録した配列(AP003007:mlr5932)と同一であることを確認した。
【0068】
図6に、M loti 由来ACCデアミナーゼ遺伝子 mlr5932 とPseudomonas 由来ACCデアミナーゼ遺伝子の塩基配列を比較した図を示す。2つの遺伝子、即ちmlr5932 (上段:Genbank accession number AP003007)とM73488(下段)の塩基配列の間には、68.1%の相同性が認められた。
【0069】
更に図7に、M loti 由来遺伝子ACCデアミナーゼ遺伝子 mlr5932 の推定アミノ酸コード領域と Pseudomonas 由来 ACC デアミナーゼのアミノ酸配列を比較した図を示す。2つの遺伝子の推定アミノ酸配列、即ちmlr5932 (上段:Genbank accession number BAB52295.1)とAAA25689.1(下段)のアミノ酸配列の間には、69.3%の相同性が認められた。
【0070】
実施例3:ACCデアミナーゼ遺伝子の機能解析
実施例2で作製したクローン mlr5932 を保持する大腸菌BL21(pUC19acds)およびBL21 (pUC19)の粗酵素抽出液のACC 添加後のα-ケト酪酸の蓄積速度を観察した。大腸菌 E. coli BL21(pUC19acds)、および対照としたBL21(pUC19)の粗酵素抽出液において、ACC 添加後のα-ケト酪酸の蓄積速度を測定した結果を図8に示す。図8においてカラムとエラーバーはそれぞれ、平均値と標準偏差を示している。IPTG の添加は、BL21(pUC19acds)、BL21(pUC19)の粗酵素抽出液におけるα-ケト酪酸の蓄積速度を上昇させた。このとき、BL21(pUC19acds)におけるα-ケト酪酸の蓄積速度(黒カラム)は、BL21(pUC19) におけるα-ケト酪酸の蓄積速度(白カラム)に比べて明らかに大きくなった。
【0071】
プラスミドpUC19acdsにおけるクローンmlr5932の転写はlacプロモーターの制御下にあり、誘導物質IPTGにより転写が促進されると期待できる。すなわち、IPTG の添加はmlr5932の転写を促進し、mlr5932の翻訳産物がα-ケト酪酸の蓄積速度の増大に寄与したと解釈できる。遺伝子mlr5932が既知のACCデアミナーゼ遺伝子と類似すること、その誘導とαケト酪酸の蓄積速度の増大が関連したことから、ミヤコグサ根粒菌由来遺伝子mlr5932が、機能のあるACCデアミナーゼをコードすると結論できた。
【0072】
実施例3において、ACC デアミナーゼ活性はHonma et al.(1978)の方法を改良して測定した。集菌した細菌細胞は、0.1 M カリウムリン酸バッファー(pH7.5)で2回洗浄したあと、このバッファーに懸濁した。懸濁液を冷却しながら超音波破砕機により細胞を破砕した。細胞破砕液は遠心して、その上清を粗酵素抽出液とした。粗酵素抽出液の一部は、タンパク質濃度の定量に用いた。酵素 ACC デアミナーゼは、基質 ACC をα-ケト酪酸とアンモニアに分解する(Honma et al., 1978)。ACCデアミナーゼ酵素反応液は、粗酵素抽出液:反応バッファー(0.2 M・Tris-HCl、pH 8.5):基質溶液(0.2 M・ACC)を、1:2:1の比で混合させて調製した。
【0073】
この反応液を30℃で保温し、一定時間後に反応液の9倍量の停止液(0.56 N・ HCl) を加えた。この反応停止液に、0.15倍量の呈色液(1 %・2,4-デニトロフェニルヒドラジン-2N・HCl)を加えて15分間、30℃で保温した。15分間のインキュベーションの後、反応液と同量の2N・NaOHを加え呈色反応を停止した。その呈色反応液中に含まれるα-ケト酪酸は、540 nmの吸収波長で検出した(Reitman et al., 1957)。0.1 M・リン酸カリウム緩衝液(pH7.5)に溶解したα-ケト酪酸の希釈系列は、検量線の作製に使用した。酵素活性の測定実験の確認は、Pseudomonas由来のACCデアミナーゼ遺伝子を保持した大腸菌E. coli SURE株(Sheehy, et al. 1991)を利用した。この菌株は100 mg/Lのアンピシリンを含むLB培地で培養し、細胞を集めた。この細胞の破砕液は前述の測定方法に用いられ、そのACCデアミナーゼ酵素活性を検出することができた(100 nmol・mg protein-1・min-1)。
【0074】
実施例4:アグロバクテリウム発現ベクターの構築と導入
このプラスミドを保持する大腸菌E. coli BL21(pUC19acds)からプラスミドpUC19acdsを常法に従って抽出した。プラスミドベクター pUC19 に mlr5932 のアミノ酸コード領域を結合させた、Mesorhizobium loti 由来 mlr5932 の大腸菌発現用プラスミド(pUC19acds) の構造を図9に示す。このアミノ酸コード領域の転写は lac プロモーターの制御下にあるように配置された。
