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明細書 :離散信号の信号処理装置及び信号処理方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3808483号 (P3808483)
公開番号 特開2006-041878 (P2006-041878A)
登録日 平成18年5月26日(2006.5.26)
発行日 平成18年8月9日(2006.8.9)
公開日 平成18年2月9日(2006.2.9)
発明の名称または考案の名称 離散信号の信号処理装置及び信号処理方法
国際特許分類 H03M   1/08        (2006.01)
H03M   1/12        (2006.01)
FI H03M 1/08 A
H03M 1/12 C
請求項の数または発明の数 20
全頁数 12
出願番号 特願2004-218460 (P2004-218460)
出願日 平成16年7月27日(2004.7.27)
審査請求日 平成16年7月27日(2004.7.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】寅市 和男
【氏名】高橋 知幸
【氏名】河辺 徹
【氏名】片岸 一起
【氏名】中村 浩二
個別代理人の代理人 【識別番号】100068504、【弁理士】、【氏名又は名称】小川 勝男
【識別番号】100083389、【弁理士】、【氏名又は名称】竹ノ内 勝
審査官 【審査官】柳下 勝幸
参考文献・文献 特開2001-069010(JP,A)
調査した分野 H03M1/00-1/88
特許請求の範囲 【請求項1】
不等間隔の標本点で離散化された第1の信号と上記標本点の時間又は位置を表す第2の信号とを入力し、上記第2の信号で決定される標本化関数の値と上記第1の信号の大きさとの積を求め、上記積の第1の信号毎に求めた値の線形結合により、標本点間隔内の信号を再生することを特徴とする信号処理装置。
【請求項2】
間隔が不均等な標本点の時間又は位置を表す第2の信号を入力して標本化関数の係数を求める係数演算部と、
上記標本点で離散化された第1の信号と上記係数演算部が出力する上記係数の値とから標本点間隔内の関数値を演算出力することにより、連続した再生信号を得る再生信号演算部とを具備することを特徴とする信号処理装置。
【請求項3】
上記再生信号演算部は、上記係数演算部が出力する上記係数の値を多項式関数に当て嵌めて、標本点間隔内の所定の時間或いは位置における上記標本化関数の値を演算し、演算結果の演算値と上記第1の信号の信号値との積を求め、求めた積値の上記標本点間隔内の所定の時間或いは位置における総和を再生信号として出力することを特徴とする請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項4】
間隔が不均等な標本点の時間又は位置を表す第2の信号を入力して標本化関数の係数を求める係数演算部と、
上記標本点で離散化された第1の信号と上記係数演算部が出力する上記係数の値から決定される標本化関数の値との内積演算を行ない、上記第1の信号の標本値毎に求めた内積演算値の線形結合によって連続した再生信号を得る再生信号演算部とを具備することを特徴とする信号処理装置。
【請求項5】
上記標本化関数は、標本点間隔の1/2毎に区切られた2n個の区間の各々で連続な2次式で表される多項式関数であって、標本点及び標本点間隔の1/2点において1回微分可能な2次の連続多項式関数からなり、基準となる標本点での値は1、他の標本点での値は雰であることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一に記載の信号処理装置。
【請求項6】
上記第2の信号は、上記第1の信号が時系列信号である場合は経過時間で表され、上記第1の信号が座標を用いて示される信号である場合は座標点で表されることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一に記載の信号処理装置。
【請求項7】
上記第2の信号は、隣接する標本点間の時間間隔又は距離で表されることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一に記載の信号処理装置。
【請求項8】
不等間隔の標本点で離散化された第1の信号と上記標本点の時間又は位置を表す第2の信号とを入力するステップと、
上記第2の信号で決定される標本化関数の値と上記第1の信号の大きさとの積を求めるステップと、
