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明細書 :類似画像検索装置、方法およびプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4243577号 (P4243577)
公開番号 特開2006-120085 (P2006-120085A)
登録日 平成21年1月9日(2009.1.9)
発行日 平成21年3月25日(2009.3.25)
公開日 平成18年5月11日(2006.5.11)
発明の名称または考案の名称 類似画像検索装置、方法およびプログラム
国際特許分類 G06T   7/60        (2006.01)
G06F  17/30        (2006.01)
FI G06T 7/60 300A
G06F 17/30 170B
G06F 17/30 350C
請求項の数または発明の数 23
全頁数 18
出願番号 特願2004-309795 (P2004-309795)
出願日 平成16年10月25日(2004.10.25)
審判番号 不服 2007-014666(P2007-014666/J1)
審査請求日 平成16年10月25日(2004.10.25)
審判請求日 平成19年5月22日(2007.5.22)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】寅市 和男
【氏名】クァン・ポール・ウィン・ヒン
個別代理人の代理人 【識別番号】100103171、【弁理士】、【氏名又は名称】雨貝 正彦
参考文献・文献 特開平4-246772(JP,A)
特開2001-47796(JP,A)
調査した分野 G06T7/00-7/60,G06F17/30
特許請求の範囲 【請求項1】
被検索対象画像を取り込む画像取込手段と、
前記画像取込手段によって取り込まれた前記被検索対象画像に含まれる一あるいは複数の輪郭線を抽出する輪郭線抽出手段と、
前記輪郭線抽出手段によって抽出された輪郭線について傾向が変化する接合点を抽出する接合点抽出手段と、
前記輪郭線抽出手段によって抽出された前記輪郭線に沿って隣接する2つの前記接合点で区分される部分的な領域としての区分領域を、直線、円弧、自由曲線のいずれかの関数を用いて近似する関数近似手段と、
前記関数近似手段による近似処理によって前記輪郭線の各区分領域に対応する関数が決定されたときに、前記輪郭線を構成する複数の関数の順番に基づいて、複数の比較対象画像の中から前記被検索対象画像に類似した画像を検索する画像検索手段と、
を備えることを特徴とする類似画像検索装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記比較対象画像に含まれる輪郭線に沿って隣接する2つの接合点で区分される区分領域を直線、円弧、自由曲線のいずれかの関数を用いて近似する処理に関連して作成された特徴情報が、前記複数の比較対象画像毎に格納された特徴情報格納手段をさらに備え、
前記画像検索手段は、前記被検索対象画像に対応する特徴情報と、前記特徴情報格納手段に格納されている前記複数の比較対象画像に対応する特徴情報とを比較することにより、前記被検索対象画像に類似する前記比較対象画像を抽出することを特徴とする類似画像検索装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記画像取込手段、前記輪郭線抽出手段、前記接合点抽出手段、前記関数近似手段を用いて前記比較対象画像に対応する特徴情報が取得されたときに、この特徴情報を前記特徴情報格納手段に格納する特徴情報格納処理手段をさらに備えることを特徴とする類似画像検索装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかにおいて、
前記画像取込手段は、光学的に前記被検索対象画像の濃淡情報あるいは色情報を読み取る光学読取装置であることを特徴とする類似画像検索装置。
【請求項5】
請求項1~3のいずれかにおいて、
前記画像取込手段は、前記被検索対象画像を構成する複数の画素のそれぞれに対応する濃淡情報あるいは色情報からなる画像データが格納された記録媒体から画像データを読み取るデータ読取装置であることを特徴とする類似画像検索装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかにおいて、
前記輪郭線抽出手段は、前記被検索対象画像と背景との間の境界部を輪郭線として抽出することを特徴とする類似画像検索装置。
【請求項7】
請求項1~5のいずれかにおいて、
前記輪郭線抽出手段は、前記被検索対象画像と背景との間の境界部と、前記被検索対象画像の内部領域に現れる同一濃淡あるいは同一色の縁部とを輪郭線として抽出することを特徴とする類似画像検索装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかにおいて、
前記輪郭線抽出手段は、前記輪郭線を構成する各画素のX座標とY座標のそれぞれについて座標値を別々に抽出し、
前記関数近似手段は、前記輪郭線抽出手段によって抽出された座標値に基づいて、X座標に対応する関数近似処理とY座標に対応する関数近似処理を別々に行うことを特徴とする類似画像検索装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかにおいて、
前記画像検索手段は、最も長い輪郭線の長さである最大輪郭長に着目して検索対象候補として所定数の前記比較対象画像を選択した後、前記特徴情報に基づいて前記被検索対象画像に類似する前記比較対象画像を検索することを特徴とする類似画像検索装置。
【請求項10】
請求項1~8のいずれかにおいて、
前記画像検索手段は、輪郭線の数に着目して検索対象候補として所定数の前記比較対象画像を選択した後、前記特徴情報に基づいて前記被検索対象画像に類似する前記比較対象画像を検索することを特徴とする類似画像検索装置。
【請求項11】
被検索対象画像を取り込む画像取込ステップと、
前記画像取込ステップにおいて取り込まれた前記被検索対象画像に含まれる一あるいは複数の輪郭線を抽出する輪郭線抽出ステップと、
前記輪郭線抽出ステップによって抽出された輪郭線について傾向が変化する接合点を抽出する接合点抽出ステップと、
前記輪郭線抽出ステップにおいて抽出された前記輪郭線に沿って隣接する2つの前記接合点で区分される部分的な領域としての区分領域を、直線、円弧、自由曲線のいずれかの関数を用いて近似する関数近似ステップと、
