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明細書 :フラン環含有高分子化合物、その製造方法及びその用途

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3834650号 (P3834650)
公開番号 特開2005-075984 (P2005-075984A)
登録日 平成18年8月4日(2006.8.4)
発行日 平成18年10月18日(2006.10.18)
公開日 平成17年3月24日(2005.3.24)
発明の名称または考案の名称 フラン環含有高分子化合物、その製造方法及びその用途
国際特許分類 C08G  61/12        (2006.01)
C08G  67/00        (2006.01)
H01L  51/50        (2006.01)
FI C08G 61/12
C08G 67/00
H05B 33/14 B
請求項の数または発明の数 8
全頁数 15
出願番号 特願2003-310440 (P2003-310440)
出願日 平成15年9月2日(2003.9.2)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成15年3月18日早稲田大学西早稲田キャンパスにおいて開催された日本化学会第83春季年会(2003)で発表
審査請求日 平成18年1月18日(2006.1.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
発明者または考案者 【氏名】大江 浩一
【氏名】三木 康嗣
【氏名】和志武 洋祐
【氏名】植村 榮
審査官 【審査官】辰己 雅夫
参考文献・文献 特開平07-097569(JP,A)
特開平06-093088(JP,A)
特開平04-335234(JP,A)
特開昭63-229404(JP,A)
特開昭61-148231(JP,A)
調査した分野 C08G 61/00-61/12
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(I)で表されてなることを特徴とするフラン環含有高分子化合物。
【化1】
JP0003834650B2_000020t.gif
[式中、点線で表される部分はシクロプロパン環又は二重結合を示す。R1とR2は同一又は異なって水素原子、C1-20アルキル基、-(CH2OCH2q-OR11(R11はC1-6アルキル基を示しqは1~8の整数を示す)のいずれかを示す。R1とR2が一緒になって炭素数3以上のアルキレンを形成してもよい。R3とR4は同一又は異なってC1-6アルキル基、C1-6アルコキシル基、水酸基、ハロゲン原子のいずれかを示す。R5は水素原子、-COR12(R12はC1-6アルキル基を示す)、-COOR13(R13はC1-6アルキル基を示す)のいずれかを示す。R6は水素原子、C1-6アルキル基、置換されていてもよいアリール基のいずれかを示す。lとmは同一又は異なって0~4の整数であり、かつ、l+mは0~4の整数である。nは2以上の整数である。]
【請求項2】
下記一般式(II)で表されてなることを特徴とする請求項1記載のフラン環含有高分子化合物。
【化2】
JP0003834650B2_000021t.gif
[式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,l,m,nは前出の通りである。]
【請求項3】
下記一般式(III)で表されてなることを特徴とする請求項1記載のフラン環含有高分子化合物。
【化3】
JP0003834650B2_000022t.gif
[式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,l,m,nは前出の通りである。]
【請求項4】
数平均分子量が5000~10000であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のフラン環含有高分子化合物。
【請求項5】
下記一般式(IV)で表される共役エンインカルボニル化合物を用い、触媒量の遷移金属錯体の存在下、重付加反応を行うことを特徴とする請求項2記載のフラン環含有高分子化合物の製造方法。
【化4】
JP0003834650B2_000023t.gif
[式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,l,mは前出の通りである。]
【請求項6】
下記一般式(V)で表される共役エンインカルボニル化合物を用い、ホスフィンと触媒量の遷移金属錯体の存在下、重縮合反応を行うことを特徴とする請求項3記載のフラン環含有高分子化合物の製造方法。
【化5】
JP0003834650B2_000024t.gif
[式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,l,mは前出の通りである。]
【請求項7】
遷移金属錯体がロジウム錯体であることを特徴とする請求項5又は6記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1記載のフラン環含有高分子化合物の有機発光素子材料又は有機トランジスタ材料としての使用方法。

































発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光素子材料や有機トランジスタ材料などとしての利用が期待されるフラン環含有高分子化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
高度情報化社会の今日、情報記憶、表示、記録、通信などの分野で光関連技術の重要性が高まっている中、有機発光素子材料や有機トランジスタ材料などの研究開発が盛んに行われている。
【0003】
ところで、本発明者らは、これまでに、触媒量の遷移金属錯体の存在下、共役エンインカルボニル化合物が様々なアルケンと反応し、シクロプロパン化合物に変換されることを見出している(非特許文献1参照)。この反応は、下記の反応式で表されるように、中間体として反応系内で発生する非安定型の2-フリルカルベン錯体を経由していると考えられる。
【0004】
【化6】
JP0003834650B2_000002t.gif