上記積の第1の信号毎に求めた値の線形結合により、標本点間隔内の信号を再生するステップとを具備することを特徴とする信号処理方法。
【請求項9】
間隔が不均等な標本点の時間又は位置を表す第2の信号を入力して標本化関数の係数を求めるステップと、
上記標本点で離散化された第1の信号と上記係数の値とから標本点間隔内の関数値を演算出力することにより連続した再生信号を得るステップとを具備することを特徴とする信号処理方法。
【請求項10】
間隔が不均等な標本点の時間又は位置を表す第2の信号を入力して標本化関数の係数を求めるステップと、
上記標本点で離散化された第1の信号と上記係数の値から決定される標本化関数の値との内積演算を行なうステップと、
上記第1の信号の標本値毎に求めた内積演算値の線形結合によって連続した再生信号を得るステップとを具備することを特徴とする信号処理方法。
【請求項11】
上記標本化関数は、標本点間隔の1/2毎に区切られた2n個の区間の各々で連続な2次式で表される多項式関数であって、標本点及び標本点間隔の1/2点において1回微分可能な2次の連続多項式関数からなり、基準となる標本点での値が1、他の標本点での値が雰であることを特徴とする請求項8~請求項10のいずれか一に記載の信号処理方法。
【請求項12】
標本点間隔の1/2点における上記標本化関数の関数値が所定の条件によって定められることを特徴とする請求項8~請求項10のいずれか一に記載の信号処理方法。
【請求項13】
上記所定の条件は、標本点間隔の1/2点における上記標本化関数の上記関数値を基準となる標本点で対称となるように定めることによって示されることを特徴とする請求項12に記載の信号処理方法。
【請求項14】
上記所定の条件は、標本点間隔の1/2点における上記標本化関数の上記関数値を均等間隔の標本化関数の値と最小誤差で近似されるように定めることによって示されることを特徴とする請求項12に記載の信号処理方法。
【請求項15】
連続信号をサンプリングして得る第1の信号の適否を判断する信号適否判定部と、適の場合、上記第1の信号の標本点の時間又は位置を表す第2の信号を生成する標本点測定部と、適と判断された上記第1の信号と上記第2の信号とを入力して再生信号を得る信号再生部とを具備し、
上記信号再生部は、
上記第2の信号を入力して標本化関数の係数を求める係数演算部と、
上記適と判断された上記第1の信号と上記係数演算部が出力する上記係数の値とから標本点間隔内の関数値を演算出力することにより連続した再生信号を得る再生信号演算部とを具備することを特徴とする信号処理装置。
【請求項16】
上記信号適否判定部は、上記第1の信号の標本値に対してそれに隣接する標本点の第1の信号の標本値が所定の基準値を越えたか否かによって適否を判断し、基準値を越えたときに不適と判断することを特徴とする請求項15に記載の信号処理装置。
【請求項17】
上記信号適否判定部は、上記第1の信号の標本値に対してそれに継続する第1の信号の標本値が所定の基準値を越えたか否かによって適否を判断し、基準値を越えたときに適と判断することを特徴とする請求項15に記載の信号処理装置。
【請求項18】
連続信号をサンプリングして得る第1の信号の適否を判断する第1のステップと、適の場合、上記第1の信号の標本点の時間又は位置を表す第2の信号を生成する第2のステップと、適と判断された上記第1の信号と上記第2の信号を入力して再生信号を得る第3のステップとを具備し、
上記第3のステップは、
上記第2の信号を入力して標本化関数の係数を求める第4のステップと、
上記適と判断された上記第1の信号と上記係数の値とから標本点間隔内の関数値を演算出力することにより連続した再生信号を得る第5のステップとを具備することを特徴とする信号処理方法。
【請求項19】
上記第1のステップにおいて、上記第1の信号の標本値に対してそれに隣接する標本点の第1の信号の標本値が所定の基準値を越えたか否かによって適否が判断され、基準値を越えたときに不適と判断されることを特徴とする請求項18に記載の信号処理方法。
【請求項20】
上記第1のステップにおいて、上記第1の信号の標本値に対してそれに継続する第1の信号の標本値が所定の基準値を越えたか否かによって適否が判断され、基準値を越えたときに適と判断されることを特徴とする請求項18に記載の信号処理方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、連続信号の離散化及び離散化した信号の再生に有効な処理装置及び処理方法に係り、特に画像信号、音響信号或いは画像の輪郭を抽出して得られる信号に適用して好適な信号処理装置及び信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