前記関数近似ステップにおける近似処理によって前記輪郭線の各区分領域に対応する関数が決定されたときに、前記輪郭線を構成する複数の関数の順番に基づいて、複数の比較対象画像の中から前記被検索対象画像に類似した画像を検索する画像検索ステップと、
を有することを特徴とする類似画像検索方法。
【請求項12】
請求項11において、
前記比較対象画像に含まれる輪郭線に沿って隣接する2つの接合点で区分される区分領域を直線、円弧、自由曲線のいずれかの関数を用いて近似する処理に関連して作成された特徴情報が、前記複数の比較対象画像毎に特徴情報格納手段に格納されており、
前記画像検索ステップは、前記被検索対象画像に対応する特徴情報と、前記特徴情報格
納手段に格納されている前記複数の比較対象画像に対応する特徴情報とを比較することにより、前記被検索対象画像に類似する前記比較対象画像を抽出することを特徴とする類似画像検索方法。
【請求項13】
請求項12において、
前記画像取込ステップ、前記輪郭線抽出ステップ、前記接合点抽出ステップ、前記関数近似ステップを用いて前記比較対象画像に対応する特徴情報が取得されたときに、この特徴情報を前記特徴情報格納手段に格納する特徴情報格納処理ステップをさらに備えることを特徴とする類似画像検索方法。
【請求項14】
請求項11~13のいずれかにおいて、
前記画像取込ステップは、光学的に前記被検索対象画像の濃淡情報あるいは色情報を読み取る光学読取装置を用いて行われることを特徴とする類似画像検索方法。
【請求項15】
請求項11~13のいずれかにおいて、
前記画像取込ステップは、前記被検索対象画像を構成する複数の画素のそれぞれに対応する濃淡情報あるいは色情報からなる画像データが格納された記録媒体から画像データを読み取るデータ読取装置を用いて行われることを特徴とする類似画像検索方法。
【請求項16】
請求項11~15のいずれかにおいて、
前記輪郭線抽出ステップは、前記被検索対象画像と背景との間の境界部を輪郭線として抽出することを特徴とする類似画像検索方法。
【請求項17】
請求項11~15のいずれかにおいて、
前記輪郭線抽出ステップは、前記被検索対象画像と背景との間の境界部と、前記被検索対象画像の内部領域に現れる同一濃淡あるいは同一色の縁部とを輪郭線として抽出することを特徴とする類似画像検索方法。
【請求項18】
請求項11~17のいずれかにおいて、
前記輪郭線抽出ステップは、前記輪郭線を構成する各画素のX座標とY座標のそれぞれについて座標値を別々に抽出し、
前記関数近似ステップは、前記輪郭線抽出ステップにおいて抽出された座標値に基づいて、X座標に対応する関数近似処理とY座標に対応する関数近似処理を別々に行うことを特徴とする類似画像検索方法。
【請求項19】
請求項11~18のいずれかにおいて、
前記画像検索ステップは、最も長い輪郭線の長さである最大輪郭長に着目して検索対象候補として所定数の前記比較対象画像を選択した後、前記特徴情報に基づいて前記被検索対象画像に類似する前記比較対象画像を検索することを特徴とする類似画像検索方法。
【請求項20】
請求項11~18のいずれかにおいて、
前記画像検索ステップは、輪郭線の数に着目して検索対象候補として所定数の前記比較対象画像を選択した後、前記特徴情報に基づいて前記被検索対象画像に類似する前記比較対象画像を検索することを特徴とする類似画像検索方法。
【請求項21】
コンピュータを、
画像取込手段によって取り込まれた被検索対象画像に含まれる一あるいは複数の輪郭線を抽出する輪郭線抽出手段と、
前記輪郭線抽出手段によって抽出された輪郭線について傾向が変化する接合点を抽出する接合点抽出手段と、
前記輪郭線抽出手段によって抽出された前記輪郭線に沿って隣接する2つの前記接合点で区分される部分的な領域としての区分領域を、直線、円弧、自由曲線のいずれかの関数を用いて近似する関数近似手段と、
前記関数近似手段による近似処理によって前記輪郭線の各区分領域に対応する関数が決定されたときに、前記輪郭線を構成する複数の関数の順番に基づいて、複数の比較対象画像の中から前記被検索対象画像に類似した画像を検索する画像検索手段と、
して機能させる類似画像検索プログラム。
【請求項22】
請求項21において、
前記比較対象画像に含まれる輪郭線に沿って隣接する2つの接合点で区分される区分領域を直線、円弧、自由曲線のいずれかの関数を用いて近似する処理に関連して作成された特徴情報が、前記複数の比較対象画像毎に特徴情報格納手段に格納されており、
前記画像検索手段は、前記被検索対象画像に対応する特徴情報と、前記特徴情報格納手段に格納されている前記複数の比較対象画像に対応する特徴情報とを比較することにより、前記被検索対象画像に類似する前記比較対象画像を抽出することを特徴とする類似画像検索プログラム。
【請求項23】
請求項22において、
コンピュータを、さらに、前記画像取込手段、前記輪郭線抽出手段、前記接合点抽出手段、前記関数近似手段を用いて前記比較対象画像に対応する特徴情報が取得されたときに、この特徴情報を前記特徴情報格納手段に格納する特徴情報格納処理手段として機能させる類似画像検索プログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、検索対象の画像を登録された複数の画像と比較して類似する画像を検索する類似画像検索装置、方法およびプログラムに関する。特に、本発明は、機械図面、電気配線図、電子回路図、半導体の配線パターン、ロゴマーク、商標、家紋、写真、絵画、映像など、多くの類似した画像が含まれるファイルや全体図の中から、所望の画像を検索したり、画像が含まれる箇所を特定したり、部分図に類似あるいは一致する箇所を有する全体図を取り出したりする処理などに有効な類似画像検索装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マルチメディア技術の進展により、パーソナルコンピュータやマイクロコンピュータ、専用画像処理装置等を含む計算機を用いて画像を処理する要求が高まっており、そのためのソフトウェア技術の進展も著しい。一般に、計算機では画像は画素毎のデジタルデータとして扱われるが、大量のデータを処理する必要から、画像処理の速度は計算機の高速演算処理能力に依存するところが大きい。計算機上で扱われる画像処理技術として多くの提案がなされているが、この中では画像の検索技術が重要課題の一つにあげられる。
【0003】
画像の検索とは、あらかじめ記憶されている大量の画像の中から、検索対象となっている所望の画像を抽出することである。従来から行われている画像検索の代表的なものとしては、画像に名称、インデックス、番号などを付加して、これらの付加された名称、インデックス、番号など用いて検索する方式(キーワード検索)が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0004】
