TOP > 国内特許検索 > 置換基を有するノボラック誘導体およびその製造方法 > 明細書

明細書 :置換基を有するノボラック誘導体およびその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4389010号 (P4389010)
公開番号 特開2006-131853 (P2006-131853A)
登録日 平成21年10月16日(2009.10.16)
発行日 平成21年12月24日(2009.12.24)
公開日 平成18年5月25日(2006.5.25)
発明の名称または考案の名称 置換基を有するノボラック誘導体およびその製造方法
国際特許分類 C08G   8/00        (2006.01)
C08G   8/04        (2006.01)
FI C08G 8/00 E
C08G 8/04
請求項の数または発明の数 4
全頁数 16
出願番号 特願2004-325752 (P2004-325752)
出願日 平成16年11月9日(2004.11.9)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成16年5月10日 社団法人高分子学会発行の「高分子学会予稿集 53巻1号」に発表
審査請求日 平成19年10月30日(2007.10.30)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504160781
【氏名又は名称】国立大学法人金沢大学
発明者または考案者 【氏名】小西 玄一
【氏名】野尻 大和
【氏名】松尾 俊樹
【氏名】中本 義章
個別代理人の代理人 【識別番号】100114074、【弁理士】、【氏名又は名称】大谷 嘉一
審査官 【審査官】久保田 英樹
参考文献・文献 特開昭59-086046(JP,A)
特開平01-206337(JP,A)
特開2006-089723(JP,A)
調査した分野 C08G 8/00-16/06
WPI
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
溶媒中に助触媒として酢酸を加え、下記の反応式(1)に従って製造することを特徴とする一般式(2)で表されるフェノールノボラック誘導体の製造方法。
【化1】
JP0004389010B2_000018t.gif
【化2】
JP0004389010B2_000019t.gif
ただし、式中R1は、水素、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、フェニル基のいずれかである。
R2、R3、R4は、メチル基、tert-ブチル基、アルコキシル基、フェニル基のいずれかである。
R5は、水素または、炭素数1~18のアルキル基、フェニル基のいずれかである。
nは1以上の整数である。
【請求項2】
請求項1に記載の反応式で得られたメタ位で連結されたノボラック誘導体からフェノール性水酸基のオルト位又はパラ位の置換基を、下記反応式(5)に従って交換反応させて製造することを特徴とする一般式(5-1)で表されるノボラック誘導体の製造方法。
【化3】
JP0004389010B2_000020t.gif
【化4】
JP0004389010B2_000021t.gif
ただし、式中R1は、水素、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、フェニル基のいずれかである。
R2、R3、R4は、メチル基、tert-ブチル基、アルコキシル基、フェニル基のいずれかである。
R5は、水素または、炭素数1~18のアルキル基、フェニル基のいずれかである。
R6、R7、R8は、R2、R3、R4のいずれかが交換反応した置換基を示し、水素、メチル基、tert-ブチル基のいずれかであり、同じユニットの繰り返しである必要はない。
nは1以上の整数である。
【請求項3】
溶媒中に助触媒として酢酸を加え、下記の反応式(6)に従って製造することを特徴とする一般式(7)で表されるカテコールノボラック誘導体の製造方法。
【化5】
JP0004389010B2_000022t.gif
【化6】
JP0004389010B2_000023t.gif
R9、R10は、水素、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、フェニル基のいずれかである。
R11は、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、フェニル基のいずれかである。
R12、R13は、水素、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、フェニル基のいずれかである。
n”は1以上の整数である。
【請求項4】
溶媒中に助触媒として酢酸を加え、下記の反応式(8)に従って製造することを特徴とする一般式(9)で表されるヒドロキノンノボラック誘導体の製造方法。
【化7】
JP0004389010B2_000024t.gif
【化8】
JP0004389010B2_000025t.gif
R14、R15は、水素、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、フェニル基のいずれかである。
R16、R17は、水素、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、フェニル基のいずれかであり、かつ、R16とR17が同時に水素となることはない。