連続信号の離散化は、一定間隔の標本点毎に連続信号の信号値を取り出すサンプラ(標本化回路)によって行なわれる。連続信号がアナログ信号である場合、離散信号(標本化信号)は、量子化及び符号化されることによってディジタル信号になる。このようにして、アナログ-ディジタル変換されたディジタル信号は、ディジタル-アナログ変換において離散信号を経て連続信号として再生される。一定間隔で標本化が行なわれる場合を対象に、離散信号と標本化関数との畳み込み演算によって離散信号から再生信号を得る方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】

【特許文献1】特開2000-13226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
連続信号から離散信号を得る過程で、ノイズやジッタ(信号の時間軸の揺らぎ)等により、サンプラの標本化タイミングに変動が生じて信号間隔が異なることが起こった場合でも、従来は一定間隔の信号として扱われ、信号の演算処理や再生が適切に行なわれないという問題があった。
【0005】
均等間隔の標本化関数の例として、図9に示す区分多項式関数がある。この関数は、全点で1回微分可能な2次の区分多項式で表され、下記の式(1)に示される2次のB-スプライン関数{Φ(t)}を基底として構成される。
【0006】
【数1】
JP0003808483B2_000002t.gif
ここで、
h:シフト間隔 l:シフト数
である。この基底を下記の様に線形結合することによって、図9に示す式(2)の2次のフルーエンシ標本化関数Ψ(t)が導出される。
【0007】
【数2】
JP0003808483B2_000003t.gif
この標本化関数は、シフト間隔hを標本点間隔の1/2、全区間をJとしたとき、1/2標本点間隔毎に区切られる8つの区間で、各々連続な2次式で表され、全点において1回微分可能な2次の連続多項式関数として与えられる。シャノンのSinc関数に比べて有限台の性質(関数の定義される区間が有限の区間Jに限られる性質)を持つことから有限区間の演算で良く、計算量の点でも優れ、音響装置、映像装置などへ適用されている。特許文献1において用いられた標本化関数は上記関数の例である。
【0008】
しかし、このようにして導出された標本化関数は均等間隔の標本化を対象にしており、部分的に一部の標本点間隔が変わって、間隔が不均等となった場合、区間接合点での微係数の連続性(1回微分可能性)が保証されず、角を持った波形となる。従って、滑らかな信号の補間が困難となる。
【0009】
本発明の目的は、標本点間隔が不均等の離散信号の再生において、滑らかな信号再生を行なうことができる信号処理装置及び信号処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明の信号処理装置は、間隔が不均等な標本点の時間又は位置を表す第2の信号(即ち、標本点信号)を入力して標本化関数の係数を求める係数演算部と、標本点で離散化された第1の信号(即ち、離散信号)と係数演算部が出力する係数の値とから標本点間隔内の関数値を演算出力することにより連続した再生信号を得る再生信号演算部とを具備する。離散信号の標本値のそれぞれに対応する標本化関数が決定されるので、滑らかな連続した信号再生を得ることができる。
【0011】
標本化関数は、例えば、点間隔の1/2毎に区切られた2n個(nは2以上の偶数の整数)の区間の各々で連続な2次式で表される多項式関数であって、標本点及び標本点間隔の1/2点において1回微分可能な2次の連続多項式関数からなり、基準となる標本点での値が1、他の標本点での値が雰である関数となる。
【0012】
標本点間隔が不均等の離散信号の再生において、滑らかな信号再生を行なうことができる信号処理方法が実現すると、その方法を利用して、信号の適正化を狙いとする離散信号の取捨選択が可能になる。取捨選択によって標本点間隔が不等間隔になっても、滑らかな信号再生を行なうことができるからである。信号の適正化は、例えば、遠隔地に配置したセンサからセンサ信号を伝送するときにその途中でサージ電流が発生してセンサ信号が乱れた場合、乱れたセンサ信号の離散信号を削除することが挙げられる。また、信号適正化の別の例として、信号伝送量の圧縮を狙いとして許容される範囲で、標本点間隔の前後で変化が少ない場合、変化が所定の値に達するまで、離散信号の伝送を中止することが挙げられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、入力信号の異常、入力タイミングのずれ、信号圧縮などによる標本値の間引き、などに対して適正な信号を再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る離散信号の信号処理装置および方法を図面に示した実施形態を参照して更に詳細に説明する。なお、図1、図4~図6及び図8における同一の符号は、同一物又は類似物を表示するものとする。
