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明細書 :濾過装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4399595号 (P4399595)
公開番号 特開2006-043652 (P2006-043652A)
登録日 平成21年11月6日(2009.11.6)
発行日 平成22年1月20日(2010.1.20)
公開日 平成18年2月16日(2006.2.16)
発明の名称または考案の名称 濾過装置
国際特許分類 B01D  33/06        (2006.01)
C02F  11/12        (2006.01)
FI B01D 33/06 A
B01D 33/06 C
B01D 33/06 Z
C02F 11/12 D
請求項の数または発明の数 4
全頁数 15
出願番号 特願2004-232172 (P2004-232172)
出願日 平成16年8月9日(2004.8.9)
審査請求日 平成19年2月26日(2007.2.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
発明者または考案者 【氏名】入谷 英司
【氏名】片桐 誠之
個別代理人の代理人 【識別番号】110000110、【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
審査官 【審査官】関口 哲生
参考文献・文献 特開昭52-072972(JP,A)
特開平09-010522(JP,A)
特開平06-304455(JP,A)
特開昭52-072973(JP,A)
特開昭48-031774(JP,A)
特開平01-231914(JP,A)
調査した分野 B01D 33/06
C02F 11/12
特許請求の範囲 【請求項1】
外筒と、
外筒内に配置された内筒と、
外筒と内筒との間に形成される濾室の両端部を閉塞するとともに、内筒を回転可能に支持する一対の支持部材と、
内筒を駆動する手段と、を備え、
濾室の一方側端部に処理水を供給するとともに、濾室の他方側端部から処理水を排水する濾過装置であり、
内筒壁には濾過部材が設けられ、
内筒内には濾過部材が濾過した濾液が通過する流路が形成されており、
内筒は、外筒に対して偏心回転し、
前記内筒は、内筒本体と、内筒本体に設けられた駆動軸を有しており、
前記駆動手段は駆動軸を駆動し、その駆動軸に対して内筒本体が偏心しており、
前記内筒本体は、さらに、軸方向に連なる複数の子内筒から構成されており、隣接する子内筒同士の径が異なることを特徴とする濾過装置。
【請求項2】
外筒と、
外筒内に配置された内筒と、
外筒と内筒との間に形成される濾室の両端部を閉塞するとともに、内筒を回転可能に支持する一対の支持部材と、
内筒を駆動する手段とを備え、
濾室の一方側端部に処理水を供給するとともに、濾室の他方側端部から処理水を排水する濾過装置であり、
内筒壁には濾過部材が設けられ、
内筒内には濾過部材が濾過した濾液が通過する流路が形成されており、
内筒は、外筒に対して偏心回転し、
前記内筒は、内筒本体と、内筒本体に設けられた駆動軸を有しており、
前記駆動手段は駆動軸を駆動し、その駆動軸に対して内筒本体が偏心しており、
前記内筒本体は、さらに、軸方向に連なる複数の子内筒から構成されており、少なくとも2つの子内筒同士が偏心していることを特徴とする濾過装置。
【請求項3】
外筒と、
外筒内に配置された内筒と、
外筒と内筒との間に形成される濾室の両端部を閉塞するとともに、内筒を回転可能に支持する一対の支持部材と、
内筒を駆動する手段とを備え、
濾室の一方側端部に処理水を供給するとともに、濾室の他方側端部から処理水を排水する濾過装置であり、
外筒壁と内筒壁の少なくとも一方に濾過部材が設けられ、
その濾過部材の裏側には濾過部材が濾過した濾液が通過する流路が形成されており、
内筒は、外筒に対して偏心回転し、
前記内筒は、内筒本体と、内筒本体に設けられた駆動軸を有しており、