R18は、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、フェニル基のいずれかである。
n’’’は1以上の整数である。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的かさ高い置換基を有するノボラック誘導体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フェノール、クレゾール、キシレノールから誘導されるノボラックやレゾールは、レジスト材料をはじめ、耐熱材料、建材、コンクリートの添加物などとして現在でも幅広く利用されている。
特にレジスト材料として用いる場合は、クレゾールノボラックが価格と品質の観点から優れているとされている。
しかし、多数の置換基をベンゼン環上に持つノボラックの性能については、十分に検討されているとは言えない(非特許文献1)。
ノボラックの耐熱性、耐久性、ブレンド特性を向上させるために、多くの研究がなされてきた。たとえば、脂肪族の環状化合物をスペーサーに利用する方法が知られている。(特許文献1)
そういった方法とは別に、ベンゼン環上にかさ高い置換基を有するフェノール誘導体をノボラックの原料に用いることにより、酸化反応に強く、耐熱性の高いノボラックが得られると予想されるが、その立体障害のためにアルデヒド類との付加縮合が効率的に進まないと考えられており、十分に検討されてきたとは言えない(非特許文献2、3)。
最近の研究では、本発明者らの、2,4,6-トリメチルフェノール(非特許文献4)や1,3,5-トリメトキシベンゼン(非特許文献2)からのノボラックの合成が知られている。
したがって、かさ高い置換基を有するノボラックおよびそのエポキシ化物、カリックスアレーン類の工業的利用は、未知の部分が多い。
【0003】

【特許文献1】特開2000-063465号公報
【非特許文献1】松本明博、「フェノール樹脂の合成・硬化・強靭化および応用」アイピーシー、2000年
【非特許文献2】小西玄一ほか、接着、 48巻、74頁、2004年
【非特許文献3】小西玄一、化学と工業、 57巻、927頁、2004年
【非特許文献4】小西玄一ほか、平成14年度日本化学会近畿支部北陸地区講演発表会・要旨集、 141頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、水酸基に隣接して置換基を有するノボラック誘導体の製造方法とそれにより得られる新規ノボラック誘導体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ベンゼン環上に多数の置換基を有したり、比較的かさ高い置換基を有していてもアルデヒドの付加縮合反応において従来から使用されている触媒の他に溶媒中にいわば、助触媒として酢酸を添加すると付加縮合反応が効果的に進むことを見い出したものである。
即ち、溶媒中に助触媒として酢酸を加えると、下記の反応式(1)に従って一般式(2)で表されるフェノールノボラック誘導体が効率良く製造できる。
【化1】
JP0004389010B2_000002t.gif
【化2】
JP0004389010B2_000003t.gif
ただし、式中R1は、水素、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、フェニル基のいずれかである。
また、アルキル基はメチル基又はエチル基等の直鎖でも分岐鎖でもよい。
なお、原材料の入手の観点からは水素が良い。
R2、R3、R4は、メチル基、tert-ブチル基、アルコキシル基、フェニル基のいずれかである。
R5は水素または、炭素数1~18のアルキル基、フェニル基のいずれかである。
溶媒としてはクロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのセロソルブ類、メタノール、エタノールなどのアルカノール類、トルエン等の単独又は混合溶媒でよいが、本発明は助触媒として酢酸を5~95%加える点に特徴がある。
溶媒の種類等に合わせて酢酸濃度が選定されるが好ましくは5~50%である。
触媒としては、塩酸、硫酸などの無機酸、およびパラトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸などの有機酸が例として挙げられる。
反応温度は20~150℃、好ましくは40~80℃の範囲である。
【0006】
このようにして製造されるフェノールノボラック誘導体の分子量は200~100,000である。
分子量は用途に応じて制御されるが、好ましくは500~50,000、望ましくは500~10,000である。
【0007】
溶媒中に助触媒として酢酸を加え、反応を制御することにより下記の反応式(3)に従って一般式(4)で表されるカリックスアレーン誘導体も製造できる。
【化3】
JP0004389010B2_000004t.gif
【化4】
JP0004389010B2_000005t.gif
式中、R1~Rはそれぞれ一般式(2)で説明したものと同じであるが、好ましくは下記のものである。
R1は水素、又はメチル基である。
R2、R3、R4は、メチル基である。
R5は水素、又はメチル基である。
n’は4~8の範囲であるが4が好ましい。
溶媒としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、いずれか又はそれらの混合溶媒である。