【0015】
図1に本発明の第1の実施形態を示す。図1において、4は、不等間隔の標本点の時間を表す標本点信号(第2の信号)E2を入力して不等間隔の離散信号に最適な標本化関数の係数を演算する標本化関数の係数演算部、5は、上記不等間隔の標本点毎に標本化された不等間隔の離散信号(第1の信号)E1と係数演算部4が出力する標本化関数の係数のデータとから再生信号を演算して再生信号E3を出力する再生信号演算部を示す。なお、図1では示していないが、標本点信号E2は、不等間隔の離散信号に対応する不等間隔の標本化パルスのパルス位置を時間計測することによって求めることができる。
【0016】
ここで係数演算部4が行なう標本化関数の係数演算について説明する。
【0017】
図2で不等間隔の離散信号に適切な標本化関数の例を太線で示す。この関数は、不均等な間隔として与えられる信号間隔に対して、有限台の区間の標本点{t}(i=-2,-1,0,1,2)の4標本区間を、[t,(t+ti十1)/2]区間毎に8区間に分割し、その間の関数sを下記式(3)のtの2次式で表したものである。tは時間を表し、その値が標本点信号E2によって示される。
【0018】
【数3】
JP0003808483B2_000004t.gif
式(3)において、次の条件を付与して関数が決定される。
(1)各関数の接合点(標本点およびその中間点)において連続である。
(2)各関数の接合点において、t以外の標本点において0の値を持つ関数である。
(3)標本点間隔の中間点における関数値は、標本点における誤差が最小となるように決定する。
【0019】
上の条件から決定される標本化関数は、式(4)で表すことができる。
【0020】
【数4】
JP0003808483B2_000005t.gif
上記式(4)のs(t)において、右辺の式は通常の2次式の形式、すなわち式(3)の形式に変形しても何ら影響は無い。
【0021】
図1における係数演算部4は、上記Bi式あるいは式(3)の形式で表される係数a,b,cを演算する。これらの係数値は標本点tのみで演算可能なことから、係数演算部4は標本点信号E2によって示される標本点{t}(i=-2,-1,0,1,2)の値(経過時間)を入力し、各係数値を演算して、演算結果を再生信号演算部5に出力する。
【0022】
再生信号演算部5は離散信号E1と係数演算部4の出力とから、内積演算により、標本点間の関数s(t)を演算する。離散信号E1の信号値即ち標本値が1の場合に、標本点間の関数s(t)を結んで得られる標本化関数の例が図2に示される。標本化関数は、基準となる標本点tで1、その他の標本点t-2,t-1,t,tで0、この順の中間点でd-2,d-1,d1,dとなる。
【0023】
この各標本値に対する関数値の同一標本区間における値を線形結合することにより、その標本区間における信号が再生され、滑らかな再生信号E3が出力される。再生信号E3の例を図3に示す。標本点の推移と共に標本値がa~aとなる場合、それぞれに対して標本化関数f~fが求められ、それらが線形結合されて滑らかな連続の再生信号E3が得られる。なお、再生信号演算部5の演算は、言い換えると、係数演算部4の演算結果の係数値を多項式関数に当て嵌めて標本点間隔内の所定の位置或いは時間における標本化関数値を演算し、その演算値と離散信号の信号値との積を求め、同一標本区間の積値の総和を再生信号として出力する演算となる。
【0024】
上記実施形態においては、標本点tの値を用いて係数値を演算する方法を示したが、前述の式から明らかなように、標本点間隔、即ちΔt=ti十1-tを係数演算部の入力として、標本点間隔の式に変形しても差し支えない。なお、本実施形態においては時間列の信号を対象にすることができるほか、画像などにおいては画素位置を標本点として扱うことが可能なことは明白である。画像位置が座標で示され、標本点が座標点で表される。なお、本発明の上記標本化関数の標本区間は4区間であるが、区間はこれに限ることなく、n区間(nは2以上の偶数の整数)とすることが可能である。
【0025】
また、標本点間隔の不均等の度合に応じて新たな条件を加えることにより、良好な信号再生が得られる場合がある。条件の例として、標本点間隔の1/2点における標本化関数の関数値を基準となる標本点で対称となるように定めることがある。またその他に、標本点間隔の1/2点における標本化関数の関数値を均等間隔の標本化関数の値と最小誤差で近似されるように定めることがある。