また、画像検索の他の従来例としてはパターンマッチングを用いる方法(例えば、特許文献3参照。)や、色差を用いて画像比較を行う方法(例えば、特許文献4参照。)、例示画像の類似度を計算して画像比較を行う方法(例えば、特許文献5参照。)などが知られている。

【特許文献1】特開2002-259388号公報(第3-9頁、図1-11)
【特許文献2】特開2003-76694号公報(第6-17頁、図1-24)
【特許文献3】特開平9-44519号公報(第5-8頁、図1-7)
【特許文献4】特開2004-94379号公報(第5-9頁、図1-15)
【特許文献5】特開2001-202523号公報(第6-17頁、図1-9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献1や特許文献2に開示された従来手法では、画像に付加した名称、インデックス、番号などを利用者が記憶しておくか、リストなどで探し出すことが必要であり、名称等を指定する操作が煩雑であるという問題があった。この操作をミスすることなく行うためには、名称等を正確に記憶あるいは書き留めるなどの必要があるため、画像検索に付随してさらに煩雑な操作が要求されることになる。また、特許文献3~5に開示されたそれぞれの従来手法では、画像を構成する画素毎に処理を行う必要があるため、処理量が膨大になって検索処理に時間がかかるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、煩雑な操作が不要であって検索に要する時間を短縮することができる類似画像検索装置、方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の類似画像検索装置は、被検索対象画像を取り込む画像取込手段と、画像取込手段によって取り込まれた被検索対象画像に含まれる一あるいは複数の輪郭線を抽出する輪郭線抽出手段と、輪郭線抽出手段によって抽出された輪郭線の形状を一あるいは複数の関数で近似する関数近似手段と、関数近似手段による近似処理に関連する特徴情報に基づいて、複数の比較対象画像の中から類似した画像を検索する画像検索手段とを備えている。
【0008】
また、本発明の類似画像検索方法は、被検索対象画像を取り込む画像取込ステップと、画像取込ステップにおいて取り込まれた被検索対象画像に含まれる一あるいは複数の輪郭線を抽出する輪郭線抽出ステップと、輪郭線抽出ステップにおいて抽出された輪郭線の形状を一あるいは複数の関数で近似する関数近似ステップと、関数近似ステップにおける近似処理に関連する特徴情報に基づいて、複数の比較対象画像の中から類似した画像を検索する画像検索ステップとを有している。
【0009】
また、本発明の類似画像検索プログラムは、コンピュータを、画像取込手段によって取り込まれた被検索対象画像に含まれる一あるいは複数の輪郭線を抽出する輪郭線抽出手段と、輪郭線抽出手段によって抽出された輪郭線の形状を一あるいは複数の関数で近似する関数近似手段と、関数近似手段による近似処理に関連する特徴情報に基づいて、複数の比較対象画像の中から類似した画像を検索する画像検索手段として機能させる。
【0010】
画像の輪郭線を関数近似して抽出された特徴情報を用いて類似画像の検索が行われており、利用者自身が名称やインデックス等を記憶しておいたり、リストの中から該当するものを探し出す必要がないため、煩雑な操作が不要であり、操作の簡略化が可能になる。また、輪郭線を関数近似して得られる特徴情報を用いて画像の検索を行っているため、画像を構成する画素毎に処理を行う必要がないため、処理量を大幅に削減することができ、検索に要する時間を短縮することができる。
【0011】
また、上述した比較対象画像に含まれる輪郭線の形状を一あるいは複数の関数で近似する処理に関連して作成された特徴情報が、複数の比較対象画像毎に格納された特徴情報格納手段をさらに備え、画像検索手段は、被検索対象画像に対応する特徴情報と、特徴情報格納手段に格納されている複数の比較対象画像に対応する特徴情報とを比較することにより、被検索対象画像に類似する比較対象画像を抽出することが望ましい。あるいは、上述した比較対象画像に含まれる輪郭線の形状を一あるいは複数の関数で近似する処理に関連して作成された特徴情報が、複数の比較対象画像毎に特徴情報格納手段に格納されており、画像検索ステップは、被検索対象画像に対応する特徴情報と、特徴情報格納手段に格納されている複数の比較対象画像に対応する特徴情報とを比較することにより、被検索対象画像に類似する比較対象画像を抽出することが望ましい。これにより、あらかじめ格納された特徴情報を順番に読み出して、取り込まれた被検索対象画像の特徴情報と比較することにより、容易に類似画像の検索を行うことができ、比較対象となる画像が多い場合であっても操作が煩雑にならず、操作の簡略化が可能になる。
【0012】
また、上述した画像取込手段、輪郭線抽出手段、関数近似手段を用いて比較対象画像に対応する特徴情報が取得されたときに、この特徴情報を特徴情報格納手段に格納する特徴情報格納処理手段をさらに備えることが望ましい。あるいは、上述した画像取込ステップ、輪郭線抽出ステップ、関数近似ステップを用いて比較対象画像に対応する特徴情報が取得されたときに、この特徴情報を特徴情報格納手段に格納する特徴情報格納処理ステップをさらに備えることが望ましい。これにより、比較対象となる画像を適宜追加することが可能になる。
【0013】
また、上述した画像取込手段は、光学的に被検索対象画像の濃淡情報あるいは色情報を読み取る光学読取装置であることが望ましい。あるいは、上述した画像取込ステップは、光学的に被検索対象画像の濃淡情報あるいは色情報を読み取る光学読取装置を用いて行われることが望ましい。これにより、検索したい画像を容易に取り込むことが可能になる。
【0014】
また、上述した画像取込手段は、被検索対象画像を構成する複数の画素のそれぞれに対応する濃淡情報あるいは色情報からなる画像データが格納された記録媒体から画像データを読み取るデータ読取装置であることが望ましい。あるいは、上述した画像取込ステップは、被検索対象画像を構成する複数の画素のそれぞれに対応する濃淡情報あるいは色情報からなる画像データが格納された記録媒体から画像データを読み取るデータ読取装置を用いて行われることが望ましい。これにより、既に画像データの形式で保持されている場合に、この画像データを用いることができ、検索したい画像の取り込みをさらに容易に行うことが可能になる。
【0015】