前記駆動手段は駆動軸を駆動し、その駆動軸に対して内筒本体が偏心しており、
前記内筒本体は、さらに、軸方向に連なる複数の子内筒から構成されており、隣接する子内筒同士の径が異なることを特徴とする濾過装置。
【請求項4】
外筒と、
外筒内に配置された内筒と、
外筒と内筒との間に形成される濾室の両端部を閉塞するとともに、内筒を回転可能に支持する一対の支持部材と、
内筒を駆動する手段とを備え、
濾室の一方側端部に処理水を供給するとともに、濾室の他方側端部から処理水を排水する濾過装置であり、
外筒壁と内筒壁の少なくとも一方に濾過部材が設けられ、
その濾過部材の裏側には濾過部材が濾過した濾液が通過する流路が形成されており、
内筒は、外筒に対して偏心回転し、
前記内筒は、内筒本体と、内筒本体に設けられた駆動軸を有しており、
前記駆動手段は駆動軸を駆動し、その駆動軸に対して内筒本体が偏心しており、
前記内筒本体は、軸方向に連なる複数の子内筒から構成されており、少なくとも2つの子内筒同士が偏心していることを特徴とする濾過装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、濾過装置に関するものである。詳しくは、濾過部材に不純物が堆積するのを抑制する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化学工業、食品工業、廃水処理工業等では、不純物を含んだ処理水が発生する。処理水から不純物を分離するのには、濾過装置が用いられる。濾過装置の一種として、処理水を濾過部材の一方面から他方面に透過させ、濾過部材の表面に不純物を堆積させて除去するものが知られている。この技術では、濾過部材に不純物が次第に堆積するので、時間経過とともに濾過装置の濾過性能が低下してしまう。従って、濾過装置が運転を長時間連続して行うためには、濾過部材の表面に堆積する不純物の増加を抑制する必要がある。
濾過部材の表面に堆積する不純物の増加を抑制する技術として、ダイナミック濾過法が提案されている。例えば、特許文献1に記載のダイナミック濾過法は、複数の突起が形成された攪拌部材を濾室中で往復運動することによって濾室内の処理水を流動させる。濾室内の処理水が流動すると、その流動によって濾過部材の表面近傍の処理水に剪断力が作用し、濾過部材に堆積する不純物の増加を抑制する。
【0003】

【特許文献1】特開昭61-245811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来のダイナミック濾過法では、濾室内の処理水を強く流動させることができなかった。このため、濾過部材に堆積する不純物の増加を十分に抑制できないという問題があった。
本発明は、その問題を解決するためになされたものであり、濾過部材に堆積する不純物の増加を、より抑制することが可能な濾過装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の濾過装置は、外筒と、外筒内に配置された内筒と、外筒と内筒との間に形成される濾室の両端部を閉塞するとともに、内筒を回転可能に支持する一対の支持部材と、内筒を駆動する手段とを備えており、濾室の一方側端部に処理水を供給するとともに、濾室の他方側端部から処理水を排水する。そして、内筒壁には濾過部材が設けられ、内筒内には濾過部材が濾過した濾液が通過する流路が形成されており、内筒は、外筒に対して偏心回転する。
この濾過装置の内筒は、外筒に対して偏心回転する。このため、濾室内の処理水が強く流動する。濾室内の処理水が強く流動すると、濾過部材に堆積する不純物の増加を、より抑制することが可能になる。
【0006】
上記の濾過装置において、内筒は、内筒本体と、内筒本体の片側端部に設けられた駆動軸を有し、駆動手段は駆動軸を駆動し、その駆動軸に対して内筒本体が偏心していることが好ましい。
駆動軸に対して内筒本体が偏心していると、内筒を外筒に対して偏心回転させることができる。
【0007】
上記の濾過装置において、外筒は、外筒本体と、外筒本体内側に配置された円筒状の外筒濾過部材を有し、外筒本体と外筒濾過部材との間に外筒濾液流路が形成されていることが好ましい。