酢酸を助触媒として溶媒に対して5~95%加える。好ましくは酢酸温度5~50%の範囲である。
また触媒としては、塩酸、硫酸などの無機酸、およびパラトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸などの有機酸が例として挙げられる。
反応温度は20~80℃である。
【0008】
更に、上記に記載の反応式で得られた一般式(2)のメタ位で連結されたノボラック誘導体におけるフェノール性水酸基のオルト位又はパラ位の置換基を下記の反応式(5)に従って交換反応させることで一般式(5-1)で表される機能性に優れたノボラック誘導体が製造できる。
【化5】
JP0004389010B2_000006t.gif
【化6】
JP0004389010B2_000007t.gif
式中、R1~ Rはそれぞれ一般式(2)で説明したものと同じであるが、好ましくは下記のものである。
R1は水素又はメチル基である。
R2、R3、R4はメチル基またはtert-ブチル基である。
R5は水素又はメチル基である。
R6、R7、R8はR2、R3、R4のいずれかを置換した基で、水素、メチル基、tert-ブチル基のいずれかであり、同じユニットの繰り返しである必要はない。
また、R2、R3、R4の位置にtert-ブチル基がある場合には、R6、R7、R8が水素にすることができる。
触媒としては、塩化アルミニウム、塩化鉄、三臭化ホウ素などのルイス酸が例として挙げられる。
溶媒としては、トルエン、クロロホルム、塩化メチレンが例として挙げられる。
反応温度は0~50℃の範囲が好ましい。
【0009】
助触媒として酢酸を加えると、下記の反応式(6)に従って一般式(7)で表されるカテコールノボラック誘導体が製造できる。
【化7】
JP0004389010B2_000008t.gif
【化8】
JP0004389010B2_000009t.gif
R9、R10は、水素、炭素数2~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、フェニル基のいずれかである。好ましくは水素である。
R11は、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、フェニル基のいずれかである。好ましくはメチル基とtert-ブチル基である。
R12は水素、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、フェニル基のいずれかである。好ましくは水素、メチル基、tert-ブチル基である。
R13は、水素、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、フェニル基のいずれかである。好ましくは水素、メチル基である。
反応溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのセロソルブ類、メタノール、エタノールなどのアルカノール類、トルエンが例として挙げられる。
溶媒中の酢酸の含有量は5~95%、好ましくは5~50%である。
触媒としては、塩酸、硫酸などの無機酸、およびパラトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸などの有機酸が例として挙げられ、好ましくは塩酸又は硫酸である。
【0010】
この製造方法にて得られるカテコールノボラック誘導体は、数平均分子量が500~100,000の範囲であることを特徴とする。
好ましくは500~50,000、望ましくは500~10,000の範囲である。
【0011】
溶媒中に助触媒として酢酸を加え、下記の反応式(8)に従って製造することで一般式(9)で表されるヒドロキノンノボラック誘導体を製造することができる。
【化9】
JP0004389010B2_000010t.gif
【化10】
JP0004389010B2_000011t.gif
R14、R15は、水素、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、フェニル基のいずれかである。
なお、水素、メチル基が好ましい。
R16、R17は、水素、メチル基、エチル基などの直鎖または分岐した炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、フェニル基のいずれかである。
なお、メチル基、tert-ブチル基が好ましい。ただし、R16とR17が同時に水素となることはない。
R18は、水素、メチル基、エチル基などの直鎖または分岐した炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、フェニル基のいずれかで、水素、メチル基が好ましい。
反応溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのセロソルブ類、メタノール、エタノールなどのアルカノール類、トルエンが例として挙げられる。
溶媒中の酢酸の含有量は5~95%がよい。好ましくは5~50%である。
触媒としては、塩酸、硫酸などの無機酸、およびパラトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸などの有機酸で、好ましくは塩酸又は硫酸である。
反応温度は20~150℃である。
【0012】