また、上述した輪郭線抽出手段は、被検索対象画像と背景との間の境界部を輪郭線として抽出することが望ましい。あるいは、上述した輪郭線抽出ステップは、前記被検索対象画像と背景との間の境界部を輪郭線として抽出することが望ましい。これにより、画像の形状を用いた類似検索を行うことができ、特に、白黒あるいは単色のみを用いた画像について正確な画像検索を行うことが可能となる。
【0016】
また、上述した輪郭線抽出手段は、被検索対象画像と背景との間の境界部と、被検索対象画像の内部領域に現れる同一濃淡あるいは同一色の縁部とを輪郭線として抽出することが望ましい。あるいは、上述した輪郭線抽出ステップは、被検索対象画像と背景との間の境界部と、被検索対象画像の内部領域に現れる同一濃淡あるいは同一色の縁部とを輪郭線として抽出することが望ましい。これにより、画像の形状のみならず、内部の中間調部分を用いた類似検索を行うことができ、特に、濃淡画像あるいは色情報を有するカラー画像について正確な画像検索を行うことが可能となる。
【0017】
また、上述した輪郭線抽出手段は、輪郭線を構成する各画素のX座標とY座標のそれぞれについて座標値を別々に抽出し、関数近似手段は、輪郭線抽出手段によって抽出された座標値に基づいて、X座標に対応する関数近似処理とY座標に対応する関数近似処理を別々に行うことが望ましい。あるいは、上述した輪郭線抽出ステップは、輪郭線を構成する各画素のX座標とY座標のそれぞれについて座標値を別々に抽出し、関数近似ステップは、輪郭線抽出ステップにおいて抽出された座標値に基づいて、X座標に対応する関数近似処理とY座標に対応する関数近似処理を別々に行うことが望ましい。これにより、一変数に着目して関数近似処理を行うことができるため、処理の簡略化が可能になる。
【0018】
また、上述した特徴情報には、輪郭線の長さとしての輪郭長が含まれており、画像検索手段は、輪郭長に基づいて複数の比較対象画像の中から被検索対象画像に類似するものを検索することが望ましい。あるいは、上述した特徴情報には、輪郭線の長さとしての輪郭長が含まれており、画像検索ステップは、輪郭長に基づいて複数の比較対象画像の中から被検索対象画像に類似するものを検索することが望ましい。画像に複数の輪郭線が含まれている場合に、各輪郭線に対応する輪郭長の組み合わせは、画像の特徴を表す重要な特徴であると考えられる。したがって、輪郭長を用いて画像の類似判定を行うことにより、精度の高い画像検索を行うことができる。
【0019】
また、上述した特徴情報には、輪郭線の数としての輪郭数が含まれており、画像検索手段は、輪郭数に基づいて複数の比較対象画像の中から被検索対象画像に類似するものを検索することが望ましい。あるいは、上述した特徴情報には、輪郭線の数としての輪郭数が含まれており、画像検索ステップは、輪郭数に基づいて複数の比較対象画像の中から被検索対象画像に類似するものを検索することが望ましい。画像に複数の輪郭線が含まれている場合に、その数は画像の特徴を表す重要な特徴であると考えられる。したがって、輪郭数を用いて画像の類似判定を行うことにより、精度の高い画像検索を行うことができる。
【0020】
また、上述した特徴情報には、輪郭線を構成する複数の関数の順番が含まれており、画像検索手段は、複数の関数の順番に基づいて複数の比較対象画像の中から被検索対象画像に類似するものを検索することが望ましい。あるいは、上述した特徴情報には、輪郭線を構成する複数の関数の順番が含まれており、画像検索ステップは、複数の関数の順番に基づいて複数の比較対象画像の中から被検索対象画像に類似するものを検索することが望ましい。輪郭線を構成する複数の関数の順番は、輪郭線の形状を表す重要な特徴であると考えられる。したがって、関数の順番を用いて画像の類似判定を行うことにより、精度の高い画像検索を行うことができる。
【0021】
また、上述した特徴情報には、輪郭線を構成する複数の関数のそれぞれに対応する区間長の並びが含まれており、画像検索手段は、区間長の並びに基づいて複数の比較対象画像の中から被検索対象画像に類似するものを検索することが望ましい。あるいは、上述した特徴情報には、輪郭線を構成する複数の関数のそれぞれに対応する区間長の並びが含まれており、画像検索ステップは、区間長の並びに基づいて複数の比較対象画像の中から被検索対象画像に類似するものを検索することが望ましい。輪郭線を構成する複数の関数のそれぞれに対応する区間長の並びは、輪郭線の形状を表す重要な特徴であると考えられる。したがって、区間長の並びを用いて画像の類似判定を行うことにより、精度の高い画像検索を行うことができる。
【0022】
また、上述した画像検索手段は、被検索対象画像と比較対象画像のそれぞれに含まれる輪郭線を構成する関数の相関度を計算し、相関度が大きい順に、被検索対象画像に類似する比較対象画像を検索することが望ましい。あるいは、上述した画像検索ステップは、被検索対象画像と比較対象画像のそれぞれに含まれる輪郭線を構成する関数の相関度を計算し、相関度が大きい順に、被検索対象画像に類似する比較対象画像を検索することが望ましい。画像に複数の輪郭線が含まれている場合に、輪郭線を構成する各関数の相関度は、輪郭線の形状を表す重要な特徴であると考えられる。したがって、関数の相関度を用いて画像の類似判定を行うことにより、精度の高い画像検索を行うことができる。
【0023】
また、上述した画像検索手段は、最も長い輪郭線の長さである最大輪郭長に着目して検索対象候補として所定数の比較対象画像を選択した後、特徴情報に基づいて被検索対象画像に類似する比較対象画像を検索することが望ましい。また、上述した画像検索手段は、輪郭線の数に着目して検索対象候補として所定数の比較対象画像を選択した後、特徴情報に基づいて被検索対象画像に類似する比較対象画像を検索することが望ましい。あるいは、上述した画像検索ステップは、最も長い輪郭線の長さである最大輪郭長に着目して検索対象候補として所定数の比較対象画像を選択した後、特徴情報に基づいて被検索対象画像に類似する比較対象画像を検索することが望ましい。また、上述した画像検索ステップは、輪郭線の数に着目して検索対象候補として所定数の比較対象画像を選択した後、特徴情報に基づいて被検索対象画像に類似する比較対象画像を検索することが望ましい。これにより、検索の対象となる画像の数を減らすことができるため、さらに処理負担を軽減して、処理時間を短縮することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を適用した一実施形態の類似画像検索装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