この濾過装置によれば、内筒の濾過部材のみならず、外筒側濾過部材によっても処理水を濾過することができる。
【0008】
上記の濾過装置において、支持部材は、外筒濾過部材を回転可能に支持しており、外筒濾過部材を回転駆動する手段を備えることが好ましい。
外筒側濾過部材が回転すると、濾室内の処理水を強く流動させることができる。
【0009】
上記の濾過装置において、内筒本体と外筒濾過部材が逆回転することが好ましい。
内筒本体と外筒濾過部材が逆回転すると、濾室内の処理水をより強く流動させることができる。
【0010】
上記の濾過装置において、内筒本体は、軸方向に連なる複数の子内筒から構成されており、隣接する子内筒同士の径が異なることが好ましい。
内筒本体が軸方向に連なる複数の子内筒から構成されており、隣接する子内筒同士の径が異なると、濾室内の処理水を強く流動させることができる。
【0011】
上記の濾過装置において、内筒本体は、軸方向に連なる複数の子内筒から構成されており、少なくとも2つの子内筒同士が偏心していることが好ましい。
内筒本体が軸方向に連なる複数の子内筒から構成されており、少なくとも2つの子内筒同士が偏心していると、濾室内の処理水を強く流動させることができる。
【0012】
上記の濾過装置において、内筒には、一方側端部が内筒本体の外周部に固定され、他方側端部が外筒濾過部材の内面に摺接する部材が設けられていることが好ましい。
この濾過装置によれば、内筒が回転すると、摺接部材の他方側端部によって、外筒濾過部材の内面に堆積した不純物が除去される。
【0013】
上記の濾過装置において、濾室内に収容された弾性を有する球体を備えており、球体の径は、外筒壁と内筒壁の最短距離よりも大きいことが好ましい。
濾室内に球体が収容された状態で内筒が外筒に対して偏心回転すると、球体が内筒と外筒の濾過部材と擦れ合うことによって、濾過部材に堆積した不純物が除去される。
【0014】
本発明の濾過装置は、外筒と、外筒内に配置された内筒と、外筒と内筒との間に形成される濾室の両端部を閉塞するとともに、内筒を回転可能に支持する一対の支持部材と、内筒を駆動する手段とを備えており、濾室の一方側端部に処理水を供給するとともに、濾室の他方側端部から処理水を排水する。この濾過装置では、外筒壁と内筒壁の少なくとも一方に濾過部材が設けられ、その濾過部材の裏側には濾過部材が濾過した濾液が通過する流路が形成されており、内筒は、外筒に対して偏心回転する。
内筒が外筒に対して偏心回転すると、濾室内の処理水が強く流動する。濾室内の処理水が強く流動すると、濾過部材に堆積する不純物の増加をより抑制することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の好適な実施形態を例示する。
(形態1)
外筒と、
外筒内に配置された中空状の柱状体と、
外筒と柱状体との間に形成される濾室の両端部を閉塞するとともに、柱状体を回転可能に支持する一対の支持部材と、
柱状体を回転駆動する手段を備え、
濾室の一方側端部に処理水を供給するとともに、濾室の他方側端部から処理水を排水する濾過装置であり、
柱状体壁には濾過部材が設けられ、
柱状体内には濾過部材が濾過した濾液が通過する流路が形成されており、
柱状体は、曲線および/または直線が組み合わされた軸直角方向断面を有することを特徴とする濾過装置。
この濾過装置のように、外筒内で曲線および/または直線が組み合わされた軸直角方向断面を有する柱状体が回転すると、濾室内の処理水が強く流動する。よって、濾過部材に堆積する不純物の増加を、より抑制することが可能になる。
【実施例】
【0016】
(第1実施例)
本発明を具体化した第1実施例の濾過装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、図1の左方を上流側、右方を下流側とする。