【0005】
カルベン錯体におけるカルベン部分は反応性に富む。従って、このカルベン部分を重合反応の反応点として利用することによる高分子化合物の合成計画を立てることができる。しかしながら、このような戦略に基づいた、有機発光素子材料や有機トランジスタ材料などとしての利用が期待される高分子化合物の合成についての報告は、本発明者らを含めて未だ存在しない。

【非特許文献1】Miki,K. ; Nishino,F. ; Ohe,K. ; Uemura,S. J.Am.Chem.Soc. 2002,124,5260. " Novel Approach for Catalytic Cyclopropanation of Alkenes via (2-Furyl)carbene Complexes from 1-Benzoyl-cis-1-butene-3-yne "
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、共役エンインカルボニル化合物と遷移金属錯体とから発生する非安定型の2-フリルカルベン錯体のカルベン部分を重合反応の反応点として利用し、有機発光素子材料や有機トランジスタ材料などとしての利用が期待される高分子化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の点に鑑みてなされた本発明のフラン環含有高分子化合物は、請求項1記載の通り、下記一般式(I)で表されてなることを特徴とする。
【0008】
【化7】
JP0003834650B2_000003t.gif

【0009】
[式中、点線で表される部分はシクロプロパン環又は二重結合を示す。R1とR2は同一又は異なって水素原子、C1-20アルキル基、-(CH2OCH2q-OR11(R11はC1-6アルキル基を示しqは1~8の整数を示す)のいずれかを示す。R1とR2が一緒になって炭素数3以上のアルキレンを形成してもよい。R3とR4は同一又は異なってC1-6アルキル基、C1-6アルコキシル基、水酸基、ハロゲン原子のいずれかを示す。R5は水素原子、-COR12(R12はC1-6アルキル基を示す)、-COOR13(R13はC1-6アルキル基を示す)のいずれかを示す。R6は水素原子、C1-6アルキル基、置換されていてもよいアリール基のいずれかを示す。lとmは同一又は異なって0~4の整数であり、かつ、l+mは0~4の整数である。nは2以上の整数である。]
【0010】
また、請求項2記載のフラン環含有高分子化合物は、請求項1記載のフラン環含有高分子化合物において、下記一般式(II)で表されてなることを特徴とする。
【0011】
【化8】
JP0003834650B2_000004t.gif

【0012】
[式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,l,m,nは前出の通りである。]
【0013】
また、請求項3記載のフラン環含有高分子化合物は、請求項1記載のフラン環含有高分子化合物において、下記一般式(III)で表されてなることを特徴とする。
【0014】
【化9】
JP0003834650B2_000005t.gif

【0015】
[式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,l,m,nは前出の通りである。]
【0016】
また、請求項4記載のフラン環含有高分子化合物は、請求項1乃至3のいずれかに記載のフラン環含有高分子化合物において、数平均分子量が5000~10000であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項2記載のフラン環含有高分子化合物の製造方法は、請求項5記載の通り、下記一般式(IV)で表される共役エンインカルボニル化合物を用い、触媒量の遷移金属錯体の存在下、重付加反応を行うことを特徴とする。
【0018】
【化10】
JP0003834650B2_000006t.gif

【0019】
[式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,l,mは前出の通りである。]
【0020】
また、本発明の請求項3記載のフラン環含有高分子化合物の製造方法は、請求項6記載の通り、下記一般式(V)で表される共役エンインカルボニル化合物を用い、ホスフィンと触媒量の遷移金属錯体の存在下、重縮合反応を行うことを特徴とする。
【0021】
【化11】
JP0003834650B2_000007t.gif

【0022】
[式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,l,mは前出の通りである。]
【0023】
また、請求項7記載の製造方法は、請求項5又は6記載の製造方法において、遷移金属錯体がロジウム錯体であることを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、請求項8記載の通り、請求項1記載のフラン環含有高分子化合物の有機発光素子材料又は有機トランジスタ材料としての使用方法である。
【発明の効果】
【0025】
本発明のフラン環含有高分子化合物は、フラン環が分子中に規則的に導入された化合物であり、分子量分散が正規分布を示し、薄膜材料としての加工性や耐熱性に優れた有機発光素子材料や有機トランジスタ材料などとしての利用が期待されるものである。このフラン環含有高分子化合物は、数多くの誘導体を、対応する反応性モノマーの触媒的重合反応により簡便かつ安価に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明のフラン環含有高分子化合物は、下記一般式(I)で表されてなることを特徴とするものである。
【0027】
【化12】
JP0003834650B2_000008t.gif