図1は、一実施形態の類似画像検索装置の構成を示す図である。図1に示す類似画像検索装置は、被検索対象画像が入力されたときにこの画像に類似する登録済みの画像(類似画像)を検索して検索結果を出力するためのものであり、画像入力部110、画像DB(データベース)120、検索処理部130、操作部150、表示部160、印刷装置170を備えている。
【0026】
画像入力部110は、検索処理部130に被検索対象画像を取り込むためのものであり、被検索対象画像を構成する各画素毎の濃淡情報や色情報等を示す画像データの入力を行う。例えば、画像入力部110として、光学的に被検索対象画像を構成する各画素の濃淡情報や色情報を読み取る光学スキャナやデジタルカメラ等の光学読取装置が用いられる。なお、結果的に被検索対象画像を構成する各画素毎の濃淡情報等を示す画像データが得られればよいため、被検索対象画像を構成する各画素の濃淡情報等を示す画像データがCD、DVD、半導体メモリ等の各種の情報記録媒体に記録されている場合に、これらの記録媒体から画像データを読み取るディスクドライブ装置等のデータ読取装置を画像入力部110として用いるようにしてもよい。
【0027】
画像DB120は、被検索対象画像と類似度が比較される複数の画像(これらの画像を「比較対象画像」と称する)に対して関数化近似処理を行って得られる特徴情報を格納する。特徴情報の具体例については、被検索対象画像について行われる関数近似処理において説明する。検索処理部130による処理に先だって、画像DB120に複数の比較対象画像の特徴情報を登録する必要がある。この登録処理の詳細については後述する。
【0028】
検索処理部130は、被検索対象画像の特徴情報を抽出し、この特徴情報に基づいて被検索対象画像に類似する比較対象画像を検索する処理を行う。このために、検索処理部130は、輪郭追跡処理部132、接合点抽出処理部134、関数近似処理部136、類似度判定処理部140、検索結果出力処理部142を備えている。
【0029】
輪郭追跡処理部132は、画像入力部110によって取り込まれる被検索対象画像に含まれる一あるいは複数の輪郭線を抽出する。具体的には、輪郭追跡処理部132は、画像入力部110によって入力される画像データに基づいて被検索対象画像の輪郭線を所定方向に追跡して、この輪郭線を構成する画素列(輪郭点列)を抽出する。例えば、抽出された画素列の特定は、X座標およびY座標のそれぞれの各座標値について別々に行われる。また、一の被検索対象画像に複数の輪郭線が含まれている場合には、各輪郭線について輪郭点列の抽出が行われる。なお、上述した輪郭線の抽出処理は、被検索対象画像が白黒あるいは単色のみを用いた画像であるか、濃淡画像や色情報を有するカラー画像であるかによって場合を分けることが望ましい。すなわち、白黒あるいは単色のみを用いた画像の場合には、輪郭追跡処理部132は、被検索対象画像と背景との間の境界部を輪郭線として抽出する。これにより、画像の形状を用いた類似検索を行うことができ、特に、白黒あるいは単色のみを用いた画像について正確な画像検索を行うことが可能となる。また、濃淡画像やカラー画像の場合には、輪郭追跡処理部132は、被検索対象画像と背景との間の境界部と、被検索対象画像の内部領域に現れる同一濃淡あるいは同一色の縁部とを輪郭線として抽出する。これにより、画像の形状のみならず、内部の中間調部分を用いた類似検索を行うことができ、特に、濃淡画像やカラー画像について正確な画像検索を行うことが可能となる。
【0030】
図2は、輪郭追跡処理部132によって抽出された輪郭点列の概略を示す図である。また、図3は抽出された輪郭点列のX座標を媒介変数を用いて分離した変化の様子を示す図である。図4は、抽出された輪郭点列のY座標を媒介変数を用いて分離した変化の様子を示す図である。
【0031】
図2では、丸印(○)が輪郭線を構成する画素を示しており、各丸印に付された数字は輪郭線を追跡していったときの画素の順番を示している。なお、実際の被検索対象画像の輪郭線は図2に示す例に比べて多くの画素によって構成されているが、図2では説明を簡略化するために少ない数の画素によって輪郭点列が構成されているものとする。
【0032】
例えば、輪郭追跡処理部132は、X座標が最も小さい位置からY方向に沿って走査を開始し、X座標を大きくしていって最初に検出した画素に番号「1」を付す。図2に示した例では、輪郭追跡処理部132は、番号「1」の画素を追跡開始画素として時計回り方向に輪郭線を追跡しながら、輪郭線を構成する各画素を検出するとともにこれらの各画素に検出順に通し番号「2」、「3」、…を付す。この輪郭線に沿った画素の検出動作は、検出する画素が追跡開始画素に一巡するまで行われる。輪郭線を構成する各画素の番号を横軸に、各画素のX座標値を縦軸にプロットしたものが図3である。また、輪郭線を構成する各画素の番号を横軸に、各画素のY座標値を縦軸にプロットしたものが図4である。このように、輪郭追跡処理部132は、輪郭線を構成する各画素に付した検出順番を示す通し番号を媒介変数として、X座標値とY座標値を別々に記録することにより、輪郭点列の抽出を行う。なお、上述した説明では、一例として媒介変数を用いてX座標値とY座標値を別々に記録するようにしたが、媒介変数を用いずに、X座標値とY座標値の組み合わせを記録するようにしてもよい。また、一般には、被検索対象画像には、この画像と背景との間の境界部としての多くの輪郭線が含まれるが、各輪郭線毎に輪郭点列の抽出が行われる。
【0033】
接合点抽出処理部134は、輪郭追跡処理部132によって抽出した輪郭点列に基づいて、輪郭線の傾向が変化する接合点を抽出する。例えば、輪郭線の角度が急に変化する角点が接合点として抽出される。接合点の抽出処理や関数近似処理は、図3に示すX座標についての輪郭点列と図4に示すY座標についての輪郭点列のそれぞれについて別々に行われる。
【0034】
関数近似処理部136は、輪郭線に沿って隣接する2つの接合点で区分される部分的な領域(区分領域)を、直線、円弧、自由曲線のいずれかの関数を用いて近似し、この近似処理に関連する特徴情報を作成する。例えば、区分領域が直線で近似可能な場合には近似関数として直線が用いられ、直線で近似不可能であって円弧で近似可能な場合には近似関数として円弧が用いられる。円弧でも近似不可能な場合には近似関数として自由曲線が用いられる。近似関数として直線を用いた場合には、用いた関数が直線であることを示す符号と、直線で近似される区分領域の形状を示すパラメータとが、この区分領域に対応する近似関数に関する特徴情報として作成される。同様に、近似関数として円弧を用いた場合には、用いた関数が円弧であることを示す符号と、円弧で近似される区分領域の形状を示すパラメータとが、この区分領域に対応する近似関数に関する特徴情報として作成される。近似関数として自由曲線を用いた場合には、用いた関数が自由曲線であることを示す符号と、自由曲線で近似される区分領域の形状を示すパラメータとが、この区分領域に対応する近似関数に関する特徴情報として作成される。