上記ヒドロキノンノボラック誘導体は、数平均分子量500~100,000の範囲であることを特徴とする。
なお、好ましくは500~50,000、望ましくは500~10,000である。
【0013】
上記の一般式(2)、(7)、(9)で表される化合物は、それぞれエピクロルヒドリンとの高分子反応によって機能性ノボラック誘導体を得ることができる。
例としては、エピクロロヒドリンより誘導されるエポキシ化物の他にハロゲン化アリルより誘導されるアリル化物がある。
【発明の効果】
【0014】
本発明によって得られる置換基を有するノボラック誘導体は、従来のフェノールノボラックとは異なり、水酸基に隣接して置換基を有するため、酸化反応を受けにくく、変色・劣化が起こりにくい。
その点では水酸基に隣接した置換基が、例えばtert-ブチル基、iso-ブチル基、neo-ペンチル基の場合の比較的かさ高い基でも酢酸を助触媒することで、各種の置換基を有するノボラック誘導体が得られる特徴がある。
さらに、隣接した置換基で水酸基が立体障害により保護された格好になるため、ノボラックどうしの凝集が少なく、有機溶媒への溶解度も、従来のノボラックに比べて高いと言える。
特にクロロホルムのようなフェノール・ノボラックの貧溶媒にも溶解する場合もあり、加工性の点からも有用である。
さらに、環状オリゴマーである、カリックスアレーンも合成することができる。これは、酢酸を添加することによりアルデヒド類の反応性が向上するからと考えられる。
特にメタ位で連結されたノボラックは、メチレン基が水酸基に隣接していないため、硬化物として用いた場合、水酸基の運動性が高まり、より緻密なネットワーク構造を形成できると考えられる。
さらに、高分子反応を用いて、オルト位の置換基を脱離させてやれば、よりその傾向が強まると言える。
また、酢酸を助触媒とすることで、更にかさ高い置換基を有するカテコールやヒドロキノン誘導体からも同様にノボラックを合成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】
得られた共重合体は、その構造確認をNMR、IR、GPCにより行った。
(a)1H NMR(270MHz)および13C NMR(75MHz)は、日本電子フーリエ変換NMR分光光度計(JNM-EX-270)を使用して25℃で測定した。溶媒として重水素化アセトン、内部標準物質としてテトラメチルシランを使用した。
(b)FT-IRスペクトルは、日本分光フーリエ変換分光光度計(FT-IR 460plus)を用いて行った。
(c)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定には、カラムとして東ソー製ポリスチレンゲル充填からむTSKgelG3000H XLを用い、検出には東ソー紫外分光光度計(UV-8011、測定波長270nm)を用い、テトラヒドロフランを溶離液として1.0mL/min、室温で測定した。
【0017】
1.反応式(1)に従って製造される一般式(2)で表したフェノールノボラックの合成例
【化11】
JP0004389010B2_000012t.gif
【化12】
JP0004389010B2_000013t.gif
(実施例1-1)還流管を装備した100mLナス型フラスコに2,4,6-トリメチルフェノール2.72g(0.02mol)、パラホルムアルデヒド1.26g(ホルムアルデヒド成分として0.04mol)を秤量し、酢酸(10mL)、エチレングリコールモノエチルエーテル(10mL)混合溶媒を加え氷浴下で4℃で撹拌しながら、濃硫酸1.5mLをゆっくり滴下した。溶液が均一になった後、100℃で6時間反応させた。反応終了後、反応溶液を200mLのメタノールで再沈殿し、得られた固体を数回洗浄してろ過回収した。その後、反応生成物は、40℃減圧下で乾燥し、無色の粉末固体2.51gを得た。収率88%、分子量Mn=2200,Mw/Mn=1.3であった。
図1に、1H NMRチャートを示し、図2に13C NMRチャート、図3にIR測定チャートを示す。
【0018】
(実施例1-2)パラホルムアルデヒドのモル数を0.02molにした点を除いて、実施例1-1と同じ操作を行ったところ、65%の収率で相当するノボラック誘導体を得た。分子量Mn = 1900, Mw/Mn = 1.4であった。
【0019】
(実施例1-3)反応時間を1時間にした点を除いて、実施例1-1と同じ操作を行ったところ、80%の収率で相当するノボラック誘導体を得た。分子量Mn = 1500, Mw/Mn = 1.2であった。
【0020】
(実施例1-4)パラホルムアルデヒドのモル数を0.02molに、反応時間を1時間にした点を除いて、実施例1-1と同じ操作を行ったところ、30%の収率で相当するノボラック誘導体を得た。分子量Mn = 1500, Mw/Mn = 1.3であった。
(実施例1-5)パラホルムアルデヒドのモル数を0.06molにした点を除いて、実施例1-1と同じ操作を行ったところ、90%の収率で相当するノボラック誘導体を得た。分子量Mn = 3000, Mw/Mn = 1.9であった。
(実施例1-6)2,4,6-トリメチルフェノールを2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾールにした点を除いて、実施例1-1と同じ操作を行ったところ、100%の収率で相当するノボラック誘導体を得た。分子量Mn = 2800, Mw/Mn = 1.3であった。
【0021】
2.反応式(6)に従って製造される一般式(7)で表したカテコールノボラックの合成例