図1に示すように、濾過装置10は、流入側端面部材12、流出側端面部材14、外筒部15、内筒部16を備えている。流入側端面部材12には、流入路17と、貫通孔18が形成されている。貫通孔18には、ベアリング21が装着されている。ベアリング21は、内筒部16の第1シャフト33(後述する)を回転可能に支持している。流出側端面部材14には、第1流出路19と、貫通孔20が形成されている。貫通孔20には、ベアリング22が装着されている。ベアリング22は、内筒部16の第2シャフト34(後述する)を回転可能に支持している。
外筒部15は、外筒本体23と、第1濾過部材24を有している。外筒本体23は、略円筒状に形成されている。外筒本体23の上流側端部は流入側端面部材12に固定されている。外筒本体23の下流側端部は流出側端面部材14に固定されている。外筒本体23の内部側には、周方向に延びる突出壁25が、複数形成されている。図1では図示を省略しているが、突出壁25には、外筒本体23の軸方向に貫通する孔が複数設けられている。第1濾過部材24は、円筒状に形成されており、その外周面が、外筒本体23の両端部内周と突出壁25の頂部に接した状態で、外筒本体23に固定されている。第1濾過部材24には、例えば、高分子膜や、セラミック膜を好適に用いることができる。外筒本体23と第1濾過部材24に囲まれることによって、外筒濾液流路26が形成される。外筒濾液流路26の下流端は、外筒本体23に形成された第2流出路27によって外部と連通している。
【0017】
内筒部16は、第2濾過部材30、第1円板31、第2円板32、第1シャフト33、第2シャフト34、駆動シャフト35を備えている。第2濾過部材30は、円筒状に形成されている。第2濾過部材30には、第1濾過部材24と同様に、例えば、高分子膜や、セラミック膜を好適に用いることができる。第1円板31は、第2濾過部材30の上流側端部に固定されている。第2円板32は、第2濾過部材30の下流側端部に固定されている。第2円板32には、板厚方向に貫通する孔36が形成されている。
第1シャフト33の下流側端部は、第1円板31に取り付けられている。第1シャフト33の上流側端部には、駆動シャフト35が固定されている。第2シャフト34には、軸方向に貫通する孔37が形成されている。第2シャフト34は、第2円板32に取り付けられている。第2シャフト34に第2円板32が取り付けられた状態では、第2シャフト34の貫通孔37と第2円板32の貫通孔36によって、第2濾過部材30の内部と外部を連通する第3流出路40が形成される。
【0018】
図2は、図1のII-II線断面図であり、C1は第1シャフト33と第2シャフト34の軸を示しており、C2は第2濾過部材30の軸を示している。第1シャフト33と第2シャフト34の軸C1は、第1濾過部材24の軸と一致している。第1シャフト33と第2シャフト34の軸C1に対して、第2濾過部材30の軸C2は偏心している。
図1に示すように、第1シャフト33は、流入側端面部材12の貫通孔18に挿通された状態で、ベアリング21によって支持されている。第2シャフト34は流出側端面部材14の貫通孔20に挿通された状態で、ベアリング22によって支持されている。駆動シャフト35は、駆動機構(図示省略)と連結されている。
第1濾過部材24の内面24aと第2濾過部材30の外面30aによって、処理液流路(濾室)41が形成される。処理液流路41の上流端は、流入側端面部材12の流入路17によって外部と連通している。処理液流路41の下流端は、流出側端面部材14の第1流出路19によって外部と連通している。第2濾過部材30と第1円板31と第2円板32に囲まれて、内筒濾液流路42が形成される。内筒濾液流路42の下流端は、第3流出路40によって外部と連通されている。
【0019】
第1シャフト33と第2シャフト34の軸C1に対して、第2濾過部材30の軸C2が偏心しているので、駆動機構が駆動シャフト35を回転させると、第2濾過部材30は外筒部15の第1濾過部材24に対して偏心しながら回転する。図3は、第2濾過部材30が図2と異なる位置まで偏心回転した状態を図示している。