【0035】
なお、着目している区分領域がどの関数で近似可能であるか否かの判定は、区分領域と近似関数との間の誤差(最小二乗法で求めた誤差)が所定値以下であるか否かを調べることにより行われる。また、区分領域の形状を示すパラメータは、この区分領域の形状を特定することが可能であればよいが、例えば、特許第2646475号公報に開示されているように、以下に示すものを用いるようにしてもよい。
(1)直線の場合:直線を示すフラグ、区分領域の始点の座標
(2)円弧の場合:円弧を示すフラグ、円弧の始点の座標、接合点間の中心角の係数、接合点間に存在する輪郭点数、近似関数の係数(円弧を例えば三角関数の線形結合の式で表現した場合の各係数)
(3)自由曲線の場合:接合点間の自由曲線を示す近似関数の次元数(≧3)、接合点間に存在する輪郭点数、接合点間における輪郭点列の変動の中心、近似関数の係数。
【0036】
類似度判定処理部140は、被検索対象画像に対応して抽出される特徴情報に基づいて、被検索対象画像と各比較対象画像との類似度を判定し、被検索対象画像に類似する比較対象画像を決定する。この類似度判定に用いられる特徴情報には、上述した区間領域の形状を示すパラメータの他に、各輪郭線の輪郭長(輪郭線の長さ)、最大輪郭長、輪郭数(輪郭線の数)、輪郭線を構成する複数の関数の順番、輪郭線を構成する複数の関数のそれぞれに対応する区間長(区分領域の長さ)の並び、被検索対象画像と比較対象画像のそれぞれを構成する関数の相関度などが含まれている。
【0037】
図5および図6は、輪郭追跡処理部132、接合点抽出処理部134、関数近似処理部136の各処理によって抽出される特徴情報の概要を示す図である。図5に示すひとまとまりの特徴情報が一の被検索対象画像について抽出される。図5に示す例では、着目している被検索対象画像には、輪郭線1、2、3、…で示される複数の輪郭線が含まれており(それぞれの輪郭長が輪郭長1、2、3…)で、その中で最も長い輪郭線の長さが「最大輪郭長」で示されている。また、各輪郭線には、X軸関数表とY軸関数表とが対応付けられている。
【0038】
図6に示すように、X軸関数表には、関数総数、輪郭長、総標本点数、直線個数、直線総長、円弧個数、円弧総長、曲線個数、曲線総長の他に、各輪郭線毎の区間長、標本点数、始点標本番号(図2や図3において示した通し番号)、各関数に対応する区間長やパラメータが含まれている。関数総数は、着目している輪郭線に含まれる関数の総数であって区分領域の数に等しい。輪郭長は、着目している輪郭線の長さである。直線個数は、着目している輪郭線を構成する各区分領域の中で直線によって近似される区分領域の数である。直線総長は、着目している輪郭線を構成する各区分領域の中で直線によって近似される区分領域の長さの合計値である。円弧個数は、着目している輪郭線を構成する各区分領域の中で円弧によって近似される区分領域の数である。円弧総長は、着目している輪郭線を構成する各区分領域の中で円弧によって近似される区分領域の長さの合計値である。曲線個数は、着目している輪郭線を構成する各区分領域の中で自由曲線によって近似される区分領域の数である。曲線総長は、着目している輪郭線を構成する各区分領域の中で自由曲線によって近似される区分領域の長さの合計値である。また、図6において、「X軸関数」に対応する複数の関数は、着目している輪郭線を構成する各区分領域を近似する関数を示しており、これらの配置順が各区分領域の並びに対応している。
【0039】
類似度判定処理部140は、図5に示すテーブルを参照することにより輪郭数を知ることができる。また、類似度判定処理部140は、図6に示すテーブルを参照することにより、輪郭線を構成する複数の関数の順番や、輪郭線を構成する複数の関数のそれぞれに対応する区間長(区分領域の長さ)の並びを知ることができる。なお、Y軸関数表も同様の内容を有している。
【0040】
検索結果出力処理部142は、検索結果を表示部160の画面上に表示したり、操作部150を用いた印刷操作がなされた場合には印刷装置170に対して検索結果の印刷を指示する。
【0041】
ところで、図5および図6に示した特徴情報は、画像入力部110から入力される被検索画像の画像データに基づいて作成されるが、この特徴情報と比較して類似画像を抽出するためには、多くの比較対象画像について同じ内容の特徴情報をあらかじめ抽出して画像DB120に登録しておく必要がある。
【0042】
図7は、比較対象画像についてあらかじめ特徴情報の抽出を行って画像DB120に対する登録を行うデータベース作成装置の構成を示す図である。なお、図7に示す構成は、図1に示した類似画像検索装置の一部として備わっている場合が考えられるが、図1に示した類似画像検索装置とは別に構築する場合が考えられる。
【0043】
図7に示すデータベース作成装置は、画像DB120に多くの比較対象画像の特徴情報を登録するために、画像入力部210、データベース作成部220、操作部230、表示部240を備えている。
【0044】
画像入力部210は、比較対象画像を構成する各画素毎の濃淡情報や色情報を示す画像データの入力を行う。図1に示した画像入力部110と同様に、この画像入力部210として光学的スキャナ、デジタルカメラやディスクドライブ装置等を用いることができる。
【0045】
データベース作成部220は、比較対象画像の特徴情報を抽出して画像DB120に登録する処理を行う。このために、データベース作成部220は、輪郭追跡処理部222、接合点抽出処理部224、関数近似処理部226、ファイル作成処理部228を備えている。この中で、ファイル作成処理部228を除く輪郭追跡処理部222、接合点抽出処理部224、関数近似処理部226の基本的な動作は、図1に示した検索処理部130内の同一名称の各構成部と同じであり、詳細な動作説明は省略する。
【0046】
ファイル作成処理部228は、抽出された各比較対象画像毎の特徴情報(図5および図6に示した各テーブルに含まれる特徴情報)をひとまとまりのファイルとして画像DB120に登録する。操作部230は、比較対象画像に対応する特徴情報の抽出、登録に必要な動作指示等を行うために用いられる。表示部240は、特徴情報の登録内容を確認したり、登録に必要な各種の操作画面を表示するために用いられる。