【化13】
JP0004389010B2_000014t.gif
【化14】
JP0004389010B2_000015t.gif
(実施例2-1)還流管を装備した100mLナス型フラスコに4-tert-ブチルカテコール3.30g(0.02mol)、パラホルムアルデヒド1.26g(ホルムアルデヒド成分として0.04mol)を秤量し、酢酸(10mL)、エチレングリコールモノエチルエーテル(10mL)混合溶媒を加え氷浴下で4℃で撹拌しながら、濃塩酸1.5mLをゆっくり滴下した。溶液が均一になった後、100℃で6時間反応させた。反応終了後、反応溶液を200mLのメタノールで再沈殿し、得られた固体を数回洗浄してろ過回収した。その後、反応生成物は、40℃減圧下で乾燥し、無色の粉末固体3.13gを得た。収率90%、分子量Mn=3000,Mw/Mn=1.9であった。
図4に1H NMRチャート、図5に13C NMRチャート、図6にIR測定チャートを示す。
(実施例2-2)パラホルムアルデヒドのモル数を0.06molにした点を除いて、実施例2-1と同じ操作を行ったところ、90%の収率で相当するノボラック誘導体を得た。分子量Mn = 5500, Mw/Mn = 2.8であった。
(実施例2-3)触媒を硫酸1.0mLにした点を除いて、実施例2-1と同じ操作を行ったところ、40%の収率で相当するノボラック誘導体を得た。分子量Mn = 1200, Mw/Mn = 1.1であった。
【0022】
3.反応式(8)に従って製造される一般式(9)で表したヒドロキノンノボラックの合成例
【化15】
JP0004389010B2_000016t.gif
【化16】
JP0004389010B2_000017t.gif
(実施例3-1)還流管を装備した100mLナス型フラスコに2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン4.44g(0.02mol)、パラホルムアルデヒド1.26g(ホルムアルデヒド成分として0.04mol)を秤量し、酢酸(10mL)、エチレングリコールモノエチルエーテル(10mL)混合溶媒を加え氷浴下で4℃で撹拌しながら、濃硫酸1.5mLをゆっくり滴下した。溶液が均一になった後、100℃で6時間反応させた。反応終了後、反応溶液を200mLのメタノールで再沈殿し、得られた固体を数回洗浄してろ過回収した。その後、反応生成物は、40℃減圧下で乾燥し、無色の粉末固体2.25gを得た。収率90%、分子量Mn=2800、Mw/Mn=1.4であった。
(実施例3-2)パラホルムアルデヒドのモル数を0.06molにした点を除いて、実施例1-1と同じ操作を行ったところ、90%の収率で相当するノボラック誘導体を得た。分子量Mn = 4500、 Mw/Mn = 2.1であった。
(実施例3-3)パラホルムアルデヒドをパラアルデヒド(アセトアルデヒド)にした点を除いて、実施例1-1と同じ操作を行ったところ、80%の収率で相当するノボラック誘導体を得た。分子量Mn = 2000、 Mw/Mn = 1.1であった。
4.水酸基への高分子反応による機能性ノボラックの合成例(エポキシ化物)
(実施例4-1)還流管を装備した100mLナス型フラスコに実施例1-1で合成したフェノールノボラック1.48g(0.01mol)、水酸化ナトリウム1g、THF50mL、水50mLを入れ、50℃で3時間撹拌した。その混合溶液の中に、エピクロロヒドリン1.85g(0.02mol)を滴下した後、100℃で3時間反応させた。溶媒と過剰のエピクロロヒドリンを留去し、残留物をトルエンに溶かしてろ過することにより食塩を取り除いた。トルエンを留去して定量的にエポキシ化物を得た。水酸基に対するエポキシの導入率は40%であった。
(実施例4-2)エピクロロヒドリンの量を0.04molにした点を除いて、実施例4-1と同じ操作を行ったところ、定量的にエポキシ化物を得た。水酸基に対するエポキシの導入率は65%であった。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明により提供されるノボラック誘導体は、レジスト材料として、また硬化剤としての応用が可能である。
これまでのノボラックに比べて、高分子の形状やフィルムにした場合の配向性や機械的強度といった物性が安定していると考えられる。その応用例として、本発明では、硬化前のエポキシ化した化合物とその製造法をあげた。さらに、有機溶媒への溶解性が高いことから、汎用高分子やエンジニアリングプラスチックとの高分子ブレンドとしての応用も考えらる。
さらに、有機・無機ナノコンポジット、コーティング剤などに利用できるほか、プラスチックの強度や耐熱性を向上させる添加物としても期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例1-1で得られたフェノールノボラックの1H NMRチャート
【図2】実施例1-1で得られたフェノールノボラックの13C NMRチャート
【図3】実施例1-1で得られたフェノールノボラックのIR測定チャート
【図4】実施例2-1で得られたカテコールノボラックの1H NMRチャート
【図5】実施例2-1で得られたカテコールノボラックの13C NMRチャート
【図6】実施例2-1で得られたカテコールノボラックのIR測定チャート
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5