第2濾過部材30が偏心回転している状態で、処理液(スラリー)が流入側端面部材12の流入路17に供給される。流入路17に供給された処理液は、処理液流路41に流入する。処理液流路41に流入した処理液は、処理液流路41を上流側から下流側に向かって流れながら、第1濾過部材24と第2濾過部材30を通過することによって濾過される。従って、処理液流路41を流れる処理液は、処理液流路41を上流側から下流側に向かって流れるにつれて不純物濃度が高くなる。不純物濃度が高くなった処理液は、流出側端面部材14の第1流出路19から外部に排出される。
【0020】
第1濾過部材24を通過した濾液は、外筒濾液流路26を上流側から下流側まで流れ、第2流出路27から外部に排出される。第2濾過部材30を通過した濾液は、内筒濾液流路42を上流側から下流側まで流れ、第3流出路40から外部に排出される。
第1濾過部材24の内周面24aと、第2濾過部材30の外周面30aには、第1濾過部材24と第2濾過部材30が処理液を濾過する過程で濾過ケーク(不純物)が堆積する。上述したように、第2濾過部材30は偏心回転する。第2濾過部材30が偏心回転すると、第2濾過部材30に引きずられるようにして、処理液流路41内の処理液が流動する。処理液流路41内の処理液が流動すると、第1濾過部材24の内周面24aと第2濾過部材30の外周面30aに堆積した濾過ケークを剥離する力が発生する(掃流効果が発生する)。従って、第1濾過部材24と第2濾過部材30に濾過ケークが堆積するのが抑制される。第2濾過部材30が偏心回転すると、第2濾過部材30が偏心しないで回転する場合に比べて、処理液流路41内の処理液は、流動方向や流動速度がより複雑に変化しながら流動する。よって、第2濾過部材30を偏心回転させることによって、より高い掃流効果を得ることができる。
第1濾過部材24と第2濾過部材30に濾過ケークが堆積するのが抑制されると、堆積した濾過ケークによって、濾過効率が低下したり処理液流路41が狭窄してしまうのを防止することができる。
内筒部16のシャフト33、34は、第1濾過部材24の軸から偏心した位置に配置することもできる。
【0021】
(第2実施例)
第2実施例に係る濾過装置について説明する。なお、第1実施例の濾過装置10と重複する説明は省略する(後述する第3実施例~第7実施例についても同様である)。
図4に示すように、濾過装置50は、流入側端面部材51、流出側端面部材52、外筒部53、内筒部16を備えている。流入側端面部材51には、流入路54と、貫通孔55が形成されている。貫通孔55には、ベアリング66が装着されている。流出側端面部材52には、第1流出路57と、貫通孔60が形成されている。貫通孔60には、ベアリング67が装着されている。
外筒部53は、外筒本体62、流入側回転部材63、流出側回転部材64、第1濾過部材24を備えている。外筒本体62は、第1実施例の外筒本体23と同形状に形成されている。外筒本体62の上流側端部は流入側端面部材51に固定されている。外筒本体62の下流側端部は流出側端面部材52に固定されている。
【0022】
流入側回転部材63には、凹部70と、外部に突出した駆動シャフト74と、駆動シャフト74を通過して一端が凹部70の底部に開口する貫通孔71が形成されている。さらに流入側回転部材63には、図5に示すように、流入路75が形成されている。流入路75の流入口75aは、流入側回転部材63の外周面に、周方向に沿って開口している。流入路75の流出口75bは、流入側回転部材63の内面に、周方向に沿って開口している。図4に示すように、凹部70の内周部には、ベアリング56が装着されている。流入側回転部材63は、流入側端面部材51の貫通孔55に挿通された状態で、ベアリング66によって回転可能に支持されている。流入側回転部材63の駆動シャフト74は、駆動機構(図示省略)と連結されている。流出側回転部材64には、貫通孔72と流出路76が形成されている。貫通孔72には、ベアリング73が装着されている。流出路76は、流入側回転部材63の流入路75と同様の形状を有している。