【0047】
このような構成を有するデータベース作成装置を用いることにより、図5および図6に示した被検索対象画像の特徴情報と基本的に同じ内容を有する複数の比較対象画像の特徴情報が画像DB120に登録される。
【0048】
上述した画像入力部110、210が画像取込手段に、輪郭追跡処理部132、222が輪郭線抽出手段に、関数近似処理部136、226が関数近似手段に、類似度判定処理部140が画像検索手段に、画像DB120が特徴情報格納手段に、ファイル作成処理部228が特徴情報格納処理手段にそれぞれ対応する。また、画像入力部110、210によって行われる動作が画像取込ステップの動作に、輪郭追跡処理部132、222によって行われる動作が輪郭線抽出ステップの動作に、関数近似処理部136、226によって行われる動作が関数近似ステップの動作に、類似度判定処理部140によって行われる動作が画像検索ステップの動作に、ファイル作成処理部228によって行われる動作が特徴情報格納処理ステップの動作にそれぞれ対応する。
【0049】
本実施形態の類似画像検索装置はこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。図5および図6に示した各種の特徴情報を用いて被検索対象画像と比較対象画像との類似度を判定する場合に、全ての項目を用いて類似度判定を行うようにしてもよいが、処理の負担軽減等を考慮して一部の特徴情報を用いて類似度判定を行うようにしてもよい。
【0050】
図8は、類似画像の検索を行う動作手順を示す流れ図である。類似度判定処理部140は、被検索対象画像(画像A)の特徴情報を取得すると(ステップ100)、画像DB120から一の比較対象画像(画像B)の特徴情報を読み出す(ステップ101)。次に、類似度判定処理部140は、被検索対象画像と比較対象画像のそれぞれに含まれる輪郭線の中から輪郭長が長い順にL番目の輪郭線を選択し(ステップ102)、これらの2つの輪郭線同士を比較する(ステップ103)。最初は、被検索対象画像と比較対象画像のそれぞれから最も輪郭長が長い輪郭線が選択され(L=1)、これら2つの輪郭線の特徴情報の比較が行われる。この比較処理は、(1)輪郭長、(2)輪郭線を構成する複数の関数の順番、(3)輪郭線を構成する複数の関数のそれぞに対応する区間長の並び、などのいずれかの特徴量を単独で用いる場合の他に、これらの2つ以上を組み合わせて用いる場合が考えられる。この比較処理によって、L番目の輪郭線に対する類似度判定が行われる。
【0051】
次に、類似度判定処理部140は、所定数の輪郭線に対する比較処理が終了したか否かを判定する(ステップ104)。比較処理が行われた輪郭線の数が所定数に達していない場合には否定判断が行われ、次に長い輪郭線についてステップ102以降の処理が繰り返される。また、比較処理が行われた輪郭線の数が所定数に達した場合にはステップ104の判定において肯定判断が行われ、次に、類似度判定処理部140は、輪郭線の比較が終了していない他の比較対象画像が存在するか否かを判定する(ステップ105)。他の比較対象画像が存在する場合には肯定判断が行われ、次の比較対象画像についてステップ101以降の処理が繰り返される。他の比較対象画像が存在しない場合にはステップ105の判定において否定判断が行われ、次に、類似度判定処理部140は、各比較対象画像の所定数の輪郭線について行った比較結果を用いて各比較対象画像と被検索対象画像との類似度を判定し(ステップ106)、判定結果を出力する(ステップ107)。判定結果の出力は、例えば、類似度が大きいと判定された順に比較対象画像と類似の程度を順番に表示部160に表示したり、印刷装置170を用いて印刷用紙に印刷したりして行われる。
【0052】
図9は、類似画像の検索を行う変形例の動作手順を示す流れ図である。類似度判定処理部140は、被検索対象画像(画像A)の特徴情報を取得すると(ステップ200)、その中から最大輪郭長を抽出する(ステップ201)。次に、類似度判定処理部140は、画像DB120に登録されている全ての比較対象画像(画像B)の中から、ステップ201で抽出した最大輪郭長に近い最大輪郭長を有するn個の比較対象画像を選択する(ステップ202)。なお、図9に示した動作手順では、最大輪郭長に着目してn個の比較対象画像を選択したが、輪郭数に着目してn個の比較対象画像を選択するようにしてもよい。
【0053】
次に、類似度判定処理部140は、選択したn個の比較対象画像の中から一の比較対象画像の特徴情報を読み出す(ステップ203)。類似度判定処理部140は、被検索対象画像に含まれる輪郭線の中から輪郭長が長い順にL番目の輪郭線を選択し、この輪郭線に対応するX軸関数表およびY軸関数表(図5、図6参照)の中から類似度判定に用いる第1の特徴量を抽出する(ステップ204)。また、類似度判定処理部140は、比較対象画像に含まれる輪郭線の中から輪郭長が長い順にL番目の輪郭線を選択し、この輪郭線に対応するX軸関数表およびY軸関数表の中から類似度判定に用いる第2の特徴量を抽出する(ステップ205)。最初は、被検索対象画像と比較対象画像のそれぞれから最も輪郭長が長い輪郭線が選択され(L=1)、それぞれの輪郭線に対応する第1および第2の特徴量が抽出される。X軸関数表およびY軸関数表に含まれる複数の特徴情報の中からどの特徴情報を第1および第2の特徴量として用いるかは、特徴情報の重要度等に応じて適宜決定することができる。例えば、輪郭長、関数総数、直線個数、円弧個数、曲線個数を第1および第2の特徴量として用いられる。あるいは、各関数は輪郭線の形状を表す重要な特徴であるため、各関数のパラメータを第1および第2の特徴量として用いるようにしてもよい。
【0054】
次に、類似度判定処理部140は、第1の特徴量と第2の特徴量を用いてマッチング処理を行い、マッチング距離Mと相関度Sを以下の式を用いて計算する(ステップ206)。
【0055】
M=∥f-g∥
S=<f、g>/(∥f∥×∥g∥)
ここで、∥・∥はノルムを示しており、<・>は内積を示している。また、fは第1の特徴量を成分とするベクトルである。gは第2の特徴量を成分とするベクトルである。
【0056】
マッチング距離Mは2つのベクトルfとgの差ベクトルの長さを示す。また、相関Sは2つのベクトルfとgのなす角θの余弦値(cosθ)を示す。被検索対象画像に対応する第1の特徴量と比較対象画像に対応する第2の特徴量とが非常に近い場合には、2つのベクトルf、gの長さおよび方向が類似したものになるため、マッチング距離Mが小さく、かつ相関度Sが1に近い値になる。
【0057】
