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明細書 :液状物質の液位測定・監視方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3059692号 (P3059692)
公開番号 特開平11-051747 (P1999-051747A)
登録日 平成12年4月21日(2000.4.21)
発行日 平成12年7月4日(2000.7.4)
公開日 平成11年2月26日(1999.2.26)
発明の名称または考案の名称 液状物質の液位測定・監視方法
国際特許分類 G01F 23/28      
G06T  7/00      
FI G01F 23/28 L
G06F 15/62
請求項の数または発明の数 3
全頁数 5
出願番号 特願平09-210321 (P1997-210321)
出願日 平成9年8月5日(1997.8.5)
審査請求日 平成9年8月5日(1997.8.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000224754
【氏名又は名称】核燃料サイクル開発機構
発明者または考案者 【氏名】宇佐美 朋之
【氏名】会川 英昭
個別代理人の代理人 【識別番号】100067046、【弁理士】、【氏名又は名称】尾股 行雄
審査官 【審査官】江塚 政弘
参考文献・文献 特開 平3-170029(JP,A)
実開 昭62-146925(JP,U)
調査した分野 G01F 23/28
G06T 7/00
特許請求の範囲 【請求項1】
容器(1)内に貯溜された液状物質の液位(H)を測定・監視する方法であって、
前記容器(1)周縁の所定位置に基準線(9)を設け、
この容器(1)の上方より撮像装置(5)にて容器(1)内を撮像し、
得られた撮像信号をコンピュータ(7)に入力して映像をモニタ(8)に表示すると共に、同心円状に得られた基準線画像(9a)および液面画像(2a)の画像の中心位置(O)から各周上までの距離(X0)および(X1)を算出し、
算出した中心位置(O)から基準線画像(9a)までの距離(X0)および中心位置(O)から液面画像(2a)までの距離(X1)と、撮像装置(5)の設置位置で決まる容器(1)の底面から前記撮像装置(5)の結像面(11)までの距離(H0)および容器(1)の基準線(9)から結像面(11)までの距離(H1)より液位(H)を算出することを特徴とする液状物質の液位測定・監視方法。

【請求項2】
前記撮像装置(5)の撮像信号は階調信号であり、この階調値の特定のピーク値を各々基準線画像(9a)および液面画像(2a)とすることを特徴とする請求項1に記載の液状物質の液位測定・監視方法。

【請求項3】
前記基準線画像(9a)および液面画像(2a)の中心位置(O)は、モニタ画面上で走査した少なくとも3本以上の基準線走査線(13)と基準線画像(9a)との交点の座標より算出することを特徴とする請求項1に記載の液状物質の液位測定・監視方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、容器内に貯溜された液状物質や粘性を有する物質等の液位を非接触で測定・監視する方法に関し、さらに詳しくは、撮像により得られた容器内の画像を数値処理して行う液位測定・監視方法に関するものである。

【0002】

【従来の技術】従来より、容器に貯留された液状物質の液位測定において、特に測定対象が高温であったり、あるいは、近づくことが難しい有害物質等である場合には、作業の安全性やセンサ材料の特性変化等の面から、しばしば非接触形のセンサが使用されており、一般的にこの種の非接触形の液位センサとしては、例えば、超音波式、レーザ式、あるいは放射温度計式等が知られている。

【0003】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、超音波式やレーザ式では、液状物質を貯溜するガラス製の容器あるいは、ガラス製の窓を隔てての測定であって、ガラス面において音波やレーザ光の反射が生ずるため、高精度の測定は不可能または困難であった。また、放射温度計では、温度領域が限定され、測定対象が限定されてしまうといった欠点があった。

【0004】
本発明は、上記した非接触センサにおける欠点を解消するために成されたものであって、液状物質を貯溜する容器内の液位を容器内に測定冶具等を入れることなく、容易にかつ精度良く測定・監視する方法を提供することを目的としている。