【0026】
本実施形態の信号処理装置は、各部のそれぞれにディジタル回路やメモリを用いて、ハードウエア構成とすることが可能であるが、プログラムによってコンピュータが実行するソフトウエア構成とすることも可能である。この場合、信号処理装置は、主に中央処理装置(CPU)と、演算途中のデータ等を一時記憶するメモリと、信号処理プログラムや標本化関数等を格納するファイル装置とから構成される。信号処理プログラムには、係数演算部4及び再生信号演算部5による各処理をコンピュータが実行する手順が示される。なお、信号処理プログラムは、CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory)等の記録媒体に格納し、独立したプログラムとすることが可能である。
【0027】
標本点間隔が不均等の離散信号に対して滑らかな信号再生を行なう上記の本発明の信号処理方法を利用することにより、等間隔の離散信号の乱れた一部を削除して信号を適正化することが可能になる。
【0028】
図4に本発明の第2の実施形態を示す。本実施形態は、例えば、遠隔地に配置したセンサからセンサ信号を伝送して記録するときに、伝送途中でサージ電流が発生してセンサ信号の一部が乱れた場合、乱れた一部の離散信号を削除して記録するものである。記録後の再生において、本発明の標本化関数を用いることにより、滑らかな再生信号が得られる。なお、本実施形態では、入力信号が、上記のセンサ信号のように、時間的に変化する。図4において、1は信号入力処理部、2は信号記憶部、3は信号記憶部2からの信号読込部、4は標本化関数の係数演算部、5は再生信号演算部である。係数演算部4及び再生信号演算部5によって信号再生部が構成される。
【0029】
図5に信号入力処理部1の構成例を示す。図5において、11は入力される連続信号、12は連続信号11を標本化パルスによって標本化するサンプラ、13は標本化された離散信号をディジタル化するAD(Analog to Digital)変換器である。AD変換器13までが遠隔地に配置され、AD変換器13出力のAD変換された離散信号が伝送される。また、図5において、14は伝送されてきた離散信号の適否を判定する信号適否判定部である。信号適否判定部14では、離散信号の入力の際、離散信号の標本点に対応するタイミング信号即ち標本化パルスが再生される。次に、15はタイマー、16は、信号適否判定部14が出力する判定後の標本化パルスのパルス位置をタイマー15からの時間で読み込み、読み込んだ時間を、標本点を表す標本点信号E2として出力する標本点測定部、17は、信号適否判定部14の適信号として出力された離散信号E1と標本点測定部16の出力である標本点信号E2を一対の離散信号データとして出力する離散信号出力部である。離散信号出力部17が出力する離散信号データが信号記憶部2に格納される。
【0030】
図6に信号適否判定部14の構成例を示す。図6において、21は、入力した離散信号の1標本点前の離散信号を出力する遅延回路、22は、入力した離散信号と1標本点前の離散信号との差の絶対値を出力する減算器、23は、減算器22の出力と基準電圧Vr1とを比較する比較器、24,26は比較器23の比較結果に応じて開閉するスイッチ、25は、入力した離散信号からそれに対応する標本化パルスを抽出するタイミング回路である。比較器23は、1標本点の後で基準電圧Vr1を越える急変が発生したときに比較結果を出力し、スイッチ24,26をオフにし、離散信号及びタイミング回路25が出力する標本化パルスを遮断する。これにより、1標本点後で急変した離散信号は不適と判定され、遮断される。そして、適正と判断された離散信号及びそれに対応する標本化パルスがそれぞれスイッチ24,26から出力される。なお、急変が1標本点で収まらず、数標本点継続することが想定される場合は、比較器23の出力に比較結果を指定の時間保持する保持回路が接続される。
【0031】
次に、図7に信号記憶部2に格納されている離散信号データのデータフォーマットの一例を示す。標本点毎に、離散信号のデータx(j=1,2,3,…)と標本点信号のデータtとが一対の離散信号データとなって格納される。信号記憶部2は、不揮発性メモリなどの半導体メモリ、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)、ディジタルバーサタイルディスク(DVD)、フレキシブルディスクなどのいずれの媒体でも構わない。
【0032】