流出側回転部材64は、流出側端面部材52の貫通孔60に挿通された状態で、ベアリング67によって回転可能に支持されている。第1濾過部材24は、円筒状に形成されている。第1濾過部材24の上流側端部は、流入側回転部材63に固定されている。第1濾過部材24の下流側端部は、流出側回転部材64に固定されている。第1濾過部材24の外周面65は、外筒本体62の両端部内周と突出壁25の頂部に接している。
内筒部16は、第1実施例のそれと同様の構成を有している。第1シャフト33は、流入側回転部材63の凹部70に挿入された状態で、ベアリング56によって回転可能に支持されている。駆動シャフト35は、流入側回転部材63の貫通孔71に挿通されている。第2シャフト34は、流出側回転部材64の貫通孔72に挿通された状態で、ベアリング73によって回転可能に支持されている。
【0023】
図6に示すように、第1実施例の濾過装置10と同様に、第1シャフト33と第2シャフト34の軸C1と、第2濾過部材30の軸C2は偏心している。このため、駆動機構が駆動シャフト35を回転させると、第2濾過部材30は第1濾過部材24に対して偏心しながら回転する。駆動機構が流入側回転部材63の駆動シャフト74を回転させると、第1濾過部材24は、外筒部53の外筒本体62の内周部(外筒本体62の両端部内周と突出壁25の頂部)と摺接しながら回転する。第1濾過部材24に固定されている流出側回転部材64も同時に回転する。
第1濾過部材24が回転し、第2濾過部材30が偏心回転している状態で、流入側端面部材51の流入路54に処理液が供給される。流入路54に供給された処理液は、流入側回転部材63の流入路75を通過してから、処理液流路41に流入する。処理液流路41に流入した処理液は、第1濾過部材24と第2濾過部材30を通過することによって濾過される。処理液流路41を流れて不純物の濃度が高くなった処理液は、流出側回転部材64の流出路76に流入する。流入路76を通過した処理液は、流出側端面部材52の第1流出路57から外部に排出される。
第1濾過部材24によって濾過された濾液は、外筒濾液流路26と第2流出路27を通過して外部に排出される。第2濾過部材30によって濾過された濾液は、内筒濾液流路42と第3流出路40を通過して外部に排出される。
【0024】
上述したように、第1濾過部材24は回転し、第2濾過部材30は第1濾過部材24に対して偏心回転する。このため、第1濾過部材24の回転と第2濾過部材30の偏心回転によって、処理液流路41内の処理液が複雑に流動する。処理液が複雑に流動すると、強い掃流効果が発生し、第1濾過部材24と第2濾過部材30に濾過ケークが堆積するのが抑制される。
図6に示すように、第1濾過部材24と第2濾過部材30は、逆方向に回転することが好ましい。第1濾過部材24と第2濾過部材30が逆方向に回転すると、処理液流路41内の処理液をより複雑に流動させることができる。
図5に示す流入側回転部材63では、流入路75の流出口75bが全周に亘って開口している。しかしながら、流出口75bは、必ずしも全周に亘って開口していなくてもよい。例えば、4つの流出口75bの内、「A」と「B」を付したもののみを開口する。このようにすると、流出口75bが全周に亘って開口している場合よりも、処理液流路41に流入する処理液の速度が速くなる。処理液の流入速度が速くなると、掃流効果が高くなる。また、流出口75bが全周に亘って開口していないと、流出口75bの回転移動にともなって、処理液流路41内の処理液をより複雑に流動させることができる。流入側回転部材63の流出口75bの形状は、図5に図示した形状に限られるものではない。流出口75bの形状や開口位置を組み合わせることによって、処理液流路41内の処理液の流動状態を変化させることができる。流入側回転部材63の流出口75bと同様に、流出側回転部材52の流出路76の流入口の形状や開口位置を組み合わせても、処理液流路41内の処理液の流動状態を変化させることができる。
第1濾過部材24が偏心回転するように構成することもできる。
【0025】
(第3実施例)