【0028】
[式中、点線で表される部分はシクロプロパン環又は二重結合を示す。R1とR2は同一又は異なって水素原子、C1-20アルキル基、-(CH2OCH2q-OR11(R11はC1-6アルキル基を示しqは1~8の整数を示す)のいずれかを示す。R1とR2が一緒になって炭素数3以上のアルキレンを形成してもよい。R3とR4は同一又は異なってC1-6アルキル基、C1-6アルコキシル基、水酸基、ハロゲン原子のいずれかを示す。R5は水素原子、-COR12(R12はC1-6アルキル基を示す)、-COOR13(R13はC1-6アルキル基を示す)のいずれかを示す。R6は水素原子、C1-6アルキル基、置換されていてもよいアリール基のいずれかを示す。lとmは同一又は異なって0~4の整数であり、かつ、l+mは0~4の整数である。nは2以上の整数である。]
【0029】
ここで、R1とR2におけるC1-20アルキル基としては、直鎖状のものであっても分岐鎖状のものであってもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、デシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。R1とR2が一緒になって形成する炭素数3以上のアルキレンとしては、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンなどが挙げられる。R3,R4,R6,R11,R12,R13におけるC1-6アルキル基としては、直鎖状のものであっても分岐鎖状のものであってもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基などが挙げられる。R3とR4におけるC1~6アルコキシル基としては、直鎖状のものであっても分岐鎖状のものであってもよく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられる。R3とR4におけるハロゲン原子としては、フッ素原子や塩素原子や臭素原子やヨウ素原子が挙げられる。R6における置換されていてもよいアリール基の置換基としては、C1-6アルキル基(前出の通り)、C1-6アルコキシル基(前出の通り)、水酸基、ハロゲン原子(前出の通り)などが挙げられる。
【0030】
一般式(I)で表されるフラン環含有高分子化合物のうち、代表的な化合物としては、下記一般式(II)で表される化合物が挙げられる。
【0031】
【化13】
JP0003834650B2_000009t.gif

【0032】
[式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,l,m,nは前出の通りである。]
【0033】
一般式(II)で表されるフラン環含有高分子化合物は、下記一般式(IV)で表される共役エンインカルボニル化合物を原料モノマーとして用い、触媒量の遷移金属錯体の存在下、重付加反応を行うことで合成することができる(必要であれば官能基を自体公知の保護基で保護したりするなどして行う)。この方法は、本発明者らが上記の非特許文献1において報告した、非安定型の2-フリルカルベン錯体を経由するシクロプロパン環形成反応を利用したものである。なお、下記一般式(V)で表される共役エンインカルボニル化合物は、例えば、次の文献、Miki,K. ; Yokoi,T. ; Nishino,F. ; Ohe,K. ; Uemura,S. J.Organomet.Chem. 2002,645,228. " Synthesis of 2-pyranylidene or (2-furyl)carbene-chromium complexes from conjugated enyne carbonyl compounds with Cr(CO)5(THF) "に記載の方法に基づいて、必要であれば自体公知の反応を追加して合成することができる。触媒量としては、例えば、0.1mol%~5mol%が挙げられる。
【0034】
【化14】
JP0003834650B2_000010t.gif

【0035】
[式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,l,mは前出の通りである。]
【0036】
また、一般式(I)で表されるフラン環含有高分子化合物のうち、下記一般式(III)で表される化合物も、代表的な化合物として挙げられる。
【0037】
【化15】
JP0003834650B2_000011t.gif

【0038】
[式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,l,m,nは前出の通りである。]
【0039】
一般式(III)で表されるフラン環含有高分子化合物は、下記一般式(V)で表される共役エンインカルボニル化合物を原料モノマーとして用い、化学当量以上のホスフィンと触媒量の遷移金属錯体の存在下、重縮合反応を行うことで合成することができる(必要であれば官能基を自体公知の保護基で保護したりするなどして行う)。なお、下記一般式(V)で表される共役エンインカルボニル化合物も、例えば、上記の文献、Miki,K. ; Yokoi,T. ; Nishino,F. ; Ohe,K. ; Uemura,S. J.Organomet.Chem. 2002,645,228.に記載の方法に基づいて、必要であれば自体公知の反応を追加して合成することができる。触媒量としては、例えば、0.1mol%~5mol%が挙げられる。
【0040】
【化16】
JP0003834650B2_000012t.gif

【0041】
[式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,l,mは前出の通りである。]
【0042】
この方法は、非安定型の2-フリルカルベン錯体を経由したシクロプロパン環形成反応の代わりに、炭素-炭素二重結合を導入することができるWittig型縮合反応を利用したものであり、高分子化合物中におけるπ電子共役系の伸張を図ることができる。本発明者らは、この方法の利用可能性を下記のモデル反応により確認済みである。
【0043】
【化17】
JP0003834650B2_000013t.gif