【0075】
M.loti ACCデアミナーゼ遺伝子(mlr5932)を制限酵素HindIIIとKpnIで切り出し、広宿主域ベクターpFAJ1709(Dombrecht et al., 2000)にサブクローニングした。M. loti 由来ACCデアミナーゼ遺伝子mlr5932 の広宿主域発現用プラスミド広宿主域プラスミドベクターpFAJ1709に、ACCデアミナーゼ遺伝子mlr5932のアミノ酸コード領域を結合させたプラスミド(pFAJacds)の構造を図10に示す。このプラスミドにおいて、アミノ酸コード領域の転写はカナマイシン耐性遺伝子プロモーターの制御下にあるように配置された。図10において、Ampはアンピシリン耐性遺伝子を、tetAとtetRはテトラサイクリン耐性遺伝子を、oriV:は複製開始点を、trfAは複製開始タンパク質を、それぞれ示す。
【0076】
このプラスミドを保持する大腸菌BL21(pFAJacds)を、抗生物質アンピシリン100 mg/Lとテトラサイクリン1 mg/Lを含むLB培地で培養して維持した。ACCを添加した BL21(pFAJacds)株の粗酵素抽出液におけるα-ケト酪酸の蓄積速度(黒カラム)を実施例3の方法に従って測定したところ、対照としたBL21(pFAJ1709)株におけるα-ケト酪酸の蓄積速度(白カラム)に比べて大きくなり、このプラスミドが大腸菌BL21株にACCデアミナーゼ活性を付与出来ることが示された(図11)。図11においてカラムとエラーバーはそれぞれ、平均値と標準偏差を示している。
【0077】
(実施例5)アグロバクテリウム菌へのACCデアミナーゼ遺伝子の導入と活性測定
続いて、このプラスミドpFAJ1709をA. tumefaciens C58C1RifR(pIG121-Hm)にエレクトロポレーション法により導入した。このプラスミドを保持する菌株C58C1RifR(pIG121-Hm, pFAJacds)は、抗生物質カナマイシン300 mg/L、アンピシリン300 mg/Lとテトラサイクリン50 mg/Lを含むLB培地で培養して維持した。対照とするプラスミドベクターpFAJ1709をもつ菌株C58C1RifR(pIG121-Hm, pFAJ1709)は、同様の方法により得た。2種類のプラスミドを同時に保持することの確認は、コロニーを鋳型とする直接 PCR法により確認したM. loti 由来ACCデアミナーゼ遺伝子mlr5932 の検出にはプライマーacds-Fとacds-R、uidAの検出にはプライマー35S-20F(5'-CGGGGGACTCTAGAGGATCC-3')とGUS+516R(5'-TGGTGTAGAGCATTACGCTG-3')をそれぞれ用いた。
【0078】
図12にこの実験に使用したプラスミドの構造を示す。図12の上段は対照とする遺伝子導入ヘルパープラスミド pIG121-Hm の構造を示す図である。P と T はそれぞれ、35S プロモーター、NOS ターミネーターを示している。また図12の下段はmlr5932を有するプラスミド pFAJacds の構造を示す図であり、P と T はそれぞれ、カナマイシン耐性遺伝子 nptII のプロモーター、トリプトファン合成遺伝子 trpA のターミネーターを示している。更に選抜したアグロバクテリウム菌の細胞を鋳型としてPCR を行うことにより、2つのプラスミドの保持を確認した(図13)。黒と白のアローはそれぞれ、構造遺伝子と PCR プライマー領域を示している。
【0079】
更に獲得した菌株の粗酵素抽出液において、ACC 添加後のα-ケト酪酸の蓄積を観察した。プラスミド pFAJacds を保持するA. tumefaciens C58C1RifR(pIG121-Hm, pFAJacds)、および対照とした菌株 C58C1RifR(pIG121-Hm, pFAJ1709)の粗酵素抽出液において、ACC 添加後のα-ケト酪酸の蓄積速度を測定した(図14)。カラムとエラーバーはそれぞれ、平均値と標準偏差を示している。
【0080】
菌株C58C1RifR(pIG121-Hm, pFAJacds)の粗酵素抽出液におけるα-ケト酪酸の蓄積速度(黒カラム)は、対照とした菌株C58C1RifR(pIG121-Hm, pFAJ1709)のα-ケト酪酸の蓄積速度(白カラム)に比べて大きくなった。このことは、本実験によりACC デアミナーゼ酵素活性をもつA. tumafaciensが作製できたことを示す。
【0081】
(実施例6)アグロバクテリウム菌へリゾビトキシン生産能力を付与する実験