図4における信号読込部3は、信号記憶部2に記憶された離散信号と標本点信号の一対のデータを順次読み出し、標本化関数の係数演算部4に標本点信号E2を、再生信号演算部5に離散信号E1を出力する。係数演算部4及び再生信号演算部5は、第1の実施形態で説明したものと同じである。再生信号演算部5から滑らかな再生信号が出力される。
【0033】
本実施形態により、離散信号の乱れた一部を削除して信号を適正化すると共に、適正化によって標本点間隔が不均等になった離散信号を滑らかに再生することが可能になる。
【0034】
なお、本実施形態では、遠隔地からセンサ信号を伝送する場合を例に説明したが、本発明はそのような例に限らず、例えば、AD変換器13の出力データが記録媒体(CDやDVD、或いは磁気テープなど)に記録され、記録媒体からデータが再生される際に記録媒体に入った傷や付着したごみ等によって再生が乱れる場合にも適用可能であることは言うまでもない。
【0035】
また、上記では、離散信号出力部17が出力する離散信号データが信号記憶部2に格納される場合を取り上げたが、離散信号データが信号記憶部2を経ずに信号再生部に供給されても構わない。
【0036】
本発明の第3の実施形態を図8を用いて説明する。本実施形態は、標本値の変化が所定の値に達するまで離散信号の伝送を中断することによって信号伝送量を圧縮するもので、信号適否判定部の構成以外は第2の実施形態と同様である。
【0037】
図8に本実施形態の信号適否判定部の構成例を示す。図8において、21は、入力した離散信号の1標本点前の離散信号を出力する遅延回路、28は、遅延回路21出力の離散信号を常時入力するが、入力が遮断されたときに遮断直前の離散信号を保持する保持回路、30は、遅延回路21出力の離散信号又は保持回路28出力の離散信号を切り替える切替スイッチ、22は、入力した離散信号と切替スイッチ30出力の離散信号との差の絶対値を出力する減算器、23は、減算器22の出力と基準電圧Vr2とを比較する比較器、27は、比較器23に接続され、反転比較結果を出力するインバータ、24,26,26は反転比較結果に応じて開閉するスイッチ、25は、入力した離散信号からそれに対応する標本化パルスを抽出するタイミング回路である。
【0038】
インバータ27を接続された比較器23は、離散信号が1標本点後で基準電圧Vr2を越えなかったとき、同離散信号と同離散信号に継続して入力される離散信号との差が基準電圧Vr2を越えるまで反転比較結果を出力し、スイッチ24,26,29をオフにし、切替スイッチ30を保持回路28側に接続させ、離散信号及びタイミング回路が出力する標本化パルスを遮断する。これにより、1標本点以降で差が基準電圧Vr2を越えない離散信号は不適と判定され、遮断される。そして、適正と判断された離散信号及びそれに対応する標本化パルスがそれぞれスイッチ24,26から出力される。
【0039】
本実施形態により、標本点以降の標本値の変化が所定の値に達するまで離散信号の伝送を中断されると共に、適正化によって標本点間隔が不均等になった離散信号が滑らかに再生されるため、信号伝送量の圧縮が可能になる。
【0040】
なお、本実施形態においても、離散信号出力部17が出力する離散信号データが信号記憶部2を経ずに信号再生部に供給されても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る信号処理装置の第1の実施形態を説明するための構成図。
【図2】本発明の不均等間隔に対する標本化関数の一例を説明するための曲線図。
【図3】本発明による信号再生の一例を説明するための図。
【図4】本発明の第2の実施形態を説明するための構成図。
【図5】第2の実施形態における入力信号処理部を説明するための構成図。
【図6】第2の実施形態における信号適否判定部を説明するための構成図。
【図7】第2の実施形態における信号記憶部のデータフォーマットを説明するための図。
【図8】本発明の第3の実施形態を説明するための構成図。
【図9】標本化関数の一例を説明するための曲線図。
【符号の説明】
【0042】
1…、2…信号記憶部、3…信号読込部、4…係数演算部、5…再生信号演算部、12…サンプラ、13…AD変換器、14…信号適否判定部、15…タイマー、16…標本点測定部、17…離散信号出力部、21…遅延回路、22…減算器、23…比較器、24,26,29…スイッチ、25…タイミング回路、27…インバータ、28…保持回路、30…切替スイッチ。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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