【0044】
[式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,l,mは前出の通りである。R7とR8は同一又は異なってC1-6アルキル基(前出の通り)、C1-6アルコキシル基(前出の通り)、水酸基、ハロゲン原子(前出の通り)のいずれかを示す。oとpは同一又は異なって0~5の整数であり、かつ、o+pは0~5の整数である。]
【実施例】
【0045】
以下、実施例と比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の記載に何ら限定して解釈されるものではない。
【0046】
実施例1:フリルシクロプロピル高分子化合物の合成とその特性
以下のスキームにて3種類のフリルシクロプロピル高分子化合物3を合成した。反応条件の詳細は次の通りである。窒素雰囲気において、2mLのジクロロメタン中で、原料モノマー1(0.20mmol:上記の文献、Miki,K. ; Yokoi,T. ; Nishino,F. ; Ohe,K. ; Uemura,S. J.Organomet.Chem. 2002,645,228.に記載の方法に基づいて合成)とロジウム錯体([Rh(OAc)2]2)(0.0050mmol)を室温で1分間攪拌し、原料モノマーを重付加反応させ、溶出液としてクロロホルムを用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPCカラム:日本分析工業社製の商品名JAIGEL-1H&2H/ゲル:ポリスチレン系ポリマー)にて精製した。
【0047】
【化18】
JP0003834650B2_000014t.gif

【0048】
フリルシクロプロピル高分子化合物3b~3dの各々における、収率,数平均分子量(Mn),重量平均分子量(Mw),Mw/Mn,紫外吸収極大波長(UVλmax)を表1に示す。なお、収率はGPCによる精製量から決定した。MnとMwはポリスチレン標準品を用いたGPCにより決定した。UVλmaxは、室温におけるクロロホルム溶液(濃度:2.0×10-5M)の吸収スペクトルから決定した。
【0049】
【表1】
JP0003834650B2_000015t.gif

【0050】
また、表1には、上記の文献、Miki,K. ; Nishino,F. ; Ohe,K. ; Uemura,S. J.Am.Chem.Soc. 2002,124,5260.に記載の、以下のスキームにて合成したフリルシクロプロピル化合物3aのUVλmaxをあわせて記載した。
【0051】
【化19】
JP0003834650B2_000016t.gif

【0052】
表1から明らかなように、フリルシクロプロピル高分子化合物3b~3dのMnは6300~6900であり、重合度(n)27~29に相当するものであった。UVλmaxはいずれも320nm付近にあり、フリルシクロプロピル化合物3aのそれとあまり大差はなかった。
【0053】
実施例2:フルフリリデン高分子化合物の合成とその特性
以下のスキームにて2種類のフリルシクロプロピル高分子化合物4を合成した。反応条件の詳細は次の通りである。窒素雰囲気において、2mLの1,2-ジクロロエタン中で、原料モノマー1(0.20mmol:上記の文献、Miki,K. ; Yokoi,T. ; Nishino,F. ; Ohe,K. ; Uemura,S. J.Organomet.Chem. 2002,645,228.に記載の方法に基づいて合成)とトリフェニルホスフィン(0.48mmol)とロジウム錯体([Rh(OAc)2]2)(0.0050mmol)を70℃で1時間攪拌し、原料モノマーを重縮合反応させ、溶出液としてクロロホルムを用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPCカラム:日本分析工業社製の商品名JAIGEL-1H&2H/ゲル:ポリスチレン系ポリマー)にて精製した。
【0054】
【化20】
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【0055】
フルフリリデン高分子化合物4eと4fの各々における、実施例1と同様の方法にて決定した、収率,Mn,Mw,Mw/Mn,UVλmaxとともに、室温におけるクロロホルム溶液(濃度:2.0×10-4M)の発光スペクトルから決定した蛍光極大波長(PLλmax:励起波長は4eについては380nmで4fについては440nm)を表2に示す。
【0056】
【表2】
JP0003834650B2_000018t.gif

【0057】
また、表2には、以下のスキームにて合成したフルフリリデン化合物4aの収率,UVλmax,PLλmax(励起波長は380nm)をあわせて記載した。
【0058】
【化21】
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【0059】
表2から明らかなように、フルフリリデン高分子化合物4eと4fのMnは6000と6200であり、重合度(n)27と28に相当するものであった。フルフリリデン高分子化合物4fのUVλmaxは457nmにあり、フルフリリデン化合物4aのそれに対して85nm長波長側にシフトしていた。この特性は、π電子共役系の伸張が効果的に図られたことに起因するものと考えられた。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、共役エンインカルボニル化合物と遷移金属錯体とから発生する非安定型の2-フリルカルベン錯体のカルベン部分を重合反応の反応点として利用し、有機発光素子材料や有機トランジスタ材料などとしての利用が期待される高分子化合物を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。