ダイズ根粒菌Bradyrhizobium elkanii USDA94株のリゾビトキシンオペロンを含むコスミドpRTF1 (Yasuta et al. 2001)を制限酵素NheIにて切り出し、rtxAからORF4を含む約9 kbの断片を得た。この断片を広宿主域ベクターpBBR1MCS-2 (Kovach et al. 1995)のSpeIサイトへ、遺伝子がlacプロモーター転写制御下にあるように導入した。
【0082】
図15に、A. tumefaciens C58C1RifRへ導入したプラスミドの構造を示す。B. elkanii USDA94株のリゾビトキシンオペロンを含むコスミドpRTF1 (Yasuta et al. 2001)を制限酵素NheIにて切り出し、べクターpBBR1MCS-2に導入した。この導入した遺伝子の転写はlacプロモーターの制御下にあるように配置された。Kmrはカナマイシン耐性遺伝子を示している。そして、得られたプラスミドpBBR::PlacRTをA. tumefaciens C58C1RifR株へエレクトロポレーション法にて導入し、抗生物質カナマイシンによって導入された菌株を選択した。
【0083】
獲得した菌株 A. tumefaciens C58C1RifR (pBBR::PlacRT)を抗生物質カナマイシン 100 mg/Lを含むTris-YMRT液体培地 (Minamisawa et al. 1990) で2日間培養を行った。得られた菌体をリン酸カリウムバッファーに懸濁し、ただちに超音波破砕機にて菌体破砕を行ない、粗酵素抽出液を調製した。この粗酵素抽出液をサンプルに抗RtxA抗体を用いたウエスタンブロッティング解析を行い、プラスミドpBBR::PlacRTを保持するA. tumefaciens C58C1RifRにおけるrtxA遺伝子の発現を解析した。
【0084】
図16は、プラスミドpBBR::PlacRTおよびベクターとして使用したpBBR1MCS-2を保持するそれぞれのA. tumefaciens C58C1RifRの粗酵素抽出液をサンプルに、抗RtxA抗体を用いたウエスタンブロッティング解析の結果を示す。コントロールとしてB. elkanii USDA94 の野生株およびrtxAを含む広い遺伝子領域が欠失されている変異株 (Δrtx::Ω1)の粗酵素抽出液の結果を同時に示した。図16より、A. tumefaciens C58C1RifR (pBBR::PlacRT)が有するrtxA遺伝子がIPTG添加の有無に関わらず大量に発現されることが明らかとなった(図16:中央PlacRTのレーン)。
【0085】
続いて、同様の菌株を抗生物質カナマイシン 100 mg/Lを含むTris-YMRT液体培地にて7日間培養を行い、その培養上清液のリゾビトキシンを含むアミノ画分をイオン交換樹脂にて精製した。次にPITC (フェニルイソチオシアネート)誘導体化を行いLC/MS解析分析を行った (Yasuta et al. 2001)。LC/MS解析によるA. tumefaciens C58C1RifR (pBBR::PlacRT)の培養上清に含まれるリゾビトキシンを検出した結果を図17に示す。
【0086】
図17のAは、PITCリゾビトキシン標準物質のスペクトルである。また図17のBは、A. tumefaciens C58C1RifR (pBBR::PlacRT)の培養上清に対しPITC誘導体化を施した物質のスペクトルを示している。PITCリゾビトキシンの親イオン (M+1, m/z=461.3)およびフラグメントイオン (m/z=235.1)がA. tumefaciens C58C1RifR (pBBR::PlacRT)の培養上清にも検出された。即ち、PITCリゾビトキシン特有のスペクトルが検出された。この結果から、したがって、A. tumefaciens C58C1RifR (pBBR::PlacRT)はリゾビトキシンを生産し、アグロバクテリウム菌への生産能付与に成功したことが明らかとなった。
【0087】
(実施例7)作出したアグロバクテリウム菌の遺伝子導入能力の評価
ACCデアミナーゼ活性を持ったA.tumefaciens C58C1RifR (pIG121-Hm, pFAJacds) の植物への遺伝子導入能力を評価した。外植片への遺伝子導入能力の評価は、実施例1に従い外植片の粗酵素抽出液のβ-グルクロニダーゼ酵素活性を利用した。
【0088】
菌株C58C1RifR (pIG121-Hm, pFAJacds)とその対照区となる菌株C58C1RifR (pIG121-Hm, pFAJ1709)およびC58C1RifRは、28℃で液体LB培地を用いて、36時間震盪培養した。集められた菌体細胞は、MS液体培地で洗浄後、MS液体培地に懸濁した。この細胞懸濁液を107 cells/mLに調整して、メロンの子葉外植切片に接種した。メロンの外植切片は各処理区それぞれ15枚ずつ用意した。接種したメロン外植片は4日間共存培養した。共存培養4日目のβ-グルクロニダーゼ酵素の活性を測定した。