図7は、濾過装置の内筒部80を図示している。処理液は、図7の右方に向けて流れる。内筒部80は、円筒状の上流側濾過部材81と、同じく円筒状の下流側濾過部材82を備えている。上流側濾過部材81は、下流側濾過部材82よりも径が大きい。上流側濾過部材81の上流側端面には、駆動シャフト83が取り付けられている。下流側濾過部材82の下流側端面には、シャフト84が取り付けられている。内筒部80は、駆動シャフト83が駆動されることにより、シャフト83、84を中心にして回転する。上流側濾過部材81と下流側濾過部材82によって濾過された濾液は、それらの内部を通過してから外部に排出される。図8に良く示すように、上流側濾過部材81の軸C4は、シャフト83、84の軸C3から偏心している。上流側濾過部材81の軸C4と、下流側濾過部材82の軸C5は、偏心している。従って、内筒部80が回転すると、上流側濾過部材81は軸C3廻りに偏心回転するとともに、上流側濾過部材81に対して偏心している下流側濾過部材82も軸C3廻りに偏心回転する。このような形状の内筒部80が偏心回転すると、処理液流路41内の処理液が複雑に流動する。処理液が複雑に流動すると、掃流効果が強く発生し、濾過部材81、82、第1濾過部材24に濾過ケークが堆積するのが抑制される。
本実施例では、上流側濾過部材81の方が下流側濾過部材82よりも径が大きいが、その逆に、上流側濾過部材81よりも下流側濾過部材82の径が大きいように構成することもできる。
上流側濾過部材81や下流側濾過部材82のような濾過部材(子濾過部材)は、2つに限られるものではない。子濾過部材は、3つ以上設けることもできる。
上流側濾過部材81と下流側濾過部材82を、同径かつ偏心しているように構成することもできる。
上流側濾過部材81と下流側濾過部材82の断面形状は円形状であることに限られず、種々の形状(例えば、三角形や六角形のような多角形形状や、直線と曲線を組み合わせた形状等)を採用することもできる。
【0026】
(第4実施例)
図9に示すように、内筒部86は、径が異なる円筒が重なり合った横断面形状を有しており、大径濾過部材87と小径濾過部材88を備えている。内筒部86は、大径濾過部材87の軸C6廻りに回転する。
あるいは、図10に示すように、内筒部86を軸C7廻りに回転させ、その軸C7に対して大径濾過部材87の軸C6を偏心させてもよい。
このように構成しても、処理液流路41内の処理液を複雑に流動させることができる。
【0027】
(第5実施例)
図11は、内筒部の濾過部材90を偏心回転させる機構を図示している。偏心回転機構は、第1歯車部材91、第2歯車部材92を備えている。第1歯車部材91は内歯車であり、その内部には歯型91aが形成されている。C8は、第1歯車部材91の軸を示している。第1歯車部材91の歯型91aには、第2歯車部材92に形成された歯型92aが噛み合わされている。C9は、第2歯車部材92の軸を示している。C10は、濾過部材90の軸を示している。濾過部材90は、第2歯車部材92に対して偏心した状態で、端部が第2歯車部材92に固定されている。第2歯車部材92は、図示しない駆動機構に駆動されて、第1歯車部材91に噛み合いながら回転する。
この偏心回転機構によれば、濾過部材90の軸C10を、単純な偏心回転運動ではなく、さらに複雑な軌跡を描くように移動させることが可能になる。よって、処理液流路41内の処理液を複雑に流動させることができる。
【0028】
(第6実施例)
図12は、第1濾過部材24と第2濾過部材30の横断面を図示している。第2濾過部材30の外周部の第1濾過部材24に最も近い部分には、摺接部材97が取り付けられている。摺接部材97の先端部は、第1濾過部材24の内周面24aに摺接する。図13は、第2濾過部材30が、図12の状態よりもさらに回転した場合を図示している。
このように、摺接部材97は、第1濾過部材24の内周面24aに摺接しながら偏心回転する。すると、摺接部材97によって、第1濾過部材24の内周面24aに堆積した濾過ケークが、こすり落とすようにして除去される。摺接部材97には、例えば、ブラシ状の部材や、第2濾過部材30の軸方向に伸びる板状の弾性体を採用することができる。