次に、類似度判定処理部140は、所定数の輪郭線に対する比較処理が終了したか否かを判定する(ステップ207)。マッチング処理が行われた輪郭線の数が所定数に達していない場合には否定判断が行われ、次に長い輪郭線についてステップ204以降の処理が繰り返される。また、比較処理が行われた輪郭線の数が所定数に達した場合にはステップ207の判定において肯定判断が行われ、次に、類似度判定処理部140は、輪郭線の比較が終了していない他の比較対象画像が存在するか否かを判定する(ステップ208)。他の比較対象画像が存在する場合には肯定判断が行われ、次の比較対象画像についてステップ203以降の処理が繰り返される。他の比較対象画像が存在しない場合にはステップ208の判定において否定判断が行われ、次に、類似度判定処理部140は、各比較対象画像の所定数の輪郭線について行った比較結果を用いてn個の比較対象画像と被検索対象画像との類似度を判定し(ステップ209)、判定結果を出力する(ステップ210)。
【0058】
このように、本実施形態の類似画像検索装置では、被検索対象画像の輪郭線を関数近似して抽出された特徴情報を用いて類似画像の検索が行われており、利用者自身が名称やインデックス等を記憶しておいたり、リストの中から該当するものを探し出す必要がないため、煩雑な操作が不要であり、操作の簡略化が可能になる。また、輪郭線を関数近似して得られる特徴情報を用いて画像の検索を行っているため、画像を構成する画素毎に処理を行う必要がないため、処理量を大幅に削減することができ、検索に要する時間を短縮することができる。特に、画像DB120にあらかじめ格納された特徴情報を順番に読み出して、取り込まれた被検索対象画像の特徴情報と比較することにより、容易に類似画像の検索を行うことができ、比較対象となる画像が多い場合であっても操作が煩雑にならず、操作の簡略化が可能になる。また、図7に示したデータベース作成装置を用いることにより、比較対象となる画像を適宜追加することが可能になる。
【0059】
また、輪郭線を構成する各画素のX座標とY座標のそれぞれについて座標値を別々に抽出して接合点抽出処理部134と関数近似処理部136による処理を行うことにより、一変数に着目して関数近似処理を行うことができるため、二変数XYについて同時に関数化処理を行う場合に比べて処理の簡略化が可能になる。
【0060】
また、上述した特徴情報には、輪郭線の長さとしての輪郭長が含まれている。画像に複数の輪郭線が含まれている場合に、各輪郭線に対応する輪郭長の組み合わせは、画像の特徴を表す重要な特徴であると考えられる。したがって、輪郭長を用いて画像の類似判定を行うことにより、精度の高い画像検索を行うことができる。
【0061】
また、上述した特徴情報には、輪郭線の数としての輪郭数が含まれている。画像に複数の輪郭線が含まれている場合に、その数は画像の特徴を表す重要な特徴であると考えられる。したがって、輪郭数を用いて画像の類似判定を行うことにより、精度の高い画像検索を行うことができる。
【0062】
また、上述した特徴情報には、輪郭線を構成する複数の関数の順番が含まれている。輪郭線を構成する複数の関数の順番は、輪郭線の形状を表す重要な特徴であると考えられる。したがって、関数の順番を用いて画像の類似判定を行うことにより、精度の高い画像検索を行うことができる。
【0063】
また、上述した特徴情報には、輪郭線を構成する複数の関数のそれぞれに対応する区間長の並びが含まれている。輪郭線を構成する複数の関数のそれぞれに対応する区間長の並びは、輪郭線の形状を表す重要な特徴であると考えられる。したがって、区間長の並びを用いて画像の類似判定を行うことにより、精度の高い画像検索を行うことができる。
【0064】
また、上述した類似度判定処理部140は、図9に示した動作手順では、被検索対象画像と比較対象画像のそれぞれに含まれる輪郭線を構成する関数の相関度を計算して類似度判定を行っている。画像に複数の輪郭線が含まれている場合に、輪郭線を構成する各関数の相関度は、輪郭線の形状を表す重要な特徴であると考えられる。したがって、関数の相関度を用いて画像の類似判定を行うことにより、精度の高い画像検索を行うことができる。
【0065】
また、類似度判定処理部140は、図9に示した動作手順では、最も長い輪郭線の長さである最大輪郭長(あるいは輪郭線数)に基づいて所定数の比較対象画像を選択した後、各被検索対象画像に対する類似度判定を行っており、検索の対象となる画像の数を減らすことができるため、さらに処理負担を軽減して、処理時間を短縮することが可能となる。
【0066】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態の検索処理部130やデータベース作成部220の各動作を、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータによって実施するようにしてもよい。この場合には、ROMやRAMあるいはその他の記憶装置(ハードディスク装置等)に格納された類似画像検索プログラム(図8や図9に示す各ステップを実行したり、検索処理部130やデータベース作成部220の各部の機能を実現するためのプログラム)をCPUで実行すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】一実施形態の類似画像検索装置の構成を示す図である。
【図2】輪郭追跡処理部によって抽出された輪郭点列の概略を示す図である。
【図3】抽出された輪郭点列のX座標を媒介変数を用いて分離した変化の様子を示す図である。
【図4】抽出された輪郭点列のY座標を媒介変数を用いて分離した変化の様子を示す図である。
【図5】抽出される特徴情報の概要を示す図である。
【図6】抽出される特徴情報の概要を示す図である。
【図7】比較対象画像についてあらかじめ特徴情報の抽出を行って画像DBに対する登録を行うデータベース作成装置の構成を示す図である。
【図8】類似画像の検索を行う動作手順を示す流れ図である。
【図9】類似画像の検索を行う変形例の動作手順を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0068】
110、210 画像入力部
120 画像DB(データベース)
130 検索処理部
132、222 輪郭追跡処理部
134、224 接合点抽出処理部
136、226 関数近似処理部
140 類似度判定処理部
142 検索結果出力処理部
150、230 操作部
160、240 表示部
170 印刷装置
220 データベース作成部
228 ファイル作成処理部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8