【0005】

【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に記載の本発明では、 容器(1)内に貯溜された液状物質の液位(H)を測定・監視する方法であって、前記容器(1)周縁の所定位置に基準線(9)を設け、この容器(1)の上方より撮像装置(5)にて容器(1)内を撮像し、得られた撮像信号をコンピュータ(7)に入力して映像をモニタ(8)に表示すると共に、同心円状に得られた基準線画像(9a)および液面画像(2a)の画像の中心位置(O)から各周上までの距離(X0)および(X1)を算出し、算出した中心位置(O)から基準線画像(9a)までの距離(X0)および中心位置(O)から液面画像(2a)までの距離(X1)と、撮像装置(5)の設置位置で決まる容器(1)の底面から前記撮像装置(5)の結像面(11)までの距離(H0)および容器(1)の基準線(9)から結像面(11)までの距離(H1)より液位(H)を算出することを特徴とするものである。

【0006】
また、請求2に記載の本発明では、前記撮像装置(5)の撮像信号は階調信号であり、この階調値の特定のピーク値を各々基準線画像(9a)および液面画像(2a)とすることを特徴とするものである。

【0007】
さらに、請求項3に記載の本発明では、前記基準線画像(9a)および液面画像(2a)の中心位置(O)は、モニタ画面上で走査した少なくとも3本以上の基準線走査線(13)と基準線画像(9a)との交点の座標より算出することを特徴とするものである。

【0008】

【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る液位測定装置の概略を示す図である。図中、1は円筒形の容器であって、内部に無害、有害な液体状物質、または粘性を有する物質等が図示する液面2の位置まで貯留されている。この容器1の上部中央には覗き窓3が設けてあり、その上方には、この覗き窓3を介して容器1内を撮像するための撮像装置としてモニタカメラ5が据え付けられている。このモニタカメラ5の撮像出力線21は撮像によって得られた入力画像を数値処理するためのコンピュータ7に接続されていて、さらに、コンピュータ7は入力された画像を表示するモニタ8を備えている。

【0009】
また、この容器1の覗き窓3の近傍には撮像用の照明4が供給される別の覗き窓20が設けてある。

【0010】
ところで、上記容器1の周縁の所定位置に、底面に平行する環状の基準線9が設けてあり、この基準線9が液位算出の際の基準値として利用される。したがって、前記モニタカメラ5による撮像でこの基準線9が画像として読みとり可能である必要がある。

【0011】
本構成における液位測定は、容器1上部の覗き窓3を通してモニタカメラ5が撮像した容器1内の撮像信号(すなわち、基準線9と液面2の映像)が階調信号として画像入力ボード6に入力され、コンピュータ7に取り込まれる。コンピュータ7は、この階調信号の特定のピーク値を検知して基準線画像9aおよび液面画像2aとして逐次モニタ8に表示すると共に、モニタ表示されたこれら基準線画像9aおよび液面画像2aに基づいて液位を算出しデジタルおよびアナログで表示する。

【0012】
以下、図2、図3により液位の算出について説明する。

【0013】
図2はモニタカメラ5による容器1内の撮像状況を示す図である。

【0014】
容器1内に示した結像面11´はモニタカメラ5の結像面11を判りやすく拡大表現したものである。なお、破線10はモニタカメラ5の視野を示している。

【0015】
12は上記した結像面11の上面図であって、容器1内の映像、すなわち、基準線9と液面2はこの結像面11上に同心円状に映し出される。

【0016】
本図において、貯溜量により液面2が上下すると、基準線画像9aは常に一定であるが、これに応じて液面画像2aの円の径が大小に変化する。もし、液面2が基準線9を越えたとすると、撮像で得られた液面画像2aの円の径が基準線画像9aの円の径より大きくなる。コンピュータ7による液位算出処理の際、上記した画像がモニタ8上に表示される。

【0017】
図2において、容器1の底面とモニタカメラ5の結像面11の距離をH0、基準線9とモニタカメラ5の結像面11の距離をH1とし、同心円状に得られた基準線画像9aおよび液面画像2aの中心から各周上までの距離をX0、X1とすると、求める液位Hは下式で表すことができる。

【0018】

H(液位)=H0-((X0/X1)×H1)
但し、本実施形態ではX0およびX1はモニタ画像上の画素数とする。

【0019】
このように、本発明では既知の距離H0およびH1と画像上で検出した画素数X0、X1とから液位Hを求めることができる。

【0020】
ところで、モニタ画面上に映し出される基準線画像9aおよび液面画像2aの中心位置は据え付けするモニタカメラ5のパンにより一定しないため、X0およびX1の算出は次のような方法で行なわれる。