【0089】
図18は、A.tumefaciens C58C1RifR、C58C1RifR(pIG121-Hm, pFAJacds)、C58C1RifR(pIG121-Hm, pFAJ1709)を接種したメロン子葉外植片において、β-グルクロニダーゼの酵素活性を測定した結果を示すグラフである(接種後4日目)。1本のカラムは外植片1枚から抽出された本酵素の活性を示している。各処理区それぞれ15枚のメロンの子葉切片を供試した。
【0090】
その結果、菌株C58C1RifR(pIG121-Hm, pFAJacds) 接種処理区(右カラム)では、C58C1RifRの接種処理区(左カラム)及びC58C1RifR(pIG121-Hm, pFAJ1709)接種処理区(中央カラム)に比べて、より高いβ-グルクロニダーゼ酵素活性が認められた。このことは、ACCデアミナーゼ合成能力を付与したアグロバクテリウム菌が同能力を有しないアグロバクテリウム菌に対して高い遺伝子導入能力を有することを示す。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明において提供されたアグロバクテリウム菌を使用して植物の形質転換を行うことにより、植物に遺伝子を効率的に導入することが可能である。例えば、従来から遺伝子導入が報告されている植物種においては、組換え植物の作出効率を向上させることができる。更には、本発明におけるアグロバクテリウム菌により、従来から遺伝子導入が困難とされていた植物種においても組換え植物の作出が可能になる。これにより、広い範囲の植物種で遺伝子組換えを利用した品種の改良が可能になる。
【0092】
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【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】図1は、メロン子葉外植片への遺伝子導入に対する ACC 投与の影響を示すグラフである。
【図2】図2は、メロン子葉外植片のエチレン発生速度に対する ACC 投与の影響を示すグラフである。
【図3】図3は、メロン子葉外植片への遺伝子導入に対する AVG 投与の影響を示すグラフである。
【図4】図4は、メロン子葉外植片のエチレン発生速度に対する AVG 投与の影響を示すグラフである。
【図5】図5は、Agrobacterium tumefaciens の生育に対するエチレンの影響を示すグラフである。
【図6】図6は、Mesorhizobium loti 由来遺伝子 mlr5932 とPseudomonas 由来ACCデアミナーゼ遺伝子の塩基配列の比較を行った図である。
【図7】図7は、Mesorhizobium loti 由来遺伝子 mlr5932 の推定アミノ酸コード領域と Pseudomonas 由来 ACC デアミナーゼのアミノ酸配列の比較を行った図である。
【図8】図8は、プラスミド pUC19acds を保持する大腸菌における ACC デアミナーゼ酵素活性を示すグラフである。
【図9】図9は、Mesorhizobium loti 由来 mlr5932 の大腸菌発現用プラスミドの構造を示す図である。
【図10】図10は、Mesorhizobium loti 由来 mlr5932 の広宿主域発現用プラスミドの構造を示す図である。
【図11】図11は、プラスミド pFAJacds を保持する大腸菌における ACC デアミナーゼ酵素活性を示すグラフである。
【図12】図12は、mlr5932 の付与を行うのに使用したプラスミドの構造を示す図である。
【図13】図13は、2つのプラスミドを保持していることを確認したPCRの結果を示す写真である。
【図14】図14は、プラスミド pFAJacds を保持する Agrobacterium tumefaciens における ACC デアミナーゼ酵素活性を示すグラフである。
【図15】図15は、Agrobacterium tumefaciens C58C1RifRへ導入したプラスミドの構造を示す図である。
【図16】図16は、プラスミドpBBR::PlacRTを保持するAgrobacterium tumefaciens C58C1RifRにおけるrtxA遺伝子の発現を示す、ウエスタンブロッティング解析の写真である。
【図17】図17は、LC/MS解析によるAgrobacterium tumefaciens C58C1RifR (pBBR::PlacRT)の培養上清に含まれるリゾビトキシンの検出を行ったLC/MSを示す図である。
【図18】図18は、ACCデアミナーゼ活性を付与したアグロバクテリウム菌の遺伝子導入能の影響をβ-グルクロニダーゼ活性により評価したグラフである。
図面
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