摺接部材97を第1濾過部材24に取り付け、摺接部材97の先端部が第2濾過部材30の外周面に摺接するように構成することもできる。この場合、第2濾過部材30の偏心回転にともなって、第1濾過部材24の内周面24aと第2濾過部材30の外周面の距離が変化する。従って、摺接部材97の先端部が常に第2濾過部材30の外周面に摺接するように、摺接部材97を構成することが好ましい。例えば、摺接部材97を柔軟な素材から形成し、第1濾過部材24と濾過部材30の距離が接近したときには、摺接部材97を曲がった状態で第2濾過部材30と摺接させる。
【0029】
(第7実施例)
図14は、第1濾過部材24と第2濾過部材30の横断面を図示している。処理液流路41内には、ボール99が収容されている。ボール99は、弾性体(例えば、ゴムやスポンジ)から形成されている。ボール99の直径は、第1濾過部材24と第2濾過部材30の最小間隔よりも大きいことが好ましい。
このように構成されていると、第2濾過部材30の偏心回転にともなって、ボール99が処理液流路41内を動き回る。処理液流路41内をボール99が動き回ると、ボール99が第1濾過部材24の内周面24aと第2濾過部材30の外周面30aに接触し、第1濾過部材24と第2濾過部材30に堆積した濾過ケークが除去される。ボール99の直径が第1濾過部材24と第2濾過部材30の最小間隔よりも大きいので、その最小間隔部位にボール99が移動し、ボール99が第1濾過部材24と第2濾過部材30に接触すると、堆積した濾過ケークが効率的に除去される。
ボール99の表面に凹凸を形成したり、ボール99を多面体形状にしたりすると、濾過ケークの除去効率が向上する。複数のボール99を処理液流路41内に収容することもできる。ボール99を中空状とし、その壁に貫通孔を複数形成することもできる。このように構成すると、ボール99の流体抵抗が減少する。
【0030】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1実施例の濾過装置の断面図。
【図2】図1のII-II線断面図。
【図3】同上。
【図4】第2実施例の濾過装置の断面図。
【図5】第2実施例の流入側回転部材の斜視図。
【図6】図4のVI-VI線断面図。
【図7】第3実施例の内筒部の側面図。
【図8】図7のVIII-VIII線断面図。
【図9】第4実施例の内筒部の軸直角方向断面図。
【図10】同上。
【図11】第5実施例の偏心回転機構の説明図。
【図12】第6実施例の濾過部材の断面図。
【図13】同上。
【図14】第7実施例の濾過部材の断面図。
【符号の説明】
【0032】
10:濾過装置
12:流入側端面部材
14:流出側端面部材
15:外筒部
16:内筒部
17:流入路
18:貫通孔
19:第1流出路
20:貫通孔
21、22:ベアリング
23:外筒本体
24:第1濾過部材、24a:内面
25:突出壁
26:外筒濾液流路
27:第2流出路
30:第2濾過部材、30a:外面
31:第1円板
32:第2円板
33:第1シャフト
34:第2シャフト
35:駆動シャフト
36、37:貫通孔
40:第3流出路
41:処理液流路
42:内筒濾過流路
50:濾過装置
51:流入側端面部材
52:流出側端面部材
53:外筒部
54:流入路
55:貫通孔
56:ベアリング
57:第1流出路
60:貫通孔
62:外筒本体
63:流入側回転部材
64:流出側回転部材
65:外周面
66:ベアリング
67:ベアリング
70:凹部
71、72:貫通孔
73:ベアリング
74:駆動シャフト
75:流入路、75a:流入口、75b:流出口
76:流出路
80:内筒部
81:上流側濾過部材
82:下流側濾過部材
83、84:駆動シャフト
86:内筒部
87:大径濾過部材
88:小径濾過部材
90:濾過部材
91:第1歯車部材、91a:歯型
92:第2歯車部材、92a:歯型
97:摺接部材
99:ボール
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13