【0021】
図3はコンピュータ7のモニタ画面を示しており、(X0,Y0)を原点とする、(X0,Ym)、(Xm,Ym)、(Xm,Y0)の座標値で表される映像区画12内に基準線9および液面2の映像、すなわち基準線画像9aおよび液面2aが表示される。なお、Xmは水平画素数、Ymは垂直画素数である。

【0022】
図3において、上記した画像中心位置を求めるには、まず、例えば3本の基準線走査線13、13、13に沿って走査し、各基準線走査線13と基準線画像9aの交点A、B、Cの座標を求め、この3点A、B、Cのそれぞれの座標から基準線画像9aの中心位置Oの座標を算出する。

【0023】
次に、基準線画像9aの周上の任意の点Dから中心位置Oに向かう液面走査線14に沿って走査し、液面走査線14と液面画像2aの交点Eの座標を求め、中心座標(点O)から液面画像2a(点E)までの距離(画素数)X1および中心座標から基準線画像9a(点D)までの距離(画素数)X0を求める。このように周上の任意の3点A、B、Cの座標から画像の中心位置を求めるようにすることで、例えば、容器1が円形でない場合やモニタカメラ5の中心線が容器1の中心を通らない場合でも、常に、距離X0,X1は正確に算出できる。また、本実施形態のように、撮像信号を階調信号として取り込み、この階調値の特定のピーク値を画像とすることによって、より正確な画像位置が検出できるので、高精度な液位測定が可能となる。

【0024】
また、基準線9の実施例としては、容器1に塗装表示したもの、アスベスト系のペーパを容器サイズにパッキン状に切り出したものを容器1に設置したもの、あるいは、既成容器1のフランジ部の境界面を基準線9として利用することも勿論可能である。要するに、モニタカメラ5が基準線を画像として読み取りれるものであれば如何なるものでも利用可能である。

【0025】
また、例えば、測定対象が透明度の無い液状物質である場合、内容物が基準線9を越えるとモニタ映像による基準線9の判別が難しくなるめ、基本的には、基準線9は常に液面2より上方に位置するように設定される。また、測定対象が透明で基準線9の撮像が可能であればこの限りではなく、何れの場合も上記した数式により液位Hの算出は可能である。

【0026】
以上のように、本発明では、モニタカメラ5で液状物質が貯留される容器1内を撮像し、その画像を数値処理して非接触による液位算出を行うから、既成の容器であってもその容器等を改造することなく液位の測定・監視ができるため、特に内容物が有害物質であって容器の改造が困難な場合などに有効である。

【0027】
また、液位センサが外部取り付けのモニタカメラであるため、そのメンテナンス時にも容器内の気密が確保できるから、内容物が有害物質である場合に有効である。

【0028】
また、既に容器内のモニタカメラが装備されている施設等においては、その映像信号を処理することで、液位の測定・監視が簡単に実現できる。

【0029】

【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の本発明によれば、撮像装置にて液状物質が貯留された容器内を撮像し、同心円状に得られた基準線画像と液面画像の映像より液位を算出するようにしたので、非接触による液位測定が可能となり、特に、化学プラントや原子力プラントのように測定対象が有害物質である場合や、製鉄所等のように測定環境が高温である場合には、作業者の安全性も確保されることから極めて好適である。

【0030】
また、液位センサが外部取り付けの撮像装置であり、メンテナンス時にも容器内の気密が確保できるから、特に有害物質等の液位測定に極めて有効である。すでに、容器内の撮像装置が装備されているプラントであれば、その映像信号を数値処理することで、液位の測定・監視が容易に、かつ正確に行える。

【0031】
また、請求項2に記載の本発明によれば、撮像信号を階調信号として、その特定ピーク値を画像として処理することによって、正確な画像位置が読みとれるようになり、高精度な液位測定が実現できる。

【0032】
さらに、請求項3に記載の本発明では、撮像により得られた基準線画像と液面画像の中心位置を基準線画像上の3カ所以上の座標から算出するようにしたので、容器が円形でない場合や、モニタカメラの中心線が容器の中心よりずれている場合であっても、同心円状に得られた基準線画像および液面画像の中心から各周上までの距離を常に正確に算出できるようになる。その結果、精度の良い液位測定が実現できる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2